説明

液化天然ガス再ガス化プラント

本発明は、液化ガス貯蔵槽(10)と、天然ガスおよび伝熱媒体が流れるGNL用再ガス化デバイス(12)とを備える液化天然ガス(GNL)の再ガス化用プラントに関する。本発明によると、プラントは、伝熱媒体が低結晶点の低粘性有機液体の形態で循環する循環路(16)を備え、再ガス化デバイス(12)は、少なくとも2つの熱交換器(60、62)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス再ガス化プラントに関し、該プラントに使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、天然ガスが互いに近接する生産地から利用地へ輸送されなければならない場合、この輸送は陸上または水中のパイプラインを介して行われる。この場合、天然ガスは気体状態で輸送され、その仕向け先の地で気体状態で使用できる。
【0003】
しかし、その2つの場所が互いに離れすぎているか、あるいは現場の地勢によりパイプの敷設が不可能である場合、ガスは生産地と利用地との間を陸上車両または船(通例LNG運搬船)によって液体状態で輸送される。したがって、天然ガスは、生産地の付近で、圧縮操作および−160℃の温度への冷却操作を通して液化される。その後、液化天然ガス(LNG)は、適切なタンクに貯蔵され、次いで利用地への陸送用または船舶輸送用タンクへ液体状態で移される。利用地に着くと、この液化ガスはLNG貯蔵タンク内へ荷降ろしされ、このLNG貯蔵タンクからこのガスは要望に応じて再ガス化され、利用地で直接使用されるか、または気体状態でパイプラインを介し他の利用地へ輸送される。
【0004】
通常、LNGを船舶輸送する場合、液化ガスは貯蔵され、次いで沿岸ターミナルの付近でLNG運搬船の等温化タンク内に輸送される。この液化ガスは、LNG運搬船のタンクから再ガス化されて、次いで気体状態でパイプラインを介して利用地へ輸送されるか、あるいは液体状態で沿岸ターミナルのタンクへ送られ、そこに貯蔵され要望に応じて再ガス化される。
【0005】
現在では、再ガス化運転を実施するため、液体状態のガスがタンクから汲み上げられ、次いで蒸気化装置または再ガス化装置として働く一組の熱交換器を流れる。熱交換を行うため、海水(場合により加熱される)がこの一組の熱交換器を通り送られて、これによりこの水に含まれる熱量がガスへ伝達される。この熱量の伝達により、ガスは一組の熱交換器を通り進むにつれて加熱されることが可能となり、漸次状態を変え、気体状態で一組の熱交換器を出る。
【0006】
しかし、この設計は、自然保護および熱交換器の保全の点に関して非常に重大な欠点を含む。
【0007】
実際、熱交換器を通過した海水は海へ非常に低温で排出され、これが海底動植物に害を及ぼす。さらに、海水は熱交換器の全ての金属部分に対する腐食剤であり、したがってこれらの熱交換器をより綿密に維持管理することが必要となる。さらに、LNGは非常に低温で熱交換器内を循環することを考慮すると、海水は氷晶の形成を回避するために高流量で熱交換器を流れなくてはならず、これにより大型で高額な汲み上げ設備が必要となる。
【0008】
本発明は、環境に留意することを可能にし、沿岸ターミナルから遠く離れて使用可能な熱媒体を使用した再ガス化プラントにより、上記の欠点を解消することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、液体状態のガスを貯蔵するためのタンクと、熱媒体および天然ガスが流れる液化天然ガス(LNG)再ガス化デバイスとを備えるLNG再ガス化プラントであって、プラントは熱媒体が低粘性および低結晶点の有機流体の形態で循環する循環路を備え、再ガス化デバイスは少なくとも2つの交換器を備えることを特徴とするLNG再ガス化プラントに関する。
【0010】
プラントは熱媒体加熱ユニットを備えてよい。
【0011】
有利には、空気が加熱ユニットを流れる。
【0012】
熱媒体は−90℃〜−150℃の結晶化温度を有してよい。
【0013】
好ましくは、熱媒体はメタノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールである。
【0014】
一方の交換器がLNGと熱媒体との並流型であり、他方の交換器が対向流型であってよい。
