説明

液晶表示装置

【課題】バックライトの白色度公差に相違を有してしても、容易に色度ばらつきを抑制することのできる液晶表示装置の提供。
【解決手段】画像信号が入力される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置であって、
前記バックライトの一部に、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報が明示され、
前記情報を入力でき、前記情報に応じて前記画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に係り、特に、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、その各画素の光透過量を独立に制御するように形成されているため、該液晶表示パネルの背面にバックライトを備えて構成されるのが通常である。
【0003】
このようなバックライトとして、たとえば、液晶表示パネルと対向して配置される導光板と、この導光板の少なくとも一辺の側壁面に対向させて配置された光源とを備えるものが知られている。このようなバックライトは、光源からの光を導光板の側壁面に入射させ、該導光板内で反射等をさせた後に、液晶表示パネルと対向する面から出射させることによって面光源として機能させている。
【0004】
また、前記光源として、冷陰極蛍光ランプを用いたものもあるが、近年、消費電力の低減等を図るため、発光ダイオードを用いたものが多く利用されてきている。すなわち、帯状のフレキシブル回路基板にその長手方向に沿って複数の白色発光ダイオードを搭載したものを、導光板の少なくとも一辺の側壁面に前記発光ダイオードのそれぞれが対向するように、配置させることによって前記光源を構成している。
【0005】
このようなバックライトを備える液晶表示装置はたとえば下記特許文献1に詳述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−89944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、光源として発光ダイオードを用いたバックライトは、それぞれの発光ダイオードの色度ばらつきによって、いわゆる白色度公差が生じてしまうことは免れないものとなっている。ちなみに、このようなバックライトの色度ばらつきは、たとえば冷陰極蛍光ランプを用いたバックライトと比較すると約6倍となっている。
【0008】
したがって、液晶表示装置として色度ばらつきの少ないものを得ようとする場合、白色度公差の小さなバックライトが要求されることになる。しかし、上述した事情から白色度公差の小さなバックライトを得ることは困難となり、高価となってしまう。
【0009】
この場合、たとえ、白色度公差の比較的大きなバックライトを用いても、液晶表示装置に、たとえば、画像制御用のルックアップテーブルに基づいて、画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を具備する場合、その補正によって、液晶表示装置の色度ばらつきを抑制することができる。
【0010】
しかし、この場合、上述した補正は、たとえば、液晶表示パネルを通したバックライトからの光を検出しながら行わなければならず、その操作に煩雑さがともなうものとなってしまう。
【0011】
本発明の目的は、バックライトの白色度公差に相違を有してしても、容易に色度ばらつきを抑制することのできる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の液晶表示装置は、バックライトに光源の色度公差のランクを明示しておき、該ランクに応じてガンマ特性を補正できるようにすることにより、極めて容易に色度ばらつきを抑制できるようにしたものである。
【0013】
本発明の構成は、たとえば、以下のようなものとすることができる。
【0014】
(1)本発明の液晶表示装置は、画像信号が入力される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置であって、
前記バックライトの一部に、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報が明示され、
前記情報を入力でき、前記情報に応じて前記画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を備えていることを特徴とする。
【0015】
(2)本発明の液晶表示装置は、(1)において、前記バックライトは、少なくとも、液晶表示パネルと対向配置する導光板と、前記導光板の少なくとも一辺の側壁面に対向され、フレキシブル回路基板に並設された複数の発光ダイオードとを備え、
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板に明示されていることを特徴とする。
【0016】
(3)本発明の液晶表示装置は、(2)において、前記導光板、発光ダイオード、およびフレキシブル回路基板はフレームに収納され、前記フレームの前記導光板、発光ダイオード、およびフレキシブル回路基板と反対側の面に、前記フレキシブル回路基板を通して前記発光ダイオードを駆動する制御回路基板が搭載され、
前記フレキシブル回路基板の一端はコネクタを介して前記制御回路基板に電気的に接続されるように構成され、
