説明

液晶層の光学変調方法及びこれを用いた液晶装置

液晶材料を変えずに低い駆動電圧で十分に明状態及び暗状態を作る。偏光板11と液晶層14と光反射層15とが順に装置の前方側から配置構成される液晶装置100。液晶層14は、偏光板11より入射し液晶層を介し光反射層15を反射しさらに液晶層14を介し偏光板11へと進む光に対し、所定の高電圧が印加されて一方のリタデーションを持ち所定の低電圧が印加されて他方のリタデーションを持つことが可能であり、これらリタデーションの差に基づき明及び暗状態を呈する。液晶層の厚さ及び/又は液晶分子のプレチルト角は、一方及び他方のリタデーションを持つときよりも大きくされ、例えば液晶層に所定の高電圧よりも低い改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと所定の低電圧以上の改変低電圧を液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差を光の波長の略半分とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く液晶層の光学変調方法に関する。本発明は、かかる光学変調方法を用いた液晶装置ないしは液晶表示装置に関する。本発明はまた、当該層の上下の界面を形成する液晶分子の配向方向が互いに平行な液晶層の駆動方法及びこれによる液晶装置ないしは液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置の消費電力を削減する手法が種々提案されている。液晶表示装置は種々様々な構成要素から成り立っており、消費電力削減の手法も、そうした構成要素各々に着目しただけでも数多くの種類が考えられる。例えば低電圧で駆動可能な液晶材料を用いることにより消費電力の削減を図る手法は、幾多の種類の液晶材料で試みられてきた。
【0003】
しかしながら、かかる手法は、先ず所望の低電圧で駆動可能な新しい液晶材料を見つけ出すことに多大な時間と労力が必要であり、またそうした新しい材料を見つけ出したとしても、別の技術的側面において、例えばその耐用性や動作安定性などが十分かどうかについて信頼性が不確かである場合も多い。
【0004】
一方、最近の携帯機器やいわゆるウェラブル機器などの情報表示端末では、その省電力化のニーズが益々高まってきている。限られた電源容量にて長時間動作可能でかつユーザにその充電操作を頻繁に強いることのない、よりユーザフレンドリな製品が求められている。また別の側面では、製品の省電力化は電力資源の節約につながり延いては地球環境にも好影響を与えるものとの意識が社会全体で広まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、液晶層を低電圧で駆動可能とするために、材料特性以外の液晶層のパラメータに着目した。かかるパラメータの設定を工夫することによって低電圧駆動が可能であれば、液晶材料の如何に拘わらず、適用範囲の広い消費電力削減技術が確立するとの認識に立ったのである。また、かかる技術は、今日では既に実用化の進んでいる色々な型式の液晶表示装置に何の制約を受けることなく適用可能なものとすべきとの認識もある。
【0006】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶材料を変えることなく低い駆動電圧で十分に明状態及び暗状態を呈せしめることのできる液晶層の光学変調方法及びこれを用いた液晶装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、液晶材料を変えることなく明状態及び暗状態を確実に呈せしめつつも消費電力の削減に寄与することのできる液晶層の光学変調方法及びこれを用いた液晶装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、液晶材料を変えることなく消費電力の削減に寄与することのできる反射型、透過型及び半透過型の液晶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による液晶層の光学変調方法は、所定の高電圧が印加されることにより一方のリタデーションを奏し所定の低電圧が印加されることにより他方のリタデーションを奏することの可能な液晶層を用い、前記一方と他方のリタデーションの所定差によって所定の明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶層の光学変調方法であって、前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角を前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくすることにより、前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を前記液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記所定の高電圧以下の改変高電圧を前記液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差によって前記所定差の値を得る、液晶層の光学変調方法としている。
