説明

液体性状検出装置

【課題】クリーニング用摺動子の駆動機構に工夫を凝らして、発光素子および受光素子の各表面に付着した異物を完全に除去してエンジン作動中において発光素子および受光素子の各表面を清浄に保つことができる液体性状検出装置を提供する。
【解決手段】払拭子7を動かす駆動力として、サーモワックス10の熱変形力を用いている。サーモワックス10は非圧縮性であり、体積変化時の力は従来の液体性状検出装置の場合の潤滑油の流体力に比べて格段に大きい。これにより、潤滑油温度が高く異物の付着力が弱い時期に払拭子7を出射面51および入射面61に密着させた状態で払拭子7を往復動させることができ、出射面51および入射面61に付着した異物を確実に除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式の液体性状検出装置に関するものであり、たとえば自動車のエンジンオイル中に含まれる炭素粒子等の粒子濃度検出に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来の液体性状検出装置として、発光からの光をオイルを通して受光素子により受光し光透過率の変化に基づいてオイルの性状変化を検出する液体性状検出装置において、発光素子および受光素子の常にオイルと接している表面に接しながら摺動可能なクリーニング用摺動子を備える構成としたものがある(特許文献1参照)。これは、クリーニング用摺動子により発光素子および受光素子の常にオイルと接している表面を拭い清浄に保つことにより、発光素子および受光素子の各表面にオイル中の各種異物が付着堆積し受光素子の受光が変化してオイルの光透過率が正確に検出できなくなることを防止することを目指したものである。
【特許文献1】特開昭61−164144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の液体性状検出装置では、エンジンのオイル通路の天地方向部分に発光素子および受光素子を設け、このオイル通路内にクリーニング用摺動子を配置し、オイル通路内を下方から上方へオイルが流れるように構成している。クリーニング用摺動子は、オイル通路内において発光素子および受光素子よりも上流側、つまりオイル通路の天地方向下側に配置されている。エンジンが停止状態から始動され、それによりオイル通路内のオイルが流動すると、クリーニング用摺動子はオイルの流体力の作用で上方に移動し、そのとき発光素子および受光素子の各表面を通過する。その際に、発光素子および受光素子の各表面を拭って汚れを除去することを狙っている。そして、エンジン作動中においては、クリーニング用摺動子は、オイルの流体力の作用で下流側に押され続けるので発光素子および受光素子の各表面を通り過ぎた位置で停止している。一方、エンジンが停止されオイル流動が停止すると、クリーニング用摺動子は重力の作用で下方に移動し、そのとき発光素子および受光素子の各表面を通過し初期位置で停止する。
【0004】
あるいは、エンジンのオイル通路の発光素子および受光素子が設けられた部分内よりも上流側にクリーニング用摺動子を配置するとともに、クリーニング用摺動子を上流側に付勢するように弾性部材を配置するように構成している。エンジンが停止状態から始動され、それによりオイル通路内のオイルが流動すると、クリーニング用摺動子はオイルの流体力の作用で弾性部材の付勢力に打ち勝って下流側に移動し発光素子および受光素子の各表面を通過する。その際に、発光素子および受光素子の各表面を拭って汚れを除去することを狙っている。この場合、エンジン作動中において、クリーニング用摺動子は、オイルの流体力の作用で下流側に押され続けるので発光素子および受光素子の各表面を通り過ぎた位置で停止している。
【0005】
ところで、発光素子および受光素子の各表面への各種異物の付着堆積は、エンジン停止中のオイル温度が低いときに発生し易い。エンジン作動中は、オイル温度が高く且つオイル通路内をオイルが流動しているため、発光素子および受光素子の各表面へ各種異物が付着堆積することは稀である。従来の液体性状検出装置では、いずれの構成においても、クリーニング用摺動子による払拭動作は、オイル通路内を流動するオイルの流体力によるため、エンジンの始動直後およびエンジン停止直後に実施される。ところで、エンジン始動直後はオイルの温度が低いため異物の付着力が強く、クリーニング用摺動子が発光素子および受光素子の各表面を拭いつつ通過しても、各表面に付着堆積した異物が完全には除去されない可能性がある。このため、従来の液体性状検出装置では、エンジン作動中において発光素子および受光素子の各表面には各種異物が付着したままとなってしまう。
【0006】
