説明

液晶表示装置

【課題】配向膜の形成及びラビング処理に起因する問題を防止し、配向膜の形成及びラビング処理を行わなくても優れた配向制御性を有するIPSモードの液晶表示装置を提供する。
【解決手段】基板の面方向に電界を印加する電極を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向して設けられた対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された多孔質膜と、前記多孔質膜の空孔内に充填された、液晶成分及び前記液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを含む液晶組成物とを有することを特徴とする液晶表示装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。詳細には、本発明は、時計の表示板、携帯電話のディスプレイ、コンピュータやテレビのディスプレイなどに用いられる液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、低駆動電圧、低消費電力及び軽量などの特性を有していることから、時計の表示板、携帯電話のディスプレイ、コンピュータやテレビのディスプレイなどにおける用途が拡がっている。この液晶表示装置では、液晶分子の配向を制御する手段が必要であり、ポリイミドなどから成る配向膜を形成する手段が一般的に使用されている。
しかしながら、配向膜によって液晶分子の配向制御を行う場合、一般的に、配向膜の形成に起因する様々な問題がある。例えば、配向膜を形成する際にゴミやピンホールによって印刷上の製造歩留まりが低下したり、基板の大型化に伴って配向膜の形成工程に要するコストが増大したりするなどの問題がある。
【0003】
また、IPS(in-plane switching)モードの液晶表示装置では、この配向膜にラビング処理をさらに施すことよって液晶分子を配向させている。ここで、ラビング処理は、レーヨンや綿などの布を巻いたローラーを、回転数及びローラーと基板との距離を一定に保った状態で回転させ、配向膜の表面を一方向に擦ることにより行われる。
【0004】
しかしながら、配向膜のラビング処理には、以下に挙げるように様々な問題がある。
(1)ラビング処理は、配向膜に大きなキズを生じさせることがあり、そのキズが液晶表示装置の黒表示時において光漏れの原因となり、液晶表示装置のコントラストを低下させる。
(2)ラビング処理によって、配向膜が剥がれたり、ローラーに巻いた布から毛が脱落したりする結果、均一なセル厚が得られず、液晶表示装置の表示ムラが発生する。
(3)基板上に形成したTFT素子などによる段差により、ラビングされない部分が生じたり、配向膜が剥がれたりすることがある。
(4)ラビング処理は、ラビングの定量化が難しく、管理が難しい。
【0005】
(5)液晶セルを形成する際に基板の貼合わせ位置がずれると、上下基板の配向方向がずれてしまい(すなわち、配向軸のずれが生じ)、液晶表示装置のコントラストが低下する。
(6)基板とローラーとの間の摩擦によって生じる静電気により、基板上に形成したTFT素子が壊れる。
(7)基板サイズが大きくなると、基板やローラーのたわみの影響が大きくなり、均一なラビング処理が困難になって歩留まりが低下すると共に、ラビング処理のための装置を大きくする必要があるため、投資コストが増大する。
【0006】
ところで、液晶表示装置の駆動方式には、TN(twisted nematic)モード、VA(vertical alignment)モード、IPS(in-plane switching)モードなどがある。その中でも、IPSモード液晶表示装置は、一対の電極を同一基板上に配置し、液晶分子を基板に平行な方向でスイッチングするものであり、横電界方式の液晶表示装置とも言われている。このIPSモード液晶表示装置は、TNモードやVAモードなどの縦電界方式の液晶表示装置に比べて視野角が広いなどの利点がある。
IPSモード液晶表示装置においては、原理上、基板上に数μm程度の幅を持つ細長い電極(櫛歯電極)を多数配設する必要があり、基板上に微細な段差構造が形成される。そのため、IPSモード液晶表示装置においては、この段差構造に伴い、上記のようなラビング処理に起因した問題が数多く見られる。
【0007】
配向膜の形成及びラビング処理を必要としない配向技術としては、例えば、液晶層中にポリマーを含有させることにより、液晶分子を配向させる技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3520376号公報
【特許文献2】特許第4175826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記文献に記載の配向技術は、縦電界方式の液晶表示装置を主な対象とし、液晶分子にプレチルト角を与えることで液晶分子の配向を制御しており、プレチルト角を与えることが要求されない(すなわち、プレチルト角が0度である)横電界方式の液晶表示装置において、配向膜の形成及びラビング処理を行わずに液晶分子の良好な配向制御を達成したものは依然としてない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、配向膜の形成及びラビング処理に起因する問題を防止し、配向膜の形成及びラビング処理を行わなくても優れた配向制御性を有するIPSモードの液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、IPSモードの液晶表示装置において、アレイ基板と対向基板との間に多孔質膜を配置し、その多孔質膜の空孔内に、液晶成分及び液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを含む液晶組成物を充填することで、配向膜の形成及びラビング処理を行わなくても液晶の配向制御が可能になることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、基板の面方向に電界を印加する電極を備えたアレイ基板と、前記アレイ基板に対向して設けられた対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された多孔質膜と、前記多孔質膜の空孔内に充填された、液晶成分及び前記液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを含む液晶組成物とを有することを特徴とする液晶表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配向膜の形成及びラビング処理に起因する問題を防止し、配向膜の形成及びラビング処理を行わなくても優れた配向制御性を有するIPSモードの液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の液晶表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の液晶表示装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置の断面図である。
図1において、本発明の液晶表示装置は、アレイ基板1と、アレイ基板に対向して設けられた対向基板2と、アレイ基板1と対向基板2との間に挟持された多孔質膜3と、多孔質膜3の空孔内に充填された液晶組成物4とを備えている。
【0015】
