液晶表示装置および液晶表示装置の電源オン時制御方法
【課題】構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示を可能とする。
【解決手段】電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、まず、バックライトオン状態とし、バックライトユニットの光源、例えば冷陰極管で発生される熱によって液晶表示パネルを暖める(ST3,ST5)。設定時間が経過した後に、画ミュートをオフにして、液晶表示パネルに画像が表示される画像表示オン状態とする(ST6,ST7)。低温環境下にあっても、画像表示オン状態となる時点では、液晶表示パネルの温度は正常に機能する温度となる。画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。また、液晶表示パネルを暖めるために、面ヒータ等を用いるものではなく、構造の複雑化等を招くことはない。
【解決手段】電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、まず、バックライトオン状態とし、バックライトユニットの光源、例えば冷陰極管で発生される熱によって液晶表示パネルを暖める(ST3,ST5)。設定時間が経過した後に、画ミュートをオフにして、液晶表示パネルに画像が表示される画像表示オン状態とする(ST6,ST7)。低温環境下にあっても、画像表示オン状態となる時点では、液晶表示パネルの温度は正常に機能する温度となる。画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。また、液晶表示パネルを暖めるために、面ヒータ等を用いるものではなく、構造の複雑化等を招くことはない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置および液晶表示装置の電源オン時制御方法に関し、特に、液晶表示パネルの背面にバックライト部が配置されている液晶表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外で使用される比較的大型の表示装置として、液晶表示装置が実用化され、多方面で利用されている。この液晶表示装置は、例えば−20度以下の極低温の環境下に置かれることもある。その場合、電源オン後の所定の時間において、液晶表示パネルが正常に機能せず、画像がまだらに表示される等の問題があった。
【0003】
従来、例えば、特許文献1の「0007」〜「0009」に記載されているように、液晶表示パネルの低温化を防止するために、当該液晶表示パネルに対応して面状をなすヒータ、いわゆる面ヒータを設けることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−350135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1等に記載されている技術では、液晶表示装置は、例えば液晶表示パネルとバックライト部との間に面ヒータを設けるため、構造が複雑となり、かつ高価となり、また、電力消費の増加を招く。
【0006】
この発明の目的は、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示を可能とする、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、 上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部と、
上記パネル駆動部および上記バックライト駆動部の動作を制御する制御部を備え、
上記制御部は、電源オン時に、上記バックライト駆動部を制御して、上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
液晶表示装置にある。
【0008】
この発明においては、電源オン時に、まず、バックライト駆動部が制御されて、バックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とされる。そして、このバックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部が制御されて、液晶表示パネルに画像を表示する、画像表示オン状態とされる。
【0009】
バックライトオン状態では、このバックライト部で発生される熱により、液晶表示パネルが暖められる。そのため、例えば低温環境下にあっても、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後には液晶表示パネルの温度は正常に機能する温度となる。したがって、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に画像表示オン状態にしたとき、画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。
【0010】
例えば、所定時間は、ユーザがユーザ操作部を操作することで設定される。この場合、ユーザは、所定時間の長さを環境温度に応じた長さに任意に設定できる。これにより、例えば、環境温度が高い季節にあっては所定時間の長さを短く、あるいはゼロとして、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0011】
また、例えば、所定時間は、バックライトオン状態となって温度センサで検出される液晶表示パネルの温度が所定値以上となるまでの時間とされる。この場合、液晶表示パネルが正常に機能する温度が所定値として設定されているとき、画像表示オン状態とされる時点で、当該液晶表示パネルの温度は、正常に機能し得る温度となっている。そのため、画像表示オン状態とされる時点で液晶表示パネルに表示される画像がまだらになる等ということがなく、常に良好な画像表示が行われる。また、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネルの温度が所定値以上となる時点で画像表示オン状態とする場合、無駄な待ち時間をなくすことができる。
【0012】
この発明において、例えば、ユーザがウォーミングアップモードに設定するためのユーザ操作部をさらに備え、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、このバックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする、ようにしてもよい。
【0013】
例えば、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されていない場合、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とすると共に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0014】
この場合、ユーザは、冬季等の環境温度が低い季節ではウォーミングアップモードに設定して、画像がまだらに表示される等ということを防止できる。また、ユーザは、その他の環境温度が高い季節ではウォーミングアップモードに設定せずに、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0015】
また、この発明において、例えば、制御部は、電源オン時に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする前に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像が表示されない画ミュートオン状態とし、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して画ミュートオン状態を解除し、液晶表示パネルに画像を表示する画像オン状態とし、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されていない場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0016】
この場合、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているときには、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に画ミュートを解除するだけで画像表示オン状態とすることができる。つまり、パネル駆動部の各種設定(拡大、フィルタの設定等)を行うことなく、画像表示オン状態に移行させることができ、液晶表示パネルに同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0017】
また、この発明において、例えば、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする前に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを照射しないバックライトオフ状態とし、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0018】
この場合、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているときには、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、一旦バックライトオフ状態とされ、その後に、画像表示オン状態とされ、さらにその後に再度バックライトオン状態とされる。画像表示オン状態とするためにパネル駆動部の各種設定(拡大、フィルタの設定等)が行われるが、その時点ではバックライトオフ状態に置かれる。そのため、液晶表示パネルに同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0019】
また、この発明おいて、例えば、液晶表示装置は複数種類の電源オン操作により電源オン状態となり、ユーザ操作部で設定されるウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効な第1のウォーミングアップモード、あるいは複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作による電源オン時にのみ有効な第2のウォーミングアップモードとされてもよい。
【0020】
この場合、第1のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも、最初にバックライトオン状態とし、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とできる。また、第2のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマによる電源オン操作による電源オン時にのみ、最初にバックライトオン状態とし、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とできる。
【0021】
また、この発明において、例えば、バックライト部は複数本の蛍光管を有し、この複数本の蛍光管は液晶表示パネルの背面に均等に配置されている、ようにしてもよい。この場合、バックライト部の複数本の蛍光管で発生される熱により、液晶表示パネルの全面を効率よく短時間で暖めることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、電源オン時に、まずバックライトオン状態とされ、その後所定時間経過後に画像表示オン状態とされる。したがって、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態としての液晶表示装置の構造例を示す断面概略図、およびその液晶表示装置を構成するバックライトユニットの構造例を示す平面概略図である。
【図2】実施の形態としての液晶表示装置の回路構成例を示すブロック図である。
