説明

液晶モジュール

【課題】ソースドライバ及びゲートドライバの破損を抑制し、安定して駆動することができる液晶モジュールを提供する。
【解決手段】液晶セルと5、液晶セル5に接続され、液晶セル5に動作信号を出力する動作ドライバ52(53)とを有し、動作ドライバ52(53)は可撓性を有するフィルム基板521(531)に、直方体形状のドライバIC522(532)が面実装されているものであり、動作ドライバ52(53)がフィルム基板521(531)のドライバIC522(532)の角部と接触している部分の近傍の非配線領域5212(5312)をよけて配線されていることを特徴とする液晶モジュールA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破損等の不具合が発生するのを抑制する構造を備えた液晶駆動用ドライバを有する液晶モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶モジュールは、薄型、軽量、低消費電力であるという特徴を有するものであり、ノートPC、PC用モニタ、TV受像機等の映像を表示する表示装置として広く用いられている。前記液晶モジュールは、バックライトより出射された光が液晶セルを透過することで、映像を形成するものである。
【0003】
前記液晶セルは、2枚の平行に配置された透明基板の間隙に液晶が充填された液晶層が形成されている。前記液晶層は両端に印加される電圧によって光を透過したり、遮断したりするものである。前記液晶セルは、画像の最小単位である画素が格子状に配置されている。前記透明基板の一方には前記画素ごとに形成された画素電極が形成され、他方の透明基板にはすべての画素に対して共通する共通電極が形成されている。なお、前記画素電極及び前記共通電極電圧は透明電極である。
【0004】
前記画素電極にはトランジスタが備えられており、縦方向或いは横方向に隣り合う画素に備えられたトランジスタのソースは共通の電線で接続されている。また、ソースが接続されている電極と直交する方向に並んだ画素に備えられたトランジスタのゲートも共通の電極で接続されている。さらに、ドレインには画素電極がそれぞれ接続されている。
【0005】
前記電線を介して、所定の画素のトランジスタのソースに表示信号を、ゲートにトリガー信号を入力させることで、表示信号の電荷を蓄積することができる。前記画素電極に電荷を蓄積することで、当該画素電極と前記共通電極との間に配置されている液晶に表示電圧がかかり、前記液晶は電圧により駆動されて、その画素での光の透過或いは遮断がおこなわれる。このようにして、各画素における液晶を駆動させることで、前記液晶セルで画像を表示することができる。
【0006】
従来、液晶モジュールは、前記トランジスタのソースと接続された電線と接続されたソースドライバと、前記トランジスタのゲートと接続された電線と接続されたゲートドライバとを有している。前記ソースドライバ及び前記ゲートドライバはそれぞれ、前記表示信号及び前記トリガー信号を出力するものである。前記表示信号及び前記トリガー信号の出力するタイミングが適切に調整されることで、所定の画素の画素電極に前記表示信号が入力される。また、前記ソースドライバ及び前記ゲートドライバは中間基板を介してタイミングコントローラ基板と接続されている。前記タイミングコントローラ基板はタイミングを知らせるタイミング信号を出力しており、前記ソースドライバ及び前記ゲートドライバはこのタイミング信号をもとに、表示信号及びトリガー信号を前記液晶セルに出力する。
【0007】
前記ソースドライバ及び前記ゲートドライバは一方の端部が前記液晶セルに、他方の端部が前記中間基板に固定されている。前記中間基板と前記タイミングコントローラ基板とは前記液晶モジュールの前記リヤフレームに固定されているものであり、前記中間基板及び前記タイミングコントローラ基板は湾曲可能なFPCを介して接続されている。
【0008】
前記ソースドライバから出力された表示信号と、前記ゲートドライバより発信されたトリガー信号のタイミングを合わせることで、前記液晶セルの任意の画素の画素電極に氷人信号を入力させ、画素電極と共通電極の間が所定の電圧(電位差)とすることができ、この電圧によって当該画素の液晶を駆動させることができる。
【0009】
前記中間基板は金属製のリヤフレームの側面に固定されているものであり、前記液晶セルは前記リヤフレームに樹脂製のセルガイドを介して固定されている。ここでは前記ソースドライバについて説明する。なお、前記ゲートドライバについても、同様の構成である。図6は従来のソースドライバの平面図である。図6に示すソースドライバ91は、可撓性を有するFPC(Flexible Printed Circuit)で形成された本体部911の表面にソリッドタイプのドライバIC912が実装されているものである。ソースドライバ91の本体部911は、長方形状のフィルム基板であり、ドライバIC912は直方体形状を有している。
