液晶表示素子の連続製造方法及び装置
【課題】 液晶表示パネルの連続製造において、正常シートのみを矩形パネルとの貼合位置に送り、両者を位置合せして連続的に貼り合せる方法および装置を提供する。
【解決手段】 液晶表示素子の連続製造工程において、帯状フィルム積層体に含まれるキャリアフィルム上に形成された欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートのうち、正常シートは、帯状フィルム積層体の送りと連動させてキャリアフィルムから確実に剥離する一方、不良シートは、キャリアフィルムに貼付けたまま確実に巻き取ることができるようにする。
【解決手段】 液晶表示素子の連続製造工程において、帯状フィルム積層体に含まれるキャリアフィルム上に形成された欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートのうち、正常シートは、帯状フィルム積層体の送りと連動させてキャリアフィルムから確実に剥離する一方、不良シートは、キャリアフィルムに貼付けたまま確実に巻き取ることができるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルを連続的に製造する方法および装置に関する。より詳しくは、粘着層を含む偏光フィルムと該粘着層に剥離自在に積層されたキャリアフィルムとを含む帯状フィルム積層体のキャリアフィルム上に形成された粘着層を含む偏光フィルムの欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートのうち、正常シートのみを矩形パネルとの貼合位置に送り、両者を位置合せして連続的に貼り合せることによって、液晶表示パネルを連続製造する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形パネルに粘着層を含む偏光フィルムの欠点を含まない正常シートのみを連続的に貼り合せることによって液晶表示パネルを連続製造する方法および装置は、既に特許文献1および2に開示されている。
【0003】
特許文献1には、以下の点が開示されている。図12を参照すると、液晶表示素子のための粘着層を含む偏光フィルムと該粘着層に剥離自在に積層されたキャリアフィルムZとを含む帯状フィルム積層体2を供給する帯状フィルム積層体供給装置100において、帯状フィルム積層体2のロール101がフィルム供給装置1に装着され、判定ステーションAの情報読取装置3によって、帯状フィルム積層体2の供給量が算出されるとともに事前検査による偏光フィルムに内在する欠点位置が読み取られる。次に、切断ステーションBにおいて、供給される帯状フィルム積層体2のキャリアフィルムZ上に、読み取られた偏光フィルムYの欠点位置情報に基づき欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXが形成される。最終工程の貼合ステーションDにおいて、形成された偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、正常シートXαの送りに同期して送られた液晶パネルWに連続的に貼り合される。さらに、最終工程に至る前に、排出ステーションCにおいて、形成された偏光フィルムシートXのうち、不良シートXβと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、不良シート排出経路193を経由して、帯状フィルム積層体2から排除される。このようにして、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0004】
特許文献2には、液晶表示素子のための粘着層を含む偏光フィルムに内在する、事前検査によって検出された欠点位置情報に基づき、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZ上に、予め形成された切込線入り帯状フィルム積層体を用いて液晶表示素子を連続的に製造することが開示されている。そのため、これに用いられる帯状フィルム積層体供給装置は、図12の切断ステーションBに相当するステーションを必要としない。この点で、特許文献1および特許文献2に開示されたそれぞれの帯状フィルム積層体は異なるが、貼合ステーションDと排出ステーションCは、いずれも図12に示されたものである。すなわち、最終工程の貼合ステーションDにおいて、偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、正常シートXαの送りに同期して送られた液晶パネルWに連続的に貼り合される。さらに、最終工程に至る前に、排出ステーションCにおいて、偏光フィルムシートXのうち、不良シートXβと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、不良シート排出経路193を経由して帯状フィルム積層体から排除される。このようにして、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0005】
本発明の技術的課題は、特許文献1および2に内在している。本発明の技術的課題の解決手段を明確にする観点から、主に図12を用いて、特許文献1に示される液晶表示素子の連続製造装置全体の制御を概観し、特にキャリアフィルムZから不良シートXβを剥離し、不良シート排出経路193を経由させて、帯状フィルム積層体2から排除する排出ステーションCに内在する技術的課題を詳述する。
【0006】
図12に示される液晶表示素子の連続製造装置全体を制御する制御装置300によって作動される不良シート排除装置190の排出ステーションCにおける具体的動作を詳述すると、以下の通りである。不良シート排除装置190は、切断ステーションBにおいて、切込線によって切断された偏光フィルムの正常シートXαと不良シートXβとを含む偏光フィルムシートXが剥離自在に積層されたキャリアフィルムZ上から正常シートXαと長さの異なる不良シートXβを識別または選別し、あるいは、不良シートとしての識別情報が関連付けられた不良シートXβのみを正常シートXαと識別または選別してキャリアフィルムZ上から剥離し、排除する。
【0007】
図12の排出ステーションCに示される不良シート排除装置190は、制御装置300によって不良シートXβを識別または選別して動作する。
【0008】
具体的には、不良シート排除装置190は、貼合ステーションDにおいて、制御装置300によって動作する一対の貼合ローラ121、122を含む貼合駆動装置12と連動するようにした装置である。すなわち、不良シートXβを貼付剥離する機能を有するダミーフィルム駆動装置191と、ダミーフィルム駆動装置191の不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192とを含み、貼合駆動装置12に近接して配置された不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192を貼合駆動装置12の一方の貼合ローラ122と置換し、他方の貼合ローラ121と連動させるようにしたものである。
【0009】
より具体的には、制御装置300は、貼合ステーションDにおいて、不良シートXβが帯状フィルム積層体2の搬送経路の終点(すなわち排除始点)に到達した際に一対の貼合ローラ121、122を離間させ、貼合駆動装置12を不作動状態にして、その間に不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192を離間された貼合ローラ間の間隙にまで移動させ、移動ローラ192を一方の貼合ローラ122に置換することによって、移動ローラ192と他方の貼合ローラ121とを連動させる。
【0010】
そのときに、断面楔型の剥離板130がキャリアフィルム巻取装置15によって巻き取られる帯状フィルム積層体2に含まれる不良シートXβの先端に相当する裏面位置に当接され、そのことにより、キャリアフィルムZが鋭角に屈曲されて巻き取られるので、不良シートXβは、キャリアフィルムZと一体に巻き取られることはない。ここで剥離された不良シートXβは、貼合ローラ121と連動する移動ローラ192によって、帯状フィルム積層体2の搬送経路とは異なる不良シート排出経路193に貼付けられ、排除される。
【0011】
貼合ステーションDは排出ステーションCを兼ねており、そこには、キャリアフィルムZから断面楔型の剥離板130によって確実に剥離された正常シートXαのみが液晶パネルWと貼り合せるための搬送経路123と、不良シートXβのみを排除のための不良シート排出経路193と、キャリアフィルムZを巻き取るための搬送経路143の3つの搬送経路が用意され、偏光フィルムシートXの正常シートXαおよび不良シートXβとキャリアアフィルムZとは、それぞれの対応する搬送経路を経て送られるか、または排出されるか、あるいは巻き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許4377964号公報
【特許文献2】特許4377965号公報
【特許文献3】特許2633726号公報
【特許文献4】特開2005―271437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαを液晶パネルWに連続的に貼り合せることによって液晶表示素子の連続製造を実現するためには、最終工程に至る前に、帯状フィルム積層体2に含まれる偏光フォルムシートXの不良シートXβを確実に排除しておく必要がある。
【0014】
液晶表示素子が不良シートXβの不完全な排除によって連続製造された場合、生産の歩留まりは当然に悪化する。時間当たりの生産量を犠牲にしないためには、不良品をそのまま処分するしかない。また歩留まりを改善するために、製造された不良品をリワーク作業によって不良シートXβを剥がして液晶パネルWの再利用を図ることになると、液晶表示素子の連続製造工程に続くリワーク作業工程が必須となる。したがって、液晶表示素子の連続製造において、例えば特許文献1および2に示されるダミーフィルム搬送経路193を含む排出ステーションCを設けるなど、最終工程に至る前に,偏光フィルムシートXの不良シートXβを確実に排除するための工程が求められるのである。
【0015】
一方、偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαを液晶パネルWとの貼合位置120に送り、両者の正確な貼り合せを実現させるために、正確なタイミングでキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、剥離される正常シートXαと正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に送られた液晶パネルWとの位置合せが行われ、両者が正確に貼り合される必要がある。正常シートXαの不完全な剥離によって、正常シートXαがキャリアフィルム巻取位置150に向け反転されてキャリアフィルムZと一体に巻き取られることは、あってはならない事態である。
【0016】
キャリアフィルムZは、液晶表示素子を連続製造する工程中に、偏光フィルムの粘着層を保護し、液晶パネルWへの貼合前または貼合時に偏光フィルムシートXが帯状フィルム積層体2から剥離されるときに巻き取り除去されることになる離型フィルムである。帯状フィルム積層体2のキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの正常シートXαの先端が、貼合位置120に正常シートXαの送りに同期して送られる液晶パネルWの先端に達する位置で、キャリアフィルムZのみが断面楔型の剥離板130によって鋭角に屈曲され、巻き取られることによって、正常シートXαがキャリアフィルムZから確実に剥離される。そこで、正常シートXαと液晶パネルWとが位置合せされ、貼合駆動手段12による両者の貼合動作が開始される。
【0017】
装置の簡略化や使用済み材料の廃棄を含む省力化の観点からすると、巻き取り除去される不良シートXβを貼付けたダミーフィルムと巻き取り除去されるキャリアフィルムZとが一体になる、すなわち、ダミーフィルム搬送経路193をキャリアフィルム搬送経路143にすることが合理的であることはいうまでもない。具体的には、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離することなく、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま巻き取り廃棄することができるようにすることである。
【0018】
しかしながら、液晶表示素子を連続的に製造するためには、帯状フィルム積層体2が緩むことなく送られ、偏光フィルムシートXの正常シートXαのみを確実にキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送り、そこで液晶パネルWとの位置合せが行われ、貼合駆動手段12による貼合動作が着実に開始される必要がある。さらには不良シートXβが剥離されることなくキャリアフィルムZと一体に巻き取られる必要がある。それらの動作を保障するためには、装置の各々が連動するように装置全体が少なくとも制御されていなければならない。
【0019】
特許文献3を参照すると、バーコードラベルの良不良を検査し、剥離・非剥離切換手段によって、良不良のうち不良ラベルを台紙に貼付けたまま回収することが記載されている。しかしながら、台紙から良不良のうち良シートのみを剥離して商品にどのように貼り合せるかなどの具体的技術手段は一切示されていない。不良ラベルを台紙に貼付けたまま回収することをもって、帯状フィルム積素体2を構成するキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの欠点のない正常シートXαのみを液晶パネルWに位置合せし貼合駆動手段12による貼合動作が開始できるようにした液晶表示素子の連続製造方法および装置における、欠点を含む不良シートXβの排除機構に適用できないことは、言うまでもないことである。
【0020】
また特許文献4を参照すると、ガラス基板に貼合わせるために搬送シートに添付されたフィルム部材の良不良に応じて剥離用と非剥離用とを選択する切換手段を搬送手段に設け、この切換手段によって表示素子を連続的に製造することが記載されている。しかしながら、この切換手段とは、フィルム部材の良不良に応じて剥離用ナイフエッジと非剥離用の2つの剥離禁止ローラとのいずれかを選択し、2つの剥離禁止ローラ間に剥離用ナイフエッジ出没させるという説明のみで、それ以外の具体的技術手段は、これには開示されていない。
【0021】
切替手段によってフィルム部材の良不良に応じて剥離用と非剥離用とを確実に選択できるかどうかも、これには示されていない。このことは、これが装置全体を構成する手段の各々が連動するように全体をどのように制御されるかなど、具体的技術手段は示されず単なる抽象的概念の提示に過ぎないものであって、帯状フィルム積素体2を構成するキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの欠点のない正常シートXαを液晶パネルWに位置合せを行い、貼合駆動手段12による貼合動作が開始できるようにした液晶表示素子の連続製造に、これを適用できるものではないことを示すものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した技術的課題は、帯状フィルム積層体2に含まれるキャリアフィルムZ上に形成された欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXのうち、液晶表示素子の連続製造工程における最終工程に至る前に、帯状フィルム積層体2の送りと連動させて正常シートXαをキャリアフィルムZから確実に剥離する一方、不良シートXβに対しては、キャリアフィルムZに貼付けたまま確実に巻き取ることができるようにすることによって、解決される。
【0023】
本発明の実施態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、貼合駆動手段12を作動させ、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離手段13を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした、以下のステップを含む液晶表示素子を連続的に製造する方法である。
【0024】
それは、少なくとも剥離手段13の上流側に配された第1のフィルム供給手段11と剥離手段13の下流側に配された第2のフィルム供給手段14とを連動させ、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るステップと、帯状フィルム積層体2の送りに関連付けられた判定手段3を作動させ、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するステップとを含む。
【0025】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りに連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップと、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動手段12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間で略三角形を形成するように位置付けられた剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給手段11の巻戻しと第2のフィルム供給手段14の送りとを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るステップとを含む。
【0026】
第1実施態様において、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成する剥離手段13として、正常シートXαのキャリアフィルムZからの剥離を容易になし得るように、略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板130を用いることが好ましい。
【0027】
第1実施態様において、帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される剥離手段13はまた、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間で略三角形を形成するように位置付けられた前進位置から、その略三角形が第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14とを結ぶ直線になる後退位置まで、少なくとも往復動自在になるように構成されることが好ましい。
【0028】
第1実施態様において、判定手段3によって、不良シートXβに続く粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときには、キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が後退位置にある剥離手段13の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、剥離手段13を前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給手段11の送りと第2のフィルム供給手段14の巻戻しとを連動させて吸収し、剥離手段13が再び、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられると、貼合駆動手段12を再び作動させ、帯状フィルム積層体2の送りを再開させ、剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りと連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップをさらに含むことができる。
【0029】
本発明の第2の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離装置13を介して、キャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置である。
【0030】
それは、少なくとも帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るための互いに連動して作動する、剥離装置13の上流側に配された第1のフィルム供給装置11と剥離装置13の下流側に配された第2のフィルム供給装置14とを含む帯状フィルム積層体供給装置100と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するための、帯状フィルム積層体供給装置100による帯状フィルム積層体2の送りに関連付けて作動される判定装置3と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかが判定されたときに、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を、正常シートXαの剥離位置に前進させるかまたは帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させるための、位置調整装置133とを含む。
【0031】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を経由させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるための、帯状フィルム積層体2の送りと連動する貼合駆動装置12と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動装置12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、位置調整装置133によって、剥離装置13を帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給装置11の巻戻しと第2のフィルム供給装置14の送りとを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るための、帯状フィルム積層体2の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置15と、各装置の各々を連動して作動させる制御装置300とを含む。