アレイ基板1は、図示していないが、基板の面方向に電界を印加する電極を備えている。ここで、基板の面方向に電界を印加する電極としては、特に限定されず、横電界方式の液晶表示装置(IPSモード液晶表示装置)で一般的に公知のものを使用することができる。この電極の例としては、ITO(酸化インジウムスズ)からなる櫛歯電極が挙げられる。また、本明細書において「アレイ基板1」とは、TFTなどのアクティブ素子や電極が配列された基板のことを意味する。アレイ基板1としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。例えば、アレイ基板1として、アクティブマトリックスアレイ基板を用いることができる。このアクティブマトリックスアレイ基板は、一般的に、ガラス基板上にゲート配線及びソース配線がマトリックス状に配置されており、その交点部分に、薄層トランジスタ(TFT)などのアクティブ素子が形成され、このアクティブ素子に画素電極が接続されている。
【0016】
対向基板2としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。例えば、対向基板2として、カラーフィルタ基板を用いることができる。このカラーフィルタ基板は、一般的に、ガラス基板上に、不要な光の漏れを防止するためにブラックマトリックスを形成した後、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層をパターン形成し、必要に応じて保護膜が形成されている。
【0017】
多孔質膜3は、その空孔内に充填される液晶組成物4中の液晶分子を、空孔ごとに特定の方向に配向させる作用を有する。ここで、本明細書において「多孔質膜3」とは、内部に無数の微細な穴が開いている膜を意味する。
多孔質膜3としては、光透過性及び耐液晶性があれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。好ましい多孔質膜3としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルホルマール、ポリエステル、エポキシ樹脂などのポリマーから形成される多孔質樹脂フィルムが挙げられる。このような多孔質樹脂フィルムは、一般的に公知であり、当該技術分野において公知の方法(例えば、相分離法)によって製造することができる。具体的には、ポリマーに溶解しない添加物質とポリマーとを溶媒中で攪拌し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってポリマー層及び添加物質層に分離した膜を得た後、この膜から添加物質を分離すればよい。多孔質樹脂フィルムの構造は、溶媒の種類や溶媒の蒸発方法、添加物質の量などによって制御することができる。また、多孔質樹脂フィルムとして、ハイポア1000、ハイポア2000、ハイポア3000、ハイポア4000(いずれも旭化成工業株式会社製)、KT−50、LE−85、デュラカード、エクセポール(いずれも三菱化成工業株式会社製)、セルポア(積水化学工業株式会社製)などの市販品を用いてもよい。
【0018】
多孔質膜3の空孔率は、好ましくは70%〜98%である。ここで、多孔質膜3の空孔率は、特に限定されないが、多孔質膜3を電子顕微鏡で観察した領域の空孔の面積率から画像解析装置(例えば、ニレコ株式会社製:型式ルーゼックスIID)により求めることができる。多孔質膜3の空孔率が70%未満であると、透明性が十分でなかったり、駆動電圧が高くなったりすることがある。一方、多孔質膜3の空孔率が98%を超えると、多孔質膜3の製造が困難であることが多いと共に、多孔質膜3が劣化し易くなることがある。
【0019】
多孔質膜3の空孔径は、好ましくは450nm以下、より好ましくは400nm以下である。ここで、多孔質膜3の空孔径は、特に限定されないが、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて多孔質膜3の破断面を観察することにより求めることができる。多孔質膜3の空孔径が450nmを超えると、光散乱が起こり易くなることがある。
【0020】
多孔質膜3の厚さは、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは2〜5μmである。この多孔質膜3の厚さは、アレイ基板1と対向基板2とのセルギャップ(セル厚)となる。従って、本発明の液晶表示装置では、アレイ基板1と対向基板2とのセルギャップを保持するために一般的に設けられるスペーサを設ける必要がない。多孔質膜3の厚さが0.5μm未満であると、コントラストが十分でないことがある。一方、多孔質膜3の厚さが100μmを超えると駆動電圧が大きくなることがある。
【0021】
多孔質膜3の空孔内に充填される液晶組成物4は、液晶成分及び液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを含む。ここで、本明細書において「デンドリマー」とは、中心から規則的に分岐した構造を持つ樹状高分子であり、コアと呼ばれる中心部分と、デンドロンと呼ばれる側鎖部分とから構成されるものを意味する。また、本明細書において「デンドロン」とは、デンドリマーと同様に中心から規則的に分岐した構造を持つ樹状高分子であるが、中心(フォーカルポイント)から一方向へのみ広がっている(伸びている)ものを意味する。
【0022】
多孔質膜3は、その空孔内に充填される液晶組成物4中の液晶分子を、空孔ごとに特定の方向に配向させる作用を有するが、多孔質膜3を設けただけでは、基板に対して水平方向以外にも液晶分子が配向する。特に、液晶滴下注入法(ODF)によって液晶組成物4を多孔質膜3の空孔内に充填した場合、液晶組成物4が多孔質膜3の空孔内に広がった方向に液晶分子が配向し易い。これは、多孔質膜3の空孔内の界面における液晶分子の相互作用が大きいことに起因している。そこで、液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを配合することによって、多孔質膜3の空孔内の界面における液晶分子の相互作用を弱め、基板に対して水平方向に液晶分子を配向させる。
【0023】
多孔質膜3の空孔内における液晶組成物中の液晶分子は、基板に対して水平方向に配向し、空孔間ではその配向がランダムであるため、液晶表示装置の黒表示における光漏れを少なくし、コントラストを高めることが可能である。また、多孔質膜3の空孔によって仕切られているため、液晶組成物中の液晶分子が各空孔内で動き易い。そのため、液晶表示装置の応答速度を高めることが可能である。
【0024】
デンドリマー及び/又はデンドロンとしては、液晶成分と相溶性があれば特に限定されない。液晶成分と相溶性がないデンドリマー及び/又はデンドロンであると、液晶組成物4中で溶解せずに沈殿してしまい、液晶表示装置のコントラストなどの特性が低下してしまう。ここで、本明細書において「液晶成分と相溶性があるデンドリマー及び/又はデンドロン」とは、液晶成分にデンドリマー及び/又はデンドロンを配合し、これをオーブンで液晶成分の相転移温度以上の温度まで上昇させて等方相にした際にデンドリマー及び/又はデンドロンが溶解しており(すなわち、液晶成分とデンドリマー及び/又はデンドロンとの混合物が透明であり)、室温(例えば、25℃)まで戻してもデンドリマー及び/又はデンドロンの沈殿が確認されないものを意味する。
【0025】
液晶成分と相溶性のあるデンドリマーとしては、アルキル基、アルコキシ基及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1つを末端に有するものが好ましい。その理由としては、このような構造を有するデンドリマーが、単成分のシアノ系液晶だけでなく、2種以上の液晶成分を含む混合液晶との相溶性に優れているためである。特に、実用的な液晶表示装置に一般的に使用されているフッ素系混合液晶は、液晶表示装置の信頼性を確保する観点から不純物が溶解し難いように設計してあるために添加物が溶解し難いものの、このような基を末端に有するデンドリマーは、フッ素系混合液晶に対しても良好な相溶性を示す。
アルキル基、アルコキシ基及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1つを末端に有するデンドリマーは、例えば、下記の式(I)により表すことができる。
【0026】
【化1】

