説明

液晶組成物及び液晶素子

【課題】 表示コントラストが高くかつメモリ性を有する液晶素子、及び該液晶素子の作製に有用なスメクチック液晶組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも1種の、二色性色素と、二周波駆動可能なネマチック液晶と、スメクチック液晶とを含むスメクチック液晶組成物であって、該液晶組成物の誘電率異方性が、印加電圧の周波数を大きくすることで正から負に変わるスメクチック液晶組成物である。また、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が前記スメクチック液晶組成物を含有する液晶素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶組成物及び該液晶組成物を含有する液晶層を有する液晶素子、特にゲストホスト方式の液晶素子に好適に利用できる液晶素子に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイに要求される性能として、高い視認性と低消費電力が挙げられる。これを満たす液晶素子(液晶表示素子)として、ゲストホスト方式の表示素子が知られており、明るい表示が可能であって、反射型に適した表示素子として期待されている。例えば、特定の置換基を有する二色性色素と、ホスト液晶とを含有する液晶組成物、及びゲストホスト方式の表示素子が開示されている(特許文献1)。一般的に液晶素子のスイッチングは、電場ON/OFFによる液晶の配向変化によって行われているが、無印加時の配向変化は、配向膜の規制力が影響するため、応答速度が遅くなる。
【0003】
印加電圧の周波数を増大していくと、誘電率異方性Δεが正から負へと変化する二周波駆動液晶を利用して、液晶の配向変化を電場により可逆的におこなう「二周波駆動方法」が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。この方式では、能動的に液晶の配向をスイッチングできるため、応答速度が速いという利点を有する。しかし、メモリ性を有さないため、表示を保持するには電圧印加する必要がある。二周波駆動液晶として、スメクチック相を示す液晶が報告されている(非特許文献3参照)。高い表示コントラスト比を示し、メモリ性を有する液晶素子の提供が望まれている。
【特許文献1】特開2004−75821号公報
【非特許文献1】Applied Physics Letters,Vol.25,No.4,186−188(1974)
【非特許文献2】Applied Physics Letters,Vol.41, No. 8, 697−699(1982)
【非特許文献3】Mol.Cryst.Liq.Cryst.,49,83−87 (1978)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、表示コントラストが高く、かつメモリ性を有する液晶素子の作製に有用な液晶組成物、及び該液晶組成物を含む液晶層を有し、表示コントラストが高く且つメモリ性を有する液晶素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、二周波駆動ネマチック液晶を用いたゲストホスト方式は、応答速度が速いが、メモリ性がないため、低消費電力の観点からは満足できるものになかった。しかし、本発明者は鋭意検討した結果、二周波駆動可能なネマチック液晶にスメクチック液晶を混合することにより、メモリ性が発現することを見出し、この知見に基づいて更に検討して本発明を完成するに至った。
【0006】
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 少なくとも1種の、二色性色素と、二周波駆動可能なネマチック液晶と、スメクチック液晶とを含むスメクチック液晶組成物であって、該液晶組成物の誘電率異方性が、印加電圧の周波数を大きくすることで正から負に変わるスメクチック液晶組成物。
[2] 前記スメクチック液晶が、二周波駆動可能なスメクチック液晶であることを特徴とする[1]のスメクチック液晶組成物。
[3] 前記スメクチック液晶の誘電率異方性が、印加電圧の周波数を大きくすることで正から負に変わる[1]又は[2]のスメクチック液晶組成物。
[4] 前記スメクチック液晶が、下記一般式(1)で表される[1]〜[3]のいずれかのスメクチック液晶組成物;
一般式(1)
1−((D1e−L1m−(D2k−T2
式中、D1及びD2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、L1は2価の連結基を表し、T1及びT2は各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、eは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、kは1〜2の整数を表し、D1とD2で表される基の総数が3〜5の整数であり、e及びkがそれぞれ2以上の時、2以上のD1及びD2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D1e−L1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0007】
[5] 前記スメクチック液晶組成物が、スメクチックA相を示す[1]〜[4]のいずれかのスメクチック液晶組成物。
[6] 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される置換基を有する色素である[1]〜[5]のいずれかのスメクチック液晶組成物;
一般式(2)
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0008】
[7] 前記二色性色素が、下記一般式(3)で表される化合物である[1]〜[5]のいずれかのスメクチック液晶組成物;
【0009】
【化1】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子または置換基である。Hetが酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0010】
[8] 前記二色性色素が、下記一般式(3)で表される化合物である[1]〜[5]のいずれかに記載のスメクチック液晶組成物;
【0011】
【化2】