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板の前記コネクタに近接する箇所に明示されていることを特徴とする。
【0017】
(4)本発明の液晶表示装置は、(3)において、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報の明示は、フレキシブル回路基板に被着形成されたダミー抵抗によってなされていることを特徴とする。
【0018】
(5)本発明の液晶表示装置は、(3)において、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報の明示は、フレキシブル回路基板に印字されたバーコードによってなされていることを特徴とする。
【0019】
(6)本発明の液晶表示装置は、(3)において、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板の表面および裏面のうち少なくともいずれか一方の面に表示されていることを特徴とする。
【0020】
(7)本発明の液晶表示装置は、画像信号が入力される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置であって、
前記バックライトの一部に、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報が格納された記憶装置と、
前記記憶装置に格納された前記情報を入力でき、前記情報に基づいて前記画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を備えていることを特徴とする。
【0021】
(8)本発明の液晶表示装置は、(7)において、前記バックライトは、少なくとも、液晶表示パネルと対向配置される導光板と、前記導光板の側壁面に対向配置された複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードを搭載するフレキシブル回路基板とを備え、
前記記憶装置は前記フレキシブル回路基板に搭載されていることを特徴とする。
【0022】
(9)本発明の液晶表示装置は、(7)において、前記記憶装置と前記画質処理回路は電気的に接続されており、前記記憶装置に格納された前記情報を前記画質処理回路に出力できることを特徴とする。
【0023】
(10)本発明の液晶表示装置は、(1)、(7)のうちいずれかにおいて、前記バックライトは、前記液晶表示パネルに対向する面に複数の発光ダイオードが散在されて配置されることにより構成されていることを特徴とする。
【0024】
なお、上記した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
【発明の効果】
【0025】
このように構成した液晶表示装置によれば、バックライトの白色度公差に相違を有してしても、容易に色度ばらつきを抑制することができるようになる。
【0026】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の液晶表示装置の実施例を示す要部構成図で、図4の点線枠Aを拡大して示した図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の実施例を示した概略図で、該液晶表示装置を分解した状態での平面的である。
【図3】本発明の液晶表示装置のバックライトに用いられる光源の実施例を示した斜視図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の実施例をフレーム側から観た平面図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の画像制御回路の実施例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。なお、各図および各実施例において、同一または類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
【実施例1】
【0029】
図2は、本発明の液晶表示装置の実施例1を示す概略図で、該液晶表示装置を分解した状態での平面的を示している。
【0030】
図2において、液晶表示装置は、観察者側(紙面表)側から、液晶表示パネルPNL、光学シートOS、およびバックライトBLが配置されて構成されている。
【0031】
液晶表示パネルPNLは、液晶を挟持して対向配置される基板SUB1、SUB2を外囲器とし、複数の画素からなる画像表示部ARが内蔵されて構成されている。また、基板SUB1、SUB2の間に、画像表示部ARを囲むようにして形成されたシール材SLによって液晶を封止するとともに、基板SUB1、SUB2の間の固着を図っている。
【0032】
画像表示部ARは、図示していないが、マトリックス状に配置された多数の画素から構成されている。また、液晶表示パネルPNLはカラー表示用となっており、隣接するたとえば3個の画素はそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(G)の表示を担当させることによってカラー表示用の単位画素を構成し、これら各画素にそれぞれ所定の階調の電圧を印加することによって該単位画素に所定の色を表示できるようになっている。
【0033】
なお、基板SUB1は、その周辺において基板SUB2から露出される部分を有し、この部分に半導体チップからなる表示駆動回路DDCが搭載されている。この表示駆動回路DDCは、前記画素のそれぞれに所定の電圧を独立に印加させることにより、画像表示部ARに所定の画像を表示するようになっている。
