説明

液体経口組成物

シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%が直径100μm未満である、シンバスタチン、少なくとも1種の懸濁化剤、および少なくとも1種の保存剤を含む、経口投与に適した懸濁液。また本発明は、懸濁液の使用および懸濁液を作製する方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与に適した、シンバスタチンを含む液体医薬組成物に関する。また、本発明は、本液体組成物を使用したヒトまたは動物の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
シンバスタチン(C2538)は、ブタン酸、2,2−ジメチル−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)−エチル]−1−ナフタレニルエステル,[1S−[1α,3α,7β,8β(2S,4S),−8αβ]]であり、スタチンと呼ばれる化合物の群に属する。この構造式は、次式の通りである。
【0003】
【化1】

【0004】
シンバスタチンは、アスペルギルス・フェレアス(Aspergillus terreus)の発酵産物から誘導された脂質低下剤である。経口摂取後、シンバスタチンは、(上記に示した)不活性ラクトンから対応するβ−ヒドロキシ酸代謝物形態に加水分解される。β−ヒドロキシ酸代謝物形態は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼの阻害物質である。この酵素は、コレステロールの生合成における初期および律速段階である、HMG−CoAのメバロン酸への変換を触媒する。
【0005】
コレステロールの体内産生を阻害することによって、シンバスタチンは、心筋梗塞および狭心症などの一次および二次冠動脈疾患、ならびに末梢心房疾患や脳卒中などの心血管系事象を減少させるために役立つ。
【0006】
シンバスタチンは、ほとんど水に溶けない白色/灰色がかった白色の非吸湿性結晶質粉末である。現代のブランドリーダーであるZocor(登録商標)は、固体の錠剤形態で販売されている。この錠剤は、フィルムコーティングされ、調合物の他の成分は抗酸化剤のアスコルビン酸およびブチルヒドロキシアニソールを含むので、したがって、このことは酸化に対する本製品の感受性を示している。現在、Zocor錠(登録商標)は、10mg、20mg、40mgおよび80mgの濃度で入手可能であるが、成人に投与するためのシンバスタチンの最大1日量は現在80mg/日である。10から17歳の年齢範囲の患者に投与するための最大1日量は現在40mg/日である。
【0007】
シンバスタチンを作製するためのプロセスは、米国特許第6995277号;第6984399号;6833461号;第6825362号;第6806290号;第6797831号;第6686481号;第6649775号;第6603022号;第6576775号;第6573392号;第6506929号;第6100407号;および第4444784号において記載されている。前記の米国特許は、参照することにより本願明細書に援用する。
【0008】
多くの患者の特に高齢者は、錠剤および/またはカプセルを嚥下することにおいて困難を経験する。このことにより、錠剤を粉砕し、またカプセルを開ける行為が広く行われている。この行為の特に、過量投与をもたらし、患者に有害となる可能性のある、徐放薬物または腸溶コーティングを有する薬物の粉砕に対する懸念が浮上している。粉砕または開口により薬物を投与することは、無許可の形態における薬物の使用である可能性があり、薬物に手を加えた者に、引き起こされるあらゆる危害に対する責任を負わせる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
経口投与に適している一方、経口投与後に薬物および/またはこの活性代謝物の適正な生物学的利用能を維持する、液体形態の利用可能な薬物が継続して必要とされている。このように、本発明は、液体形態であり、経口投与に適したシンバスタチンを含む医薬組成物を提供することによってこれらの問題に対処しようとするものである。好ましくは、懸濁液は水性懸濁液である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%が直径100μm未満である、シンバスタチン、少なくとも1種の懸濁化剤、および少なくとも1種の保存剤を含む、経口投与に適した懸濁液を提供する。
【0011】
