液晶表示パネル及びその製造方法
【課題】本発明は、封止材を剥がれにくくすることを目的としている。
【解決手段】液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10と、無機薄膜10にギャップをあけて対向する樹脂基板14と、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で封止領域を囲むように配置され無機薄膜10及び樹脂基板14を固定し封止領域への封入口20を形成する切れ目を有するシール材18と、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で封止領域に配置された液晶22と、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面に接着し無機薄膜10から樹脂基板14とは反対方向に突出する封止材24と、無機薄膜10の樹脂基板14とは反対面の端部と封止材24の無機薄膜10からの突出部とを接合する接着剤34と、を含む。
【解決手段】液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10と、無機薄膜10にギャップをあけて対向する樹脂基板14と、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で封止領域を囲むように配置され無機薄膜10及び樹脂基板14を固定し封止領域への封入口20を形成する切れ目を有するシール材18と、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で封止領域に配置された液晶22と、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面に接着し無機薄膜10から樹脂基板14とは反対方向に突出する封止材24と、無機薄膜10の樹脂基板14とは反対面の端部と封止材24の無機薄膜10からの突出部とを接合する接着剤34と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルの製造プロセスで、一対のガラス基板をギャップをあけて配置し、液晶の封入領域をシール材で囲み、封入口から液晶を真空封入し、封入口を封止材で塞ぐことが知られている。封入口は、ガラス基板の厚みを定義する端面側に開口しているので、封止材はガラス基板の端面に接着させる。その後、特に曲面ディスプレイを形成するための湾曲可能な液晶表示パネルにおいては、ガラス基板を薄くしてプラスチック基板を貼り付けることがある。また、ガラス基板を除去してプラスチック基板に転写することもある。本願発明に関連する上記背景技術を開示した先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2008−89994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ガラス基板を薄くすると、その端面が狭くなるので、封止材との接着面が小さくなって封止材が剥がれやすくなるという問題があった。また、封止材の一部がガラス基板間に入り込むが、一方の基板を樹脂から構成すると封止材の入り込みが少なくなることを発明者は見出した。封止材は、基板間への入り込みが少なくなると剥がれやすくなる。
【0004】
本発明は、封止材を剥がれにくくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜と、前記無機薄膜に、ギャップをあけて対向する樹脂基板と、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で、封止領域を囲むように配置され、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定し、前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材と、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で前記封止領域に配置された液晶と、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着し、前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対方向に突出する封止材と、前記無機薄膜の前記樹脂基板とは反対面の端部と、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部とを接合する接着剤と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、接着剤によって無機薄膜に対して封止材が接合されるので、封止材が剥がれにくくなる。
【0006】
(2)(1)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜の、前記樹脂基板とは反対側に取りつけられたプラスチック基板をさらに有することを特徴としてもよい。
【0007】
(3)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記接着剤は、前記プラスチック基板に接着することを特徴としてもよい。
【0008】
(4)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記プラスチック基板は、端面が窪む凹部を有し、前記凹部が前記封止材と対向するように位置し、前記プラスチック基板の前記凹部に隣接する端面が、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の前記封止材が接着する前記端面と面一であることを特徴としてもよい。
【0009】
(5)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在するガラス層をさらに有し、前記接着剤は、前記ガラス層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴としてもよい。
【0010】
(6)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在する樹脂層をさらに有し、前記接着剤は、前記樹脂層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴としてもよい。
【0011】
(7)(1)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜の前記液晶と対向する側に配向膜が形成されていることを特徴としてもよい。
【0012】
(8)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記樹脂基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴としてもよい。
【0013】
(9)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記プラスチック基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴としてもよい。
【0014】