【図3】制御部における電源オン時の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネルに表示されるGUI画面の一例を示す図である。
【図5】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】液晶表示装置の他の構造例を示す断面概略図である。
【図8】液晶表示装置の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1、第2のウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネルに表示されるGUI画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[液晶表示装置の構造例]
図1(a)は、実施の形態としての液晶表示装置100の構造例を示す断面概略図である。この液晶表示装置100は、液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)101の背面に、バックライトユニット102が配置されている。バックライトユニット102は、複数本の蛍光管、この実施の形態においては複数本の冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)103を有している。これら複数本の冷陰極管103は、インバータ基板104上に形成された図示しないインバータにより駆動される。バックライトユニット102は、バックライト部を構成している。
【0026】
図1(b)は、バックライトユニット102の構造例を示す平面概略図を示している。上述したように、バックライトユニット102は、複数本の冷陰極管103を有している。この複数本の陰極管103は、液晶表示パネル101の背面に均等に配置されている。なお、この実施の形態においては、図1(b)に示すように、冷陰極管103の長手方向が垂直方向となるように配置されているが、冷陰極管103の長手方向が水平方向にとなるように配置されてもよい。
【0027】
[液晶表示装置の回路構成例]
図2は、実施の形態としての液晶表示装置100の回路構成例を示すブロック図である。この液晶表示装置100は、制御部111と、ユーザ操作部112と、パネルドライバ113と、液晶表示パネル101と、インバータ114と、バックライトユニット102と、画像信号入力端子115を有している。
【0028】
制御部111は、図示しないマイクロコンピュータを備えると共に、信号処理部116および信号出力部117を備える。制御部111は、制御部111内の信号処理部116、信号出力部117と共に、パネルドライバ113およびインバータ114の動作を制御する。信号処理部116は、画像信号入力端子115に入力される画像信号、この実施の形態においては赤、緑、青の原色信号R,G,Bに対して、種々の処理を行う。この信号処理部116は、例えば、画像拡大処理、画質調整のためのフィルタ処理、輝度調整処理、色調整処理、ガンマ補正処理、GUI(Graphical User Interface)画面用の表示信号の重畳処理等を行う。
【0029】
信号出力部117は、パネルドライバ113に画像信号を出力する。信号出力部117は、画ミュートオフ状態では、信号処理部116で得られる画像信号をパネルドライバ113に出力する。また、信号出力部117は、画ミュートオン状態では、信号処理部111で得られる画像信号に代わって、黒画像を表示するための画像信号をパネルドライバ113に出力する。
【0030】
ユーザ操作部112は、ユーザインタフェースを構成し、制御部111に接続されている。ユーザ操作部112は、液晶表示装置の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモートコントロール装置の送信機、受信機等で構成される。ユーザは、ユーザ操作部112を操作することで、種々の設定、操作を行うことができる。例えば、ユーザは、このユーザ操作部112により、電源オン操作、後述するウォーミングアップモードの設定、ウォーミングアップモードおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態になるまでの時間の設定、などを行うことができる。
【0031】
パネルドライバ113は、制御部111の信号出力部117から供給される画像信号(R,G,B)に基づき、液晶表示パネル101を駆動し、液晶表示パネル101に画像を表示する。このパネルドライバ113の動作は、上述の制御部111により制御される。上述した制御部111の信号処理部116、信号出力部117、およびこのパネルドライバ113は、液晶表示パネル101に画像を表示するパネル駆動部を構成している。
【0032】
インバータ114は、バックライトユニット102を駆動し、このバックライトユニット102により液晶表示パネル101を背面から照射する。すなわち、このインバータ114は、バックライトユニット102が有する複数の冷陰極管103に、当該冷陰極管103を点灯させるための電力を供給する。このインバータ114は、バックライト駆動部を構成している。
【0033】
[電源オン時の制御例]
次に、図3のフローチャートを参照して、制御部111における電源オン時の制御動作例を説明する。なお、画像信号入力端子115には、画像信号(R,G,B)が入力されているものとする。
【0034】
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST1において、制御動作を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。
【0035】
この場合、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、画ミュートをオン状態からオフ状態として、この信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。ただし、この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態とはなっておらず、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。なお、画ミュートオン状態では、制御部111からパネルドライバ113に全黒の画像信号が供給され、液晶表示パネル101には、実質的に画像は表示されない。
【0036】
次に、制御部111は、ステップST3において、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。ユーザは、設定メニューにより、予め、ウォーミングアップモードの設定を行うことができる。
【0037】
図4は、ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネル101に表示されるGUI画面の一例を示している。ユーザは、ユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上で「はい」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を行うことができる。逆に、このGUI画面上で「いいえ」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を解除できる。
【0038】
また、ユーザは、ユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上の時間設定部112aで、ウォーミングアップモードにおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を設定できる。例えば、10分刻みで時間設定が可能とされ、最大2時間まで設定可能とされる。
【0039】
ステップST3でウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST4において、信号出力部117を制御して、画ミュートオン状態とする。この場合、信号出力部117からパネルドライバ113に、黒画像を表示するための画像信号が供給される。そのため、画ミュートオン状態では、液晶表示パネル101に実質的に画像は表示されない。
【0040】
そして、制御部111は、ステップST5において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0041】
そして、制御部111は、ステップST6において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST7において、信号出力部117を制御して、画ミュートを解除し、画ミュートオフ状態とする。この画ミュートオフ状態では、信号処理部116で処理された画像信号(R,G,B)が、信号出力部117からパネルドライバ113に供給されるため、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。
【0042】
この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、上述のステップST2における画像表示オン状態と違って、液晶表示パネル101に表示される画像は実際に見える。このステップST7の処理の後、制御部111は、ステップST8において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0043】
また、制御部111は、ステップST3でウォーミングアップモードに設定されていないとき、ステップST9の処理に移る。このステップST9において、制御部111は、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。そのため、ステップST2で画像表示オン状態となって液晶表示パネル101に表示される画像が、実際に見える状態となる。このステップST9の処理の後、制御部111は、ステップST8において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0044】
図1に示す液晶表示装置100においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態とされて設定時間が経過した後に、液晶表示パネル101に画像を表示する画像表示オン状態とされる。バックライトオン状態では、このバックライトユニット102の複数の冷陰極管103の点灯で発生される熱により、液晶表示パネル101が暖められる。
【0045】
そのため、例えば低温環境下にあっても、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後には液晶表示パネル101の温度は正常に機能する温度となる。したがって、バックライトオン状態とされて所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされるとき、画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。これにより、ユーザは、冬季等の環境温度が低い季節ではウォーミングアップモードに設定して、画像がまだらに表示される等ということを防止できる。
【0046】
図1に示す液晶表示装置100においては、バックライトユニット102の冷陰極管103の点灯による発熱を利用して液晶表示パネル101を暖めるものである。つまり、液晶表示パネル101を暖める面ヒータ等を当該液晶表示パネル101とバックライトユニット102との間に配置する必要はない。したがって、液晶表示装置100の構造の複雑化を招くことがなく、また、高価となることがなく、しかも電力消費の上昇を招くものでもない。
