説明

液晶表示装置及びその製造方法

【課題】 透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを個別に決定することができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 相互に対向する第1基板11及び第2基板12の間に液晶13を挟持して成る液晶表示装置であって、第2基板12には、開口部14aを有する反射膜14が形成され、この第2基板12のうち、反射膜14によって覆われる領域は粗面であり、開口部14aに対応する領域は平坦面である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自然光や室内照明光等の外光を観察側から入射させ、この光を反射させて表示を行う反射型表示と、光源からの光を観察側とは反対側から入射させて表示を行う透過型表示とを必要に応じて切換えることができる、いわゆる半透過反射型液晶表示装置が知られている。図14は、二端子型スイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス方式の半透過反射型液晶表示装置の構成を模式的に表す断面図である。
【0003】同図に示すように、この液晶表示装置は、シール材54を挟んで対向する第1基板51及び第2基板52の間に液晶53を挟持してなる液晶パネル5と、当該液晶パネル5の第2基板52側に配設されるバックライトユニット6とを含んで構成される。第1基板51には、TFDを介して走査線に接続され(いずれも図示略)、マトリクス状に配列された画素電極61と、配向膜62とが形成されている。一方、第2基板52には、第2基板52の大部分を覆う反射膜63と、当該反射膜63が形成された第2基板52の表面を覆う平坦化膜64と、上記走査線と交差する方向に延在する複数の帯状の対向電極66と配向膜67とが形成されている。
【0004】このような構成の下、第1基板51側から入射した光は、第2基板52上の反射膜63の表面において反射して第1基板51側から出射し、これにより反射型表示がなされるようになっている。さらに、反射膜63には、各画素電極61に対応して開口部63aが形成されており、バックライトユニット6から出射して第2基板52側から入射した光は、この開口部63aを通過して第1基板51側に出射する。そして、これにより透過型表示がなされるようになっている。
【0005】ここで、上記第2基板52の内側表面は、多数の微細な凹凸が形成された粗面となっている。そして、上述した反射膜63はかかる粗面上に形成されるので、その表面には当該粗面の凹凸を反映した凹凸が形成される。この結果、第1基板51側から入射して反射膜63によって反射された光は、適度に散乱して第1基板51側から出射することとなるから、観察者が視認する画像に背景や室内照明等が映り込むといった事態を回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第2基板52はその全面が粗面化され、この粗面を覆うように、開口部63aを有する反射膜63が形成される構成が一般的である。この場合、図14に示すように、第2基板52のうちの開口部63aに対応する領域も、反射膜63によって覆われる領域と同様の粗面となる。従って、透過型表示においてバックライトユニット6から第2基板52側に入射した光は、上記粗面を通過する際に散乱する。
【0007】ここで、この透過型表示における散乱特性は、粗面の粗さ等に応じたものとなる。しかしながら、この粗面は、反射膜63が良好な散乱特性を発揮できるように、その粗さが決定されるものであった。このため、透過型表示における散乱特性は、反射型表示における散乱特性に応じて決定されることとなる。つまり、従来の技術の下では、透過型表示における表示特性が反射型表示における表示特性に左右され、従って、両者の表示特性を任意に設定することができないという問題があった。
【0008】本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを個別に決定することができる液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なることを特徴とする。
【0010】かかる構成とすることにより、一の基板のうち、透過型表示における光の散乱特性と、反射型表示における光の散乱特性とを個別に設定することができる。つまり、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを任意に選定することができる。
【0011】(2)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(1)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面は粗面であり、前記開口部に対応する領域の表面は平坦面であることを特徴とする。
【0012】この構成によれば、例えば、反射型表示の場合に反射膜表面において光を散乱させるために、一の基板のうちの反射膜によって覆われる領域の表面を粗面化しているにも関わらず、透過型表示の場合にバックライトユニットから入射して一の基板を透過する光が、当該基板表面において散乱するのを抑えることができる。
【0013】(3)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(1)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面は第1の粗面であり、前記開口部に対応する領域の表面は、前記第1の粗面とは粗さが異なる第2の粗面であることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、反射型表示の場合の反射光の散乱特性とは無関係に、透過型表示の場合の第2の粗面における透過光の散乱特性を設定することができるという利点がある。
【0015】(4)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(3)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記第2の粗面の粗さは、前記第1の粗面の粗さよりも細かいことを特徴とする。この構成によれば、バックライトユニットから入射して一の基板を通過する光を、当該基板表面において広範囲に散乱させることができる。
【0016】(5)次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうちの一の基板に、開口部を有する反射膜が形成された液晶表示装置の製造方法であって、前記一の基板のうち、前記反射膜に覆われる第1領域の表面形状と、前記開口部に対応する第2領域の表面形状とを異ならせる第1工程と、当該一の基板に前記反射膜を形成する第2工程とを有することを特徴とする。
【0017】この製造方法によって得られた液晶表示装置によれば、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを任意に選定することができるという利点がある。
【0018】(6)次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記(5)項に記載した構成の液晶表示装置の製造方法において、前記第1工程においては、前記第1領域の表面を粗面とし、前記第2領域の表面を平坦面とすることを特徴とする。こうすれば、透過型表示の場合にバックライトユニットから入射した一の基板を透過する光が、当該基板の表面において散乱するのを抑えることができる。
【0019】(7)次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記(5)項に記載した構成の液晶表示装置の製造方法において、前記第1工程においては、前記第1領域の表面と前記第2領域の表面とをそれぞれ異なる粗さの粗面とすることを特徴とする。こうすれば、反射型表示の場合の反射光の散乱特性とは無関係に、透過型表示の場合の第2の粗面における透過光の散乱特性を設定することができる。
【0020】(8)次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記(7)項に記載した構成の液晶表示装置の製造方法において、前記第1工程においては、前記第2領域の表面を前記第1領域の表面よりも細かい粗面とすることを特徴とする。こうすれば、透過型表示における一の基板の透過光を、広範囲に散乱させることができる。