好ましくは、シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%は、直径約80μm未満であり;より好ましくは、シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%は、約50μm未満であり;さらにより好ましくは、シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%は、約30μm未満であり;最も好ましくは、シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%は、約20μm未満である。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、薬物として使用するための、本発明の第1の態様による懸濁液を提供する。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、高コレステロール血症の治療または予防のための薬物の製造における本発明の第1の態様による懸濁液の使用を提供する。高コレステロール血症は、10から17歳のような非成人について使用される可能性があることを示す、ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症である可能性がある。
【0014】
本発明による懸濁液は、すでにシンバスタチンの使用と関連した、知られている状態および/または疾患のいずれかを治療するのに適している。これらは、心筋梗塞および狭心症などの一次および二次冠動脈疾患、ならびに末梢心房疾患や脳卒中などの心血管系事象を含む。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様による懸濁液の有効量をヒトまたは動物に経口投与することを含む、前記ヒトまたは動物のコレステロールおよび/または血液低密度リポタンパク質(LDL)値を低下および/または制御する方法を提供する。
【0016】
好ましくは、本組成物は、砂糖、ラクトース、抗酸化剤、グルテンおよびエタノールの1種または複数を含まないか、または本質的に含まない。好ましくは、本組成物は水性組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、少なくとも容認できる安定性および/または生物学的利用能および/または懸濁液の特性を示す実質的に均一な組成を提供するために、シンバスタチンの適切な成分と適切な粒径の特性との選択に基づくものである。本発明による懸濁液は、適切な沈降速度ならびに容認できる沈降および再分散レベルを示す。
【0018】
一定期間にわたる均一性を維持するために、シンバスタチン原料の粒径は、慎重な管理を必要とする。シンバスタチン粒子の少なくとも90重量%は、約100μm未満(すなわち、d90<100μm)である粒子直径を有する。好ましくは、d90<80μm;より好ましくは、d90<50μm;さらにより好ましくは、d90<30μm;最も好ましくは、d90<20μm。シンバスタチン粒子のd90/μmの値を、モルヴァンインストルメント(Malvern Instruments)社製のモルヴァン粒径分析器(Malvern Particle Size Analyzer)(モデルマスターサイザー(Mastersizer))を使用して測定した。ヘリウムネオンガスレーザービームを、水溶液中に懸濁されたシンバスタチン粒子を含む透明セルを通して投射する。粒子にあたる光線は、粒径に反比例する角度によって散乱する。光検出器アレイは、光量を予め決められたいくつかの角度で測定する。次に、シンバスタチンの粒径分布を測定するために、サンプルおよび水性分散剤の屈折指数によって定義された理論上の粒子から予測された散乱パターンに対して、測定された光束値と比例した電気信号を、マイクロコンピュータシステムによって処理する。
【0019】
粒子状のシンバスタチンを、光粉砕(例えば、粉砕または摩砕)によって調製することができる。粉砕は、プラスチックのビーズまたは顆粒(例えば、ナイロン、粉砕または摩砕助剤)の使用によって実施することができる。所望の粒径特性および/または分布を有する粒子を得るために、粒子状のシンバスタチンを、公知の粒径分類法(例えば、スクリーニングおよび/または遠心)によって処理することができる。
【0020】
シンバスタチンは、懸濁液5mlあたり約10mgから約400mgまでの範囲、例えば、約10mg/5ml、約20mg/5ml、約40mg/5mlおよび約80mg/5mlを含む適切な量において存在することができる。好ましくは、シンバスタチンは、懸濁液5mlあたり約10mgから約100mgまで;より好ましくは5mlあたり約20mgから約80mgまで;さらにより好ましくは5mlあたり約20mgから約40mgまでの範囲で存在する。最も好ましくは、シンバスタチンは、5mlあたり20mgまたは5mlあたり40mgの量で存在する。
【0021】
適切な期間にわたり組成物の安定性を維持するために、非常に軽度のアルカリ状態(例えば、約pH7.1または7.2)にも耐容性を示すことができるが、pHを、組成物が酸性または中性であるように維持することができる。このように、pHは、好ましくは約7以下、例えば、約4から約7まで、さらにより好ましくは約6.4から約7までの範囲である。シンバスタチンの加水分解の速度はpHによって影響され、本発明は、適切なpH緩衝系の使用が好ましいことを発見している。好ましい緩衝系は、1種または複数のリン酸塩および/または1種または複数のクエン酸塩、例えば、無水リン酸水素二ナトリウムおよび/またはクエン酸一水和物(2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)を含むか、または本質的にこれらから成る可能性がある。懸濁液5ml中のクエン酸塩(例えば、クエン酸一水和物)の適切な濃度範囲は、約2mgから約10mg、好ましくは約3mgから約7mgまでである。懸濁液5ml中のリン酸塩(例えば、無水リン酸水素二ナトリウム)の適切な濃度範囲は、約5から約20mg、好ましくは約8mgから約15mgまでである。
