説明

液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

【課題】 高品位の表示を行う液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による液晶表示装置(100)は、反射領域(R)に設けられた反射層(220r)と、第1配向膜(230)とを含む第1基板(200)と、透過領域(T)および反射領域(R)の両方に設けられたカラーフィルタ層(262)と、第2配向膜(280)とを含む第2基板(250)と、第1配向膜(230)と第2配向膜(280)との間に設けられた液晶層(300)と、第1配向膜(230)と液晶層(300)との間に設けられた第1配向維持層(410)と、第2配向膜(280)と液晶層(300)との間に設けられた第2配向維持層(420)とを備えており、カラーフィルタ層(262)のうち反射領域に対応する領域(262r)には複数の開口部(263)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型および低消費電力等の利点を有している。このため、液晶表示装置は、テレビ、コンピュータ、携帯端末等の表示部に利用されている。液晶表示装置の液晶パネルは、ブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)やプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)などの自発光型パネルとは異なり、それ自体は発光しない。このため、透過型液晶表示装置では、バックライトを液晶パネルの裏面に配置し、バックライトから出射して液晶パネルを通過した光により、表示が行われる。また、反射型液晶表示装置では、前面から入射して液晶パネルによって反射された光により、表示が行われる。
【0003】
一方、透過反射両用型液晶表示装置では、バックライトから出射して液晶パネルを通過した光によって表示を行う透過モード、および、前面から入射して液晶パネルによって反射された光によって表示を行う反射モードで表示が行われる。透過反射両用型液晶表示装置は、外部から入射する光が強い環境下では主に反射モードで表示を行うことにより、消費電力を低減させており、また、外部から入射する光が弱い環境下では主に透過モードで表示を行うことにより、輝度およびコントラスト比の低下を抑制している。このような透過反射両用型液晶表示装置は、携帯電話を含むモバイル機器、車両用インパネ(Instrument Panel)などに好適に用いられている。
【0004】
また、近年、液晶分子のプレチルト方向を制御する技術として、ポリマー配向安定化技術(Polymer Sustained Alignment Technology(以下、「PSA技術」という))が開発されている。例えば、高コントラスト比を実現するVAモードの液晶表示装置にPSA技術を適用することにより、配向膜の主面の法線方向に対してわずかにチルトした方向に液晶分子のプレチルト方向を規定し、液晶分子の配向の安定性および応答速度を向上させることができる。
【0005】
以下、図5を参照して、一般的なPSA技術を説明する。図5(a)に示すように、透明基板602上に画素電極610、配向膜620を有するアクティブマトリクス基板600と、透明基板652上にカラーフィルタ層660、対向電極670、配向膜680を有するカラーフィルタ基板650との間に液晶層700を形成する。液晶層700には、液晶分子702に加えて少量の光重合性組成物(例えば光重合性モノマー)704が混入されている。その後、画素電極610と対向電極670との間に所定の電圧を印加すると、液晶分子702は所定の方向に配向し、このような電圧印加状態で紫外光を照射する。
【0006】
紫外光の照射によって液晶層700中の光重合性組成物704は重合する。これにより、図5(b)に示すように、配向膜620と液晶層700との間にポリマー構造物(重合体)710が形成され、また、配向膜680と液晶層700との間にポリマー構造物720が形成される。このようなポリマー構造物710、720により、その後、電圧を取り去った後(電圧を印加しない状態)においてもポリマー構造物710、720が生成されたときの液晶分子702の配向状態が維持(記憶)される。本明細書において、このようなポリマー構造物を配向維持層とも呼ぶ。また、紫外光を照射してポリマー構造物(配向維持層)を形成する工程をPSA工程とも呼ぶ。ポリマー構造物710、720により、液晶分子702の配向方向は維持(記憶)され、プレチルト方向が規定される。プレチルト方向は、プレチルト角およびプレチルト方位によって表される。プレチルト角は、配向膜の主面と、電圧無印加時に配向膜の近傍において配向された液晶分子の長軸とのなす角度であり、プレチルト方位は、そのような液晶分子の長軸を配向膜の主面に投影した方位角成分である。
【0007】
このように、PSA技術は、液晶層に形成される電界等を制御することによって、液晶分子のプレチルト方位およびプレチルト角を調整することができるという利点を有している。また、PSA技術はラビング処理を必要とすることなく液晶分子のプレチルト方位およびプレチルト角を規定することができるので、特に、ラビング処理によってプレチルト方向を制御することが難しい垂直配向型の液晶層を形成するのに適している。
【0008】