【0010】
こうすることによって、液晶層の最大駆動電圧を低くすることができ、また駆動電圧レンジも狭めることができるので、省電力化に寄与することができる。しかも、液晶材料自体の特性に依存しないので、適用範囲の広い省電力化技術を提供することができる。より具体的には、前記所定の高電圧と前記所定の低電圧との差は略5Vであるとされ、従来5Vの範囲で駆動されていた液晶層が、その明状態及び暗状態の呈示能力を変えずに5V未満の値で駆動可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の態様による液晶装置は、少なくとも前方偏光板と液晶層と光反射層とが順に前方側から配されて構成される液晶装置であって、前記液晶層は、前記前方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記光反射層を反射しさらに前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる光に対し、所定の高電圧が印加されて一方のリタデーションを奏し所定の低電圧が印加されて他方のリタデーションを奏することが可能であり、これらリタデーションの差に基づいて明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶装置であって、前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は、前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくされ、これにより、前記液晶層に前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記液晶層に前記所定の高電圧以下の改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差が前記光の波長の略2分の1の値とされている、液晶装置としている。
【0012】
こうすることによって、液晶層の駆動エネルギーを抑制することができ、装置全体の消費電力の削減に寄与することとなる。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明のさらに他の態様による液晶装置は、少なくとも前方偏光板と液晶層と後方偏光板とが順に前方側から配されて構成される液晶装置であって、前記液晶層は、前記後方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる光に対し、所定の高電圧が印加されて一方のリタデーションを奏し、所定の低電圧が印加されて他方のリタデーションを奏することが可能であり、これらリタデーションの差に基づいて明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶装置であって、前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は、前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくされ、これにより、前記液晶層に前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記液晶層に前記所定の高電圧以下の改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差が前記光の波長の略2分の1の値とされている、液晶装置としている。
【0014】
これにより、透過型の液晶装置においても同様の効果を発揮させることができる。この態様において、前記液晶層と前記後方偏光板との間に配され、前記後方偏光板に対向する前記液晶層の主面に沿う領域において部分的に形成される光反射層をさらに有し、この光反射層の占める領域においては、前記液晶層は、前記前方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記光反射層を反射しさらに前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる反射経路光に対し、前記改変高電圧が印加されて前記第1のリタデーションを奏し前記改変低電圧が印加されて前記第2のリタデーションを奏するものとすることにより、半透過型の液晶装置が導かれる。
【0015】
上記各態様において、前記前方偏光板と前記液晶層との間に位相補償手段を有するものとしたり、前記液晶層と前記後方偏光板との間に位相補償手段を有するものとすることもできる。このようにすれば、実用上極めて良好な性能を得ることができる。
【0016】
半透過型の液晶装置においては、前記光反射層に対応する領域は画素内の光反射領域として用いられ、当該光反射領域以外の領域は当該画素内の光透過領域として用いられるものとすることにより、反射モード及び透過モードの双方において画素に基づく表示をなす形態が導かれる。
【0017】
