説明

液塗布具

【課題】まつ毛のカールと塗布液の塗布を同時に行うことが可能な液塗布具を提案する。
【解決手段】基幹部に一体に成形されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具1において,ブラシを、基幹部と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または前記基幹部と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させている。また、基幹部に植毛されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具1において、ブラシを、基幹部に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または基幹部に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液塗布具に関し、特に塗布対象毛にマスカラや毛染め液などの塗布液を塗布する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の液塗布具としては、例えばマスカラブラシとして、特許文献1などに開示されているように、ブラシに付着させたマスカラを、まつ毛に塗布するものが用いられている。このようなマスカラブラシでは、まつ毛をカールすることができないために、例えば、特許文献2などに開示されているように、まつ毛カール器が提案されている。このまつ毛カール器は、持ち手の上方に設けた枠体の内側において上下動可能としたスライド体と、スライド体を上下動させるための操作体を有し、スライド体と枠体の上部との間にまつ毛を挟んでカールさせられるようにしているものがある。
【特許文献1】特開平5−228018号公報
【特許文献2】特開2004−57579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、使用者が、まつ毛をカールさせてマスカラを、まつ毛に塗布しようとすると、まずまつ毛カール器を用いてまつ毛をカールさせる。その後に、マスカラブラシを用いてカールしたまつ毛に、マスカラを塗布する必要があり、化粧に時間がかかると共に、面倒である。
【0004】
さらに、カールしたまつ毛に、マスカラを塗布する際に、マスカラブラシの使用の仕方によっては、まつ毛のカールが崩れることがある。
【0005】
この発明は、以上の点を考慮してなされたもので、まつ毛のカールと塗布液の塗布を同時に行うことが可能な液塗布具を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】
請求項1に記載の発明は、基幹部に一体に成形されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具において、
前記ブラシを、
前記基幹部と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させ、
または前記基幹部と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた、
ことを特徴とする液塗布具である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、基幹部に植毛されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具において、
前記ブラシを、
前記基幹部に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させ、
または前記基幹部に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた、
ことを特徴とする液塗布具である。
【発明の効果】
【0009】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0010】
請求項1に記載の発明では、基幹部と一体に成形したブラシが、基幹部軸方向に傾斜しており、この傾斜したブラシによってまつ毛を挟み込み、塗布液を塗布するための回転操作によってまつ毛のカールと塗布液の塗布を同時に行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、基幹部に植毛されたブラシが、基幹部軸方向に傾斜しており、この傾斜したブラシによってまつ毛を挟み込み、塗布液を塗布するための回転操作によってまつ毛のカールと塗布液の塗布を同時に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の液塗布具の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。[第1の実施の形態]
第1の実施の形態の液塗布具を、図1乃至図15に基づいて説明する。この実施の形態は、基幹部に一体に成形されたブラシとして櫛歯を用い、この櫛歯によって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具であり、櫛歯を、基幹部と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または基幹部と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成である。
【0013】
図1の液塗布具1は、図1(a)の側面図、図1(b)の正面図に示すように、キャップ2に基幹部3が固着され、櫛歯4を、基幹部3と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させている。
【0014】
キャップ2は、図2に示すように、塗布液容器10の取出口10aからキャップ2に固着された基幹部3に設けられた櫛歯4を出し入れすることにより、櫛歯4を塗布液容器10内の塗布液としてのマスカラに浸して外部に取り出すために用いられる。
【0015】
基幹部3は、樹脂により櫛歯4と一体成形され、キャップ2側を基部3aとして先端部3bに向かって直線状に延びた円柱形状になっている。
【0016】
櫛歯4は、基幹部3と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させており、この実施の形態では、先端部方向へ傾斜させているが、基部方向へ傾斜させてもよく、櫛歯4の全体を傾斜させても、一部を傾斜させてもよい。
