説明

液体飲料加熱用シャフト

【課題】車中などで簡単かつ容易に液体飲料を温めることができる簡単な構造でかつコンパクト化され、安全に使用できる液体飲料加熱用シャフトの提供。
【解決手段】本発明の液体飲料加熱用シャフトは、先端が閉塞された筒状体内に発熱線3を有するヒーター4とコード9を有する握り手2からなる液体飲料加熱用シャフトにおいて、前記コード9にタイマー5及び手動スイッチ6を有するコントロールボックス50が接続されていることを特徴とする。前記タイマー5及び手動スイッチ6を含むコントロールボックス50がコード部に接続されている。またこのコードはカーリングコードである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体飲料加熱用シャフトに関するものであり、更に詳しくは牛乳、コーヒーなどの液体飲料を手軽に適度の温度に加熱しうる液体飲料加熱用シャフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、牛乳、コーヒーなどの液体飲料、特に牛乳は、乳児などがいる場合、ドライブ中に乳児に牛乳を飲ませる必要があるので、通常、牛乳が悪くなるのを防止するために冷たい状態で保管され、かつ持ち歩かれる。このような場合、野外で即座に牛乳を温めて乳児に飲ますことができるような簡単な加熱機器はなく、このような加熱機器の出現が望まれていた。一方、液体加熱用のヒーターは知られており、従来の電気カートリッジヒーターは、金属パイプ中に発熱線を内蔵し、さらに絶縁物を充填して構成されている(例えば、特許文献1参照)。また液体加熱ヒーターの安全性を改良した技術も知られており、特に液体の加熱中に液体が蒸発して容器が空になったり、また容器の転倒や破損などにより発熱部が赤熱して高温となり、容器の破壊や火災の発生などを防止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−192859(図5)
【特許文献2】特開2006−317147(段落0002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の如く特許文献1に開示されている電気カートリッジヒーターは、ヒーター部のみが示されているだけで、どのような安全手段が用いられているかについては記載がなく、またその具体的用途に関する記載もない。野外で使用するには問題がある。また特許文献2に開示されている加熱ヒーターは、使用中の空焼き防止装置に関するものであるが、室内で用いられる加熱ヒーターであり、かつ空焼き防止装置が複雑であり、少量の液体飲料を温めるためにコンパクト化することは困難であるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明者は、上記の問題点について、種々検討したところ、簡単な構造でかつコンパクト化され、安全に使用できる液体飲料加熱用シャフトについて種々検討したところ、牛乳などの液体中に浸漬して加熱することにより安全にかつ簡単、容易にしかも短時間で温めることができる液体飲料加熱用シャフトを見出し、ここに本発明をなすに至った。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、車中などで簡単かつ容易に液体飲料を温めることができる簡単な構造でかつコンパクト化され、安全に使用できる液体飲料加熱用シャフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の各発明によって、前記の課題を解決したものである。
(1)先端が閉塞された筒状体内に発熱線を有するヒーターとコードを有する握り手からなる液体飲料加熱用シャフトにおいて、前記コードにタイマー及び手動スイッチを有するコントロールボックスが接続されていることを特徴とする液体飲料加熱用シャフト。
(2)前記コードがカーリングコードであることを特徴とする前記第1項に記載の液体飲料加熱用シャフト
(3)前記ヒーター部は保護管に収納されていることを特徴とする前記第1項又は第2項に記載の液体飲料加熱用シャフト。
【発明の効果】
【0007】
本発明において、(1)本発明の液体飲料加熱用シャフトは、先端が閉塞された筒状体内に発熱線を有するヒーターとコードを有する握り手からなる液体飲料加熱用シャフトにおいて、前記コードにタイマー及び手動スイッチを有するコントロールボックスが接続されていることにより、必要に応じて直ちにスイッチをきることができ、またタイマーを内臓しているので、タイマーをセットして液体飲料の温まる温度を時間設定でき、過加熱を防止でき極めて安全な液体飲料加熱用シャフトを得ることができるという優れた効果を奏するものである。
(2)前記第2項に記載された液体飲料加熱用シャフトは、前記コードがカーリングコードであることにより、コードが伸縮するので、液体飲料加熱用シャフトの扱いが容易で使い易いという優れた効果を奏するものである。