また、前記液晶層は、当該層の一方の界面を形成する液晶分子の配向方向と他方の界面を形成する液晶分子の配向方向とが互いに略平行とされる液晶材料からなるものとすれば、液晶分子がツイスト配向されていないタイプの液晶層の利点を享受することができる。
【0018】
また、前記液晶層が平行配向型の液晶材料からなり、前記液晶層は無電界下において当該光に対しリタデーションが300ないし500nmとなる厚さを有するものとしたり、前記液晶層が平行配向型の液晶材料からなり、前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は6ないし30度であるものとしたりすることにより良好な結果が得られている。さらに、前記所定の高電圧と前記所定の低電圧との差は略5Vであるとして具体化することができるし、前記改変高電圧と前記改変低電圧との差は略2.5Vとする良好な結果も得られている。
【0019】
改変高電圧及び低電圧の設定の仕方は種々あるが、本発明の態様の1つにおける顕在的な特徴事項として、前記改変高電圧及び前記改変低電圧の少なくとも一方は、前記第1及び第2のリタデーションを奏するよう当該厚さ及び/又はプレチルト角の大きくされた前記液晶層により得られる電圧対リタデーション特性曲線又はこれに等価な特性曲線における前記第1のリタデーションの値近傍と前記第2リタデーションの値近傍との間の遷移領域にあるとするものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、上述した態様その他の本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の一実施例による液晶表示装置の断面構造を概略的に示している。
【0022】
この液晶表示装置100は、反射型液晶表示装置であり、表示画面側である前方側から順に、直線偏光板11と、半波長板である第1リタデーションフィルム12及び四分の一波長板である第2リタデーションフィルム13と、図示せぬ一対の電極により挟まれてこの電極により表示すべき画素情報に応じた電圧が印加される液晶層14と、光反射層15とが配されて構成される。直線偏光板11,並びに第1及び第2リタデーションフィルム12,13は、右円偏光又は左円偏光機能を有する手段を形成する。なお、ここでは説明を簡明とするため主要な構成要素のみ挙げているが、実際には他の構成要素も当該表示装置100に含みうるものである。
【0023】
第1リタデーションフィルム12は、入射光の波長λの略半分の固定リタデーション、すなわちλ/2の値を有する。かかる入射光としては、概して380nmないし780nmの波長のものを想定している。
【0024】
液晶層14は、平行配向型の液晶材料を有する。詳述すると、液晶層14は図2に示されるような分子配列を有するものであり、基本的に当該液晶分子14mの初期配向を定める上下の配向層16,17のラビング方向18に沿ってその液晶分子全部が配向される。別言すれば、液晶分子14mの屈折率楕円体の長軸が全てラビング方向18に平行に、すなわち液晶分子14mのダイレクタがラビング方向18と平行にされる。なお、ここでは配向層16,17のラビング方向18を液晶層14の配向させる方向((初期)配向方向)としているが、ラビング以外にも当該配向方向を規定する手法を採用してもよい。
【0025】
このような平行配向型又はホモジニアス配向型(以下、これらを平行配向型と総称する。)の液晶層は、これを挟む上下の基板面に対し、所定の基準電界(例えば無電界)の下では基本的に全ての液晶分子が平行にかつ同一方位に配列されているので、換言すれば、当該液晶分子のダイレクタの向きが実質的に当該基板面に平行となっているので、他のタイプのものよりも当該液晶分子の平均チルト角を正確かつ容易に把握することができる。また、平行配向型液晶層は、例えばベンド配向型液晶層に求められるバイアス電圧の如き配向制御のための付加的な条件を必要とせず、比較的簡単な配向制御の形態を採ることができる利点もある。
【0026】
再び図1に戻ると、第2リタデーションフィルム13及び液晶層14は、当該装置100の黒表示動作(暗状態)において全体として入射光の波長の略4分の1のリタデーション(λ/4)を有するものとされている。
【0027】
図1に実線Lで示されるように、液晶表示装置100に入射した外光は、先ず直線偏光板11を透過して直線偏光になり、次に第1リタデーションフィルム12を透過してλ/2のリタデーションが付され、所定の方向に変えられた直線偏光となる。その後、かかる直線偏光は第2リタデーションフィルム13に入り右(又は左)回りの楕円偏光になり液晶層14に導かれる。黒表示動作(暗状態)のときには、液晶層14のリタデーションが基準値としてのほぼゼロ(但し、本例では円偏光にするため約30nmないし80nmとしている)となっており、光反射層15には右(又は左)円偏光が到達する(以上、往路)。復路においては、液晶層14からの光は、光反射層15によって反射されるとここで方向の反転された左(又は右)円偏光となり液晶層14に入る。ここで再び液晶層14を通過すると、往路において液晶層14に入射した楕円偏光を反転した方向の楕円偏光となって第2リタデーションフィルム13に入る。第2リタデーションフィルム13は、この反射して来た楕円偏光を、往路において第2リタデーションフィルム13に入射した直線偏光の偏光方向に直交する偏光方向の直線偏光に変換する。この直線偏光が第1リタデーションフィルム12を透過すると、λ/2のリタデーションが付され、往路において第1リタデーションフィルム12に入射した直線偏光の偏光方向と直交する偏光方向の直線偏光に変換され、偏光板11へと導かれる。偏光板11は、この直線偏光の偏光方向に丁度平行にその吸収軸を有するので、第1リタデーションフィルム12から入った光は遮断(吸収)され、当該装置100の画面から出ることなく黒表示となる。