【0021】(9)次に、本発明に係る液晶表示装置は、相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なり、さらに前記反射膜が形成された基板と該反射膜との間に形成された第1層と、前記反射膜の前記第1層と反対側に形成されていて前記開口部の所で前記第1層に対して界面を形成する第2層とを有し、前記第1層の屈折率と前記第2層の屈折率とは互いに異なることを特徴とする。
【0022】この構成によれば、第1層と第2層との境界面で光の散乱状態に変化を持たせることができるので、透過型表示における光の散乱特性と、反射型表示における光の散乱特性とを個別に設定することができる。つまり、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを任意に選定することができる。
【0023】(10)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(9)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記第1層の屈折率は前記第2層の屈折率よりも大きいことを特徴とする。この構成によれば、第1層から第2層へ向けて光が通過するとき、すなわち、透過表示のときに光の散乱を大きくすることができる。
【0024】(11) 次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(9)項又は上記(10)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記第1層の屈折率と前記第2層の屈折率との差は0.2以上であることを特徴とする。この構成によれば、第1層から第2層へ向けて光が通過するとき、すなわち、透過表示のときに光の散乱を大きくすることができる。
【0025】(12)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(9)項から上記(11)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記第1層は前記一方の基板上に形成された樹脂層であり、前記第2層は前記一方の基板上に形成されたカラーフィルタ層であることを特徴とする。
【0026】(13)次に、本発明に係る液晶表示装置は、相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なり、さらに前記開口部には複数の微粒子が配置されることを特徴とする。
【0027】この構成によれば、開口部に配置される微粒子によって、透過光の散乱状態を希望に応じて調整でき、これにより、透過型表示における光の散乱特性と、反射型表示における光の散乱特性とを個別に設定することができる。つまり、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを任意に選定することができる。
【0028】(14)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(13)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記複数の微粒子はバインダー樹脂の内部に含まれた状態で前記開口部に配置されることを特徴とする。この構成によれば、微粒子をバインダー樹脂に含ませた状態で処理ができるので、複数の微粒子を開口部に配置させる工程を簡単且つ確実に行うことができる。
【0029】(15)次に、本発明に係る液晶表示装置は、上記(14)項に記載した構成の液晶表示装置において、前記微粒子の屈折率と前記バインダー樹脂の屈折率との間に差があることを特徴とする。これにより、開口部を通過する光を確実に散乱させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、これ以降説明する実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0031】(第1実施形態)まず、本発明をアクティブマトリクス方式の半透過反射型液晶表示装置に適用した第1実施形態について説明する。なお、以下では、スイッチング素子として二端子型スイッチング素子を用いた場合を例示する。
【0032】(1)液晶表示装置の構成図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に例示する断面図である。なお、図1及び以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0033】図1に示すように、この液晶表示装置は、シール材(図示せず)を介して対向する第1基板11及び第2基板12の間に液晶13を挟持してなる液晶パネル1と、当該液晶パネル1の第2基板12側に配設されるバックライトユニット2とを含んで構成される。なお、実際には、第1基板11の外側及び第2基板12の外側(すなわち、いずれも液晶13の反対側)の表面に、入射光を偏光させるための偏光板や位相差板等が貼着されるが、これらは本発明とは直接には関係がないため、その説明及び図示を省略する。
【0034】バックライトユニット2は、光を照射する線状の蛍光管(図示せず)と、その蛍光管から発せられる光を反射して導光板21に導く反射板(図示せず)と、蛍光管からの光を液晶パネル1の全面に導く導光板21と、この導光板21に導かれた光を液晶パネル1に対して一様に拡散させる拡散板22と、導光板21から液晶パネル1とは反対側に出射される光を液晶パネル1側へ反射させる反射板23とを有している。
【0035】ここで、上記蛍光管は、常に点灯しているのではなく、外光がほとんどないような環境において液晶表示装置が使用される場合に、ユーザからの指示やセンサからの検出信号に応じて点灯し、これにより透過型表示が行われるようになっている。
【0036】液晶パネル1の第1基板11は、ガラスや石英、プラスティック等の光透過性を有する板状部材である。この第1基板11の内側(すなわち、液晶13側)表面には、複数の画素電極41がマトリクス状に配列して形成される。各画素電極41は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料によって形成される。ここで、図2は、画素電極41等が形成された第1基板11の表面を拡大して示す斜視図である。なお、図2と図1とでは、上下関係が逆になっていることに留意されたい。
【0037】図2において、第1基板11の表面に走査線43が形成される。この走査線43は、図1においては紙面に対して垂直方向に延在して形成される。図2において、画素電極41は、TFD42を介して画素電圧供給用の走査線43に接続される。また、各TFD42は、走査線43から分岐した部分である第1金属膜42aと、この第1金属膜42aの表面に陽極酸化によって形成された絶縁体たる酸化膜42bと、この酸化膜42bの上面に例えばクロム等によって形成された第2金属膜42cとから成り、非線形な電流−電圧特性を有する二端子型スイッチング素子として構成されている。そして、このTFD42の第2金属膜42cが画素電極41に接続されている。
【0038】図1において、画素電極41及びTFD42等が形成された第1基板11の表面は、配向膜44によって覆われている。この配向膜44は、ポリイミド等の有機薄膜であり、電圧が印加されていないときの液晶13の配向方向を規定するためのラビング処理が施されている。
【0039】一方、第2基板12は、ガラス基板等の基材12aと、樹脂層12bとを積層して構成される。この第2基板12の内側表面(すなわち、樹脂層12bの表面)には、反射膜14と、遮光膜15と、カラーフィルタ16と、オーバーコート層17と、対向電極18と、配向膜19とが形成されている。
【0040】反射膜14は、反射性を有する材料(例えばアルミニウムや銀等)によって形成され、第1基板11側からの入射光を反射させるための膜である。ここで、図3は、この反射膜14の形状を模式的に例示する平面図である。なお、図3においては、反射膜14のうち、第1基板11に形成された画素電極41と対向する領域が破線で示されている。反射膜14は、第2基板12の全面を覆うように形成されるが、第2基板12の表面のうち、第1基板11に形成された各画素電極41と対向する領域の一部には開口部14aが形成された形状となっている。後述するように、バックライトユニット2からの入射光は、この反射膜14の開口部14aを通過して第1基板11側に出射する。