【0032】
第2実施態様において、剥離装置13は、帯状フィルム積層体供給装置100に含まれる第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように、断面楔型の剥離板130とすることが好ましい。
【0033】
第2実施態様において、位置調整装置133は、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、剥離装置13を第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成する前進位置と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、剥離装置13を前進位置において形成された略三角形が少なくとも第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14とを結ぶ直線になる後退位置との間を往復動自在にするための、ガイドレール135を含む駆動装置134を含むことができる。
【0034】
本発明の第3の実施態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、貼合駆動手段12を作動させ、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する固定剥離手段13´を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした、以下のステップを含む液晶表示素子を連続的に製造する方法である。
【0035】
それは、固定剥離手段13´の上流側に配された第1のフィルム供給手段11´と固定剥離手段13´の下流側に配された第2のフィルム供給手段14´とを連動させ、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るステップと、帯状フィルム積層体2の送りに関連付けられた判定手段3を作動させ、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するステップとを含む。
【0036】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離手段13´を帯状フィルム積層体2の送りに連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップと、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動手段12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で略三角形を形成する固定剥離手段13´に代替するように、断面円弧状面を有する反転手段16を、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離手段13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給手段11´の送りと第2のフィルム供給手段14´の停止とを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、反転手段16の断面円弧状面に沿うように不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るステップとを含む。
【0037】
第3実施態様において、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形の頂点を形成する固定剥離手段13´として、正常シートXαのキャリアフィルムZからの剥離を容易になし得るように、固定された断面楔型の剥離板130´を用いることが好ましい。
【0038】
第3実施態様において、固定剥離手段13´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動を解除する反転手段16は、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で、固定剥離手段13´によって形成される略三角形を含む形状となる前進位置から、反転手段16の断面円弧状面が帯状フィルム2の裏面から少なくとも離れる後退位置との間で、往復動自在になる構成とすることが好ましい。
【0039】
第3実施態様において、判定手段3によって、不良シートXβに続く粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときには、キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が固定剥離手段13´の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、反転手段16を帯状フィルム2の裏面から少なくとも離れる位置まで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給手段11´の巻戻しと第2のフィルム供給手段14´の停止とを連動させて吸収し、固定剥離手段13´が再び、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成すると、貼合駆動手段12を再び作動させ、帯状フィルム積層体2の送りを再開させ、固定剥離手段13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップをさらに含むことができる。
【0040】
第3実施態様において、反転手段16の断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにする、偏光フィルムシートXの厚みと、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしてもよい。
【0041】
第3実施態様においては、反転手段16が帯状フィルム積層体2の送りと連動するときに、反転手段16を、帯状フィルム積層体2を反転させる位置において、反転手段16の断面円弧状面に対応する面を有する支持手段163と連動させ、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにすることもできる。
【0042】
本発明の第4の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する固定剥離装置13´を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置である。
【0043】
それは、少なくとも帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るための互いに連動して作動する、固定剥離装置13´の上流側に配された第1のフィルム供給装置11´と固定剥離装置13´の下流側に配された第2のフィルム供給装置14´とを含む帯状フィルム積層体供給装置100´と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するための、帯状フィルム積層体供給装置100´による帯状フィルム積層体2の送りに関連付けて作動される判定装置3と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかが判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´に代替する断面円弧状面を有する反転装置16を、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間で固定剥離装置13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで帯状フィルム積層体2の裏面に当接して前進させるかまたは帯状フィルム積層体2の裏面から離れる帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させるための、位置調整装置160とを含む。
【0044】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を経由させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるための、帯状フィルム積層体2の送りと連動する貼合駆動装置12と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動装置12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、位置調整装置160によって、反転装置16を第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間で、少なくとも固定剥離装置13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給装置11´の送りと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、反転手段16の断面円弧状面に沿うように不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るための、帯状フィルム積層体2の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置15と、各装置の各々を連動して作動させる制御装置300´とを含む。
【0045】
第4実施態様において、固定剥離装置13´として、帯状フィルム積層体供給装置100´に含まれる第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように固定された断面楔型の剥離板130´を用いることが好ましい。
【0046】
第4実施態様において、位置調整装置160は、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させるように、帯状フィルム積層体2の裏面と少なくとも離れる後退位置と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させないように、固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含む形状となる位置にまで帯状フィルム積層体2の裏面に接して前進する前進位置との間を往復動自在にするための、ガイドレール162を含む駆動装置161を含むことができる。
【0047】
第4実施態様において、反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにする、偏光フィルムシートXの厚みと、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしてもよい。
【0048】
第4実施態様において、反転装置16が帯状フィルム積層体2の送りと連動するときに、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないように、帯状フィルム積層体2を反転させる位置において、反転装置16の断面円弧状面に対応するように支持装置163をさらに配するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施態様に係る、装備された帯状フィルム積層体のロールから連続ウェブの帯状フィルム積層体を供給するための帯状フィルム供給駆動装置、および、帯状フィルム積層体の幅方向の切込線によって形成された偏光フィルムシートの欠点を含まない正常シートを液晶パネルに貼り合せるための、液晶パネル搬送装置と貼合駆動装置を含む、液晶表示素子の連続製造装置を表す概念図である。
【図2】図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置における各製造工程すなわち製造ステップを表すフロー図である。
【図3】図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す模式図である。
【図4】図3に示す基本型ステップ(a)〜(f)のバリエーションの一形態を用いた剥離・排出ステップを表す模式図である。
【図5】本発明の他の実施態様に係る、装備された帯状フィルム積層体のロールから連続ウェブの帯状フィルム積層体を供給するための帯状フィルム積層体供給装置、および、帯状フィルム積層体の幅方向の切込線によって形成された偏光フィルムシートの欠点を含まない正常シートを液晶パネルに貼り合せるための、液晶パネル搬送装置と貼合駆動装置を含む、液晶表示素子の連続製造装置を表す概念図である。
【図6】図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置における各製造工程すなわち製造ステップを表すフロー図である。
【図7】図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す模式図である。
【図8】図7に示す基本型ステップ(a)〜(f)のバリエーションの一形態を用いた剥離・排出ステップを表す模式図である。
【図9】基材の厚みと基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき反転装置の断面円弧状面の曲率半径Rを決定するための、実験系の1例を表す図である。
【図10】各々50mm幅の3種類の厚みを有する粘着層付き基材をサンプルとした実験結果を表した表である。
【図11】図10の結果に基づいて、粘着層付きの基材厚みと剥離しない限界Rとの関係をプロットしたグラフである。
【図12】判定ステーションAの判定装置によって読み取られた帯状フィルム積層体の偏光フィルムの欠点位置情報に基づき、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートを形成するための、切断ステーションBを有する特許文献1に示された液晶表示素子の連続製造装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(液晶表示素子の連続製造装置の概要)
本発明には、帯状フィルム積層体供給装置100または100´の一部に内蔵されたエンコーダによって算出される帯状フィルム積層体2の供給量と、判定ステーションAの情報読取装置によって読み取られた、事前検査による偏光フィルムの欠点位置に基づき演算された幅方向の切込線によりキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXを含む帯状フィルム積層体2を用いた液晶表示素子を連続製造する方法および装置と、他の方法および装置とがある。前者の方法および装置に関する発明の実施態様は、図1〜図4を用い、また後者の方法および装置関する発明の実施態様は、図5〜図11を用いて、詳述する。
【0051】
なお、事前検査によって検出された粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点位置情報に基づき、予め粘着層を含む偏光フィルムシートがキャリアフィルム上に形成された切込線入り帯状フィルム積層体を用いた、切断ステーションBを必要としない液晶表示素子の連続製造する方法および装置も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0052】
図1〜図4は、本発明の方法および装置に関する第1または第2の態様を説明するための模式図および製造ステップのフロー図等である。また図5〜図11は、本発明の他の方法および装置に関する第3または第4の態様を説明するための模式図および製造ステップのフロー図等である。なお、特許文献1に示された液晶表示素子の連続製造装置の概念図を表す図12を含め、これらの図に表す構成に差異がない手段または装置については、同一符号を用い、構成上に差異のある対応する手段または装置に対しては、「´記号」を用いることとした。
【0053】
図1または図5を参照されたい。両者に共通する構成は、以下の通りである。帯状フィルム積層体供給装置100または100´は、帯状フィルム積層体2のロール101が回転自在に装着させたフィルム供給装置1を含む。フィルム供給装置1には帯状フィルム積層体2の供給量を算出するためのエンコーダ(図示せず)を含むことができる。
【0054】
帯状フィルム積層体供給装置100または100´はさらに、帯状フィルム積層体2の偏光フィルムに内在する欠点位置に基づく切断位置情報を読み取るための判定装置3が配備された判定ステーションA、帯状フィルム積層体2を供給するために適宜設けられたフィードローラを含むフィルム供給装置4および9、判定装置3によって読み取られた切断位置情報に基づき帯状フィルム積層体2の送り方向に対して幅方向に、キャリアフィルムZの反対側からキャリアフィルムZの粘着層の側の面に達する深さまで、帯状フィルム積層体2に切り込みを入れて切込線を形成するための切断装置6と適宜設けられた切込線形成位置および該切込線位置を確認するための切断位置確認装置7および8とが配備された切断ステーションB、および、一定速度のフィルム供給のためのアキュームローラを含む速度調整装置5および10、および、帯状フィルム積層体2を巻き取るためのキャリアフィルム巻取装置15または15´を含む。
【0055】
速度調整装置5および10は、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、帯状フィルム積層体2の張力を一定に維持する際に必要とされる帯状フィルム積層体2の巻戻しまたは送りを可能とする機能を有する。キャリアフィルム巻取装置15または15´にも同様の機能が付与されている。
【0056】
さらに図1または図5を参照すると、正常シートXαがキャリアフィルムZから剥離され、液晶パネルWとの貼合位置120に送られると、正常シートXαの送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に順次搬送させるための液晶パネル搬送装置200、および、液晶パネルWに正常シートXαを貼り合せるための貼合駆動装置12は、両者に共通する構成である。
【0057】
液晶パネル搬送装置200は、液晶パネルWを収容するための液晶パネルマガジン201、液晶パネルマガジン201から順次排出される液晶パネルWの搬送用ローラ202、液晶パネルWの姿勢を調整するための位置調整ガイド203、貼合位置120に液晶パネルWを順次搬送するための搬送装置204を含む。順次搬送される液晶パネルWは、制御装置300または300´により、貼合位置120に送られる正常シートXαに同期して貼合位置120に搬送され、位置合せされる。
【0058】
また貼合駆動装置12は、同じく制御装置300または300´によって動作する一対の貼合ローラ121、122を含む。貼合位置120においては、剥離された正常シートXαとそれと同期して送られた液晶パネルWとは、位置合せされながら、一対の貼合ローラ121、122によって、圧着貼合される。また、不良シートXβが帯状フィルム積層体2の搬送経路の終点(すなわち剥離位置)に到達した際には、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルムZと一体にキャリアフィルム巻取位置150に送られるようにする。そのため、一対の貼合ローラ121、122を離間させることにより貼合駆動装置12を不作動にしておくことが好ましい。
【0059】
帯状フィルム積層体供給装置100または100´はさらに、両者に共通するが、それぞれが異なる構成を有するものとして、キャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXのうち、欠点を含まない正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離させるための剥離装置13または固定剥離装置13´、剥離装置13の位置を調整するための位置調整装置133または固定剥離装置13´に代替する反転手段16の位置を調整するための位置調整装置160、および、送り/停止/巻戻しの動作を適宜選択して帯状フィルム積層体2を緩むことなく、一定の張力を維持させるための第1のフィルム供給装置11または11´と第2のフィルム供給装置14または14´とが配備された剥離・排出ステーションCを含む。
【0060】
本発明の実施形態としては、偏光フィルムシートXの剥離・排出ステーションCにおいて、以下の2つの形態があり得る。第1の形態は、図1〜図4に示す、往復動自在に構成した剥離手段または装置13が用いられたものである。第2の形態は、図5〜図11に示す、固定剥離手段または装置13´と関連付けられた反転手段または装置16が用いられたものである。
【0061】
図3は、図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す、すなわち第1の形態を説明するための模式図である。この基本型ステップのバリエーションの一形態を表した剥離・排出ステップが図4である。往復動自在に構成された剥離装置13(以下、「剥離装置13」という。)が帯状フィルム積層体供給装置100の送りと連動しているときは、剥離装置13は、帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接し、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる。これが図3(a)または図4(a)の模式図である。図4(a)は、正常シートXαがキャリアフィルムZからより確実に剥離されるように、剥離装置13の上流側および下流側に案内ロール131および132を配し、帯状フィルム積層体2がより鋭角に折り曲げられるようにした、図3(a)のバリエーションの一形態である。以下、図3に基づいて、剥離・排出動作を詳述する。
【0062】
図3(a)は、キャリアフィルムZ上の偏光フィルムシートXが、正常シートXαから不良シートXβに切り替る場合を想定した模式図である。具体的には、図3(a)は、制御装置300の指令に基づき、剥離装置13を構成する断面楔型の剥離板130が、送り/停止/巻戻しを適宜選択し得る第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14の間を底辺とする略三角形を形成する頂点に位置付られており、帯状フィルム積層体2の送りに連動してキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、貼合位置120に送られた直後を表す。