また、従来の液体性状検出装置では、いずれの構成においても、クリーニング用摺動子を動かす動力はクリーニング用摺動子に作用するオイルの流体力、あるいはクリーニング用摺動子に作用する重力である。これらの力は比較的小さいため、クリーニング用摺動子により発光素子および受光素子の各表面から異物を完全に除去するのは困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、クリーニング用摺動子の駆動機構に工夫を凝らして、発光素子および受光素子の各表面に付着した異物を完全に除去するとともに、エンジン作動中において発光素子および受光素子の各表面を清浄に保つことができる液体性状検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
本発明の請求項1に記載の液体性状検出装置は、液体が流れる通路を備えるケーシングと、通路に臨み且つ通路中に光を照射可能にケーシングに固定された発光手段と、通路に臨み且つ通路内を進行する発光手段からの光を受光可能にケーシングに固定され受光量に応じた出力信号を発生する受光手段とを備え、出力信号に基づいて液体の性状を検出する液体性状検出装置であって、往復動可能に通路内に配置される摺動部材と、摺動部材を往復動させるための駆動手段とを備え、摺動部材はその往復動中において少なくとも発光手段の通路に臨む面である発光面および受光手段の通路に臨む面である受光面に接して摺動し、駆動手段は液体の温度変化に対応して駆動力を発生して摺動部材を往復動させることを特徴としている。
【0010】
上述の構成によれば、摺動部材を動かすための駆動手段は、液体の温度変化に対応して駆動力を発生して摺動部材を往復動させる。したがって、摺動部材は、従来の液体性状検出装置のようにエンジン始動直後、すなわち液体温度が低い状態のときではなく、温度が変化した時点、つまり液体温度が或る程度上昇した時点で移動する。これにより、発光面および受光面に付着した異物を確実に除去することができ、エンジン作動中において発光面および受光面を清浄に保つことができる液体性状検出装置を提供することができる。
【0011】
また、上述の構成によれば、摺動部材を動かす駆動手段は液体の温度変化に対応して駆動力を発生するものであるので、従来の液体性状検出装置における流動する液体の流体力に比べて駆動力を増大させることができる。したがって、摺動部材と発光面および受光面との接触力を高めることができ、それにより発光面および受光面に付着した異物を確実に除去することができる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の液体性状検出装置は、液体の温度が液体の温度変化範囲の低温側温度であるときに摺動部材はその往復動範囲の一端側に位置し、液体の温度が液体の温度変化範囲の高温側温度であるときに摺動部材はその往復動範囲の他端側に位置し、発光面および受光面は摺動部材の摺動方向において往復動範囲の途中に位置することを特徴としている。
【0013】
上述の構成によれば、エンジン始動前には摺動部材はオイルの温度が低いので往復動範囲の一端にあり、エンジン始動後暫くするとオイル温度が上昇しそれにより摺動部材は往復動範囲の他端へ移動する。ここで、発光面および受光面は摺動部材の摺動方向において往復動範囲の途中に配置されるので、オイル温度上昇に伴って摺動部材が移動するときには、摺動部材は確実に発光面および受光面上を摺動する。したがって、発光面および受光面に付着した異物を摺動部材により確実に除去することができる。
【0014】
本発明の請求項3に記載の液体性状検出装置は、駆動手段は、液体の温度変化に対応して変形する熱変形部材および該熱変形部材の変形を直線運動に変換するとともにその直線運動を摺動部材に伝達する伝達部材を備え、摺動部材は伝達部材の直線運動が伝達されることにより往復動することを特徴としている。
【0015】
上述の構成によれば、液体の温度変化に対応して容易に摺動部材を動かす駆動力を発生させて摺動部材を往復動させることができる。
【0016】
本発明の請求項4に記載の液体性状検出装置は、駆動手段は、伝達部材を摺動部材の往復動のどちらか一方方向に向けて付勢する弾性部材を備えることを特徴としている。
【0017】
上述の構成によれば、摺動部材は、往復動の一方は熱変形部材の変形による力により、往復動の他方は弾性部材の付勢力により、それぞれ駆動されることになる。これにより、摺動部材を確実に往復動させることができる。また、弾性部材の付勢力は、熱変形部材を変形前の状態、つまり液体の温度変化前における形状状態に戻すように作用しているので、液体の温度変化に対応して熱変形部材を確実に初期状態に戻すことができる。
【0018】
本発明の請求項5に記載の液体性状検出装置は、熱変形部材はサーモワックス、バイメタルあるいは形状記憶合金であることを特徴としている。
【0019】
サーモワックス、バイメタルあるいは形状記憶合金は、いずれも市場において特性、形状等種類が豊富且つ比較的安価であるので、これらを熱変形部材として採用することにより、容易且つコスト上昇を抑制しつつ、発光面および受光面に付着した異物を摺動部材により確実に除去することが可能な液体性状検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る液体性状検出装置の実施の形態について、自動車に搭載された潤滑油劣化検出システムに用いられる潤滑油性状センサ1に適用した場合を例に図1〜図5を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