【0047】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されていない場合、直ちに、画像表示オン状態とされると共に、バックライトオン状態とされる。そのため、ユーザは、冬期以外の環境温度が高い季節ではウォーミングアップモードに設定せずに、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0048】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、ユーザは、ウォーミングアップモードでバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を、例えばGUI画面を利用して設定できる。そのため、ユーザは、当該時間の長さを環境温度に応じた長さに任意に設定できる。これにより、例えば、環境温度が高い季節にあっては所定時間の長さを短く、あるいはゼロとして、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0049】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態となって設定時間が経過した後には、信号出力部117が制御され、画ミュートがオフ状態とされて、画像表示オン状態となる。そのため、信号処理部116で各種設定(拡大、フィルタの設定等)が行われることなく画像表示オン状態に移行し、液晶表示パネル101に同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0050】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、バックライトユニット102は複数本の冷陰極管103を有し、この複数本の冷陰極管103は液晶表示パネル101の背面に均等に配置されている。そのため、このバックライトユニット102の複数本の冷陰極管103で発生される熱により、液晶表示パネル101の全面を効率よく短時間で暖めることができる。
【0051】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態において、制御部111は、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とした後に、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断を行う。しかし、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断を行った後に、適宜なタイミングで、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とすることも考えられる。
【0052】
図5のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST11において、制御動作を開始し、その後に、ステップST12の処理に移る。このステップST12において、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。
【0053】
ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST13において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0054】
次に、制御部111は、ステップST14において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST15の処理に移る。このステップST15において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。つまり、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、信号出力部117を制御して画ミュートをオン状態からオフ状態として、信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。
【0055】
これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、液晶表示パネル101に表示された画像は実際に見える。制御部111は、ステップST15の処理の後、ステップST16において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0056】
また、ステップST12でウォーミングアップモードに設定されていないとき、制御部111は、ステップST17の処理に移る。このステップST17において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。
【0057】
そして、制御部111は、ステップST18において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST18の処理の後、ステップST16において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0058】
上述の図5のフローチャートに示す制御動作例の場合、ステップST15で画像表示オン状態とした場合、既に、バックライトオン状態にある。そのため、液晶表示パネル101に同期の乱れた信号処理部116の各種設定中の同期の乱れた画像が表示されるおそれがある。そこで、設定時間が経過したら直ちに画像表示オン状態とするのではなく、一旦、バックライトオフ状態とし、その状態で画像表示オン状態とし、さらにバックライトオン状態とすることも考えられる。
【0059】
図6のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
【0060】
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST31において、制御動作を開始し、その後に、ステップST32の処理に移る。このステップST32において、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。
【0061】
ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST33において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0062】
次に、制御部111は、ステップST34において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST35の処理に移る。このステップST35において、制御部111は、インバータ114を非動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が消灯したバックライトオフ状態とする。
【0063】
次に、制御部111は、ステップST36において、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。つまり、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、信号出力部117を制御して画ミュートをオン状態からオフ状態として、信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。ただし、この時点では、バックライトオフ状態となっているため、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。
【0064】
次に、制御部111は、ステップST37において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST37の処理の後、ステップST38において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0065】
また、ステップST32でウォーミングアップモードに設定されていないとき、制御部111は、ステップST36の処理に移る。このステップST36において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。
【0066】
そして、制御部111は、ステップST37において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST37の処理の後、ステップST38において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0067】
上述したように、ユーザ操作部112によりウォーミングアップモードに設定されているとき、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、一旦バックライトオフ状態とされる。そして、その後に、画像表示オン状態とされ、さらにその後に再度バックライトオン状態とされる。画像表示オン状態とするために、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)が行われると共に、信号出力部117が制御されて画ミュートがオン状態からオフ状態とされる。しかし、その時点ではバックライトオフ状態に置かれる。そのため、液晶表示パネル101に同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0068】
また、上述実施の形態においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態とされて設定時間が経過した後に、液晶表示パネル101に画像を表示する画像表示オン状態とされる。しかし、バックライトオン状態とした後に画像表示オン状態とするタイミングを、設定時間後ではなく、液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングとすることも考えられる。この場合、所定値は、例えば液晶表示パネル101が正常に機能する温度に設定される。
【0069】
この場合、図7に示すように、液晶表示パネル101に温度センサ118が取り付けされる。そして、図8に示すように、この温度センサ118の検出信号は制御部111に供給される。この図7、図8において、図1、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。なお、液晶表示パネル101に取り付けられる温度センサ118は一個に限定されるものではなく、液晶表示パネル101の面の互いに離間した位置に複数個取り付けられてもよい。
【0070】
図9のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST21において、制御動作を開始し、その後に、ステップST22の処理に移る。このステップST22において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態とし、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。ただし、この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態とはなっておらず、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。
【0071】
次に、制御部111は、ステップST23において、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST24において、信号出力部117を制御して、画ミュートオン状態とする。この場合、信号出力部117からパネルドライバ113に、黒画像を表示するための画像信号が供給される。そのため、画ミュートオン状態では、液晶表示パネル101に実質的に画像は表示されない。
【0072】
そして、制御部111は、ステップST25において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0073】
そして、制御部111は、ステップST26において、温度センサ118の検出信号に基づいて、液晶表示パネル101の温度が所定値以上か否かを判断する。液晶表示パネル101の面に複数個の温度センサ118が取り付けられている場合には、全ての温度センサ118の検出信号が示す温度が所定値以上か否かを判断する。
