説明

液晶フィルムの製造方法

【課題】液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減できる液晶フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】一定方向に向かって連続的に搬送される配向基板フィルム20の表面に、ダイ31から連続的に液晶ポリマーを吐出させてダイ31と配向基板フィルム20との間に、ダイ31と配向基板フィルム20とを液架橋させる液架橋部22aを形成しながら液晶ポリマーを塗布する塗布工程を含み、塗布工程が、液架橋部22aに対して一定方向と反対側の空間を、減圧装置50を用いて減圧チャンバ33を減圧することによって減圧する減圧工程を含んでおり、減圧工程は、減圧チャンバ33を、アキュムレータ41を介して減圧装置50によって減圧する工程を含む、液晶フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LiquidCrystalDisplay; LCD)には、コントラストや視野角の改良のために液晶フィルムが利用されている。この液晶フィルムにおいては、光学的異方性を持たせるために液晶分子を所定の方向に配向させることが必要である。その方法として一般に、液晶層の下地層となる配向基板フィルムの表面を、レーヨン等の繊維からなるラビング布が巻かれたラビングロールを軽く接触させて一定方向(ラビング方向)に沿って擦るラビング処理が採用されている。このラビング処理工程の後、液晶ポリマーを含む溶液を配向基板フィルム上に塗布する塗布工程、溶液を乾燥させて溶媒を揮発させる乾燥工程、加熱して液晶相を発現させる熱処理工程を経て、液晶分子がラビング方向に配向した液晶層を配向基板フィルム上に得ることができる。こうして液晶フィルムが得られる。
【0003】
ところで、液晶フィルムは通常、数百メートルの長さの長尺状に製造される。そのため、上記塗布工程では、一定方向に向かって連続的に搬送される配向基板フィルム(塗布基板)の一端部から他端部にわたって、液晶ポリマーの溶液(塗布液)を連続的に塗布している。このように連続的に塗布を行う方法としては、ダイから液晶ポリマーの溶液を連続的に吐出させ、配向基板フィルムとダイとの間に、配向基板フィルムとダイとを液晶ポリマーの溶液で液架橋させる液架橋部を形成させながら液晶ポリマーのコーティングを行うダイコーティング法が知られている。
【0004】
一般的にダイコーティング法は、溶液の塗布を高速に行うことが可能であり、また前計量塗布方式であるため膜厚の安定性が高く、塗布直前まで塗布液を外気に触れさせないため有機溶剤を用いた溶液を使用しやすい等の利点を有している。一方で、ダイコーティング法は、塗布液の粘性が原因で、塗布液の液架橋部に対して塗布基板の搬送方向側へ移動させる力が働くため、液架橋部の位置や形状が変動したり、液架橋部と塗布基板との間から塗布液内に空気が混入したりすることがある。このようなことが起きると、塗布された塗布液の膜厚が塗布基板の搬送方向に沿って波打つように変動してしまうため、ダイコーティング法は、いわゆる横段むらなどの塗布むらが発生しやすいという欠点を有している。
【0005】
そこで、下記特許文献1に開示されているダイコーティング法では、このような塗布むらの発生を減少させるため、液架橋部に対し、搬送方向と反対側に設けられた減圧チャンバ内の空間を、減圧装置を用いて減圧しながら塗布液の塗布を行っている。このように減圧チャンバを減圧しながら塗布液の塗布を行うと、液架橋部を搬送方向へ移動させる力を、液架橋部を搬送方向と反対方向に移動させる力によって打ち消すことができるため、液架橋部の位置や形状が安定化し、塗布むらの発生を減少させることができる。
【特許文献1】特開2003−236451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らは、上述のように減圧チャンバを用いたダイコーティング法によって配向基板フィルムに液晶ポリマーの溶液を塗布した場合、以下の課題が生じることを見出した。
【0007】
即ち、上述のように配向基板フィルムに液晶ポリマーの溶液を塗布する場合、減圧チャンバに接続されている排気装置の排気量の変動によって減圧チャンバ内の圧力が変動すると、液晶ポリマーの溶液の液架橋部の位置や形状が変動したり、液晶ポリマーと配向基板フィルムとの間から空気が混入したりし、それが塗布むらを生じさせることを本発明者らは見出した。そして、その塗布むらは、最終的に得られる液晶フィルムの光学特性のばらつきに繋がる。
【0008】
従って、本発明の目的は、液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減できる液晶フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る液晶フィルムの製造方法は、一定方向に向かって連続的に搬送される配向基板フィルムの表面に、ダイから連続的に液晶ポリマーを吐出させ、前記ダイと前記配向基板フィルムとの間に前記ダイと前記配向基板フィルムとを液架橋させる液架橋部を形成しながら前記液晶ポリマーを塗布する塗布工程を含み、前記塗布工程が、前記液架橋部に対して前記一定方向と反対側に設けられる減圧チャンバ内の空間を、減圧装置を用いて減圧する減圧工程を含んでおり、前記減圧工程は、前記減圧チャンバ内の空間を、前記減圧装置によってアキュムレータを介して減圧する工程を含む。