自動車の使用過程において、エンジンの潤滑油中には、燃焼ガス中のカーボン粒子やエンジンの各運動部分104からの磨耗粉等の粒子が混入し潤滑油としての機能が徐々に劣化する。潤滑油劣化検出システムは、潤滑油性状センサ1により潤滑油中の粒子濃度を検出し、それに基づいて潤滑油の劣化度合いを算出するものである。さらに、潤滑油の劣化度合いが所定値を超えたときには何らかの手段により警報を発し、それによって運転者に潤滑油の交換を促すものである。
【0022】
先ず、自動車用エンジンの潤滑油回路について説明する。エンジンの潤滑油回路は、図5に示すように、オイルパン101、オイルポンプ102、オイルフィルタ103、エンジンの各運動部分104をパイプ部材あるいはエンジン本体中に形成された潤滑油通路等により接続して構成されている。オイルパン101内の潤滑油は、オイルポンプ102によりオイルフィルタ103へ圧送されてオイルフィルタ103を通過することにより異物等が除去された後に、エンジンの各運動部分104(たとえば、クランク軸やカム軸の軸受け、ピストン・シリンダ摺動部、歯車列の噛合い部等)へ供給される。各運動部分104を潤滑した後そこから流出した潤滑油はオイルパン101に集められ、オイルポンプ102により再び圧送される。潤滑油性状センサ1は、図5に示すように、オイルフィルタ103の下流側の潤滑油回路途中に装着されている。
【0023】
次に、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1の構成について説明する。
【0024】
潤滑油性状センサ1は、大きくは、液体である潤滑油の通路21を備えるケーシング2、通路21内に光を照射可能に当該ケーシングに固定された発光ダイオード3、通路21を介して発光ダイオード3からの光を受光可能にケーシング2に固定されたフォトダイオード4、発光ダイオード3からの光が通路21内に出射する出射面51およびフォトダイオード4へ到る光の通路21側における入射面61を払拭するために通路21内に摺動可能に配置された払拭子7、払拭子7を往復動させるための駆動ユニット8等から構成されている。
【0025】
ケーシング2は、金属材料あるいは樹脂材料から形成されている。樹脂材料が用いられる場合は、潤滑油性状センサ1の取り付け部位の環境温度および潤滑油の最高温度に耐えうる耐熱性および耐油性を備え且つ遮光性を有するものが用いられている。ケーシング2には、図1に示すように、液体である潤滑油が流れる通路21が形成されている。通路21は図1に示すように略L字状に形成されており、エンジンの運転中において潤滑油は、通路21内を図1中の矢印で示す方向に流れている。通路21は、その断面形状が、図2に示すように、円形に形成されている。通路21の両端には、表示を省略しているが、エンジンの潤滑油回路を形成する潤滑油パイプが接続されている。なお、本発明の一実施形態による潤滑油性状センサ1は、通路21内における潤滑油の流れる方向が図1中の矢印と反対向きであっても、潤滑油の性状、すなわち粒子濃度を検出可能である。ケーシング2には、発光素子である発光ダイオード3および受光素子であるフォトダイオード4が、図1に示すように、通路21を挟んで対向するように固定されている。
【0026】
発光手段である発光ダイオード3は、半導体からなる発光部(図示せず)を透光性の樹脂によりインサート成型加工して形成されている。発光ダイオード3は、透光性材質、たとえば樹脂材料からなる発光手段であるホルダ5に、図1に示すように保持固定されている。発光ダイオード3は、その発光面をホルダ5に密着させてホルダ5に固定されている。つまり、発光ダイオード3およびホルダ5が、発光手段を構成している。ホルダ5は、図1に示すように、その一部をケーシング2の通路21内に露出させてケーシング2に固定されている。ホルダ5の通路21に露出した部分の端部が、発光ダイオード3からの光が通路21内に出射する出射面51となっている。すなわち、発光ダイオード3は、ホルダ5を介してケーシング2に固定され、発光ダイオード3から発せられた光は、ホルダ5を介してホルダ5の出射面51から潤滑油中に出射する。出射面51は、通路21の内壁と同一面上にあるように形成されている。出射面51は、潤滑油に直接触れている。発光ダイオード3の出射面51と反対側の端部には、発光ダイオード3を外部の電気回路に接続するための電極であるリード31が設けられている。発光ダイオード3は、リード31を介して電圧を印加されるとその発光部(図示せず)から光を発する。
【0027】
