説明

液晶表示装置

【課題】増幅回路の出力直後に抵抗を接続するか否かを制御することで、電流の損失とリプル電力を抑制できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】T−CON112の負荷状態判別回路112aがモード切替信号またはチャネル切替信号を入力すると、液晶パネル120の画素パターンにより液晶パネル120の負荷状態を判別する。負荷状態判別回路112aにより液晶パネル120が通常負荷であると判定されたときは、出力抵抗切替信号に「ON」を設定し出力抵抗回路部152に出力する。負荷状態判別回路112aにより液晶パネル120が重負荷であると判定されたときには、出力抵抗切替信号に「OFF」を設定し出力抵抗回路部152に出力する。出力抵抗回路部152は、出力抵抗切替信号が「ON」のときにはスイッチを閉じることで抵抗を短絡させ、出力抵抗切替信号が「OFF」のときにはスイッチを開くことで抵抗を挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅回路を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、一般にコントロール基板(以下、「CTL基板」という)や液晶パネルが備えられている。このCTL基板では液晶パネルを駆動するための電源電圧が生成され、液晶パネルに供給されている。また、液晶パネルを駆動するためには大きな電流が必要なため、CTL基板に増幅回路が設けられ、この増幅回路によって電流を増幅させ液晶パネルに電流を供給している。ところで、液晶パネルに表示する映像信号のパターンによっては、通常より大きな電流が必要となるため、増幅回路の発熱が増大することがある。特に、表示パネルが特殊な映像信号パターンに従って駆動しなければならないときには、液晶パネルの電源電圧が脈動するため、増幅回路にはこの脈動電圧(リプル電圧)を抑制しようとして更に大電流が流れる。このため、増幅回路の発熱が更に増大することがある。従来は、この増幅回路の発熱を抑制する対策として、増幅回路の出力直後に抵抗を直列に接続していた。しかし、増幅回路から出力される電流が抵抗を通ることで電力損失が増加し、また抵抗により液晶パネルに印可される電圧のリプル電圧が更に大きくなる。このため従来は、抵抗の直後に増幅回路の負荷の大きさに対応したコンデンサを接続し、このコンデンサから液晶パネルに電源電圧を供給することでリプル電圧を抑制していた。このような増幅回路による発熱を低減する技術として特開2001−282193号公報(特許文献1)を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−282193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、表示パネルが特殊な映像信号パターンに従って駆動しなければならないときには、増幅回路の発熱が増大するという問題があった。特に、液晶表示装置において、信号電極の点灯/非点灯が交互に繰り返されるような表示パターン、例えば1ドット毎に点灯/非点灯する市松表示や、走査線1ライン毎に点灯/非点灯を繰り返すシマ表示等のいわゆる重負荷表示では、出力電流が大きく変化するに伴って増幅回路には大きな損失が発生し、オペアンプ等の素子自体が高温になる。この対策として抵抗を接続しているが、上記のように抵抗によるリプル電圧が増大していた。また、通常の映像信号パターンでは、増幅回路の発熱を抑制する必要がないにもかかわらず、増幅回路の出力直後に抵抗が接続されるので、この抵抗により電力損失が発生し、またリプル電圧が増大していた。上記特許文献1に開示の技術では、液晶駆動用電圧発生回路のオペアンプの発熱を低減し、周囲温度が高い環境下でも液晶駆動用電圧発生回路を安定して駆動させることで、液晶パネルの画質を改善する液晶表示装置を提示している。しかしながら、特許文献1に開示の技術は、オペアンプの発熱を低減しているが、上記増幅回路の出力直後に接続された抵抗による電力損失を抑制することはできない。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶表示装置は、液晶パネルの駆動用電源電圧を生成する電源電圧生成回路と前記電源電圧生成回路の出力抵抗を変更する出力抵抗変更回路とを備えることを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置の前記出力抵抗変更回路は、1つの抵抗値と0オームを切り替えることを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置は、前記電源電圧生成回路の負荷状態を判別する負荷状態判別部を備え、前記負荷状態判別部の判別結果に応じて、前記出力抵抗変更回路を制御することを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置の前記負荷状態判別部は、増幅回路の負荷状態が大きいと判別した場合に、前記出力抵抗変更回路の抵抗値を大きくし、負荷状態が小さいと判別した場合に、前記出力抵抗変更回路の抵抗値を小さくすることを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置の前記負荷状態判別部は、前記液晶パネルの画素単位のデータ変動量によって判別することを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置の前記負荷状態判別部は、モード切替信号またはチャンネル切替信号に基づいて判別することを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置の前記負荷状態判別部は、前記電源電圧生成回路の温度によって判別することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、映像信号パターンを基に増幅回路の出力直後に抵抗を接続するか否かを制御することができ、増幅回路の発熱が増大すると予想される映像信号パターンが入力されたときには抵抗を挿入して発熱を抑制し、また増幅回路の発熱が増大しない通常の映像パターンが入力されたときには抵抗を短絡することで、抵抗による電流の損失とリプル電圧を抑制できる液晶表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るCTL基板とT−CONの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るレベルシフタにおける信号線の接続関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るレベルシフタの入力信号と出力信号の波形を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る増幅回路の出力直後に接続される出力抵抗の構造を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る増幅回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための第1の実施形態(以下、「実施形態1」という)を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に、実施形態1に係る液晶表示装置100の構成を示す。映像表示装置100は、映像回路部110、液晶パネル120、ソースドライバ130、ゲートドライバ140、CTL基板150(電源電圧生成回路)、及び電源部160から構成されている。映像回路部110は、画像処理部111とタイミングコントローラ(以下、「T−CON」という)112を備えている。ソースドライバ130とゲートドライバ140は、液晶パネル120に実装されるドライバである。
【0011】
映像回路部110は、テレビ受信機のチューナ部や外部機器としてのDVD再生装置などの映像機器から出力される映像信号を入力し、液晶パネル120に映像信号の映像を表示するための処理を行う回路である。画像処理部111は、映像信号を入力すると映像信号の復号を行い、復号した映像データに基づいて映像信号データ、垂直同期信号、及び水平同期信号を生成し、T−CON112に出力する。T−CON112は、画像処理部111から入力された映像信号データの画素1ライン分のデータをソースドライバ130に順次出力する。
【0012】
ソースドライバ130は、液晶パネル120のマトリックス状に配置されたTFT(Thin Film Transisto)群のソースバスラインを駆動するための回路である。ゲートドライバ140は、液晶パネル120のマトリックス状に配置されたTFT(Thin Film Transisto)群のゲートバスラインを駆動するための回路である。ゲートドライバ140は、T−CON112が1ラインの画素の電圧データをソースドライバ130に出力を完了した時点で、T−CON112が出力した特定の画素の1ライン(以下、「画素ライン」という)を選択する。そして、ソースドライバ130は、T−CON112から受けた画素1ライン分のデータをソースバスラインに出力し、ゲートドライバ140が選択した画素ラインの全画素のデータがソースドライバ130からのデータに更新される。ゲートドライバ140は、画素ラインのデータを更新終了すると、次の画素ラインを選択する。そして、ソースドライバ130は、T−CON112から新たに受けた画素1ライン分のデータをソースバスラインに出力し、ゲートドライバ140で選択された次の画素ラインのデータが更新される。以上により、液晶パネル120は、全ての画素ラインの画素についてデータ更新を1フィールド期間中に行い、フィールド期間ごとに液晶パネル120における全ての画素ラインについて画素のデータ更新を繰り返す。このように液晶パネル120は、映像信号データの出力すなわち画素のデータ更新を垂直同期信号に基づいて一定のタイミング、すなわちフィールド期間ごとに繰り返すことで、映像を表示する。
【0013】