【0015】
対向流型交換器は、相分離器が間に配置される2つの部分に分かれていてよい。
【0016】
少なくとも対向流型交換器はろう付けされたプレートフィン型交換器タイプであってよい。
【0017】
熱媒体循環路は、追加の熱交換器を備えてよい。
【0018】
プラントは、熱媒体との熱量交換により炭化水素を液化するための手段を備えてよい。
【0019】
炭化水素は、タービンを駆動するために使用された後では気体状態であってよい。
【0020】
有利には、炭化水素はプロパンである。
【0021】
また、プラントは、熱媒体によりCO2を捕らえるための手段を備えてよい。
【0022】
好ましくは、熱媒体はCO2の溶剤として使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の他の特徴および利点が、添付の図面を参照して、非限定的な例として示される次の説明を読むことから明らかになろう。
【0024】
図1は、大気圧、−160℃付近の温度で液化天然ガス(LNG)を貯蔵する貯蔵タンク10と、熱媒体およびタンクからのLNGが流れる、熱交換ユニットを有する再ガス化デバイスすなわち再ガス化装置12と、熱媒体加熱ユニット14とを備えるLNG再ガス化プラントを概略的に示す。
【0025】
熱媒体は、結晶点がLNGの結晶点に近い有機流体であり、非常に低温でもこれらのパイプ内で容易に循環されるのに十分な低い粘性を有する。さらに、この熱媒体は、大気圧下および周囲温度の使用条件下で液状を維持する。好ましくは、この熱媒体はアルコールもしくは炭化水素またはそれらの化合物の一つである。以下の説明において、例示される有機流体は、結晶点が約−98℃のメタノールであるが、エタノール(結晶点:−114℃)またはプロパノール(結晶点:−126℃)などの他のアルコールを使用することも可能である。
【0026】
このプラントは、この例では暖部と冷部とを有する閉ループである熱媒体循環ループ16を備える。このループは、循環ポンプ18と、ポンプと再ガス化装置12の間で熱媒体を循環させるためのライン20と、再ガス化装置と加熱ユニット14の間の循環ライン22と、上記加熱ユニットと循環ポンプの間の戻りライン24と、この戻りラインに設置される熱媒体タンク26とを備える。またこのプラントは、通常タンク10内に沈められるLNG吸引ポンプ28と、このポンプと循環ポンプ32の間のLNG循環ライン30と、この循環ポンプから再ガス化装置12へLNGを運ぶライン34と、気体状態のガスを再ガス化装置から任意の適切な手段へ運ぶようになされた出口ライン36とを備える。この例では、周囲温度の外気である加熱流体38も、この空気からの凝縮液を排出するためのライン40を備える加熱ユニットを流れる。もちろんこの加熱空気は、ガスタービンにより排出される排ガスなど、利用地にある任意の設備からももたらされてもよい。
【0027】
再ガス化を実施するために、LNGはポンプ28および32によりタンク10からくみ上げられ、次いでライン30および34を循環して、再ガス化装置12へ送られる。このガスは、熱媒体として使用されるメタノールも流れる再ガス化装置内を循環する。そのため、タンク26内にあるメタノールはポンプ18によってくみ上げられ、ライン20を介して再ガス化装置12へ送られる。この再ガス化装置において、メタノールに含まれる熱量はLNGへと伝達され、液相のLNGが蒸気化により気相へと変化するようにLNGを加熱し、次いでLNGは、必要に応じて周囲温度に近い温度に達するように過熱される。
【0028】
再ガス化装置12の入口でのメタノールの温度は約20℃であり、ライン34を循環するLNGの温度は約−160℃である。この再ガス化装置の出口では、天然ガスは5℃近くの温度である一方、メタノールはこの再ガス化装置の出口のライン22で約−70℃の温度に達する。
【0029】
再ガス化装置内での熱交換の際に、当該例では、メタノールはその結晶点すなわち−70℃を超える温度に冷却される。冷メタノールはライン22を介して加熱ユニット14へ送られて、これにより、冷メタノールの温度よりも高い同ユニットを循環する空気がその熱量をこのメタノールと熱交換して、ライン24で、ひいてはタンク26内で加熱されたメタノールを得るようにする。
【0030】