【0034】
光学シートOSは、たとえばプリズムシートあるいは拡散板等からなり、後述のバックライトBLからの光を集光あるいは拡散させたりして、液晶表示パネルPNL側に導くようになっている。
【0035】
バックライトBLは、液晶表示パネルPNLの少なくとも画像表示部ARと対向する導光板CLBと、帯状のフレキシブル回路基板FPCにその長手方向に沿って複数の白色発光ダイオードWLDを搭載したものを、前記導光板の一辺の側壁面に前記発光ダイオードWLDのそれぞれが対向するように配置させた光源LSとから構成されている。このようなバックライトBLは、それぞれの白色発光ダイオードWLDからの光を導光板CLBの側壁面に入射させ、該導光板内で反射等をさせた後に、液晶表示パネルPNLと対向する面から出射させることによって面光源として機能させている。
【0036】
図3は、フレキシブル回路基板FPCと白色発光ダイオードWLDからなる光源LSのみを取り出して示した斜視図である。フレキシブル回路基板FPCの電源供給側の端部EDが、後述の画像処理回路(T−con)(図4にて符号DMCで示す)にコネクタ(図4にて符号CNTで示す)を介して電気的に接続されるようになっており、該画像処理回路DMC側から電源が供給され、各白色発光ダイオードWLDが点灯できるようになっている。
【0037】
図2に戻り、バックライトBLは、筐体からなる下フレームDFRに収納され、液晶表示パネルPNL、光学シートOSとともに、図示しない上フレーム、中フレームを用いてモジュール化されるようになっている。
【0038】
図4は、このようにモジュール化された液晶表示装置を裏面から、すなわち下フレームDFR側から観た平面図である。
【0039】
下フレームDFRには、プリント基板を備える画像処理回路DMCが搭載されている。この画像処理回路DMCは、図示していないが、少なくとも、画質処理回路(図5にて符号QMCで示す)、および光源制御回路(図5にて符号LCCで示す)を備えて構成されている。
【0040】
ここで、下フレームDFRの画像処理回路DMCに近接する部分に孔OPが形成され、この孔OPからは前記光源LSのフレキシブル回路基板FPCの電源供給側の端部EDが引き出されるようになっている。フレキシブル回路基板FPCの端部EDは、画素処理回路DMCに搭載されたコネクタCNTに差し込まれ、これにより、フレキシブル回路基板FPCは画像処理回路DMCと電気的に接続されるようになっている。
【0041】
ここで、フレキシブル回路基板FPCの前記下フレームDFRの孔OPから引き出された部分であって、端部EDの近傍の表面(フレキシブル回路基板FPCの端部EDをコネクタCNTに差し込んだ状態で目視される該フレキシブル回路基板FPCの面)に、光源LSの白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報RDが記されているようになっている。
【0042】
この情報RDは、次に示すような情報となっている。すなわち、バックライトBLは、その光源LSとして色度ばらつきが生じてしまう複数の白色発光ダイオードWLDを用いており、大量生産されるバックライトBLのそれぞれにおいて、白色度公差の発生が免れないものとなることは上述したとおりであり、大量生産されるバックライトBLは、それぞれ、液晶表示装置にモジュール化される前に、その白色度公差がランクづけされたものとなっている。このようなランクは、たとえばAランクからFランクまでの6段階となっており、Aランクの場合は、設計センタ値±0.01以内、Bランクの場合は、設計センタ値±0.01以上0.02以下、Cランクの場合は、設計センタ値±0.02以上0.03以下、……というように定められている。したがって、図2に示すバックライトBLは、これら各ランクのうちの一つが特定されたものとなっており、そのランクの情報RDに関する明示が、たとえば、フレキシブル回路基板FCPの上述した箇所においてなされている。ここで、前記情報RDをフレキシブル回路基板FCPの上述した箇所に明示させている理由は、液晶表示装置のモジュール化の際の組み立て、その後の画像制御用のルックアップテーブルに基づいた画像信号のガンマ特性の補正が効率よく行えるため、その利便性を考慮したためである。
【0043】
図1(a)は、図4の点線枠Aの部分を拡大して示した図で、フレキシブル回路基板FCPに明示された前記情報RDの具体的な実施例を示した図である。図1(a)において、前記情報RDは前記フレキシブル回路基板FCPに被着形成されたダミー抵抗によって構成されている。ダミー抵抗はたとえば3個の並設された抵抗からなり、それぞれの抵抗は"0"あるいは"1"のいずれかのデータを表しており、これにより、最大8通りのランクのうちの一つランクに関する情報を認識することができる。
【0044】
図1(b)は、図1(a)に対応して描いた図で、前記情報RDの具体的な他の実施例を示した図である。図1(b)において、前記情報RDは前記フレキシブル回路基板FCPに印字されたバーコードによって構成されている。図示しない検出器によって該バーコードに記された情報を読み取ることができ、そのコードの並設本数によって多くの情報を記すことができる。このようなバーコードは、図1(a)に示したダミー抵抗と同様に、複数のランクのうちの一つのランクに関する情報を認識することができる。
【0045】