このようなPSA技術を上述した透過反射両用型液晶表示装置に適用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。図6に、特許文献1に開示されている液晶表示装置800における画素の模式的な断面図を示す。液晶表示装置800は透過反射両用型液晶表示装置であり、画素は透過領域Tおよび反射領域Rを有している。
【0009】
液晶表示装置800においてカラーフィルタ層960は透過領域Tおよび反射領域Rの両方に設けられている。図6において、カラーフィルタ層960のうち透過領域Tに対応する領域をカラーフィルタ領域960tと示し、反射領域Rに対応する領域をカラーフィルタ領域960rと示している。カラーフィルタ領域960tの厚さd1はカラーフィルタ領域960rの厚さd2の約2倍である。また、図6において、液晶層990のうち透過領域Tに対応する領域を液晶領域990tと示し、反射領域Rに対応する領域を液晶領域990rと示している。なお、液晶表示装置800において、配向維持層(図示せず)は反射領域Rに設けられるのに対して、透過領域Tに設けられない。
【0010】
液晶表示装置800の製造の際にPSA工程が行われる。このPSA工程では、画素電極910と対向電極970との間に電圧を印加しない状態で、紫外光がカラーフィルタ基板950側から照射される。カラーフィルタ領域960rは比較的薄いため、紫外光は液晶領域990rに到達し、反射領域Rに配向維持層(紫外線硬化物)が形成されるのに対して、カラーフィルタ領域960tは比較的厚いため、紫外光は液晶領域990tに到達せず、透過領域Tに配向維持層が形成されない。
【0011】
液晶表示装置800では、電圧を印加したときに、配向維持層が液晶領域990rの液晶分子を維持するため、液晶領域990rの液晶分子は液晶領域990tの液晶分子よりも傾斜しにくく、液晶領域990rの領域の屈折率異方性が液晶領域990tよりも小さくなる。これにより、液晶領域990rのリタデーションを液晶領域990tと一致させている。
【0012】
また、一般に、反射領域において表示に寄与する光はカラーフィルタ領域を2回通過するのに対して、透過領域において表示に寄与する光はカラーフィルタ領域を1回通過するため、反射領域Rおよび透過領域Tの両方の色純度を最適化することが困難である。しかしながら、液晶表示装置800では、カラーフィルタ領域960rはカラーフィルタ領域960tよりも薄いため、カラーフィルタ領域960t、960rを同じ材料で形成しても、反射領域Rおよび透過領域Tの両方の色純度を最適化することができる。
【特許文献1】特開2005−338472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
液晶表示装置800において厚さの異なるカラーフィルタ領域960t、960rを設計どおりに作製することは困難であり、カラーフィルタ領域960t、960rの厚さの変動に応じて表示特性が変動する。また、反射領域Rに配向維持層が形成される一方で透過領域Tに配向維持層が形成されないため、液晶領域990tの液晶分子の応答特性は液晶領域990rとは異なる。このような応答特性の差に起因してざらつきが発生するため、液晶表示装置800は高品位の表示を行うことができない。また、実際に、カラーフィルタ領域960t、960rの厚さを異ならせることにより、紫外光の透過率を変化させて配向維持層を選択的に形成することは困難である。
【0014】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高品位の表示を行う液晶表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による液晶表示装置は、それぞれが透過領域および反射領域を含む複数の画素を有する液晶表示装置であって、前記反射領域に設けられた反射層と、第1配向膜とを含む第1基板と、前記透過領域および前記反射領域の両方に設けられたカラーフィルタ層と、第2配向膜とを含む第2基板と、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に設けられた液晶層と、前記第1配向膜と前記液晶層との間に設けられた第1配向維持層と、前記第2配向膜と前記液晶層との間に設けられた第2配向維持層とを備えており、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域には複数の開口部が設けられている。
【0016】
ある実施形態において、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域の厚さは、前記透過領域に対応する領域の厚さとほぼ等しい。
【0017】
ある実施形態において、前記第1配向膜および前記第2配向膜のそれぞれは、前記透過領域および前記反射領域の両方に設けられており、前記第1配向膜のうち前記透過領域に対応する領域の厚さは前記反射領域に対応する領域の厚さとほぼ等しく、前記第2配向膜のうち前記透過領域に対応する領域の厚さは前記反射領域に対応する領域の厚さとほぼ等しい。
【0018】
ある実施形態において、前記複数の開口部は、前記カラーフィルタ層のうちの前記反射領域に対応する領域の全体にわたって分布している。
【0019】
ある実施形態において、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域は、メッシュ形状を有している。