【0010】
本発明に係る液晶フィルムの製造方法によれば、減圧装置の排気量に変動が起きた場合、その変動に伴う圧力変動はアキュムレータで吸収され、減圧チャンバ内の圧力変動は十分に低減される。そのため、減圧装置の排気量に変動が起きても、液晶ポリマーの溶液の液架橋部の位置や形状の変動は十分に防止され、液晶ポリマーの溶液の塗布むらの発生は十分に防止される。その結果、最終的に得られる液晶フィルムにおいて光学特性のばらつきが十分に低減される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減できる液晶フィルムの製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の符号を用いて表す。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比率は、図示のものに限られない。
【0013】
[第1実施形態] まず本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第1実施形態について図1を参照して詳細に説明する。図1の(a)〜(f)は、本実施形態に係る液晶フィルムの製造方法の一連の工程図である。
【0014】
はじめに、本実施形態に係る液晶フィルムの製造方法で得られる液晶フィルム30について説明する。
【0015】
図1の(f)に示すように、液晶フィルム30は、透明基板フィルム26の上に、接着剤層24、液晶層23、オーバーコート層28及び保護フィルム29を順次積層するようにして構成されている。
【0016】
液晶フィルム30は以下のようにして製造される。
【0017】
即ち、図1に示すように、液晶フィルム30は、主として、ラビング装置10によって配向基板フィルム20の表面にラビング処理を施すラビング工程(図1の(a)参照)、ラビング処理した配向基板フィルム20の表面に液晶ポリマーの溶液22を塗布する塗布工程(図1の(b)参照)、液晶ポリマーの溶液22を乾燥させる乾燥工程(図1の(c)参照)、乾燥後の液晶ポリマーの溶液22を加熱して液晶相を発現させ、液晶層23を得る熱処理工程(図1の(d)参照)、液晶層23と透明基板フィルム26とを接着剤層24を介して貼り合わせた後、配向基板フィルム20を液晶層23から剥がし、液晶層23を配向基板フィルム20から透明基板フィルム26に転写する転写工程(図1の(e)参照)及び、液晶層23の透明基板フィルム26側とは反対側の面に、オーバーコート層28及び保護フィルム29を貼り合わせ、液晶フィルム30を得る保護層形成工程(図1の(f)参照)を経ることによって得られる。
【0018】
以下、各工程について詳細に説明する。
【0019】
(ラビング工程) まずラビング工程について説明する。ラビング工程は、上述したように、ラビング装置10によって配向基板フィルム20の表面にラビング処理を施す工程である。
【0020】
ここで、配向基板フィルム20は、その表面をラビング処理することによって、その表面上に液晶層23を形成した際に液晶層23内の液晶分子の配向方向を、配向基板フィルム20の面内に配向させることが可能なものであれば特に限定されない。このような配向基板フィルム20の材質としては、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂及びポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂などが挙げられるが、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、PEEK、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂は、後工程における液晶相を発現させるための加熱によってラビング処理の効果が消滅又は減少する恐れがなく、好ましい。
【0021】
図2は、配向基板フィルムに対してラビング処理するラビング装置を示す斜視図である。図2に示すように、ラビング装置10は、例えば円柱状をなすロール本体1a及びロール本体1aの外周面に沿って巻かれるラビング布2を有するラビングロール1を備えている。ここで、ロール本体1aは、その中心軸を回転軸として、モータ等の駆動機構(図示せず)によって回転可能となっている。
【0022】
上記ラビング装置10を用いて配向基板フィルム20のラビング処理を行う場合、ラビング装置10は、例えば、ラビングロール1の回転軸が配向基板フィルム20の搬送方向Aと直交するように配置する。なお、ラビング装置10は、必要に応じ、ラビングロール1の回転軸が配向基板フィルム20の搬送方向Aと鋭角又は鈍角をなすように配置してもよい。