【0063】
図3(a)はあくまで基本型であって、剥離装置13との間で略三角形を形成するために、例えば、第1のフィルム供給装置11の直後に配した案内ロールと第2のフィルム供給装置14の直前に配した案内ロール(いずれも図示せず)との間を底辺とする略三角形を形成する剥離装置13とする他のバリエーションも想定できることは、言うまでないことである。
【0064】
図3(a)はさらに、正常シートXαに続く偏光フィルムシートXが不良シートXβに切り替わっている状態を表している。この状態の直前まで、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体2の送りとの連動によって、キャリアフィルムZから正常シートXαが剥離されながら、キャリアフィルムZのみが巻き取られる。これが図3(a)の状態である。
【0065】
図3(b)は、剥離装置13が帯状フィルム積層体2の送りと連動が解除された直後を表す。具体的には、制御装置300の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体供給装置とが一旦停止する。そのため、帯状フィルム積層体2の送りが停止される。また正常シートXαと液晶パネルWとの貼合動作が完了し、そのことにより、液晶パネル搬送措置200が停止し、貼合駆動装置12も停止する。
【0066】
このときには、制御装置300の指令に基づき、剥離装置13を往復動自在に構成する位置調整装置133が作動を開始する。具体的には、不良シートXβの先端に相当するキャリアフィルムZの裏面に鋭角に当接している剥離装置13を構成する断面楔型の剥離板130は、駆動装置134の作動により、ガイドレール135に沿って後退を開始する。
【0067】
それと同時に、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置が、帯状フィルム積層体供給装置100およびキャリアフィルム巻取装置15と連動し、第1のフィルム供給装置11の巻戻し動作と第2のフィルム供給装置14の送り動作とによって、剥離装置13の後退動作にともなう帯状フィルム積層体2の緩みを吸収する。そのことにより、帯状フィルム積層体2の張力を一定に維持し、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離板130の先端を不良シートXβの先端位置に保ちながら、剥離装置13の後退動作が継続される。
【0068】
図3(c)は、剥離装置13の後退動作が終了したときを表す。すなわち、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させる。それは、略三角形が消滅し、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間が少なくとも直線になる位置にまで後退させることであり、そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りが再開することができる状態となる。
【0069】
図3(d)は、制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け、好ましくは不良シートXβの長さまたはそれに至らない程度の長さだけ、不良シートXβがキャリアフィルムZと一体に巻き取られる。このときに、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体供給装置との連動による帯状フィルム積層体2の送りが再び停止される。そのことにより、後退位置にある剥離装置13の断面楔型の剥離板130の先端は、キャリアフィルムZに貼付けられた不良シートXβの後端に位置した状態になる。
【0070】
図3(e)は、判定装置3によって、不良シートXβに続く偏光フィルムシートが正常シートXαに切り替る場合を想定した模式図である。キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が後退位置の剥離装置13の断面楔型の剥離板130の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが停止し、駆動装置134によって剥離装置13がガイドレール135に沿い前進を開始する。剥離装置13の前進動作により、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形が徐々に形成される。そのことによる帯状フィルム積層体2に生じる張りは、第1のフィルム供給装置11の送りと第2のフィルム供給装置14の巻戻しとを連動させ、吸収される。このときの剥離板130の先端は、正常シートXαを噛みこまないキャリアフィルムZの裏面に位置するように制御されるのが好ましい。
【0071】
図3(f)は、剥離装置13が再び、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる場合を想定した模式図である。制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが再開される。それと同時に、解放された状態の一対に貼合ローラ121および122が閉じ、貼合駆動装置12が再稼働する。剥離装置13が帯状フィルム積層体2の送りと連動することにより、正常シートXαがキャリアフィルムZ上から剥離され、貼合位置120に送られる。その一方で、液晶パネル搬送装置200が再稼働し、正常シートXαの送りに同期させて貼合位置120に液晶パネルWが送られ、そこで圧着貼合が行われ、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0072】
図3(a)〜(f)の一連の動作は、図2に示した各ステップに基づき説明することができる。制御装置300の指令に基づき、図1に示したフィルム供給装置1により帯状フィルム積層体2が供給されると、ステップ1において、粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点情報が読み取られる。情報処理装置301において、読み取られた欠点位置情報が処理され、切込線位置が演算される。それに基づいて帯状フィルム積層体2に正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかの切込線が形成される。これがステップ2である。これらの切込線によって形成された正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかが、ステップ3において、判定装置3によって読み取られる。ステップ4〜9は、ステップ3において不良シートXβと判定されたときに、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたままキャリアフィルムZと一体に処理する動作を担う一連のステップである。このときには、貼合駆動装置12および液晶パネル搬送装置200が停止されていることが好ましい。
ステップ10〜13は、ステップ3において正常シートXαと判定されたときに、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送るまでの一連の動作を表し、ステップ14〜16は、正常シートXαの貼合位置120への送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に送る一連のステップを表している。
【0073】
本発明の実施形態としては、偏光フィルムシートXの剥離・排出ステーションCにおいて、第1の形態が往復動自在に構成された剥離手段または装置13を用いたものであるのに対して、第2の形態が往復動自在に構成された反転手段または装置16が用いられたものである。第2の形態は、図5〜図11に示すように、反転手段または装置16が固定された剥離手段または装置13´と関連付けられている。
【0074】
図7は、図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す、すなわち第2の形態を説明するための模式図である。この基本型ステップのバリエーションの一形態を表した剥離・排出ステップが図8である。往復動自在に構成された反転装置16(以下、「反転装置16」という。)が帯状フィルム積層体供給装置100の送りとの連動が解除されているときは、固定された剥離装置13´(以下、「固定剥離手段13´」という。)は、帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接し、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる。これが図7(a)または図8(a)の模式図である。図8(a)は、正常シートXαがキャリアフィルムZからより確実に剥離されるように、固定剥離装置13´の上流側および下流側に案内ロール131および132を配し、帯状フィルム積層体2がより鋭角に折り曲げられするようにした、図7(a)のバリエーションの一形態である。以下、図7に基づいて、剥離・排出動作を詳述する。
【0075】
図7(a)は、キャリアフィルムZ上の偏光フィルムシートXが、正常シートXαから不良シートXβに切り替る場合を想定した模式図である。具体的には、図7(a)は、制御装置300´の指令に基づき、固定剥離装置13´を構成する断面楔型の剥離板130´が、送り/停止/巻戻しを適宜選択し得る第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´の間を底辺とする略三角形を形成する頂点に位置付けられ、そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りに連動してキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、貼合位置120に送られた直後を表す。
【0076】
図7(a)はあくまで基本型であって、固定剥離装置13´との間で略三角形を形成するために、例えば、第1のフィルム供給装置11´の直後に配した案内ロールと第2のフィルム供給装置14´の直前に配した案内ロール(いずれも図示せず)との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´とする他のバリエーションも想定できることは、言うまでない。
【0077】
図7(a)はさらに、正常シートXαに続く偏光フィルムシートXが不良シートXβに切り替わっている状態を表している。この状態の直前まで、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動によって、キャリアフィルムZから正常シートXαが剥離されながら、キャリアフィルムZのみが巻き取られる。これが図7(a)の状態である。後述される反転装置16が後退位置にあって、帯状フィルム積層体2の送りとは連動していない。すなわち反転装置16は、帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除された状態にある。
【0078】
図7(b)は、固定剥離装置13´と帯状フィルム積層体2の送りと連動が解除された直後を表す。具体的には、制御装置300´の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´とが一旦停止する。そのため、帯状フィルム積層体2の送りが停止される。また正常シートXαと液晶パネルWとの貼合動作が完了し、そのことにより、液晶パネル搬送措置200および貼合駆動装置12は、ともに停止する。
【0079】
このときには、制御装置300´の指令に基づき、断面円弧状面を有する反転装置16を往復動自在に構成する位置調整装置160が作動を開始する。具体的には、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´に代替する断面円弧状面を有する反転装置16を、位置調整装置160を構成する駆動装置161によって、好ましくは固定剥離装置13´の楔型の剥離板130´の側面に近接して配されたガイドレール162に沿って、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含む形状となる位置にまで、帯状フィルム積層体2の裏面に当接して前進させる。
【0080】
反転装置16の前進動作により生じる帯状フィルム積層体2の張りは、第1のフィルム供給装置11´の送りと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させて吸収される。そのことにより、帯状フィルム積層体2の張力は一定に維持され、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する反転装置16の断面円弧状面を不良シートXβが位置する帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接させながら、反転装置13の前進動作が継続される。それと同時に、制御装置300´の指令に基づき、停止された貼合駆動装置12を構成する一対の貼合ローラを離間させ、その間隙に前進する反転装置16を位置付け、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含むような形状にする。これが図7(c)の状態である。
【0081】
図7(c)は、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転装置16の断面円弧状面に沿うように反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβを送る直前を想定した模式図である。すなわち、反転装置16の前進動作が終了したときを表す。より具体的には、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた固定剥離装置13´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで、反転装置16を前進させた状態を表す。これはまた、固定剥離装置13´により形成された略三角形が、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする反転装置16の断面円弧上面を頂点とするより大きな略三角形によって取り込まれた状態を表す。そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りが再開することができる状態になる。
【0082】
図7(d)は、制御装置300´の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´との連動による帯状フィルム積層体2の送りにより、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け、不良シートXβがキャリアフィルムZと一体に巻き取られる。このときのキャリアフィルムZの送り量は、不良シートXβの送り方向の長さかまたはそれより短い長さであることが好ましい。
【0083】
このときに、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´との連動による帯状フィルム積層体2の送りが再び停止される。そのことにより、反転装置16の断面円弧上面を頂点とするより大きな略三角形によって取り込まれた状態にある固定剥離装置13´の断面楔型の剥離板130´の先端は、キャリアフィルムZに貼付けられた不良シートXβの後端に位置した状態になる。
【0084】
図7(e)は、判定装置3によって、不良シートXβに続く偏光フィルムシートが正常シートXαに切り替る場合を想定した模式図である。キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が固定剥離装置13´の固定された断面楔型の剥離板130´の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、制御装置300´の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが再度停止し、駆動装置161によって反転装置16がガイドレール162に沿い後退を開始する。反転装置16の後退動作により、固定剥離装置13´が再び、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を徐々に形成する。そのことによる帯状フィルム積層体2に生じる弛みは、第1のフィルム供給装置11´の巻戻しと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させ、吸収される。
【0085】
図7(f)は、固定剥離装置13´が再び、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる場合を想定した模式図である。制御装置300´の指令に基づき、固定剥離装置13´による略三角形の形成が完了すると、反転装置16と帯状フィルム積層体2との連動が解除される。帯状フィルム積層体2の送りが再開されると同時に、解放された状態の一対に貼合ローラ121および122が閉じ、貼合駆動装置12が再稼働する。固定剥離装置13´が帯状フィルム積層体2の送りと連動することにより、正常シートXαがキャリアフィルムZ上から剥離され、貼合位置120に送られる。その一方で、液晶パネル搬送装置200が再稼働し、正常シートXαの送りに同期させて貼合位置120に液晶パネルWが送られ、そこで圧着貼合せが行われ、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0086】
(反転装置16の断面円弧状面の曲率半径R)
帯状フィルム積層体2は、少なくとも偏光フィルムシートXとキャリアフィルムZと両者を剥離自在にする偏光フィルムシートXに貼付けられる粘着層Nとからなる。キャリアフィルムZに形成された正常シートXαと不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXのうち、断面円弧状面を有する反転装置16、具体的には、図5に見た反転装置16が有する断面円弧状面に接するキャリアフィルムZの裏面に相当する位置に剥離自在に積層された粘着層付きの不良シートXβが、キャリアフィルムZに貼付けられたまま、一体に巻き取られる必要がある。これは、反転装置の断面円弧状面の曲率半径Rと、粘着層Nを有しない偏光フィルムシートXの厚みと、粘着層Nに対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係によって、剥離されるかどうかが決まる。以下、粘着層Nを有しない偏光フィルムシートXは、実験系において、「基材」という。
【0087】
反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rは、基材の厚みと基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき決定される。以下に相対関係の1例を示す。図9に実施した実験系を示す。
【0088】
図9の左図に示すように、長尺のキャリアフィルムZに、キャリアフィルムZより短い長さの粘着層付き基材を剥離自在に積層した帯状フィルム積層体を、先端に剥離点となる曲率半径Rの断面円弧状面を有する反転装置16にキャリアフィルムZの裏面側を当接させ、キャリアフィルムZと粘着層付き基材が積層されている部分と、キャリアフィルムZのみの部分の境界が、断面円弧状面を有する反転装置の断面円弧状面の頂部よりも上流側に位置するように巻きかけ、断面円弧状面を有する反転装置16の2面の内、裏面側に当接するキャリアフィルムZのみの部分の端部をガイドロールで折り返し、上方に一定速度で引き上げる。
【0089】
そのことにより、図9の右図に示すように、キャリアフィルムZと粘着層付き基材が積層されている部分とキャリアフィルムZのみの部分の境界が断面円弧状面を有する反転装置16の断面円弧状面の頂部に達すると、基材の曲げ剛性の反力と基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との大きさ、すなわちRの大小関係によって、剥離する場合と、剥離できない場合とが発生する。断面円弧状面を有する反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rを種々変更した場合の、剥離点における基材が剥離するかどうかの可否を検証した。
【0090】
図10を参照されたい。基材が剥離するかどうかの可否判断は、確実に剥離したものと、剥離した粘着層付き基材がキャリアフィルムに引っ張られ、斜め上方に向けて剥離した不完全剥離のものと、剥離しなかったものとで判断した。それが図10に示す実験結果である。実験で用いた基材は、剛性(厚み)の違いに着目して、日東電工(株)製偏光板のVEGQ1723NTB(厚み213μm)、CIG1484CVAG350(厚み131μm)、三菱樹脂(株)製PETのT−390(38μm)の3種類の、各々50mm幅のサンプルを用いた。ただし、厚みは、粘着層を有しない偏光フィルムの数値である。なお、曲げ剛性は基材の弾性率から算出されるが、一般に液晶表示素子に用いられるフィルムは合成樹脂製であり、それらの弾性率に大きな違いはない。そのため曲げ剛性の大小は、ほぼ厚みで決定される。
【0091】
実験には張力をかけるために、図9に示すように帯状フィルム積層体の下端に1kg/50mmの錘を付した。
粘着層に対する基材のキャリアフィルムZの180°ピール剥離力は、0.05〜0.15[N/50mm]のものを用いた。
また、実験において搬送速度は、0.6[m/min]で実施した。
各基材厚みに対する剥離できなかったR[mm]を1mm〜25mmの間でプロットした。
【0092】