【0020】
ある実施形態において、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域は、チェッカーパターン形状を有している。
【0021】
ある実施形態において、前記複数の開口部は、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域にランダムに配置されている。
【0022】
ある実施形態において、前記複数の開口部のそれぞれにおいて隣接する2つの開口部の距離は50μm以下である。
【0023】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、それぞれが透過領域および反射領域を含む複数の画素を有する液晶表示装置の製造方法であって、前記複数の画素のそれぞれの前記反射領域に設けられた反射層と、第1配向膜とを有するアクティブマトリクス基板を形成する工程と、前記透過領域および前記反射領域の両方に対応するカラーフィルタ層と、第2配向膜とを有するカラーフィルタ基板を形成する工程であって、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域に複数の開口部を形成する工程と、前記第1配向膜および前記第2配向膜が向かい合うように前記アクティブマトリクス基板と前記カラーフィルタ基板を配置し、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に、光重合性組成物の混合された液晶材料を付与して液晶パネルを作製する工程と、前記アクティブマトリクス基板側から前記液晶パネルに紫外光を照射することにより、前記透過領域に対応する配向維持層を形成する工程と、前記カラーフィルタ基板側から前記液晶パネルに紫外光を照射することにより、前記反射領域に対応する配向維持層を形成する工程とを包含する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高品位の表示を行う液晶表示装置およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明による液晶表示装置およびその製造方法の実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明による第1実施形態の液晶表示装置100の構成を説明する。液晶表示装置100は透過反射両用型である。また、液晶表示装置100は、良好な視野角特性を実現するCPA(Continuous Pinwheel Alignment)モードの液晶表示装置である。
【0027】
図1(a)に、本実施形態の液晶表示装置100の模式的な断面図を示す。液晶表示装置100には複数の行および列のマトリクス状に複数の画素が設けられているが、図1(a)には、1つの画素を示しており、画素は透過領域Tおよび反射領域Rを有している。液晶表示装置100は、液晶パネル150と、バックライト500とを備えている。液晶パネル150は、アクティブマトリクス基板(第1基板)200と、カラーフィルタ基板(第2基板)250と、アクティブマトリクス基板200とカラーフィルタ基板250との間に設けられた液晶層300とを有している。なお、図示していないが、典型的には、アクティブマトリクス基板200およびカラーフィルタ基板250の外側に、位相差板や偏光板が設けられる。
【0028】
アクティブマトリクス基板200は、透明基板202と、透明基板202上に設けられた画素電極210と、画素電極210を覆う第1配向膜230とを有している。透明基板202は、例えばガラス基板またはプラスチック基板である。画素電極210は、複数のサブ画素電極210aを有している。なお、ここでは、3つのサブ画素電極210aを有する画素電極210を例示しているが、1つの画素電極210に属するサブ画素電極210aの個数はこれに限定されるものではない。
【0029】
液晶表示装置100では、複数のサブ画素電極210aのうちの一部は、透明な導電材料(例えばITO(Indium Tin Oxide))から形成されている。以下の説明において、このサブ画素電極210aを透明電極220tと呼ぶ。また、残りのサブ画素電極210aは、高い光反射率を有する導電材料(例えばアルミニウムなどの金属)から形成されており、これが反射層220rとして機能する。以下の説明において、このサブ画素電極210aを反射電極220rと呼ぶ。反射領域Rは反射電極220rによって規定される。なお、画素電極210の一部が反射機能を有していなくてもよく、反射領域Rに対応する領域にも透明電極を設け、その透明電極上に、導電性を有しない反射部材を設けて反射層220rとしてもよい。
【0030】
また、ここでは図示しないが、アクティブマトリクス基板200は、さらに、画素電極210に電気的に接続されたスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT))、TFTに走査信号を供給する走査配線、TFTに映像信号を供給する信号配線、補助容量を形成するための補助容量配線等を有しており、画素電極210は、これらの配線群やTFTを覆う層間絶縁膜(図示せず)上に形成されている。
【0031】
