説明

液晶表示装置

【課題】外部へ放出されるノイズ(電磁波)が低減された液晶表示装置を提供する。
【解決手段】TFT2及び画素電極22と、信号線3と、走査線4と、信号線3を駆動する信号線駆動回路9、及び走査線4を駆動する走査線駆動回路10が形成されたTFT基板1と、TFT基板1に対向して設けられると共に共通電極6が形成された共通電極基板5と、画素電極22と共通電極6の間に形成された液晶層7とを含む液晶表示装置であって、信号線駆動回路9及び走査線駆動回路10に対向するよう配設され、信号線駆動回路9及び走査線駆動回路10から放射される電磁波をシールドする接地電極15を備えたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在において、TFT(Thin Film Transistor)液晶パネルに代表されるアクティブマトリクス方式液晶表示装置は、一般家庭用TVやOA機器の表示装置として普及することが期待されている。これは、アクティブマトリクス方式液晶表示装置はCRTに比べて容易に薄型で軽量なものとすることができ、かつCRTに劣らない品質の画像を表示することができるためである。
【0003】
そして、このアクティブマトリクス方式液晶表示装置は、薄型で軽量であるという利点に鑑み、ノート型パソコン等の携帯型情報機器だけでなく様々なマルチメディア情報機器へ活用することが求められている。また、狭額縁を実現したポリシリコンLCDにおいては、その普及にあたりEMI(電磁妨害)対策が強化されることが求められている。
【0004】
フラットパネルディスプレイの中でも品質の高い画像を表示するアクティブマトリクス方式液晶表示装置の構成について説明する。図1は、従来の液晶表示装置の構成を示す図である。図1に示されるように、従来の液晶表示装置11はTFT基板1とTFT(薄膜トランジスタ)2、信号線3、走査線4、共通電極基板5、共通電極6、液晶層7、電極線(引出し線)8、信号線駆動回路9、走査線駆動回路10及び画素電極22を備える。なお、上記TFT2と信号線3、走査線4、共通電極6、画素電極22、及び画素電極22と共通電極6の間に設けられた液晶層7により液晶パネルが構成される。
【0005】
ここで、図2に示されるように、TFT基板1にはTFT(薄膜トランジスタ)2からなるスイッチング素子と、信号線3及び走査線4と、TFT2に接続された画素電極22とが形成され、図1に示されるように、さらに周辺部分には信号線3を駆動する信号線駆動回路9や走査線4を駆動する走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8が形成される。また、共通電極基板5にはガラス基板上にITO(透明電極)やカラーフィルタからなる共通電極6が形成される。
【0006】
また、図2に示されるように、TFT基板1上においてTFT2及び画素電極22はマトリクス状に配設され、信号線3はTFT2を介して画素電極22へ画像信号を供給し、走査線4は各画素へのデータ書き込みを制御するためのTFT2をオン・オフする制御信号を該ゲートへ伝送する。なお、このように信号線3と走査線4を駆動することにより、マトリクス状に配設された画素電極22を介して画像を表示するユニットは、「アクティブマトリクス型液晶表示装置」と呼ばれる。
【0007】
また、図1に示された液晶ユニット11の断面構造が図3に示される。図3に示されるように、TFT基板1の上にTFT2や信号線駆動回路9等が形成され、共通電極基板5に形成された共通電極6と画素電極22の間には液晶層7が設けられる。そして、TFT基板1と共通電極基板5はトランスファ14aにより電気的に接続される。なお、図3に示されるように、TFT基板1と共通電極基板5の間であってトランスファ14aの外側の部分にはシール部13が設けられ、TFT基板1の上であって共通電極基板5に覆われない部分には電極(引出し線)8と保護膜12が形成される。ここで、フレキシブル・フラットケーブル等のケーブルを用いて、電極(引出し線)8から外部装置へ各信号が伝達される。
【0008】
上記のような構成を有する液晶表示装置11においては、選択された行のTFT2がオンすることによって、信号線3に印加された画像信号電圧が各画素電極22に書き込まれ、次に該行が選択されるまで電荷を保持することにより情報が保持される。このとき、保持された情報に対応して液晶層7に含まれた液晶分子の傾きが決まるため、光の透過量を制御することができ階調表示などが可能となる。なお、さらにカラー表示を行うには、RGBのカラーフィルタを用いることで光の混合を行うこととしている。
【0009】
一方、上記のような液晶パネルの裏面にはバックライトと呼ばれる面光源を備えているが、最近ではこのバックライトを必要としない反射型液晶パネルが携帯情報機器において注目されている。これは、液晶パネルの内部に反射電極と呼ばれる層を備え、外部から供給された光を反射して液晶層を透過させることにより画像を表示するものである。
【0010】
ここで、上記のような従来の液晶表示装置11においては、TFT基板1の周辺部に形成されている信号線駆動回路9や走査線駆動回路10の上部にITO(透明電極)や絶縁層のみしか設けられていないため、該駆動回路から発生するノイズを低減できていないという問題があり、特に高周波駆動時においてはEMI(電波妨害)を引き起こす可能性もある。
【0011】