CTL基板150は、電源部160から電源が供給されると液晶パネルを駆動するための電源電圧を生成し、液晶パネル120に供給する。T−CON112は、ゲーム映像などのダイナミックモードやテレビジョン放送などのスタンダードモードなどのモードを切り替える信号(以下、「モード切替信号」という)と、テレビジョン放送のチャンネルや外部記憶装置のチャンネルなどのチャンネルを切り替える信号(以下、「チャネル切替信号」という)を入力する。そしてT−CON112は、モード切替信号とチャネル切替信号に基づいて、CTL基板150に設けられている増幅回路の出力直後に接続されている抵抗を切り替える信号(以下、「出力抵抗切替信号」という)をCTL基板150に出力する。CTL基板150は、T−CON112から出力抵抗切替信号を入力すると、出力抵抗切替信号に基づいて抵抗の切替制御を行う。CTL基板150とT−CON112の本発明に係る部分の構成については、後述する。電源部160は、映像回路部110に電源を供給するとともに、CTL基板150を経由して液晶パネル120にも電源を供給する。
【0014】
図2に、実施形態1に係るCTL基板150とT−CON112の構成を示す。図2には、CTL基板150とT−CON112において、本発明に係る部分のみを図示している。CTL基板150は、増幅回路151、出力抵抗回路部152(出力抵抗変更回路)、及びレベルシフタ153から構成されている。T−CON112は、負荷状態判別回路112a(負荷状態判別部)を備えている。増幅回路151は、ボルテージフォロアを構成し、所定の電圧Vを入力すると入力電圧に応じた電圧を出力するが、出力可能電流は増幅回路151により増幅されている。この増幅回路151の出力は、出力抵抗回路部152に出力される。出力抵抗回路部152は、T−CON112の負荷状態判別回路112aから出力される出力抵抗切替信号に基づいて抵抗を挿入するか否かの切り替えを行う回路で、1つの抵抗値と0オームの切り替えを行う。出力抵抗回路部152の構造については、後述する。レベルシフタ153は、出力抵抗回路部152の出力電位を調整し、液晶パネル120に出力する。T−CON112の負荷状態判別回路112aは、モード切替信号とチャネル切替信号を入力するとこれらの信号に基づいて液晶パネル120の負荷状態を判定し、判定した結果を出力抵抗切替信号として出力抵抗回路部152に出力する。負荷状態判別回路112aは、増幅回路151の負荷状態が大きいと判別した場合に、出力抵抗回路部152の抵抗値を大きくし、負荷状態が小さいと判別した場合に、出力抵抗回路部152の抵抗値を小さくするようにする。
【0015】
図3に、実施形態1に係るレベルシフタ153の具体的一例を示す。図3に示すようにレベルシフタ153は、T−CON112からお互いの位相がずれている入力信号Aと入力信号B(以下、1ペアの入力信号とする)の6ペア分の信号を入力する。また、レベルシフタ153は、電源部160から出力抵抗回路部152を経由して増幅回路151aの電圧(VCS+1)、増幅回路151bの電圧(VCS+2)、増幅回路151cの電圧(VCS−2)、及び増幅回路151dの電圧(VCS−1)を入力すると、入力信号Aと入力信号Bの波形をレベルシフトさせた出力信号を液晶パネル120に出力する。図4に、実施形態1に係るレベルシフタの入力信号と出力信号の波形を示す。図4(1)に、お互いの位相がずれている入力信号Aと入力信号Bの波形を示す。レベルシフタ153がこのような入力信号Aと入力信号Bに対して、電圧(VCS+1)、電圧(VCS+2)、電圧(VCS−2)、及び電圧(VCS−1)をかけることで図4(2)に示すレベルシフトされた出力信号が生成される。
【0016】
図5に、実施形態1に係る増幅回路151に接続される出力抵抗回路部152の構造を示す。図5に示すように、出力抵抗回路部152は抵抗152a及び抵抗152aに並列接続されたスイッチ152bから構成されている。スイッチ152bは、出力抵抗切替信号に基づいて開閉され、抵抗152aの接続が制御される。すなわち、スイッチ152bがOFFされると抵抗152aが挿入され、スイッチ152bがONされると抵抗152aは短絡される。
【0017】
次に、図2と図5を用いてT−CON112がモード切替信号またはチャネル切替信号を入力してからCTL基板150の出力抵抗回路部152に出力抵抗切替信号を出力するまでの処理について説明する。液晶表示装置100の表示モードが切り替えられると、T−CON112にモード切替信号が出力される。また、液晶表示装置100のチャネルが切り替えられると、T−CON112にチャネル切替信号が出力される。T−CON112の負荷状態判別回路112aがモード切替信号またはチャネル切替信号を入力すると、モード切替信号またはチャネル切替信号に基づいて液晶パネル120の負荷状態を判別する。液晶パネル120の負荷状態を判別する方法としては、液晶パネル120の各々の画素において、各々の明暗の差が大きい、隣り合う画素においてデータの差が大きい、表示しているフレームと次に表示されるフレームとデータの差が大きい、又は表示しているフレームと次に表示されるフレームにおいて同じ画素に着目したときにデータの差が大きいなどの画素単位のデータ変動量を検出することで判別を行う。負荷状態が重い映像パターンの例として、例えば繰り返し間隔の狭い千鳥パターンを挙げることができる。つまり、画素の明暗が高速で繰り返される千鳥パターンの場合、単位時間当たりに切り替えられる画素データ数、言い換えると、電流の流れている画素の数が増大することになり、液晶パネルに流れる電流が増大することになる。