【0074】
液晶表示パネル101の温度が所定値以上であるとき、制御部111は、ステップST27において、信号出力部117を制御して、画ミュートを解除し、画ミュートオフ状態とする。この画ミュートオフ状態では、信号処理部116で処理された画像信号(R,G,B)が、信号処理部117からパネルドライバ113に供給されるため、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。
【0075】
この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、上述のステップST22における画像表示オン状態と違って、液晶表示パネル101に表示された画像は実際に見える。このステップST27の処理の後、制御部111は、ステップST28において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0076】
また、制御部111は、ステップST23でウォーミングアップモードに設定されていないとき、ステップST29の処理に移る。このステップST29において、制御部111は、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。そのため、ステップST22で画像表示オン状態となって液晶表示パネル101に表示される画像が、実際に見える状態となる。このステップST29の処理の後、制御部111は、ステップST28において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0077】
上述したように、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングで画像表示オン状態とする場合、例えば、以下のような効果がある。すなわち、液晶表示パネル101が正常に機能する温度が所定値として設定されているとき、画像表示オン状態とされる時点で、当該液晶表示パネル101の温度は、正常に機能し得る温度となっている。そのため、画像表示オン状態とされる時点で液晶表示パネル101に表示される画像がまだらになる等ということがなく、常に良好な画像表示が行われる。また、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングで画像表示オン状態とする場合、無駄な待ち時間をなくすことができる。
【0078】
また、上述実施の形態においては、例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われるように説明した。電源オン操作には、例えば、以下の(a)〜(e)のように、複数種類がある。
(a)本体電源ボタン
(b)リモコンの電源ボタン
(c)リモートによる制御(RS−232C通信またはLAN経由での制御)
(d)タイマ
(e)ACオン(オン状態ではAC電源をオフすると、次回のACオン時にはオン状態となる)
【0079】
(a)、(b)、(c)、(e)は外部からの制御となるが、(d)は内部タイマと連動してオンオフを制御する。上述したように複数種類の電源オン操作がある場合、ウォーミングアップモードとして、以下の、第1のウォーミングアップモード、または、第2のウォーミングアップモードのいずれかを設定可能とすることが考えられる。
【0080】
ここで、第1のウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効となるウォーミングアップモードである。また、第2のウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマの電源オン操作による電源オン時にのみ有効となるウォーミングアップモードである。
【0081】
この場合、第1のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも、最初にバックライトオン状態とされ、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされる。また、第2のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマによる電源オン操作による電源オン時にのみ、最初にバックライトオン状態とされ、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされる。
【0082】
このように第1のウォーミングアップモードおよび第2のウォーミングアップモードがある場合のウォーミングアップモードの設定も、ユーザは、設定メニューにより、予め、設定できる。図10は、ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネル101に表示されるGUI画面の一例を示している。
【0083】
ユーザは、例えばユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上で「ALL」の釦を選択することで、第1のウォーミングアップモードの設定を行うことができる。また、ユーザは、このGUI画面上で「Timer」の釦を選択することで、第2のウォーミングアップモードの設定を行うことができる。なお、この図10のGUI画面例は、第2のウォーミングアップモードにおける特定の電源オン操作がタイマである場合を示している。また、このGUI画面上で「OFF」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を解除できる。
【0084】
また、ユーザは、例えばユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上の時間設定部112aで、第1、第2のウォーミングアップモードにおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を設定できる。例えば、10分刻みで時間設定が可能とされ、最大2時間まで設定可能とされる。
【0085】
また、上述実施の形態においては、制御部111は、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、その設定の有無によって異なった制御動作を行うものを示した。しかし、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断ステップをなくし、制御部111が、常に、ウォーミングアップモードに設定されている場合と同様の制御動作を行うようにすることも考えられる。
【0086】
また、上述実施の形態においては、バックライトユニット102は複数の冷陰極管103を有する構成となっている。しかし、バックライトユニット102を構成する光源は冷陰極管103に限定されるものではなく、その他の光源を用いた構造であってもよい。ただし、その光源の点灯が、ある程度の発熱を伴うものであることが必要なことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
この発明は、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示が可能となるものであり、例えば低温環境下の屋外において使用される比較的大型の液晶表示装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0088】
100・・・液晶表示装置
101・・・液晶表示パネル
102・・・バックライトユニット
103・・・冷陰極管(CCFL)
104・・・インバータ基板
111・・・制御部
112・・・ユーザ操作部
113・・・パネルドライバ
114・・・インバータ
115・・・画像信号入力端子
116・・・信号処理部
117・・・温度センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置および液晶表示装置の電源オン時制御方法に関し、特に、液晶表示パネルの背面にバックライト部が配置されている液晶表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外で使用される比較的大型の表示装置として、液晶表示装置が実用化され、多方面で利用されている。この液晶表示装置は、例えば−20度以下の極低温の環境下に置かれることもある。その場合、電源オン後の所定の時間において、液晶表示パネルが正常に機能せず、画像がまだらに表示される等の問題があった。
【0003】
従来、例えば、特許文献1の「0007」〜「0009」に記載されているように、液晶表示パネルの低温化を防止するために、当該液晶表示パネルに対応して面状をなすヒータ、いわゆる面ヒータを設けることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−350135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1等に記載されている技術では、液晶表示装置は、例えば液晶表示パネルとバックライト部との間に面ヒータを設けるため、構造が複雑となり、かつ高価となり、また、電力消費の増加を招く。
【0006】
この発明の目的は、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示を可能とする、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、 上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部と、
上記パネル駆動部および上記バックライト駆動部の動作を制御する制御部を備え、
上記制御部は、電源オン時に、上記バックライト駆動部を制御して、上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
液晶表示装置にある。
【0008】
この発明においては、電源オン時に、まず、バックライト駆動部が制御されて、バックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とされる。そして、このバックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部が制御されて、液晶表示パネルに画像を表示する、画像表示オン状態とされる。
【0009】
バックライトオン状態では、このバックライト部で発生される熱により、液晶表示パネルが暖められる。そのため、例えば低温環境下にあっても、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後には液晶表示パネルの温度は正常に機能する温度となる。したがって、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に画像表示オン状態にしたとき、画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。
【0010】
例えば、所定時間は、ユーザがユーザ操作部を操作することで設定される。この場合、ユーザは、所定時間の長さを環境温度に応じた長さに任意に設定できる。これにより、例えば、環境温度が高い季節にあっては所定時間の長さを短く、あるいはゼロとして、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0011】
また、例えば、所定時間は、バックライトオン状態となって温度センサで検出される液晶表示パネルの温度が所定値以上となるまでの時間とされる。この場合、液晶表示パネルが正常に機能する温度が所定値として設定されているとき、画像表示オン状態とされる時点で、当該液晶表示パネルの温度は、正常に機能し得る温度となっている。そのため、画像表示オン状態とされる時点で液晶表示パネルに表示される画像がまだらになる等ということがなく、常に良好な画像表示が行われる。また、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネルの温度が所定値以上となる時点で画像表示オン状態とする場合、無駄な待ち時間をなくすことができる。