図10から明らかなように、厚み213μmの基材についてみると、曲率半径Rが22.5mm以下では剥離可能であるが、25.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。また厚み131μmの基材についてみると、7.5mm以下では剥離可能でありが、10.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。さらにまた厚み38μmの基材についてみると、1.5mm以下では剥離可能でありが、2.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。図13は、基材厚みと剥離しない限界Rとの関係を表したものである。すなわち図11に示すラインを境に上側領域にある粘着層付き基材は、剥離できないものである。一方、下側領域にある粘着層付き基材は、剥離することができるものである。すなわち、このラインが剥離可否ラインになる。
【0093】
(断面円弧状面を有する反転部材に対応する凹面支持部)
反転装置16の断面円弧状面に対応する第2または第3の実施形態の凹面支持部163は、図7(d)に示すように、反転装置16の断面円弧状面と帯状フィルム積層体2の送りと連動するときには、反転装置16の断面円弧状面に対応する位置で、キャリアフィルムZと一体に不良シートXβを挟持状態で送られるようにする。これは、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力を僅かに小さめに設定しておく、すなわち剥離しやすくしておくことが好ましく、そのことによる不用意な不良シートXβの剥離を回避するためのものである。
【0094】
図7(a)〜(f)の一連の動作は、図6に示した各ステップに基づき説明することができる。制御装置300´の指令に基づき、図5に示したフィルム供給装置1により帯状フィルム積層体2が供給されると、ステップ1において、粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点情報が読み取られる。情報処理装置301´において、読み取られた欠点位置情報が処理され、切込線位置が演算される。それに基づいて帯状フィルム積層体2に正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかの切込線が形成される。これがステップ2である。これらの切込線によって形成された正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかが、ステップ3において、判定装置3によって読み取られる。ステップ4〜9は、ステップ3において不良シートXβと判定されたときに、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたままキャリアフィルムZと一体に処理する動作を担う一連のステップである。このときには、貼合駆動装置12および液晶パネル搬送装置200が停止されていることが好ましい。ステップ10〜13は、ステップ3において正常シートXαと判定されたときに、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送るまでの一連の動作を表し、ステップ14〜16は、正常シートXαの貼合位置120への送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に送る一連のステップを表している。
【0095】
以上見てきたように、本発明の方法および装置において、手段または装置の各々が連動するように全体が制御させることによって、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、確実に供給する。このことは、帯状フィルム積層体2の送りに弛みや張りを生じさせることがない。すなわち帯状フィルム積層体2にねじれやからみを発生させない。また偏光フィルムシートXの位置ずれも発生しない。そのことにより、偏光フィルムシートXの正常シートXαのみを確実にキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置に送り、そこで、液晶パネルWとの位置合せを行い、貼合動作を着実に開始して液晶表示素子を連続製造できるようにしたことを明らにした。当然のことであるが、このことはまた、偏光フィルムシートXの不良シートXβがキャリアフィルムZから剥離することなく、確実にキャリアフィルムZと一体に巻き取ることができるようにしたことを明らかにした。
【符号の説明】
【0096】
1 フィルム供給装置
2 帯状フィルム積層体
3 判定装置
4 フィルム供給装置
5 速度調整装置
6 切断装置
7 切断位置確認装置
8 切断位置確認装置
9 フィルム供給装置
10 速度調整装置
100、100´ 帯状フィルム積層体供給装置
11、11´ 第1のフィルム供給装置
12 貼合駆動装置
121、122 貼合ローラ
13 剥離装置
13´固定剥離装置
130 断面楔型の剥離板
130´固定された断面楔型の剥離板
131 上流側案内ローラ
132 下流側案内ローラ
133 位置調整装置
134 駆動装置
135 ガイドレール
14、14´ 第2のフィルム供給装置
15、15´ キャリアフィルム巻取装置
16 反転装置
160 位置調整装置
161 駆動装置
162 ガイドレール
163 支持装置
200 液晶パネル供給装置
201 液晶パネルマガジン
202 搬送用ローラ
203 位置調整ガイド
204 搬送装置
300、300´ 制御装置
301、301´情報処理装置
302、302´記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルを連続的に製造する方法および装置に関する。より詳しくは、粘着層を含む偏光フィルムと該粘着層に剥離自在に積層されたキャリアフィルムとを含む帯状フィルム積層体のキャリアフィルム上に形成された粘着層を含む偏光フィルムの欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートのうち、正常シートのみを矩形パネルとの貼合位置に送り、両者を位置合せして連続的に貼り合せることによって、液晶表示パネルを連続製造する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形パネルに粘着層を含む偏光フィルムの欠点を含まない正常シートのみを連続的に貼り合せることによって液晶表示パネルを連続製造する方法および装置は、既に特許文献1および2に開示されている。
【0003】
特許文献1には、以下の点が開示されている。図12を参照すると、液晶表示素子のための粘着層を含む偏光フィルムと該粘着層に剥離自在に積層されたキャリアフィルムZとを含む帯状フィルム積層体2を供給する帯状フィルム積層体供給装置100において、帯状フィルム積層体2のロール101がフィルム供給装置1に装着され、判定ステーションAの情報読取装置3によって、帯状フィルム積層体2の供給量が算出されるとともに事前検査による偏光フィルムに内在する欠点位置が読み取られる。次に、切断ステーションBにおいて、供給される帯状フィルム積層体2のキャリアフィルムZ上に、読み取られた偏光フィルムYの欠点位置情報に基づき欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXが形成される。最終工程の貼合ステーションDにおいて、形成された偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、正常シートXαの送りに同期して送られた液晶パネルWに連続的に貼り合される。さらに、最終工程に至る前に、排出ステーションCにおいて、形成された偏光フィルムシートXのうち、不良シートXβと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、不良シート排出経路193を経由して、帯状フィルム積層体2から排除される。このようにして、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0004】
特許文献2には、液晶表示素子のための粘着層を含む偏光フィルムに内在する、事前検査によって検出された欠点位置情報に基づき、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZ上に、予め形成された切込線入り帯状フィルム積層体を用いて液晶表示素子を連続的に製造することが開示されている。そのため、これに用いられる帯状フィルム積層体供給装置は、図12の切断ステーションBに相当するステーションを必要としない。この点で、特許文献1および特許文献2に開示されたそれぞれの帯状フィルム積層体は異なるが、貼合ステーションDと排出ステーションCは、いずれも図12に示されたものである。すなわち、最終工程の貼合ステーションDにおいて、偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、正常シートXαの送りに同期して送られた液晶パネルWに連続的に貼り合される。さらに、最終工程に至る前に、排出ステーションCにおいて、偏光フィルムシートXのうち、不良シートXβと判定された偏光フィルムシートXがキャリアフィルムZから剥離され、不良シート排出経路193を経由して帯状フィルム積層体から排除される。このようにして、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0005】
本発明の技術的課題は、特許文献1および2に内在している。本発明の技術的課題の解決手段を明確にする観点から、主に図12を用いて、特許文献1に示される液晶表示素子の連続製造装置全体の制御を概観し、特にキャリアフィルムZから不良シートXβを剥離し、不良シート排出経路193を経由させて、帯状フィルム積層体2から排除する排出ステーションCに内在する技術的課題を詳述する。
【0006】
図12に示される液晶表示素子の連続製造装置全体を制御する制御装置300によって作動される不良シート排除装置190の排出ステーションCにおける具体的動作を詳述すると、以下の通りである。不良シート排除装置190は、切断ステーションBにおいて、切込線によって切断された偏光フィルムの正常シートXαと不良シートXβとを含む偏光フィルムシートXが剥離自在に積層されたキャリアフィルムZ上から正常シートXαと長さの異なる不良シートXβを識別または選別し、あるいは、不良シートとしての識別情報が関連付けられた不良シートXβのみを正常シートXαと識別または選別してキャリアフィルムZ上から剥離し、排除する。
【0007】
図12の排出ステーションCに示される不良シート排除装置190は、制御装置300によって不良シートXβを識別または選別して動作する。
【0008】
具体的には、不良シート排除装置190は、貼合ステーションDにおいて、制御装置300によって動作する一対の貼合ローラ121、122を含む貼合駆動装置12と連動するようにした装置である。すなわち、不良シートXβを貼付剥離する機能を有するダミーフィルム駆動装置191と、ダミーフィルム駆動装置191の不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192とを含み、貼合駆動装置12に近接して配置された不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192を貼合駆動装置12の一方の貼合ローラ122と置換し、他方の貼合ローラ121と連動させるようにしたものである。
【0009】
より具体的には、制御装置300は、貼合ステーションDにおいて、不良シートXβが帯状フィルム積層体2の搬送経路の終点(すなわち排除始点)に到達した際に一対の貼合ローラ121、122を離間させ、貼合駆動装置12を不作動状態にして、その間に不良シート排出経路193を構成する移動ローラ192を離間された貼合ローラ間の間隙にまで移動させ、移動ローラ192を一方の貼合ローラ122に置換することによって、移動ローラ192と他方の貼合ローラ121とを連動させる。
【0010】
そのときに、断面楔型の剥離板130がキャリアフィルム巻取装置15によって巻き取られる帯状フィルム積層体2に含まれる不良シートXβの先端に相当する裏面位置に当接され、そのことにより、キャリアフィルムZが鋭角に屈曲されて巻き取られるので、不良シートXβは、キャリアフィルムZと一体に巻き取られることはない。ここで剥離された不良シートXβは、貼合ローラ121と連動する移動ローラ192によって、帯状フィルム積層体2の搬送経路とは異なる不良シート排出経路193に貼付けられ、排除される。
【0011】
貼合ステーションDは排出ステーションCを兼ねており、そこには、キャリアフィルムZから断面楔型の剥離板130によって確実に剥離された正常シートXαのみが液晶パネルWと貼り合せるための搬送経路123と、不良シートXβのみを排除のための不良シート排出経路193と、キャリアフィルムZを巻き取るための搬送経路143の3つの搬送経路が用意され、偏光フィルムシートXの正常シートXαおよび不良シートXβとキャリアアフィルムZとは、それぞれの対応する搬送経路を経て送られるか、または排出されるか、あるいは巻き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許4377964号公報
【特許文献2】特許4377965号公報
【特許文献3】特許2633726号公報
【特許文献4】特開2005―271437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαを液晶パネルWに連続的に貼り合せることによって液晶表示素子の連続製造を実現するためには、最終工程に至る前に、帯状フィルム積層体2に含まれる偏光フォルムシートXの不良シートXβを確実に排除しておく必要がある。
【0014】
液晶表示素子が不良シートXβの不完全な排除によって連続製造された場合、生産の歩留まりは当然に悪化する。時間当たりの生産量を犠牲にしないためには、不良品をそのまま処分するしかない。また歩留まりを改善するために、製造された不良品をリワーク作業によって不良シートXβを剥がして液晶パネルWの再利用を図ることになると、液晶表示素子の連続製造工程に続くリワーク作業工程が必須となる。したがって、液晶表示素子の連続製造において、例えば特許文献1および2に示されるダミーフィルム搬送経路193を含む排出ステーションCを設けるなど、最終工程に至る前に,偏光フィルムシートXの不良シートXβを確実に排除するための工程が求められるのである。
【0015】
一方、偏光フィルムシートXのうち、正常シートXαを液晶パネルWとの貼合位置120に送り、両者の正確な貼り合せを実現させるために、正確なタイミングでキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、剥離される正常シートXαと正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に送られた液晶パネルWとの位置合せが行われ、両者が正確に貼り合される必要がある。正常シートXαの不完全な剥離によって、正常シートXαがキャリアフィルム巻取位置150に向け反転されてキャリアフィルムZと一体に巻き取られることは、あってはならない事態である。
【0016】
キャリアフィルムZは、液晶表示素子を連続製造する工程中に、偏光フィルムの粘着層を保護し、液晶パネルWへの貼合前または貼合時に偏光フィルムシートXが帯状フィルム積層体2から剥離されるときに巻き取り除去されることになる離型フィルムである。帯状フィルム積層体2のキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの正常シートXαの先端が、貼合位置120に正常シートXαの送りに同期して送られる液晶パネルWの先端に達する位置で、キャリアフィルムZのみが断面楔型の剥離板130によって鋭角に屈曲され、巻き取られることによって、正常シートXαがキャリアフィルムZから確実に剥離される。そこで、正常シートXαと液晶パネルWとが位置合せされ、貼合駆動手段12による両者の貼合動作が開始される。
【0017】
装置の簡略化や使用済み材料の廃棄を含む省力化の観点からすると、巻き取り除去される不良シートXβを貼付けたダミーフィルムと巻き取り除去されるキャリアフィルムZとが一体になる、すなわち、ダミーフィルム搬送経路193をキャリアフィルム搬送経路143にすることが合理的であることはいうまでもない。具体的には、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離することなく、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま巻き取り廃棄することができるようにすることである。
【0018】
しかしながら、液晶表示素子を連続的に製造するためには、帯状フィルム積層体2が緩むことなく送られ、偏光フィルムシートXの正常シートXαのみを確実にキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送り、そこで液晶パネルWとの位置合せが行われ、貼合駆動手段12による貼合動作が着実に開始される必要がある。さらには不良シートXβが剥離されることなくキャリアフィルムZと一体に巻き取られる必要がある。それらの動作を保障するためには、装置の各々が連動するように装置全体が少なくとも制御されていなければならない。
【0019】
特許文献3を参照すると、バーコードラベルの良不良を検査し、剥離・非剥離切換手段によって、良不良のうち不良ラベルを台紙に貼付けたまま回収することが記載されている。しかしながら、台紙から良不良のうち良シートのみを剥離して商品にどのように貼り合せるかなどの具体的技術手段は一切示されていない。不良ラベルを台紙に貼付けたまま回収することをもって、帯状フィルム積素体2を構成するキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの欠点のない正常シートXαのみを液晶パネルWに位置合せし貼合駆動手段12による貼合動作が開始できるようにした液晶表示素子の連続製造方法および装置における、欠点を含む不良シートXβの排除機構に適用できないことは、言うまでもないことである。
【0020】
また特許文献4を参照すると、ガラス基板に貼合わせるために搬送シートに添付されたフィルム部材の良不良に応じて剥離用と非剥離用とを選択する切換手段を搬送手段に設け、この切換手段によって表示素子を連続的に製造することが記載されている。しかしながら、この切換手段とは、フィルム部材の良不良に応じて剥離用ナイフエッジと非剥離用の2つの剥離禁止ローラとのいずれかを選択し、2つの剥離禁止ローラ間に剥離用ナイフエッジ出没させるという説明のみで、それ以外の具体的技術手段は、これには開示されていない。
【0021】
切替手段によってフィルム部材の良不良に応じて剥離用と非剥離用とを確実に選択できるかどうかも、これには示されていない。このことは、これが装置全体を構成する手段の各々が連動するように全体をどのように制御されるかなど、具体的技術手段は示されず単なる抽象的概念の提示に過ぎないものであって、帯状フィルム積素体2を構成するキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXの欠点のない正常シートXαを液晶パネルWに位置合せを行い、貼合駆動手段12による貼合動作が開始できるようにした液晶表示素子の連続製造に、これを適用できるものではないことを示すものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した技術的課題は、帯状フィルム積層体2に含まれるキャリアフィルムZ上に形成された欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXのうち、液晶表示素子の連続製造工程における最終工程に至る前に、帯状フィルム積層体2の送りと連動させて正常シートXαをキャリアフィルムZから確実に剥離する一方、不良シートXβに対しては、キャリアフィルムZに貼付けたまま確実に巻き取ることができるようにすることによって、解決される。
【0023】
本発明の実施態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、貼合駆動手段12を作動させ、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離手段13を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした、以下のステップを含む液晶表示素子を連続的に製造する方法である。
【0024】
それは、少なくとも剥離手段13の上流側に配された第1のフィルム供給手段11と剥離手段13の下流側に配された第2のフィルム供給手段14とを連動させ、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るステップと、帯状フィルム積層体2の送りに関連付けられた判定手段3を作動させ、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するステップとを含む。
【0025】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りに連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップと、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動手段12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間で略三角形を形成するように位置付けられた剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給手段11の巻戻しと第2のフィルム供給手段14の送りとを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るステップとを含む。
【0026】
第1実施態様において、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成する剥離手段13として、正常シートXαのキャリアフィルムZからの剥離を容易になし得るように、略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板130を用いることが好ましい。
【0027】
第1実施態様において、帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される剥離手段13はまた、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間で略三角形を形成するように位置付けられた前進位置から、その略三角形が第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14とを結ぶ直線になる後退位置まで、少なくとも往復動自在になるように構成されることが好ましい。