カラーフィルタ基板250は、透明基板252と、着色層260と、対向電極270と、第2配向膜280とを有している。透明基板252は、例えばガラス基板またはプラスチック基板である。着色層260は、カラーフィルタ層262と、遮光層264とを有している。なお、図1(a)には、1つのカラーフィルタ層262を示しているが、実際には、カラーフィルタ層262として、赤、緑および青の異なる3つのカラーフィルタ層が設けられている。画素電極210は複数の画素のそれぞれに配置されているのに対し、対向電極270は、典型的には、すべての画素電極210に対向する1つの透明導電膜として形成される。
【0032】
液晶表示装置100では、液晶層300と第1配向膜230との間に第1配向維持層410が設けられ、液晶層300と第2配向膜280との間に第2配向維持層420が設けられている。第1、第2配向維持層410、420は、光重合性組成物の重合によって形成される。なお、図1(a)では第1、第2配向維持層410、420は第1、第2配向膜230、280の全面を覆う膜状に示されているが、第1、第2配向維持層410、420は、第1、第2配向膜230、280の全面を覆うように設けられていなくてもよく、島状に設けられていてもよい。
【0033】
液晶層300は、垂直配向型であり、負の誘電異方性を有する液晶分子302を含んでいる。液晶層300の液晶分子302の配向方向は、第1、第2配向膜230、280だけでなく、第1、第2配向維持層410、420によって規定される。また、液晶層300には、サブ画素電極210aごとに液晶ドメインが形成される。
【0034】
また、カラーフィルタ基板250には凸部290が設けられている。凸部290は、液晶ドメインの中心に対応する領域(つまり各サブ画素電極210aの中心に対応する領域)に配置されている。凸部290は、透明な誘電体材料(例えば樹脂)から形成されている。なお、必ずしも凸部290を設ける必要はなく、各画素内に設けられた複数の凸部290の一部あるいはすべてを省略してもよい。また、凸部290に代えて、他の配向規制構造(例えば対向電極270に形成した開口部など)を設けてもよい。
【0035】
図1(a)において、カラーフィルタ層262のうち、透過領域Tに対応する領域をカラーフィルタ領域262tと示し、反射領域Rに対応する領域をカラーフィルタ領域262rと示している。同様に、液晶層300のうち、透過領域Tに対応する領域を液晶領域300tと示し、反射領域Rに対応する領域を液晶領域300rと示している。また、第1、第2配向膜230、280のうち、透過領域Tに対応する領域を配向領域230t、280tと示し、反射領域Rに対応する領域を配向領域230r、280rと示している。また、第1、第2配向維持層410、420のうち、透過領域Tに対応する領域を配向維持領域410t、420tと示し、反射領域Rに対応する領域を配向維持領域410r、420rと示している。
【0036】
本実施形態の液晶表示装置100では、カラーフィルタ領域262rに複数の開口部263が設けられている。このため、カラーフィルタ領域262rの光透過率はカラーフィルタ領域262tの光透過率と異なる。例えば、カラーフィルタ領域262tについて、対応する波長の光透過率は約80%、他の波長の光透過率は約0%である。また、カラーフィルタ領域262rについて、対応する波長の光透過率は約90%、他の波長の光透過率は約50%である。
【0037】
また、液晶表示装置100において、液晶領域300tの厚さは液晶領域300rの厚さとほぼ等しい。液晶層300の厚さは、例えば3.5μmである。また、第1配向膜230および第2配向膜280は、それぞれ、表示領域全面にわたって設けられている。第1配向膜230において配向領域230tの厚さは、配向領域230rの厚さとほぼ等しい。同様に、第2配向膜280において配向領域280tの厚さは、配向領域280rの厚さとほぼ等しい。例えば、第1配向膜230および第2配向膜280の厚さはそれぞれ600Åである。
【0038】
図1(b)に、液晶表示装置100の模式的な平面図を示す。画素電極210は、隣接する2つの走査配線Gおよび隣接する2つの信号配線Sに囲まれた位置に配置されている。サブ画素電極210aは、円弧状の角部を有する略矩形である。1つの画素に属するサブ画素電極210a、すなわち、2つの透明電極220tおよび1つの反射電極220rは、円弧状の角部を有する略矩形状である。透明電極220tおよび反射電極220rは互いに電気的に接続されている。なお、透明電極220tのx方向の長さはy方向の長さとほぼ等しい。また、反射電極220rのx方向の長さは透明電極220tのx方向の長さとほぼ等しいが、反射電極220rのy方向の長さは透明電極220tのy方向の長さのほぼ半分である。したがって、透明電極220tの面積の和と反射電極220rの面積との比はほぼ4:1である。なお、ここでは、反射電極220rの対称性は透明電極220tほど高くないが、反射電極220rのサイズが比較的小さいため、表示特性に対する影響は小さい。
【0039】
図1(c)に、画素電極210と対向電極270との間に所定の電圧(しきい値電圧以上の電圧)が印加されたときの液晶分子302の配向状態を示す。なお、図1(a)は、図1(c)の1A−1A’線に沿った断面図である。
【0040】