【0010】
このドライバIC912は前記中間基板より入力されたタイミング信号を受信し、その信号にあわせたタイミングで前記液晶セルに備えられている各画素の画素電極に電力を供給するものである。前記ゲートドライバにもICが備えられており、前記ゲートドライバに備えられたICはタイミング信号をもとに各画素電極にトリガー信号を出力するものである。
【0011】
図6に示すように、前記中間基板が前記液晶セルと所定の角度(ここでは直角)をなして配置されたものであり、本体部911が可撓性を有することで前記液晶セルと前記中間基板との間を荷重がかからない状態で連結している。このような、液晶セルにフレキシブル基板を用いた発明が、特開2003−133676号公報に記載されている。
【0012】
【特許文献1】特開2003−133676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、液晶表示装置は大画面化、高輝度化してきており、そのために、液晶モジュールの光源であるバックライトの消費電力も増加している。バックライトの消費電力が増加すると、それだけ大量の熱が発生し、この熱によって前記樹脂製のセルガイドと前記金属製のリヤフレームとの間には熱膨張、熱収縮による変形量の差が生じる。
【0014】
この変形量の差によって、前記ソースドライバに変形する加重がかかる。本体部911はFPCで形成されているので、多少の変形は許容できるが、ドライバIC912は変形をあまり許容できず、本体部911のドライバIC912が固定されている部分も変形が抑制される。この変形が抑制されることによって、本体部911のドライバIC912が固定されている部分の近傍、特に、角部近傍に応力が集中し、本体部911が破損してしまったり、本体部911に形成されている回路配線が切断してしまい、前記液晶セルの動作に不具合が生じてしまうことがある。
【0015】
そこで本発明は、ソースドライバ及びゲートドライバの破損を抑制し、安定して駆動することができる液晶モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明は、液晶セルと、前記液晶セルに接続され、前記液晶セルに動作信号を出力する動作ドライバとを有する液晶モジュールであって、前記動作ドライバは可撓性を有するフィルム基板に、直方体形状のドライバICが面実装されているものであり、前記動作ドライバが前記フィルム基板の前記ドライバICの角部と接触している部分の近傍であって、前記フィルム基板に外力が付加したときに応力が集中する非配線領域をよけて配線されている。
【0017】
この構成によると、前記フィルム基板にねじれ力や引張り力が作用し、前記ドライバICの角部と接触している部分の近傍の非配線領域に応力が集中した場合であっても、前記非配線領域には配線が施されていないため、配線が切れたり、変形により抵抗が大きくなったりする不具合が発生しにくい。
【0018】
このことにより、液晶モジュールを構成する金属製の部材と樹脂製の部材の熱による変形量の差が発生した場合であっても、前記液晶セルに常に正確な動作信号を送信することができるので、映像の乱れを抑制することが可能である。
【0019】
上記構成において、前記非配線領域が前記フィルム基板の前記ドライバICの取り付け部と前記液晶セルとの接続部との間の部分に形成されたものでもよく、前記フィルム基板の前記ドライバICを挟んで前記液晶セルとの接続部と反対側に形成されたものであってもよく、いずれの側にも形成されたものであってもよい。
【0020】
また、前記フィルム基板が前記非配線領域の少なくとも一部に形成された貫通孔を有していてもよい。このとき、前記貫通孔に過度の応力が集中するのを抑制するために、曲線をつないで閉じた形状であるものがこのましい。
【0021】
上記構成の動作ドライバとして前記液晶セルの画素ごとに備えられたトランジスタのソースに入力される表示信号を出力するソースドライバ、前記液晶セルの画素ごとに配置されたトランジスタのゲートに入力されるトリガー信号を出力するゲートドライバを挙げることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、ソースドライバ及びゲートドライバの破損を抑制し、安定して駆動することができる液晶モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる液晶モジュールの分解斜視図である。図1に示すように、液晶モジュールAは少なくとも、リヤフレーム1、反射シート2、ランプ3、ランプフレーム31、光拡散部材4、液晶セル5、ベゼル6、タイミングコントローラ基板7を有している。
【0024】