受光手段であるフォトダイオード4は、半導体からなる受光部(図示せず)を透光性の樹脂によりインサート成型加工して形成されている。フォトダイオード4は、透光性材質、たとえば樹脂材料からなる受光手段であるホルダ6に、図1に示すように保持固定されている。フォトダイオード4は、その受光面をホルダ6に密着させてホルダ6に固定されている。つまり、フォトダイオード4およびホルダ6が、受光手段を構成している。ホルダ6は、図1に示すように、その一部をケーシング2の通路21内に露出させてケーシング2に固定されている。ホルダ6の通路21に露出した部分の端部が、通路21内を進行してきた発光ダイオード3からの光がホルダ6からフォトダイオード4へ到る際の入射面61となっている。すなわち、フォトダイオード4は、ホルダ6を介してケーシング2に固定されている。入射面61は、通路21の内壁と同一面上にあるように形成されている。入射面61は、潤滑油に直接触れている。フォトダイオード4の入射面61と反対側の端部には、フォトダイオード4を外部の電気回路に接続するための電極であるリード41が設けられている。フォトダイオード4は、リード41を介して電圧を印加されるとその受光部(図示せず)における受光量に応じて流れる電流の大きさが変化する。
【0028】
発光ダイオード3およびフォトダイオード4は、ケーシング2に対して通路21を挟んで対向するように配置されている。すなわち、発光ダイオード3およびフォトダイオード4は、発光ダイオード3の発光輝度が最も高い方向である光軸32と、フォトダイオード4の受光感度が最も高い方向である光軸42とを一致させて、つまり一直線上にあるようにして取り付けられている。そして、両光軸32、42は、通路21と直交して、つまり潤滑油の流れ方向と直交している。
【0029】
次に、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1の検出作動について説明する。
【0030】
潤滑油性状センサ1は、潤滑油劣化検出システムが備える図示しない制御回路、たとえばマイクロコンピュータ等に接続されている。図示しないマイクロコンピュータにより発光ダイオード3が点灯駆動されると、発光ダイオード3が発した光は潤滑油中を進行してフォトダイオード4に入射する。フォトダイオード4は、入射した発光ダイオード3からの光の光量に応じた検出信号を発生し、図示しないマイクロコンピュータに出力する。フォトダイオード4への入射光量が多いときは検出信号が大きく、入射光量が少ないときは検出信号が小さい。潤滑油が新しいときは、潤滑油中に混入している粒子であるカーボン粒子や摩耗粉等が少なく、フォトダイオード4への入射光量が多い。一方、エンジンの運転時間が経過し潤滑油中に含まれるカーボン粒子や摩耗粉等が増えると、潤滑油中を進行する発光ダイオード3からの光がそれら粒子に遮られフォトダイオード4に入射する光量が減少する。図示しないマイクロコンピュータは、このようなフォトダイオード4からの検出信号に基づいて潤滑油中の粒子濃度を算出し、それに基づいて潤滑油劣化度合いを判定している。
【0031】
上述したように、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1は、出射面51および入射面61間において潤滑油を透過する発光ダイオード3からの光の光量をフォトダイオード4により検出し、それに基づいて潤滑油劣化度合いを判定している。このため、出射面51および入射面61の少なくとも一方に潤滑油中のスラッジ等の異物が付着すると、フォトダイオード4の受光量が減少し、潤滑油劣化度合いを正確に検出することが困難となる。
【0032】
この問題を解決するために、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1は、通路21の出射面51および入射面61に対応した位置にこれらに接触可能に払拭子7を配置し、この払拭子7を駆動ユニット8により往復動させて出射面51および入射面61に付着した異物を除去するようにしている。以下に、払拭子7および駆動ユニット8の構成について、図1および図2に基づいて説明する。なお、図1中における払拭子7の位置は、潤滑油温度が低いとき、すなわちエンジンが停止中であるとき等の場合を示している。
【0033】
摺動部材である払拭子7は、図1に示すように、通路21内において往復動可能に配置されている。払拭子7の往復動方向は、通路21の軸方向、つまり潤滑油の流れ方向に沿う方向ある。払拭子7は、図2に示すように、円形の通路21に内接する円盤の一部を切り取った形状に形成されている。したがって、通路21内において潤滑油は、この切り取られた部分を通過して流れることができる。払拭子7の外周側の通路21に接触する部分は払拭部71となっている。払拭部71は、図2に示すように、出射面51および入射面61に対応して2箇所形成され、通路21の周方向において、出射面51および入射面61を完全に覆っている。これにより、払拭子7を確実に出射面51および入射面61に密着させることができる。払拭子7を上述の形状に形成したことにより、出射面51および入射面61を確実に払拭できると同時に、払拭子7が通路21内における潤滑油の流動を妨げることを防止して潤滑油性状センサ1内を潤滑油が円滑に流れることを保障できる。払拭子7は、たとえば樹脂あるいはゴム等の柔軟な材質から形成されている。すなわち、その硬度は、払拭部71が出射面51および入射面61にほぼ密着しつつ容易に往復動できる程度に設定されている。