【0023】
そして、搬送装置(図示せず)によって、配向基板フィルム20をガイドロール25上で図2の矢印A方向に一定速度で搬送させた状態で、ラビングロール1を回転させる。このときのラビングロール1の回転方向Bは、ラビングロール1と配向基板フィルム20とが接触する位置で、配向基板フィルム20の搬送方向Aと同一となる方向にする。
【0024】
これにより、配向基板フィルム20の表面は、ラビング布2によって配向基板フィルム20の搬送方向Aと同一方向に擦られる。
【0025】
この処理により、後の工程で配向基板フィルム20の表面に液晶層23を形成した際に、液晶層23の液晶分子の長手方向を、配向基板フィルム20の面に平行な面内であって、ラビング処理を行った方向に向かせることができる。
【0026】
(塗布工程) 次に、ラビング工程後に行われる塗布工程について説明する。塗布工程は、図1の(b)に示すように、上記ラビング工程においてラビング処理された配向基板フィルム20上に、塗布装置を用いて、液晶ポリマーの溶液22を塗布する工程である。
【0027】
液晶ポリマーの溶液22は、ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶、ディスコティック液晶等のサーモトロピック液晶のポリマーを、適当な溶剤に溶解した溶液である。この液晶ポリマーは、例えば、カルボン酸基、アルコール基、フェノール基、アミノ基、チオール基などを有する化合物を縮合させて成る縮合系液晶ポリマー、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など二重結合を有する液晶性化合物などを原料として得られる液晶性ビニルポリマー、アルコキシシラン基を有する液晶化合物などから合成される液晶性ポリシロキサン、エポキシ基を有する液晶性化合物などから合成される液晶性エポキシ樹脂、又は上記液晶ポリマーの混合物を用いることができる。これらの各種液晶ポリマーの中でも、得られる液晶フィルムの光学特性などの点から縮合系液晶ポリマーが最も好ましい。
【0028】
液晶ポリマーの溶液22の溶剤としては、上記液晶ポリマーを溶解可能なものであれば特に限定されないが、例えば、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板フィルム20上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを溶液に添加してもよい。
【0029】
ここで、塗布装置について図3及び図4を用いて詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る液晶フィルムの製造方法に用いる塗布装置を概略的に示す斜視図であり、この塗布装置を用いて配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液を塗布している状態を示している。図4は、図3の塗布装置を概略的に示す断面図である。
【0030】
図3及び図4に示すように、塗布装置35は、液晶ポリマーの溶液22を配向基板フィルム20の表面上に塗布する塗布装置であり、搬送ロール37、ダイ31、減圧チャンバ33、減圧装置50及びアキュムレータ41を備えている。
【0031】
搬送ロール37は、配向基板フィルム20を搬送するためのロールであり、例えば円柱形状をなしている。搬送ロール37は、その中心軸を回転軸として図3,4の矢印C方向に回転可能となっており、その外周面上に配向基板フィルム20を接触させた状態で回転させることにより、配向基板フィルム20が一定方向に連続的に搬送される。なお、搬送ロール37の延び方向に沿った長さは通常、配向基板フィルム20の幅と等しいか、それよりも大きくなっている。
【0032】
ダイ31は、液晶ポリマーの溶液22を吐出して配向基板フィルム20の表面に塗布するものであり、搬送ロール37と離隔した状態で対向している。本実施形態の塗布装置35において、ダイ31は、ポケット31aを有する本体部32と、本体部32から搬送ロール37に向かって水平方向に延びる延出部34とで構成されており、延出部34は、本体部32から搬送ロール37に向かうにつれて先細り形状となっている。延出部34の先端部にはスリット状の吐出口31cが形成され、吐出口31cとポケット31aとは流路31bによって連通している。したがって、ポケット31a内の液晶ポリマー溶液は流路31b及び吐出口31cを通って、ダイ31から吐出可能となっている。
【0033】
減圧チャンバ33は、ダイ31に対し、配向基板フィルム20の搬送方向の上流側に設置する部材である。具体的には、図4に示すように、ダイ31より吐出される液とダイ31の搬送方向上流部分と配向基板フィルム20に囲まれた空間を減圧できるような位置に設けられている。即ち、減圧チャンバ33は、ダイ31と液架橋部22aと配向基板フィルム20と共に、液架橋部22aよりも配向基板フィルム20の搬送方向上流側の空間を囲むように設けられており、この空間を減圧することが可能となっている。開口37aは、ダイ31の延出部34の先端部から搬送ロール37の外周面に沿って搬送方向と反対方向に延びている。