【0027】
上記式(I)中、R1は式(II)で表される。
【0028】
【化2】

【0029】
上記式(II)中、A1
【0030】
【化3】

【0031】
(式中、Yは炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素である)であり、Xは直接結合、−COO−基又は−N=N−基であり、A2
【0032】
【化4】

【0033】
であり、nは3〜12の整数である。
【0034】
このような構造を有するデンドリマーは、コア部分を与える多官能性アミン化合物と、側鎖部分を与えるアクリル酸エステル誘導体とを有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
多官能性アミン化合物としては、ポリプロピレンテトラミンデンドリマー第1世代(Polypropylene tetramine Dendrimer, Generation 1.0)、ポリプロピレンオクタミンデンドリマー第2世代(Polypropylene octaamine Dendrimer, Generation 2.0)などであり、アルドリッチ社製のDAB−Am−4やDAB−Am−8などの市販品を使用することもできる。また、この多官能性アミン化合物は、エチレンジアミン及びアクリロニトリルを出発原料として合成することもできる。
アクリル酸エステル誘導体としては、合成するデンドリマーに応じて適宜選択すればよく、例えば、上記の式(I)により表されるデンドリマーを合成する場合は、下記の式(IV)で表される化合物を原料として用いることができる。
【0035】
【化5】

【0036】
上記の式(IV)中、X、A1、A2及びnは、上記で定義した通りである。
多官能性アミン化合物とアクリル酸エステル誘導体との反応比は、多官能性アミン化合物1モルに対して、アクリル酸エステル誘導体を1.0〜3.0モル、好ましくは1.1〜1.5モルである。
【0037】
有機溶剤としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤の量は、多官能性アミン化合物やアクリル酸エステル誘導体の量などに応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
【0038】
反応温度としては、−50〜150℃、好ましくは25〜80℃である。反応温度が−50℃未満であると、反応速度が著しく低下することがある。また、反応温度が150℃を超えると、多官能性アミン化合物やアクリル酸エステル誘導体の安定性が低下することがある。
反応時間としては、2〜200時間、好ましくは48〜100時間である。反応時間が2時間未満であると、反応が十分に進行しないことがある。反応時間が200時間を超えると、時間がかかりすぎて実用的でない。
反応終了後は溶剤を除去することにより、目的とするデンドリマーを得ることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン、トルエンなどの貧溶剤を加えて加熱し、上澄みを除去することによって精製してもよい。
【0039】
液晶成分と相溶性のあるデンドロンとしては、アルキル基、アルコキシ基及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1つを非フォーカルポイント末端に有するものが好ましい。当該デンドロンはまた、アミノ基をフォーカルポイントに有するものが好ましい。これらの理由は、このような構造を有するデンドロンが、単成分のシアノ系液晶だけでなく、2種以上の液晶成分を含む混合液晶との相溶性に優れているためである。特に、実用的な液晶表示装置に一般的に使用されているフッ素系混合液晶は、液晶表示装置の信頼性を確保する観点から不純物が溶解し難いように設計してあるために添加物が溶解し難いものの、このような構造を有するデンドロンは、フッ素系混合液晶に対しても良好な相溶性を示す。
【0040】
また、本発明に用いられるデンドロンは、メソゲン基を有することが好ましい。その理由は、このデンドロンが、液晶成分の特性を阻害し難く、且つ液晶配向制御に優れているためである。ここで、メソゲン基とは、液晶性を発現するために必要な剛直構造を有する有機基を意味する。メソゲン基としては、特に限定されないが、例えば、安息香酸フェニル、ビフェニル、シアノビフェニル、ターフェニル、シアノターフェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼン、ジアゾベンゼン、アニリンベンジリデン、アゾメチン、アゾキシベンゼン、スチルベン、フェニルシクロヘキシル、ビフェニルシクロヘキシル、フェノキシフェニル、ベンジリデンアニリン、ベンジルベンゾエート、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、ベンゾイルアニリン、トラン及びこれらの誘導体などが挙げられる。
【0041】
本発明に用いられるデンドロンの世代(分岐の次数)は、特に限定されないが、一般的に第1〜第6世代のものが用いられる。ここで、本明細書において分岐の数が1つのものを第1世代という。
【0042】
本発明に用いるのに好ましいデンドロンは、以下の一般式(III)を有する。
【0043】
【化6】