式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも1つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子または置換基であり、Hetが酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B1)p−(Q1)q−(B2)r)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0012】
[9] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が[1]〜[8]のいずれかのスメクチック液晶組成物を含有する液晶素子。
[10] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に高分子媒体層とを有し、高分子媒体層が高分子及び高分子中に分散された[1]〜[8]のいずれかのスメクチック液晶組成物とを含む液晶素子。
[10] 少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有し、該液晶層が[1]〜[8]のいずれかのスメクチック液晶組成物を含むマイクロカプセルを含有することを特徴とする液晶素子。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、表示コントラストが高く、かつメモリ性を有する液晶素子、及び該液晶素子の作製に有用なスメクチック液晶組成物を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本発明は、二周波駆動可能なネマチック液晶、スメクチック液晶及び二色性色素をそれぞれ少なくとも一種含み、印加電圧の周波数を大きくすることで誘電率異方性が正から負に変わるスメクチック液晶組成物、及び該スメクチック液晶組成物を含む液晶素子に関する。
従来報告されている二周波駆動ネマチック液晶を利用したゲストホスト方式では、電圧無印加時に画像が保持されない(メモリ性がない)という問題があった。そこで、鋭意研究を重ねたところ、スメクチック液晶を混合することがメモリ性の保持に極めて有効であるとの知見を得、この知見に基づいて本発明を完成するにいたった。
【0015】
本発明のスメクチック液晶組成物は、二周波駆動可能なネマチック液晶、スメクチック液晶及び二色性色素をそれぞれ少なくとも一種含み、印加電圧の周波数を大きくすることで誘電率異方性が正から負に変わることを特徴とする。前記スメクチック液晶も、ネマチック液晶と同様、二周波駆動性を示すのが好ましい。このような特性を示す本発明のスメクチック液晶組成物を用いることにより、コントラスト比が高く、且つメモリ性を有する液晶素子を提供できる。また、本発明のスメクチック液晶組成物を用いると、配向膜が不要となるため、素子構成がシンプルであり、製造プロセスが簡略化できる。また、配向膜がない場合には、配向膜による光の吸収あるいは反射がないため、表示性能が高くなり、反射型表示においては、高い反射率を与える。
以下、本発明に用いられる種々の材料について説明する。
【0016】
まず、本発明に使用可能な二周波駆動性を示すネマチック液晶について詳しく説明する。二周波駆動性を示す液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶であり、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、イーストマン・コダック社の二周波駆動液晶を示す。
【0017】
【化3】

【0018】
この他にも、市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
【0019】
次に、本発明に使用可能なスメクチック液晶について詳しく説明する。本発明に用いられるスメクチック液晶としては特に制限はなく、スメクチック相を発現する液晶性化合物であればいずれでもよいが、好ましくはスメクチックA相を発現するものであり、更に好ましくは、二周波駆動性を示すスメクチックA液晶である。そのような液晶化合物として、下記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(1)
1−((D1e−L1m−(D2k−T2
【0020】
一般式(1)中、D1及びD2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
【0021】
1及びD2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基及びナフタレン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、更に好ましくは1,4−フェニレン基である。
1及びD2で表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例には、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基が含まれる。
1及びD2で表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
【0022】
1及びD2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
置換基群V:
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカロボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれる}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vは、ベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していても良い。
【0023】
好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基である。
【0024】
1は2価の連結基を表す。好ましくは、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アゾ基、アゾキシ基、アルキレンオキシ基であり、より好ましくは、エステル基、アルキレンオキシ基である。
【0025】
1で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基をあげることができる。
1で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基をあげることができる。
【0026】
1及びT2は各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。
1及びT2として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数4〜20、更に好ましくは炭素数6〜18のアルキル基;炭素数1〜30、より好ましくは炭素数4〜20、更に好ましくは炭素数6〜18のアルコキシ基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアルコキシカルボニル基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアシル基;炭素数2〜30、より好ましくは炭素数5〜21、更に好ましくは炭素数7〜19のアシルオキシ基;ハロゲン原子、又はシアノ基である。
【0027】
上記、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基及びアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては、上記置換基群Vが挙げられる。
1及びT2で表される置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特に塩素原子、フッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアシル基であることが好ましい。
【0028】
1及びT2でそれぞれ表されるアルキル基の具体例は、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、4−シアノブチル基、トリフルオロメチル基、3−メトキシプロピル基を挙げることができる。
1及びT2でそれぞれ表されるアルコキシ基の具体例は、例えば、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−メトキシエトキシ基を挙げることができる。
1及びT2でそれぞれ表されるアルコキシカルボニル基の具体例は、例えば、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基を挙げることができる。
1及びT2でそれぞれ表されるアシル基の具体例は、例えば、オクチルカルボニル基、ドデシルカルボニル基を挙げることができる。
1及びT2でそれぞれ表されるアシルオキシ基の具体例は、例えば、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
【0029】
1及びT2は特に好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基である。
【0030】
eは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2である。
kは1または2である。
1とD2で表される基の総数、すなはちe×m+kが3〜5の整数であり、より好ましくは3〜4の整数である。e及びkがそれぞれ2以上の時、2以上のD1及びD2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D1e−L1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【0031】
特に好ましいe、m、kの組み合わせを以下に記す。
(i)e=1、m=2、k=1
(ii)e=2、m=1、k=1
(iii)e=2、m=1、k=2
【0032】
以下に本発明に使用可能なスメクチック液晶の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
【化4】