【0017】
櫛歯4は、側面から見て先細りの円弧状であり、正面から見て先細りの形状であるが、櫛歯4は傾斜していればいかなる形状でもよく、基幹部3の対称位置に、基幹部軸方向に1本を2列配置されている。
【0018】
櫛歯4は、根元4aに対して先端4bが、基幹部3の基幹部軸方向Lに対する傾斜角θの範囲内に位置するように傾斜して形成することが、傾斜した櫛歯4によってまつ毛を容易に挟み込むことができる点で好ましい。
【0019】
以上の構成において、液塗布具1が、図2に示すように、塗布液容器10に差し込まれた状態から引き抜かれると、基幹部3の櫛歯4が全体として塗布液容器10のしごき部材11によってしごかれ、櫛歯4の周囲、また櫛歯4間の空間に、図3に示すように、塗布液20を保持した状態になる。
【0020】
この状態になるのは、櫛歯4が塗布液容器10のしごき部材11によってしごかれたとき、櫛歯4が根元4a側から先端4b側に向かって傾斜しており、その後しごき部材11を通り過ぎて外に出たときその弾性によって起立した状態に復元するような動作をすることにより、櫛歯4間に保持されていた塗布液20がしごき落とされて櫛歯4の周囲に塗布液20が付着した状態になる。
【0021】
そこで、液塗布具1の使用者は、基幹部3の櫛歯4を、図4に示すように、回転させながらまつ毛30をすくような操作をすれば、傾斜した櫛歯4によってまつ毛30を挟み込み回転するから、まつ毛30に塗布液20を塗布するとともにカールさせることができる。
【0022】
このように、塗布液20を塗布するための回転操作によってまつ毛30のカールと塗布液20の塗布を同時に行うことができ、化粧の時間が短縮でき、かつ面倒でなくなり、さらに、従来のようにカールしたまつ毛にマスカラを塗布する際に、例えばマスカラブラシの使用の仕方によってまつ毛のカールが崩れることもなくなる。
【0023】
図5の液塗布具1は、図5(a)の側面図、図5(b)の正面図に示すように、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、正面から見て対称位置の櫛歯4が、基幹部軸方向に2本を1群として2列配置され、2本を1群とすることで、2本の間にも塗布液20を保持することができるようにしている。また、正面から見て対称位置の櫛歯4が、基幹部軸方向に3本を1群として2列配置され、また正面から見て対称位置の櫛歯4が、基幹部軸方向に5本を1群として2列配置され、それぞれの櫛歯4の間にも塗布液20を保持することができるようにしてもよい。
【0024】
図6の液塗布具1は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、基幹部3の周りに櫛歯4を複数列配置したものであり、図6(a)の正面図に示す実施の形態では、8列配置し、図6(b)の正面図に示す実施の形態では、16列配置し、それぞれの櫛歯4の列の間にも塗布液20を保持することができるようにしているが、これに限定されない。
【0025】
図7の液塗布具1は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図7(a)の側面図、図7(b)の正面図に示すように、基幹部3を円弧状に形成し、この円弧状の凸側に櫛歯4が1本を1列配置し、櫛歯4も円弧状であり、好みに応じて最も突出している部分などを使用することができる。
【0026】
図8の液塗布具1は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図8(a)の側面図、図8(b)の正面図に示すように、基幹部3は直線状に形成し、この基幹部3に櫛歯4が1本を1列配置し、櫛歯4は基幹部3の先端側だけ先端に向かって短く形成しており、好みに応じて短い櫛歯4を使用することができる。
【0027】
図9の液塗布具1は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図9(a)の側面図、図9(b)の正面図に示すように、基幹部3は直線状に形成し、この基幹部3に櫛歯4が3本を1群として1列配置し、櫛歯4は基幹部3の先端に向かって短く形成し、好みに応じて適切な長さの櫛歯4を使用することができる。
【0028】
図10の液塗布具1は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、基幹部3は円弧状に形成し、この基幹部3の凸側に櫛歯4が1本を1列配置し、櫛歯4は歯先端に係り部4cが形成されている。櫛歯4の係り部4cによってまつ毛30を引っ掛けて回転させることができ、まつ毛30に塗布液20を確実に塗布するとともにカールさせることができる。基幹部3の凹側には、短いブラシ毛材50が植毛され、この短いブラシ毛材50は傾斜させないで設けられ、まつ毛30に塗布液20を塗布するだけに用いられる。
【0029】
図11の液塗布具1は、図7の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、基幹部3に円周方向に溝3dを形成し、この溝3dに塗布液20を貯めることができるようになっている。
【0030】
図12の液塗布具1は、図8の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、基幹部3の先端部3b側を曲げ、曲げた部分の櫛歯4を基幹部軸方向に傾斜させている。基幹部3の先端部3bには、先端方向から先割れ3eを形成し、この先割れ3eによってまつ毛30を挟み込み回転し、まつ毛30をカールさせることができる。また、櫛歯4は歯先端に係り部4cが形成され、係り部4cによってまつ毛30を引っ掛けて回転させることができ、まつ毛30に塗布液20を確実に塗布するとともにカールさせることができるようになっている。
【0031】
図13の液塗布具1は、図12の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、櫛歯4の歯先端に係り部4cを形成しないで、基幹部3に切り部3fを基幹部軸方向に形成し、この切り部3fに芯部材55に植毛されたブラシ毛材56を設けている。このブラシ毛材56によってまつ毛30に塗布液20を塗布することができる。
【0032】
図14の液塗布具1は、図13の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、櫛歯4を全て先端側に傾斜させ、基幹部3の先端部3b側には、先割れ3eを形成しないで、櫛歯4によってまつ毛30に塗布液20を塗布するとともにカールさせることができるようになっている。