なお、図1及び図3に示された電極(引出し線)8においても、同様な問題を生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたもので、外部へ放出されるノイズ(電磁波)が低減された液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、画素電極と信号線、走査線、及び信号線や走査線を駆動する駆動手段が形成された第一の基板と、第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、画素電極と共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、駆動手段に対向するよう配設され、駆動手段から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置を提供することにより達成される。このような手段によれば、簡易な構成により駆動手段から液晶表示装置の外部へ漏洩する電磁波を低減することができる。
【0014】
また、シールド手段は、例えば第二の基板上に形成されたものとすることができる。一方、上記シールド手段を第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成すれば、シールド手段が形成される第三の基板を別個独立に製造することができる。
【0015】
また、上記の第一の基板には駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成されると共に、電極引出し線に対向するよう配設された第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成されて電極引出し線から放射される電磁波をシールドする第二のシールド手段をさらに備えたものとすれば、電極引出し線から放射される電磁波が液晶表示装置の外部に漏洩することも回避することができる。
【0016】
また、本発明の目的は、画素電極と信号線、走査線、信号線や走査線を駆動する駆動手段、及び駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成された第一の基板と、第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、画素電極と共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、電極引出し線に対向するよう配設され、電極引出し線から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置を提供することにより達成される。このような手段によれば、簡易な構成により電極引出し線から液晶表示装置の外部へ漏洩する電磁波を低減することができる。
【0017】
ここで、シールド手段は第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成されると共に、駆動手段に対向するよう配設された第四の基板に形成され、駆動手段から放射される電磁波をシールドする第二のシールド手段をさらに備えたものとすることにより、電極引出し線及び駆動手段から液晶表示装置の外部へ漏洩する電磁波を低減することもできる。
【0018】
また、本発明の目的は、画素電極と信号線、走査線、信号線や走査線を駆動する駆動手段、及び駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成された第一の基板と、第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、画素電極と共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、駆動手段及び電極引出し線に対向するよう配設された、第一及び第二の基板と異なる第三の基板に一体的に形成され、駆動手段及び電極引出し線から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置を提供することにより達成される。このような手段によれば、簡易な構成により、駆動手段及び電極引出し線から液晶表示装置の外部へ漏洩する電磁波を低減することができる。
【0019】
なお、上記いずれの液晶表示装置においても、シールド手段と第一の基板とを電気的に接続し、シールド手段に所定の電圧を供給する電圧供給手段をさらに備えたものとすることができる。これにより、例えばシールド手段に接地電圧等を供給することによって、シールド手段による電磁波の遮蔽効果を高めることができる。
【0020】
また、シールド手段を例えばアルミニウムやチタンからなるものとすれば、シールド手段のシート抵抗を低減することができると共に、共通電極と同じ材料からなるものとすれば、同一のプロセスにより共通電極とシールド手段を同時に形成することもできる。
【発明の効果】
【0021】
上述の如く、本発明に係る液晶表示装置によれば、簡易な構成により駆動手段や電極引出し線から液晶表示装置の外部へ漏洩する電磁波を低減することができるため、有効にEMI(電磁妨害)対策を講じることができる。
【0022】
また、シールド手段を第一及び第二の基板と異なる第三や第四の基板に形成すれば、シールド手段が形成される第三や第四の基板を別個独立に製造して、第一及び第二の基板と組み合わせることができるため、本発明に係る液晶表示装置を容易に得ることができる。
【0023】
ここで、シールド手段と第一の基板とを電気的に接続し、シールド手段に所定の電圧を供給すれば、シールド手段による電磁波の遮蔽効果を高めることができるため、液晶表示装置の信頼性を高めることができる。
【0024】
また、シールド手段を例えばアルミニウムやチタンからなるものとすれば、シールド手段のシート抵抗を低減することができるため、上記遮蔽効果をさらに高めることができる。
【0025】
さらに、シールド手段を共通電極と同じ材料からなるものとすれば、同一のプロセスにより共通電極とシールド手段を同時に形成することができるため、製造工程数を増やすことなく容易に本発明に係る液晶表示装置を製造することができ、製造コストも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来の液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示された液晶表示装置におけるパネル構造を示す平面図である。