図1(c)は、図1(a)に対応して描いた図で、前記情報RDの具体的な他の実施例を示した図である。図1(c)において、前記情報RDは前記フレキシブル回路基板FCPに搭載された半導体装置からなる記憶装置に格納されて構成されている。この記憶装置に格納された情報RDは図示しない装置によって読み取ることができるようになっている。このような記憶装置は、図1(a)に示したダミー抵抗と同様に、複数のランクのうちの一つのランクに関する情報を認識することができる。
【0046】
このようにフレキシブル回路基板FPCに明示された情報RDは、たとえば液晶表示装置をモジュール化した後に読み取ることができ、その情報に応じた信号を画像処理回路DMCに搭載された画質処理回路(図5に符号QMCで示す)に送出することで、画像信号のガンマ特性を補正できるようになっている。すなわち、図5は、前記画像処理回路DMCの概略を示すブロック図である。なお、図5は、前記画像処理回路DMCから信号が送出される液晶表示パネルPNLおよびバックライトBLをも併せ描画している。外部信号となる画像信号PSは、該画像処理回路DMC内に設けられている画質処理回路QMCに入力されるようになっている。この画質処理回路QMCは、該画質処理回路QMCに具備される記憶装置MDに格納された情報に基づいて画像信号のガンマ特性を補正できるようになっている。より具体的には、画質処理回路QMCには、たとえば画像制御用のルックアップテーブル(図示せず)が備えられ、前記記憶装置MDに格納された情報に応じて前記画像信号のガンマ特性を補正できるようになっている。なお、前記記憶装置MDに格納されている情報は、図1(a)、(b)、(c)に示したように、フレキシブル回路基板FPCに明示された情報RDと同じ情報あるいは前記情報RDに関連する情報であり、前記情報RDを読み取った後に、図示しない装置によって、前記記憶装置MDに前記情報RDと同じ情報あるいは前記情報RDに関連する情報を入力させた情報となっている。
【0047】
ガンマ特性が補正された画像信号は画像処理回路DMCから出力され、液晶表示パネルPNLに搭載されている表示駆動回路DDCに入力されるようになっている。これにより表示駆動回路DDCは、補正されたガンマ特性に基づく画像信号によって画像表示部ARの各画素を駆動するようになっている。また、画素処理回路DMCには光源制御回路LCCが搭載され、この光源制御回路LCCによってバックライトBLの光源LSの白色発光ダイオードWLDを点灯させるようになっている。
【0048】
このようにして液晶表示装置に表示される画像は、バックライトBLにたとえ白色度公差があっても、その白色度公差に応じて液晶表示パネルPNLに入力される画像信号のガンマ特性を補正するようにしており、色度ばらつきが抑制された画像として表示されるようになる。この場合、バックライトBLの白色度公差に関する情報RDは、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報であり、この情報の入力によって前記ガンマ特性の補正がなされることから、極めて簡単な操作で白色度公差の生じるバックライトBLの不都合を解消することができる。また、前記情報RDは、光源LSのフレキシブル回路基板FPC上であって、画質処理回路QMCに電気的に接続される部分に明示されていることから、前記画質処理回路QMCに前記情報RDを入力する際に、該情報RDを容易に認識し易く、前記画質処理回路QMCによって画像信号のガンマ特性の補正が行い易くなっている。
【実施例2】
【0049】
上述した実施例のうち、バックライトBLの光源LSの白色度公差のランクを示す情報RDを、図1(c)に示したように半導体装置からなる記憶装置に格納させた実施例では、前記記憶装置に格納させた情報RDを人を介して読み取り、その情報RDに応じて液晶表示パネルPNLに入力される画像信号のガンマ特性を人が補正するようにしたものである。
【0050】
しかし、前記記憶装置と画像信号のガンマ特性を補正する画質処理回路QMCとを電気的に接続させ、前記記憶装置に格納された情報RDに基づいて画像信号のガンマ特性の補正を自動的に行うことができるようにしてもよい。この場合、前記記憶装置に格納された情報RDを人が読み取る必要がなくなることから、図1(c)に示したように、フレキシブル回路基板FPCに必ずしも搭載させる必要はなく、バックライトBLのいかなる箇所にも搭載できる効果を奏する。
【実施例3】
【0051】
上述した実施例では、バックライトBLの光源LSの白色度公差のランクを示す情報RDは、図4に示したように、フレキシブル回路基板FPCをコネクタCNTに接続させた状態において、該フレキシブル回路基板FPCの目視可能な面に明示するようしたものである。しかし、このような明示は、フレキシブル回路基板FPCの前記面とたとえば真裏に相当する反対側の面においてなされるようにしてもよい。フレキシブル回路基板FPCをコネクタCNTに接続する前において、明示された情報を確認することができるからである。
【実施例4】
【0052】
上述した実施例では、バックライトBLの光源LSの白色度公差のランクを示す情報RDは、前記光源LSのフレキシブル回路基板FPCに明示させたものである。しかし、これに限定されることなく、バックライトBLの一部に明示させるようにしてしてもよい。この場合、容易に目視できる箇所に明示させることが好ましい。
【実施例5】
【0053】