【0033】
この実施の形態の液塗布具1は、櫛歯4の形状が、図1乃至図14に示すように構成されるが、これに限定されることなく、図15(a)に示すように、櫛歯4の途中に屈曲部4gを形成してもよく、図15(b)に示すように、櫛歯4の傾斜し基幹部に対面する側に凹凸部4hを形成してもよく、このような櫛歯4によってまつ毛30に塗布液20を塗布するとともにカールさせることができる。
【0034】
図1乃至図15の実施の形態は、櫛歯4を、基幹部3と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させた構成であるが、櫛歯4を、基幹部3と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成とすることもできる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態の液塗布具を、図16乃至図21に基づいて説明する。この実施の形態は、基幹部に植毛されたブラシとしてブラシ毛材を用い、このブラシ毛材によって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具であり、ブラシ毛材を、基幹部に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または基幹部に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成である。
【0035】
図16の液塗布具1は、図16(a)の側面図、図16(b)の正面図に示すように、キャップ2に基幹部3が固着され、ブラシ毛材60を、基幹部3に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させており、その他の構成は、図1乃至図4の実施の形態と同様に構成される。ブラシ毛材60は、この実施の形態では、先端部方向へ傾斜させているが、基部方向へ傾斜させてもよく、例えば0.05〜0.3〔mmφ〕の合成樹脂材料(ナイロン、テトロン、ポリエステル、ポリプロピレンなど)の繊維素材が用いられる。
【0036】
図17の液塗布具1は、図17(a)の側面図、図17(b)の正面図に示すように、図16の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材60が、基幹部軸方向に3本を1群として2列配置され、3本のそれぞれの間にも塗布液20を保持することができるようにしている。また、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材60が、基幹部軸方向に5本を1群として2列配置され、5本のそれぞれの間にも塗布液20を保持することができ、また基幹部3の周りにブラシ毛材60を複数列配置することができ、例えば8列配置し、16列配置し、それぞれの列の間にも塗布液20を保持することができるが、これに限定されない。
【0037】
図18の液塗布具1は、図16の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図18(a)の実施の形態は、先端部3b側の一部のブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60の先端60aを先端側へ折り曲げている。図18(b)の実施の形態は、基部3a側の一部のブラシ毛材60を基部側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60を円弧状に曲げている。図18(c)の実施の形態は、基部3a側の一部のブラシ毛材60を基部側へ傾斜させ、先端部3b側の一部のブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させ、それぞれ傾斜させたブラシ毛材60を円弧状に曲げている。
【0038】
図19の液塗布具1は、図16の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図19(a)の実施の形態は、基幹部3が直線状で、全てのブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させ、ブラシ毛材60の間に空間部61を所定間隔で設けている。図19(b)の実施の形態は、基幹部3が直線状で、先端側の一部のブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させているが、全てのブラシ毛材60の間に空間部61を所定間隔で設けている。図19(a),(b)の実施の形態では、傾斜させたブラシ毛材60を円弧状に曲げている。図19(c)の実施の形態は、基幹部3が円弧状で、全てのブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させ、ブラシ毛材60の間に空間部61を所定間隔で設けている。図19(d)の実施の形態は、基幹部3が円弧状で、先端側の一部のブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させているが、全てのブラシ毛材60の間に空間部61を所定間隔で設けている。図19(c)の実施の形態では、傾斜させたブラシ毛材60は直線状であるが、図19(d)の実施の形態では、傾斜させたブラシ毛材60を円弧状に曲げている。このように、図19の液塗布具1では、空間部61を設けることによって塗布液20を保持することができるようにしている。
【0039】
図20の液塗布具1は、図16の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図20(a)の実施の形態は、基幹部3が円弧状で、全てのブラシ毛材60を先端側へ傾斜させ、ブラシ毛材60が直線状である。図20(b)の実施の形態は、基幹部3が直線状で、全てのブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60の先端60aを先端側へ折り曲げている。図20(c)の実施の形態は、基幹部3が傾斜しており、全てのブラシ毛材60を先端側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60が円弧状である。図20(d)の実施の形態は、基幹部3の先端部側が傾斜しており、全てのブラシ毛材60を先端側へ傾斜させ、傾斜したブラシ毛材60の根元60bが折り曲げられている。図20(e)の実施の形態は、基幹部3が図20(d)の実施の形態と同様であるが、傾斜させたブラシ毛材60が円弧状である。図20(f)の実施の形態は、基幹部3が先細り形状で、全てのブラシ毛材60を先端部側へ傾斜させている。図20(g)の実施の形態は、基幹部3が楕円状で、全てのブラシ毛材60を先端側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60を円弧状に曲げている。図20(h)の実施の形態は、基幹部3が略菱形状で、全てのブラシ毛材60を先端側へ傾斜させ、傾斜させたブラシ毛材60は直線状である。このように、図24の液塗布具1では、好みに応じた基幹部3やブラシ毛材60の形状のものを使用することができる。