【0012】
この発明において、例えば、ユーザがウォーミングアップモードに設定するためのユーザ操作部をさらに備え、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、このバックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする、ようにしてもよい。
【0013】
例えば、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されていない場合、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とすると共に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0014】
この場合、ユーザは、冬季等の環境温度が低い季節ではウォーミングアップモードに設定して、画像がまだらに表示される等ということを防止できる。また、ユーザは、その他の環境温度が高い季節ではウォーミングアップモードに設定せずに、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0015】
また、この発明において、例えば、制御部は、電源オン時に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする前に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像が表示されない画ミュートオン状態とし、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して画ミュートオン状態を解除し、液晶表示パネルに画像を表示する画像オン状態とし、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されていない場合、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0016】
この場合、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているときには、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に画ミュートを解除するだけで画像表示オン状態とすることができる。つまり、パネル駆動部の各種設定(拡大、フィルタの設定等)を行うことなく、画像表示オン状態に移行させることができ、液晶表示パネルに同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0017】
また、この発明において、例えば、制御部は、電源オン時に、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする前に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを照射しないバックライトオフ状態とし、パネル駆動部を制御して液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、バックライト駆動部を制御してバックライト部により液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする、ようにしてもよい。
【0018】
この場合、ユーザ操作部によりウォーミングアップモードに設定されているときには、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、一旦バックライトオフ状態とされ、その後に、画像表示オン状態とされ、さらにその後に再度バックライトオン状態とされる。画像表示オン状態とするためにパネル駆動部の各種設定(拡大、フィルタの設定等)が行われるが、その時点ではバックライトオフ状態に置かれる。そのため、液晶表示パネルに同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0019】
また、この発明おいて、例えば、液晶表示装置は複数種類の電源オン操作により電源オン状態となり、ユーザ操作部で設定されるウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効な第1のウォーミングアップモード、あるいは複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作による電源オン時にのみ有効な第2のウォーミングアップモードとされてもよい。
【0020】
この場合、第1のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも、最初にバックライトオン状態とし、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とできる。また、第2のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマによる電源オン操作による電源オン時にのみ、最初にバックライトオン状態とし、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とできる。
【0021】
また、この発明において、例えば、バックライト部は複数本の蛍光管を有し、この複数本の蛍光管は液晶表示パネルの背面に均等に配置されている、ようにしてもよい。この場合、バックライト部の複数本の蛍光管で発生される熱により、液晶表示パネルの全面を効率よく短時間で暖めることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、電源オン時に、まずバックライトオン状態とされ、その後所定時間経過後に画像表示オン状態とされる。したがって、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態としての液晶表示装置の構造例を示す断面概略図、およびその液晶表示装置を構成するバックライトユニットの構造例を示す平面概略図である。
【図2】実施の形態としての液晶表示装置の回路構成例を示すブロック図である。
【図3】制御部における電源オン時の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネルに表示されるGUI画面の一例を示す図である。
【図5】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図6】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】液晶表示装置の他の構造例を示す断面概略図である。
【図8】液晶表示装置の他の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】制御部における電源オン時の他の制御動作例を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1、第2のウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネルに表示されるGUI画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[液晶表示装置の構造例]
図1(a)は、実施の形態としての液晶表示装置100の構造例を示す断面概略図である。この液晶表示装置100は、液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)101の背面に、バックライトユニット102が配置されている。バックライトユニット102は、複数本の蛍光管、この実施の形態においては複数本の冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)103を有している。これら複数本の冷陰極管103は、インバータ基板104上に形成された図示しないインバータにより駆動される。バックライトユニット102は、バックライト部を構成している。
【0026】
図1(b)は、バックライトユニット102の構造例を示す平面概略図を示している。上述したように、バックライトユニット102は、複数本の冷陰極管103を有している。この複数本の陰極管103は、液晶表示パネル101の背面に均等に配置されている。なお、この実施の形態においては、図1(b)に示すように、冷陰極管103の長手方向が垂直方向となるように配置されているが、冷陰極管103の長手方向が水平方向にとなるように配置されてもよい。
【0027】
[液晶表示装置の回路構成例]
図2は、実施の形態としての液晶表示装置100の回路構成例を示すブロック図である。この液晶表示装置100は、制御部111と、ユーザ操作部112と、パネルドライバ113と、液晶表示パネル101と、インバータ114と、バックライトユニット102と、画像信号入力端子115を有している。
【0028】
制御部111は、図示しないマイクロコンピュータを備えると共に、信号処理部116および信号出力部117を備える。制御部111は、制御部111内の信号処理部116、信号出力部117と共に、パネルドライバ113およびインバータ114の動作を制御する。信号処理部116は、画像信号入力端子115に入力される画像信号、この実施の形態においては赤、緑、青の原色信号R,G,Bに対して、種々の処理を行う。この信号処理部116は、例えば、画像拡大処理、画質調整のためのフィルタ処理、輝度調整処理、色調整処理、ガンマ補正処理、GUI(Graphical User Interface)画面用の表示信号の重畳処理等を行う。
【0029】
信号出力部117は、パネルドライバ113に画像信号を出力する。信号出力部117は、画ミュートオフ状態では、信号処理部116で得られる画像信号をパネルドライバ113に出力する。また、信号出力部117は、画ミュートオン状態では、信号処理部111で得られる画像信号に代わって、黒画像を表示するための画像信号をパネルドライバ113に出力する。
【0030】
ユーザ操作部112は、ユーザインタフェースを構成し、制御部111に接続されている。ユーザ操作部112は、液晶表示装置の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、あるいはリモートコントロール装置の送信機、受信機等で構成される。ユーザは、ユーザ操作部112を操作することで、種々の設定、操作を行うことができる。例えば、ユーザは、このユーザ操作部112により、電源オン操作、後述するウォーミングアップモードの設定、ウォーミングアップモードおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態になるまでの時間の設定、などを行うことができる。
【0031】
パネルドライバ113は、制御部111の信号出力部117から供給される画像信号(R,G,B)に基づき、液晶表示パネル101を駆動し、液晶表示パネル101に画像を表示する。このパネルドライバ113の動作は、上述の制御部111により制御される。上述した制御部111の信号処理部116、信号出力部117、およびこのパネルドライバ113は、液晶表示パネル101に画像を表示するパネル駆動部を構成している。
【0032】
インバータ114は、バックライトユニット102を駆動し、このバックライトユニット102により液晶表示パネル101を背面から照射する。すなわち、このインバータ114は、バックライトユニット102が有する複数の冷陰極管103に、当該冷陰極管103を点灯させるための電力を供給する。このインバータ114は、バックライト駆動部を構成している。
【0033】
[電源オン時の制御例]
次に、図3のフローチャートを参照して、制御部111における電源オン時の制御動作例を説明する。なお、画像信号入力端子115には、画像信号(R,G,B)が入力されているものとする。
【0034】
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST1において、制御動作を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。