加熱ユニットの入口でのメタノールの温度は−70℃程度である一方、空気は30℃近い温度でこの加熱ユニット内へ供給される。このユニットでの熱量交換の後、メタノールはユニットの出口において0℃近い温度で排出される一方、空気は5℃近い温度でユニットを出る。
【0031】
したがって、ループ16の暖部は、ライン24、タンク26、ポンプ18およびライン20からなり、その一方このループの冷部はライン22を含む。
【0032】
再ガス化装置の出口でメタノールの加熱を実現するため、図2に示されるように、加熱ユニット14は、シェルの各端部に設置された空気入口44および空気出口46を有する縦型シェル42を含む熱交換器を備える。このシェルは、一組の縦型チューブ48を収容し、この縦型チューブ48は、その一方の端部が吸気マニホルド50によって、再ガス化装置からもたらされる冷メタノール用の入口52へ連結され、その他方の端部が排気マニホルド54によって、ライン24へ連結されてメタノールタンク26に至る出口56へ連結される。この熱交換器において、メタノールは入口52から流入し、吸気マニホルド50に入り、全ての縦型チューブ48を循環し、排気マニホルド54に至り、その後出口56から排出される。同時に、周囲温度のまたは任意の既知の手段により加熱された空気が、入口44からシェル42内へ供給され、次いで全てのチューブおよびマニホルドを掃気する。掃気の際に、この空気に含まれる熱量がメタノールに伝達されて、メタノールを加熱し出口56で温メタノールを得るようにする。この交換の際に、空気内に含まれる水滴が凝結され、次いで重力によってシェル42の底部に落ち、その後凝縮液の状態でライン40を介して排出される。チューブ48は水滴の分離を容易にするため、ポリメチルシロキサン型の疎水性材料膜(撥水性膜)で被覆されてよい。
【0033】
図3に関して、再ガス化装置は、ガスおよびメタノールが中を循環する少なくとも2つの熱交換器、すなわちシェルの上部内に設置された上方熱交換器60と、このシェルの下部内に設置された下方熱交換器62とを含む縦型シェル58備える。これらの熱交換器は、有利にはアルミニウムからなるろう付けされたプレートフィン型熱交換器の形態であることが好ましい。上方熱交換器は、天然ガスおよびメタノールが対向方向へ循環するため対抗流型交換器と呼ばれる一方、下方熱交換器は、流体が同一方向へ循環するので並流型熱交換器と呼ばれる。したがって、下方熱交換器は、その一方の側の下部にライン20に連結されたメタノール入口64と、熱交換器の一方の側に出口66とを備える。また、この下方熱交換器は、下部でメタノール入口とは反対の側に配置される、LNGライン34に連結された入口68と、熱交換器の上部に配置される出口70とを備える。したがって、下方熱交換器62では、メタノール流およびLNG流は、同一方向へ、すなわちこの熱交換器の底部から頂部へ循環する。したがって、この熱交換器内の表面温度は−100℃を超えたままであり、交換面を最小化し得る。メタノール出口66は、ライン72によって、上方熱交換器の上部の一方の側に配置された上方熱交換器の入口74へ連結される。同様に、天然ガス出口70は、ライン76によって、この交換器の下部に配置されたガス入口78へ連結される。蒸気状態のガスは、この熱交換器の上部に配置された出口80から排出される一方、メタノール出口82は、この熱交換器の下部に配置され、加熱ユニットへ至るライン22に連結される。したがってこの熱交換器は、ガス流およびメタノール流が対向方向へ、つまりガスが熱交換器の底部から頂部へ、メタノールが熱交換器の頂部から底部へと循環するため、対向流型熱交換器と呼ばれる。
【0034】
図4の例により示される変形形態では、再ガス化装置12は2つの異なる部分に分けられる。すなわち、並流熱型交換器62は、多管式熱交換器の形態をとり、メタノールおよびLNG用の入口64、68と、出口66、70とを備える。出口66および70は、ライン72、76によって、有利にはアルミニウムからなり、メタノールおよび天然ガス用の入口74、78と出口82、80とを備えるろう付けされたプレートフィン型熱交換器である対向流型熱交換器60へ連結される。
【0035】
多管式熱交換器は、LNGおよびメタノールがそこを流れる際に、この熱交換器の寸法的なあらゆる変動に適合する機械的拡張連結部83を備えることが好ましい。
【0036】