(10)本発明に係る液晶表示パネルの製造方法は、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜が積層されたガラス基板と樹脂基板を、前記無機薄膜が樹脂基板を向くようにギャップをあけて対向させ、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間に、封止領域を囲み前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材を配置し、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定する工程と、前記封入口から前記封止領域に液晶を充填する工程と、封止材を、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着させる工程と、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去して、前記封止材を前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対の方向に突出させる工程と、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層して、前記無機薄膜を補強する工程と、接着剤によって、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部と前記無機薄膜とを接合する工程と、を含むことを特徴としてもよい。本発明によれば、接着剤によって無機薄膜に対して封止材が接合されるので、封止材が剥がれにくくなる。
【0015】
(11)(10)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板の一部からなるガラス層を前記無機薄膜上に残し、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記ガラス層に貼り付け、前記ガラス層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴としてもよい。
【0016】
(12)(10)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記無機薄膜と前記ガラス基板の間には樹脂層が介在し、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板を除去して、前記樹脂層を前記無機薄膜上に残し、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記樹脂層に貼り付け、前記樹脂層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴としてもよい。
【0017】
(13)(12)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記ガラス基板を、レーザ照射によって前記樹脂層から剥離することを特徴としてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す平面図である。図2は、図1に示す液晶表示パネルのII-II線断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す底面図である。
【0020】
液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10を有する。液晶表示パネルの駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Virtical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線(図示せず)が形成されている。無機薄膜10の一部である配線(図示せず)には、フレキシブル配線基板12が電気的に接続されている。
【0021】
無機薄膜10に、ギャップをあけて樹脂基板14が対向している。樹脂基板14は柔軟性を有するため屈曲又は湾曲させることが可能である。樹脂基板14の無機薄膜10側の面にはカラーフィルタ16が貼り付けられている。
【0022】
無機薄膜10及び樹脂基板14の間で、図1に示すように、封止領域を囲むようにシール材18が配置されている。シール材18は例えばエポキシ樹脂などの樹脂からなる。シール材18は、無機薄膜10及び樹脂基板14を固定する。シール材18は、封止領域への封入口20を形成する切れ目を有する。
【0023】
液晶22が、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で、シール材18による封止領域に配置されている。なお、無機薄膜10の液晶22と対向する側に配向膜23が形成されている。また、樹脂基板14の液晶と対向する側にも図示しない配向膜が配置されている。
【0024】
封止材24が封入口20を塞いでいる。封止材24は、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面(厚みを定義する側面)に接着している。封止材24は、無機薄膜10及び樹脂基板14の間の液晶22が封入される空間に入り込んでいる。封止材24は、無機薄膜10から樹脂基板14とは反対方向に突出している。
【0025】
無機薄膜10は、ガラス層26上に形成されている。封止材24はガラス層26の端面(厚みを定義する側面)にも接着している。
【0026】
無機薄膜10の、樹脂基板14とは反対側にプラスチック基板28が取りつけられている。図2の例では、ガラス層26に接着層30を介してプラスチック基板28が貼り付けられている。無機薄膜10とプラスチック基板28の間にガラス層26が介在する。
【0027】
プラスチック基板28は、図3でハッチングして示してあり、端面が窪む凹部32を有している。プラスチック基板28は、凹部32が封止材24と対向するように位置する。詳しくは、凹部32の内面と封止材24との間に隙間があり、両者が接触しない。したがって、プラスチック基板28を取り付けるときに、封止材24に当たるのを避けられるようになっており、封止材24の剥離を避けることができる。プラスチック基板28の凹部32に隣接する端面は、無機薄膜10及び樹脂基板14の封止材24が接着する端面と面一である。
【0028】
図2に示すように、接着剤34が、無機薄膜10の樹脂基板14とは反対面の端部と、封止材24の無機薄膜10からの突出部(無機薄膜10の端面に沿って延びる面)とを接合している。接着剤34は、ガラス層26を介して、無機薄膜10に接合する。接着層30は、プラスチック基板28の凹部32と封止材24の間に設けられている。したがって、接着剤34は、プラスチック基板28の端面(凹部32の内面)に接着している。また、接着剤34は、プラスチック基板28とガラス層26を接着する接着層30の端面にも接着している。無機薄膜10と接着剤34の間にガラス層26が介在する。
【0029】
本実施の形態によれば、接着剤34によって、無機薄膜10に対して封止材24が接合されるので、封止材24が剥がれにくくなっている。そのため、封止材24は、封入口20に入り込んでいるが、その入り込み長さを、一対のガラス基板を使用した液晶表示パネル(従来技術)における長さよりも短くすることができる。
【0030】
(液晶表示パネルの製造方法)