【0035】
この場合、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、画ミュートをオン状態からオフ状態として、この信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。ただし、この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態とはなっておらず、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。なお、画ミュートオン状態では、制御部111からパネルドライバ113に全黒の画像信号が供給され、液晶表示パネル101には、実質的に画像は表示されない。
【0036】
次に、制御部111は、ステップST3において、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。ユーザは、設定メニューにより、予め、ウォーミングアップモードの設定を行うことができる。
【0037】
図4は、ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネル101に表示されるGUI画面の一例を示している。ユーザは、ユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上で「はい」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を行うことができる。逆に、このGUI画面上で「いいえ」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を解除できる。
【0038】
また、ユーザは、ユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上の時間設定部112aで、ウォーミングアップモードにおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を設定できる。例えば、10分刻みで時間設定が可能とされ、最大2時間まで設定可能とされる。
【0039】
ステップST3でウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST4において、信号出力部117を制御して、画ミュートオン状態とする。この場合、信号出力部117からパネルドライバ113に、黒画像を表示するための画像信号が供給される。そのため、画ミュートオン状態では、液晶表示パネル101に実質的に画像は表示されない。
【0040】
そして、制御部111は、ステップST5において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0041】
そして、制御部111は、ステップST6において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST7において、信号出力部117を制御して、画ミュートを解除し、画ミュートオフ状態とする。この画ミュートオフ状態では、信号処理部116で処理された画像信号(R,G,B)が、信号出力部117からパネルドライバ113に供給されるため、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。
【0042】
この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、上述のステップST2における画像表示オン状態と違って、液晶表示パネル101に表示される画像は実際に見える。このステップST7の処理の後、制御部111は、ステップST8において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0043】
また、制御部111は、ステップST3でウォーミングアップモードに設定されていないとき、ステップST9の処理に移る。このステップST9において、制御部111は、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。そのため、ステップST2で画像表示オン状態となって液晶表示パネル101に表示される画像が、実際に見える状態となる。このステップST9の処理の後、制御部111は、ステップST8において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0044】
図1に示す液晶表示装置100においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態とされて設定時間が経過した後に、液晶表示パネル101に画像を表示する画像表示オン状態とされる。バックライトオン状態では、このバックライトユニット102の複数の冷陰極管103の点灯で発生される熱により、液晶表示パネル101が暖められる。
【0045】
そのため、例えば低温環境下にあっても、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後には液晶表示パネル101の温度は正常に機能する温度となる。したがって、バックライトオン状態とされて所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされるとき、画像がまだらに表示される等ということがなく、良好な画像表示が行われる。これにより、ユーザは、冬季等の環境温度が低い季節ではウォーミングアップモードに設定して、画像がまだらに表示される等ということを防止できる。
【0046】
図1に示す液晶表示装置100においては、バックライトユニット102の冷陰極管103の点灯による発熱を利用して液晶表示パネル101を暖めるものである。つまり、液晶表示パネル101を暖める面ヒータ等を当該液晶表示パネル101とバックライトユニット102との間に配置する必要はない。したがって、液晶表示装置100の構造の複雑化を招くことがなく、また、高価となることがなく、しかも電力消費の上昇を招くものでもない。
【0047】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されていない場合、直ちに、画像表示オン状態とされると共に、バックライトオン状態とされる。そのため、ユーザは、冬期以外の環境温度が高い季節ではウォーミングアップモードに設定せずに、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0048】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、ユーザは、ウォーミングアップモードでバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を、例えばGUI画面を利用して設定できる。そのため、ユーザは、当該時間の長さを環境温度に応じた長さに任意に設定できる。これにより、例えば、環境温度が高い季節にあっては所定時間の長さを短く、あるいはゼロとして、電源オン時から画像が表示されるまでの待ち時間を短くできる。
【0049】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態となって設定時間が経過した後には、信号出力部117が制御され、画ミュートがオフ状態とされて、画像表示オン状態となる。そのため、信号処理部116で各種設定(拡大、フィルタの設定等)が行われることなく画像表示オン状態に移行し、液晶表示パネル101に同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0050】
また、図1に示す液晶表示装置100においては、バックライトユニット102は複数本の冷陰極管103を有し、この複数本の冷陰極管103は液晶表示パネル101の背面に均等に配置されている。そのため、このバックライトユニット102の複数本の冷陰極管103で発生される熱により、液晶表示パネル101の全面を効率よく短時間で暖めることができる。
【0051】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態において、制御部111は、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とした後に、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断を行う。しかし、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断を行った後に、適宜なタイミングで、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とすることも考えられる。
【0052】
図5のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST11において、制御動作を開始し、その後に、ステップST12の処理に移る。このステップST12において、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。
【0053】
ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST13において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0054】
次に、制御部111は、ステップST14において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST15の処理に移る。このステップST15において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。つまり、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、信号出力部117を制御して画ミュートをオン状態からオフ状態として、信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。
【0055】
これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、液晶表示パネル101に表示された画像は実際に見える。制御部111は、ステップST15の処理の後、ステップST16において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0056】
また、ステップST12でウォーミングアップモードに設定されていないとき、制御部111は、ステップST17の処理に移る。このステップST17において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。
【0057】
そして、制御部111は、ステップST18において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST18の処理の後、ステップST16において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0058】
上述の図5のフローチャートに示す制御動作例の場合、ステップST15で画像表示オン状態とした場合、既に、バックライトオン状態にある。そのため、液晶表示パネル101に同期の乱れた信号処理部116の各種設定中の同期の乱れた画像が表示されるおそれがある。そこで、設定時間が経過したら直ちに画像表示オン状態とするのではなく、一旦、バックライトオフ状態とし、その状態で画像表示オン状態とし、さらにバックライトオン状態とすることも考えられる。
【0059】
図6のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
【0060】