【0040】
この実施の形態の液塗布具1は、ブラシ毛材60の形状は図16乃至図20に示すように構成されるが、これに限定されることなく、図21(a)に示すように、ブラシ毛材60の根元60bを傾斜側へ屈曲させ、先端60aを傾斜と反対側へ屈曲させ、図21(b)に示すように、根元60bのみを傾斜側へ屈曲させ、図21(c),(d)に示すように、ブラシ毛材60の全体を波形に屈曲させてもよい。
【0041】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態の液塗布具を、図22および図23に基づいて説明する。この実施の形態は、基幹部に成形されたブラシとしてブラシ毛材を用い、このブラシ毛材によって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具であり、ブラシ毛材を、基幹部と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または基幹部と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成である。
【0042】
図22の液塗布具1は、図22(a)の側面図、図22(b)の正面図に示すように、キャップ2に基幹部3が固着され、ブラシ毛材70を、基幹部3と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させている。
【0043】
キャップ2、基幹部3は、図1乃至図21の実施の形態と同様に構成され、ブラシ毛材70は、先端部方向へ傾斜させているが、基部方向へ傾斜させてもよい。ブラシ毛材70は、側面から見て先細りの折り曲げ70aを有する形状であり、正面から見て先細りの形状で基幹部3の対称位置に、基幹部軸方向に1本を2列配置されている。
【0044】
図23の液塗布具1は、図23(a)の側面図、図23(b)の正面図に示すように、図22の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材70が、基幹部軸方向に3本を1群として2列配置されている。また、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材70が、基幹部軸方向に6本を1群として2列配置し、また基幹部3の周りにブラシ毛材70を複数列配置してもよく、例えば8列配置し、あるいは16列配置することができる。
【0045】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態の液塗布具を、図24乃至図29に基づいて説明する。この実施の形態は、基幹部に植毛されたブラシとしてブラシ毛材を用い、このブラシ毛材によって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具であり、ブラシ毛材を、基幹部に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させ、または基幹部に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成である。
【0046】
図24の液塗布具1は、図24(a)の側面図、図24(b)の正面図に示すように、キャップ2に基幹部3が固着され、ブラシ毛材80を、基幹部3に植毛し、この基幹部3に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた構成である。
【0047】
キャップ2、図1乃至図23の実施の形態と同様に構成され、ブラシ毛材80は、先端部方向へ傾斜させているが、基部方向へ傾斜させてもよい。ブラシ毛材80は、側面から見て折り曲げ形状であり、正面から見て基幹部3の対称位置に、基幹部軸方向に1本を2列配置されている。
【0048】
この実施の形態の場合、基幹部3は、例えば0.1〜2.0〔mmφ〕の太さの2本のステンレス線材を用いたものであり、ステンレス線材間に、その延長方向にブラシ毛材80として多数のブラシ繊維材料を配列するように挟み込んだ状態において、2本のステンレス線材にねじり加工を施すことにより、当該ねじり加工された2本のステンレス線材の基幹部3を中心として、直線的に外方にブラシ毛材80を突出するように植毛した構成である。
【0049】
このブラシ毛材80に加熱治具を当てて加熱し、側面から見て折り曲げ形状であり、正面から見て基幹部3の対称位置に、基幹部軸方向に1本を2列配置され、この間のブラシ毛材80は短く裁断している。
【0050】
図25の液塗布具1は、図25(a)の側面図、図25(b)の正面図に示すように、図24の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材80が、基幹部軸方向に3本を1群として2列配置され、この間のブラシ毛材80は短く裁断している。また、この実施の形態では、正面から見て対称位置のブラシ毛材80が、基幹部軸方向に7本を1群として2列配置され、この間のブラシ毛材80は短く裁断してもよい。また、基幹部3の周りにブラシ毛材80を複数列配置してもよく、例えば8列配置し、あるいは16列配置することができる。
【0051】
図26の液塗布具1は、図24および図25の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図26(a)の側面図、図26(b)の正面図に示すように、基幹部3を円弧状に形成し、この円弧状の凸側と、この凸側と反対側とに、複数本を1群として2列配置され、この間のブラシ毛材80は短く裁断している。
【0052】