【0028】
第1実施態様において、判定手段3によって、不良シートXβに続く粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときには、キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が後退位置にある剥離手段13の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、剥離手段13を前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給手段11の送りと第2のフィルム供給手段14の巻戻しとを連動させて吸収し、剥離手段13が再び、第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられると、貼合駆動手段12を再び作動させ、帯状フィルム積層体2の送りを再開させ、剥離手段13を帯状フィルム積層体2の送りと連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップをさらに含むことができる。
【0029】
本発明の第2の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離装置13を介して、キャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置である。
【0030】
それは、少なくとも帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るための互いに連動して作動する、剥離装置13の上流側に配された第1のフィルム供給装置11と剥離装置13の下流側に配された第2のフィルム供給装置14とを含む帯状フィルム積層体供給装置100と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するための、帯状フィルム積層体供給装置100による帯状フィルム積層体2の送りに関連付けて作動される判定装置3と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかが判定されたときに、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を、正常シートXαの剥離位置に前進させるかまたは帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させるための、位置調整装置133とを含む。
【0031】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給手段14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を経由させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるための、帯状フィルム積層体2の送りと連動する貼合駆動装置12と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動装置12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、位置調整装置133によって、剥離装置13を帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給装置11の巻戻しと第2のフィルム供給装置14の送りとを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るための、帯状フィルム積層体2の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置15と、各装置の各々を連動して作動させる制御装置300とを含む。
【0032】
第2実施態様において、剥離装置13は、帯状フィルム積層体供給装置100に含まれる第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように、断面楔型の剥離板130とすることが好ましい。
【0033】
第2実施態様において、位置調整装置133は、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、剥離装置13を第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成する前進位置と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、剥離装置13を前進位置において形成された略三角形が少なくとも第1のフィルム供給手段11と第2のフィルム供給手段14とを結ぶ直線になる後退位置との間を往復動自在にするための、ガイドレール135を含む駆動装置134を含むことができる。
【0034】
本発明の第3の実施態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、貼合駆動手段12を作動させ、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する固定剥離手段13´を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした、以下のステップを含む液晶表示素子を連続的に製造する方法である。
【0035】
それは、固定剥離手段13´の上流側に配された第1のフィルム供給手段11´と固定剥離手段13´の下流側に配された第2のフィルム供給手段14´とを連動させ、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るステップと、帯状フィルム積層体2の送りに関連付けられた判定手段3を作動させ、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するステップとを含む。
【0036】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離手段13´を帯状フィルム積層体2の送りに連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップと、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動手段12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で略三角形を形成する固定剥離手段13´に代替するように、断面円弧状面を有する反転手段16を、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離手段13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給手段11´の送りと第2のフィルム供給手段14´の停止とを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、反転手段16の断面円弧状面に沿うように不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るステップとを含む。
【0037】
第3実施態様において、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形の頂点を形成する固定剥離手段13´として、正常シートXαのキャリアフィルムZからの剥離を容易になし得るように、固定された断面楔型の剥離板130´を用いることが好ましい。
【0038】
第3実施態様において、固定剥離手段13´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動を解除する反転手段16は、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で、固定剥離手段13´によって形成される略三角形を含む形状となる前進位置から、反転手段16の断面円弧状面が帯状フィルム2の裏面から少なくとも離れる後退位置との間で、往復動自在になる構成とすることが好ましい。
【0039】
第3実施態様において、判定手段3によって、不良シートXβに続く粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときには、キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が固定剥離手段13´の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、反転手段16を帯状フィルム2の裏面から少なくとも離れる位置まで後退させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる弛みを第1のフィルム供給手段11´の巻戻しと第2のフィルム供給手段14´の停止とを連動させて吸収し、固定剥離手段13´が再び、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成すると、貼合駆動手段12を再び作動させ、帯状フィルム積層体2の送りを再開させ、固定剥離手段13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、貼合駆動手段12により、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるステップをさらに含むことができる。
【0040】
第3実施態様において、反転手段16の断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにする、偏光フィルムシートXの厚みと、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしてもよい。
【0041】
第3実施態様においては、反転手段16が帯状フィルム積層体2の送りと連動するときに、反転手段16を、帯状フィルム積層体2を反転させる位置において、反転手段16の断面円弧状面に対応する面を有する支持手段163と連動させ、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにすることもできる。
【0042】
本発明の第4の態様は、順次搬送される複数の矩形パネルWに対して、矩形パネルWの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体2の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルムZ上に形成された、欠点を含まない正常シートXαと欠点を含む不良シートXβからなる粘着層を含む偏光フィルムシートXのうち、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する固定剥離装置13´を介してキャリアフィルムZから剥離された欠点を含まない正常シートXαを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置である。
【0043】
それは、少なくとも帯状フィルム積層体2を緩むことなく、正常シートXαの矩形パネルWとの貼合位置120または不良シートXβを含むキャリアフィルムZの巻取位置150のいずれかに送るための互いに連動して作動する、固定剥離装置13´の上流側に配された第1のフィルム供給装置11´と固定剥離装置13´の下流側に配された第2のフィルム供給装置14´とを含む帯状フィルム積層体供給装置100´と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかを判定するための、帯状フィルム積層体供給装置100´による帯状フィルム積層体2の送りに関連付けて作動される判定装置3と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαであるかまたは不良シートXβであるかが判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´に代替する断面円弧状面を有する反転装置16を、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間で固定剥離装置13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで帯状フィルム積層体2の裏面に当接して前進させるかまたは帯状フィルム積層体2の裏面から離れる帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させるための、位置調整装置160とを含む。
【0044】
それはさらに、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を経由させ、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離して貼合位置120に送り、正常シートXαの送りに同期して貼合位置120に搬送される矩形パネルWに貼り合せるための、帯状フィルム積層体2の送りと連動する貼合駆動装置12と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、貼合駆動装置12を不作動にするとともに、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、位置調整装置160によって、反転装置16を第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間で、少なくとも固定剥離装置13´によって形成される略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、帯状フィルム積層体2に生じる張りを第1のフィルム供給装置11´の送りと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させて吸収し、次に、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、反転手段16の断面円弧状面に沿うように不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβの長さに関連付けた長さだけ、キャリアフィルムZと一体に送るための、帯状フィルム積層体2の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置15と、各装置の各々を連動して作動させる制御装置300´とを含む。
【0045】
第4実施態様において、固定剥離装置13´として、帯状フィルム積層体供給装置100´に含まれる第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように固定された断面楔型の剥離板130´を用いることが好ましい。
【0046】
第4実施態様において、位置調整装置160は、粘着層を含む偏光フィルムシートXが正常シートXαと判定されたときに、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させるように、帯状フィルム積層体2の裏面と少なくとも離れる後退位置と、粘着層を含む偏光フィルムシートXが不良シートXβと判定されたときに、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´を帯状フィルム積層体2の送りと連動させないように、固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含む形状となる位置にまで帯状フィルム積層体2の裏面に接して前進する前進位置との間を往復動自在にするための、ガイドレール162を含む駆動装置161を含むことができる。
【0047】
第4実施態様において、反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないようにする、偏光フィルムシートXの厚みと、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしてもよい。
【0048】
第4実施態様において、反転装置16が帯状フィルム積層体2の送りと連動するときに、不良シートXβをキャリアフィルムZから剥離させないように、帯状フィルム積層体2を反転させる位置において、反転装置16の断面円弧状面に対応するように支持装置163をさらに配するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施態様に係る、装備された帯状フィルム積層体のロールから連続ウェブの帯状フィルム積層体を供給するための帯状フィルム供給駆動装置、および、帯状フィルム積層体の幅方向の切込線によって形成された偏光フィルムシートの欠点を含まない正常シートを液晶パネルに貼り合せるための、液晶パネル搬送装置と貼合駆動装置を含む、液晶表示素子の連続製造装置を表す概念図である。
【図2】図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置における各製造工程すなわち製造ステップを表すフロー図である。
【図3】図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す模式図である。
【図4】図3に示す基本型ステップ(a)〜(f)のバリエーションの一形態を用いた剥離・排出ステップを表す模式図である。
【図5】本発明の他の実施態様に係る、装備された帯状フィルム積層体のロールから連続ウェブの帯状フィルム積層体を供給するための帯状フィルム積層体供給装置、および、帯状フィルム積層体の幅方向の切込線によって形成された偏光フィルムシートの欠点を含まない正常シートを液晶パネルに貼り合せるための、液晶パネル搬送装置と貼合駆動装置を含む、液晶表示素子の連続製造装置を表す概念図である。
【図6】図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置における各製造工程すなわち製造ステップを表すフロー図である。
【図7】図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す模式図である。
【図8】図7に示す基本型ステップ(a)〜(f)のバリエーションの一形態を用いた剥離・排出ステップを表す模式図である。
【図9】基材の厚みと基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき反転装置の断面円弧状面の曲率半径Rを決定するための、実験系の1例を表す図である。
【図10】各々50mm幅の3種類の厚みを有する粘着層付き基材をサンプルとした実験結果を表した表である。
【図11】図10の結果に基づいて、粘着層付きの基材厚みと剥離しない限界Rとの関係をプロットしたグラフである。
【図12】判定ステーションAの判定装置によって読み取られた帯状フィルム積層体の偏光フィルムの欠点位置情報に基づき、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートとからなる偏光フィルムシートを形成するための、切断ステーションBを有する特許文献1に示された液晶表示素子の連続製造装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(液晶表示素子の連続製造装置の概要)
本発明には、帯状フィルム積層体供給装置100または100´の一部に内蔵されたエンコーダによって算出される帯状フィルム積層体2の供給量と、判定ステーションAの情報読取装置によって読み取られた、事前検査による偏光フィルムの欠点位置に基づき演算された幅方向の切込線によりキャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXを含む帯状フィルム積層体2を用いた液晶表示素子を連続製造する方法および装置と、他の方法および装置とがある。前者の方法および装置に関する発明の実施態様は、図1〜図4を用い、また後者の方法および装置関する発明の実施態様は、図5〜図11を用いて、詳述する。
【0051】
なお、事前検査によって検出された粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点位置情報に基づき、予め粘着層を含む偏光フィルムシートがキャリアフィルム上に形成された切込線入り帯状フィルム積層体を用いた、切断ステーションBを必要としない液晶表示素子の連続製造する方法および装置も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0052】
図1〜図4は、本発明の方法および装置に関する第1または第2の態様を説明するための模式図および製造ステップのフロー図等である。また図5〜図11は、本発明の他の方法および装置に関する第3または第4の態様を説明するための模式図および製造ステップのフロー図等である。なお、特許文献1に示された液晶表示素子の連続製造装置の概念図を表す図12を含め、これらの図に表す構成に差異がない手段または装置については、同一符号を用い、構成上に差異のある対応する手段または装置に対しては、「´記号」を用いることとした。
【0053】
図1または図5を参照されたい。両者に共通する構成は、以下の通りである。帯状フィルム積層体供給装置100または100´は、帯状フィルム積層体2のロール101が回転自在に装着させたフィルム供給装置1を含む。フィルム供給装置1には帯状フィルム積層体2の供給量を算出するためのエンコーダ(図示せず)を含むことができる。
【0054】
帯状フィルム積層体供給装置100または100´はさらに、帯状フィルム積層体2の偏光フィルムに内在する欠点位置に基づく切断位置情報を読み取るための判定装置3が配備された判定ステーションA、帯状フィルム積層体2を供給するために適宜設けられたフィードローラを含むフィルム供給装置4および9、判定装置3によって読み取られた切断位置情報に基づき帯状フィルム積層体2の送り方向に対して幅方向に、キャリアフィルムZの反対側からキャリアフィルムZの粘着層の側の面に達する深さまで、帯状フィルム積層体2に切り込みを入れて切込線を形成するための切断装置6と適宜設けられた切込線形成位置および該切込線位置を確認するための切断位置確認装置7および8とが配備された切断ステーションB、および、一定速度のフィルム供給のためのアキュームローラを含む速度調整装置5および10、および、帯状フィルム積層体2を巻き取るためのキャリアフィルム巻取装置15または15´を含む。