【0022】
所望のpH範囲で有効である1種または複数の保存剤を使用する必要がある。抗菌性保存剤などの好ましい保存剤は、1種または複数のヒドロキシ安息香酸エステルを含む。これらのヒドロキシ安息香酸エステルは、好ましくはヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルの1種または複数から選択される。保存剤の濃度を、最低濃度で十分な微生物保護を提供するために最適化させることができる。全体で、懸濁液5ml中の1種または複数の保存剤(例えば、安息香酸エステル)の濃度範囲は、典型的に約175mg未満の、例えば、約5mgから約20mg、好ましくは約9mgから約14mgの範囲である。
【0023】
シンバスタチンは、極めて疎水性であり、水中で容易に分散しない。高剪断混合を、適切な程度にシンバスタチンを分散させるために使用することができる。生成物が曝気することを最小にするために、1種または複数の分散剤または湿潤剤(または界面活性剤)を使用することができる。イオン性および/または非イオン性の界面活性剤は、本発明の使用のために適切である。分散剤の適切な例は、空気を取り込むことなしにシンバスタチンの水への分散を促進できるため、特に有用であることが発見された、ラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸塩部分を含む。水量に加えた分散剤または湿潤剤の濃度を、シンバスタチンの迅速な湿潤を達成するために最適化することができる。分散剤または湿潤剤の適切な量は、約0.01mgから懸濁液が起泡を生じない量の範囲、例えば、懸濁液5ml中に約0.2mg、より好ましくは懸濁液5ml中に約0.03mgから約0.1mgである。
【0024】
懸濁液の粘度を、1種または複数の懸濁化剤の使用によって制御することができる。適した懸濁化剤は、以下のケイ酸アルミニウムマグネシウムを含むケイ酸塩;カルメロースナトリウムなどのカルボキシメチルセルロースの塩;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン;キサンタンガムなどのゴムの1種または複数から選択される。1種または複数の懸濁化剤の適量は、ある程度は、特定の懸濁化剤によって決まるが;しかし、一般に、懸濁液5ml中の1種または複数の懸濁化剤の濃度は、約20mgから約50mgとなる。
【0025】
本発明による組成物は、1種または複数の更なる成分を場合によって含む。これらの更なる成分は、以下のシメチコンなどの消泡剤;アスコルビン酸などの抗酸化剤;スクロース、サッカリン(例えば、ナトリウムサッカリン)、アセスルファムKまたはアスパルテームなどの甘味料(人工甘味料が好まれる。);香料;加工助剤の1種または複数を含む。あらゆる適切な香料を本発明において使用することができ、適切な香料は当技術分野において公知である。1種または複数の保存剤の溶解を補助し、1種または複数の懸濁化剤を分散させることにおいて補助するために役立つ適切な加工助剤は、プロピレングリコールなどのグリコールを含む。
【0026】
本発明による組成物を調合するために、シンバスタチンが十分に安定するように、シンバスタチンと、必要とされる範囲にpHを制御する方法とが、場合によって分散剤の存在下の水溶液中で組み合わせることが好ましい。好ましくは、シンバスタチンを湿潤させる。シンバスタチンの緩衝液を、好ましくは高剪断混合下で、少なくとも1種の懸濁化剤および少なくとも1種の保存剤を含む水溶液と混合する。また、懸濁化剤および保存剤の水溶液を、緩衝シンバスタチン溶液と混合する前に、高剪断混合にかけてもよい。
【0027】
(実施例)
これから、本発明の実施形態を、以下の実施例によって単に例として記載する。
【0028】
材料
香料およびシメチコンを除いたすべての材料は、ヨーロッパ薬局方(Ph.Eur)規格であり、市販されている。香料は製造業者の規格であり、シメチコンは米国薬局方29の(USP29)規格であった。英国薬局方2004/ヨーロッパ薬局方第4版による、無水物質に関して算出されたシンバスタチンは、97.0%から102.0%のシンバスタチンを含み得る。
【実施例1】
【0029】
シンバスタチン20mg/5mlを含む調合物を、以下のように調製した。物質量を、表1に詳述する。
【0030】