リヤフレーム1は金属板を折り曲げて形成されたものであり、長方形状の背面部11と、背面部11の一対の長辺より立設された立ち上がり部12と、背面部11の一対の短辺より立設された枠部13とを有している。立ち上がり部12は背面部11より立ち上がる接続部121と、接続部121と連結され、液晶パネル4の長辺を支持する支持部122と、支持部122と連結され、接続部121と対抗する外枠部123とを有している。また、リヤフレーム1の背面側(ランプ3と反対側)には、タイミングコントローラ基板7がねじ止めにて固定されている。
【0025】
反射シート2はリヤフレーム1の正面側に配置されるものであり、リヤフレーム1の背面部11及び接続部121と密接して取り付けられている。リヤフレーム1の正面側には反射シート2を配置した後、バックライトとして用いられるランプ3が配置される。ランプ3はU字状に形成された陰極管であり、その両端部にはランプホルダ30が取り付けられている。ランプホルダ30は背面部11、接続部121及び枠部13と接触した状態で固定されている。ランプホルダ30には図示を省略した電線が接続されており、この電線よりランプ3を駆動するための電力が供給される。
【0026】
リヤフレーム1の短辺には正面側より取り付けられ、ランプ3のランプホルダ30及び折り返し部を保持するためのランプフレーム31が備えられている。ランプフレーム31は台状に形成されており、リヤフレーム1の背面部11及び接続部121と接触するように配置されている。また、ランプフレーム31はリヤフレーム1の短辺に配置された状態でリヤフレーム1の支持部122と同一平面上に配置される支持部311を備えている。近年、液晶モジュールAでは高輝度化の要求が高まっており、バックライトに高輝度のランプ3が用いられている。
【0027】
光拡散部材4はランプ3より出射された光及び反射シート2で反射された光を拡散するための拡散板41及び拡散シート42と、セルガイド43とを有している。拡散板41はリヤフレーム1の支持部122及びランプフレーム31の支持部311に外周部を支持されており、その上部に2枚の拡散シート42が配置されている。セルガイド43は、拡散板41、拡散シート42の四辺を上面側よりリヤフレーム1の支持部122及びランプフレーム31の支持部311に向けて押える長方形状の枠体である。光拡散部材4についての詳細は後述する。
【0028】
セルガイド43の上部に液晶セル5が載置され、セルガイド43に固定されている。液晶セル5は、液晶パネル51と、液晶パネル51に接続されたソースドライバ52と、ゲートドライバ53とを有している。液晶パネル51は平行に配置された2枚のガラス基板511、512と、ガラス基板511、512の間に充填された液晶層513とを有している。
【0029】
液晶セル5では、図示を省略しているが、映像が形成される映像領域を格子状に敷き詰めるように形成された画素が備えられている。この画素が液晶セルで表示される画像の最小単位である。ガラス基板511には映像が形成される映像領域に形成された透明電極(共通電極:図示省略)が備えられている。また、ガラス基板512には、画素ごとに独立して形成された透明電極(画素電極:図示省略)が備えられており、各画素電極にはスイッチング素子(トランジスタ:図示省略)が取り付けられている。なお、共通電極と画素電極は互いに他方のガラス基板に形成されるようにしてもよい。液晶セル5の短手方向に並んで配置された画素に備えられたトランジスタのソースは1つの電線で接続されている。また、長手方向に並んで配置された画素に備えられたトランジスタのゲートも1つの電線で接続されている。ソース及びゲートを接続する電線は互いに接触しないように配置されている。
【0030】
ベゼル6はリヤフレーム1及びランプフレーム31を覆うことができる金属製の枠体であり、正面側に液晶セル5の映像表示部を外部より視認することができる開口60を有している。また、ベゼル6は断面L字状を有しており、リヤフレーム1の支持部122及びランプフレーム31の支持部311と当接する正面部61と、リヤフレーム1の外枠部123と当接する側面部62とを有している。ベゼル6はねじ止めにてリヤフレーム1及びランプフレーム31に固定されている。
【0031】
液晶セルについて詳しく説明する。図2は図1に示す液晶モジュールの要部を拡大した底面図であり、図3は図2に示す液晶モジュールの側面図である。なお、図2、図3に示す液晶モジュールでは、説明の便宜上、ベゼルが省略されて表示されている。図2に示すように、タイミングコントローラ基板7は、リヤフレーム1の背面部11の裏側(ランプ3の反対側)に取り付け固定されている。それには限定されないがここでは、タイミングコントローラ基板7は、図示を省略したねじでリヤフレーム1に螺合されている。
【0032】
図2に示すように、ソースドライバ52は液晶パネル51と中間基板54との間に配置されるものである。また、中間基板54はフレキシブル基板71を介して、タイミングコントローラ基板7に接続されている。中間基板54はタイミングコントローラ基板7より送出されたタイミング信号をソースドライバ52に入力させるものであり、複数のソースドライバ52が接続されている。図2に示すように、中間基板54はリヤフレーム1の外枠部123に固定されているものである。