この変形形態において、プラントの操作は図1〜3に関連して説明したものと同様である。
【0037】
図5は、図4に図示する再ガス化プラントの変形形態を示し、したがってこれは共通する構成要素については同じ参照番号を有する。
【0038】
この変形形態は、再ガス化が複数の段階で実施されるという点で異なる。さらには、対向流型熱交換器60は、2つの部分60A、60Bに分かれており、相分離器84が熱交換器のこれら2つの部分の間に設けられる。
【0039】
出口70を介して並流型多管式熱交換器62を出る天然ガスは、分離器84での圧力に対応するその沸点まで予熱される。この加熱された液化天然ガスは対向流型交換器60の下部60Aを流れて、蒸気化を介して相変換を実現する。この変換された天然ガスはライン86を介して分離器84へと送られ、そこで気体状態の天然ガスの分離がこの分離器の上部88で、より低組成で、低分子量で、低熱量値で行われ、この分離器の下部90で液体状態の天然ガスの分離が行われる。次いで、分離器内にある蒸気状態の天然ガスが、ライン92を介してこの分離器から熱交換器60の部分60Bの入口へと送られ、そこで、部分60B内を循環するメタノールとの交換により、天然ガスは出口80へ到達するまで温度の上昇を受ける。蒸気よりも分子量および熱量値が高い液相は、ライン96によりこの分離器へ連結されたポンプ94によって抽出される。ポンプ94を出た液相は、ライン98を介して任意の貯蔵手段へ送られ、その後処理される。気体状態の天然ガスが熱交換器60に入る前に、ライン98のポンプ94より始まりライン92に至るライン98Aを介して分離器からもたらされる所定量の液体を注入することによって、ライン92内で気体状態の天然ガスの組成および熱量値を調整可能であると有利である。
【0040】
この構成において、再ガス化装置の出口における天然ガスの温度は0℃程度であり、メタノールの温度は約−70℃である。
【0041】
さらに、メタノールと、トリクルタワーからの温水など、この再ガス化プラント内でまたはその付近で通常使用される温流体との間の交換用の熱交換器100をライン20に配置することによって、ポンプ18の出口においてメタノールを加熱することが可能である。
【0042】
上述のように、再ガス化装置の出口におけるメタノールは、−70℃程度の低温であり、再ガス化装置内でのLNGの気相への変換を可能にするために加熱されなければならない。したがって、図6に示すようなコンバインドサイクルガスタービンを有する発電所の地にあることが有利になることが可能となる。この場合、プラント102は流路104を介して空気を供給され、流路106を介して天然ガスを供給されるが、この流路106は上記のライン36のバイパスであり得る。タービン内の空気−天然ガス混合気の燃焼により、生成された熱量の回収後(HRSG:排熱回収ボイラ)、出口108で130℃程度の温度を有する排ガスが生成する。図6に示すように、これらの排ガスは、入口110を介して少なくとも3つの部分112A、112B、112Cに分けられる熱交換器組立体112内へ供給され、排出ライン114を介して出て、その後ライン116を介して煙突などの任意の適切な手段へ送られる。プロパンなどの相変化流体も、熱交換器組立体を流れ、閉ループ118内を循環する。このループは、液体プロパンタンク120と、ライン124によりタンクに連結された循環ポンプ122と、液体プロパンを熱交換器組立体の部分112Aへ運ぶライン128E、および沸点まで予熱されたプロパンを分離器内へ運ぶライン128Sによってポンプに連結されるプロパン相分離器126とを備える。2つのラインがこの分離器から始まる。すなわち、液体ラインと呼ばれるライン130においては、この分離器内に含まれる液体が、熱交換器組立体の部分112Bへと運ばれ、次いでそこを流れ、気体状態で分離器126内へ還流し、気体ラインと呼ばれるライン132は、分離器内に含まれる気相プロパンを熱交換器組立体の部分112Cへと運んで、プロパンガスを過熱する。ライン134は、圧縮された気体状態のプロパンを、交流発電機138などの任意のエネルギー生成手段に回転的に連結された膨張タービン136へと運ぶ。膨張タービンの出口で、プロパンガスは、ライン140を介して凝縮器と呼ばれる凝縮器142へ送られ、それによって、このプロパンガスを冷却し、プロパンガスがライン144を介してタンク120へ還流する前に液相を得るため相変化を起こすようにする。プロパンを冷却するために、ライン22を循環するメタノールは上述のように凝縮器142を流れ、この凝縮器の出口においてはメタノールは、気相プロパンに含まれる熱量を吸収したため、入口においてよりも高温となる。