(3)前記第1項又は第2項に記載の液体飲料加熱用シャフトは、前記ヒーター部は保護管に収納されていることにより、使用前のヒーターの保護及び保持や保管時における破損の防止、使用後のヒーターの熱いうちに触って火傷を負う等の事故を防止することができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明について、発明の実施の形態を図面で説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の液体飲料加熱用シャフトを示す略図である。図2は、コントロールボックスを示す側面略図である。図1お呼び図2において、液体飲料加熱用シャフトは、ヒーター4と握り手2とからなり、更に握り手2の端子8にはコード9 を有し、更に、このコードの端部にはプラグ10を有している。ヒーター4は、筒状体1はセラミックスや石英管、金属体などからなり、先端部41は閉塞されている。このような筒状体1、例えば、セラミックス1にはニクロム線などの発熱線3が内臓されており、発熱線3は必要に応じて他の絶縁物により支持されていてもよく、またセラミックス1中に発熱線3を挿入した後、絶縁性充填物を充填することにより支持してもよい。通常、発熱線は、例えば電熱加熱にはニクロム線、即ちステンレス鋼(SUS−316)がよく、更にはコイル状に形成したものでもよい。ヒーター4は、200w〜800wのものが使用される。セラミックス1のほか、耐熱性金属管を用いることもできる。この場合には、該金属管と発熱線3との間が絶縁されることは言うまでもない。
【0009】
ヒーター4の端部は絶縁性の防水カバー7、例えば、ゴムなどで覆った後、握り手2を設ける。この握り手2の材質は、限定されるものではないが、好ましくはウレタン樹脂などが用いられる。握り手2には、空洞を有しており、握り手2にヒーター31の端部からでたリード線31は止金具8、8で固定されると共に、カーリングコード9に接続される。カーリングコード9にはコントロールボックス50が接続されており、このコントロールボックス50には、タイマー5及び手動スイッチ6を有する。タイマー5は、機械式又は電気式のいずれのタイマーも用いることができると共に、これらのタイマーの機構は、従来周知であるので、市販の製品を使用することができる。コストを考えると、機械式、すなわちゼンマイ式が好ましい。またこの図面に示される例では、サーモスタットは、使用されていないが、握り手の適宜の場所に設置し、ヒーター4の過加熱が起きた場合にサーモスタットが作用してヒーター4の通電を切断するように使用することもできる。液体飲料、例えば、牛乳、ミルクなどを温める場合には、30℃〜38℃の範囲の温度に設定する場合は、タイマー5の目盛を3分〜6分の間に設定し、コーヒー、ウーロン茶、お茶などは60℃〜80℃の範囲の温度に設定する場合は、タイマー5の目盛を6分〜10分の間に設定することができる。これらの設定技術は周知である。
【0010】
本発明に用いられるコード9は、特に限定されるものではないが、好ましくはカーリングコードがよい。このカーリングコードは、使用に応じて長短に伸縮するので、車中など
の比較的狭い場所ではきわめて使用し易い利点がある。このコード9の他端にはプラブ10を有しており、このプラグは、家庭用プラグ、特に自動車用プラグが好ましい。このプラグ10は、通常、自動車のシガーライター用ソケット又は家庭用コンセントに差し込んで使用される。また握り手2は、耐熱性樹脂が好ましく、更にヒーターの使用後は、火傷や石英管やセラミックス管の破損を防止するために、保護カバー(保護管)11に差し込んで保持又は保管することが好ましい。保護管には塩化ビニール樹脂などを用いるのが好ましい。
【0011】
本発明の液体飲料加熱用シャフトは、液体飲料を温める用途に使用され、特に液体飲料としては、例えば、水、特に飲料水、ミルク、牛乳、お茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、ココア、酒などに使用されることが好ましい。本発明に用いられるの液体飲料加熱用シャフトのプラグ10を、まず自動車のシガレットライター用コンセントへ差し込み、ついで牛乳を入れたカップの中にヒーター4の目印線42までヒーター4を浸漬し、タイマー5を3分にセットした後、手動スイッチ6をオンする。3分後に牛乳は36℃〜38℃に温められる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、液体飲料を簡単にしかも配線されたコンセントなどのない場所、例えば、野外で簡単かつ容易に使用できるアウトドアの分野において、特に自動車で使用するのに有用な製品であり、今後この技術分野において利用可能性は極めて多大である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の液体飲料加熱用シャフトを示す略図である。
【図2】本発明に用いられるコントロールボックスを示す略図である。
【符号の説明】
【0014】
1 セラミックス(石英管) 8 止金具
2 握り手 9 コード
3 発熱線 10 プラグ
31 リード線 11 保護カバー
4 ヒーター 50 コントロールボックス
41 閉塞部
42 目印線
5 タイマー
6 手動スイッチ
7 防水カバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が密封された筒状体内に発熱線を有するヒーターとコードを有する握り手からなる液体飲料加熱用シャフトにおいて、前記コードにタイマー及び手動スイッチを有するコントロールボックスが接続されていることを特徴とする液体飲料加熱用シャフト。
【請求項2】
前記コードがカーリングコードであることを特徴とする請求項1に記載の液体飲料加熱用シャフト。
【請求項3】
前記ヒーター部は保護管に収納されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体飲料加熱用シャフト。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−152019(P2009−152019A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328129(P2007−328129)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(592014001)
【Fターム(参考)】