【0034】
【化5】

【0035】
【化6】

【0036】
本発明のスメクチック液晶組成物は、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しないネマチック液晶化合物を含んでいてもよい。そのようなネマチック液晶化合物の具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
【0037】
本発明のスメクチック液晶組成物に、ホスト液晶の物性(例えば、液晶相の温度範囲、誘電率異方性、屈折率異方性あるいはクロスオーバー周波数)を変化させる目的で、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。ここで、クロスオーバー周波数とは、二周波駆動液晶において、誘電率異方性が正から負へと変化する周波数のことを意味する。また、本発明の液晶組成物には、種々の添加剤、例えば、カイラル剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加しても良い。これらの添加物については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
【0038】
本発明の液晶組成物における二周波駆動性を示すネマチック液晶に対するスメクチック液晶の比率は、いかなる割合であっても良いが、二周波駆動可能なネマチック液晶:スメクチック液晶=20mol%:80mol%〜99mol%:1mol%が好ましく、50mol%:50mol%〜95mol%:5mol%がより好ましく、70mol%:30mol%〜90mol%:10mol%が特に好ましい。
【0039】
次に、本発明に使用可能な二色性色素について説明する。
二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。前記二色性色素の吸収極大ならびに吸収帯に関しては特に制限はないが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、本発明のスメクチック液晶組成物に用いられる二色性色素は、単独で使用してもよいが、複数を混合したものであってもよい。複数の色素を混合する場合には、同一種の発色団を有する色素同士を混合してもよいし、互いに異なる発色団を有する二色性色素を混合してもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。公知の二色性色素としては、例えば、 A. V. Ivashchenko著、Diachronic Dyes for Liquid Crystal Display、CRC社、1994年に記載のものが挙げられる。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
【0040】
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
【0041】
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
【0042】
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
【0043】
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
【0044】
本発明の二色性色素は、下記一般式(2)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(2)
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
一般式(2)中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
【0045】
一般式(2)中、B1及びB2はそれぞれアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
【0046】
1及びB2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
1及びB2で表されるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
1及びB2で表される2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくは、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
【0047】
1及びB2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基群Vが挙げられる。
【0048】
置換基群Vとして好ましいものは上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子である。
【0049】
1は2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。
1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数0〜60、より好ましくは炭素数0〜30、更に好ましくは炭素数0〜20の2価の連結基である。また、Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エステル基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子またはアルキル基、アリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
【0050】
1で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基を挙げることができる。
1で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基を挙げることができる。
1で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基を挙げることができる。
−NR−基におけるRの表すアルキル基において、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rの表すアリール基において、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
Q1で表される複素環として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
【0051】
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
1で表される2価の連結基として、特に好ましくは、アルキレン基、アルキニレン基、エーテル基、アミド基、エステル基又はカルボニル基である。
【0052】
1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。
1として好ましくは、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
【0053】
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基又はアリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
【0054】
1で表されるシクロアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
【0055】
1で表されるアルコキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
【0056】
1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
【0057】
1で表されるアシル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
【0058】
1で表されるアシルオキシ基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
【0059】
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシ基としての具体例は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシルオキシ基としての具体例は、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシル基としての具体例は、例えば、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシカルボニル基としての具体例は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0060】
1は特に好ましくは、アルキル基またはアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメトキシ基である。
【0061】
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q及びrは各々0〜5のいずれかの整数を表し、nは1〜3のいずれかの整数を表す。B1とB2で表される基の総数すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。p、q及びrが2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、{(B1p−(Q1q−(B2r}は、同一でも異なっていてもよい。
【0062】
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i)p=3、q=0、r=0、n=1
(ii)p=4、q=0、r=0、n=1
(iii)p=5、q=0、r=0、n=1
(iv)p=2、q=0、r=1、n=1
(v)p=2、q=1、r=1、n=1
(vi)p=1、q=1、r=2、n=1
(vii)p=3、q=1、r=1、n=1
(viii)p=2、q=0、r=2、n=1
(ix)p=1、q=1、r=1、n=2
(x)p=2、q=1、r=1、n=2
【0063】
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1、(iv)p=2、q=0、r=1、n=1、(v)p=2、q=1、r=1、n=1の組合せである。
【0064】
さらに、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1は、液晶性を示す構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶又はスメクチック液晶である。
【0065】
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
【0066】
【化7】