【0055】
速度調整装置5および10は、帯状フィルム積層体2の送りを停止し、帯状フィルム積層体2の張力を一定に維持する際に必要とされる帯状フィルム積層体2の巻戻しまたは送りを可能とする機能を有する。キャリアフィルム巻取装置15または15´にも同様の機能が付与されている。
【0056】
さらに図1または図5を参照すると、正常シートXαがキャリアフィルムZから剥離され、液晶パネルWとの貼合位置120に送られると、正常シートXαの送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に順次搬送させるための液晶パネル搬送装置200、および、液晶パネルWに正常シートXαを貼り合せるための貼合駆動装置12は、両者に共通する構成である。
【0057】
液晶パネル搬送装置200は、液晶パネルWを収容するための液晶パネルマガジン201、液晶パネルマガジン201から順次排出される液晶パネルWの搬送用ローラ202、液晶パネルWの姿勢を調整するための位置調整ガイド203、貼合位置120に液晶パネルWを順次搬送するための搬送装置204を含む。順次搬送される液晶パネルWは、制御装置300または300´により、貼合位置120に送られる正常シートXαに同期して貼合位置120に搬送され、位置合せされる。
【0058】
また貼合駆動装置12は、同じく制御装置300または300´によって動作する一対の貼合ローラ121、122を含む。貼合位置120においては、剥離された正常シートXαとそれと同期して送られた液晶パネルWとは、位置合せされながら、一対の貼合ローラ121、122によって、圧着貼合される。また、不良シートXβが帯状フィルム積層体2の搬送経路の終点(すなわち剥離位置)に到達した際には、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルムZと一体にキャリアフィルム巻取位置150に送られるようにする。そのため、一対の貼合ローラ121、122を離間させることにより貼合駆動装置12を不作動にしておくことが好ましい。
【0059】
帯状フィルム積層体供給装置100または100´はさらに、両者に共通するが、それぞれが異なる構成を有するものとして、キャリアフィルムZ上に形成された偏光フィルムシートXのうち、欠点を含まない正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離させるための剥離装置13または固定剥離装置13´、剥離装置13の位置を調整するための位置調整装置133または固定剥離装置13´に代替する反転手段16の位置を調整するための位置調整装置160、および、送り/停止/巻戻しの動作を適宜選択して帯状フィルム積層体2を緩むことなく、一定の張力を維持させるための第1のフィルム供給装置11または11´と第2のフィルム供給装置14または14´とが配備された剥離・排出ステーションCを含む。
【0060】
本発明の実施形態としては、偏光フィルムシートXの剥離・排出ステーションCにおいて、以下の2つの形態があり得る。第1の形態は、図1〜図4に示す、往復動自在に構成した剥離手段または装置13が用いられたものである。第2の形態は、図5〜図11に示す、固定剥離手段または装置13´と関連付けられた反転手段または装置16が用いられたものである。
【0061】
図3は、図1に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す、すなわち第1の形態を説明するための模式図である。この基本型ステップのバリエーションの一形態を表した剥離・排出ステップが図4である。往復動自在に構成された剥離装置13(以下、「剥離装置13」という。)が帯状フィルム積層体供給装置100の送りと連動しているときは、剥離装置13は、帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接し、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる。これが図3(a)または図4(a)の模式図である。図4(a)は、正常シートXαがキャリアフィルムZからより確実に剥離されるように、剥離装置13の上流側および下流側に案内ロール131および132を配し、帯状フィルム積層体2がより鋭角に折り曲げられるようにした、図3(a)のバリエーションの一形態である。以下、図3に基づいて、剥離・排出動作を詳述する。
【0062】
図3(a)は、キャリアフィルムZ上の偏光フィルムシートXが、正常シートXαから不良シートXβに切り替る場合を想定した模式図である。具体的には、図3(a)は、制御装置300の指令に基づき、剥離装置13を構成する断面楔型の剥離板130が、送り/停止/巻戻しを適宜選択し得る第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14の間を底辺とする略三角形を形成する頂点に位置付られており、帯状フィルム積層体2の送りに連動してキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、貼合位置120に送られた直後を表す。
【0063】
図3(a)はあくまで基本型であって、剥離装置13との間で略三角形を形成するために、例えば、第1のフィルム供給装置11の直後に配した案内ロールと第2のフィルム供給装置14の直前に配した案内ロール(いずれも図示せず)との間を底辺とする略三角形を形成する剥離装置13とする他のバリエーションも想定できることは、言うまでないことである。
【0064】
図3(a)はさらに、正常シートXαに続く偏光フィルムシートXが不良シートXβに切り替わっている状態を表している。この状態の直前まで、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体2の送りとの連動によって、キャリアフィルムZから正常シートXαが剥離されながら、キャリアフィルムZのみが巻き取られる。これが図3(a)の状態である。
【0065】
図3(b)は、剥離装置13が帯状フィルム積層体2の送りと連動が解除された直後を表す。具体的には、制御装置300の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体供給装置とが一旦停止する。そのため、帯状フィルム積層体2の送りが停止される。また正常シートXαと液晶パネルWとの貼合動作が完了し、そのことにより、液晶パネル搬送措置200が停止し、貼合駆動装置12も停止する。
【0066】
このときには、制御装置300の指令に基づき、剥離装置13を往復動自在に構成する位置調整装置133が作動を開始する。具体的には、不良シートXβの先端に相当するキャリアフィルムZの裏面に鋭角に当接している剥離装置13を構成する断面楔型の剥離板130は、駆動装置134の作動により、ガイドレール135に沿って後退を開始する。
【0067】
それと同時に、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置が、帯状フィルム積層体供給装置100およびキャリアフィルム巻取装置15と連動し、第1のフィルム供給装置11の巻戻し動作と第2のフィルム供給装置14の送り動作とによって、剥離装置13の後退動作にともなう帯状フィルム積層体2の緩みを吸収する。そのことにより、帯状フィルム積層体2の張力を一定に維持し、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する剥離板130の先端を不良シートXβの先端位置に保ちながら、剥離装置13の後退動作が継続される。
【0068】
図3(c)は、剥離装置13の後退動作が終了したときを表す。すなわち、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた剥離装置13を帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで後退させる。それは、略三角形が消滅し、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間が少なくとも直線になる位置にまで後退させることであり、そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りが再開することができる状態となる。
【0069】
図3(d)は、制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け、好ましくは不良シートXβの長さまたはそれに至らない程度の長さだけ、不良シートXβがキャリアフィルムZと一体に巻き取られる。このときに、キャリアフィルム巻取装置15と帯状フィルム積層体供給装置との連動による帯状フィルム積層体2の送りが再び停止される。そのことにより、後退位置にある剥離装置13の断面楔型の剥離板130の先端は、キャリアフィルムZに貼付けられた不良シートXβの後端に位置した状態になる。
【0070】
図3(e)は、判定装置3によって、不良シートXβに続く偏光フィルムシートが正常シートXαに切り替る場合を想定した模式図である。キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が後退位置の剥離装置13の断面楔型の剥離板130の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが停止し、駆動装置134によって剥離装置13がガイドレール135に沿い前進を開始する。剥離装置13の前進動作により、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形が徐々に形成される。そのことによる帯状フィルム積層体2に生じる張りは、第1のフィルム供給装置11の送りと第2のフィルム供給装置14の巻戻しとを連動させ、吸収される。このときの剥離板130の先端は、正常シートXαを噛みこまないキャリアフィルムZの裏面に位置するように制御されるのが好ましい。
【0071】
図3(f)は、剥離装置13が再び、第1のフィルム供給装置11と第2のフィルム供給装置14との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる場合を想定した模式図である。制御装置300の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが再開される。それと同時に、解放された状態の一対に貼合ローラ121および122が閉じ、貼合駆動装置12が再稼働する。剥離装置13が帯状フィルム積層体2の送りと連動することにより、正常シートXαがキャリアフィルムZ上から剥離され、貼合位置120に送られる。その一方で、液晶パネル搬送装置200が再稼働し、正常シートXαの送りに同期させて貼合位置120に液晶パネルWが送られ、そこで圧着貼合が行われ、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0072】
図3(a)〜(f)の一連の動作は、図2に示した各ステップに基づき説明することができる。制御装置300の指令に基づき、図1に示したフィルム供給装置1により帯状フィルム積層体2が供給されると、ステップ1において、粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点情報が読み取られる。情報処理装置301において、読み取られた欠点位置情報が処理され、切込線位置が演算される。それに基づいて帯状フィルム積層体2に正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかの切込線が形成される。これがステップ2である。これらの切込線によって形成された正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかが、ステップ3において、判定装置3によって読み取られる。ステップ4〜9は、ステップ3において不良シートXβと判定されたときに、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたままキャリアフィルムZと一体に処理する動作を担う一連のステップである。このときには、貼合駆動装置12および液晶パネル搬送装置200が停止されていることが好ましい。
ステップ10〜13は、ステップ3において正常シートXαと判定されたときに、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送るまでの一連の動作を表し、ステップ14〜16は、正常シートXαの貼合位置120への送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に送る一連のステップを表している。
【0073】
本発明の実施形態としては、偏光フィルムシートXの剥離・排出ステーションCにおいて、第1の形態が往復動自在に構成された剥離手段または装置13を用いたものであるのに対して、第2の形態が往復動自在に構成された反転手段または装置16が用いられたものである。第2の形態は、図5〜図11に示すように、反転手段または装置16が固定された剥離手段または装置13´と関連付けられている。
【0074】
図7は、図5に示す本発明の液晶表示素子の連続製造装置の剥離・排出ステーションCにおける剥離・排出動作の基本型ステップ(a)〜(f)を表す、すなわち第2の形態を説明するための模式図である。この基本型ステップのバリエーションの一形態を表した剥離・排出ステップが図8である。往復動自在に構成された反転装置16(以下、「反転装置16」という。)が帯状フィルム積層体供給装置100の送りとの連動が解除されているときは、固定された剥離装置13´(以下、「固定剥離手段13´」という。)は、帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接し、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる。これが図7(a)または図8(a)の模式図である。図8(a)は、正常シートXαがキャリアフィルムZからより確実に剥離されるように、固定剥離装置13´の上流側および下流側に案内ロール131および132を配し、帯状フィルム積層体2がより鋭角に折り曲げられするようにした、図7(a)のバリエーションの一形態である。以下、図7に基づいて、剥離・排出動作を詳述する。
【0075】
図7(a)は、キャリアフィルムZ上の偏光フィルムシートXが、正常シートXαから不良シートXβに切り替る場合を想定した模式図である。具体的には、図7(a)は、制御装置300´の指令に基づき、固定剥離装置13´を構成する断面楔型の剥離板130´が、送り/停止/巻戻しを適宜選択し得る第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´の間を底辺とする略三角形を形成する頂点に位置付けられ、そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りに連動してキャリアフィルムZから正常シートXαが剥離され、貼合位置120に送られた直後を表す。
【0076】
図7(a)はあくまで基本型であって、固定剥離装置13´との間で略三角形を形成するために、例えば、第1のフィルム供給装置11´の直後に配した案内ロールと第2のフィルム供給装置14´の直前に配した案内ロール(いずれも図示せず)との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´とする他のバリエーションも想定できることは、言うまでない。
【0077】
図7(a)はさらに、正常シートXαに続く偏光フィルムシートXが不良シートXβに切り替わっている状態を表している。この状態の直前まで、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動によって、キャリアフィルムZから正常シートXαが剥離されながら、キャリアフィルムZのみが巻き取られる。これが図7(a)の状態である。後述される反転装置16が後退位置にあって、帯状フィルム積層体2の送りとは連動していない。すなわち反転装置16は、帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除された状態にある。
【0078】
図7(b)は、固定剥離装置13´と帯状フィルム積層体2の送りと連動が解除された直後を表す。具体的には、制御装置300´の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´とが一旦停止する。そのため、帯状フィルム積層体2の送りが停止される。また正常シートXαと液晶パネルWとの貼合動作が完了し、そのことにより、液晶パネル搬送措置200および貼合駆動装置12は、ともに停止する。
【0079】
このときには、制御装置300´の指令に基づき、断面円弧状面を有する反転装置16を往復動自在に構成する位置調整装置160が作動を開始する。具体的には、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成する固定剥離装置13´に代替する断面円弧状面を有する反転装置16を、位置調整装置160を構成する駆動装置161によって、好ましくは固定剥離装置13´の楔型の剥離板130´の側面に近接して配されたガイドレール162に沿って、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含む形状となる位置にまで、帯状フィルム積層体2の裏面に当接して前進させる。
【0080】
反転装置16の前進動作により生じる帯状フィルム積層体2の張りは、第1のフィルム供給装置11´の送りと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させて吸収される。そのことにより、帯状フィルム積層体2の張力は一定に維持され、帯状フィルム積層体2の裏面に当接する反転装置16の断面円弧状面を不良シートXβが位置する帯状フィルム積層体2の裏面すなわちキャリアフィルムZの裏面に当接させながら、反転装置13の前進動作が継続される。それと同時に、制御装置300´の指令に基づき、停止された貼合駆動装置12を構成する一対の貼合ローラを離間させ、その間隙に前進する反転装置16を位置付け、第1のフィルム供給手段11´と第2のフィルム供給手段14´との間で固定剥離装置13´によって形成された略三角形を含むような形状にする。これが図7(c)の状態である。
【0081】
図7(c)は、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま帯状フィルム積層体2を反転装置16の断面円弧状面に沿うように反転し、キャリアフィルム巻取位置150に向け不良シートXβを送る直前を想定した模式図である。すなわち、反転装置16の前進動作が終了したときを表す。より具体的には、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた固定剥離装置13´と帯状フィルム積層体2の送りとの連動が解除される位置にまで、反転装置16を前進させた状態を表す。これはまた、固定剥離装置13´により形成された略三角形が、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする反転装置16の断面円弧上面を頂点とするより大きな略三角形によって取り込まれた状態を表す。そのことにより、帯状フィルム積層体2の送りが再開することができる状態になる。
【0082】
図7(d)は、制御装置300´の指令に基づき、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´との連動による帯状フィルム積層体2の送りにより、帯状フィルム積層体2の送りを再開し、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたまま、キャリアフィルム巻取位置150に向け、不良シートXβがキャリアフィルムZと一体に巻き取られる。このときのキャリアフィルムZの送り量は、不良シートXβの送り方向の長さかまたはそれより短い長さであることが好ましい。
【0083】
このときに、キャリアフィルム巻取装置15´と帯状フィルム積層体供給装置100´との連動による帯状フィルム積層体2の送りが再び停止される。そのことにより、反転装置16の断面円弧上面を頂点とするより大きな略三角形によって取り込まれた状態にある固定剥離装置13´の断面楔型の剥離板130´の先端は、キャリアフィルムZに貼付けられた不良シートXβの後端に位置した状態になる。
【0084】
図7(e)は、判定装置3によって、不良シートXβに続く偏光フィルムシートが正常シートXαに切り替る場合を想定した模式図である。キャリアフィルムZ上の正常シートXαの先端が固定剥離装置13´の固定された断面楔型の剥離板130´の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、制御装置300´の指令に基づき、帯状フィルム積層体2の送りが再度停止し、駆動装置161によって反転装置16がガイドレール162に沿い後退を開始する。反転装置16の後退動作により、固定剥離装置13´が再び、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を徐々に形成する。そのことによる帯状フィルム積層体2に生じる弛みは、第1のフィルム供給装置11´の巻戻しと第2のフィルム供給装置14´の停止とを連動させ、吸収される。
【0085】
図7(f)は、固定剥離装置13´が再び、第1のフィルム供給装置11´と第2のフィルム供給装置14´との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられる場合を想定した模式図である。制御装置300´の指令に基づき、固定剥離装置13´による略三角形の形成が完了すると、反転装置16と帯状フィルム積層体2との連動が解除される。帯状フィルム積層体2の送りが再開されると同時に、解放された状態の一対に貼合ローラ121および122が閉じ、貼合駆動装置12が再稼働する。固定剥離装置13´が帯状フィルム積層体2の送りと連動することにより、正常シートXαがキャリアフィルムZ上から剥離され、貼合位置120に送られる。その一方で、液晶パネル搬送装置200が再稼働し、正常シートXαの送りに同期させて貼合位置120に液晶パネルWが送られ、そこで圧着貼合せが行われ、液晶表示素子が連続的に製造される。