ケイ酸アルミニウムマグネシウムを、精製水(A)を含む主要製造容器に加え、次に高剪断混合装置(high shear mixer)を使用して30分間混合する。プロピレングリコールおよびヒドロキシ安息香酸メチル エチル プロピルを、別々の容器に加え、溶解するまで混合する。カルメロースナトリウム7H3SF(カルボキシルメチルセルロースナトリウム)を、得られた溶液に加え、分散するまで混合する。得られた溶液を、主要容器に加え、高剪断混合装置を使用して5分間混合する。シメチコンを、主要容器に加え、高剪断混合装置を使用して2分間混合する。精製水(B)、クエン酸一水和物および無水リン酸水素二ナトリウムを、別の容器において溶解するまで混合する。ラウリル硫酸ナトリウムを、この溶液に加え、溶解するまで静かに混合する。シンバスタチン(d90<20μm)をこの溶液に加え、湿潤するまで混合する。得られた分散液を、主要製造容器に加え、高剪断混合装置を使用して2分間混合する。高剪断混合装置を、パドル式混合装置(paddle type mixer)と交換し、アセスルファムKを加え、5分間混合する。香料(例えば、ライムまたはイチゴ)を加え、5分間混合する。生成物のpHを監視する。pHが約6.4−約7.0の好ましい範囲から外れている場合、次にpHを下げるためにはクエン酸一水和物の10%w/w溶液を使用し、pHを上げるためには1.0%w/wリン酸水素二ナトリウム無水溶液を使用して、pHを調整する。精製水を、最終容量となるまで主要容器に加え、パドル式混合装置を使用して5分間混合する。
【0031】
【表1】

【0032】
また、ヒドロキシ安息香酸メチルの量が9mgである試料を表1に従って作製した。このことにより、本組成物の有効期間が長くなった。
【実施例2】
【0033】
シンバスタチン40mg/5mlを含む調合物を、実施例1の手順に従って調製した(ただし、物質量は表2に詳述する。)。
【0034】
【表2】

【0035】
また、ヒドロキシ安息香酸メチル量が9mgである試料を表2に従って作製した。このことにより、本組成物の有効期間が長くなった。
【実施例3】
【0036】
本発明による組成物の安定性を、1カ月の期間にわたる温度の範囲で試験した。結果を、ヒドロキシ安息香酸メチル量が9mgであった実施例1による組成物について表3に示し、ヒドロキシ安息香酸メチル量が9mgであった実施例2による組成物について表4に示した。
【0037】
結果
【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
結果は、本発明による懸濁液が温度の範囲で容認できる有効期限を示し、必要とされる規格の範囲内にとどまることを示している。
【0041】
pH以外の量または数量(例えば、重量、容量、長さ、粒径、時間)と関連して本規格において使用される「約」という用語は、参照値の+/−10%を意味する。例えば、「約5.0mgの重量」は、4.5から5.5までの重量範囲を含む。pHと関連して本規格において使用される場合、「約」という用語は、+/−0.2pH単位を意味する。例えば、「約7.0」のpHは、6.8から7.2のpH範囲を含む。
【0042】
本明細書に記載された特許、特許出願および出版物のそれぞれについて、これら全体を本願明細書に援用する。
【0043】
上記の実施例は、本明細書をさらに詳細に例証するために用いられる。しかし、いかなる方法によっても、これらは本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本明細書に開示される本発明の好ましい実施形態が本発明の目的、有益性および利点を満たすことは明らかであるが、本発明が、付記された請求項の適切な範囲または公正な意味から逸脱することなく、変更、変動および変化を受け入れることができることはいうまでもない。本明細書に記載された変更に加えて、本発明のさまざまな変更は、前述の記述を鑑みて、当業者には明白である。また、そのような変更は、添付の請求項の範囲内に入ることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンバスタチン粒子のd90が約100μm未満である、シンバスタチン、少なくとも1種の懸濁化剤、および少なくとも1種の保存剤を含む、経口投与に適した懸濁液。
【請求項2】
前記シンバスタチン粒子のd90が約80μm未満である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項3】
前記シンバスタチン粒子のd90が約50μm未満である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項4】
前記シンバスタチン粒子のd90が約30μm未満である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項5】
前記シンバスタチン粒子のd90が約20μm未満である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項6】
前記懸濁液のpHが約7以下である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項7】
pHが約4から約7までの範囲内である、請求項6に記載の懸濁液。
【請求項8】