図4〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0031】
本実施の形態では、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10が積層されたガラス基板36を用意する。樹脂基板14を用意する。樹脂基板14にはカラーフィルタ16が貼り付けられている。
【0032】
図4に示すように、ガラス基板36と樹脂基板14を、無機薄膜10が樹脂基板14を向くようにギャップをあけて対向させる。また、無機薄膜10及び樹脂基板14の間にシール材18(図1参照)を配置する。シール材18は、封止領域を囲み、封止領域への封入口20を形成する切れ目を有するように形成する。シール材18によって無機薄膜10及び樹脂基板14を固定する。
【0033】
封入口20から封止領域に液晶22を充填する。封止材24を、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面に接着させる。
【0034】
図5に示すように、ガラス基板36の少なくとも無機薄膜10とは反対側の表層を除去して、封止材24を無機薄膜10から樹脂基板14とは反対の方向に突出させる。ガラス基板36の除去はウエットエッチングによって行う。本実施の形態では、ガラス基板36の一部からなるガラス層26を無機薄膜10上に残す。
【0035】
図6に示すように、無機薄膜10にプラスチック基板28を積層して、無機薄膜10を補強する。プラスチック基板28を、接着層30を介して、ガラス層26に貼り付ける。
【0036】
その後、図2に示すように、接着剤34によって、封止材24の無機薄膜10からの突出部と無機薄膜10とを接合する。ガラス層26を介して、突出部と無機薄膜10を接着剤34によって接合する。また、液晶表示パネルの製造方法は、上述した液晶表示パネルについての説明から自明の内容を含む。
【0037】
(第2の実施の形態)
図7〜図8は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0038】
本実施の形態では、図4に示すプロセスまでは第1の実施の形態と同じ工程を行うが、ガラス基板36を、図7に示すように完全に除去することが第1の実施形態と異なる。ガラス基板36の全体を除去して、封止材24を無機薄膜10から樹脂基板14とは反対の方向に突出させる。ガラス基板36の除去はウエットエッチングによって行う。
【0039】
図8に示すように、無機薄膜10にプラスチック基板28を積層して、無機薄膜10を補強する。プラスチック基板28を、接着層30を介して、無機薄膜10に直接貼り付ける。その後、接着剤34によって、封止材24の無機薄膜10からの突出部と無機薄膜10とを接合する。突出部と無機薄膜10を接着剤34によって直接接合する。
【0040】
本実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法のその他の詳細は、第1の実施の形態で説明した内容を含む。また、本実施の形態に係る方法によって製造された液晶表示パネルは、上記製造方法の説明から自明な構成を有する。
【0041】
(第3の実施の形態)
図9〜図11は、本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0042】
図9に示すように、本実施の形態では、無機薄膜10とガラス基板36の間には樹脂層38が介在する。
【0043】
図10に示すように、ガラス基板36を除去して、樹脂層38を無機薄膜10上に残す。つまり、ガラス基板36を樹脂層38から剥離する。例えば、ガラス基板36を通して樹脂層38にレーザ光を照射して樹脂層38の接着力を低下させて剥離を行う。
【0044】
図11に示すように、プラスチック基板28を樹脂層38に貼り付ける。樹脂層38を介して、突出部と無機薄膜10を接着剤34によって接合する。こうして得られた液晶表示パネルは、無機薄膜10とプラスチック基板28の間及び無機薄膜10と接着剤34の間に樹脂層38が介在する。接着剤34は、樹脂層38を介して、無機薄膜10に接合する。
【0045】
本実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法のその他の詳細は、第1の実施の形態で説明した内容を含む。また、本実施の形態に係る方法によって製造された液晶表示パネルは、上記製造方法の説明から自明な構成を有する。
【0046】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、液晶の駆動方式によっては、配向膜は形成されなくてもよい。また、カラーフィルタ16は樹脂基板14側ではなく、図12に示すようにプラスチック基板28側に形成されても良い。更に、実施の形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示パネルのII-II線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す底面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る液晶表示パネルの変形例を説明する図である。
【符号の説明】
【0048】
10 無機薄膜、12 フレキシブル配線基板、14 樹脂基板、16 カラーフィルタ、18 シール材、20 封入口、22 液晶、23 配向膜、24 封止材、26 ガラス層、28 プラスチック基板、30 接着層、32 凹部、34 接着剤、36 ガラス基板、38 樹脂層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルの製造プロセスで、一対のガラス基板をギャップをあけて配置し、液晶の封入領域をシール材で囲み、封入口から液晶を真空封入し、封入口を封止材で塞ぐことが知られている。封入口は、ガラス基板の厚みを定義する端面側に開口しているので、封止材はガラス基板の端面に接着させる。その後、特に曲面ディスプレイを形成するための湾曲可能な液晶表示パネルにおいては、ガラス基板を薄くしてプラスチック基板を貼り付けることがある。また、ガラス基板を除去してプラスチック基板に転写することもある。本願発明に関連する上記背景技術を開示した先行技術文献としては以下のものがある。
【特許文献1】特開2008−89994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ガラス基板を薄くすると、その端面が狭くなるので、封止材との接着面が小さくなって封止材が剥がれやすくなるという問題があった。また、封止材の一部がガラス基板間に入り込むが、一方の基板を樹脂から構成すると封止材の入り込みが少なくなることを発明者は見出した。封止材は、基板間への入り込みが少なくなると剥がれやすくなる。
【0004】