【0041】図1において、第2基板12の内側表面(すなわち、樹脂層12bの表面)のうち、反射膜14によって覆われる領域(以下、「反射領域」という)は、多数の微細な凹凸が形成された粗面となっている。このため、反射膜14の表面には、反射領域上の凹凸を反映した凹凸が形成されることとなる。これに対し、第2基板12の内側表面のうち、開口部14aに対応する領域は平坦となっている。このため、バックライトユニット2から第2基板12に入射した光は、第2基板12の透過領域表面を通過する際に散乱することなく第1基板11側に出射する。
【0042】遮光膜15は、第1基板11に形成された各画素電極41の間隙部分に位置するように格子状に形成された膜であり、各画素間の隙間を遮光するためのものである。カラーフィルタ16は、染料や顔料によってR(赤色)、G(緑色)及びB(青色)のいずれかに着色された樹脂材料で形成された膜である。また、反射膜14、遮光膜15及びカラーフィルタ16が形成された第2基板12の表面は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂からなるオーバーコート層17によって覆われている。これは、反射膜14、遮光膜15及びカラーフィルタ16によって第2基板12上に形成された凸部を平坦化するとともに、カラーフィルタ16から有機材料が染み出して液晶を劣化させるのを防ぐためである。
【0043】このオーバーコート層17の表面には複数の対向電極18が形成されている。各対向電極18は、第1基板11上に列をなす複数の画素電極41の各々と対向するように所定の方向に延在して形成された帯状の電極であり、透明導電材料、例えばITO等によって形成される。第1基板11と第2基板12との間に挟持された液晶13は、画素電極41と対向電極18との間に電圧が印加されることによってその配向方向が変化する。すなわち、各画素電極41と各対向電極18とが対向する領域が画素として機能することとなる。
【0044】上記の開口部14aは、画素が形成される領域の一部に形成される。一方、対向電極18が形成されたオーバーコート層17の表面は、上記配向膜44と同様の配向膜19によって覆われている。
【0045】本実施形態の液晶表示装置は以上のように構成されているので、以下に説明するようにして反射型表示及び透過型表示の両方が行われる。
【0046】まず、反射型表示の場合には、図1において、太陽光や室内照明等の外光は、第1基板11側から入射し、第1基板11→画素電極41→配向膜44→液晶13→配向膜19→対向電極18→オーバーコート層17→カラーフィルタ16→反射膜14という経路で反射膜14に達し、この反射膜14の表面で反射する。反射した光は、その後、上記経路を逆に辿って第1基板11側から出射して観察者に視認される。
【0047】ここで、反射膜14の表面には、上述したように、第2基板12の反射領域に形成された凹凸を反映した凹凸が形成されている。このため、第1基板11側からの入射光は、この反射膜14の凹凸によって適度に散乱された後に第1基板11側から出射する。これにより、観察者によって視認される画像に背景が映り込んだり、室内照明からの光が反射するといった事態を回避することができる。
【0048】一方、透過型表示の場合には、バックライトユニット2による照射光は、第2基板12→反射膜14の開口部14a→カラーフィルタ16→オーバーコート層17→対向電極18→配向膜19→液晶13→配向膜44→画素電極41→第1基板11という経路を辿って外部へ出射してユーザに視認される。
【0049】以上説明したように、本実施形態においては、第2基板12の表面のうち、反射膜14によって覆われる反射領域は粗面である一方、当該反射膜14の開口部14aに対応する透過領域は平坦面となっているので、透過型表示における表示特性は、反射膜14の散乱特性に応じた粗面の形状とは無関係となる。この結果、例えば以下に示す利点を得ることができる。
【0050】従来の技術に示したように、第2基板12の透過領域の表面が、反射領域の表面に形成された粗面と同様の粗面である場合、透過型表示においてバックライトユニット2から第2基板12に入射して開口部14aを通過する光が、この透過領域の粗面によって散乱することとなる。しかしながら、場合によっては、この透過領域における光の散乱を抑えることが望ましい場合も考えられる。
【0051】例えば、図4(b)に示すように、ある画素Aに対応する開口部14aの縁部と、当該画素Aに隣接する他の画素Bの縁部との距離が短い場合、画素Aに対応する開口部14aを通った光が透過領域の粗面によって散乱して、当該画素Aに隣接する他の画素Bの画素電極41にまで至ってしまうことが考えられる。ここで、本来ならば、画素Aに対応する開口部14aを通った光は、当該画素Aに対応する画素電極41にのみ至って第1基板11側から出射することが望ましい。つまり、透過領域における光の散乱を抑えることが望ましいのである。しかしながら、従来の技術にあっては、透過領域の表面形状が反射領域における表面形状と同一となっていたため、透過領域を通過する光の散乱を抑えることができなかった。
【0052】これに対し、本実施形態に係る液晶表示装置によれば、透過領域が平坦面となっている。従って、図4(a)に示すように、バックライトユニット2から入射して画素Aに対応する開口部14aを通過した光は、散乱することなく当該画素Aに対応する画素電極41にのみ至ることとなる。この結果、上記従来の技術において発生し得る上記問題を回避することができるのである。
【0053】(2)液晶表示装置の製造方法次に、本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する。
【0054】(A)第1の製造方法まず、図5(a)に示すように、ガラス基板等といった基材12aの一方の表面を覆うように、樹脂材料を塗布し、さらに焼成して樹脂層12bを形成する。次に、この樹脂層12bを覆うようにフォトレジスト32を形成し、反射領域に対応する領域に多数の微小な孔32aを形成する(図5(b))。ここで、図6は、多数の孔32aが形成されたフォトレジスト32の様子を模式的に例示する平面図である。なお、図6においては、透過領域(すなわち、反射膜14の開口部14aに対応する領域)が破線で示されている。
【0055】図6に示すように、フォトレジスト32のうち、後の工程において形成される反射膜14に対応する領域、すなわち、反射領域に対応する領域に、多数の微細な孔32aを形成する一方、透過領域に対応する領域には、孔を形成しない。なお、後述するように、フォトレジスト32に設けられた孔32aの態様に応じて、第2基板12の反射領域における粗面の態様が決まるので、各孔32aの径及び隣接する各孔の距離等は、当該第2基板12上に形成される反射膜14が所望の散乱特性を発揮するように選定されることが望ましい。
【0056】次に、このような多数の孔32aが形成されたフォトレジスト32をマスクとして、樹脂層12bに対して等方性エッチングを施す。この結果、図5(c)に示すように、樹脂層12bのうちのフォトレジスト32の孔32aに対応する部分に、多数の微細な凹部が形成される。一方、孔が形成されていない領域はエッチングによって除去されないので、平坦なままとなる。上記エッチングの後、フォトレジスト32を除去する(図5(d))。
【0057】次に、こうして多数の凹部が形成された樹脂層12bを、当該樹脂材料の熱変形温度以上に加熱する。この加熱により樹脂層12bは軟化し、その熱変形性及び表面張力の作用によって樹脂層12bの角の部分が丸められる。この結果、図5(e)に示すように、滑らかな凹凸を有する粗面である反射領域Aと、平坦面である透過領域Bとを有する第2基板12が得られる。
【0058】続いて、上記のようにして粗面と平坦面とが選択的に形成された第2基板12の全面に、アルミニウム等といった反射性を有する材料の膜33を形成する。さらに、図5(f)に示すように、この膜33のうちの反射領域に対応する領域にフォトレジスト34を形成する。
【0059】次に、上記フォトレジスト34が形成された膜33に対してエッチングを施し、フォトレジスト34によって覆われていない領域の膜33を除去する。この結果、エッチングによって除去された領域を開口部14aとする反射膜14が形成される。
【0060】続いて、反射膜14が形成された第2基板12の表面にクロム等の薄膜を形成するとともに、この薄膜をパターニングして遮光膜15を形成する。そして、反射膜14及び遮光膜15が形成された第2基板12の表面に、R、G、Bのうちのいずれかの色に着色された樹脂膜を形成するとともに、エッチングやフォトリソグラフィを施し、当該色のカラーフィルタ16を形成する。他の2色についても、同様の工程によってカラーフィルタ16を形成する(図5(h))。