図1(a)に示した画素電極210と対向電極270との間に所定の電圧が印加されると、図1(c)に示すように、各サブ画素電極210a上に液晶ドメインが形成される。液晶ドメイン内の液晶分子302は放射状に傾斜して配向される。サブ画素電極210aごとに液晶ドメインが形成されるのは、サブ画素電極210aが独立した島に近い外縁を有し、このサブ画素電極210aのエッジ部に生成される斜め電界の配向規制力が液晶分子302に作用するからである。サブ画素電極210aのエッジ部に生成される電界は、サブ画素電極210aの中心に向かって傾斜し、液晶分子302を放射状に傾斜して配向させるように作用する。また、カラーフィルタ基板250の凸部290により、放射状傾斜配向が安定化している。
【0041】
ここで、液晶分子の配向方向およびPSA工程について説明する。PSA工程を行うことにより、図1(a)に示した第1、第2配向維持層410、420が形成される。したがって、PSA工程を行う前に、第1、第2配向維持層410、420は形成されていない。PSA工程を行う前に画素電極210と対向電極270との間に電圧を印加しないと、液晶層300内の液晶分子302は第1、第2配向膜230、280の表面に対してほぼ垂直に配向し、液晶分子のプレチルト角はほぼ90°である。第1、第2配向膜230、280はそれぞれ垂直配向膜とも呼ばれる。PSA工程を行うことによって第1、第2配向維持層410、420が形成されると、第1、第2配向維持層410、420により、液晶分子302のプレチルト角は90°よりも低くなる。なお、プレチルト角は、経時変化によって低下することがある。
【0042】
PSA工程は、以下のように行われる。液晶層300を構成する液晶材料に光重合性組成物(光重合性を有するモノマーやオリゴマー)を予め混入し、この液晶材料をアクティブマトリクス基板200とカラーフィルタ基板250との間に付与し、液晶パネル150を作製する。画素電極210と対向電極270との間に電圧を印加すると、図1(c)に示したように、液晶分子302は第1配向膜230の主面の法線方向からみて凸部290を中心にした放射状に傾斜するように配向する。このような電圧印加状態において、液晶パネル150に紫外光を照射すると、光重合性組成物が重合し、液晶層300と第1、第2配向膜230、280との間に第1、第2配向維持層410、420が形成される。第1、第2配向維持層410、420は、電圧無印加状態でも、電圧印加時と同じ方位に液晶分子302を配向させる配向規制力を有しており、第1、第2配向維持層410、420近傍の液晶分子302は、電圧印加時の傾斜方位と同じ方位にプレチルトしている。つまり、液晶分子302の電圧無印加状態におけるプレチルト方位は、第1、第2配向維持層410、420により、電圧印加時の放射状傾斜配向と整合するように規定される。
【0043】
以上のように、液晶層300のうちアクティブマトリクス基板200の近傍の液晶分子302のプレチルト方向は、第1配向膜230および第1配向維持層410によって規定され、液晶層300のうちカラーフィルタ基板250の近傍の液晶分子302のプレチルト方向は、第2配向膜280および第2配向維持層420によって規定される。液晶層300の液晶分子302のプレチルト方位も凸部290を中心に0°〜360°までの全方位を向いている。このように液晶分子のプレチルト方位が規定されることにより、電圧印加時における液晶分子の配向の安定性および応答特性が向上する。なお、電圧無印加状態における第1、第2配向膜230、280の主面の法線方向に対する液晶分子の傾きが2〜4°程度となるようにプレチルト方向を制御すると、コントラスト比と応答性とのバランスを良好にすることができる。また、このようにプレチルト方向を制御することにより、応答が速くなるとともに指押し等による配向乱れを抑制することができる。また、画素構造をシンプル化すれば、輝度とコントラスト比の両方を向上させることができる。
【0044】
また、図1(d)に、着色層260の模式的な平面図を示す。カラーフィルタ層262はほぼ矩形であり、図1(d)に示すように、赤(R)、緑(G)および青(B)の3つのカラーフィルタ層262が一列に配列されている。遮光層264はカラーフィルタ層262の周囲を囲むように配置されている。例えば、カラーフィルタ層262のサイズは50×100μmである。また、遮光層264は、画素電極210と例えば5μmほど重なるように配置されている。
【0045】
また、カラーフィルタ層262のカラーフィルタ領域262rには複数の開口部263が設けられている。なお、開口部263には、パターニング可能なアクリル樹脂材が平坦化材として充填されていてもよい。複数の開口部263はカラーフィルタ領域262rの全面にわたって規則的に配置されている。本実施形態の液晶表示装置100において、開口部263はそれぞれ長さ5×5μmの正方形状であり、複数の開口部263の設けられたカラーフィルタ領域262rはチェッカーパターン形状を有している。隣接する2つの開口部の距離は開口部263の長さとほぼ等しい。カラーフィルタ領域262rの全体に占める全ての開口部263の面積の割合はほぼ半分である。
【0046】
特許文献1を参照した上述した説明から理解されるように、PSA工程においてカラーフィルタ基板側から紫外光を照射する場合、カラーフィルタ領域が十分に薄くなければ、紫外光はカラーフィルタ領域に吸収されてしまい、反射領域に対応する液晶層に配向維持層を形成できない。また、仮に、PSA工程においてアクティブマトリクス基板側から紫外光を照射したとしても、紫外光は反射電極によって反射されてしまい、反射領域に対応する液晶層に配向維持層を形成できない。
【0047】