【0028】
一方、白表示動作(明状態)のときは、図1に破線Lにて示されるように、同様に右(又は左)回りの楕円偏光が液晶層14に入射するが、液晶層14はこのとき上記基準値からの差としてλ/4(約150nmないし250nm)のリタデーションを奏しており、光反射層15には所定の偏光方向の直線偏光が導かれる(以上、往路)。復路において、光反射層15はこれを反射するが、直線偏光である故にその偏光方向を変えずに液晶層14にそのまま戻すことになる。液晶層14は、この反射して来た直線偏光をそのリタデーションにより、往路において当該液晶層に入射した楕円偏光と同じ方向の右(又は左)回り楕円偏光に変換し、第2リタデーションフィルム13に導く。第2リタデーションフィルム13はこの反射光を往路において当該フィルム13に入射した直線偏光と同じ偏光方向の直線偏光に変換して第1リタデーションフィルム12に導く。第1リタデーションフィルム12も、往路において当該フィルム12に入射した直線偏光と同じ偏光方向の直線偏光に変換して直線偏光板11に戻す。偏光板11は、この直線偏光の偏光方向に直交する吸収軸を有するので、第1リタデーションフィルム12から入った光は透過させられ、当該装置100の画面から出て白表示となる。
【0029】
中間調表示の場合は、液晶層14及び第2リタデーションフィルム13が表示すべき中間色又は明度に応じたリタデーションを奏し、第1リタデーションフィルム12にはそれに対応した振動成分の楕円偏光を戻す。これにより偏光板11には、その吸収軸に直交する直線偏光成分が当該色又は明度に応じた分だけ入り、これが画面から出ることになり、中間調表示が達成される。
【0030】
上述したように、基本的に、液晶層14は黒表示のときに0相当のリタデーションを奏し白表示のときにλ/4のリタデーションを奏する。すなわち、黒表示から白表示まで0からλ/4の範囲でリタデーションの変化を呈する。かかる変化により、前方偏光板11にその吸収軸に対して平行な偏光方向の光の入射と直交する偏光方向の光の入射という対極的な状態を作り、黒表示と白表示の実現をなしている。中間調表示のときは、その両者の中間的な液晶層のリタデーション及び偏光板における入射光の状態が作られることになる。
【0031】
本実施例では、液晶層14の層の厚さ(いわゆるセル厚又はセルギャップ)を標準的なものよりも大きくすることにより、黒表示のときには液晶層14に従来のものよりも低い値の改変高電圧を印加して0のリタデーションを呈せしめ、白表示のときには従来のものよりも高い値の改変低電圧を印加してλ/4のリタデーションを呈せしめることを実現している。
【0032】
図3は、かかる改変高電圧及び低電圧につき詳述するための図であり、液晶層14の印加電圧に対するリタデーションの変化を示している。
【0033】
図3において、破線は従来の液晶層の特性を、実線は本実施例による液晶層14の特性を示している。本実施例の液晶層14のリタデーションは、従来のものに比べ最大値が大きくかつ比較的急峻な変化を呈することが分かる。これは、液晶層14の厚さを厚くしたことによる。より具体的には、黒表示時において単一方向光路の透過光に対し、従来125nm程度のリタデーションを奏するのに必要な厚さとしていたものを、本実施例では150nmないし200nmのリタデーションを奏するのに必要な厚さとしていることに起因している。
【0034】
図1に示される構成のように、液晶層に往復の光路により2度透過する光に対しては、当該液晶層は実質上λ/2(=(λ/4)×2)に相当する値のリタデーション変化を奏する必要があり、この値を約300nmとした場合、従来は図3に破線の曲線で示されるように、5Vの上側電圧と0Vの下側電圧とにおけるリタデーション差によって実現していた。換言すれば、液晶層に印加される電圧を0Vから徐々に上昇させると、その液晶分子が初期配向から暫く変位しない飽和領域(Sat1)を経た後にある閾値に達するとその配向変化をし始め、その後は印加電圧に応じた変位量をもって配向変化する遷移領域(Trn)を経た後に、徐々にその変位量が小さくなっていき、最後には印加電圧を上げても配向変化しなくなる飽和領域(Sat2)に達するという現象において、従来は当該現象初期及び末期段階の飽和領域における電圧値を駆動電圧値としていた。
【0035】
これに対して本実施例においては、液晶層14を厚くして電圧対リタデーションの遷移領域(Trn)におけるリタデーションの変化を急峻なものにし、必要なリタデーションの差(λ/2)を、従来のものよりも低い上側電圧(改変高電圧)と高い下側電圧(改変低電圧)とによって実現している。本例では、上側電圧を4V、下側電圧を1.5Vとしている。