【0034】
より具体的には、減圧チャンバ33は、ダイ31を挟むようにして設けられる2枚の側壁部33Bと、2枚の側壁部33Bを連結しダイ31に対向する底部33Dと、2枚の側壁部33Bを連結しダイ31と底部33Dとを連結し且つ搬送ロール37から遠い位置に設けられる後壁部33Cと、2枚の側壁部33B及び底部33Dを連結し且つ搬送ロール37から近い位置に設けられる前壁部33Aとで構成されている。ここで、前壁部33A、2枚の側壁部33B、及びダイ31の延出部34によって減圧チャンバ33の開口37aが形成されている。
【0035】
減圧装置50は、減圧チャンバ33の内部を減圧するための装置である。減圧装置50は、排気機能を有するものであれば特に制限されないが、減圧装置50としては、例えば、エアーエジェクタ、水流エジェクタ、ブロア等を用いることができる。
【0036】
アキュムレータ41は、減圧装置50と減圧チャンバ33との間に設けられており、減圧装置50で減圧チャンバ33内を排気する際、減圧装置50の排気量の変動による圧力変動を吸収するための緩衝部としての役割を果たす装置である。
【0037】
ここで、アキュムレータ41について図5を用いて具体的に説明する。
【0038】
図5は、アキュムレータ41の一例を示す断面図である。図5に示すように、アキュムレータ41は、中空状の本体部43と、本体部43内の空間を仕切る複数の仕切り部45とを備えている。本体部43には、吸引口43a及び排出口43bが互いに対向するように形成され、吸引口43aには減圧チャンバ33が接続され、排出口43bには減圧装置50が接続されている。
【0039】
仕切り部45は、アキュムレータ41内を通過する気体の移動経路を規定するための部材であり、複数の仕切り部45は、本体部43内に蛇行経路を形成するように本体部43の内面43cから延びている。例えば仕切り部45は板状となっており、複数の仕切り部45は、互いに平行に且つ吸引口43aと排出口43bとを結ぶ方向に対して直交するように配置されている。従って、吸引口43aからアキュムレータ41内に入った気体は、進行方向を変えながら蛇行して排出口43bへ向かうことになる。
【0040】
このように、アキュムレータ41は、複数の仕切り部45によって、吸引口43aから吸引する気体の圧力を低下させている。そのため、減圧装置50の脈動による圧力変動は、アキュムレータ41で緩和され、アキュムレータ41の吸引口43a付近には伝わり難くなっている。
【0041】
次に、上述の塗布装置35を用いた塗布方法について説明する。
【0042】
配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22を塗布するには、図3及び図4に示すように、まず塗布装置35の搬送ロール37の外周面に配向基板フィルム20を接触させ、その状態で搬送ロール37を回転させる。すると、配向基板フィルム20は一定方向に向かって連続的に搬送される。このとき、搬送ロール37の外周面には、配向基板フィルム20のうち、ラビング処理が行われていない側の面を接触させる。
【0043】
また、このとき、減圧装置50によってアキュムレータ41を経て減圧チャンバ33の内部を排気すると共に、ダイ31の吐出口31cから液晶ポリマーの溶液22を連続的に吐出させ、ダイ31の延出部34と配向基板フィルム20との間に、ダイ31の延出部34と配向基板フィルム20とを液架橋させる液架橋部22aを形成しながら、配向基板フィルム20の表面に連続的に液晶ポリマーの溶液22を塗布する。
【0044】
上述のように液晶ポリマーの溶液22の塗布を行うと、液架橋部22aのうち、配向基板フィルム20の搬送方向と反対側に設けられた減圧チャンバ33の内部空間が減圧されている。これにより、液架橋部22aが配向基板フィルム20により搬送方向へ引かれる力と、液架橋部22aが減圧チャンバ33により搬送方向と反対方向へ引かれる力とを均衡させることが可能である。
【0045】
さらに本実施形態では、減圧装置50と減圧チャンバ33とがアキュムレータ41を介して接続されている。このため、減圧装置50の排気量の変動などによる脈動で気体の圧力変動が起きても、その圧力変動はアキュムレータ41で吸収されるため、圧力変動が減圧チャンバ33に伝わることが十分に防止される。従って、液晶ポリマーの溶液22の塗布の際に、液架橋部22aが配向基板フィルム20と反対方向に引く力の変動が十分に防止される。よって、液架橋部22aの位置や形状が変動したり、液架橋部22aと配向基板フィルム20との間から空気が混入したりすることが十分に防止され、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらの発生が十分に低減されることとなる。
【0046】