本発明は、封止材を剥がれにくくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜と、前記無機薄膜に、ギャップをあけて対向する樹脂基板と、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で、封止領域を囲むように配置され、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定し、前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材と、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で前記封止領域に配置された液晶と、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着し、前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対方向に突出する封止材と、前記無機薄膜の前記樹脂基板とは反対面の端部と、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部とを接合する接着剤と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、接着剤によって無機薄膜に対して封止材が接合されるので、封止材が剥がれにくくなる。
【0006】
(2)(1)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜の、前記樹脂基板とは反対側に取りつけられたプラスチック基板をさらに有することを特徴としてもよい。
【0007】
(3)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記接着剤は、前記プラスチック基板に接着することを特徴としてもよい。
【0008】
(4)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記プラスチック基板は、端面が窪む凹部を有し、前記凹部が前記封止材と対向するように位置し、前記プラスチック基板の前記凹部に隣接する端面が、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の前記封止材が接着する前記端面と面一であることを特徴としてもよい。
【0009】
(5)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在するガラス層をさらに有し、前記接着剤は、前記ガラス層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴としてもよい。
【0010】
(6)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在する樹脂層をさらに有し、前記接着剤は、前記樹脂層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴としてもよい。
【0011】
(7)(1)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記無機薄膜の前記液晶と対向する側に配向膜が形成されていることを特徴としてもよい。
【0012】
(8)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記樹脂基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴としてもよい。
【0013】
(9)(2)に記載された液晶表示パネルにおいて、前記プラスチック基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴としてもよい。
【0014】
(10)本発明に係る液晶表示パネルの製造方法は、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜が積層されたガラス基板と樹脂基板を、前記無機薄膜が樹脂基板を向くようにギャップをあけて対向させ、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間に、封止領域を囲み前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材を配置し、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定する工程と、前記封入口から前記封止領域に液晶を充填する工程と、封止材を、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着させる工程と、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去して、前記封止材を前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対の方向に突出させる工程と、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層して、前記無機薄膜を補強する工程と、接着剤によって、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部と前記無機薄膜とを接合する工程と、を含むことを特徴としてもよい。本発明によれば、接着剤によって無機薄膜に対して封止材が接合されるので、封止材が剥がれにくくなる。
【0015】
(11)(10)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板の一部からなるガラス層を前記無機薄膜上に残し、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記ガラス層に貼り付け、前記ガラス層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴としてもよい。
【0016】
(12)(10)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記無機薄膜と前記ガラス基板の間には樹脂層が介在し、前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板を除去して、前記樹脂層を前記無機薄膜上に残し、前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記樹脂層に貼り付け、前記樹脂層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴としてもよい。
【0017】
(13)(12)に記載された液晶表示パネルの製造方法において、前記ガラス基板を、レーザ照射によって前記樹脂層から剥離することを特徴としてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す平面図である。図2は、図1に示す液晶表示パネルのII-II線断面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す底面図である。
【0020】
液晶表示パネルは、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10を有する。液晶表示パネルの駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Virtical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線(図示せず)が形成されている。無機薄膜10の一部である配線(図示せず)には、フレキシブル配線基板12が電気的に接続されている。
【0021】