【図3】図1に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図5】図4に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図11】図10に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図13】図12に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図15】図14に示された液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0028】
本発明の実施の形態に係る液晶表示装置は、液晶パネルを構成するTFT基板の周辺回路及び電極(引出し線)の上層にシールド電極の層を形成し、駆動回路から発せられるノイズを低減し、EMI(電波妨害)対策を強化したものである。なお、該シールド電極の電位は接地電位等の一定電位に安定させるとシールド効果が高まりEMI対策に有効である。以下において、より具体的に説明する。
【0029】
[実施の形態1]
図4は本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置21の構成を示す図であり、図5は液晶表示装置21の断面構造を示す図である。図4に示されるように、液晶表示装置21はTFT基板1とTFT2、信号線3、走査線4、共通電極基板5、共通電極6、液晶層7、電極線(引出し線)8、信号線駆動回路9、走査線駆動回路10、接地電極15及び画素電極22を備える。なお、上記TFT2と信号線3、走査線4、共通電極6、画素電極22、及び画素電極22と共通電極6の間に設けられた液晶層7により液晶パネルが構成される。
【0030】
ここで、TFT基板1にはTFT(薄膜トランジスタ)2からなるスイッチング素子と、信号線3及び走査線4と、TFT2に接続された画素電極22が形成され、さらに周辺部分には信号線3を駆動する信号線駆動回路9や走査線4を駆動する走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8が形成される。
【0031】
一方、本実施の形態1に係る液晶表示装置21の共通電極基板5には、図1に示された従来の液晶表示装置11と異なり、ITO(透明電極)やカラーフィルタからなる共通電極6と共に、信号線駆動回路9や走査線駆動回路10の上部に配設される接地電極(シールド電極)15が形成される。
【0032】
なお、TFT基板1上においてTFT2及び画素電極22はマトリクス状に配設され、信号線3は画素電極22へ画像信号を供給し、走査線4は各画素へのデータ書き込みを制御するTFT2をオン・オフする制御信号を該ゲートへ伝送する点は、図1及び図2に示された従来の液晶表示装置11と同様である。
【0033】
また、図5に示されるように、共通電極6にはTFT基板1からトランスファ14aを介して共通電極電位が供給されると共に、接地電極15はTFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。
【0034】
以上のような構成を有する本実施の形態1に係る液晶表示装置21によれば、上記接地電極15が信号線駆動回路9や走査線駆動回路10から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置21の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0035】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置31の構成を示す図であり、図7は液晶表示装置31の断面構造を示す図である。図6に示されるように、液晶表示装置31は上記実施の形態1に係る液晶表示装置21と同様な構成を有するが、TFT2及び画素電極(図示せず)や信号線3及び走査線4と、信号線駆動回路9及び走査線駆動回路10を覆うように共通電極基板5(図7参照)が設けられ、電極線(引出し線)8の上部には接地電極15が形成されたシールド基板16(図7参照)を備える点で相違するものである。なお、上記共通電極基板5の全面に共通電極6が形成される。
【0036】
また、図7に示されるように、電極(引出し線)8にフレキシブル・フラットケーブル20が圧着され、その後にアルミニウムやチタンを用いて接地電極15が形成されたシールド基板16が電極(引出し線)8及び上記圧着部の上部に配設される。そして、該接地電極15にはTFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。トランスファ14bの代わりにワイヤボンディング等により、接地電極15を電気的にTFT基板1と接続してもよい。
【0037】
ここで、上記のようにシールド基板16は、TFT基板1上でTFT2及び画素電極(図示せず)が形成されるいわゆる表示領域の外に配設されるため、目視される画像の範囲を狭めてしまうという問題も生じさせることがない。また、上記のように接地電極15をアルミニウムやチタンを用いて形成すれば、シート抵抗を低減することができるためシールド効果をより高めることができる。
【0038】
以上より本実施の形態2に係る液晶表示装置31によれば、シールド基板16に形成された接地電極15が電極(引出し線)8から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置31の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0039】