(乾燥工程) 上記塗布工程の後に行われる乾燥工程は、図1の(c)に示すように、配向基板フィルム20を加熱し、その表面に塗布された液晶ポリマーの溶液22の溶剤を気化させる工程である。具体的には、配向基板フィルム20上の液晶ポリマーの溶液22を、例えば、相互に隣接する複数の乾燥炉に順次通しながら搬送し、各乾燥炉に、液晶ポリマーの溶液22を乾燥させるためのガスを導入して、配向基板フィルム20の長手方向に沿って液晶ポリマーの溶液22を連続的に乾燥させる。このとき、各乾燥炉ごとに異なる乾燥条件を設定すると好ましい。この場合、液晶ポリマーの溶液22を均一に乾燥させることが可能となる。
【0047】
(熱処理工程) 上記乾燥工程の後は、熱処理工程を行う。熱処理工程は、図1の(d)に示すように、乾燥後の液晶ポリマーの溶液22を加熱して液晶相を発現させた後に冷却し、液晶分子が所定の方向に配向した液晶層23を得る工程である。具体的には、配向基板フィルム20を熱処理炉の中を通して搬送し、液晶ポリマーの溶液22の温度が、液晶ポリマーが固体から液晶へ転移する温度(以下、「液晶転移温度」という)以上になるようにした後に冷却する。このとき、冷却は、熱処理炉から排出することにより行えばよい。
【0048】
液晶転移温度以上に加熱された液晶ポリマーは固相から液晶相に相転移して流動性を有する。そのため、液晶ポリマーは、配向基板フィルム20の表面におけるラビング処理方向に向けて容易に配向する。
【0049】
その後、配向基板フィルム20を液晶転移温度以下に冷却すると、液晶ポリマーはガラス状態となって流動性を失い、液晶分子は液晶相での配向状態で固定化される。このようにして、液晶分子が所定の方向に配向した液晶層23が得られる。
【0050】
(転写工程) 上記熱処理工程の後は、転写工程を行う。転写工程は、図1の(e)に示すように、液晶層23と等方性透明基板フィルム26とを接着剤層24を介して貼り合わせた後に、配向基板フィルム20を液晶層23から剥がすことにより、液晶層23を配向基板フィルム20から等方性透明基板フィルム26に転写する工程である。
【0051】
等方性透明基板フィルム26は、光学特性が等方的であり可視光に対して透明な材料で構成されたフィルムであり、最終的な液晶フィルムを支持する機能を有する。この材質は、上記の条件を満たし、適度な平面性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの他、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエチレンサルファイド、アモルファスポリエチレンなども用いることができる。また、光学的に異方性を有していても、目的とする液晶フィルムの機能に対して問題を与えないものであれば使用することができる。このような例としては、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートなどの位相差フィルムがあげられる。
【0052】
接着剤層24としては、可視光に対する吸収率が十分に小さく、光学的等方性を有しているものが好ましく、例えば、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系、およびこれらの混合系などを用いることができる。また接着剤層24は、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などのいずれの型の接着剤でも問題なく使用することができる。
【0053】
液晶層23からの配向基板フィルム20の剥離方法は、例えば、ロールなどを用いて機械的に剥離する方法、これらの構成材料に対する貧溶媒に浸漬したのち機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波をあてて剥離する方法、配向基板フィルム20と液晶層23との熱膨張係数の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、配向基板フィルム20自体を溶解除去する方法などを採用することができる。剥離性は、配向基板フィルム20と液晶層23の密着性によって異なるため、液晶層23からの配向基板フィルム20の剥離方法は、上記方法の中から適宜選択される。
【0054】
上述のように、液晶層23を配向基板フィルム20から等方性透明基板フィルム26に転写する工程を採用することにより、配向基板フィルム20の材料選択の自由度が増加するという利点がある。即ち、配向基板フィルム20は、液晶分子を配向させうる機能を有すること、及び熱処理工程における耐熱性を有すること等の条件を具備することが必要である。本実施形態のように液晶層23の転写工程を採用すると、配向基板フィルム20に必要な条件が少なくなるため、液晶分子を所望の態様で配向させるために、より適した材料の選択が可能となる。
【0055】
(保護層形成工程) 上記転写工程の後は、保護層形成工程を行う。保護層形成工程は、図1の(f)に示すように、液晶層23の等方性透明基板フィルム26側とは反対側の面に、オーバーコート層28及び保護フィルム29を貼り合わせる工程である。