【0067】
【化8】

【0068】
本発明に用いられる二色性色素は、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を1つ以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1または2個有している場合である。
【0069】
前記一般式(2)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基またはヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造;
〔2〕Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基またはヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
【0070】
特に好ましい構造は、
〔3〕Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造;
〔4〕Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基またはヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、である。
【0071】
【化9】

【0072】
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立して、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基であることが好ましい。Ra1〜Ra12で表されるアルキル基、アリール基及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基及びアルコキシ基と同義である。
【0073】
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は、各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基である。
【0074】
前記二色性色素は、アゾ色素であってもよい。アゾ色素は、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造は、芳香族(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。中でも、前記一般式(2)で表される置換基を有するアゾ色素が好ましい。
【0075】
前記二色性色素は、アントラキノン色素であってもよい。アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であっても良いが、ジ置換、トリ置換、テトラ置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であっても良いが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。中でも、前記一般式(2)で表される置換基を有するアントラキノン色素が好ましい。
【0076】
アントラキノン色素としては、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
【0077】
【化10】

【0078】
一般式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子または置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。B1とB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
【0079】
一般式(3)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基である。
【0080】
また、更に好ましくは、一般式(3)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
【0081】
前記二色性色素は、フェノキサゾン色素であってもよい。フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい例として挙げられる。中でも、前記一般式(2)で表される置換基を有するフェノキサゾン色素が好ましい。
【0082】
フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(4)で表される化合物である。
【0083】
【化11】

【0084】
前記一般式(4)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他はそれぞれ水素原子または置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。B1とB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜5の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r及びnの好ましい範囲と同様である。
【0085】
一般式(4)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、より好ましくは、アミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基、アリール基である。
【0086】
また、更に好ましくは、一般式(4)において、R11、R14、R16の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
【0087】
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン系二色性色素及び/またはフェノキサゾン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
【0088】
【化12】