【0018】
負荷状態判別回路112aによって液晶パネル120の負荷状態が判別され、液晶パネル120が通常負荷であると判定されたときに、負荷状態判別回路112aは、出力抵抗切替信号に「ON」を設定し出力抵抗回路部152に出力する。また、負荷状態判別回路112aによって液晶パネル120が重負荷であると判定されたときに、負荷状態判別回路112aは、出力抵抗切替信号に「OFF」を設定し出力抵抗回路部152に出力する。出力抵抗回路部152は、出力抵抗切替信号を入力し、出力抵抗切替信号が「ON」であるか「OFF」であるかを判別する。出力抵抗切替信号が「ON」のときには、出力抵抗回路部152はスイッチ152bを閉じるように切り替える。このように出力抵抗回路部152のスイッチ152bを閉じることで、抵抗152aが短絡される。また、出力抵抗切替信号が「OFF」のときには、出力抵抗回路部152は、スイッチ152bを開くように切り替える。このように出力抵抗回路部152のスイッチ152bを開くことで、抵抗152aが挿入される。
【0019】
このように、液晶パネル120が重負荷であるときに出力抵抗回路部152の抵抗152aを挿入し、液晶パネル120が通常負荷であるときに出力抵抗回路部152の抵抗152aを短絡するようにする。つまり、液晶パネル120が重負荷であるときには、増幅回路151の発熱が増大するので抵抗152aを通すことで発熱の増大を抑制し、また増幅回路151の発熱が増大しないときには抵抗152aを通さないようにすることで、抵抗152aによる電流の損失とリプル電圧を抑制することができる。
【0020】
尚、実施形態1において、抵抗152aを電界効果トランジスタ(FET)などの可変抵抗にし、可変抵抗の値を変更するようにしてもよい。この場合は、重負荷であるときに出力抵抗回路部152の可変抵抗の値を高く設定し、液晶パネル120が通常負荷であるときには出力抵抗回路部152の可変抵抗の値を低く設定する。このように液晶パネル120の負荷状態に対応して可変抵抗の値を変更することで、抵抗を通す必要がないときに抵抗値を低く設定できるので、電流の損失とリプル電圧を抑制することができる。
【0021】
次に、本発明を実施するための第2の実施形態(以下、「実施形態2」という)を、図面を参照して説明する。尚、実施形態2に係る液晶表示装置の構成は、CTL基板150がCTL基板150aに変更され、T−CON112からCTL基板150に出力抵抗切替信号を出力しないこと以外は、図1に示す実施形態1の液晶表示装置100の構成に同じである。また、実施形態2に係る出力抵抗回路部152の構造は、図5に示す実施形態1の出力抵抗152の構造に同じである。
【0022】
図6に、実施形態2に係るCTL基板150aの構成を示す。図6には、CTL基板150aにおいて、本発明に係る部分のみを図示している。CTL基板150aは、増幅回路151、出力抵抗回路部152、レベルシフタ153、及び温度センサ154から構成されている。増幅回路151は、ボルテージフォロアを構成し、所定の電圧Vを入力すると入力電圧に応じた電圧を出力するが、出力可能電流は増幅回路151により増幅されている。この増幅回路151の出力は、出力抵抗回路部152に出力される。出力抵抗回路部152は、温度センサ154から出力される出力抵抗切替信号に基づいて抵抗を挿入するか否かの切り替えを行う回路である。レベルシフタ153は、増幅回路151の出力電位を調整し、液晶パネル120に出力する。温度センサ154は、CTL基板150a内部の温度を計測することで、増幅回路151の発熱が増大しているか否かを判定することができる。つまり、増幅回路151の発熱が増大していればCTL基板150a内部の温度が高温となる。従って、温度センサ154は、計測した温度を判定し、判定した結果を出力抵抗切替信号として出力抵抗回路部152に出力する。
【0023】
温度センサ154によって、増幅回路151の発熱状態が判別され、増幅回路151の発熱が増大していないと判定されたときに温度センサ154は、出力抵抗切替信号を「ON」として出力抵抗回路部152に出力する。また、温度センサ154によって、増幅回路151の発熱が増大していると判定されたときに温度センサ154は、出力抵抗切替信号を「OFF」として出力抵抗回路部152に出力する。出力抵抗回路部152は、出力抵抗切替信号を入力し、出力抵抗切替信号が「ON」であるか「OFF」であるかを判別する。出力抵抗切替信号が「ON」のときには、出力抵抗回路部152はスイッチ152bを閉じるように切り替える。このように出力抵抗回路部152のスイッチ152bを閉じることで、抵抗152aは短絡される。また、出力抵抗切替信号が「OFF」のときには、出力抵抗回路部152は、スイッチ152bを開くように切り替える。このように出力抵抗回路部152のスイッチ152bを開くことで、抵抗152aが挿入される。