しかしながら、本実施形態の液晶表示装置100では、カラーフィルタ領域262rに複数の開口部263を設けていることにより、カラーフィルタ基板250側から照射された紫外光が液晶領域300rに到達し、液晶領域300rと第1、第2配向膜230r、280rとの間に配向維持領域410r、420rが形成される。したがって、別途、アクティブマトリクス基板200側から紫外光を照射して、液晶領域300tと第1、第2配向膜230、280との間に配向維持領域410t、420tを形成することにより、透過領域Tおよび反射領域Rの両方にわたって配向維持層410、420を形成することができる。
【0048】
以下、図2を参照して、本実施形態の液晶表示装置100の製造方法を説明する。
【0049】
図2(a)に示すように、透明基板202上に、画素電極210および第1配向膜230を設けたアクティブマトリクス基板200を形成する。なお、図2(a)には図示していないが、透明基板202と画素電極210との間には、TFT、信号配線等が設けられている。
【0050】
図2(b)に示すように、透明基板252上に、着色層260、対向電極270および第2配向膜280を設けたカラーフィルタ基板250を形成する。着色層260におけるカラーフィルタ層262はカラーフィルタ領域262t、262rを有しており、カラーフィルタ領域262rには複数の開口部263が形成されている。なお、開口部263はフォトリソグラフィによるパターニング等で形成される。
【0051】
図2(c)に示すように、第1配向膜230および第2配向膜280が向かい合うようにアクティブマトリクス基板200およびカラーフィルタ基板250を配置する。その後、第1配向膜230と第2配向膜280との間に、光重合性モノマー304の混入された液晶材料302を付与する。光重合性モノマー304として、例えば、液晶骨格を有するジアクリレートまたはジメタクリレートのモノマーが用いられる。光重合性モノマー304は液晶材料302に対して0.3wt%濃度で添加されている。このようにして、液晶パネル150を作製する。
【0052】
その後、液晶パネル150に紫外光を照射するPSA工程を行う。ここでは、PSA工程のために、液晶パネル150のアクティブマトリクス基板200側およびカラーフィルタ基板250側のそれぞれから365nm(i線)をメインとする光源を用いた紫外光を照射する。それぞれの照射において、紫外光の光源の強度は約20mW/cm2であり、照射時間は約500秒であり、照射時には、約10Vの交流電圧が印加されている。なお、液晶表示装置100の表示において印加する最大電圧は5Vである。
【0053】
まず、図2(d)に示すように、液晶パネル150にアクティブマトリクス基板200側から紫外光を照射する。透明電極220tは可視光だけでなく紫外光を透過するため、紫外光は液晶領域300tに到達し、配向維持領域410t、420tが形成される。配向維持領域410t、420tは、光重合性モノマーが重合することによって形成されたものである。一方、反射電極220rは可視光だけでなく紫外光を反射するため、紫外光は液晶領域300rに到達せず、配向維持領域410r、420rは形成されない。
【0054】
次に、図2(e)に示すように、液晶パネル150にカラーフィルタ基板250側から紫外光を照射する。カラーフィルタ層262のカラーフィルタ領域262tは紫外光を吸収するため、紫外光は液晶領域300tに到達しない。一方、カラーフィルタ層262のカラーフィルタ領域262rには開口部263が設けられており、紫外光は開口部263を通過して液晶領域300rに到達し、配向維持領域410r、420rが形成される。配向維持領域410r、420rは、同様に、光重合性組成物の重合によって形成される。
【0055】
以上のようにして、第1配向膜230と第2配向膜280との間に付与した液晶材料に混合されていた光重合性組成物304から、透過領域Tおよび反射領域Rの両方にわたって配向維持層410、420が形成される。また、液晶層300から光重合性組成物が減少して、液晶層300の主成分である液晶材料302の割合が増加する。なお、必要に応じて、配向維持層410、420を形成した後に、液晶層300中の光重合性組成物をさらに重合して、液晶層300中の光重合性組成物が十分に低減するように、紫外光を別途照射してもよい。その後、液晶パネル150のアクティブマトリクス基板200と対向する位置にバックライト500を配置する。以上のようにして液晶表示装置100は作製される。
【0056】
アクティブマトリクス基板200側から紫外光を照射するだけでは、紫外光は反射電極220rによって反射されるため、紫外光は液晶領域300rに到達せず、配向維持領域410r、420rは形成されない。しかしながら、カラーフィルタ層262のカラーフィルタ領域262rに開口部263が設けられているため、カラーフィルタ基板250側から紫外光を照射すると、紫外光は、液晶領域300rに到達し、配向維持領域410r、420rが形成される。これにより、液晶領域300tだけでなく液晶領域300rにおいても液晶分子のプレチルト方位を規定することができ、液晶領域300tおよび300rの応答特性を改善するとともに、ちらつきの発生を抑制することができる。
【0057】