【0036】
このようにすることにより、黒表示から白表示までの必要なリタデーション変化を維持しつつ液晶層の駆動最大電圧を低下させることができる。したがって、液晶層を負荷として消費される電力自体はもちろんのこと、当該最大電圧を供給する増幅器等における消費電力も小さくて済むことになる。また、本実施例では、下側電圧を0Vから1.5Vに上げているので、駆動電圧レンジを従来のものより狭くすることもでき、電圧供給エネルギーも抑制されて好ましい。
【0037】
このように、本実施例によれば、液晶層の厚さを変えるだけで駆動電圧エネルギーを減じもって消費電力の削減が達成される。このことは、液晶層の材料とは無関係に図3に示されるような電圧対リタデーション特性の急峻性を実現することを意味する。したがって本実施例は、新しい液晶材料に頼ることなく、既存の安定した液晶材料或いは将来発見される液晶材料に対して有効でかつ信頼性の高い省電力化技術を提供することとなる。
【0038】
上記実施例においては、電圧対リタデーション特性の急峻性を液晶層の厚さを変えることで実現しているが、次のように液晶層の液晶分子のプレチルト角を変えることによっても、同様の駆動電圧エネルギーの低減を実現することが可能である。
【0039】
図4は、液晶層14の液晶分子のプレチルト角を従来6°であったものを本例において15°にした様子を模式的に示している。図5は、6°のプレチルト角の液晶層と15°のプレチルト角の液晶層が奏するリタデーション特性を、それぞれ破線の曲線と実線の曲線とで先の図3と同様に示している。
【0040】
図5に示されるように、特に図3と比較すると明らかなように、プレチルト角15°の電圧対リタデーション特性曲線は、低電圧側へシフトした形(すなわち各閾値電圧を下げる形)を呈している。したがって本例では、上側電圧を3.8V、下側電圧を0Vとすることにより、必要な所定のリタデーション約300nmを呈することを実現している。
【0041】
このように、本例の如くプレチルト角を大きくすることによっても必要なリタデーションを維持しつつ駆動電圧を低くすることができるのである。ここでも、駆動電圧レンジは従来のものより狭くすることもでき(3.8V)、電圧供給エネルギーも抑制される。また、液晶層の材料特性とは無関係にこのような効果を期待することができることになる。
【0042】
なお、ここでは当該プレチルト角を15°としたが、この値にのみ限定されることなく、プレチルト角を上限30°まで大きくしても良好な結果が得られることが分かった。
【実施例2】
【0043】
図6は、本発明の他の実施例による液晶表示装置の断面構造を概略的に示している。
【0044】
この液晶表示装置200は、透過型液晶表示装置であり、表示画面側である前方側から順に、直線偏光板11と、半波長板である第1リタデーションフィルム12及び四分の一波長板である第2リタデーションフィルム13と、図示せぬ一対の電極により挟まれてこの電極により表示すべき画素情報に応じた電圧が印加される液晶層14と、四分の一波長板である第3リタデーションフィルム21及び半波長板である第4リタデーションフィルム22と、後方直線偏光板23とが配されて構成される。直線偏光板11、第1リタデーションフィルム12及び第2リタデーションフィルム13は、右円偏光及び左円偏光機能の一方を有する手段を構成し、第3リタデーションフィルム21、第4リタデーションフィルム22及び後方直線偏光板23は、右円偏光及び左円偏光機能の他方を有する手段を構成する。なお、先の実施例のものと同等部分には同一の符号を付しており、それらについての詳しい説明は省略する。またここでも簡明とするため主要な構成要素のみ挙げている。
【0045】
第1リタデーションフィルム12は、上述と同様にλ/2の値を有し、液晶層14も、先述したような平行配向型の液晶材料を有する。
【0046】
本実施例は、第1実施例における光反射層15に代えて、第3及び第4リタデーション21,22ともう1つの直線偏光板23とが設けられた構成となっており、第2リタデーションフィルム13、液晶層14及び第3リタデーションフィルム21は、当該装置200の黒表示動作(暗状態)において全体として入射光の波長の略2分の1のリタデーション(λ/2)か、若しくはゼロに等しいリタデーションを有するものとされている。また、第4リタデーションフィルム22は、入射光の波長の略半分の固定リタデーション(λ/2)を有するものとしている。
【0047】
後方偏光板23のさらに後ろ側からは、図示せぬバックライトからの光が照射される。
【0048】
図6に実線Lで示されるように、液晶表示装置200に入射したバックライト光は、先ず直線偏光板23を透過して直線偏光になり、次に第4リタデーションフィルム22を透過してλ/2のリタデーションが付され、所定の方向に変えられた直線偏光となる。その後、かかる直線偏光は第3リタデーションフィルム21に入り右(又は左)回りの楕円偏光になり液晶層14に導かれる。黒表示動作(暗状態)のときには、液晶層14のリタデーションがほぼゼロ(但し、本例では入射光とは同じ形の楕円偏光にするため約60nmないし160nmとしている)となっており、液晶層14に入射した楕円偏光をほぼそのままの方向の楕円偏光のまま第2リタデーションフィルム13へ導くこととなる。第2リタデーションフィルム13は、この透過して来た楕円偏光を所定方向の直線偏光に変換し、さらにこの直線偏光は第1リタデーションフィルム12により付されるλ/2のリタデーションによってさらにその偏光方向が変えられて前方偏光板11に導かれる。偏光板11は、この直線偏光の偏光方向に丁度平行にその吸収軸を有するので、第1リタデーションフィルム12から入った光は遮断(吸収)され、当該装置200の画面から出ることなく黒表示となる。