【0061】続いて、これらの各部が形成された第2基板12の全面にアクリル樹脂等の樹脂材料を塗布し、その後焼成してオーバーコート層17を形成する。さらに、こうして形成されたオーバーコート層17の表面に、スパッタリング法等によってITOの薄膜を形成し、この薄膜に対してエッチングやフォトリソグラフィ等を施すことにより、複数の帯状の対向電極18を形成する。次に、これらの対向電極18が形成されたオーバーコート層17の表面にポリイミド等の有機材料を塗布し、さらに焼成して配向膜19を形成し、さらにその後、使用する液晶13のツイスト角に応じた一軸配向処理(例えばラビング処理)を配向膜19に対して施す(図5(i))。
【0062】一方、図1に示す第1基板11の表面に、図2に示すように走査線43、TFD42及び画素電極41を形成する。これらの各部は、公知の各種方法を用いて形成することができるので、それらの形成方法についての説明は省略する。
【0063】続いて、上記のようにして得られた図5(i)の第2基板12上に、当該第2基板12の縁部を囲む形状のシール材を印刷するとともに、当該第2基板12と、画素電極41等が形成された図2の第1基板11をシール材を介して接合し、液晶13を封入して図1の液晶パネル1が得られる。この後、液晶パネル1の第2基板12側にバックライトユニット2を配設して、液晶表示装置が完成する。(B)第2の製造方法次に、本発明に係る液晶表示装置の第2の製造方法について説明する。なお、本製造方法においては、上記第1の製造方法と比較して図5の第2基板12の製造方法のみが異なるので、以下ではこの異なる部分についてのみ説明する。また、以下では、ソーダライムガラス基板を用いて第2基板12を形成する場合を例示する。
【0064】図7(a)は、このソーダライムガラス基板35の断面構造を模式的に表す断面図である。同図に示すように、このソーダライムガラス基板35は、網目状構造体35aと、この網目状構造体35aを埋めるように存在する網目修飾体35bとを有する。網目状構造体35aは珪酸によって形成される一方、網目修飾体35bはアルカリ金属やアルカリ土類金属によって形成される。
【0065】まず、ソーダライムガラス基板35を、5wt%程度の弗化水素酸水溶液に20℃において5秒間程度浸漬することにより、洗浄を兼ねたエッチングを行う。続いて、上記工程により均一にエッチングが施されたソーダライムガラス基板35の表面のうち、上述した透過領域に対応する領域を覆うように、フォトレジスト36を形成する(図7(b))。
【0066】次に、当該ソーダライムガラス基板35を、弗化水素酸が30wt%、水素二弗化アンモニウムが45wt%含まれる水溶液に、25℃にて15秒間程度浸漬する。ここで、図7(c)に示すように、ソーダライムガラス基板35を構成する成分のうち、網目修飾体35bが上記処理液に溶出する速度は、網目状構造体35aが当該処理液に溶出する速度よりも速い。従って、上記処理液への浸漬が終了すると、図7(d)に示すように、エッチングが施された領域(すなわち、フォトレジスト36によって覆われていない領域)は、網目状構造体35aの形状に応じた山部と谷部とを有する粗面となる。
【0067】この後、図7(e)に示すように、フォトレジスト36を除去することにより、反射膜14(図1参照)によって覆われるべき反射領域が粗面化され、開口部14a(図14a)に対応する透過領域が平坦である第2基板12が得られる。こうして粗面と平坦面とが選択的に形成された第2基板12の表面に対して、図1に示すように、粗面化された領域を覆う形状を有し、かつ平坦面に対応して開口部14aが設けられた反射膜14を形成する。なお、反射膜14の形成工程、及びその後の工程は、上記第1の製造方法と同様となるため、その説明は省略する。
【0068】(第2実施形態)
(1)液晶表示装置の構成次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の構成を説明する。図8は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成の一部を模式的に例示する断面図である。なお、図8R>8に示す各部のうち、図1に示した第1実施形態に係る液晶表示装置の各部と共通する部分については、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】上記第1実施形態に係る液晶表示装置においては、第2基板12の内側表面のうち、反射膜14によって覆われる反射領域を粗面とし、開口部14aに対応する透過領域を平坦面とした。図8に示す本実施形態に係る液晶表示装置においては、第2基板12の透過領域の形状が反射領域の形状と異なっている点では上記第1実施形態と同様であるが、第2基板12の透過領域も粗面である点で上記第1実施形態とは異なっている。
【0070】詳述すると、本実施形態に係る第2基板12にあっては、透過領域と反射領域の双方が粗面となっているが、透過領域の粗面の粗さが、反射領域の粗面の粗さよりも細かくなっている。ここで、粗面に関して「細かい」とは、当該粗面を構成するいずれかの山部の頂上部から当該山部に隣接する他の山部の頂上部までの距離(以下、山部のピッチという)が短いこと、いずれかの谷部の底部から当該谷部に隣接する他の谷部の底部までの距離(以下、谷部のピッチという)が短いこと、山部の高さが高いこと、あるいは谷部の深さが深いこと等を意味する。本実施形態においては、第2基板12の透過領域における山部又は谷部のピッチが、反射領域における山部又は谷部のピッチよりも短くなっている。
【0071】このように、第2基板12のうちの透過領域における粗面の粗さを、反射領域における粗面の粗さと異ならせることにより、反射膜の散乱特性に応じて決定された反射領域の粗面の形状とは無関係に、透過型表示における表示特性を設定することができるという利点がある。詳述すると、以下の通りである。
【0072】図14に示した従来の液晶表示装置のように、第2基板52の透過領域の表面が、反射領域の表面に形成された粗面と同様の粗面である場合、透過型表示時にバックライトユニット6から第2基板52に入射して開口部63aを通過する光が、この透過領域の粗面によって散乱することとなる。しかしながら、場合によっては、この透過領域において光をより広範囲に散乱させることが望ましい場合も考えられる。
【0073】例えば、図9(b)に示すように、ある画素に対応する開口部14aの縁部と、当該画素の縁部との距離が比較的長いため、透過領域において散乱した光が、画素電極41のうちの狭い範囲にしか至らないような場合である。このような場合、開口部14aを通った光をより拡散させて、画素電極41の広範囲に至らせることが望ましい。しかしながら、図14に示す従来技術の下では、透過領域の表面形状が反射領域の表面形状と同一であったため、透過領域を通過する光の散乱の程度を任意に調節することはできなかった。
【0074】これに対し、本実施形態に係る液晶表示装置によれば、透過領域における表面が、反射領域における粗面よりも細かい粗面となっている。従って、図9(a)に示すように、バックライトユニット2(図8参照)から第2基板12側に入射した光は、当該透過領域の表面において、図9(b)に示した場合よりも広範囲に散乱し、散乱した光は、画素電極41の広範囲に至ることとなる。つまり、透過型表示における見かけ上の画素の大きさSを、図9(b)に示した従来の場合と比較して大きくすることができる。このように、本実施形態によれば、透過型表示における表示特性を、反射型表示における散乱特性とは無関係に選定することができる。
【0075】なお、図8に示す本実施形態においては、第2基板12のうちの透過領域の表面の粗さを、反射領域の表面の粗さよりも細かくなるようにしたが、これとは逆に、透過領域の表面の粗さを、反射領域の表面の粗さよりも粗くなるようにしてもよい。要は、透過型表示における表示特性、すなわち散乱特性が所望の表示特性となるように、透過領域の表面を、反射領域における表面の粗さとは無関係の粗さとすればよいのである。
【0076】(2)液晶表示装置の製造方法次に、本実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する。まず、図10(a)に示すように、ガラス基板等といった基材12aの一方の表面を覆うように、樹脂材料を塗布し、さらに焼成して樹脂層12bを形成する。次に、この樹脂層12bを覆うようにフォトレジスト32を形成し、このフォトレジスト32に多数の微小な孔を形成する(図10(b))。
