液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置
【課題】 等方性処理に要する時間を短縮することができ、安定した液晶配向を実現可能な液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置を提供すること。
【解決手段】 短冊状液晶パネルにパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を加熱し、短冊状液晶パネルにパネル保持部材54を接触させた状態で液晶を冷却することにより、液晶パネルに熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶と加熱プレート55・冷却プレート58との間の熱伝導性が向上し、液晶の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶の加熱時及び冷却時に、液晶に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【解決手段】 短冊状液晶パネルにパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を加熱し、短冊状液晶パネルにパネル保持部材54を接触させた状態で液晶を冷却することにより、液晶パネルに熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶と加熱プレート55・冷却プレート58との間の熱伝導性が向上し、液晶の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶の加熱時及び冷却時に、液晶に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、例えば一対の基板に配線や電極、配向膜などを形成し、当該一対の基板を対向配置してシール材を介してパネル状に貼り合わせ、当該パネル内に液晶を注入することによって製造される。
液晶を注入する際には、パネル内に進入していく液晶の軌跡(注入軌跡)が残ってしまう場合があり、液晶配向が不安定になる原因となっている。注入軌跡を除去するため、パネル内に液晶を注入した後に等方性処理を行っている。等方性処理は、液晶の温度を一旦ネマチック転移温度よりも高い温度に加熱し、当該加熱した液晶を冷却することによって行われる(例えば、特許文献1参照)。加熱・冷却については、例えば液晶パネルに熱風・冷風を吹きつける手法が一般的である。かかる等方性処理においては、加熱・冷却を急激に行うほど、液晶配向が安定化することが知られている。
【特許文献1】特開2002−107742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、液晶が封入された一対の基板に熱風・冷風を吹き付けて当該液晶を加熱・冷却する手法では、液晶の温度が変化するのに時間がかかり、また、急激に温度差をつけることが困難である。このため、液晶配向を安定化させることが困難である。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、等方性処理に要する時間を短縮することができ、安定した液晶配向を実現可能な液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係る液晶装置の製造方法は、対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板の間に前記液晶を封入させる液晶封入工程と、前記一対の基板の少なくとも一方を加熱部材に接触させた状態で、前記加熱部材を介して前記液晶を加熱する加熱工程と、前記液晶を加熱した後、前記一対の基板の少なくとも一方を冷却部材に接触させた状態で、前記冷却部材を介して前記液晶を冷却する冷却工程とを具備することを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、一対の基板の少なくとも一方に加熱部材を接触させた状態で液晶を加熱し、一対の基板の少なくとも一方に冷却部材を接触させた状態で液晶を冷却することにより、一対の基板に熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱部材・冷却部材と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶と加熱部材・冷却部材との間の熱伝導性が向上し、液晶の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱部材・冷却部材と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶の加熱時及び冷却時に、液晶に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【0006】
なお、「一対の基板に接触」している状態については、一対の基板に熱を直接的に伝導可能な状態で接触している状態をいうものとする。例えば、加熱部材・冷却部材が一対の基板に直接接触している場合及び加熱部材・冷却部材が例えば他の部材を介して間接的に接触している場合を含むものとする。他の部材とは、例えば一対の基板を保持する保持部材などである。この場合、一対の基板と加熱部材・冷却部材とは、保持部材を介して接触していることとなる。
【0007】
また、前記加熱工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、一対の基板の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させることによって、液晶との間で熱の伝達が面で行われるため、効率的に熱を伝えることができる。
【0008】
また、前記加熱工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、一対の基板の両方の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させることによって、一方の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させる場合と比べて多くの熱を伝導させることができる。これにより、さらなる加熱・冷却の時間短縮を図ることができる上、より急激な温度差を形成しやすいため、一層安定した液晶配向の実現が可能となる。
また、両方の基板面から液晶を加熱・冷却することにより、液晶の厚さ方向における加熱・冷却の分布が偏ることはなく、液晶を均一に加熱・冷却することができる。これにより、液晶の場所によって配向が異なるのを防ぐことができ、均一な配向とすることができる。
【0009】
また、前記加熱工程では、前記基板面のほぼ全面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記基板面のほぼ全面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、基板面のほぼ全面を加熱部材及び冷却部材に接触させることにより、液晶を基板面の方向に均一に加熱・冷却することができる。
【0010】
また、前記一対の基板を複数の液晶装置に分断する分断工程を更に具備し、前記加熱工程では、分断された前記一対の基板を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、分断された前記一対の基板を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、分断された一対の基板を加熱部材・冷却部材に接触させて加熱・冷却を行うので、例えば分断する前の大判状の一対の基板を加熱・冷却する場合に比べて、熱容量を減少させることができる。これにより、加熱・冷却時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