【0043】
運転の際に、液体状態のプロパンはタンク120からポンプで汲み上げられ、熱交換器組立体112の部分112Aを流れる。その後、予熱された液体状態のプロパンは凝縮器126へ送られる。この凝縮器から抽出された液相は、組立体112の部分112Bを流れ、ほぼ気体の状態で液相および気相プロパンの分離用の凝縮器内に還流する。また、この分離器内に含まれる気相は、抽出されて、熱交換器組立体112の部分112Cを流れて、完全に気相に変換され、必要に応じて過熱されるようにする。気体状態のプロパンは、タービン136を流れ、タービン136を駆動して回転させ、このタービンは交流発電機138を駆動して回転させる。タービンの出口で、気体状態のプロパンは冷却器142を流れ、そこで相変化を受け、この凝縮器をやはり流れる冷メタノールと熱量を交換することによって液相へ変化する。この凝縮器の出口で、液体プロパンはタンク120内に貯蔵される。
【0044】
図7に概略的に示された処理グループは、ガスタービンからの排ガスなどの排出物に含まれるCO2を収集し液化するためのメタノールループを有するLNG再ガス化プラントの可能な利用法を示す。
【0045】
この構成は、LNG再ガス化プラント146と、CO2収集/分離プラント148と、メタノール加熱ユニット149と、CO2液化ユニット150とを含む。
【0046】
前出の図に関連して既に説明したように、再ガス化プラント146は、ループ152を循環する温メタノールと、ライン34からもたらされるLNGとが流れる再ガス化装置12を備える。
【0047】
CO2収集/分離ユニット148は、再ガス化装置からのメタノール用の入口158と、CO2を含むガス状流体用の入口160と、CO2が取り除かれたガス状流体用の出口162と、エタノールおよびCO2の混合気用の出口164とを有する転送構成要素156を含む吸収塔154を備える。また、このCO2収集/分離ユニットは、メタノール−CO2混合気用の入口と、気体状態のCO2用の出口168と、大部分のCO2が取り除かれたメタノール用の出口170とを有するフラッシュドラム166を備える。
【0048】
加熱ユニット149は、図1および図2に関連して既に説明したものと同一の構成要素、すなわち、図7に示す例ではドラム166の出口170からもたらされるメタノールが流れる加熱器と、周囲温度の外気であり得る加熱流体38とを備える。また、この熱交換器はこの外気からの凝縮液用の排出ライン40を有する。そして最後に、このユニットは、出口172を介して加熱器を通過した後のメタノールの加熱を可能にする熱交換器174と、液体状態のメタノール(この液体状態のメタノールはこの後ライン176を介してメタノールループへ送られる)と、気体状態のCO2(この気体状態のCO2はライン178を介して、フラッシュドラム166のCO2ライン168にも連結するライン180に合流する)との分離を可能にするフラッシュドラム175とを備える。
【0049】
液化ユニット150は、CO2の液化および蒸気状態の天然ガスの加熱に寄与するために、エタンなどの中間流体を使用することが特有の特徴である凝縮器181を備える。
【0050】
この凝縮器は、それぞれ対向流型であり、好ましくはろう付けされたアルミニウムプレートおよびフィンの形態である、少なくとも2つの凝縮器部分184および186を含む筺体182を備えており、第1の凝縮器部分184については蒸気状態のCO2およびエタンが、第2の凝縮器部分186についてはLNGおよびエタンが中を循環する。下方凝縮器184は筺体の下部内に設置され、この凝縮器の一方の側の上部に、ライン180に連結されたCO2入口188と、凝縮器の下部に、液体CO2出口190とを備える。上方凝縮器186は、LNGライン34に連結されこの冷却器の下部に設置されたLNG入口192と、熱交換器の上部に設置された出口194とを備える。閉エタンループ196が、2つの熱交換器の間のエタンの循環を可能にする。より正確には、蒸気エタンが凝縮器の上部に配置された入口198から上方エタン凝縮器186内へ供給され、この凝縮器を流れ、この凝縮器の下部に設置された液体エタン出口200に至り、ライン202を介して下方CO2凝縮器の下部に配置された液体エタン入口204へ運ばれ、下方凝縮器を流れ、この凝縮器の上部の出口206に達し、最終的にライン208を介して入口198へ達する。