上述した実施例では、バックライトBLとして、導光板CLBを備えるものを用いたものである。しかし、いわゆる直下型と称され、液晶表示パネルPNLと対向して配置される基板の表面に複数の発光ダイオードを散在させて配置させた構成のバックライトであってもよい。このような直下型のバックライトであってもそれぞれの発光ダイオードの色度ばらつきが原因で白色度公差が生じ、同様の課題を有するからである。
【0054】
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
PNL……液晶表示パネル、SUB1、SUB2……基板、SL……シール材、AR……画像表示部、DDC……表示駆動回路、OS……光学シート、BL……バックライト、CLB……導光板、WLD……白色発光ダイオード、FPC……フレキシブル回路基板、LS……光源、DFR……下フレーム、ED……端部(フレキシブル回路基板の)、OP……孔、CNT……コネクタ、RD……情報、DMC……画像処理回路、QMC……画質処理回路、MD……記憶装置、LCC……光源制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号が入力される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置であって、
前記バックライトの一部に、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報が明示され、
前記情報を入力でき、前記情報に応じて前記画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を備えていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記バックライトは、少なくとも、液晶表示パネルと対向配置する導光板と、前記導光板の少なくとも一辺の側壁面に対向され、フレキシブル回路基板に並設された複数の発光ダイオードとを備え、
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板に明示されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記導光板、発光ダイオード、およびフレキシブル回路基板はフレームに収納され、前記フレームの前記導光板、発光ダイオード、およびフレキシブル回路基板と反対側の面に、前記フレキシブル回路基板を通して前記発光ダイオードを駆動する制御回路基板が搭載され、
前記フレキシブル回路基板の一端はコネクタを介して前記制御回路基板に電気的に接続されるように構成され、
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板の前記コネクタに近接する箇所に明示されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報の明示は、フレキシブル回路基板に被着形成されたダミー抵抗によってなされていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報の明示は、フレキシブル回路基板に印字されたバーコードによってなされていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差のランクを示す情報は前記フレキシブル回路基板の表面および裏面のうち少なくともいずれか一方の面に表示されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
画像信号が入力される液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの一方の側に配置されるバックライトとを備え、前記バックライトの光源が発光ダイオードで構成された液晶表示装置であって、
前記バックライトの一部に、前記発光ダイオードで構成される前記光源の白色度公差に関する情報であって、前記白色度公差を複数にランク分けされたうちの一つのランクを示す情報が格納された記憶装置と、
前記記憶装置に格納された前記情報を入力でき、前記情報に基づいて前記画像信号のガンマ特性を補正できる画質処理回路を備えていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記バックライトは、少なくとも、液晶表示パネルと対向配置される導光板と、前記導光板の側壁面に対向配置された複数の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードを搭載するフレキシブル回路基板とを備え、
前記記憶装置は前記フレキシブル回路基板に搭載されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記記憶装置と前記画質処理回路は電気的に接続されており、前記記憶装置に格納された前記情報を前記画質処理回路に出力できることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記バックライトは、前記液晶表示パネルに対向する面に複数の発光ダイオードが散在されて配置されることにより構成されていることを特徴とする請求項1、7のうちいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−181430(P2010−181430A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22154(P2009−22154)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】