【0044】
式(III)中、Rは、水素、脂環式基、芳香族基、又はHO−(CH2m−基(式中、mは2〜6の整数である)である。ここで、脂環式基としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基などが挙げられる。また、芳香族基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ビナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基などが挙げられる。また、式(III)中、A1は、
【0045】
【化7】

【0046】
(式中、Yは、炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素である)であり、A2は、
【0047】
【化8】

【0048】
であり、Xは、直接結合、−COO−基又は−N=N−基であり、nは、3〜12の整数である。
【0049】
本発明に用いられるデンドロンは、各種文献に記載の公知の方法を用いて合成することができる。一般的には、フォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物と、この化合物と結合してデンドロンの枝部分を与える化合物とを反応させればよい。例えば、デンドロンの枝部分を与えるアクリル酸エステル誘導体と、このアクリル酸エステル誘導体と反応する末端アミノ基及びフォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物とを有機溶剤中で反応させればよい。
【0050】
フォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物としては、特に限定されず、合成するデンドロンに応じて適宜選択すればよい。また、デンドロンの世代(分岐の次数)を調整する場合、フォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物をアクリロニトリルなどと反応させることによって分岐構造とした後、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を用いてニトリルをアミンに変換すればよい。
例えば、上記の一般式(III)を有するデンドロンを合成する場合、以下の一般式(V)を有する化合物を用いることができる。
R−N−((CH23−NH22 (V)
式中、Rは上記で定義した通りである。
ここで、上記(V)の化合物は、R−NH2とアクリロニトリルと(CH2=CHCN)を反応させた後、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を用いてニトリルをアミンに変換することによって合成することができる。
【0051】
デンドロンの枝部分を与えるアクリル酸エステル誘導体としては、特に限定されず、合成するデンドロンに応じて適宜選択すればよい。例えば、上記の一般式(III)を有するデンドロンを合成する場合、以下の一般式(VI)を有するアクリル酸エステル誘導体を原料として用いることができる。
【0052】
【化9】

【0053】
式中、A1、A2、X及びnは、上記で定義した通りである。
【0054】
フォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物(例えば、一般式(V)の化合物)と、アクリル酸エステル誘導体(例えば、一般式(VI)の化合物)との反応比は、使用する原料の種類に応じて適宜調整する必要があるが、一般的に、フォーカルポイントを与えるアミノ基を有する化合物1モルに対して、アクリル酸エステル誘導体を1〜10モル用いればよい。
【0055】
上記の反応に用いられる有機溶剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。有機溶剤の例としては、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤の量は、使用する原料の種類及び量などに応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。
【0056】
反応温度としては、−50〜150℃、好ましくは25〜80℃である。反応温度が−50℃未満であると、反応速度が著しく低下することがある。また、反応温度が150℃を超えると、原料の安定性が低下することがある。
反応時間としては、2〜200時間、好ましくは48〜100時間である。反応時間が2時間未満であると、反応が十分に進行しないことがある。反応時間が200時間を超えると、時間がかかりすぎて実用的でない。
反応終了後は溶剤を除去することにより、目的とするデンドロンを得ることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサン、トルエンなどの貧溶剤を加えて加熱し、上澄みを除去することによってデンドロンを精製してもよい。
【0057】
液晶組成物4中のデンドリマー及び/又はデンドロンの含有量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは0.01〜2質量%である。デンドリマー及び/又はデンドロンの含有量が2質量%を超えても、含有量の増加に見合った効果が得られない。逆に、デンドリマー及びデンドロンは合成コストがかかるため、液晶表示装置の製造コストの増大に繋がる。
【0058】
液晶成分としては、特に限定されないが、2種以上の液晶成分を含む混合液晶であることが好ましい。この混合液晶は、使用用途にあわせて所望の物性(例えば、屈折率異方性、誘電率異方性、粘度、相転位温度など)を満たすように幾つかの液晶成分を混合することによって調製されるため、一義的に定義することは難しいが、フッ素系混合液晶やシアノ系混合液晶などと一般的に称される混合液晶であり得る。これらの中でも、現在、液晶表示装置に一般的に使用されているフッ素系混合液晶を用いることが好ましい。ここで、本明細書において「フッ素系混合液晶」とは、1種以上のフッ素系液晶を含む混合液晶を意味し、「シアノ系混合液晶」とは、1種以上のシアノ系液晶を含む混合液晶を意味する。
上記の混合液晶は、一般的に公知であると共に商業的に利用可能であり、例えば、フッ素系混合液晶は、ZLI−4792(p型)やMLC−6608(n型)という商品名でメルク株式会社によって販売されている。また、シアノ系混合液晶は、JC−5066XX(p型)という商品名でチッソ石油化学株式会社によって販売されている。
【0059】
デンドリマー及び/又はデンドロンを液晶成分に配合する方法としては、特に限定されず、公知の方法に準じて行うことができる。例えば、デンドリマー又はデンドロンを液晶成分に加えた後、周知の混合手段を用いて混合すればよい。
【0060】
上記のような構成を有する本発明の液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の製造方法に準じて行うことができる。例えば、本発明の液晶表示装置は、以下のようにして製造することができる。
まず、アレイ基板1及び対向基板2を用意する。アレイ基板1及び対向基板2の作製方法は、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法により作製するか、市販品を用いればよい。次に、アレイ基板1上に多孔質膜3を配置し、液晶組成物4を液晶滴下注入法(ODF)によって多孔質膜3の空孔内に充填する。その後、多孔質膜3上に対向基板2を配置すればよい。
或いは、アレイ基板1と対向基板2との間に多孔質膜3を挟み込んだ後、毛細管現象を利用して液晶組成物4を多孔質膜3の空孔に充填させてもよい。
【0061】
このようにして得られる本発明の液晶表示装置は、配向膜の形成及びラビング処理を行わずに製造することができるため、配向膜の形成及びラビング処理に起因する様々な問題を防止することができる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
<デンドリマーAの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E1)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0063】
【化10】