また、一般に、反射領域において表示に寄与する光はカラーフィルタ領域を2回通過するのに対して、透過領域において表示に寄与する光はカラーフィルタ領域を1回通過するため、反射領域および透過領域の両方の色純度を最適化することが困難である。しかしながら、液晶表示装置100では、カラーフィルタ領域262rに開口部263が設けられており、反射領域Rの輝度の低下を抑制するとともに透過領域Tおよび反射領域Rの色純度の最適化を容易に行うことができる。
【0058】
なお、上述した説明では、アクティブマトリクス基板200側から紫外光を照射した後に、カラーフィルタ基板250側から紫外光を照射したが、本発明はこれに限定されない。カラーフィルタ基板250側から紫外光を照射した後に、アクティブマトリクス基板200側から紫外光を照射してもよい。
【0059】
なお、上述した説明では、アクティブマトリクス基板200側から照射を行うときの照射条件は、カラーフィルタ基板250側から照射を行うときの照射条件と同じであったが、本発明はこれに限定されない。2回の照射条件は異なっていてもよい。例えば、開口部263のサイズやカラーフィルタ領域262rの全体に占める開口部263の面積の割合が小さい場合、カラーフィルタ基板250側から照射を行うときの照射量をアクティブマトリクス基板200側から照射を行うときの照射量よりも大きくしてもよい。
【0060】
また、上述した説明では、図1(d)に示したように、開口部263はほぼ矩形状であり、カラーフィルタ領域262rがチェッカーパターン形状を有していたが、本発明はこれに限定されない。
【0061】
図3に示すように、開口部263はほぼ円形状であってもよい。この場合、開口部263のサイズは、例えば、5μm〜20μmであり、好ましくは10μmである。また、開口部263のサイズは等しくなくてもよい。また、開口部263は基本的にランダムに配置されているが、反射領域において液晶分子の配向方向が不均一となるのを防ぐために、隣接する2つの開口部263の距離が少なくとも50μm以下となるように開口部263は配置されている。例えば、画素の行方向の幅が60μmである場合、隣接する2つの開口部263の距離が15μm以下であれば、行方向に2つ以上のパターンを形成することができる。
【0062】
また、カラーフィルタ領域262rの全体に占める開口部263の面積の割合は10%〜50%であり、開口部263の分布密度はカラーフィルタ領域262rの全域にわたってほぼ均一である。なお、分布の程度は、中間調における表示のザラツキで判断できる。
【0063】
あるいは、図4に示すように、カラーフィルタ層262のカラーフィルタ領域262rは、開口部263のサイズおよび隣接する2つの開口部263の距離が互いに異なるメッシュ構造であってもよい。フォトリソグラフィの解像度を考慮すると、例えば、開口部263のサイズは1μm以上であり、隣接する2つの開口部263の距離は1μm以上である。
【0064】
なお、上述した説明では、サブ画素電極は、円弧状の角部を有する略矩形状であったが本発明はこれに限定されない。他の形状であってもよい。ただし、サブ画素電極の形状は高い回転対称性を有する形状(略正方形や略長方形、略円形等)が好ましい。
【0065】
また、上述した説明では、液晶層300は垂直配向型であったが、本発明はこれに限定されない。液晶層300は他の配向型であってもよい。
【0066】
また、上述した説明では、液晶表示装置はCPAモードであったが、本発明はこれに限定されない。液晶表示装置は別のモードであってもよい。例えば、液晶表示装置はMVA(Multidomain Vetrical Alignment)モードであってもよい。
【0067】
また、上述した説明では、配向膜は電圧無印加時に液晶分子を垂直に配向させる垂直配向膜であり、配向維持層によってプレチルト方位が規定されたが、本発明はこれに限定されない。配向維持層を形成する前において配向膜のみによってプレチルト方位を規定してもよく、このような配向膜を光配向処理で形成してもよい。
【0068】
また、上述した説明では、液晶領域300tの厚さ(セルギャップ)は液晶領域300rとほぼ等しかったが、本発明はこれに限定されない。透過モードの表示に用いられる光(液晶層300を一回だけ通過する)と反射モードの表示に用いられる光(液晶層300を二回通過する)との光路長の差を小さくするために、液晶領域300rの厚さは液晶領域300tの厚さよりも小さくてもよく、例えば、液晶領域300rの厚さは液晶領域300rの厚さの半分であってもよい。このようなマルチギャップ構造を実現するためには、アクティブマトリクス基板200またはカラーフィルタ基板250の反射領域Rに対応する領域に、液晶層300の厚さを調整するための層(液晶層厚調整層)を形成すればよい。液晶層厚調整層は、例えば、透明な樹脂材料から形成される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、高品位の表示を行う透過反射両用型液晶表示装置を提供できる。本発明による液晶表示装置は、携帯電話などのモバイル機器、車両用インパネ(Instrument Panel)に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】(a)は、本発明による液晶表示装置の実施形態の模式的な平面図を示し、(b)は、本実施形態の液晶表示装置の模式的な平面図であり、(c)は、電圧印加時の液晶分子の配向状態を示す模式的な平面図であり、(d)は、着色層の模式的な平面図である。