【0033】
また、図3に示すように、ゲートドライバ53もソースドライバ52と同様に液晶パネル51と中間基板55との間に配置されるものである。中間基板55もフレキシブル基板72を介してタイミングコントローラ基板7に接続されている。
【0034】
ソースドライバ52は各画素のトランジスタのソースを接続する電線に接続されており、画素電極に液晶駆動用の表示信号を出力するものである。ゲートドライバ53は各画素のトランジスタのゲートを接続する電線に接続されており、トランジスタのゲートに入力されるトリガー信号を出力するものである。また、トランジスタのドレインは画素電極に接続されている。
【0035】
液晶セル51は以下のようにしてソースドライバ52及びゲートドライバ53によって駆動されている。すなわち、ソースドライバ52が所定のタイミングで表示信号を出力し、さらにそのタイミングにあわせてゲートドライバ53よりトリガー信号を出力させることで、所定の画素の画素電極に表示信号を入力させ、画素電極に電荷が蓄積される。
【0036】
画素電極に電荷が蓄積されることで、当該画素電極と共通電極との間に配置されている液晶に表示電圧が作用する。液晶は表示電圧により駆動され、その画素において、ランプ3より出射された光が透過或いは遮断される。このように、ソースドライバ52からの表示信号とゲートドライバ53からのトリガー信号とのタイミングを調整することで、所定の画素の液晶を駆動させることができ、液晶セル5の映像領域に画像を形成することが可能である。
【0037】
ソースドライバについてさらに詳しく説明する。図4はソースドライバの一例の平面図である。図2、3、4に示すように、ソースドライバ52は、可撓性を有する長方形状のFPC(Flexible Print Circuit)である本体部521と、本体部521の表面に形成された配線5211に端子が電気的に接続されているとともに、パッケージが本体部521に固定されているドライバIC522とを有するCOF(Chip On Film)である。
【0038】
図4に示すソースドライバ52では、下側が中間基板54と接続しており、上側が液晶パネル51と接続している。本体部521に形成されたすべての配線5211はドライバIC522と接続されている。
【0039】
液晶モジュールAを動作させると、ランプ3からの発熱によって、液晶モジュールAの各部材の熱による膨張或いは収縮が発生する。金属で製造されたリヤフレーム1と樹脂で製造されたセルガイド43とには変形量の差が生じする。リヤフレーム1に固定された中間基板54及びセルガイド43に固定された液晶パネル51の両方と連結されているソースドライバ52の本体部521には、図4に矢印で示すようなせん断力や、ねじり方向の力等が作用する場合がある。また、液晶モジュールAの組み立て時にも、同様にせん断力やねじり力が作用する場合がある。
【0040】
ソースドライバ52にせん断力やねじり力が作用した場合であっても、本体部521は可撓性を有するFPCで形成されているので、変形して破損するのを抑制することができる。しかしながら、ドライバIC522が取り付けられている部分はドライバIC522によって変形が抑制されてしまうので、ドライバIC522が取り付けられている部分の境界近傍、特に、ドライバIC522の角部近傍に応力が集中し、本体部521が壊れたり或いは配線5211が断線したりする不具合が発生してしまうことがある。
【0041】
そこで、図4に示すように、本体部521ではドライバIC522の角部近傍に配線5211を形成されていない非配線エリア5212を形成している。この非配線エリア5212を形成することで、ソースドライバ52にせん断力及び(又は)ねじり力が作用した場合であっても、応力が集中する部分に配線がされていないので、本体部521が破損した場合であっても、配線が切れる不具合が発生するのを抑制することができる。
【0042】
ゲートドライバ53も同様である。図3に示すように、ゲートドライバ53も液晶パネル51と中間基板55とに接続されている。中間基板55はリヤフレーム1の枠部13に固定されている。中間基板はフレキシブル基板72を介してタイミングコントローラ基板7と連結されている。ゲートドライバ53も可撓性を有する長方形状のFPC(Flexible Print Circuit)である本体部531と、本体部531の表面に形成された配線5311に端子が電気的に接続されているとともに、パッケージが本体部531に固定されているドライバIC532とを有するCOF(Chip On Film)である。
【0043】
ゲートドライバ53の本体部531には、ドライバIC532の角部近傍に配線5311が形成されていない非配線エリア5312が形成されている。非配線エリア5312は、ゲートドライバ53にせん断力やねじり力が作用した場合に、応力が集中する場所である。よって、非配線エリア5312に配線が形成されていないので、せん断力及び(又は)ねじり力によって、配線が切断されるのを抑制することが可能である。