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST31において、制御動作を開始し、その後に、ステップST32の処理に移る。このステップST32において、制御部111は、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。
【0061】
ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST33において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0062】
次に、制御部111は、ステップST34において、設定時間が経過したか否かを判断する。設定時間が経過したとき、制御部111は、ステップST35の処理に移る。このステップST35において、制御部111は、インバータ114を非動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が消灯したバックライトオフ状態とする。
【0063】
次に、制御部111は、ステップST36において、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、画像表示オン状態とする。つまり、制御部111は、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)を行うと共に、信号出力部117を制御して画ミュートをオン状態からオフ状態として、信号処理部116から出力される画像信号をパネルドライバ113に供給する。これにより、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。ただし、この時点では、バックライトオフ状態となっているため、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。
【0064】
次に、制御部111は、ステップST37において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST37の処理の後、ステップST38において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0065】
また、ステップST32でウォーミングアップモードに設定されていないとき、制御部111は、ステップST36の処理に移る。このステップST36において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態として、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。
【0066】
そして、制御部111は、ステップST37において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。したがって、液晶表示パネル101に表示された画像が見える状態となる。制御部111は、ステップST37の処理の後、ステップST38において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0067】
上述したように、ユーザ操作部112によりウォーミングアップモードに設定されているとき、バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、一旦バックライトオフ状態とされる。そして、その後に、画像表示オン状態とされ、さらにその後に再度バックライトオン状態とされる。画像表示オン状態とするために、信号処理部116の各種設定(拡大、フィルタなどの設定)が行われると共に、信号出力部117が制御されて画ミュートがオン状態からオフ状態とされる。しかし、その時点ではバックライトオフ状態に置かれる。そのため、液晶表示パネル101に同期の乱れた設定中の画像が表示されることを防止できる。
【0068】
また、上述実施の形態においては、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されている場合、バックライトオン状態とされて設定時間が経過した後に、液晶表示パネル101に画像を表示する画像表示オン状態とされる。しかし、バックライトオン状態とした後に画像表示オン状態とするタイミングを、設定時間後ではなく、液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングとすることも考えられる。この場合、所定値は、例えば液晶表示パネル101が正常に機能する温度に設定される。
【0069】
この場合、図7に示すように、液晶表示パネル101に温度センサ118が取り付けされる。そして、図8に示すように、この温度センサ118の検出信号は制御部111に供給される。この図7、図8において、図1、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。なお、液晶表示パネル101に取り付けられる温度センサ118は一個に限定されるものではなく、液晶表示パネル101の面の互いに離間した位置に複数個取り付けられてもよい。
【0070】
図9のフローチャートは、制御部111における電源オン時の他の制御動作例を示している。
例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われると、制御部111は、ステップST21において、制御動作を開始し、その後に、ステップST22の処理に移る。このステップST22において、制御部111は、信号処理部116、信号出力部117を制御し、さらにパネルドライバ113を動作状態とし、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態とする。ただし、この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態とはなっておらず、液晶表示パネル101に表示された画像は実際には見えない。
【0071】
次に、制御部111は、ステップST23において、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断する。ウォーミングアップモードに設定されているとき、制御部111は、ステップST24において、信号出力部117を制御して、画ミュートオン状態とする。この場合、信号出力部117からパネルドライバ113に、黒画像を表示するための画像信号が供給される。そのため、画ミュートオン状態では、液晶表示パネル101に実質的に画像は表示されない。
【0072】
そして、制御部111は、ステップST25において、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。
【0073】
そして、制御部111は、ステップST26において、温度センサ118の検出信号に基づいて、液晶表示パネル101の温度が所定値以上か否かを判断する。液晶表示パネル101の面に複数個の温度センサ118が取り付けられている場合には、全ての温度センサ118の検出信号が示す温度が所定値以上か否かを判断する。
【0074】
液晶表示パネル101の温度が所定値以上であるとき、制御部111は、ステップST27において、信号出力部117を制御して、画ミュートを解除し、画ミュートオフ状態とする。この画ミュートオフ状態では、信号処理部116で処理された画像信号(R,G,B)が、信号処理部117からパネルドライバ113に供給されるため、液晶表示パネル101に画像が表示される画像表示オン状態となる。
【0075】
この時点では、バックライトユニット102の各冷陰極管103が点灯するバックライトオン状態となっているため、上述のステップST22における画像表示オン状態と違って、液晶表示パネル101に表示された画像は実際に見える。このステップST27の処理の後、制御部111は、ステップST28において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0076】
また、制御部111は、ステップST23でウォーミングアップモードに設定されていないとき、ステップST29の処理に移る。このステップST29において、制御部111は、インバータ114を動作状態とし、バックライトユニット102の冷陰極管103が点灯した、バックライトオン状態とする。このバックライトオン状態では、バックライトユニット102により液晶表示パネル101の背面が照射される。そのため、ステップST22で画像表示オン状態となって液晶表示パネル101に表示される画像が、実際に見える状態となる。このステップST29の処理の後、制御部111は、ステップST28において、通常オン状態の制御動作に移る。
【0077】
上述したように、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングで画像表示オン状態とする場合、例えば、以下のような効果がある。すなわち、液晶表示パネル101が正常に機能する温度が所定値として設定されているとき、画像表示オン状態とされる時点で、当該液晶表示パネル101の温度は、正常に機能し得る温度となっている。そのため、画像表示オン状態とされる時点で液晶表示パネル101に表示される画像がまだらになる等ということがなく、常に良好な画像表示が行われる。また、バックライトオン状態とした後に液晶表示パネル101の温度が所定値以上となるタイミングで画像表示オン状態とする場合、無駄な待ち時間をなくすことができる。
【0078】
また、上述実施の形態においては、例えば、ユーザ操作部112により電源オン操作が行われるように説明した。電源オン操作には、例えば、以下の(a)〜(e)のように、複数種類がある。
(a)本体電源ボタン
(b)リモコンの電源ボタン
(c)リモートによる制御(RS−232C通信またはLAN経由での制御)
(d)タイマ
(e)ACオン(オン状態ではAC電源をオフすると、次回のACオン時にはオン状態となる)
【0079】
(a)、(b)、(c)、(e)は外部からの制御となるが、(d)は内部タイマと連動してオンオフを制御する。上述したように複数種類の電源オン操作がある場合、ウォーミングアップモードとして、以下の、第1のウォーミングアップモード、または、第2のウォーミングアップモードのいずれかを設定可能とすることが考えられる。
【0080】
ここで、第1のウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効となるウォーミングアップモードである。また、第2のウォーミングアップモードは、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマの電源オン操作による電源オン時にのみ有効となるウォーミングアップモードである。
【0081】
この場合、第1のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも、最初にバックライトオン状態とされ、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされる。また、第2のウォーミングアップモードに設定されているとき、複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作、例えばタイマによる電源オン操作による電源オン時にのみ、最初にバックライトオン状態とされ、所定時間が経過した後に画像表示オン状態とされる。
【0082】
このように第1のウォーミングアップモードおよび第2のウォーミングアップモードがある場合のウォーミングアップモードの設定も、ユーザは、設定メニューにより、予め、設定できる。図10は、ウォーミングアップモードの設定メニューを選択した際に、液晶表示パネル101に表示されるGUI画面の一例を示している。
【0083】
ユーザは、例えばユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上で「ALL」の釦を選択することで、第1のウォーミングアップモードの設定を行うことができる。また、ユーザは、このGUI画面上で「Timer」の釦を選択することで、第2のウォーミングアップモードの設定を行うことができる。なお、この図10のGUI画面例は、第2のウォーミングアップモードにおける特定の電源オン操作がタイマである場合を示している。また、このGUI画面上で「OFF」の釦を選択することで、ウォーミングアップモードの設定を解除できる。