pHが約6.4から約7までの範囲内である、請求項6に記載の懸濁液。
【請求項9】
前記懸濁液が緩衝系をさらに含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項10】
前記緩衝系が1種または複数のリン酸塩、1種または複数のクエン酸塩またはその組合せを含む、請求項9に記載の懸濁液。
【請求項11】
前記の1種または複数のリン酸塩の濃度が懸濁液5ml中で約5mgから約20mgまでの範囲内である、請求項10に記載の懸濁液。
【請求項12】
前記の1種または複数のリン酸塩が無水リン酸水素二ナトリウムを含む、請求項10に記載の懸濁液。
【請求項13】
前記リン酸水素二ナトリウムの濃度が懸濁液5mlあたり約5mgから約20mgまでの範囲内である、請求項12に記載の懸濁液。
【請求項14】
前記の1種または複数のクエン酸塩の濃度が懸濁液5mlあたり約2mgから約10mgまでの範囲内である、請求項10に記載の懸濁液。
【請求項15】
前記の1種または複数のクエン酸塩が2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸である、請求項10に記載の懸濁液。
【請求項16】
前記2−ヒドロキシプロパン−1、2、3−トリカルボン酸の濃度が懸濁液5mlあたり約2mgから約10mgまでの範囲内である、請求項15に記載の懸濁液。
【請求項17】
前記保存剤の濃度が懸濁液5mlあたり約5mgから約20mgまでの範囲内である、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項18】
前記保存剤が1種または複数のヒドロキシ安息香酸エステルを含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項19】
前記の1種または複数のヒドロキシ安息香酸エステルの濃度が懸濁液5mlあたり約5mgから約20mgまでの範囲内である、請求項18に記載の懸濁液。
【請求項20】
前記の1種または複数のヒドロキシ安息香酸エステルがヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸プロピルおよびその混合物から成る群から選択される、請求項18に記載の懸濁液。
【請求項21】
前記の1種または複数のヒドロキシ安息香酸エステルの濃度が懸濁液5mlあたり約5mgから約20mgまでの範囲内である、請求項20に記載の懸濁液。
【請求項22】
前記の少なくとも1種の懸濁化剤がケイ酸塩、カルボキシメチルセルロースの塩、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ゴムおよびその混合物から成る群から選択された懸濁化剤を含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項23】
前記の少なくとも1種の懸濁化剤の濃度が懸濁液5mlあたり約20mgから約50mgまでの範囲内である、請求項22に記載の懸濁液。
【請求項24】
前記の少なくとも1種の懸濁化剤がケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムおよびその混合物から成る群から選択された懸濁化剤を含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項25】
前記の少なくとも1種の懸濁化剤の濃度が懸濁液5mlあたり約20mgから約50mgまでの範囲内である、請求項24に記載の懸濁液。
【請求項26】
1種または複数の分散剤をさらに含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項27】
前記の1種または複数の分散剤の濃度が懸濁液5mlあたり約0.01mgから約0.2mgまでの範囲内である、請求項26に記載の懸濁液。
【請求項28】
前記の1種または複数の分散剤がラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項26に記載の懸濁液。
【請求項29】
前記の1種または複数の分散剤の濃度が懸濁液5mlあたり約0.01mgから約0.2mgまでの範囲内である、請求項28に記載の懸濁液。
【請求項30】
前記懸濁液が以下の更なる成分:消泡剤、抗酸化剤、甘味料、香料および加工助剤の1種または複数をさらに含む、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項31】
前記の更なる成分がシメチコン、アスコルビン酸、スクロース、サッカリン、アセスルファムK、アスパルテーム、グリコールおよびその混合物から成る群から選択された、請求項30に記載の懸濁液。
【請求項32】
前記懸濁液が以下の成分:砂糖、ラクトース、抗酸化剤、グルテンおよびエタノールの1種または複数を含まないか、または本質的に含まない、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項33】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約10mgから約400mgまでの範囲内の濃度で存在する、請求項1に記載の懸濁液。
