説明

液体容器

【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な液体容器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】容器本体1と該容器本体1の開口部2を閉塞する蓋体3とから成る液体容器であって、前記蓋体3は前記開口部2に螺着されるものであり、前記蓋体3若しくは前記開口部2には液漏れシール材4が設けられ、更に、前記液漏れシール材4が当接する部位には凹部5が設けられたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飲料を収納する液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば水筒(携帯用魔法瓶)などのように容器本体と該容器本体の開口部を閉塞する蓋体とから成る液体容器(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、蓋体が開口部に螺着されるものであり、この蓋体には液漏れシール材が設けられており、この液漏れシール材により、蓋体と開口部との間がシールされ容器本体内の液体が漏れることが防止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来例は、前述したように蓋体で開口部を閉塞した際に液漏れシール材により密閉されるが、容器本体内に熱い液体を入れて蓋体で閉塞した場合、容器本体内の温度が下がった際に減圧されて蓋体に大気圧がかかり、蓋体が手では開かない若しくは開きにくくなってしまう場合がある。場合によっては蓋体を破壊しなければならない。
【0005】
本発明は、前述した問題点を解決する、従来にない作用効果を発揮する画期的な液体容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
容器本体1と該容器本体1の開口部2を閉塞する蓋体3とから成る液体容器であって、前記蓋体3は前記開口部2に螺着されるものであり、前記蓋体3若しくは前記開口部2には液漏れシール材4が設けられ、更に、前記液漏れシール材4が当接する部位には凹部5が設けられ、前記液漏れシール材4は前記蓋体3を前記開口部2に螺着した際には、前記液漏れシール材4が変形して前記凹部5を閉塞し、前記螺着を緩めて前記変形を解消した際には、前記凹部5の閉塞は解除されて前記容器本体1内と外部とが連通するように構成されていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の液体容器において、前記蓋体3には、前記開口部2内に嵌入する嵌入部3aが設けられ、この嵌入部3aの外周面若しくは前記開口部2の内周面には前記液漏れシール材4が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の液体容器において、前記嵌入部3aの外周面と前記開口部2の内周面との間には螺子部9が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の液体容器において、前記蓋体3には、前記開口部2に被嵌する被嵌部3bが設けられ、この被嵌部3bの内周面と前記開口部2の外周面との間には螺子部10が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の液体容器において、前記蓋体3には、前記開口部2に被嵌する被嵌部3bが設けられ、この蓋体3の被嵌部3bの内周面若しくは前記開口部2の外周面には前記液漏れシール材4が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0012】
また、請求項5記載の液体容器において、前記被嵌部3bの内周面と前記開口部2の外周面との間には螺子部10が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0013】
また、請求項6記載の液体容器において、前記蓋体3には、前記開口部2内に嵌入する嵌入部3aが設けられ、この嵌入部3aの外周面と前記開口部2の内周面との間には螺子部9が設けられていることを特徴とする液体容器に係るものである。
【0014】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の液体容器において、前記液漏れシール材4としてシリコン樹脂製の液漏れシール材4を採用したことを特徴とする液体容器に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の液体容器において、前記容器本体1は、内容体1Aと外容体1Bとを間隙を介して連設して成る断熱構造を具備したものであることを特徴とする液体容器に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例と異なり、例えば容器本体内に熱い液体を入れて開口部を蓋体で閉塞(密閉)した場合(容器本体内が減圧した場合)であっても、蓋体が開かなくなってしまうことがなく、楽に開けることができて非常に便利であり、しかも、簡易構造であるためコスト安にして量産性に秀れることになるなど従来例にない作用効果を発揮する画期的な液体容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例に係る第一構成例の概略説明図である。
【図2】本実施例に係る第二構成例の概略説明図である。
【図3】本実施例に係る第三構成例の概略説明図である。
【図4】本実施例に係る第四構成例の概略説明図である。
【図5】第一構成例に係る要部の説明断面図である。
【図6】第一構成例に係る要部の分解斜視図である。
【図7】第一構成例に係る要部の動作説明断面図である。
【図8】第一構成例に係る要部の動作説明断面図である。