【0089】
【化13】

【0090】
【化14】

【0091】
【化15】

【0092】
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
【0093】
【化16】

【0094】
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
【0095】
【化17】

【0096】
前記一般式(2)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報記載の方法に従い合成することができる。
【0097】
本発明のスメクチック液晶組成物におけるホスト液晶(二周波駆動可能なネマチック液晶とスメクチック液晶との組成物、以下同様である)に対する二色性色素の比率は、いかなる割合であってもよいが、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%が特に好ましい。
【0098】
ホスト液晶への二色性色素の溶解は、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはその組合せなどを利用することができる。その他、本発明のスメクチック液晶組成物の調製については、公知の方法を採用することができる。
【0099】
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に上記スメクチック液晶組成物を含有する層を有する。該層に含有される前記スメクチック液晶組成物の形態については限定されず、例えば、該層が、スメクチック液晶組成物からなる液晶層であってもよいし、また、後述する様に、前記スメクチック液晶組成物が、マイクロカプセル中に包含されていても、ポリマー中に分散されていてもよい。
【0100】
本発明の液晶組成物は、ゲストホスト方式の表示素子に好適に用いることができる。ゲストホスト方式の表示素子は、ネマチック液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示となる。
【0101】
本発明の液晶素子に用いられる電極基板としては、通常ガラスあるいはプラスチック基板が用いられ、プラスチック基板が好ましい。本発明に用いられるプラスチック基板としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
プラスチック基板の厚みには、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0102】
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加しても良い。
【0103】
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
基板については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第218〜231頁に詳しい。
【0104】
一対の基板のうち少なくとも一方の基板表面に、電極層、好ましくは透明電極層が形成される。その電極層としては、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズなどが用いられる。透明電極については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
【0105】
本発明の液晶素子は液晶を配向させる目的で、液晶と基板の接する表面に配向処理を施した層を形成することが好ましい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
但し、上記した様に、本発明の液晶素子は、二周波駆動可能な本発明のスメクチック液晶組成物を利用しているので、配向膜がなくても印加電圧の増減だけで液晶の配向をスイッチングできる。従って、本発明の液晶素子は、配向膜があっても、なくてもよく、配向膜がない場合、構成が簡略化され、且つ配向膜に起因した表示特性の低下がない等の利点を有する。
【0106】
本発明の液晶素子は一対の基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設け、その空間に注入することができる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。本発明の液晶組成物は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
【0107】
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
【0108】
本発明の液晶素子の駆動には、低周波数域及び高周波数域の電圧が用いられる。液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のクロスオーバー周波数等によって異なるが、一般的には該液晶組成物に印加される電場の周波数領域は、0.1Hz〜10MHzであるのが好ましく、1Hz〜1MHzであるのがより好ましい。低周波数領域として用いられるのは、一般的には0.1Hz〜100kHzであるのが好ましく、1Hz〜10kHzであるのがより好ましく、10Hz〜10kHzであるのがさらに好ましい。また、高周波数領域として用いられるのは、一般的には100Hz〜10MHzであるのが好ましく、100Hz〜1MHzであるのがより好ましく、1kHz〜1MHzであるのがさらに好ましい。
【0109】
本発明の液晶素子を用いた液晶ディスプレイは、いかなる方式であってもよい。本発明の液晶素子は、特開平10−67990号、同10−239702号、同10−133223号、同10−339881号、同11−52411号、同11−64880号、特開2000−221538号などの各公報に記載されている積層型GHモードに用いることができる。また、本発明の液晶素子は、特開平11−24090号などに記載されているマイクロカプセルを利用したGHモードであってもよい。即ち、本発明の液晶素子の一実施形態は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に液晶層を有し、該液晶層が本発明の液晶組成物を含むマイクロカプセルを含有する、マイクロカプセルを利用したGHモードの液晶素子である。さらに、本発明の液晶素子は、特開平5−61025号、同5−265053号、同6−3691号、同6−23061号、同5−203940号、同6−242423号、同6−289376号、同8−278490号、同9−813174号の各公報に記載されている高分子分散液晶型GHモードであってもよい。即ち、本発明の液晶素子の一態様は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に高分子媒体層を有し、該高分子媒体層が、高分子と、該高分子中に分散された本発明の液晶組成物とを含む、高分子分散液晶型GHモード液晶素子である。
【0110】
本発明の液晶素子は、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の色についても、いかなるものであってもよい。例えば、複数の二色性色素を混合して用いる等、黒色の液晶組成物を調製した場合には、電圧の印加によって白黒表示用の液晶素子としての利用が挙げられる。また、レッド、グリーン及びブルーに各々着色された液晶組成物を調製し、3種類の組成物を基板上に並置配置することにより、カラー表示用の液晶素子を作製することもできる。また、本発明の液晶素子は、積層構造を有していてもよい。例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物の各々からなる層を3層積層させる構成;及びイエロー、マゼンタ及びシアンに着色した液晶組成物と、補色の関係にあるブルー、グリーン及びレッドに着色した液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを2層積層させる構成;及び黒に着色した液晶組成物の層と、レッド、ブルー及びグリーンの液晶組成物の各々からなる層を並置配置させた層とを、2層積層させる構成;などが挙げられる。
【実施例】
【0111】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる従って本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
【0112】
<実施例1>
(スメクチック液晶の合成)
以下のスキームにしたがって、スメクチック液晶(1)を合成した。
【0113】
【化18】