【0064】
6−[4−(4−ヘキシルフェニルジアゼジル)フェノキシ]ヘキサノールの合成
200mlの三口フラスコに、4−(4−ヘキシルフェニルジアゼニル)フェノール(5.0g、17.7mmol)、6−ブロモヘキサノール(4.9g、18mmol)、炭酸カリウム(2.45g、17.7mmol)及びエタノール(20ml)を入れて溶解し、48時間加熱還流した。加熱還流が終了した後、減圧下でエタノールを除去して得られた残渣をジエチルエーテルに溶解し、この溶液を水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した後、ジエチルエーテルを減圧下で留去し、得られた残渣をn−ヘキサンで再結晶させることで、橙色の針状結晶を収量3.9g(収率58%)で得た。この針状結晶は、IRにより、3289cm-1(OH)、2919cm-1(C−H)、1473cm-1(N=N)、1253cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0065】
6−[4−(4−ヘキシルフェニルジアゼジル)フェノキシ]ヘキシルアクリレートの合成
100mlの三口フラスコに、6−[4−(4−ヘキシルフェニルジアゼジル)フェノキシ]ヘキサノール(3.5g、9.2mmol)、トリエチルアミン(0.92g、9.2mmol)及びTHF(30ml)を入れて溶解し、氷で0℃に冷却した。この溶液に塩化アクリロイル(1.2g、14mmol)を注射器を用いて加え、室温で24時間撹拌した。生じた白色固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:クロロホルム)により精製し、黄色固体を収量3.4g(収率85%)で得た。この黄色固体は、IRにより、2935cm-1(C−H)、1716cm-1(C=O)、1473cm-1(N=N)、1261cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。また、この黄色固体の元素分析値は、C273623として計算した値と0.5%の範囲内で一致した。(計算値〜C:74.28%、H:8.31%、N:6.42%、実測値〜C:74.48%、H:8.61%、N:6.35%)
【0066】
デンドリマーAの合成
100mlのナスフラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.39g、0.51mmol)、6−[4−(4−ヘキシルフェニルジアゼジル)フェノキシ]ヘキシルアクリレート(4.9g、11mmol)及びTHF(20ml)を入れ、50℃で72時間加熱した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のTHFに溶解して400mlのヘキサンに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を2回繰り返すことによって精製し、ペースト状の橙色固体を収量3.9g(収率98%)で得た。この橙色固体は、IRにより、2931cm-1(C−H)、1735cm-1(C=O)、1457cm-1(N=N)、1253cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。また、この橙色固体の元素分析値は、C4726724648として計算した値と0.5%の範囲内で一致した。(計算値〜C:73.07%、H:8.73%、N:8.30%、実測値〜C:72.86%、H:8.49%、N:8.40%)さらに、この橙色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては−13℃にTg、33℃及び83℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては81℃及び28℃に発熱ピーク、−29℃にTgが観測された。
【0067】
<デンドリマーBの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E2)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0068】
【化11】

【0069】
6−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキサノールの合成
200mlのナスフラスコに、4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシフェノール(10g、41mmol)、6−ブロモヘキサノール(8.8g、49mmol)、炭酸カリウム(11g、80mmol)及び2−ブタノン(50ml)を入れて溶解し、60時間加熱還流した。加熱還流が終了した後、減圧下で2−ブタノンを除去して得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、この溶液を水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した後、酢酸エチルを減圧下で留去し、得られた残渣をn−ヘキサンで再結晶させることで、白色結晶を収量6.2g(収率44%)で得た。この白色結晶は、IRにより、3340cm-1(OH)、2922cm-1(C−H)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0070】
6−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキシルアクリレートの合成
200mlの三口フラスコに、6−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキサノール(6.0g、17mmol)、トリエチルアミン(2.2g、22mmol)及びTHF(50ml)を入れて溶解し、氷で0℃に冷却した。この溶液に塩化アクリロイル(1.9g、21mmol)を注射器を用いてゆっくり加え、室温で12時間撹拌した。生じた白色固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した後、得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、100mlの水で3回洗浄した。次に、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、減圧下で濃縮した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:ヘキサン/クロロホルム(容積比率50:1))により精製し、無色透明な液体を収量6.4g(収率93%)で得た。この液体は、IRにより、2920cm-1(C−H)、1716cm-1(C=O)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0071】
デンドリマーBの合成
20mlのナスフラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.16g、0.21mmol)、6−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキシルアクリレート(4.0g、10mmol)及びTHF(5ml)を入れ、50℃で72時間加熱した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解して100mlのメタノールに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を2回繰り返すことによって精製し、ペースト状の淡黄色固体を収量0.45g(収率30%)で得た。この淡黄色固体は、IRにより、2921cm-1(C−H)、1736cm-1(C=O)、1247cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。また、この淡黄色固体の元素分析値は、C4567361448として計算した値と0.5%の範囲内で一致した。(計算値〜C:76.25%、H:10.33%、N:2.73%、実測値〜C:76.09%、H:10.52%、N:2.80%)また、この淡黄色固体のMALDI−TOF−MSによる分子量を測定したところ、理論値m/Z=7183(M+H)に対して、実測値m/Z=7181.2(M+H)であった。さらに、この淡黄色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては−24℃にTg、14℃及び73℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては69℃及び15℃に発熱ピーク、−26℃にTgが観測された。
【0072】
<デンドリマーCの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E3)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0073】
【化12】