無機薄膜10に、ギャップをあけて樹脂基板14が対向している。樹脂基板14は柔軟性を有するため屈曲又は湾曲させることが可能である。樹脂基板14の無機薄膜10側の面にはカラーフィルタ16が貼り付けられている。
【0022】
無機薄膜10及び樹脂基板14の間で、図1に示すように、封止領域を囲むようにシール材18が配置されている。シール材18は例えばエポキシ樹脂などの樹脂からなる。シール材18は、無機薄膜10及び樹脂基板14を固定する。シール材18は、封止領域への封入口20を形成する切れ目を有する。
【0023】
液晶22が、無機薄膜10及び樹脂基板14の間で、シール材18による封止領域に配置されている。なお、無機薄膜10の液晶22と対向する側に配向膜23が形成されている。また、樹脂基板14の液晶と対向する側にも図示しない配向膜が配置されている。
【0024】
封止材24が封入口20を塞いでいる。封止材24は、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面(厚みを定義する側面)に接着している。封止材24は、無機薄膜10及び樹脂基板14の間の液晶22が封入される空間に入り込んでいる。封止材24は、無機薄膜10から樹脂基板14とは反対方向に突出している。
【0025】
無機薄膜10は、ガラス層26上に形成されている。封止材24はガラス層26の端面(厚みを定義する側面)にも接着している。
【0026】
無機薄膜10の、樹脂基板14とは反対側にプラスチック基板28が取りつけられている。図2の例では、ガラス層26に接着層30を介してプラスチック基板28が貼り付けられている。無機薄膜10とプラスチック基板28の間にガラス層26が介在する。
【0027】
プラスチック基板28は、図3でハッチングして示してあり、端面が窪む凹部32を有している。プラスチック基板28は、凹部32が封止材24と対向するように位置する。詳しくは、凹部32の内面と封止材24との間に隙間があり、両者が接触しない。したがって、プラスチック基板28を取り付けるときに、封止材24に当たるのを避けられるようになっており、封止材24の剥離を避けることができる。プラスチック基板28の凹部32に隣接する端面は、無機薄膜10及び樹脂基板14の封止材24が接着する端面と面一である。
【0028】
図2に示すように、接着剤34が、無機薄膜10の樹脂基板14とは反対面の端部と、封止材24の無機薄膜10からの突出部(無機薄膜10の端面に沿って延びる面)とを接合している。接着剤34は、ガラス層26を介して、無機薄膜10に接合する。接着層30は、プラスチック基板28の凹部32と封止材24の間に設けられている。したがって、接着剤34は、プラスチック基板28の端面(凹部32の内面)に接着している。また、接着剤34は、プラスチック基板28とガラス層26を接着する接着層30の端面にも接着している。無機薄膜10と接着剤34の間にガラス層26が介在する。
【0029】
本実施の形態によれば、接着剤34によって、無機薄膜10に対して封止材24が接合されるので、封止材24が剥がれにくくなっている。そのため、封止材24は、封入口20に入り込んでいるが、その入り込み長さを、一対のガラス基板を使用した液晶表示パネル(従来技術)における長さよりも短くすることができる。
【0030】
(液晶表示パネルの製造方法)
図4〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0031】
本実施の形態では、トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜10が積層されたガラス基板36を用意する。樹脂基板14を用意する。樹脂基板14にはカラーフィルタ16が貼り付けられている。
【0032】
図4に示すように、ガラス基板36と樹脂基板14を、無機薄膜10が樹脂基板14を向くようにギャップをあけて対向させる。また、無機薄膜10及び樹脂基板14の間にシール材18(図1参照)を配置する。シール材18は、封止領域を囲み、封止領域への封入口20を形成する切れ目を有するように形成する。シール材18によって無機薄膜10及び樹脂基板14を固定する。
【0033】
封入口20から封止領域に液晶22を充填する。封止材24を、封入口20を覆って無機薄膜10及び樹脂基板14の端面に接着させる。
【0034】
図5に示すように、ガラス基板36の少なくとも無機薄膜10とは反対側の表層を除去して、封止材24を無機薄膜10から樹脂基板14とは反対の方向に突出させる。ガラス基板36の除去はウエットエッチングによって行う。本実施の形態では、ガラス基板36の一部からなるガラス層26を無機薄膜10上に残す。
【0035】
図6に示すように、無機薄膜10にプラスチック基板28を積層して、無機薄膜10を補強する。プラスチック基板28を、接着層30を介して、ガラス層26に貼り付ける。
【0036】
その後、図2に示すように、接着剤34によって、封止材24の無機薄膜10からの突出部と無機薄膜10とを接合する。ガラス層26を介して、突出部と無機薄膜10を接着剤34によって接合する。また、液晶表示パネルの製造方法は、上述した液晶表示パネルについての説明から自明の内容を含む。
【0037】
(第2の実施の形態)
図7〜図8は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0038】
本実施の形態では、図4に示すプロセスまでは第1の実施の形態と同じ工程を行うが、ガラス基板36を、図7に示すように完全に除去することが第1の実施形態と異なる。ガラス基板36の全体を除去して、封止材24を無機薄膜10から樹脂基板14とは反対の方向に突出させる。ガラス基板36の除去はウエットエッチングによって行う。
【0039】
図8に示すように、無機薄膜10にプラスチック基板28を積層して、無機薄膜10を補強する。プラスチック基板28を、接着層30を介して、無機薄膜10に直接貼り付ける。その後、接着剤34によって、封止材24の無機薄膜10からの突出部と無機薄膜10とを接合する。突出部と無機薄膜10を接着剤34によって直接接合する。
【0040】
本実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法のその他の詳細は、第1の実施の形態で説明した内容を含む。また、本実施の形態に係る方法によって製造された液晶表示パネルは、上記製造方法の説明から自明な構成を有する。
【0041】
(第3の実施の形態)
図9〜図11は、本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0042】
図9に示すように、本実施の形態では、無機薄膜10とガラス基板36の間には樹脂層38が介在する。
【0043】
図10に示すように、ガラス基板36を除去して、樹脂層38を無機薄膜10上に残す。つまり、ガラス基板36を樹脂層38から剥離する。例えば、ガラス基板36を通して樹脂層38にレーザ光を照射して樹脂層38の接着力を低下させて剥離を行う。
【0044】
図11に示すように、プラスチック基板28を樹脂層38に貼り付ける。樹脂層38を介して、突出部と無機薄膜10を接着剤34によって接合する。こうして得られた液晶表示パネルは、無機薄膜10とプラスチック基板28の間及び無機薄膜10と接着剤34の間に樹脂層38が介在する。接着剤34は、樹脂層38を介して、無機薄膜10に接合する。
【0045】