【0114】
(化合物1aの合成)
4−ヒドロキシ安息香酸(30g)(東京化成製)及びCsF−Celite(109.4g)(SYNTHETIC COMMUNICATIONS, 28(11), 2021−2026 (1998)に従い調製した)のアセトニトリル溶液(600ml)に、ベンジルブロミド(74.3g)を滴下し、加熱還流下で3時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮後、酢酸エチル(500ml)を加え、濾過をおこなった。濾液を減圧にて濃縮後、濃縮残渣を水/メタノールから再結晶することで粗結晶を得た。更にトルエンから再結晶することにより化合物1a(31g)を得た。
【0115】
(化合物1bの合成)
化合物1a(4g)、4−n−ウンデシルオキシ安息香酸(5.1g)(東京化成製)及びジメチルアミノピリジン(0.4g)の塩化メチレン溶液(50ml)に、ジシクロカルボジイミド(4.3g)の塩化メチレン溶液(30ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)することにより化合物1b(7.4g)を得た。
【0116】
(化合物1cの合成)
化合物1b(7g)のイソプロピルアルコール(70ml)/THF(テトラヒドロフラン 10ml)混合溶液に、10%Pd/C(1.0g)を添加し、常圧水素添加条件で4時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をイソプロピルアルコールから再結晶することにより化合物1c(5.0g)を得た。
【0117】
(スメクチック液晶(1)の合成)
化合物1c(2.0g)、4−シアノフェノール(0.58g)(東京化成製)及びジメチルアミノピリジン(0.12g)のクロロホルム溶液(50ml)に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.2g)の塩化メチレン溶液(10ml)を滴下し、加熱還流下で1時間撹拌した。反応液をクロロホルム/1N塩酸水に注加し、有機層を1N塩酸水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製(展開溶媒:クロロホルム)し、得られた粗結晶をイソプロピルアルコールから再結晶することによりスメクチック液晶(1)(2.0g)を得た(化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った)。外観は白色固体であった。また、得られたスメクチック液晶(1)の転移温度を測定したところ、結晶からスメクチックA相への転移温度は107℃、スメクチックA相から等方相への転移温度は199℃であった。
屈折率異方性Δn:
Δn=0.23(メルク社製液晶ZLI−1132を用いた外挿法により算出)
1H−NMR(CDCl3
δ:0.88(3H,t)、1.28(14H,m)、1.49(2H,m)、1.83(2H,m)、4.05(2H,t)、7.02(2H,d)、7.39(4H,m)、7.76(2H,d)、8.15(2H,d)、8.28(2H,d)
【0118】
(スメクチック液晶の合成2)
他のスメクチック液晶も、公知の方法により合成することができる。
【0119】
【表1】

【0120】
(二色性色素の合成)
二色性色素(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。二色性色素(1−14)は、特願2004−50265号記載の方法に従い合成した。
【0121】
<実施例2>
(液晶組成物−1の調製)
二色性色素(1−8)5mg、スメクチック液晶(1)14.8mg、Applied Physics Letters, Vol.25, 186−188(1974)記載の二周波駆動ネマチック液晶(H−1)75.8mg及びΔεが負の下記液晶化合物(H−2)9.4mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させ、1晩放置させて、液晶組成物−1を得た。
【0122】
【化19】