図27の液塗布具1は、図24乃至図26の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図27(a)の側面図、図27(b)の正面図に示すように、基幹部3を直線状に形成し、先端側の一部のブラシ毛材80を基幹部軸方向に傾斜させ、かつ基幹部軸方向に加熱治具によって加熱し、4箇所に溝85を形成して空間にしている。この4箇所の溝85によって形成された空間に、塗布液20を保持することができるようにしている。
【0053】
図28の液塗布具1は、図24乃至図26の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図28(a)の側面図、図28(b)の正面図に示すように、基幹部3を直線状に形成し、この基幹部3の一方側にはブラシ毛材80の複数本を1群として1列配置され、基幹部3の他の部分に設けられた複数本のブラシ毛材80は、短く裁断している。
【0054】
図29の液塗布具1は、図28の実施の形態と同様に構成されているが、この実施の形態では、図29(a)の側面図、図29(b)の正面図に示すように、基幹部3を円弧状に形成し、この円弧状の凸側には、ブラシ毛材80の複数本を1群として1列配置され、基幹部3の他の部分に設けられた複数本のブラシ毛材80は、短く裁断している。このように、図28および図29の液塗布具1では、好みに応じて短く裁断したブラシ毛材80を用いてまつ毛30に塗布液20を塗布することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明は、特に塗布対象毛にマスカラや毛染め液などの塗布液を塗布する場合に適用して好適な液塗布具に適用可能であり、まつ毛のカールと塗布液の塗布を同時に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態の液塗布具を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の液塗布具の使用状態を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の液塗布具の使用状態を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の液塗布具の使用状態を示す図である。
【図5】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図6】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図10】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図12】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図13】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図14】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図15】第1の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図16】第2の実施の形態の液塗布具を示す図である。
【図17】第2の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図18】第2の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図19】第2の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図20】第2の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図21】第2の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図22】第3の実施の形態の液塗布具を示す図である。
【図23】第3の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図24】第4の実施の形態の液塗布具を示す図である。
【図25】第4の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図26】第4の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図27】第4の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図28】第4の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【図29】第4の実施の形態の他の液塗布具を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 液塗布具
2 キャップ
3 基幹部
3a 基幹部3の基部
3b 基幹部3の先端部
4 櫛歯
4a 櫛歯4の根元
4b 櫛歯4の先端
10 塗布液容器
11 しごき部材
20 塗布液
30 まつ毛
60,70,80 ブラシ毛材






【特許請求の範囲】
【請求項1】
基幹部に一体に成形されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具において、
前記ブラシを、
前記基幹部と一体に成形することにより基幹部軸方向に傾斜させ、
または前記基幹部と一体に成形した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた、
ことを特徴とする液塗布具。
【請求項2】
基幹部に植毛されたブラシによって塗布対象毛に塗布液を塗布する液塗布具において、
前記ブラシを、
前記基幹部に植毛することにより基幹部軸方向に傾斜させ、
または前記基幹部に植毛した後熱加工により基幹部軸方向に傾斜させた、
ことを特徴とする液塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−291344(P2009−291344A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146481(P2008−146481)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(594190884)東京パーツ株式会社 (39)
【Fターム(参考)】