【請求項34】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約10mgから約100mgまでの範囲内の濃度で存在する、請求項33に記載の懸濁液。
【請求項35】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約20mgから約80mgまでの範囲内の濃度で存在する、請求項34に記載の懸濁液。
【請求項36】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約20mgから約40mgまでの範囲内の濃度で存在する、請求項35に記載の懸濁液。
【請求項37】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約20mgの濃度で存在する、請求項36に記載の懸濁液。
【請求項38】
前記シンバスタチンが懸濁液5mlあたり約40mgの濃度で存在する、請求項36に記載の懸濁液。
【請求項39】
請求項1に記載の懸濁液の有効量をヒトまたは動物に投与することを含む、前記ヒトまたは動物のコレステロールおよび/または血液低密度リポタンパク質(LDL)値を低下および/または制御する方法。
【請求項40】
請求項1に記載の懸濁液の有効量を投与することを含む、ヒトまたは動物の高脂血症または高コレステロール血症を治療する方法。
【請求項41】
前記シンバスタチン粒子のd90が約50μm未満である、懸濁液5mlあたり約20mlのシンバスタチン、ならびにケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムおよびその混合物から成る群から選択された少なくとも1種の懸濁化剤を含む、経口投与に適した懸濁液。
【請求項42】
前記シンバスタチン粒子のd90が約20μm未満である、請求項41に記載の懸濁液。
【請求項43】
請求項42に記載の懸濁液の有効量をヒトまたは動物に投与することを含む、前記ヒトまたは動物のコレステロールおよび/または血液低密度リポタンパク質(LDL)値を低下および/または制御する方法。
【請求項44】
請求項42に記載の懸濁液の有効量を投与することを含む、高脂血症または高コレステロール血症を治療する方法。
【請求項45】
前記シンバスタチン粒子のd90が約50μm未満である、懸濁液5mlあたり約40mlのシンバスタチン、ならびにケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムおよびその混合物から成る群から選択された少なくとも1種の懸濁化剤を含む、経口投与に適した懸濁液。
【請求項46】
前記シンバスタチン粒子のd90が約20μm未満である、請求項45に記載の懸濁液。
【請求項47】
請求項45に記載の懸濁液の有効量をヒトまたは動物に投与することを含む、前記ヒトまたは動物のコレステロールおよび/または血液低密度リポタンパク質(LDL)値を低下および/または制御する方法。
【請求項48】
請求項45に記載の懸濁液の有効量を投与することを含む、高脂血症または高コレステロール血症を治療する方法。
【請求項49】
a.精製水に1種または複数の懸濁化剤を加えるステップと;
b.1種または複数の保存剤を加えるステップと;
c.シンバスタチンを加えて、湿潤するまで混合するステップと;
d.必要に応じて、pHが7.0以下になるまでpHを調整するステップと;
e.最終容量となるまで精製水を加えるステップとを含む、シンバスタチン懸濁液を作製する方法。
【請求項50】
前記の他のステップの前に、前記シンバスタチンを加えるステップを実施し、pHを調整するステップを実施する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップeを除く前記の他のステップの後に、前記シンバスタチンを加えるステップを実施し、pHを調整するステップを実施する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
分散剤を加えるステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。

【公表番号】特表2009−534459(P2009−534459A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507170(P2009−507170)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001552
【国際公開番号】WO2007/125339
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508318719)ローズモント・フアーマシユーテイカルズ・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】