【0084】
また、ユーザは、例えばユーザ操作部112を操作して、このGUI画面上の時間設定部112aで、第1、第2のウォーミングアップモードにおいてバックライトオン状態となってから画像表示オン状態となるまでの時間を設定できる。例えば、10分刻みで時間設定が可能とされ、最大2時間まで設定可能とされる。
【0085】
また、上述実施の形態においては、制御部111は、電源オン時に、ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、その設定の有無によって異なった制御動作を行うものを示した。しかし、ウォーミングアップモードに設定されているか否かの判断ステップをなくし、制御部111が、常に、ウォーミングアップモードに設定されている場合と同様の制御動作を行うようにすることも考えられる。
【0086】
また、上述実施の形態においては、バックライトユニット102は複数の冷陰極管103を有する構成となっている。しかし、バックライトユニット102を構成する光源は冷陰極管103に限定されるものではなく、その他の光源を用いた構造であってもよい。ただし、その光源の点灯が、ある程度の発熱を伴うものであることが必要なことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
この発明は、構造の複雑化等を招くことなく、低温環境下においても、良好な画像表示が可能となるものであり、例えば低温環境下の屋外において使用される比較的大型の液晶表示装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0088】
100・・・液晶表示装置
101・・・液晶表示パネル
102・・・バックライトユニット
103・・・冷陰極管(CCFL)
104・・・インバータ基板
111・・・制御部
112・・・ユーザ操作部
113・・・パネルドライバ
114・・・インバータ
115・・・画像信号入力端子
116・・・信号処理部
117・・・温度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、
上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部と、
上記パネル駆動部および上記バックライト駆動部の動作を制御する制御部を備え、
上記制御部は、電源オン時に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
液晶表示装置。
【請求項2】
ユーザがウォーミングアップモードに設定するためのユーザ操作部をさらに備え、
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、
上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されていない場合、
上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とすると共に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記電源オン時に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、
上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする前に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像が表示されない画ミュートオン状態とし、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記画ミュートオン状態を解除し、上記液晶表示パネルに画像を表示する上記画像オン状態とし、
上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されていない場合、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする前に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを照射しないバックライトオフ状態とし、
上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
上記液晶表示装置は複数種類の電源オン操作により電源オン状態となり、
上記ユーザ操作部で設定されるウォーミングアップモードは、上記複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効な第1のウォーミングアップモード、あるいは上記複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作による電源オン時にのみ有効な第2のウォーミングアップモードである
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
ユーザが上記所定時間を設定するためのユーザ操作部をさらに備える
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
上記バックライト部は、複数本の蛍光管を有し、
上記複数本の蛍光管は、上記液晶表示パネルの背面に均等に配置されている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
上記液晶表示パネルの温度を検出する温度センサをさらに備え、
上記所定時間は、該バックライトオン状態となって上記温度センサで検出される上記液晶表示パネルの温度が所定値以上となるまでの時間である
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、
上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部を備える液晶表示装置の電源オン時制御方法であって、
上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする第1の制御ステップと、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする第2の制御ステップを有する
液晶表示装置の電源オン時制御方法。
【請求項1】
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、
上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部と、
上記パネル駆動部および上記バックライト駆動部の動作を制御する制御部を備え、
上記制御部は、電源オン時に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
液晶表示装置。
【請求項2】
ユーザがウォーミングアップモードに設定するためのユーザ操作部をさらに備え、
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、
上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とし、該バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されていない場合、
上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とすると共に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記電源オン時に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されているか否かを判断し、
上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする前に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像が表示されない画ミュートオン状態とし、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記画ミュートオン状態を解除し、上記液晶表示パネルに画像を表示する上記画像オン状態とし、
上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されていない場合、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記電源オン時に、上記ユーザ操作部により上記ウォーミングアップモードに設定されている場合、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする前に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを照射しないバックライトオフ状態とし、
上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とした後に、上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする
請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
上記液晶表示装置は複数種類の電源オン操作により電源オン状態となり、
上記ユーザ操作部で設定されるウォーミングアップモードは、上記複数種類の電源オン操作のいずれによる電源オン時にも有効な第1のウォーミングアップモード、あるいは上記複数種類の電源オン操作のうち特定の電源オン操作による電源オン時にのみ有効な第2のウォーミングアップモードである
請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
ユーザが上記所定時間を設定するためのユーザ操作部をさらに備える
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
上記バックライト部は、複数本の蛍光管を有し、
上記複数本の蛍光管は、上記液晶表示パネルの背面に均等に配置されている
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
上記液晶表示パネルの温度を検出する温度センサをさらに備え、
上記所定時間は、該バックライトオン状態となって上記温度センサで検出される上記液晶表示パネルの温度が所定値以上となるまでの時間である
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
液晶表示パネルと、
上記液晶表示パネルを駆動して、該液晶表示パネルに画像を表示するパネル駆動部と、
上記液晶表示パネルの背面に配置されたバックライト部と、
上記バックライト部を駆動して、該バックライト部により上記液晶パネルを背面から照射するバックライト駆動部を備える液晶表示装置の電源オン時制御方法であって、
上記バックライト駆動部を制御して上記バックライト部により上記液晶表示パネルを背面から照射するバックライトオン状態とする第1の制御ステップと、
上記バックライトオン状態となって所定時間が経過した後に、上記パネル駆動部を制御して上記液晶表示パネルに画像を表示する画像表示オン状態とする第2の制御ステップを有する
液晶表示装置の電源オン時制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−217213(P2010−217213A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60445(P2009−60445)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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