【0086】
(反転装置16の断面円弧状面の曲率半径R)
帯状フィルム積層体2は、少なくとも偏光フィルムシートXとキャリアフィルムZと両者を剥離自在にする偏光フィルムシートXに貼付けられる粘着層Nとからなる。キャリアフィルムZに形成された正常シートXαと不良シートXβとからなる偏光フィルムシートXのうち、断面円弧状面を有する反転装置16、具体的には、図5に見た反転装置16が有する断面円弧状面に接するキャリアフィルムZの裏面に相当する位置に剥離自在に積層された粘着層付きの不良シートXβが、キャリアフィルムZに貼付けられたまま、一体に巻き取られる必要がある。これは、反転装置の断面円弧状面の曲率半径Rと、粘着層Nを有しない偏光フィルムシートXの厚みと、粘着層Nに対するキャリアフィルムZの剥離力との相対関係によって、剥離されるかどうかが決まる。以下、粘着層Nを有しない偏光フィルムシートXは、実験系において、「基材」という。
【0087】
反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rは、基材の厚みと基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき決定される。以下に相対関係の1例を示す。図9に実施した実験系を示す。
【0088】
図9の左図に示すように、長尺のキャリアフィルムZに、キャリアフィルムZより短い長さの粘着層付き基材を剥離自在に積層した帯状フィルム積層体を、先端に剥離点となる曲率半径Rの断面円弧状面を有する反転装置16にキャリアフィルムZの裏面側を当接させ、キャリアフィルムZと粘着層付き基材が積層されている部分と、キャリアフィルムZのみの部分の境界が、断面円弧状面を有する反転装置の断面円弧状面の頂部よりも上流側に位置するように巻きかけ、断面円弧状面を有する反転装置16の2面の内、裏面側に当接するキャリアフィルムZのみの部分の端部をガイドロールで折り返し、上方に一定速度で引き上げる。
【0089】
そのことにより、図9の右図に示すように、キャリアフィルムZと粘着層付き基材が積層されている部分とキャリアフィルムZのみの部分の境界が断面円弧状面を有する反転装置16の断面円弧状面の頂部に達すると、基材の曲げ剛性の反力と基材の粘着層に対するキャリアフィルムの剥離力との大きさ、すなわちRの大小関係によって、剥離する場合と、剥離できない場合とが発生する。断面円弧状面を有する反転装置16の断面円弧状面の曲率半径Rを種々変更した場合の、剥離点における基材が剥離するかどうかの可否を検証した。
【0090】
図10を参照されたい。基材が剥離するかどうかの可否判断は、確実に剥離したものと、剥離した粘着層付き基材がキャリアフィルムに引っ張られ、斜め上方に向けて剥離した不完全剥離のものと、剥離しなかったものとで判断した。それが図10に示す実験結果である。実験で用いた基材は、剛性(厚み)の違いに着目して、日東電工(株)製偏光板のVEGQ1723NTB(厚み213μm)、CIG1484CVAG350(厚み131μm)、三菱樹脂(株)製PETのT−390(38μm)の3種類の、各々50mm幅のサンプルを用いた。ただし、厚みは、粘着層を有しない偏光フィルムの数値である。なお、曲げ剛性は基材の弾性率から算出されるが、一般に液晶表示素子に用いられるフィルムは合成樹脂製であり、それらの弾性率に大きな違いはない。そのため曲げ剛性の大小は、ほぼ厚みで決定される。
【0091】
実験には張力をかけるために、図9に示すように帯状フィルム積層体の下端に1kg/50mmの錘を付した。
粘着層に対する基材のキャリアフィルムZの180°ピール剥離力は、0.05〜0.15[N/50mm]のものを用いた。
また、実験において搬送速度は、0.6[m/min]で実施した。
各基材厚みに対する剥離できなかったR[mm]を1mm〜25mmの間でプロットした。
【0092】
図10から明らかなように、厚み213μmの基材についてみると、曲率半径Rが22.5mm以下では剥離可能であるが、25.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。また厚み131μmの基材についてみると、7.5mm以下では剥離可能でありが、10.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。さらにまた厚み38μmの基材についてみると、1.5mm以下では剥離可能でありが、2.0mmでは不完全剥離かまたは剥離不能である。図13は、基材厚みと剥離しない限界Rとの関係を表したものである。すなわち図11に示すラインを境に上側領域にある粘着層付き基材は、剥離できないものである。一方、下側領域にある粘着層付き基材は、剥離することができるものである。すなわち、このラインが剥離可否ラインになる。
【0093】
(断面円弧状面を有する反転部材に対応する凹面支持部)
反転装置16の断面円弧状面に対応する第2または第3の実施形態の凹面支持部163は、図7(d)に示すように、反転装置16の断面円弧状面と帯状フィルム積層体2の送りと連動するときには、反転装置16の断面円弧状面に対応する位置で、キャリアフィルムZと一体に不良シートXβを挟持状態で送られるようにする。これは、偏光フィルムシートXの粘着層に対するキャリアフィルムZの剥離力を僅かに小さめに設定しておく、すなわち剥離しやすくしておくことが好ましく、そのことによる不用意な不良シートXβの剥離を回避するためのものである。
【0094】
図7(a)〜(f)の一連の動作は、図6に示した各ステップに基づき説明することができる。制御装置300´の指令に基づき、図5に示したフィルム供給装置1により帯状フィルム積層体2が供給されると、ステップ1において、粘着層を含む偏光フィルムに内在する欠点情報が読み取られる。情報処理装置301´において、読み取られた欠点位置情報が処理され、切込線位置が演算される。それに基づいて帯状フィルム積層体2に正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかの切込線が形成される。これがステップ2である。これらの切込線によって形成された正常シートXαまたは不良シートXβのいずれかが、ステップ3において、判定装置3によって読み取られる。ステップ4〜9は、ステップ3において不良シートXβと判定されたときに、不良シートXβをキャリアフィルムZに貼付けたままキャリアフィルムZと一体に処理する動作を担う一連のステップである。このときには、貼合駆動装置12および液晶パネル搬送装置200が停止されていることが好ましい。ステップ10〜13は、ステップ3において正常シートXαと判定されたときに、正常シートXαをキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置120に送るまでの一連の動作を表し、ステップ14〜16は、正常シートXαの貼合位置120への送りに同期して液晶パネルWを貼合位置120に送る一連のステップを表している。
【0095】
以上見てきたように、本発明の方法および装置において、手段または装置の各々が連動するように全体が制御させることによって、帯状フィルム積層体2を緩むことなく、確実に供給する。このことは、帯状フィルム積層体2の送りに弛みや張りを生じさせることがない。すなわち帯状フィルム積層体2にねじれやからみを発生させない。また偏光フィルムシートXの位置ずれも発生しない。そのことにより、偏光フィルムシートXの正常シートXαのみを確実にキャリアフィルムZから剥離し、貼合位置に送り、そこで、液晶パネルWとの位置合せを行い、貼合動作を着実に開始して液晶表示素子を連続製造できるようにしたことを明らにした。当然のことであるが、このことはまた、偏光フィルムシートXの不良シートXβがキャリアフィルムZから剥離することなく、確実にキャリアフィルムZと一体に巻き取ることができるようにしたことを明らかにした。
【符号の説明】
【0096】
1 フィルム供給装置
2 帯状フィルム積層体
3 判定装置
4 フィルム供給装置
5 速度調整装置
6 切断装置
7 切断位置確認装置
8 切断位置確認装置
9 フィルム供給装置
10 速度調整装置
100、100´ 帯状フィルム積層体供給装置
11、11´ 第1のフィルム供給装置
12 貼合駆動装置
121、122 貼合ローラ
13 剥離装置
13´固定剥離装置
130 断面楔型の剥離板
130´固定された断面楔型の剥離板
131 上流側案内ローラ
132 下流側案内ローラ
133 位置調整装置
134 駆動装置
135 ガイドレール
14、14´ 第2のフィルム供給装置
15、15´ キャリアフィルム巻取装置
16 反転装置
160 位置調整装置
161 駆動装置
162 ガイドレール
163 支持装置
200 液晶パネル供給装置
201 液晶パネルマガジン
202 搬送用ローラ
203 位置調整ガイド
204 搬送装置
300、300´ 制御装置
301、301´情報処理装置
302、302´記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、貼合駆動手段を作動させ、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する剥離手段を介して前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした、液晶表示素子を連続的に製造する方法であって、
少なくとも前記剥離手段の上流側に配された第1のフィルム供給手段と前記剥離手段の下流側に配された第2のフィルム供給手段とを連動させ、前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに、送るステップと、
前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けられた判定手段を作動させ、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りに連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動手段を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記剥離手段は、正常シートの前記キャリアフィルムからの剥離を容易になし得るように、前記略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板にするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される前記剥離手段は、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成するように位置付けられた前進位置から前記略三角形が前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを結ぶ直線になる後退位置まで、少なくとも往復動自在になるように構成されたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記判定手段によって、不良シートに続く前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときには、前記キャリアフィルム上の正常シートの先端が後退位置にある前記剥離手段の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記剥離手段を前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを第1のフィルム供給手段と第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、前記剥離手段が再び、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられると、前記貼合駆動手段を再び作動させ、前記帯状フィルム積層体の送りを再開させ、前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップをさらに含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する剥離装置を介して、前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置であって、
前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに送るための互いに連動して作動する、少なくとも前記剥離装置の上流側に配された第1のフィルム供給装置と前記剥離装置の下流側に配された第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するための、前記帯状フィルム積層体供給装置による前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けて作動される判定装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかが判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けた前記剥離装置を、正常シートの剥離位置に前進させるかまたは前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させるための、位置調整装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離装置を経由させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動する貼合駆動装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動装置を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記位置調整装置によって、前記剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置と、
前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを少なくとも含む前記帯状フィルム積層体供給装置、前記判定装置、前記位置調整装置を含む前記剥離装置、前記貼合駆動装置、および、前記キャリアフィルム巻取装置の各々を連動して作動させる制御装置と
を含む装置。
【請求項6】
前記剥離装置は、前記帯状フィルム積層体供給装置に含まれる前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板としたことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置調整装置は、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記剥離装置を前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前進位置と、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記剥離装置を前進位置において形成された前記略三角形が少なくとも前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを結ぶ直線になる後退位置との間を往復動自在にさせるための、ガイドレールを含む駆動装置を含むことを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、貼合駆動手段を作動させ、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する固定剥離手段を介して前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造する方法であって、
前記固定剥離手段の上流側に配された第1のフィルム供給手段と前記固定剥離手段の下流側に配された第2のフィルム供給手段とを連動させ、前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに、送るステップと、
前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けられた判定手段を作動させ、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りに連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動手段を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成する前記固定剥離手段に代替するように、断面円弧状面を有する反転手段を、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で前記固定剥離手段によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、前記反転手段の前記断面円弧状面に沿うように不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記帯状フィルム積層体を反転し、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離手段は、正常シートの前記キャリアフィルムからの剥離を容易になし得るように、前記略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板にするようにしたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記固定剥離手段と前記帯状フィルム積層体の送りとの連動を解除する前記反転手段は、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で、前記固定剥離手段によって形成される前記略三角形を含む形状となる前進位置から、前記反転手段の前記断面円弧状面が前記帯状フィルム積層体の裏面から少なくとも離れる後退位置との間で、往復動自在になる構成とすることを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記判定手段によって、不良シートに続く前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときには、前記キャリアフィルム上の正常シートの先端が前記固定剥離手段の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記反転手段を前記帯状フィルム積層体の裏面から少なくとも離れる位置まで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、前記固定剥離手段が再び、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成すると、前記貼合駆動手段を再び作動させ、前記帯状フィルム積層体の送りを再開させ、前記固定剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップをさらに含む請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記反転手段の前記断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないようにする、前記偏光フィルムシートの厚みと、前記偏光フィルムシートの粘着層に対する前記キャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしたことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記反転手段は、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するときに、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないように、前記帯状フィルム積層体を反転させる位置において、前記断面円弧状面に対応する面を有する支持手段と連動するステップをさらに含む、請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する固定剥離装置を介して、前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置であって、
前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに送るための互いに連動して作動する、少なくとも前記固定剥離装置の上流側に配された第1のフィルム供給装置と前記固定剥離装置の下流側に配された第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するための、前記帯状フィルム積層体供給装置による前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けて作動される判定装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかが判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置に代替する断面円弧状面を有する反転装置を、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間で前記固定剥離装置によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前記帯状フィルム積層体の裏面に当接して前進させるかまたは前記帯状フィルム積層体の裏面から離れる前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させるための、位置調整装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を経由させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動する貼合駆動装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動装置を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記位置調整装置によって、前記反転装置を前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間で、少なくとも前記固定剥離装置によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、前記断面円弧状面に沿うように不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま前記帯状フィルム積層体を反転し、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置と、