【0049】
一方、白表示動作(明状態)のときは、図6に破線Lにて示されるように、同様に右(又は左)回りの楕円偏光が液晶層14に入射するが、液晶層14はこのときλ/2(約300nmないし500nm)のリタデーションを奏しており、液晶層14に入射した楕円偏光とは反転した方向の楕円偏光を第2リタデーションフィルム13に導く。第2リタデーションフィルム13はこの透過光を黒表示時のものと直交する偏光方向の直線偏光に変換し、それを第1リタデーションフィルム12に導く。第1リタデーションフィルム12に導かれた光は、ここで付されるλ/2のリタデーションによってさらにその偏光方向が変えられた直線偏光となって前方偏光板11に導かれる。偏光板11は、この直線偏光の偏光方向に直交する吸収軸を有するので、第1リタデーションフィルム12から入った光は透過させられ、当該装置200の画面から出て白表示となる。
【0050】
中間調表示の場合は、液晶層14及び第2,第3リタデーションフィルム13,21が表示すべき中間色又は明度に応じたリタデーションを奏し、第1リタデーションフィルム12にはそれに対応した振動成分の楕円偏光を入射する。これにより偏光板11には、その吸収軸に直交する直線偏光成分が当該色又は明度に応じた分だけ入り、これが画面から出ることになり、中間調表示が達成される。
【0051】
この実施例においても、液晶層14の厚さを変えて電圧対リタデーション特性の急峻性を持たせたり、液晶層14の液晶分子のプレチルト角を変えることによって同リタデーション特性の閾値電圧を低下させることができる。第1実施例において液晶層14に2度光が透過して奏されるリタデーションと本実施例において液晶層14に一度のみ光が透過して奏されるリタデーションとは同等であるので、上述した主旨と同様にしてその液晶層の厚さ及び液晶分子のプレチルト角を設定することができる。
【0052】
かくして本実施例においても、駆動電圧エネルギーの低減ないしは消費電力の削減に寄与することができる。
【実施例3】
【0053】
図7は、本発明の他の実施例による液晶表示装置の断面構造を概略的に示している。
【0054】
この液晶表示装置300は、半透過型液晶表示装置であり、基本的には前述した透過型液晶表示装置200の構成に対し液晶層14と第3リタデーションフィルム21との間に配された光反射層31を有する構成としている。また、この光反射層31は、基本的に各画素において反射領域を形成し、それ以外は透過領域とされている。また、光反射層31は、画素電極を兼ねるように形成されてもよい。
【0055】
他の構成態様及び入射光の振る舞いは、第1及び第2実施例において説明した反射型液晶表示装置100と透過型液晶表示装置200とにおけるものと同様に説明することができる。すなわち、光反射層31を反射する光の振る舞いは反射型液晶表示装置100と同様であり、この層以外の部分すなわち透過領域において透過するバックライトからの光の振る舞いは透過型液晶表示装置200と同様である。
【0056】
本実施例によれば、上記第1及び第2の実施例で奏される作用効果を期待することができる。
【0057】
以上、液晶層の厚さによるものとプレチルト角によるものとの2つの手法を個別に説明したが、これらの手法を組み合わせて駆動電圧エネルギーを小さくするようにしてもよい。
【0058】
また、上側電圧(改変高電圧)及び下側電圧を(改変低電圧)を、図3においては当該遷移領域(Trn)内で設定し、図5においては飽和領域の縁部に設定しているが、当該リタデーション特性においてどの位置にそれらの電圧を割り当てるかは適宜定めることができる。但し、本発明においては、液晶層の厚さ又はプレチルト角を変更する前において規定される所定の高電圧(例えば上側飽和電圧)よりも低い改変高電圧を液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと同所定の低電圧(例えば下側飽和電圧)以上の改変低電圧を液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は同所定の高電圧以下の改変高電圧を液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと同所定の低電圧よりも高い改変低電圧を液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差を当該変更前に明状態から暗状態までを呈するために設定されていた所定のリタデーション差と等しくするものである。
【0059】