また、本実施の形態2に係る液晶表示装置31によれば、シールド基板16は第一及び第二の基板と別個独立な部品とされるため、別個独立に製造することができると共に、従来の液晶表示装置をそのまま利用しつつシールド基板16を組み合わせることによって、本実施の形態2に係る液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0040】
[実施の形態3]
図8は、本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置41の構成を示す図であり、図9は液晶表示装置41の断面構造を示す図である。図8に示されるように、液晶表示装置41は上記実施の形態2に係る液晶表示装置31と同様な構成を有するが、TFT2及び画素電極(図示せず)や、信号線3及び走査線4の上部に共通電極基板5が設けられ、信号線駆動回路9及び走査線駆動回路10の上部には接地電極15が形成されたシールド基板26を備える点で相違するものである。
【0041】
また、図9に示されるように、上記実施の形態2に係る液晶表示装置と同様、接地電極15にはTFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。
【0042】
以上より本実施の形態3に係る液晶表示装置41によれば、シールド基板26に形成された接地電極15が信号線駆動回路9及び走査線駆動回路10から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置41の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0043】
なお、上記実施の形態2に係る液晶表示装置と同様に、シールド基板26は第一及び第二の基板と別個独立な部品とされるため、別個独立に製造することができると共に、従来の液晶表示装置をそのまま利用しつつシールド基板26を組み合わせることによって、本実施の形態3に係る液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0044】
[実施の形態4]
図10は、本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置51の構成を示す図であり、図11は液晶表示装置51の断面構造を示す図である。図10に示されるように、液晶表示装置51は上記実施の形態3に係る液晶表示装置41と同様な構成を有するが、電極(引出し線)8の上部に接地電極15が形成されたシールド基板16(図11参照)をさらに備える点で相違するものである。
【0045】
また、図11に示されるように、上記実施の形態2及び3に係る液晶表示装置と同様に、シールド基板16,26に形成された接地電極15にはそれぞれ、TFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。
【0046】
以上より本実施の形態4に係る液晶表示装置51によれば、シールド基板16,26に形成された各接地電極15が信号線駆動回路9と走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置51の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0047】
[実施の形態5]
図12は、本発明の実施の形態5に係る液晶表示装置61の構成を示す図であり、図13は液晶表示装置61の断面構造を示す図である。図12に示されるように、液晶表示装置61は上記実施の形態4に係る液晶表示装置51と同様な構成を有するが、信号線駆動回路9と走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8の上部に、接地電極15が一体的に形成されたシールド基板36(図13参照)をさらに備える点で相違するものである。すなわち、本実施の形態5に係る液晶表示装置61では、上記実施の形態4に係る液晶表示装置51における二つのシールド基板16,26が一体的に形成される。
【0048】
また、図13に示されるように、上記実施の形態4に係る液晶表示装置51と同様に、シールド基板36に形成された接地電極15にはそれぞれ、TFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。
【0049】
以上より本実施の形態5に係る液晶表示装置61によれば、シールド基板36に形成された接地電極15が信号線駆動回路9と走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置61の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0050】
また、本実施の形態5に係る液晶表示装置61においては、シールド基板36の面積が大きくなることからTFT基板1との間にトランスファ14bを多数設けることができるため、シールド効果をより高めることができる。
【0051】
[実施の形態6]
図14は、本発明の実施の形態6に係る液晶表示装置71の構成を示す図であり、図15は液晶表示装置71の断面構造を示す図である。図14に示されるように、液晶表示装置71は上記実施の形態1に係る液晶表示装置21と同様な構成を有するが、電極(引出し線)8の上部に接地電極15が形成されたシールド基板16(図15参照)をさらに備える点で相違するものである。
【0052】
また、図15に示されるように、上記実施の形態2及び4に係る液晶表示装置31,51と同様に、シールド基板16に形成された接地電極15にはそれぞれ、TFT基板1からトランスファ14bを介して接地電位が供給される。
【0053】