【0051】
上記の処理グループの運転の際に、LNGは、LNGライン34のバイパスがCO2液化ユニット150の入口192に達し、上方凝縮器186を通過し、次いで出口194を介してライン36に合流するという点を除いては、図1に関連して説明されたものと同様の形態に実質的に従う。
【0052】
再ガス化装置の出口で、メタノールは入口158から塔154へと送られ、この塔はまた、12%程度のかなりのCO2を含む流体も、入口160から受ける。この塔での処理の後、CO2はメタノールにより収集され、メタノールおよび溶解CO2の混合気は出口164から排出される。CO2が取り除かれた流体は、出口162から任意の適切な手段へ排出される。CO2およびメタノールの混合気は、フラッシュドラム166で分離され、フラッシュドラム166から蒸気相のCO2が、出口168からライン180へ排出され、出口170から液相メタノールが、加熱器および熱交換器174を引き続き通過することによって、加熱ユニット内で加熱される。熱交換器174の出口で、メタノールに含まれる残余CO2が、フラッシュドラム175内でこのメタノールから再度分離される。この分離の際に、CO2は出口178から排出されて、出口168に連結されたライン180へ合流し、CO2が取り除かれたメタノールは出口176からメタノールループのポンプ18に合流する。蒸気相のCO2は下方凝縮器184内で液化され、そこでその熱量を、2つの凝縮器の間のループ内を循環するエタンと交換する。この交換の後、CO2は、出口190においては液体状態であり、貯蔵タンクへと送られてよく、場合によっては地下貯蔵所内に隔離するため移動される。
【0053】
本発明は、説明された実施形態の例に限定されず、任意の変形形態および均等物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明によるLNG再ガス化プラントの概略図である。
【図2】本発明によるプラントで使用される加熱器の部分断面図である。
【図3】このプラントで使用される再ガス化装置の概略断面図である。
【図4】本発明による再ガス化プラントの第1の変形形態を示す図である。
【図5】本発明による再ガス化プラントの他の変形形態を示す図である。
【図6】本発明によるプラントのある特定の使用例を示す図である。
【図7】本発明によるプラントの他の使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10 LNG貯蔵タンク
12 再ガス化装置、
14 熱媒体加熱ユニット
16 熱媒体循環ループ
20 ライン
22 循環ライン
24 戻りライン
26 熱媒体タンク
28 LNG吸引ポンプ
30 LNG循環ライン
32 循環ポンプ
34 LNGライン
36 出口ライン
40 凝縮液排出ライン
42 縦型シェル
44 空気入口
46 空気出口
48 縦型チューブ
50 吸気マニホルド
52 冷メタノール用入口
54 排気マニホルド
56 出口
52 入口
58 縦型シェル
60 上方熱交換器
62 下方熱交換器
64 メタノール入口
66 出口
68 入口
70 天然ガス出口
72 ライン
74 上方熱交換器入口
76 ライン
78 ガス入口
80 出口
82 メタノール出口
84 相分離器
86 ライン
88 分離器上部
90 分離器下部
92 ライン
94 ポンプ
96 ライン
98 ライン
100 熱交換器
102 プラント
104 流路
106 流路
108 出口
110 入口
112 熱交換器組立体
114 排出ライン
116 ライン
118 閉ループ
120 液体プロパンタンク
122 循環ポンプ
124 ライン
126 プロパン相分離器
128 ライン
130 ライン
132 ライン
134 ライン
136 膨張タービン
138 交流発電機
140 ライン
142 凝縮器
144 ライン
146 LNG再ガス化プラント
148 CO2収集/分離プラント
149 メタノール加熱ユニット