【0056】
オーバーコート層28は、液晶層23を保護するための層である。オーバーコート層28の材質は、液晶層23を保護するものであれば特に制限されないが、可視光に対する吸収率が十分に小さく、光学的等方性を有しているものが好ましく、例えば、PET、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、アモルファスポリエチレン、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。
【0057】
保護フィルム29は、オーバーコート層28をさらに保護するためのフィルムであり、オーバーコート層28の表面に直接貼られていてもよいし、接着剤を介して貼られていてもよい。この場合の接着剤は、接着剤層24と同様の材質とすることができる。
【0058】
以上の工程を経ることにより、液晶フィルム30が得られる。こうして液晶フィルム30の製造が完了する。本実施形態の液晶フィルムの製造方法によれば、上述したように、最終的に得られる液晶フィルム30の光学特性のばらつきを十分に低減できる。このため、製造の際の歩留まりを向上させることができる。
【0059】
[第2実施形態] 次に、本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第2実施形態について説明する。本実施形態は、塗布工程の点でのみ第1実施形態と異なる。
【0060】
図6は、第2実施形態の塗布工程に用いる塗布装置を概略的に示す断面図であり、この塗布装置を用いて配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22を塗布している状態を示している。
【0061】
塗布装置35Aは、ダイの構成の点で第1実施形態の塗布装置35と相違する。即ち、塗布装置35Aのダイ31Aの内部には、液晶ポリマーの溶液22を溜めるためのポケット31aが複数形成されている。また、ダイ31Aの上面は、水平面に対して傾斜する傾斜面31dを有しており、この傾斜面31dは、搬送ロール37に近づくにつれて高さが低くなっている。そして、傾斜面31dには、ポケット31aに対応して吐出口31cを有し、吐出口31cとポケット31aとは流路31bによって連通している。そして、傾斜面31dの最も高さが低い側の縁部は、搬送ロール37に近接している。
【0062】
上述の塗布装置35Aを用いて配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22を塗布するには、搬送ロール37を回転させ、各ポケット31aから液晶ポリマーの溶液22を連続的に吐出させる。すると、液晶ポリマーの溶液22は、傾斜面31d上を搬送ロール37側へ向かって流れ出し、各ポケット31aから吐出された液晶ポリマーの溶液22が互いに重なり合って層状の流体となる。そして、液晶ポリマーの溶液22は、ダイ31Aと、連続的に搬送される配向基板フィルム20との間で、これらを液架橋する液架橋部22aを形成する。このようにして、配向基板フィルム20の表面上に連続的に液晶ポリマーの溶液22が塗布される。
【0063】
本実施形態における塗布装置35Aによる塗布の際も、液晶ポリマーの溶液22の液架橋部22aのうち、配向基板フィルム20の搬送方向と反対側に設けられた減圧チャンバ33内の空間が減圧される。さらに本実施形態では、減圧装置50と減圧チャンバ33とがアキュムレータ41を介して接続されている。このため、減圧装置50の排気量の変動などによる脈動で気体の圧力変動が起きても、その圧力変動はアキュムレータ41で吸収されるため、圧力変動が減圧チャンバ33に伝わることが十分に防止される。従って、液晶ポリマーの溶液22の塗布の際に、液架橋部22aの位置や形状が変動したり、液架橋部22aと配向基板フィルム20との間から空気が混入したりすることが十分に防止され、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらが十分に低減されることとなる。また、各ポケット31a内に異なる種類の液晶ポリマーの溶液を溜めて塗布を行うことにより、複数の種類の液晶ポリマー層が積層された液晶フィルムを容易に得ることができる。
【0064】
[第3実施形態] 次に、本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第3実施形態について説明する。本実施形態は、塗布工程の点でのみ第1実施形態と異なる。
【0065】
図7は、本実施形態の塗布工程に用いる塗布装置を概略的に示す断面図であり、この塗布装置を用いて配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液を塗布している状態を示している。
【0066】
塗布装置35Bは、搬送ロール37に対するダイ31の位置関係の点で第1実施形態と異なる。即ち、塗布装置35Bでは、ダイ31が搬送ロール37の上方に配置されており、且つ本体部から延出部34が下方、即ち搬送ロール37の方に向かって延びている。