また、上記実施例は、図2に示されるような平行配向型の液晶層を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ECB(Electrically controlled Birefringence)型,HAN(Hybrid Aligned Nematic)型,OCB(Optically Compensated Birefringence)型,VAN(Vertically Aligned Nematic)型など種々の液晶層に適用可能である。すなわち、本発明は、複屈折状態を電界で制御することにより表示すべき画像に応じた光学変調をなすタイプの液晶層を対象としている。
【0060】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、種々の変形が可能であることは勿論であるし、当該液晶表示装置に付加的な構成要素を加えて実現することも可能である。また、上述においては「遅軸」や「配向方向」、「直交」、「平行」などの用語によって実施例特有の技術的特徴を表したが、別の用語によりそうした特徴を表現されうるので、本発明は特に、これらが意味する真の技術的特徴を指向するものであることに留意すべきである。さらに、実施例においては液晶表示装置について説明したが、必ずしも画像等を表示する用途の機器に限定されなくともよく、本発明は液晶層を具備する種々様々な用途の機器に適用可能である。
【0061】
最後に、本発明は、上記実施例に必ずしも限定されるものではなく、当業者であれば請求の範囲に記載の主旨から逸脱することなく種々の改変例を導き出せることも言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例による液晶表示装置の概略的構造を示す断面図。
【図2】本発明に適用される平行配向型液晶層の構成を示す概略斜視図。
【図3】図1の液晶表示装置に用いられる液晶層の厚さを変えた場合の印加電圧対リタデーション特性を示すグラフ。
【図4】図1の液晶表示装置に用いられる液晶層の液晶分子のプレチルト角の変更態様を示す模式図。
【図5】図1の液晶表示装置に用いられる液晶層の液晶分子のプレチルト角を変えた場合の印加電圧対リタデーション特性を示すグラフ。
【図6】本発明の他の実施例による液晶表示装置の概略的構造を示す断面図。
【図7】本発明のさらに他の実施例による液晶表示装置の概略的構造を示す断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の高電圧が印加されることにより一方のリタデーションを奏し所定の低電圧が印加されることにより他方のリタデーションを奏することの可能な液晶層を用い、前記一方と他方のリタデーションの所定差によって所定の明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶層の光学変調方法であって、
前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角を前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくすることにより、前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を前記液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記所定の高電圧以下の改変高電圧を前記液晶層に印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差によって前記所定差の値を得る、液晶層の光学変調方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光学変調方法であって、前記所定の高電圧と前記所定の低電圧との差は略5Vである、光学変調方法。
【請求項3】
少なくとも前方偏光板と液晶層と光反射層とが順に前方側から配されて構成される液晶装置であって、前記液晶層は、前記前方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記光反射層を反射しさらに前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる光に対し、所定の高電圧が印加されて一方のリタデーションを奏し所定の低電圧が印加されて他方のリタデーションを奏することが可能であり、これらリタデーションの差に基づいて明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶装置であって、
前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は、前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくされ、これにより、前記液晶層に前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記液晶層に前記所定の高電圧以下の改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差が前記光の波長の略2分の1の値とされている、