本実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法のその他の詳細は、第1の実施の形態で説明した内容を含む。また、本実施の形態に係る方法によって製造された液晶表示パネルは、上記製造方法の説明から自明な構成を有する。
【0046】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、液晶の駆動方式によっては、配向膜は形成されなくてもよい。また、カラーフィルタ16は樹脂基板14側ではなく、図12に示すようにプラスチック基板28側に形成されても良い。更に、実施の形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示パネルのII-II線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルを示す底面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示パネルの製造方法を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る液晶表示パネルの変形例を説明する図である。
【符号の説明】
【0048】
10 無機薄膜、12 フレキシブル配線基板、14 樹脂基板、16 カラーフィルタ、18 シール材、20 封入口、22 液晶、23 配向膜、24 封止材、26 ガラス層、28 プラスチック基板、30 接着層、32 凹部、34 接着剤、36 ガラス基板、38 樹脂層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜と、
前記無機薄膜に、ギャップをあけて対向する樹脂基板と、
前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で、封止領域を囲むように配置され、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定し、前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材と、
前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で前記封止領域に配置された液晶と、
前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着し、前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対方向に突出する封止材と、
前記無機薄膜の前記樹脂基板とは反対面の端部と、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部とを接合する接着剤と、
を含むことを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜の、前記樹脂基板とは反対側に取りつけられたプラスチック基板をさらに有することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項3】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記接着剤は、前記プラスチック基板に接着することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項4】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記プラスチック基板は、端面が窪む凹部を有し、前記凹部が前記封止材と対向するように位置し、前記プラスチック基板の前記凹部に隣接する端面が、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の前記封止材が接着する前記端面と面一であることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項5】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在するガラス層をさらに有し、
前記接着剤は、前記ガラス層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項6】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在する樹脂層をさらに有し、
前記接着剤は、前記樹脂層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項7】
請求項1に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜の前記液晶と対向する側に配向膜が形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項8】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記樹脂基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項9】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記プラスチック基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項10】
トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜が積層されたガラス基板と樹脂基板を、前記無機薄膜が樹脂基板を向くようにギャップをあけて対向させ、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間に、封止領域を囲み前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材を配置し、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定する工程と、
前記封入口から前記封止領域に液晶を充填する工程と、
封止材を、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着させる工程と、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去して、前記封止材を前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対の方向に突出させる工程と、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層して、前記無機薄膜を補強する工程と、
接着剤によって、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部と前記無機薄膜とを接合する工程と、
を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板の一部からなるガラス層を前記無機薄膜上に残し、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記ガラス層に貼り付け、