【図2】(a)〜(e)は、それぞれ、本実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図3】本実施形態の液晶表示装置の変形例における着色層の模式的な平面図である。
【図4】本実施形態の液晶表示装置の別の変形例における着色層の模式的な平面図である。
【図5】(a)は、一般的なPSA技術における紫外光の照射を説明する模式図であり、(b)は、紫外光の照射によって生成された配向維持層を示す模式図である。
【図6】従来の液晶表示装置の模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0071】
100 液晶表示装置
150 液晶パネル
200 アクティブマトリクス基板
202 透明基板
210 画素電極
210a サブ画素電極
220t 透明電極
220r 反射電極
230 第1配向膜
250 カラーフィルタ基板
252 透明基板
260 着色層
262 カラーフィルタ層
263 開口部
264 遮光層
270 対向電極
280 第2配向膜
290 凸部
300 液晶層
410 第1配向維持層
420 第2配向維持層
500 バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが透過領域および反射領域を含む複数の画素を有する液晶表示装置であって、
前記反射領域に設けられた反射層と、第1配向膜とを含む第1基板と、
前記透過領域および前記反射領域の両方に設けられたカラーフィルタ層と、第2配向膜とを含む第2基板と、
前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に設けられた液晶層と、
前記第1配向膜と前記液晶層との間に設けられた第1配向維持層と、
前記第2配向膜と前記液晶層との間に設けられた第2配向維持層と
を備えており、
前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域には複数の開口部が設けられている、液晶表示装置。
【請求項2】
前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域の厚さは、前記透過領域に対応する領域の厚さとほぼ等しい、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1配向膜および前記第2配向膜のそれぞれは、前記透過領域および前記反射領域の両方に設けられており、
前記第1配向膜のうち前記透過領域に対応する領域の厚さは前記反射領域に対応する領域の厚さとほぼ等しく、
前記第2配向膜のうち前記透過領域に対応する領域の厚さは前記反射領域に対応する領域の厚さとほぼ等しい、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記複数の開口部は、前記カラーフィルタ層のうちの前記反射領域に対応する領域の全体にわたって分布している、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域は、メッシュ形状を有している、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域は、チェッカーパターン形状を有している、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記複数の開口部は、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域にランダムに配置されている、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記複数の開口部のそれぞれにおいて隣接する2つの開口部の距離は50μm以下である、請求項4から7のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項9】
それぞれが透過領域および反射領域を含む複数の画素を有する液晶表示装置の製造方法であって、
前記複数の画素のそれぞれの前記反射領域に設けられた反射層と、第1配向膜とを有するアクティブマトリクス基板を形成する工程と、
前記透過領域および前記反射領域の両方に対応するカラーフィルタ層と、第2配向膜とを有するカラーフィルタ基板を形成する工程であって、前記カラーフィルタ層のうち前記反射領域に対応する領域に複数の開口部を形成する工程と、
前記第1配向膜および前記第2配向膜が向かい合うように前記アクティブマトリクス基板と前記カラーフィルタ基板を配置し、前記第1配向膜と前記第2配向膜との間に、光重合性組成物の混合された液晶材料を付与して液晶パネルを作製する工程と、
前記アクティブマトリクス基板側から前記液晶パネルに紫外光を照射することにより、前記透過領域に対応する配向維持層を形成する工程と、
前記カラーフィルタ基板側から前記液晶パネルに紫外光を照射することにより、前記反射領域に対応する配向維持層を形成する工程と
を包含する、液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−162928(P2009−162928A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340999(P2007−340999)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】