【図9】第一構成例に係る要部の動作説明断面図である。
【図10】第一構成例に係る要部の動作説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
例えば容器本体1内に熱い液体を入れ、蓋体3を開口部2に螺着して該開口部2を閉塞すると、蓋体3と開口部2との間は、蓋体3若しくは開口部2に設けられた液漏れシール材4によりシールされる。
【0020】
本発明は、この液漏れシール材4が当接する部位には凹部5が設けられており、この液漏れシール材4は蓋体3を開口部2に螺着した際には、液漏れシール材4が変形して凹部5を閉塞して密閉状態となる。この状態で容器本体1内の温度が下がった際、容器本体1内は減圧されて蓋体3が開かない若しくは開きにくくなる。
【0021】
蓋体3に大気圧がかかり該蓋体3が開かない状態(開く方向に螺動できない)でも、凹部5を閉塞している液漏れシール材4の変形を解消させる程度に蓋体3を螺動させることは可能である。
【0022】
この閉塞状態の蓋体3を開く際、蓋体3の螺着を緩めると、前述した液漏れシール材4の変形が解消され、凹部5の閉塞は解除されて容器本体1内と外部とが連通し、空気が通過して容器本体1内に入り該容器本体1内は常圧となる。
【0023】
従って、本発明は、例えば容器本体1内に熱い液体を入れた際など、容器本体1内が減圧されたことに影響されず蓋体3を容易に開くことができる。即ち、液漏れシール材4の変形を解消させることは蓋体3の回動操作であり、蓋体3を引動操作することに比べそれ程力を必要としない為、減圧された容器本体1内を常圧に戻す操作は楽に行え、よって、一瞬だけ蓋体3を回動操作を行うだけで蓋体3の開放を容易に行える。
【0024】
しかも、本発明は、簡易構造であるためコスト安にして量産性に秀れることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
図1及び図2は、蓋体3に設けられる嵌入部3aの外周面と容器本体1の開口部2の内周面との間に液漏れシール材4を設けた場合を示す第一構成例及び第二構成例、図3及び図4は、蓋体3の被嵌部3bの内周面と容器本体1の開口部2の外周面との間に液漏れシール材4を設けた場合を示す第三構成例及び第四構成例であり、以下、第一構成例を基に本実施例を説明する。
【0027】
即ち、本実施例は、容器本体1と該容器本体1の開口部2を閉塞する蓋体3とから成るものである。
【0028】
具体的には、容器本体1は、図5に図示したように適宜な金属製の部材で形成した筒状体であり、内容体1Aを外容体1B内に間隙を介して配設するとともに口部で接合し、この内容体1Aと外容体1Bとの間の空隙を真空排気して封止する真空二重構造のものである。
【0029】
この容器本体1の開口部2には、適宜な合成樹脂製の環状体8が被嵌装着されており、この環状体8の内面には後述する蓋体3の螺旋凸状9bとで螺子部9を構成する螺旋凸条9aが形成されている。
【0030】
蓋体3は、図5,6に図示したように適宜な合成製樹脂製の部材で形成した中空体であり、この蓋体3の下部には容器本体1の開口部2に嵌入する嵌入部3aが設けられ、この嵌入部3aの周面には前述した開口部2に設けた螺旋凸条9aに螺合して螺子部9を構成する螺旋状凸条9bが形成されている。
【0031】
従って、蓋体3は、開口部2に螺着して該開口部2を閉塞するように構成されている。
【0032】
尚、図2,3,4に図示した第二構成例,第三構成例及び第四構成例のように、蓋体3は容器本体1の開口部2に対して被嵌する被嵌部3bを設けた構造としても良く、しかも、この第二構成例及び第三構成例のように、蓋体3に設けた被嵌部3bの内周面に形成された螺旋凸条10bと、開口部2の外周面に形成された螺旋凸条10aとで螺子部10を構成するようにしても良い。
【0033】
また、蓋体3の嵌入部3aの外周面部には、環状の液漏れシール材4を被嵌装着し得る凹条(凹溝)のシール装着部7が設けられている。
【0034】
具体的には、シール装着部7は、嵌入部3aの下端に設けた径小部であり、この径小部の下端には液漏れシール材4の脱落を阻止する鍔部3cが設けられている。
【0035】
従って、開口部2を蓋体3で閉塞した際、開口部2と蓋体3との間にはシール装着部7に被嵌装着された液漏れシール材4が配されてシールされるように構成されている。尚、シール装着部7は容器本体1の開口部2の外周面に設けても良い。
【0036】
また、蓋体3は、シール装着部7の表面にして液漏れシール材4を被嵌する面に凹部5が複数(対向二箇所)設けられている。
【0037】
この凹部5は、図6に図示したようにシール装着部7の周方向と交差する方向に凹溝を設け、且つ、鍔部3cの一部を切欠したものであり、開口部2を蓋体3で閉塞した際、開口部2と蓋体3との間に容器本体1内と外気とを連通する通気部6を形成するように構成されている。
【0038】
尚、凹部5の数は一つでも三つ以上でも良いが、複数の場合には、蓋体3(シール装着部7)の周方向の等間隔の位置に設けるのが良く、また、凹部5は開口部2に設けても、或いは、蓋体3と開口部2の双方に設けるようにしても良い。
【0039】
また、この凹部5は、先鋭の棒などで後述する液漏れシール材4を取り外す際に差し入れする部位としても機能する。
【0040】
液漏れシール材4は、適度な弾性を有する合成樹脂製の部材で形成した環状体であり、本実施例ではシリコン樹脂で液漏れシール材4を形成している。
【0041】
この液漏れシール材4はシール装着部7に被嵌装着され、開口部2に蓋体3を螺着させて閉塞した際、変形して凹部5に入り込んで通気部6が閉塞されるように構成されている。この液漏れシール材4を変形させる力は、開口部2に対して蓋体3を螺着する際のねじれ作用を伴うため、液漏れシール材4の一部がより良好に凹部5に入り込むことになる。