【0034】
駆動手段である駆動ユニット8は、大きくは、本体であるボディ9、ボディ9内に密封された熱変形部材としてのサーモワックス10、サーモワックス10の変形を直線運動に変換し且つ払拭子7へ伝達する伝達部材としてのピストン12等から構成されている。以下に、駆動ユニット8の構成について説明する。
【0035】
ボディ9は、金属材料、たとえばアルミニウム等から形成され、図1に示すように、略有底円筒状のシリンダ部91およびシリンダ部91の端部に形成されたフランジ部92を備えている。駆動ユニット8は、ボディ9のフランジ部91をボルト16を締め付けることによりケーシング2に固定される。駆動ユニット8がケーシング2に固定されると、シリンダ部91は、通路21内に配置され潤滑油中に浸漬される。シリンダ部91のフランジ部92側には、図1に示すように、サーモワックス10が密封されている。詳しくは、サーモワックス10は、図1に示すように、ゴム製のダイヤフラム11内に封入され、バックアッププレート14を介してプラグ15をボディ9に締め付けて固定することにより、シリンダ部91内に設置されている。サーモワックス10は、例えていえばラードのような物質で正の熱膨張特性を有しており、温度が高くなるに連れてその体積が増加する。シリンダ部91内には、ピストン12がシリンダ部91内を軸方向に移動可能に配置されている。さらに、シリンダ部91内には、図1に示すように、ピストン12と略同軸上に弾性部材としてのコイルスプリング13が配置されている。コイルスプリング13は、シリンダ部91内に圧縮状態で装着されている。したがって、ピストン12は、コイルスプリング13の弾性力により図1の右側へ向けて付勢され、ピストン12のダイヤフラム11側端面はダイヤフラム11に密着し且つダイヤフラム11を図1の右側へ向けて押圧している。サーモワックス10が封入されたダイヤフラムは、シリンダ部91の内壁およびピストン12に密着している。シリンダ部91には、図1に示すように、シリンダ部91内のコイルスプリング13が収納されている空間を外部と連通する貫通孔91aが設けられている。これにより、シリンダ部91内のコイルスプリング13が収納されている空間が潤滑油で満たされると同時に、潤滑油が該空間および通路21間を自由に行き来できる。したがって、サーモワックス10が環境温度変化に伴って熱変形すると、つまり膨脹・収縮すると、それに応じてピストン12は容易に移動できる。ピストン12のダイヤフラム11と反対側の端部は、図1に示すように、払拭子7に固定されている。ピストン12のダイヤフラム11と反対側の端部は、図3に示すように、略コ字状に形成されており、コ字の開放端部に払拭子7が挟持固定されている。ピストン12の払拭子7との固定部の形状、すなわち上述したコ字形状は、
次に、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1における、払拭子7および駆動ユニット8の払拭動作、およびその作用効果について説明する。
【0036】
エンジンが停止状態のときは、潤滑油温度は外気温度とほぼ同等の低い温度となっている。したがって、サーモワックス10は固体状であり、払拭子7は図1に示す初期位置にある。このとき、払拭子7は、図1に示すように、出射面51および入射面61とは重なっていない。また、コイルスプリング13は、この状態においても依然として圧縮状態であり付勢力を発生し、ピストン12を図1の右側へ向けて押圧している。潤滑油温度が低い時には、潤滑油中に含まれる異物、たとえばスラッジ等が出射面51および入射面61に付着し易く、またその付着力も大きい。
【0037】
エンジンが始動されるとオイルポンプ102が作動して潤滑油を圧送するので、潤滑油性状センサ1の通路21内を潤滑油が図1中の矢印の方向に流れる。そして、エンジン各部の温度が上昇し、それにともなって潤滑油の温度が上昇する。潤滑油の熱がケーシング2やピストン12を介してサーモワックス10に伝達されサーモワックス10の温度が徐々に上昇すると、サーモワックス10は固体から液体にかわるとともに、体積が膨脹する。サーモワックス10が膨脹すると、ピストン12は、サーモワックス10に押されてコイルスプリング13の付勢力に抗しつつ図1中の左側へ移動する。このピストン12の直線運動が払拭子7に伝達されて払拭子7も図1中の左側へ移動する。潤滑油温度はエンジンの運転時間経過に連れて上昇し、やがてある温度、すなわち最高温度に達すると昇温が停止する。潤滑油温度がこの最高温度に達すると、サーモワックス10の体積膨脹も止まり、払拭子7は、図1中において二点鎖線で示す位置、つまり往復動の折り返し位置で停止する。