【0067】
上述の塗布装置35Bを用いて配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22を塗布するには、ポケット31a内の液晶ポリマーの溶液22を、吐出口31cから連続的に吐出させる。すると吐出された液晶ポリマーの溶液22は、連続的に搬送される配向基板フィルム20に向かって流れ落ち、吐出口31cと配向基板フィルム20との間に、吐出口31cと配向基板フィルム20とを液架橋させる液架橋部22aを形成しながら、配向基板フィルム20の表面上に連続的に液晶ポリマー溶液を塗布する。
【0068】
本実施形態における塗布装置35Bによる塗布の際も、液晶ポリマーの溶液22の液架橋部22aのうち、配向基板フィルム20の搬送方向と反対側にある減圧チャンバ33内の空間が減圧される。さらに本実施形態では、減圧装置50と減圧チャンバ33とがアキュムレータ41を介して接続されている。このため、減圧装置50の排気量の変動などによる脈動で気体の圧力変動が起きても、その圧力変動はアキュムレータ41で吸収されるため、圧力変動が減圧チャンバ33に伝わることが十分に防止される。従って、液晶ポリマーの溶液22の塗布の際に、液架橋部22aの位置や形状が変動したり、液架橋部22aと配向基板フィルム20との間から空気が混入したりすることが十分に防止され、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらの発生が十分に防止されることとなる。その結果、最終的に得られる液晶フィルム30の光学特性のばらつきを十分に低減でき、製造の際の歩留まりを向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態に用いる塗布装置35Bによれば、吐出部31cから吐出された液晶ポリマーの溶液22は、自由落下により配向基板フィルム20に到達する。即ち、液晶ポリマーの溶液22は、重力を利用して配向基板フィルム20の表面上に塗布される。このため、液晶ポリマーの溶液22を高速に塗布することができる。
【0070】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0071】
例えば、アキュムレータは、上記第1〜第3実施形態の態様には限られない。例えば、図8および図9に示すように、内部の容積が変化し得る態様のものを用いることもできる。
【0072】
図8は、アキュムレータの変形例を示す断面図である。図8に示すアキュムレータ41Aは、本体部43と、本体部43の内面に設けられ、容積を変化させることが可能な風船部46とを備えている。ここで、風船部46は中空状の弾性体で構成されており、風船部46は、本体部43に形成される貫通孔43dを通じて大気と連通している。このため、減圧装置50の脈動により圧力変動が起きても、風船部46内の気体が貫通孔43dを通じて大気中に放出され又は風船部46内に大気中から気体が流入されるため、本体部43の内面と風船部46の外面とによって形成される空間の体積が変化し、その圧力変動が吸収される。その結果、アキュムレータ41Aと接続された減圧チャンバ33内の圧力変動も低減される。なお、図8では風船部46は2つとなっているが、1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0073】
また、図9は、アキュムレータの別の変形例を示す断面図である。図9に示すように、アキュムレータ41Bは、本体部43、及び本体部43内に設けられるベローズ47を備えている。ベローズ47は、中空状となっており、その内部空間は、本体部43に形成される貫通孔43dを通じて大気と連通している。したがって、本体部43の内面とベローズの外面とによって形成される空間の圧力が増加すると、ベローズ47内の気体が本体部43の貫通孔43dを通じて大気中に放出され、ベローズ47の内部空間の体積が減少する。その結果、本体部43の内面とベローズ47の外面とによって形成される空間の体積が増加する。逆に、本体部43の内面とベローズの外面とによって形成される空間の圧力が減少すると、ベローズ47内に本体部43の貫通孔43dを通じて大気中から気体が流入し、ベローズ47の内部空間の体積が増加する。その結果、本体部43の内面とベローズ47の外面とによって形成される空間の体積が減少する。このため、減圧装置50の脈動により圧力変動が起きても、ベローズ47内の気体が貫通孔43dを通じて大気中に放出され、又はベローズ47内に貫通孔43dを通じて気体が流入されるため、本体部43の内面とベローズ47の外面とによって形成される空間の体積が変化し、その圧力変動が吸収される。その結果、アキュムレータ41Aと接続された減圧チャンバ33内の圧力変動も低減される。
【0074】
また、アキュムレータは、本体部自体が弾性体である場合には、本体部のみで構成されてもよい。
【0075】