【0074】
3−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]プロパノールの合成
300mlのナスフラスコに、4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノール(15g、61mmol)、3−ブロモ−1−プロパノール(10g、73mmol)、炭酸カリウム(17g、122mmol)及び2−ブタノン(80ml)を入れて溶解し、60時間加熱還流した。加熱還流が終了した後、減圧下で2−ブタノンを除去して得られた残渣を300mLの酢酸エチルに溶解し、この溶液を100mLの水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した後、酢酸エチルを減圧下で留去し、得られた残渣をヘキサンで再結晶させることで、白色結晶を収量12.2g(収率66%)で得た。この白色結晶は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜7.0ppm(d,2H,ArH)、6.9〜6.8ppm(d,2H,ArH)、4.1ppm(t,2H,OCH2)、3.85ppm(q,2H,PhCH2)、2.4ppm(m,1H,ArCH)、1.9〜1.2ppm(m,20H,CH2)、0.85ppm(t,3H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、3340cm-1(OH)、2922cm-1(CH)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0075】
3−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]プロピルアクリレートの合成
300mlのナスフラスコに、3−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]プロパノール(10g、33mmol)、トリエチルアミン(3.4g、33mmol)及びTHF(100ml)を入れて溶解し、氷で0℃に冷却した。この溶液に塩化アクリロイル(4.4g、49mmol)を注射器を用いて加え、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧除去して得られた残渣を300mLの酢酸エチルに溶解し、この溶液を100mLの水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、減圧下で濃縮させた。そして、残渣をカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:クロロホルム)により精製し、白色固体を収量8.6g(収率73%)で得た。この白色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜7.0ppm(d,2H,ArH)、6.9〜6.8ppm(d,2H,ArH)、6.4〜5.8ppm(m,3H,OCHCH2)、4.3ppm(t,2H,OCH2)、4.0ppm(q,2H,PhCH2)、2.4ppm(m,1H,ArCH)、1.9〜1.2ppm(m,20H,CH2)、0.85ppm(t,3H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、2920cm-1(C−H)、1715cm-1(C=O)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0076】
デンドリマーCの合成
200mlの二口フラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.48g、0.57mmol)、3−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]プロピルアクリレート(6.5g、18mmol)及びTHF(10ml)を入れ、窒素雰囲気下、50℃で7日間攪拌した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解してメタノールに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を3回繰り返すことによって精製し、淡黄色固体を収量2.1g(収率57%)で得た。この淡黄色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜6.7ppm(m,64H,ArH)、4.2ppm(t,32H,OCH2)、3.95ppm(t,32H,PhOCH2)、2.74ppm(t,32H,N−CH2)、2.6〜2.2ppm(t,100H,N−CH2,CH2C=O,ArCH)、1.9〜0.9ppm(m,332H,CH2)、0.85ppm(t,48H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、2923cm-1(C−H)、1735cm-1(C=O)、1243cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。また、この淡黄色固体のMALDI−TOF−MSによる分子量を測定したところ、理論値m/Z=6531.82(M+Na)に対して、実測値m/Z=6531.69(M+Na)であった。さらに、この淡黄色固体の元素分析値は、C4086401448として計算した値と0.5%の範囲内で一致した。(計算値〜C:75.28%、H:9.91%、N:3.01%、実測値〜C:75.26%、H:10.10%、N:2.85%)また、この淡黄色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては17℃及び78℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては74℃及び15℃に発熱ピークが観測された。
【0077】
<デンドリマーDの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E4)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0078】
【化13】

【0079】
12−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ドデカノールの合成
300mlのナスフラスコに、4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノール(15g、61mmol)、12−ブロモ−1−ドデカノール(19g、73mmol)、炭酸カリウム(17g、122mmol)及び2−ブタノン(100ml)を入れて溶解し、60時間加熱還流した。加熱還流が終了した後、減圧下で2−ブタノンを除去して得られた残渣を300mLの酢酸エチルに溶解し、この溶液を100mLの水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した後、酢酸エチルを減圧下で留去し、得られた残渣をヘキサンで再結晶させることで、白色結晶を収量21.5g(収率82%)で得た。この白色結晶は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜7.0ppm(d,2H,ArH)、6.9〜6.8ppm(d,2H,ArH)、3.9ppm(t,2H,OCH2)、3.6ppm(q,2H,PhCH2)、2.4ppm(m,1H,ArCH)、1.9〜1.2ppm(m,38H,CH2)、0.86ppm(t,3H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、3340cm-1(OH)、2922cm-1(CH)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0080】
12−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ドデシルアクリレートの合成
300mlのナスフラスコに、12−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ドデカノール(15g、35mmol)、トリエチルアミン(3.5g、35mmol)及びTHF(150ml)を入れて溶解し、氷で0℃に冷却した。この溶液に塩化アクリロイル(4.7g、52mmol)を注射器を用いて加え、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧除去して得られた残渣を400mLの酢酸エチルに溶解し、この溶液を200mLの水で3回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、減圧下で濃縮させた。そして、残渣をカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:クロロホルム)により精製し、白色固体を収量9.2g(収率55%)で得た。この白色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜7.0ppm(d,2H,ArH)、6.9〜6.8ppm(d,2H,ArH)、6.4〜5.8ppm(m,3H,OCHCH2)、4.3ppm(t,2H,OCH2)、4.0ppm(q,2H,PhCH2)、2.4ppm(m,1H,ArCH)、1.9〜1.2ppm(m,38H,CH2)、0.85ppm(t,3H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、2923cm-1(CH)、1717cm-1(C=O)、1244cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。
【0081】
デンドリマーDの合成
200mlの二口フラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.26g、0.34mmol)、12−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ドデシルアクリレート(8.0g、17mmol)及びTHF(15ml)を入れ、窒素雰囲気下、50℃で7日間攪拌した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解してメタノールに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を3回繰り返すことによって精製し、淡黄色固体を収量1.1g(収率38%)で得た。この淡黄色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.2〜6.7ppm(m,64H,ArH)、4.05ppm(t,32H,OCH2)、3.9ppm(t,32H,PhOCH2)、2.75ppm(t,32H,N−CH2)、2.6〜2.2ppm(t,100H,N−CH2,CH2C=O,ArCH)、1.9〜0.9ppm(m,640H,CH2)、0.85ppm(t,48H,CH3)のδが観測された。また、IRにより、2921cm-1(C−H)、1733cm-1(C=O)、1245cm-1(PhO−)の特性吸収が観測された。また、この淡黄色固体のMALDI−TOF−MSによる分子量を測定したところ、理論値m/Z=8552.08(M+Na)に対して、実測値m/Z=8552.12(M+Na)であった。さらに、この淡黄色固体の元素分析値は、C5529281448として計算した値と0.5%の範囲内で一致した。(計算値〜C:77.73%、H:10.97%、N:2.30%、実測値〜C:77.48%、H:11.02%、N:2.29%)また、この淡黄色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては74℃及び82℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては79℃及び72℃に発熱ピークが観測された。
【0082】
<デンドリマーEの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E5)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0083】
【化14】