【0077】ここで、図11は、多数の孔32aが形成されたフォトレジスト32の様子を模式的に例示する平面図、すなわち図10(b)を上側から見た図である。なお、図11においては、第2基板12の透過領域に対応する領域が破線で示されている。この図に示すように、フォトレジスト32のうちの反射領域に対応する領域には、比較的大径の多数の孔32aが形成される。これに対し、フォトレジスト32のうち、透過領域に対応する領域内には、上記反射領域内に形成された孔32aよりも小径の孔32bが、当該反射領域よりも密に(すなわち、各孔32bの間隔が短くなるように)形成される。
【0078】後述するように、第2基板12のうち、孔32a及び32bが設けられた領域に対応して谷部が形成される一方、その他の領域には山部が形成されることとなる。従って、反射領域内の各孔の径及び隣接する各孔の距離等は、第2基板12の当該反射領域に形成される反射膜が所望の反射特性を備えるように選定されることが望ましい。同様に、透過領域内の各孔の径及び隣接する各孔の距離等は、第2基板12の透過領域を通過する光が所望の散乱光となるように選定されることが望ましい。
【0079】次に、このような多数の孔32a及び32bが形成されたフォトレジスト32をマスクとして、樹脂層12bに対して等方性エッチングを施す。この結果、図10(c)に示すように、樹脂層12bのうちのフォトレジスト32によって覆われていない部分に、多数の微細な凹部が形成される。上記エッチングの後、フォトレジスト32を除去する(図10(d))。
【0080】続いて、多数の凹部が形成された樹脂層12bを、当該樹脂材料の熱変形温度以上に加熱する。この加熱により樹脂層12bは軟化し、その熱変形性及び表面張力の作用によって樹脂層12bの角の部分が丸められる。この結果、図10(e)に示すように、粗面である反射領域と、それよりも細かい粗面である透過領域とを有する第2基板12が得られる。
【0081】この後、図10(f)に示すように、第2基板12の反射領域を覆う形状を有し、かつ透過領域に対応して開口部14aが設けられた反射膜14が形成されるとともに、遮光膜15、カラーフィルタ16、オーバーコート層17、対向電極18及び配向膜19が形成される(図10(g))。これらの各部を形成する工程及びこの第2基板12を用いて液晶パネル1を形成する工程は、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0082】(第3実施形態)上記各実施形態においては、二端子型スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例示したが、本発明は、例えばTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)に代表される三端子型スイッチング素子を用いた液晶表示装置又はパッシブマトリクス方式の液晶表示装置にも適用可能である。
【0083】これらの液晶表示装置に本発明を適用した場合にも、上記各実施形態に示した場合と同様、液晶を挟持する一対の基板のうちの観察側とは反対側の基板に、開口部を有する反射膜を設け、当該基板のうちの反射膜によって覆われる反射領域表面の形状と、開口部に対応する透過領域表面の形状とを異ならせるようにすればよい。
【0084】また、上記各実施形態においては、観察側の第1基板11に画素電極41及びTFD42等を設ける一方、観察側とは反対側の第2基板12に画素電極41と対向する対向電極18を設ける構成としたが、これとは逆に、第1基板11に対向電極を、第2基板12に画素電極及びスイッチング素子等を設ける構成としてもよい。一方、TFT等の三端子型スイッチング素子を用いた場合にあっても、観察側の基板をスイッチング素子が設けられた素子基板とし、他方の基板を対向電極が形成された対向基板としてもよいし、これとは逆に、観察側の基板を対向電極とし、観察側とは反対側の基板を素子基板としてもよい。
【0085】(第4実施形態)上記各実施形態においては、第2基板12側に反射膜14と対向電極18とを別個に設ける構成としたが、反射膜14及び対向電極18の機能を兼ね備える反射電極を形成するようにしてもよい。図12(a)は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に例示する断面図である。なお、この図において、図1に示した各部と共通する要素については同様の符号が付されている。また、この図においては、図1R>1及び図8等に示したカラーフィルタ16及び遮光膜15は省略されている。
【0086】図12(a)に示すように、本変形例に係る液晶表示装置の第2基板12には、上記各実施形態に示した対向電極18及び反射膜14に代えて反射電極24が形成される。ここで、図12(b)は、この反射電極24の構成を例示する平面図である。同図においては、第1基板11上に形成された画素電極41が破線で示されている。この図に示すように、各反射電極24は、第1基板11上に列をなす画素電極41の各々と対向するように、反射性を有する導電性材料によって形成される。また、この反射電極24は、図12(a)及び(b)に示すように、第1基板11上の画素電極41と対向する領域の一部に開口部24aが設けられている。
【0087】そして、第2基板12のうち、反射電極24によって覆われる反射領域の表面は粗面となる一方、開口部24aに対応する透過領域の表面は平坦面となっている。かかる構成とした場合にも、上記各実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本変形例によれば、電極と反射膜とを別個に形成する必要がないので、製造コストの低減、及び構造の簡素化を図ることができる。
【0088】なお、図12(a)においては、第2基板12のうちの透過領域表面を平坦面としたが、上記第2実施形態と同様、本変形例においても、透過領域表面を反射領域表面の粗面よりも細かい粗面とする構成としてもよい。要は、第2基板12の透過領域表面の形状と反射領域表面の形状とが異なっていればよいのである。
(第5実施形態)第2基板12の表面に粗面を形成する方法としては、上記各実施形態に示したものに限られず、他の各種方法を用いることができる。図13の(a)から(f)は、上記第1実施形態に係る液晶表示装置の第2基板12のうちの反射領域の表面を粗面化するための他の方法を例示する図である。
【0089】この方法においては、まず、図13(a)に示すように、ガラス基板等といった基材12aの全面に感光性アクリル樹脂等の樹脂層12bを形成し、この樹脂層12bに対し、フォトレジスト32を介して紫外線を照射する(図13(b))。ここで、図13(b)に示すように、このフォトレジスト32には、反射領域に対応する領域に多数の微細な遮光膜が形成されているが、透過領域に対応する領域にはかかる遮光膜は形成されていない。従って、この紫外線照射の後、現像を施すと、図13(c)に示すように、樹脂層12bのうち、遮光膜によって遮られて紫外線が照射されなかった部分のみが残り、紫外線が照射した部分は除去される。
【0090】続いて、これらの樹脂層12bを加熱して軟化させ、当該樹脂層12bの角部を丸める。これにより、図13(d)に示すように、第2基板12のうちの反射領域のみが、各樹脂層に対応する多数の凸部を有する粗面となるのである。この後、多数の凸部が形成された第2基板12表面を覆う有機膜37を形成するとともに(図13(e))、この有機膜37上に、開口部14aを有する反射膜14を形成する(図13(f))。ここで、反射膜14の下地として有機膜37を形成したのは、材質が異なる部材、すなわち樹脂層12bと第2基板12、の表面に跨って反射膜14を形成すると、当該反射膜14が剥がれやすくなるためである。
【0091】このような方法によっても、上記第1実施形態に示した第2基板12を形成することができる。なお、第2実施形態に示したように、反射領域表面と透過領域表面とが粗さの異なる粗面となっている第2基板も、同様の工程により製造することができる。すなわち、この場合には、上述したフォトマスク32のうち、第2基板12の反射領域に対応する領域に比較的大きい多数の遮光膜を設ける一方、透過領域に対応する領域に比較的小さい多数の遮光膜を密に設けるようにすればよい。
【0092】(第6実施形態)図1に示した構成の液晶表示装置において、反射膜14の下に形成された樹脂層12b及び開口部14aの上に形成されたカラーフィルタ層16に関しては、それらの屈折率の間に大きな差が生じることがある。このように樹脂層12bの屈折率とカラーフィルタ層16の屈折率との間に大きな差がある場合には、開口部14aに対応して樹脂層12bに凹凸が形成されるとすると、透過表示を行うときに樹脂層12bとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱が生じる。