すなわち、払拭子7が、初期位置から折り返し位置まで動くあいだに、つまり往動中に、払拭子7は、出射面51および入射面61上を摺動し、それらの全面を完全に払拭する。このとき、潤滑油温度が高いので出射面51および入射面61への異物の付着力は弱まっており、出射面51および入射面61に付着した異物は確実に払拭子7によって除去される。また、払拭子7が、上述したその往復動の折り返し位置にあるとき、すなわち図3中の二点鎖線で示す位置にあるとき、言い換えると、エンジンの通常運転時には、ホルダ6の入射面61は、図3に示すように、ピストン12のコ字状部の内側に内包されている。このため、潤滑油中の粒子濃度を計測するための発光ダイオード4からの光の経路、つまりホルダ5の出射面51からホルダ6の入射面61に到る経路(図3において紙面に垂直方向)内にピストン12が侵入することがない。これにより、潤滑油を透過する発光ダイオード4からの光は何物にも邪魔されずに進行できるので、粒子濃度計測精度を良好に維持することができる。なお、潤滑油温度の最高温度は、エンジン各部を潤滑中に受ける熱量と、オイルパンやオイルクーラから放散される熱量とがほぼ釣り合う状態になったときの温度であり、エンジンの負荷状態、エンジン機種等により変動する。
【0038】
エンジンが停止すると、潤滑油温度は徐々に低下していく。それに応じて、サーモワックス10の温度も低下し、その体積が減少し、やがてサーモワックス10は液体から固体へ変化する。この過程において、ピストン12は、コイルスプリング13の弾性力により付勢されて図1中の右側へ移動する。このピストン12の直線運動が払拭子7に伝達されて払拭子7も図1中の右側へ移動し、最後に図1において実線で示す初期位置で停止する。払拭子7は、この復動中においても出射面51および入射面61上を摺動して、それらの全面を完全に払拭する。
【0039】
従来の液体性状検出装置では、クリーニング用摺動子(本実施形態の払拭子7相当)を動かす動力はクリーニング用摺動子に作用する潤滑油の流体力、あるいはクリーニング用摺動子に作用する重力である。これらの力は比較的小さいので、クリーニング用摺動子を円滑に摺動移動させるためには、クリーニング用摺動子の外周と潤滑油通路内壁面との間に必要最小限度の隙間が設けられている。このため、クリーニング用摺動子は、その摺動中において発光素子および受光素子の各表面の全面には必ずしも接触しない。さらに、クリーニング用摺動子の移動力が小さいため、クリーニング用摺動子が異物に接触しても完全に除去できずに異物から逃げるように動いてしまう。したがって、発光素子および受光素子の各表面から異物を完全に除去するのは困難であった。
【0040】
また、従来の液体性状検出装置では、クリーニング用摺動子を動かす動力はクリーニング用摺動子に作用する潤滑油の流体力である。したがって、エンジンが始動すると直ちにクリーニング用摺動子が移動する。つまり、潤滑油温度がほとんど上昇しないうちにクリーニング用摺動子が発光素子および受光素子の各表面上を通過してしまう。潤滑油温度が低い状態においては、各種異物の発光素子および受光素子の各表面への付着力が大きいため、クリーニング用摺動子が通過してもそれらを除去するのは困難であった。
【0041】
以上のように、従来の液体性状検出装置では、エンジンの運転中に発光素子および受光素子の各表面上から異物を除去することが困難であり、潤滑油の光透過率、すなわち潤滑油性状を正確に測定することが困難であった。
【0042】
これに対して、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1では、払拭子7を動かす駆動力として、サーモワックス10の熱変形力を用いている。サーモワックス10は低温で固体、高温で液体であり非圧縮性であるので、温度変化により体積変化したときの力は、従来の液体性状検出装置の場合の潤滑油の流体力に比べて格段に大きい。これにより、払拭子7を出射面51および入射面61に密着させた状態においても払拭子7を往復動させることができる。したがって、出射面51および入射面61に付着した異物を確実に除去することができる。
【0043】
また、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1では払拭子7を動かす駆動力としてサーモワックス10の熱変形力を用いているので、払拭子7の払拭動作は潤滑油温度が高いときに行われる。これにより、各種異物の出射面51および入射面61の各表面への付着力が小さくなったときに払拭動作を行うことができるので、異物を完全に除去することができる。
【0044】
また、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1は、伝達部材であるピストン12を、サーモワックス10側に向けて、つまりピストン12の復動方向に向けて付勢するコイルスプリング13を備えている。これにより、潤滑油温度が上昇中においては、熱変形部材であるサーモワックス10の体積変化により払拭子7を往動させるとともに、潤滑油温度が下降中においても、コイルスプリング13の付勢力により払拭子7を復動させて潤滑油が低温状態における初期状態まで戻すことができる。コイルスプリング13の仕様は、その付勢力が、ピストン12をサーモワックス10(詳しくはダイヤフラム11)に常時密着可能であるよう設定されているので、潤滑油温度が下降中においても、コイルスプリング13の付勢力により払拭子7を復動させて潤滑油が低温状態における初期状態まで戻すことができる。