【0084】
300mlのナスフラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.28g、0.31mmol)、甲陽化学工業株式会社製4−メトキシフェニル−6−ヘキシロキシアクリルベンゾエート(6.0g、15mmol)及びTHF(10ml)を入れ、窒素雰囲気下、50℃で7日間攪拌した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解してヘキサンに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を3回繰り返すことによって精製し、ペースト状の淡黄色固体を収量1.7g(収率76%)で得た。この淡黄色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、8.2〜8.1ppm(d,32H,ArH)、7.1ppm(d,32H,ArH)、6.9ppm(t,64H,ArCH)、4.1ppm(t,32H,OCH2)、4.0ppm(t,32H,PhOCH2)、3.8ppm(s,48H,OCH3)、2.74ppm(t,32H,N−CH2)、2.6〜2.2ppm(t,84H,N−CH2,CH2C=O)、1.9〜0.9ppm(m,284H,CH2)のδが観測された。また、IRにより、2944cm-1(C−H)、1732cm-1(C=O)、1250cm-1(C−O−C)、1198cm-1及び1169cm-1(C(C=O)OC)の特性吸収が観測された。また、この淡黄色固体のMALDI−TOF−MSによる分子量を測定したところ、理論値m/Z=7170.57(M+Na)に対して、実測値m/Z=7172.48(M+Na)であった。
【0085】
<デンドリマーFの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E6)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0086】
【化15】

【0087】
300mlのナスフラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.33g、0.43mmol)、甲陽化学工業株式会社製6−(4−(4−フルオロフェニル)フェニロキシ)ヘキシルアクリレート(7.0g、20mmol)及びTHF(10ml)を入れ、窒素雰囲気下、50℃で7日間攪拌した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解してメタノールに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を3回繰り返すことによって精製し、淡黄色固体を収量1.9g(収率72%)で得た。この淡黄色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.5〜7.2ppm(m,64H,ArH)、7.1ppm(t,32H,ArH)、6.9ppm(d,32H,ArCH)、4.1ppm(t,32H,OCH2)、3.9ppm(t,32H,PhOCH2)、2.74ppm(t,32H,N−CH2)、2.6〜2.2ppm(t,84H,N−CH2,CH2C=O)、1.9〜0.9ppm(m,284H,CH2)のδが観測された。また、IRにより、2940cm-1(C−H)、1732cm-1(C=O)、1235cm-1(C−O−C)、1182cm-1(C−F)、1160cm-1(C(C=O)OC)の特性吸収が観測された。さらに、この淡黄色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては56.90℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては49.51℃に発熱ピークが観測された。
【0088】
<デンドリマーGの合成>
上記の式(I)におけるR1が、下記の式(E7)で表されるデンドリマーを次のようにして合成した。
【0089】
【化16】

【0090】
300mlのナスフラスコに、アルドリッチ社製DAB−Am−8(0.25g、0.32mmol)、甲陽化学工業株式会社製6−(4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)フェニロキシ)ヘキシルアクリレート(6.0g、15mmol)及びTHF(10ml)を入れ、窒素雰囲気下、50℃で7日間攪拌した。次に、この溶液を減圧下で濃縮した後、残渣を少量のクロロホルムに溶解してヘキサンに加え、上澄みをデカンテーションによって除去し、沈殿物を回収した。この操作を3回繰り返すことによって精製し、淡黄色固体を収量1.3g(収率59%)で得た。この淡黄色固体は、1H−NMR(CDCl3,400MHz)により、7.5〜7.2ppm(d,32H,ArH)、7.1ppm(t,32H,ArH)、6.9ppm(d,32H,ArCH)、4.1ppm(t,32H,OCH2)、3.9ppm(t,32H,PhOCH2)、2.74ppm(t,32H,N−CH2)、2.6〜2.2ppm(t,84H,N−CH2,CH2C=O)、1.9〜0.9ppm(m,284H,CH2)のδが観測された。また、IRにより、2943cm-1(C−H)、1732cm-1(C=O)、1243cm-1(C−O−C)、1182cm-1(C−F)、1118cm-1(C(C=O)OC)の特性吸収が観測された。さらに、この淡黄色固体のDSC測定を行ったが、昇温過程及び降温過程のいずれにおいてもピークが観測されなかった。
【0091】
<デンドロンの合成>
下記の式(E8)で表されるデンドロンを次のようにして合成した。
【0092】
【化17】