【0024】
このように、増幅回路151の発熱が増大しているときに出力抵抗回路部152の抵抗152aを通すようにし、増幅回路151の発熱が増大していないときに出力抵抗回路部152の抵抗152aを通さないようにする。つまり、液晶パネル120が重負荷であるときには、増幅回路151の発熱が増大するので抵抗152aを通すことで発熱の増大を抑制し、また増幅回路151の発熱が増大しないときには抵抗152aを通さないようにすることで、抵抗152aによる電流の損失とリプル電圧を抑制することができる。また、従来は温度センサ154により増幅回路151の発熱の増大を検出した場合には、増幅回路151自体を停止させることで液晶表示装置100も停止していたが、このようにスイッチ152bにより抵抗152aを切り替えることで、液晶表示装置100が停止する回数を削減することができる。
【0025】
尚、実施形態2において、CTL基板150aに、増幅回路151、出力抵抗回路部152、レベルシフタ153、及び温度センサ154を備えることで実現しているが、アンプICに増幅回路151、抵抗152a、スイッチ152b、レベルシフタ153、及び温度センサ154を備えるようにし、アンプICをCTL基板150aに設置することで実現するようにしてもよい。
【0026】
以上、本実施形態によると、増幅回路151の出力直後に接続される出力抵抗回路部152を制御することができるので、表示パネル120が特殊な映像信号パターンに従って駆動することで増幅回路の発熱が増大するときには、抵抗を通すので発熱を抑制できる。また、表示パネル120が通常の映像信号パターンに従って駆動することで増幅回路の発熱が増大しないときには、抵抗を通さないので抵抗による電流の損失とリプル電圧を抑制できる。
【0027】
以上、本発明の実施形態に基づいて説明したが、この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0028】
100・・・・・液晶表示装置
110・・・・・映像回路部
111・・・・・画像処理部
112・・・・・T−CON
112a・・・・負荷状態判別回路(負荷状態判別部)
120・・・・・液晶パネル
130・・・・・ソースドライバ
140・・・・・ゲートドライバ
150・・・・・CTL基板(電源電圧生成回路)
150a・・・・CTL基板(電源電圧生成回路)
151・・・・・増幅回路
151a・・・・増幅回路
151b・・・・増幅回路
151c・・・・増幅回路
151d・・・・増幅回路
152・・・・・出力抵抗回路部(出力抵抗変更回路)
152a・・・・抵抗
152b・・・・スイッチ
153・・・・・レベルシフタ
154・・・・・温度センサ
160・・・・・電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルの駆動用電源電圧を生成する電源電圧生成回路と
前記電源電圧生成回路の出力抵抗を変更する出力抵抗変更回路とを
備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記出力抵抗変更回路は、1つの抵抗値と0オームを切り替えることを特徴とする
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記電源電圧生成回路の負荷状態を判別する負荷状態判別部を備え、
前記負荷状態判別部の判別結果に応じて、前記出力抵抗変更回路を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記負荷状態判別部は、増幅回路の負荷状態が大きいと判別した場合に、前記出力抵抗変更回路の抵抗値を大きくし、負荷状態が小さいと判別した場合に、前記出力抵抗変更回路の抵抗値を小さくすることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記負荷状態判別部は、前記液晶パネルの画素単位のデータ変動量によって判別することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記負荷状態判別部は、モード切替信号またはチャンネル切替信号に基づいて判別することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記負荷状態判別部は、前記電源電圧生成回路の温度によって判別することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−145848(P2012−145848A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5468(P2011−5468)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】