【0044】
本発明にかかる液晶モジュールの他の例について説明する。図5は本発明の液晶モジュールに用いられるソースドライバの他の例の平面図である。なお、以下の説明ではゲートドライバの説明を省略するが、ゲートドライバもソースドライバと同じ形状を有するものである。図6に示すソースドライバ52bは、本体部521の非配線エリア(ドライバICの角部近傍部)に円形状の貫通孔523が形成されている。
【0045】
応力が集中する部分に貫通孔523が形成されているので、せん断、ねじりによる応力によって変形する。この貫通孔523の部分には配線が形成されていないので配線が断線する不具合は発生しない。また、貫通孔523が変形することで応力が集中するのを低減することができるので、本体部521自体が破損するのを抑制することができる。さらに、本体部521の応力集中部の破損を抑制することができるので、この破損による亀裂が更なるせん断、ねじりによる応力で伸展し、他の部分の配線が断線するのを抑制することが可能である。図5では応力集中部のすべて(4箇所)に貫通孔を設けているが、それに限定されるものではなく、取付場所、取付部材によって発生する応力が変化するので、その応力に合わせた位置、大きさで形成されているものを広く採用することができる。
【0046】
なお、貫通孔523は円形状のものを例に説明しているが、それに限定されるものではない。しかしながら、貫通孔が先鋭部を有していると、その部分に応力が集中しやすくなるので、円形状、楕円形状等、曲線で囲まれる形状であることが望ましい。
【0047】
以上、発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、液晶モジュールに採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明にかかる液晶モジュールの分解斜視図である。
【図2】ベゼルをはずした状態の液晶モジュールの底面図である。
【図3】ベゼルをはずした状態の液晶モジュールの側面図である。
【図4】ソースドライバの一例の平面図である。
【図5】ゲートドライバの一例の平面図である。
【図6】本発明の液晶モジュールに用いられるソースドライバの他の例の平面図。
【符号の説明】
【0050】
1 リヤフレーム
11 背面部
12 立ち上がり部
121 接続部
122 支持部
123 外枠部
13 支持台部
2 反射シート
3 ランプ
31 ランプフレーム
4 光拡散部材
41 拡散板
42 拡散シート
43 セルガイド
5 液晶セル
51 液晶パネル
52 ソースドライバ
53 ゲートドライバ
6 ベゼル
7 タイミングコントローラ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶セルと、
前記液晶セルに接続され、前記液晶セルに動作信号を出力する動作ドライバとを有する液晶モジュールであって、
前記動作ドライバは可撓性を有するフィルム基板に、直方体形状のドライバICが面実装されているものであり、
前記動作ドライバが前記フィルム基板の前記ドライバICの角部と接触している部分の近傍であって、前記フィルム基板に外力が付加したときに応力が集中する非配線領域をよけて配線されていることを特徴とする液晶モジュール。
【請求項2】
前記非配線領域が前記フィルム基板の前記ドライバICの取り付け部と前記液晶セルとの接続部との間の部分に形成された請求項1に記載の液晶モジュール。
【請求項3】
前記非配線領域が前記フィルム基板の前記ドライバICを挟んで前記液晶セルとの接続部と反対側に形成された請求項1又は請求項2に記載の液晶モジュール。
【請求項4】
前記フィルム基板が前記非配線領域の少なくとも一部に形成された貫通孔を有している請求項1から請求項3のいずれかに記載の液晶モジュール。
【請求項5】
前記貫通孔が曲線をつないで閉じた形状である請求項4に記載の液晶モジュール。
【請求項6】
前記動作ドライバが前記液晶セルの画素ごとに備えられたトランジスタのソースに入力される表示信号を出力するソースドライバである請求項1から請求項5のいずれかに記載の液晶モジュール。
【請求項7】
前記動作ドライバが前記液晶セルの画素ごとに配置されたトランジスタのゲートに入力されるトリガー信号を出力するゲートドライバである請求項1から請求項6のいずれかに記載の液晶モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−36864(P2009−36864A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199350(P2007−199350)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】