【0093】
2−[N,N−ビス(2−シアノエチル)アミノ]エタノールの合成
200mLのナスフラスコに、水(60mL)、2−アミノエタノール(10g、0.17mmol)及びアクリロニトリル(22g、0.42mol)を入れ、80℃で1時間攪拌した後、減圧下でアクリロニトリル及び水を留去した。次に、残渣をクロロホルムに溶解し、この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、クロロホルムを減圧下で除去することによって無色透明な液体を収量27g(収率97%)で得た。この液体のIRを測定したところ、3492cm-1(OH)、2248cm-1(CN)の特性吸収が観測された。
【0094】
2−[N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミノ]エタノールの合成
300mLの三口フラスコに、水素化リチウムアルミニウム(6.9g、0.18mol)及びTHF(160mL)を入れ、室温で30分攪拌した。次に、この溶液に−5℃で濃硫酸(3.6mL、0.068mol)を加え、さらに1時間攪拌した。次に、この溶液に2−[N,N−ビス(2−シアノエチル)アミノ]エタノール(5.0g、0.03mol)のTHF溶液(30mL)を加え、さらに室温で8時間攪拌した。次に、氷浴中で、この混合溶液に注射器を用いて水(9.7mL)を加えた。生成した固体をろ過することによって分離した後、固体をメタノールで24時間ソックスレー抽出した。次に、抽出液と、ろ過によって分離したろ液とを混合した後、この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した。次に、減圧下で溶媒を除去することによって、黄色の液体を収量2.9g(収率54%)で得た。この液体のIRを測定したところ、3285cm-1(OH)の特性吸収が観測された。
【0095】
デンドロンの合成
50mLのナスフラスコに、2−[N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミノ]エタノール(0.18g、1.0mmol)、6−[4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ]ヘキシルアクリレート(2.1g、5.1mmol)及びTHF(1.0mL)を入れ、窒素雰囲気下で3日間攪拌した。次に、減圧下でTHFを除去した後、残渣をクロロホルムに溶解し、この溶液を水で三回洗浄した。次に、この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、減圧下でクロロホルムを除去した。次に、残渣を少量のクロロホルムに溶解した後、この溶液を100mLのメタノールに加え、上澄みをデカンテーションによって除去することによって沈殿物を回収した。この操作を6回繰り返すことによって精製を行い、淡黄色固体を収量0.85g(収率49%)で得た。
【0096】
この淡黄色固体の1H−NMR(CDCl3,400MHz)を測定したところ、7.12〜6.79ppm(m,ArH,16H)、4.07ppm(t,COOCH2,8H)、3.91ppm(t,PhOCH2,2H)、3.53ppm(t,HOCH2,2H)の特性吸収が観測された。また、この淡黄色固体のMALDI−TOF−MSによる分子量を測定したところ、理論値m/Z=1777.37(M+H)に対して実測値m/Z=1778.27(M+H)であった。また、この淡黄色固体のDSC測定を行ったところ、昇温過程においては14℃及び63℃に吸熱ピークが観測され、また、降温過程においては19℃及び58℃に発熱ピークが観測された。
【0097】
(実施例)
上記で調製した各デンドリマー又はデンドロンとフッ素系混合液晶ZLI−4792(P型、メルク株式会社)とを混合することによって液晶組成物を調製した。ここで、液晶組成物中の各デンドリマー又はデンドロンの含有量は1〜2質量%とした。
次に、ITOからなる櫛歯電極を形成したガラス基板上に厚さ2〜5μmの多孔質膜(エクセポール)を配置し、液晶滴下法によって多孔質膜の空孔内に上記の液晶組成物を充填させた後、対向基板としてのガラス基板を重ねて貼り合わせることによって液晶セルを作製した。
【0098】
(比較例)
液晶組成物にデンドリマー又はデンドロンを配合しないこと以外は、上記の実施例と同様にして液晶セルを作製した。
【0099】
実施例及び比較例で得られた各液晶セルについて、輝度計(株式会社トプコン製、BM−5)を用いて黒輝度を測定したところ、実施例の液晶セルはいずれも、比較例の液晶セルに比べて黒輝度の値が小さく、コントラストが高かった。
【0100】
以上の結果からわかるように、本発明によれば、配向膜の形成及びラビング処理に起因する問題を防止し、配向膜の形成及びラビング処理を行わなくても優れた配向制御性を有するIPSモードの液晶表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 アレイ基板、2 対向基板、3 多孔質膜、4 液晶組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の面方向に電界を印加する電極を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された多孔質膜と、
前記多孔質膜の空孔内に充填された、液晶成分及び前記液晶成分と相溶性のあるデンドリマー及び/又はデンドロンを含む液晶組成物と
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記多孔質膜の空孔率が70〜98体積%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記多孔質膜の空孔径が450nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶組成物中の前記デンドリマー及び/又はデンドロンの含有量が2質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記デンドリマーは、アルキル基、アルコキシ基及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1つを末端に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記デンドリマーは、以下の式(I):
【化1】

(式中、R1は式(II):
【化2】

であり、A1
【化3】

(式中、Yは炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素である)であり、Xは直接結合、−COO−基又は−N=N−基であり、A2
【化4】

であり、nは3〜12の整数である)により表されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記デンドロンは、アルキル基、アルコキシ基及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1つを非フォーカルポイント末端に有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記デンドロンは、アミノ基をフォーカルポイントに有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記デンドロンは、メソゲン基を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記デンドロンは、以下の一般式(III):
【化5】

(式中、Rは、水素、脂環式基、芳香族基、又はHO−(CH2m−基(式中、mは2〜6の整数である)であり;A1は、
【化6】

(式中、Yは、炭素数1〜12のアルキル基若しくはアルコキシ基、又はフッ素である)であり;A2は、
【化7】

であり;Xは、直接結合、−COO−基又は−N=N−基であり;nは、3〜12の整数である)により表されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記液晶成分は、2種以上の液晶成分を含む混合液晶であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記液晶成分は、フッ素系混合液晶であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−118212(P2012−118212A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266735(P2010−266735)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】