【0045】
以上から、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1では、エンジンの運転中に出射面51および入射面61から異物を確実に除去することができるので、潤滑油の光透過率、すなわち潤滑油性状を正確に測定することができる。
【0046】
なお、以上説明した、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1では、駆動ユニット8のボディ9をアルミニウムから形成しているが、ボディ9の材質をアルミニウムに限る必要は無く、他の材質、たとえば鉄、あるいは樹脂材料等を用いてもよい。アルミニウムは熱伝導率が高いので、エンジン始動後潤滑油温度が上昇すると、その熱が速くサーモワックス10に伝達され、サーモワックス10の熱変形が早い時点で開始される。一方、ボディ9を、熱伝導率がアルミニウムより小さい材質、たとえば鉄から形成すれば、エンジン始動後、サーモワックス10が熱変形する時期をアルミニウムの場合より遅くする、言い換えると払拭子7が往動開始するときの潤滑油温度を高くすることができる。
【0047】
(第2実施形態)
図4に、本発明に係る液体性状検出装置の第2実施形態である潤滑油性状センサ1の断面図を示す。
【0048】
本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1は、第1実施形態である潤滑油性状センサ1に対して、駆動ユニット8が備える熱変形部材を変更したものである。すなわち、熱変形部材としてサーモワックス10に替えてバイメタル17を用いている。以下、駆動ユニット8および払拭子7の作動について説明する。
【0049】
バイメタル17は、2種類の金属板17a、17bを接合して形成したものである。金属板17aの線膨張係数は金属板17bの線膨張係数よりも大きい。
【0050】
潤滑油温度が低いとき、つまりエンジン停止時には、バイメタル17の形状は、図4に示すように、ほぼ直線状となっている。エンジンが始動されて潤滑油温度が上昇し、バイメタル17の温度が高くなるとバイメタル17は熱膨張するが、金属板17aの熱膨張長さが金属板17bの熱膨張長さよりも大きいため、バイメタル17形状は、図4中の二点鎖線で示すように、略U字状に変形する。このため、ピストン12は、コイルスプリング13の付勢力により図4中の右側へ移動する。このピストン12の直線運動が払拭子7に伝達されて払拭子7も図4中の右側へ移動する。払拭子7は、この往動中において出射面51および入射面61上を摺動して、それらに付着した異物を完全に除去する。一方、エンジンが停止すると潤滑油温度が下降し、それに応じて、バイメタル17が略U字状から元の直線状に変形する。この過程において、ピストン12は、バイメタル17に押されてコイルスプリング13の付勢力に抗しつつ図4中の左側へ移動する。このピストン12の直線運動が払拭子7に伝達されて払拭子7も図4中の左側へ移動し、最後に図4において実線で示す初期位置で停止する。払拭子7は、この復動中においても出射面51および入射面61上を摺動して、それらの全面を完全に払拭する。
【0051】
以上説明したように、本発明に係る液体性状検出装置の第2実施形態である潤滑油性状センサ1においても、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態である潤滑油性状センサ1と同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、以上説明した、本発明に係る液体性状検出装置の第1実施形態および第2実施形態である潤滑油性状センサ1では、払拭子7を、たとえば樹脂あるいはゴム等の柔軟な材質から一体的に形成しているが、このような構成に限る必要はない。たとえば、払拭子7を金属あるいは硬質樹脂から形成し、且つ払拭子7の出射面51および入射面61を摺動する部分、つまり払拭部71のみを柔軟な樹脂あるいはゴム等から形成しもよい。
【0053】
また、以上説明した、本発明に係る液体性状検出装置の実施の形態である潤滑油性状センサ1では、受光素子としてフォトダイオード4を用いているが、フォトダイオード4に限る必要は無く、他の種類の受光素子、たとえばフォトトランジスタ等を用いてもよい。
【0054】
また、以上説明した、本発明に係る液体性状検出装置の各実施形態である潤滑油性状センサ1では、熱変形部材としてサーモワックス10、あるいはバイメタル17を用いているが、これらに限定する必要は無い。潤滑油温度変化に応じて払拭子7を往復動させられる大きさの駆動力を発生可能な部材であれば他の部材でもよい。たとえば、形状記憶合金等を用いてもよい。