前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置、前記判定装置、前記固定剥離装置と関連付けられた前記位置調整装置を含む前記反転装置、前記貼合駆動装置、および、前記キャリアフィルム巻取装置の各々を連動して作動させる制御装置と
を含む装置。
【請求項15】
前記固定剥離装置は、前記帯状フィルム積層体供給装置に含まれる前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように、固定された断面楔型の剥離板としたことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記位置調整装置は、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させるように、前記帯状フィルム積層体の裏面と少なくとも離れる後退位置と、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させないように、前記固定剥離装置によって形成された前記略三角形を含む形状となる位置にまで前記帯状フィルム積層体の裏面に接して前進する前進位置との間を往復動させるための、ガイドレールを含む駆動装置を含むことを特徴とする請求項14または15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記反転装置の前記断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないようにする、前記偏光フィルムシートの厚みと、前記偏光フィルムシートの粘着層に対する前記キャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしたことを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記反転装置が前記帯状フィルム積層体の送りと連動するときに、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないように、前記帯状フィルム積層体を反転させる位置において、前記断面円弧状面に対応するように支持装置をさらに配するようにしたことを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項1】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、貼合駆動手段を作動させ、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する剥離手段を介して前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした、液晶表示素子を連続的に製造する方法であって、
少なくとも前記剥離手段の上流側に配された第1のフィルム供給手段と前記剥離手段の下流側に配された第2のフィルム供給手段とを連動させ、前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに、送るステップと、
前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けられた判定手段を作動させ、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りに連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動手段を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される位置にまで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記剥離手段は、正常シートの前記キャリアフィルムからの剥離を容易になし得るように、前記略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板にするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される前記剥離手段は、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成するように位置付けられた前進位置から前記略三角形が前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを結ぶ直線になる後退位置まで、少なくとも往復動自在になるように構成されたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記判定手段によって、不良シートに続く前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときには、前記キャリアフィルム上の正常シートの先端が後退位置にある前記剥離手段の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記剥離手段を前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを第1のフィルム供給手段と第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、前記剥離手段が再び、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられると、前記貼合駆動手段を再び作動させ、前記帯状フィルム積層体の送りを再開させ、前記剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップをさらに含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する剥離装置を介して、前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置であって、
前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに送るための互いに連動して作動する、少なくとも前記剥離装置の上流側に配された第1のフィルム供給装置と前記剥離装置の下流側に配された第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するための、前記帯状フィルム積層体供給装置による前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けて作動される判定装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかが判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けた前記剥離装置を、正常シートの剥離位置に前進させるかまたは前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させるための、位置調整装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成するように位置付けられた前記剥離装置を経由させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動する貼合駆動装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動装置を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記位置調整装置によって、前記剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置と、
前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを少なくとも含む前記帯状フィルム積層体供給装置、前記判定装置、前記位置調整装置を含む前記剥離装置、前記貼合駆動装置、および、前記キャリアフィルム巻取装置の各々を連動して作動させる制御装置と
を含む装置。
【請求項6】
前記剥離装置は、前記帯状フィルム積層体供給装置に含まれる前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板としたことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置調整装置は、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記剥離装置を前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前進位置と、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記剥離装置を前進位置において形成された前記略三角形が少なくとも前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを結ぶ直線になる後退位置との間を往復動自在にさせるための、ガイドレールを含む駆動装置を含むことを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、貼合駆動手段を作動させ、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する固定剥離手段を介して前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造する方法であって、
前記固定剥離手段の上流側に配された第1のフィルム供給手段と前記固定剥離手段の下流側に配された第2のフィルム供給手段とを連動させ、前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに、送るステップと、
前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けられた判定手段を作動させ、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りに連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップと、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動手段を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で略三角形を形成する前記固定剥離手段に代替するように、断面円弧状面を有する反転手段を、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で前記固定剥離手段によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、前記反転手段の前記断面円弧状面に沿うように不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま、前記帯状フィルム積層体を反転し、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離手段は、正常シートの前記キャリアフィルムからの剥離を容易になし得るように、前記略三角形の頂点を形成する断面楔型の剥離板にするようにしたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記固定剥離手段と前記帯状フィルム積層体の送りとの連動を解除する前記反転手段は、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間で、前記固定剥離手段によって形成される前記略三角形を含む形状となる前進位置から、前記反転手段の前記断面円弧状面が前記帯状フィルム積層体の裏面から少なくとも離れる後退位置との間で、往復動自在になる構成とすることを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記判定手段によって、不良シートに続く前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときには、前記キャリアフィルム上の正常シートの先端が前記固定剥離手段の先端に至るかまたは先端に至る直前に達すると、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記反転手段を前記帯状フィルム積層体の裏面から少なくとも離れる位置まで後退させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる弛みを前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段とを連動させて吸収し、前記固定剥離手段が再び、前記第1のフィルム供給手段と前記第2のフィルム供給手段との間を底辺とする略三角形を形成すると、前記貼合駆動手段を再び作動させ、前記帯状フィルム積層体の送りを再開させ、前記固定剥離手段を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、前記貼合駆動手段により、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるステップをさらに含む請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記反転手段の前記断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないようにする、前記偏光フィルムシートの厚みと、前記偏光フィルムシートの粘着層に対する前記キャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしたことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記反転手段は、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するときに、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないように、前記帯状フィルム積層体を反転させる位置において、前記断面円弧状面に対応する面を有する支持手段と連動するステップをさらに含む、請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
順次搬送される複数の矩形パネルに対して、矩形パネルの長辺または短辺と同一幅を有する帯状フィルム積層体の送り方向にみて下流側と上流側の幅方向の切込線の間に、事前検査によって検出された欠点の位置に基づきキャリアフィルム上に形成された、欠点を含まない正常シートと欠点を含む不良シートからなる粘着層を含む偏光フィルムシートのうち、前記帯状フィルム積層体の裏面に当接する固定剥離装置を介して、前記キャリアフィルムから剥離された欠点を含まない正常シートを貼り合せるようにした液晶表示素子を連続的に製造するための装置であって、
前記帯状フィルム積層体を緩むことなく、正常シートの矩形パネルとの貼合位置または不良シートを含む前記キャリアフィルムの巻取位置のいずれかに送るための互いに連動して作動する、少なくとも前記固定剥離装置の上流側に配された第1のフィルム供給装置と前記固定剥離装置の下流側に配された第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかを判定するための、前記帯状フィルム積層体供給装置による前記帯状フィルム積層体の送りに関連付けて作動される判定装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートであるかまたは不良シートであるかが判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置に代替する断面円弧状面を有する反転装置を、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間で前記固定剥離装置によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前記帯状フィルム積層体の裏面に当接して前進させるかまたは前記帯状フィルム積層体の裏面から離れる前記帯状フィルム積層体の送りとの連動が解除される解除位置にまで後退させるための、位置調整装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を経由させ、正常シートを前記キャリアフィルムから剥離して前記貼合位置に送り、正常シートの送りに同期して前記貼合位置に搬送される矩形パネルに貼り合せるための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動する貼合駆動装置と、
前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記貼合駆動装置を不作動にするとともに、前記帯状フィルム積層体の送りを停止し、前記位置調整装置によって、前記反転装置を前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間で、少なくとも前記固定剥離装置によって形成される前記略三角形を含む形状となる位置にまで前進させ、そのことにより、前記帯状フィルム積層体に生じる張りを前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを連動させて吸収し、次に、前記帯状フィルム積層体の送りを再開し、前記断面円弧状面に沿うように不良シートを前記キャリアフィルムに貼付けたまま前記帯状フィルム積層体を反転し、前記巻取位置に向け不良シートの長さに関連付けた長さだけ、前記キャリアフィルムと一体に送るための、前記帯状フィルム積層体の送りと連動するキャリアフィルム巻取装置と、
前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置とを含む帯状フィルム積層体供給装置、前記判定装置、前記固定剥離装置と関連付けられた前記位置調整装置を含む前記反転装置、前記貼合駆動装置、および、前記キャリアフィルム巻取装置の各々を連動して作動させる制御装置と
を含む装置。
【請求項15】
前記固定剥離装置は、前記帯状フィルム積層体供給装置に含まれる前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形の頂点を形成するように、固定された断面楔型の剥離板としたことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記位置調整装置は、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが正常シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させるように、前記帯状フィルム積層体の裏面と少なくとも離れる後退位置と、前記粘着層を含む偏光フィルムシートが不良シートと判定されたときに、前記第1のフィルム供給装置と前記第2のフィルム供給装置との間を底辺とする略三角形を形成する前記固定剥離装置を前記帯状フィルム積層体の送りと連動させないように、前記固定剥離装置によって形成された前記略三角形を含む形状となる位置にまで前記帯状フィルム積層体の裏面に接して前進する前進位置との間を往復動させるための、ガイドレールを含む駆動装置を含むことを特徴とする請求項14または15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記反転装置の前記断面円弧状面の曲率半径Rは、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないようにする、前記偏光フィルムシートの厚みと、前記偏光フィルムシートの粘着層に対する前記キャリアフィルムの剥離力との相対関係に基づき定めるようにしたことを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記反転装置が前記帯状フィルム積層体の送りと連動するときに、不良シートを前記キャリアフィルムから剥離させないように、前記帯状フィルム積層体を反転させる位置において、前記断面円弧状面に対応するように支持装置をさらに配するようにしたことを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−24956(P2013−24956A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157478(P2011−157478)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【特許番号】特許第5068879号(P5068879)
【特許公報発行日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【特許番号】特許第5068879号(P5068879)
【特許公報発行日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】
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