【0123】
【化20】

【0124】
(液晶組成物−2の調製)
二色性色素(1−8)5mgのかわりに、二色性色素(1−14)1mgを用いた以外は、上記と同様にして液晶組成物−2を調製した。
【0125】
(液晶組成物−3の調製)
スメクチック液晶(5)をスメクチック液晶(1)の代わりに混合した以外は液晶組成物−1の調製と同様の方法で、液晶組成物−3を調製した。
【0126】
(液晶組成物−4の調製)
液晶組成物−3の調製において、二色性色素(1−8)5mgの代わりに、二色性色素(1−14)1mgを用いて、液晶組成物−4を調製した。
【0127】
(液晶組成物−5の調製)
二色性色素(1−8)5mg、スメクチック液晶(3)9.7mg、スメクチック液晶(4)9.9mg及び二周波駆動ネマチック液晶(H−1)80.4mgの混合物を、180℃のホットプレート上で1時間加熱したあと、室温にまで冷却させ、1晩放置させて、液晶組成物−5を調製した。
【0128】
(液晶組成物−6の調製)
液晶組成物−5の調製において、二色性色素(1−8)5mgのかわりに、二色性色素(1−14)1mgを用いて、液晶組成物−6を調製した。
【0129】
(比較の液晶組成物−7及び8の作製)
比較例として、二周波駆動ネマチック液晶(H−1)のみ100mgをホスト液晶として用いた以外は、液晶組成物−1の作製と同様にして、比較の液晶組成物−7を調製した。
更に、比較の液晶組成物−7の調製において、二色性色素(1−8)5mgのかわりに、二色性色素(1−14)1mgを用いて、比較の液晶組成物−8を調製した。
【0130】
<実施例3>
(液晶素子の作製)
上記で得られた液晶組成物−1〜8の各々を、市販の液晶セル(ITO透明電極付き、ガラス板0.7mm、セルギャップ8μm、エポキシ樹脂シール付き、E.H.C.社製)に180℃で注入し、液晶素子A〜Hをそれぞれ作製した。なお、ITO透明電極上には、配向膜を付設していない。
【0131】
<二周波駆動性及びメモリ性の評価>
作製した液晶素子に、低周波数の矩形交流電圧(100V、100Hz)を印加し、透過率を分光光度測定器(島津製作所社製、UV−2400PC)を用いて測定した。次に、高周波数の矩形交流電圧(100V、100kHz)を印加し、透過率を測定した。また、メモリ性は、低周波数あるいは高周波数の矩形交流電圧を切ったあと、1週間放置した液晶素子の透過率変化を測定することによって評価した。ほとんど変化がなかったものを○、変化があったものを×とした。結果を以下の表2に示す。
【0132】
【表2】

【0133】
表2に示す結果から、本発明の実施例の液晶素子A〜Fは、比較例である液晶素子G及びHと比較して、高い濃度比を与え、かつメモリ性を有することがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明のスメクチック液晶組成物は、液晶素子の作製に広く用いることができ、特にゲストホスト方式液晶表示素子の作製に用いるのに適する。本発明のスメクチック液晶組成物を用いて作製されたゲストホスト方式液晶表示素子は、高い表示コントラスト比の画像を表示可能であるとともに、メモリ性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の、二色性色素と、二周波駆動可能なネマチック液晶と、スメクチック液晶とを含むスメクチック液晶組成物であって、該液晶組成物の誘電率異方性が、印加電圧の周波数を大きくすることで正から負に変わるスメクチック液晶組成物。
【請求項2】
前記スメクチック液晶が、二周波駆動可能なスメクチック液晶であることを特徴とする請求項1に記載のスメクチック液晶組成物。
【請求項3】
前記スメクチック液晶の誘電率異方性が、印加電圧の周波数を大きくすることで正から負に変わる請求項1又は2に記載のスメクチック液晶組成物。
【請求項4】
前記スメクチック液晶が、下記一般式(1)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物;
一般式(1)
1−((D1e−L1m−(D2k−T2
式中、D1及びD2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、L1は2価の連結基を表し、T1及びT2は各々独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、eは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、kは1〜2の整数を表し、D1とD2で表される基の総数が3〜5の整数であり、e及びkがそれぞれ2以上の時、2以上のD1及びD2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、mが2以上の時、2以上の((D1e−L1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【請求項5】
前記スメクチック液晶組成物が、スメクチックA相を示す請求項1〜4のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物。
【請求項6】
前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される置換基を有する色素である請求項1〜5のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物;
一般式(2)
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【請求項7】
前記二色性色素が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物;
【化1】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子または置換基である。Hetが酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【請求項8】
前記二色性色素が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物;
【化2】

式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも1つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子または置換基であり、Hetが酸素原子または硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基または2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基またはアシルオキシ基を表し、jは0または1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2で表される基の総数が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の((B1)p−(Q1)q−(B2)r)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
【請求項9】
少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有する液晶素子であって、該液晶層が請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物を含有する液晶素子。
【請求項10】
少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に高分子媒体層とを有し、高分子媒体層が高分子及び高分子中に分散された請求項1〜8のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物とを含む液晶素子。
【請求項11】
少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間に液晶層とを有し、該液晶層が請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のスメクチック液晶組成物を含むマイクロカプセルを含有することを特徴とする液晶素子。

【公開番号】特開2006−306926(P2006−306926A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127981(P2005−127981)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】