また、塗布装置を構成するダイは、上述の第1〜第3実施形態のものに限られず、内部に液晶ポリマーの溶液を溜めることができ、その液晶ポリマーを一定の吐出量で吐出可能な形状であればよい。また、塗布装置を構成するダイは、必ずしも、液晶ポリマーの溶液を溜めるポケットを内部に有している必要はない。但し、この場合、塗布装置は、ダイとは別に、液晶ポリマーの溶液を貯留する容器を有し、当該容器とダイとが接続され、当該容器内の液晶ポリマー溶液がダイを通じて吐出されるようにする。
【0076】
また、液晶ポリマーの溶液22は、上記実施形態のように液晶のポリマーを溶剤に溶解させた溶液には限られず、液晶ポリマー自体を融解して液状にしたものを使用することもできる。かかる場合、上述の乾燥工程は省略される。
【0077】
また、液晶層23の液晶分子の配向の固定化は、上記実施形態のように液晶転移温度が高いサーモトロピック液晶の相転移を利用する方法に限られず、配向後に光架橋や熱架橋によって配向を固定化してもよい。かかる場合、液晶転移温度が低い液晶ポリマーを使用することが可能である。この場合、上述の熱処理工程に代えて、光架橋や熱架橋を行う工程が行われる。
【0078】
また、配向基板フィルム20が光学的に等方的であり可視光に対して透明な材料であれば、配向基板フィルム20を最終的な液晶フィルムの支持フィルムとすることもできる。即ち、上述の転写工程を省略し、配向基板フィルム20上に、液晶層23、オーバーコート層28、保護フィルム29をこの順に積層して液晶フィルムとすることも可能である。
【0079】
さらに、液晶フィルム30は、液晶層23の液晶分子を特定の配向状態に固定し、その配向状態から生じる光学異方性を利用したフィルムであれば特に制限はされず、例えば、視野角改良フィルムや色補償フィルムとして利用されるものが挙げられる。
【0080】
さらに、液晶フィルム30は、必ずしもオーバーコート層28及び保護層29を有していなくてもよい。したがって、この場合、上述した保護層形成工程は省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の一実施形態の一連の製造工程を示す工程図である。
【図2】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第1実施形態で用いるラビング装置を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第1実施形態における塗布工程で使用される塗布装置を概略的に示す断面図である。
【図4】図3の塗布装置を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第1実施形態で用いるアキュムレータの断面図である。
【図6】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第2実施形態における塗布工程で使用される塗布装置を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る液晶フィルムの製造方法の第3実施形態における塗布工程で使用される塗布装置を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明に係る液晶フィルムの製造方法で用いるアキュムレータの変形例を概略的に示す断面図である。
【図9】本発明に係る液晶フィルムの製造方法で用いるアキュムレータの変形例を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0082】
20…配向基板フィルム、22…液晶ポリマーの溶液、30…液晶フィルム、31、31A、31B…ダイ、33…減圧チャンバ、35、35A、35B…塗布装置、41、41A、41B…アキュムレータ、50…減圧装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に向かって連続的に搬送される配向基板フィルムの表面に、ダイから連続的に液晶ポリマーを吐出させ、前記ダイと前記配向基板フィルムとの間に前記ダイと前記配向基板フィルムとを液架橋させる液架橋部を形成しながら前記液晶ポリマーを塗布する塗布工程を含み、
前記塗布工程が、前記液架橋部に対して前記一定方向と反対側に設けられる減圧チャンバ内の空間を、減圧装置を用いて減圧する減圧工程を含んでおり、
前記減圧工程は、前記減圧チャンバ内の空間を、前記減圧装置によってアキュムレータを介して減圧する工程を含む、液晶フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−233268(P2008−233268A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69547(P2007−69547)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(504030761)新日石液晶フィルム株式会社 (12)
【Fターム(参考)】