以上より本実施の形態6に係る液晶表示装置71によれば、共通電極基板5及びシールド基板16に形成された接地電極15が信号線駆動回路9と走査線駆動回路10及び電極(引出し線)8から発せられる電磁波をシールドする役割を果たすため、液晶表示装置71の外部に漏洩する電磁波を低減することができ、EMI対策に有効となる。
【0054】
また、上記実施の形態1から6に係る液晶表示装置において、接地電極15を共通電極6と同じ材料からなるものとすれば、同一プロセスにより同時に形成することもでき、製造工程数を増やすことなく液晶表示装置を得ることができる。
【0055】
また、上記のように、接地電極15をアルミニウムやチタンにより形成すれば、接地電極15のシート抵抗を下げ、シールド効果をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 TFT基板
2 TFT(薄膜トランジスタ)
3 信号線
4 走査線
5 共通電極基板
6 共通電極
7 液晶層
8 電極(引出し線)
9 信号線駆動回路
10 走査線駆動回路
11,21,31,41,51,61,71 液晶表示装置
12 保護膜
13 シール部
14a,14b トランスファ
15 接地電極
16,26 シールド基板
20 フレキシブル・フラットケーブル
22 画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極と信号線、走査線、及び前記信号線や前記走査線を駆動する駆動手段が形成された第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、前記画素電極と前記共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、前記駆動手段に対向するよう配設され、前記駆動手段から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記シールド手段は、前記第二の基板上に形成された請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第一の基板には前記駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成され、前記電極引出し線に対向するよう配設された前記第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成され、前記電極引出し線から放射される電磁波をシールドする第二のシールド手段をさらに備えた請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
画素電極と信号線、走査線、前記信号線や前記走査線を駆動する駆動手段、及び前記駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成された第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、前記画素電極と前記共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、前記電極引出し線に対向するよう配設され、前記電極引出し線から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
前記シールド手段は前記第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成されると共に、前記駆動手段に対向するよう配設された第四の基板に形成され、前記駆動手段から放射される電磁波をシールドする第二のシールド手段をさらに備えた請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記シールド手段は、前記第一及び第二の基板と異なる第三の基板に形成された請求項1又は4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
画素電極と信号線、走査線、前記信号線や前記走査線を駆動する駆動手段、及び前記駆動手段に対して信号を入出力するための電極引出し線が形成された第一の基板と、前記第一の基板に対向して設けられると共に共通電極が形成された第二の基板と、前記画素電極と前記共通電極の間に形成された液晶層とを含む液晶表示装置であって、前記駆動手段及び前記電極引出し線に対向するよう配設された、前記第一及び第二の基板と異なる第三の基板に一体的に形成され、前記駆動手段及び前記電極引出し線から放射される電磁波をシールドするシールド手段を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記シールド手段と前記第一の基板とを電気的に接続し、前記シールド手段に所定の電圧を供給する電圧供給手段をさらに備えた請求項1又は4あるいは7のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記シールド手段は、前記共通電極と同じ材料からなる請求項1又は4あるいは7のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記シールド手段は、アルミニウムあるいはチタンからなる請求項1又は4あるいは7のいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−9059(P2010−9059A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213635(P2009−213635)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【分割の表示】特願2001−24594(P2001−24594)の分割
【原出願日】平成13年1月31日(2001.1.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】