【0042】
また、液漏れシール材4の上面中央位置には該液漏れシール材4の周方向に凸条4aが形成されている。
【0043】
この凸条4aは、図5,6に図示したように開口部2(環状体)若しくは蓋体3を構成する樹脂が温度の変化等により収縮した際に、開口部2と蓋体3との間に間隙が生じることを防止するためのものである。
【0044】
符号4bは液漏れシール材4に弾性を付与する溝部である。
【0045】
本実施例は上述のように構成したから、容器本体1内に熱い液体を入れ開口部2を蓋体3で閉塞すると、開口部2と蓋体3との間は、液漏れシール材4によりシールされる。
【0046】
この際、液漏れシール材4が変形して凹部5に入り込んで通気部6が閉塞され、容器本体1は密閉状態となる(図7,8参照)。この状態で容器本体1内の温度が下がった際、容器本体1内は減圧されて蓋体3は開放しにくい状態となる。
【0047】
この閉塞状態の蓋体3を開放させる際、蓋体3を開放方向に螺動させると、液漏れシール材4は閉塞時の変形と反対の方向に変形することで、この液漏れシール材4が凹部5に入り込んだ閉塞状態が解除されて通気部6が通気可能な状態となり(図9,10参照)、この通気部6を空気が通過して容器本体1内に入り該容器本体1内は常圧となる。
【0048】
よって、本実施例によれば、前述した従来例と異なり、例えば容器本体1内に熱い液体を入れて開口部2を蓋体3で閉塞(密閉)した場合(容器本体1内が減圧した場合)であっても、蓋体3が開かなくなってしまうことがなく、楽に開けることができて非常に便利であり、しかも、簡易構造であるためコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0049】
また、本実施例は、蓋体3は開口部2に螺着して該開口部2を閉塞する構造であるから、前述した凹部5に対して液漏れシール材4が変形して開閉する構造が簡易且つ確実に得られることになる。
【0050】
また、本実施例は、液漏れシール材4としてシリコン樹脂製の液漏れシール材4を採用したから、シール機能が良好に発揮されるのは勿論、この点においても前述した凹部5に対して液漏れシール材4を出し入れする構造が簡易且つ確実に得られることになる。
【0051】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0052】
1 容器本体
1A 内容体
1B 外容体
2 開口部
3 蓋体
3a 嵌入部
3b 被嵌部
4 液漏れシール材
5 凹部
9 螺子部
10 螺子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と該容器本体の開口部を閉塞する蓋体とから成る液体容器であって、前記蓋体は前記開口部に螺着されるものであり、前記蓋体若しくは前記開口部には液漏れシール材が設けられ、更に、前記液漏れシール材が当接する部位には凹部が設けられ、前記液漏れシール材は前記蓋体を前記開口部に螺着した際には、前記液漏れシール材が変形して前記凹部を閉塞し、前記螺着を緩めて前記変形を解消した際には、前記凹部の閉塞は解除されて前記容器本体内と外部とが連通するように構成されていることを特徴とする液体容器。
【請求項2】
請求項1記載の液体容器において、前記蓋体には、前記開口部内に嵌入する嵌入部が設けられ、この嵌入部の外周面若しくは前記開口部の内周面には前記液漏れシール材が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項3】
請求項2記載の液体容器において、前記嵌入部の外周面と前記開口部の内周面との間には螺子部が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項4】
請求項2記載の液体容器において、前記蓋体には、前記開口部に被嵌する被嵌部が設けられ、この被嵌部の内周面と前記開口部の外周面との間には螺子部が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項5】
請求項1記載の液体容器において、前記蓋体には、前記開口部に被嵌する被嵌部が設けられ、この蓋体の被嵌部の内周面若しくは前記開口部の外周面には前記液漏れシール材が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項6】
請求項5記載の液体容器において、前記被嵌部の内周面と前記開口部の外周面との間には螺子部が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項7】
請求項6記載の液体容器において、前記蓋体には、前記開口部内に嵌入する嵌入部が設けられ、この嵌入部の外周面と前記開口部の内周面との間には螺子部が設けられていることを特徴とする液体容器。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の液体容器において、前記液漏れシール材としてシリコン樹脂製の液漏れシール材を採用したことを特徴とする液体容器。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載の液体容器において、前記容器本体は、内容体と外容体とを間隙を介して連設して成る断熱構造を具備したものであることを特徴とする液体容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−41052(P2012−41052A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181445(P2010−181445)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(592084174)株式会社セブン・セブン (13)
【Fターム(参考)】