【0055】
また、以上説明した、本発明に係る液体性状検出装置の各実施形態では、液体性状検出装置を自動車に搭載される潤滑油性状センサ1に適用した場合を例に説明しているが、液体性状検出装置の用途を潤滑油性状センサ1に限る必要は無く、潤滑油以外の他の液体、たとえば燃料あるいは自動変速機用作動液等に含まれる粒子濃度検出用途に適用してもよい。さらに、その用途を自動車用に限る必要は無く、他の用途、例えば各種民生用機器に適用してもよい。たとえば、燃焼式暖房装置の燃料中粒子濃度検出用に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態による潤滑油性状センサ1の断面図であり、図2中のI−I線断面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】図1中のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による潤滑油性状センサ1の断面図であり、図1中に相当する。
【図5】本発明の各実施形態による潤滑油性状センサ1が装着されたエンジンの潤滑油回路を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0057】
1 液体性状検出装置
2 ケーシング
21 通路
3 発光ダイオード(発光手段)
31 リード
32 光軸
4 フォトダイオード(受光手段)
41 リード
42 光軸
5 ホルダ(発光手段)
51 発光面
6 ホルダ(受光手段)
61 受光面
7 払拭子(摺動部材)
71 払拭部
8 駆動ユニット(駆動手段)
9 ボディ
91 シリンダ部
91a 貫通孔
92 フランジ部
10 サーモワックス(熱変形部材)
11 ダイヤフラム
12 ピストン(伝達部材)
13 コイルスプリング(弾性部材)
14 バックアッププレート
15 プラグ
16 ボルト
17 バイメタル(熱変形部材)
17a、17b 金属板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れる通路を備えるケーシングと、
前記通路に臨み且つ前記通路中に光を照射可能に前記ケーシングに固定された発光手段と、
前記通路に臨み且つ前記通路内を進行する前記発光手段からの光を受光可能に前記ケーシングに固定され受光量に応じた出力信号を発生する受光手段とを備え、
前記出力信号に基づいて前記液体の性状を検出する液体性状検出装置であって、
往復動可能に前記通路内に配置される摺動部材と、
前記摺動部材を往復動させるための駆動手段とを備え、
前記摺動部材はその往復動中において少なくとも前記発光手段の前記通路に臨む面である発光面および前記受光手段の前記通路に臨む面である受光面に接して摺動し、
前記駆動手段は前記液体の温度変化に対応して駆動力を発生して前記摺動部材を往復動させることを特徴とする液体性状検出装置。
【請求項2】
前記液体の温度が前記液体の温度変化範囲の低温側温度であるときに前記摺動部材はその往復動範囲の一端側に位置し、
前記液体の温度が前記液体の温度変化範囲の高温側温度であるときに前記摺動部材はその往復動範囲の他端側に位置し、
前記発光面および前記受光面は前記摺動部材の摺動方向において往復動範囲の途中に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体性状検出装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記液体の温度変化に対応して変形する熱変形部材および該熱変形部材の変形を直線運動に変換するとともにその直線運動を前記摺動部材に伝達する伝達部材を備え、
前記摺動部材は前記伝達部材の直線運動が伝達されることにより往復動することを特徴とする請求項1または請求項2のどちらか一つに記載の液体性状検出装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記伝達部材を前記摺動部材の往復動のどちらか一方方向に向けて付勢する弾性部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の液体性状検出装置。
【請求項5】
前記熱変形部材はサーモワックス、バイメタルあるいは形状記憶合金であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の液体性状検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−215947(P2008−215947A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51734(P2007−51734)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】