液晶装置。
【請求項4】
少なくとも前方偏光板と液晶層と後方偏光板とが順に前方側から配されて構成される液晶装置であって、前記液晶層は、前記後方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる光に対し、所定の高電圧が印加されて一方のリタデーションを奏し、所定の低電圧が印加されて他方のリタデーションを奏することが可能であり、これらリタデーションの差に基づいて明状態及び暗状態を呈せしめうる液晶装置であって、
前記液晶層の層の厚さ及び/又は前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は、前記一方及び他方のリタデーションを奏するときのものよりも大きくされ、これにより、前記液晶層に前記所定の高電圧よりも低い改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧以上の改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差、又は前記液晶層に前記所定の高電圧以下の改変高電圧を印加して得られる第1のリタデーションと前記所定の低電圧よりも高い改変低電圧を前記液晶層に印加して得られる第2のリタデーションとの差が前記光の波長の略2分の1の値とされている、
液晶装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶装置であって、前記液晶層と前記後方偏光板との間に配され、前記後方偏光板に対向する前記液晶層の主面に沿う領域において部分的に形成される光反射層をさらに有し、この光反射層の占める領域においては、前記液晶層は、前記前方偏光板より入射して前記液晶層を介して前記光反射層を反射しさらに前記液晶層を介して前記前方偏光板へと導かれる反射経路光に対し、前記改変高電圧が印加されて前記第1のリタデーションを奏し前記改変低電圧が印加されて前記第2のリタデーションを奏する、液晶装置。
【請求項6】
請求項3,4又は5に記載の液晶装置であって、前記前方偏光板と前記液晶層との間に位相補償手段を有する、液晶装置。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の液晶装置であって、前記液晶層と前記後方偏光板との間に位相補償手段を有する、液晶装置。
【請求項8】
請求項5に記載の液晶装置であって、前記光反射層に対応する領域は画素内の光反射領域として用いられ、当該光反射領域以外の領域は当該画素内の光透過領域として用いられる、液晶装置。
【請求項9】
請求項3ないし8のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記液晶層は、当該層の一方の界面を形成する液晶分子の配向方向と他方の界面を形成する液晶分子の配向方向とが互いに略平行とされる液晶材料からなる、液晶装置。
【請求項10】
請求項3ないし9のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記液晶層が平行配向型の液晶材料からなり、前記液晶層は無電界下において当該光に対しリタデーションが300ないし500nmとなる厚さを有する、液晶装置。
【請求項11】
請求項3ないし10のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記液晶層が平行配向型の液晶材料からなり、前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は6ないし30度である、液晶装置。
【請求項12】
請求項3ないし11のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記所定の高電圧と前記所定の低電圧との差は略5Vである、液晶装置。
【請求項13】
請求項3ないし12のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記改変高電圧と前記改変低電圧との差は略2.5Vである、液晶装置。
【請求項14】
請求項3ないし12のうちいずれか1つに記載の液晶装置であって、前記改変高電圧及び前記改変低電圧の少なくとも一方は、前記第1及び第2のリタデーションを奏するよう当該厚さ及び/又はプレチルト角の大きくされた前記液晶層により得られる電圧対リタデーション特性曲線又はこれに等価な特性曲線における前記第1のリタデーションの値近傍と前記第2リタデーションの値近傍との間の遷移領域にある、液晶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−501437(P2007−501437A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530775(P2006−530775)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050532
【国際公開番号】WO2004/102260
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】