前記ガラス層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記無機薄膜と前記ガラス基板の間には樹脂層が介在し、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板を除去して、前記樹脂層を前記無機薄膜上に残し、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記樹脂層に貼り付け、
前記樹脂層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記ガラス基板を、レーザ照射によって前記樹脂層から剥離することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項1】
トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜と、
前記無機薄膜に、ギャップをあけて対向する樹脂基板と、
前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で、封止領域を囲むように配置され、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定し、前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材と、
前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間で前記封止領域に配置された液晶と、
前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着し、前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対方向に突出する封止材と、
前記無機薄膜の前記樹脂基板とは反対面の端部と、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部とを接合する接着剤と、
を含むことを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜の、前記樹脂基板とは反対側に取りつけられたプラスチック基板をさらに有することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項3】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記接着剤は、前記プラスチック基板に接着することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項4】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記プラスチック基板は、端面が窪む凹部を有し、前記凹部が前記封止材と対向するように位置し、前記プラスチック基板の前記凹部に隣接する端面が、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の前記封止材が接着する前記端面と面一であることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項5】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在するガラス層をさらに有し、
前記接着剤は、前記ガラス層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項6】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜と前記プラスチック基板の間及び前記無機薄膜と前記接着剤の間に介在する樹脂層をさらに有し、
前記接着剤は、前記樹脂層を介して、前記無機薄膜に接合することを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項7】
請求項1に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記無機薄膜の前記液晶と対向する側に配向膜が形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項8】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記樹脂基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項9】
請求項2に記載された液晶表示パネルにおいて、
前記プラスチック基板にカラーフィルタが形成されていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項10】
トランジスタ、電極及び配線を少なくとも構成する無機薄膜が積層されたガラス基板と樹脂基板を、前記無機薄膜が樹脂基板を向くようにギャップをあけて対向させ、前記無機薄膜及び前記樹脂基板の間に、封止領域を囲み前記封止領域への封入口を形成する切れ目を有するシール材を配置し、前記無機薄膜及び前記樹脂基板を固定する工程と、
前記封入口から前記封止領域に液晶を充填する工程と、
封止材を、前記封入口を覆って前記無機薄膜及び前記樹脂基板の端面に接着させる工程と、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去して、前記封止材を前記無機薄膜から前記樹脂基板とは反対の方向に突出させる工程と、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層して、前記無機薄膜を補強する工程と、
接着剤によって、前記封止材の前記無機薄膜からの突出部と前記無機薄膜とを接合する工程と、
を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板の一部からなるガラス層を前記無機薄膜上に残し、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記ガラス層に貼り付け、
前記ガラス層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記無機薄膜と前記ガラス基板の間には樹脂層が介在し、
前記ガラス基板の少なくとも前記無機薄膜とは反対側の表層を除去する工程で、前記ガラス基板を除去して、前記樹脂層を前記無機薄膜上に残し、
前記無機薄膜にプラスチック基板を積層する工程で、前記プラスチック基板を前記樹脂層に貼り付け、
前記樹脂層を介して、前記突出部と前記無機薄膜を前記接着剤によって接合することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載された液晶表示パネルの製造方法において、
前記ガラス基板を、レーザ照射によって前記樹脂層から剥離することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−113000(P2010−113000A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283152(P2008−283152)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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