【0093】従って、図4(a)に示すように、開口部14aの所で光を散乱させたく無い場合であって、しかも、樹脂層12bの屈折率とカラーフィルタ層16の屈折率との間に大きな差があるときには、開口部14aに対応して樹脂層12bを平坦にすることが有効である。
【0094】特に、カラーフィルタ層16の屈折率と樹脂層12bの屈折率との差が0.2以上である場合には、それらの界面で発生する散乱が大きくなる傾向にある。よって、この場合に光の散乱を制限したいときには、開口部14aに対応する樹脂層12bを平坦に形成することが有効である。
【0095】(第7実施形態)図15は、本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示している。図1に示した先に実施形態では、ガラス等によって構成された基材12aに樹脂層12bを積層することによって第2基板12を形成し、さらに、樹脂層12bの表面に凹凸を形成し、この凹凸によって反射膜14に凹凸を形成した。これに対し、図15に示す本実施形態では、第2基板12を基材12aの単体によって形成すると共に、その基材12aの表面に直接に凹凸を形成し、その凹凸によって反射膜14に凹凸を形成した。これ以外の点は、図1の液晶表示装置と図15の液晶表示装置との間には相違がないので、同じ部材は同じ符号で示すことにして、それらの部材の説明は省略する。
【0096】この実施形態においては、反射膜14の下に位置する基材12a及び開口部14aの上に形成されたカラーフィルタ層16に関して、それらの屈折率の間に大きな差が生じることがある。このように基材12aの屈折率とカラーフィルタ層16の屈折率との間に大きな差がある場合には、開口部14aに対応して基材12aに凹凸が形成されるとすると、透過表示を行ったときに基材12aとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱が生じる。
【0097】従って、図4(a)に示すように、開口部14aの所で光を散乱させたく無い場合であって、しかも、基材12aの屈折率とカラーフィルタ層16の屈折率との間に大きな差があるときには、開口部14aに対応して樹脂層12bを平坦にすることが有効である。
【0098】特に、カラーフィルタ層16の屈折率と基材12aの屈折率との差が0.2以上である場合には、それらの界面で発生する散乱が大きくなる傾向にある。よって、この場合に光の散乱を制限したいときには、開口部14aに対応する樹脂層12bを平坦に形成することが有効である。
【0099】(第8実施形態)なお、本発明は、図1に示した実施形態及び図15に示す実施形態に限定されるものではなく、反射膜14の下に形成された図1の樹脂層12bや図15の基材12aによって構成される第1層と、開口部14aに対応するカラーフィルタ層16によって構成される第2層との屈折率の差が相違する構造を有する液晶表示装置であると考えられる。
【0100】このように第1層の屈折率と第2層の屈折率との差が大きい場合に、例えば図15において、開口部14aに対応して第1層12aに凹凸が在ると、透過表示において第1層12a及び第2層16の界面で大きな散乱が生じる傾向にある。よって、開口部14aの所での光の散乱を抑制したい場合には、開口部14aに対応して第1層12aを平坦にすることが有効である。
【0101】特に、第1層と第2層との間の屈折率の差が0.2以上である場合には、それらの界面で発生する散乱が大きくなる傾向にあるので、この場合に光の散乱を制限したいときには、開口部14aに対応する第2層を平坦に形成することが有効である。なお、第1層及び第2層はいずれも任意の有機材料又は無機材料から選択することができる。
【0102】(第9実施形態)図8に示した構成の液晶表示装置において、反射膜14の下に形成された樹脂層12b及び開口部14aの上に形成されたカラーフィルタ層16に関しては、それらの屈折率に差があることが好ましく、さらにはその差が大きいことが好ましい。こうすれば、透過表示の際に樹脂層12bとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱が生じるからである。
【0103】特に、カラーフィルタ層16の屈折率と樹脂層12bの屈折率との差を0.2以上にすれば、樹脂層12bとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱を生じさせることに関して、より一層好ましい。
【0104】また、さらに、樹脂層12bの屈折率をカラーフィルタ層16の屈折率よりも大きくすれば、さらに大きな散乱を生じさせることができる。
【0105】(第10実施形態)図16は、本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示している。図8R>8に示した先に実施形態では、ガラス等によって構成された基材12aに樹脂層12bを積層することによって第2基板12を形成し、さらに、樹脂層12bの表面に凹凸を形成し、この凹凸によって反射膜14に凹凸を形成した。これに対し、図16に示す本実施形態では、第2基板12を基材12aの単体によって形成すると共に、その基材12aの表面に直接に凹凸を形成し、その凹凸によって反射膜14に凹凸を形成した。これ以外の点は、図8の液晶表示装置と図16の液晶表示装置との間には相違がないので、同じ部材は同じ符号で示すことにして、それらの部材の説明は省略する。
【0106】この実施形態においては、反射膜14の下に位置する基材12a及び開口部14aの上に形成されたカラーフィルタ層16に関して、それらの屈折率に差があることが好ましく、さらにはその差が大きいことが好ましい。こうすれば、透過表示の際に基材12aとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱が生じるからである。
【0107】特に、カラーフィルタ層16の屈折率と基材12aの屈折率との差を0.2以上にすれば、基材12aとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱を生じさせることに関して、より一層好ましい。
【0108】また、さらに、基材12aの屈折率をカラーフィルタ層16の屈折率よりも大きくすれば、さらに大きな散乱を生じさせることができる。
【0109】(第11実施形態)なお、本発明は、図8に示した実施形態及び図16に示す実施形態に限定されるものではなく、反射膜14の下に形成された図8の樹脂層12bや図16の基材12aによって構成される第1層と、開口部14aに対応するカラーフィルタ層16によって構成される第2層との屈折率の差が相違する構造を有する液晶表示装置であると考えられる。これにより、第1層と第2層との界面で大きな散乱を生じさせることができる。
【0110】特に、第1層の屈折率と第2層の屈折率との差を0.2以上にすれば、基材12aとカラーフィルタ層16との界面で大きな散乱を生じさせることに関して、より一層好ましい。また、さらに、第1層の屈折率を第2層の屈折率よりも大きくすれば、さらに大きな散乱を生じさせることができる。
【0111】なお、第1層及び第2層は、いずれも任意の有機材料又は無機材料から選択することができる。
【0112】(第12実施形態)図17は、本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示している。図8R>8に示した実施形態では、開口部14aに対応する樹脂層12bの表面に凹凸を設けることにより、透過表示の際に開口部14aを通る光を大きく散乱させた。これに対し、図17に示す本実施形態では、バインダー樹脂29の中に複数の微粒子28を混在させて成る光散乱層27を開口部14aに対応する部分に形成することにより、透過表示の際に開口部14aを通る光を大きく散乱させている。これ以外の点は、図8の液晶表示装置と図1717の液晶表示装置との間には相違がないので、同じ部材は同じ符号で示すことにして、それらの部材の説明は省略する。
【0113】光散乱層27は、例えば、次のようにして形成される。すなわち、屈折率1.48のシリコン樹脂から成る微粒子28を重量比で15%の割合で、屈折率1.35の透明な含フッ素ポリマー29に混練し、次に、基材12aの表面にスピンコート法によって適宜の膜厚約に成膜し、次に、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行って、開口部14aに光散乱層27を形成する。