150 CO2液化ユニット
152 ループ
156 転送構成要素
154 吸収塔
158 メタノール入口
160 ガス状流体入口
162 ガス状流体出口
164 混合気出口
166 フラッシュドラム
168 CO2出口
170 メタノール出口
172 出口
174 熱交換器
176 ライン
178 ライン
180 ライン
181 凝縮器
182 筺体
184 第1の凝縮器部分
186 第2の凝縮器部分
192 LNG入口
194 出口
196 閉エタンループ
198 入口
200 液体エタン出口
202 ライン
204 液体エタン入口
206 出口
208 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態の天然ガスを貯蔵するためのタンク(10)と、熱媒体および天然ガスが流れる液化天然ガス(LNG)再ガス化デバイス(12)とを備えるLNG再ガス化プラントにおいて、該プラントは前記熱媒体が低粘性および低結晶点の有機流体の形態で循環する循環路(16)を備え、前記再ガス化デバイス(12)は少なくとも2つの熱交換器(60、62)を備えることを特徴とするLNG再ガス化プラント。
【請求項2】
前記再ガス化プラントは熱媒体加熱ユニット(14)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の再ガス化プラント。
【請求項3】
空気が前記加熱ユニット(14)を流れることを特徴とする、請求項2に記載の再ガス化プラント。
【請求項4】
前記熱媒体が−90℃〜−150℃の結晶化温度を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の再ガス化プラント。
【請求項5】
前記熱媒体はメタノール、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の再ガス化プラント。
【請求項6】
一方の交換器(62)がLNGと前記熱媒体との並流型であり、他方の交換器(60)が対向流型であることを特徴とする、請求項1に記載の再ガス化プラント。
【請求項7】
前記対向流型交換器(60)は、相分離器(84)が間に配置される2つの部分(60A、60B)に分かれていることを特徴とする、請求項6に記載の再ガス化プラント。
【請求項8】
少なくとも前記対向流型交換器(60)は、ろう付けされたプレートフィン型交換器タイプであることを特徴とする、請求項6または7に記載の再ガス化プラント。
【請求項9】
前記熱媒体循環路(16)は追加の熱交換器(100)を備えることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の再ガス化プラント。
【請求項10】
前記再ガス化プラントは前記熱媒体との熱量交換により炭化水素を液化するための手段を備えることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の再ガス化プラント。
【請求項11】
前記炭化水素はタービン(136)を駆動するために使用された後では気体状態であることを特徴とする、請求項10に記載の再ガス化プラント。
【請求項12】
前記炭化水素はプロパンであることを特徴とする、請求項10または11に記載の再ガス化プラント。
【請求項13】
前記再ガス化プラントは前記熱媒体によってCO2を捕らえるための手段を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の再ガス化プラント。
【請求項14】
前記熱媒体が前記CO2の溶剤として使用されることを特徴とする、請求項13に記載の再ガス化プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−530472(P2008−530472A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555662(P2007−555662)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000318
【国際公開番号】WO2006/087452
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】