【0114】複数の微粒子28は、光を散乱する機能を持った程度に大きく、液晶層13の厚み、すなわちセルギャップに影響を与えない程度に小さく設定することが望ましく、例えば、直径1〜3μmのものが望ましい。
【0115】なお、混練する微粒子28には450nmから650nmの波長範囲において、(散乱断面積)/(幾何学的断面積)で表される散乱効率が2以上となる粒子半径を選ぶことができる。図18に、(微粒子の屈折率)/(樹脂の屈折率)=1.1の場合の450nm、550nm、650nmの波長における、粒子半径に対する散乱効率のそれぞれに関係曲線R4、R5、R6を示した。図18において、450nmから650nmまでの波長範囲において散乱効率が2以上となる微粒子半径は1.2μm〜2.3μmの範囲であり、このため、本実施形態では微粒子の平均半径を1.7μmとした。
【0116】なお、上記説明ではバインダー樹脂29として含フッ素ポリマーを用いることを例示したが、樹脂としては、複屈折性が小さく、液晶表示製造装置の製造工程における熱処理や薬品処理に耐え得るものであれば良く、例えば、アクリル樹脂(屈折率:1.47〜1.59)、エポキシ樹脂(屈折率:1.56〜1.66)、ポリエステル樹脂(屈折率:1,51〜1.57)、シリコン樹脂(屈折率:1.35〜1.48)、ポリイミド樹脂(屈折率:1.57〜1.69)等と用いることができる。
【0117】また、上記説明では微粒子としてシリコン樹脂から成る微粒子を考えたが、微粒子としては、有機ポリマーかな成る微粒子や、無機物から成る微粒子を用いることができる。
【0118】有機ポリマーから成る微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(ETFE)、ポリフルオロビニル(PVF)等といった含フッ素ポリマーが挙げられる。これら含フッ素ポリマーの屈折率は、それぞれ、1.35、1.35、1.40、1.35である。
【0119】さらに、その他のポリマーにフッ素原子やフッ化アルキル基を付加したものであっても良い。また、これら有機ポリマーの表面に適当な表面処理を施した微粒子でも良い。表面処理の例としては、例えば、SiO、ZrO、Al2O、ZnO、透明樹脂、カップリング剤、界面活性剤等を表面に塗布する処理が挙げられる。
【0120】また、無機物から成る微粒子の例としては、立方晶構造を有する微粒子、正方晶構造を有する微粒子又は非晶質の微粒子等が使用できる。具体的には、例えば、CaF、MgF、LaF、LiF、NaF等といったフッ素化合物が挙げられる。これらのフッ素化合物の屈折率は、それぞれ、1.43、1.38、1.59、1.39、1.34である。
【0121】上記方法以外に、光散乱層27は、半径に分散を持った含フッ素系樹脂(屈折率1.35)から成る微粒子28を重量比で15%の割合で、透明なアクリルポリマー(屈折率1.47)に混練し、そのポリマーを基材の表面にスピンコート法によって適宜の膜厚で成膜し、その後、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行って、開口部14aに光散乱層27を形成する。
【0122】混練する微粒子には、光散乱層27を通過し、散乱された光が、入射した光の進行方向から5°〜20°の角度範囲において、それぞれの角度における光の3刺激値、すなわちX値、Y値、Z値の分散が10%以内となるように、半径に分散を持った微粒子を選ぶことができる。こうすれば、散乱された光は色付いておらず、液晶表示装置を観察する角度によって色相が変化することが無くなり、このため、液晶表示装置の色表現を損なうことが無くなる。
【0123】(第13実施形態)図19は、本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示している。ここに示す実施形態は、開口部14aに対応して基材12a上に光散乱層27を形成することに関して図17に示した先の実施形態と同じである。
【0124】図17に示した先の実施形態では、基材12aの表面に積層した樹脂層12bの表面に凹凸を形成し、この凹凸によって反射膜14の表面に凹凸を形成した。これに対し、図18に示す本実施形態では、反射膜14を形成すべき位置の基材12aの表面に複数の粒子を堆積させて粒子層31を形成し、粒子の球形に応じてその表面が凹凸形状となる粒子層31の凹凸によって反射膜14の表面に凹凸を形成してある。
【0125】この実施形態において、開口部14aに形成する光散乱層27の形成方法並びにその中に含まれる微粒子28及びバインダー樹脂29の材質は、図17の実施形態の場合と同じとすることができる。
【0126】(その他の実施形態)以上、本発明を好ましいいくつかの実施形態を例示して説明したが、上記の各実施形態はあくまでも例示であり、上記の各実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
【0127】例えば、上記の実施形態ではTFD素子をスイッチング素子とするアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例示したが、TFD素子以外のスイッチング素子、例えばTFT(Thin Film Transistor)素子等といった3端子型のスイッチング素子を用いる構造のアクティブマトリクス方式の液晶表示装置に関しても本発明を適用できる。また、スイッチング素子を用いない構造の単純マトリクス方式の液晶表示装置に関しても本発明を適用できる。
【0128】また、図1及び図8に示す実施形態に関しては、カラーフィルタ16及び遮光膜15を用いない構成とすることができる。この場合、液晶表示装置はモノクロ表示型の液晶表示装置となる。そして、この場合には、オーバーコート層17と樹脂層12bとが開口部14aにおいて互いに接することになるので、これらのオーバーコート層17と樹脂層12bとの間の屈折率の差が大きいときに、本発明の作用効果がより顕著に現れる。
【0129】また、図1及び図8に示す実施形態に関しては、オーバーコート層17、カラーフィルタ16及び遮光膜15を用いない構成とすることができる。この場合、液晶表示装置はモノクロ表示型の液晶表示装置となる。そして、この場合には、電極18と樹脂層12bとが開口部14aにおいて接することになるので、これらの電極18と樹脂層12bとの間の屈折率の差が大きいときに、本発明の作用効果がより顕著に現れる。
【0130】また、図1及び図8に示す実施形態においてオーバーコート層17、カラーフィルタ16及び遮光膜15を用いない構成を採用する場合には、オーバーコート層17が無いことにより、開口部14aにおける配向膜19の表面形状が樹脂層12bの表面形状に対応して形成される。この場合には、液晶層13と配向膜19との間の屈折率の差が大きいときにも本発明の作用効果がより顕著に現れる。要するに、本発明は、前述したように、開口部14aにおいて第1層及び該第1層上に形成された第2層を有し、第1層が第2層との界面において表示特性に応じた表面形状を有し、さらに、第1層と第2層との間で屈折率が異なることで所期の効果を得ることができる。この場合、第1層及び第2層としては、それらの屈折率が相互に異なるように設定できるものであれば、それぞれを任意の材料を用いて構成できる。
【0131】また、図15及び図16に示す実施形態に関しては、カラーフィルタ16及び遮光膜15を用いない構成とすることができる。この場合、液晶表示装置はモノクロ表示型の液晶表示装置となる。そして、この場合には、オーバーコート層17と基板12とが開口部14aにおいて接することになるので、これらのオーバーコート層17と基板12との間の屈折率の差が大きいときに、本発明の作用効果がより顕著に現れる。
【0132】また、図15及び図16に示す実施形態に関しては、オーバーコート層17、カラーフィルタ16及び遮光膜15を設けない構成とすることができる。この場合には、液晶表示装置はモノクロ表示型の液晶表示装置となる。そして、この場合には、電極18と基板12とが開口部14aにおいて互いに接することになるので、電極18と基板12との間の屈折率の差が大きいときに、本発明の作用効果がより顕著に現れる。
【0133】また、図15及び図16に示す実施形態においてオーバーコート層17、カラーフィルタ16及び遮光膜15を用いない構成を採用する場合には、オーバーコート層17が無いことにより、開口部14aにおいて基板12の表面形状に対応して配向膜19の表面形状が形成されるので、液晶層13と配向膜19との間の屈折率の差が大きいときに、本発明の作用効果がより顕著に現れる。
【0134】要するに、本発明は、前述したように、開口部14aにおいて第1層及び該第1層上に形成された第2層を有し、第1層が第2層との界面において表示特性に応じた表面形状を有し、さらに、第1層と第2層との間で屈折率が異なることで所期の効果を得ることができる。この場合、第1層及び第2層としては、それらの屈折率が相互に異なるように設定できるものであれば、それぞれを任意の材料を用いて構成できる。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、透過型表示における表示特性と、反射型表示における表示特性とを個別に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【図2】図1の液晶表示装置の第1基板における画素電極近傍の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の液晶表示装置の反射膜の構成を示す平面図である。
【図4】図1の液晶表示装置の効果を説明するための図である。
【図5】図1の液晶表示装置の第1の製造方法を示す図である。
【図6】図5の製造方法の一工程において、第2基板上に形成されたフォトレジストに多数の孔が形成された様子を示す平面図である。
【図7】図1の液晶表示装置の第2の製造方法を示す図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の他の実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【図9】図8の液晶表示装置の効果を説明するための図である。
【図10】図8の液晶表示装置の製造方法を示す図である。
【図11】図10の製造方法の一工程において、第2基板上に形成されたフォトレジストに多数の孔が形成された様子を例示する平面図である。
【図12】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態の要部を示す断面図である。
【図13】本発明に係る液晶表示装置の第2基板の他の製造方法を示す図である。
【図14】従来の半透過反射型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図15】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【図16】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【図17】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【図18】図17に示す液晶表示装置に用いられる要素である微粒子の特性を示すグラフである。
【図19】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態の要部の断面構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 バックライトユニット
11 第1基板
12 第2基板
12a 基材
12b 樹脂層
13 液晶
14 反射膜
14a 開口部
15 遮光膜
16 カラーフィルタ
17 オーバーコート層
18 対向電極
19 配向膜
21 導光板
22 拡散板
23 反射板
24 反射電極
24a 開口部
27 光散乱層
28 微粒子
29 バインダー樹脂
31 粒子層
32,34 フォトレジスト
32a,32b 孔
37 有機膜
41 画素電極
42 TFD
43 走査線
44 配向膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】 相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】 請求項1において、前記一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面は粗面であり、前記開口部に対応する領域の表面は平坦面であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】 請求項1において、前記一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面は第1の粗面であり、前記開口部に対応する領域の表面は、前記第1の粗面とは粗さが異なる第2の粗面であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】 請求項3において、前記第2の粗面の粗さは、前記第1の粗面の粗さよりも細かいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】 相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなり、前記一対の基板のうちの一の基板に、開口部を有する反射膜が形成された液晶表示装置の製造方法であって、前記一の基板のうち、前記反射膜に覆われる第1領域の表面形状と、前記開口部に対応する第2領域の表面形状とを異ならせる第1工程と、当該一の基板に前記反射膜を形成する第2工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】 請求項5において、前記第1工程においては、前記第1領域の表面を粗面とし、前記第2領域の表面を平坦面とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】 請求項5において、前記第1工程においては、前記第1領域の表面と前記第2領域の表面とをそれぞれ異なる粗さの粗面とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】 請求項7において、前記第1工程においては、前記第2領域の表面を前記第1領域の表面よりも細かい粗面とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】 相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なり、さらに前記反射膜が形成された基板と該反射膜との間に形成された第1層と、前記反射膜の前記第1層と反対側に形成されていて前記開口部の所で前記第1層に対して界面を形成する第2層とを有し、前記第1層の屈折率と前記第2層の屈折率とは互いに異なることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】 請求項9において、前記第1層の屈折率は前記第2層の屈折率よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】 請求項9又は請求項10において、前記第1層の屈折率と前記第2層の屈折率との差は0.2以上であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】 請求項9から請求項11の少なくともいずれか1つにおいて、前記第1層は前記一方の基板上に形成された樹脂層であり、前記第2層は前記一方の基板上に形成されたカラーフィルタ層であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項13】 相互に対向する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶表示装置であって、前記一対の基板のうちの一の基板には、開口部を有する反射膜が形成され、当該一の基板のうち、前記反射膜によって覆われる領域の表面形状と前記開口部に対応する領域の表面形状とが異なり、さらに前記開口部には複数の微粒子が配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】 請求項13において、前記複数の微粒子はバインダー樹脂の内部に含まれた状態で前記開口部に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】 請求項14において、前記微粒子の屈折率と前記バインダー樹脂の屈折率との間に差があることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2002−98955(P2002−98955A)
【公開日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−218793(P2001−218793)
【出願日】平成13年7月18日(2001.7.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】