本発明に係る液晶装置の製造装置は、対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造装置であって、前記一対の基板に接触する第1の接触面を有し、前記第1の接触面を介して前記液晶を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に隣接して設けられ、前記一対の基板に接触する第2の接触面を有し、前記第2の接触面を介して前記液晶を冷却する冷却部材と、前記加熱部材の加熱温度及び前記冷却部材の冷却温度を調節する温度調節手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
一対の基板に熱風・温風を吹きつける場合では、当該一対の基板の周囲の温度によって加熱温度・冷却温度が変化するため、熱風を吹き付ける処理室と冷風を吹きつける処理室とを別個に設ける必要があった。これに対して、本発明では、一対の基板に加熱部材(第1の接触面)及び冷却部材(第2の接触面)を接触させて直接的に加熱・冷却を行うので、一対の基板の周囲の温度を考慮する必要がほとんど無い。このため、加熱部材に隣接して冷却部材を設けることができ、装置の小型化が可能となる。
【0013】
また、加熱部材に隣接して冷却部材が設けられているので、一対の基板に加熱部材を接触させて液晶を加熱する処理と、一対の基板に冷却部材を接触させて液晶を冷却する処理とを連続化させやすくすることができる。これにより、液晶の急激な加熱・冷却が行いやすくなるため、液晶配向の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
(液晶装置)
図1は、液晶装置1の全体構成を示す図である。本実施形態では、スイッチング素子に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置を例に挙げて説明する。
図1に示すように、液晶装置1は、液晶パネル2と、バックライト3とを主体として構成されている。
【0015】
液晶パネル2は、TFTアレイ基板4とカラーフィルタ基板5とがシール材7によって貼り合わされ、このシール材7によって区画された領域内に液晶層6が封入された構成になっている。シール材7の一部には液晶を注入する注入口7aが設けられており、当該注入口7aは封止材7bにより封止されている。シール材7の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)8が形成されている。周辺見切り8の内側の領域は、画像や動画等を表示する表示領域9になっている。表示領域9には、複数のドット領域10がマトリクス状に設けられている。
【0016】
TFTアレイ基板4の周縁部は、カラーフィルタ基板5から張り出した張出領域になっている。この張出領域のうち図中左辺側及び右辺側には、走査信号を生成する走査線駆動回路11が形成されている。図中上辺側には、左右の走査線駆動回路11の間を接続する配線13が引き回されている。図中下辺側には、データ信号を生成するデータ線駆動回路12と、外部の回路等に接続するための接続端子14とが形成されている。走査線駆動回路11と接続端子14との間の領域には、両者を接続する配線15が形成されている。カラーフィルタ基板5の各角部には、TFTアレイ基板4とカラーフィルタ基板5との間で電気的に接続するための基板間導通材17が設けられている。
【0017】
図2は、図1のA−A断面に沿った構成を示す図である。
TFTアレイ基板4は、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料から形成された基材4aと、この基材4aの液晶側に形成された画素電極18と、この画素電極18上に形成された配向膜16とを主体として構成されている。画素電極18は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電材料によって形成されている。この他、画素電極18には、図示しないTFT素子が接続されており、TFT素子には、図示しない走査線及びデータ線が接続されている。TFTアレイ基板4の外側(液晶層6とは反対側)には、偏光板19が貼付されている。
【0018】
カラーフィルタ基板5は、TFTアレイ基板4と同様にガラスや石英等の透光性材料からなる基材5aの液晶側に、例えば赤色層、緑色層、青色層の3色の色層からなるカラーフィルタ層30が形成され、当該カラーフィルタ層30の周囲には遮光膜31が形成されている。また、カラーフィルタ層30及び遮光膜31を覆うように共通電極28が形成され、当該共通電極28上には配向膜26が形成されている。共通電極28は、画素電極18と同様、例えばITO等の透明な導電材料によって形成されている。
【0019】
液晶層6は、例えばフッ素系液晶化合物や非フッ素系液晶化合物等の液晶分子32によって構成されており、TFTアレイ基板4側の配向膜16とカラーフィルタ基板5側の配向膜26との双方に接するように両基板に挟持されている。液晶分子32の配向は、非選択電圧を印加したときに所定の方向に向くように、配向膜16及び配向膜26によって規制されている。
【0020】
(液晶装置の製造装置)
次に、液晶装置の製造装置(加熱・冷却装置)の説明をする。
図3は、加熱・冷却装置50の構成を示す図である。
加熱・冷却装置50は、基台51上に加熱ステージ52と、冷却ステージ53と、パネル保持部材54とを有している。
【0021】
加熱ステージ52は、液晶パネル2を加熱する加熱プレート55と、当該加熱プレート55の温度を調節する温度調節部56とを主体として構成されている。
加熱プレート55は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば電熱線などの加熱機構が設けられている。温度調節部56は、例えば加熱プレート55内部の電熱線に流れる電流の大きさを調節することで、加熱プレート55の温度を調節することができるようになっている。
【0022】
冷却ステージ53は、液晶パネルを冷却する冷却プレート58と、当該冷却プレート58の温度を調節する温度調節部59とを主体として構成されており、加熱ステージ52に隣接して設けられている。
冷却プレート58は、加熱プレート55と同様、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば冷却水や当該冷却水の流路などの冷却機構が設けられている。温度調節部59は、例えば冷却プレート58内部の流路を流れる冷却水の温度を調節することで、冷却プレート58の温度を調節する。
【0023】
パネル保持部材54は、液晶パネルが載置される板状部材であり、例えばアルミニウムなどの材料によって形成されている。パネル保持部材54には、液晶パネルが載置され、保持されるようになっている。また、このパネル保持部材54を、液晶パネルを保持したまま、加熱プレート55から冷却プレート58に搬送する搬送機構(図示しない)が設けられている。
【0024】
(液晶装置の製造方法)
次に、上記のように構成された液晶装置1の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4及び図5では、説明をわかりやすくするため、温度調節部56、59の図示を省略している。本実施形態では、大面積のマザー基板を用いて複数の液晶装置を一括して形成し、切断によって個々の液晶装置1に分離する方法を例に挙げて説明する。
【0025】
まず、TFTアレイ基板4となるTFTアレイ側マザー基板の形成工程について簡単に説明する。ガラスやプラスチック等の透光性材料からなる大判の基材の各表示領域9に、画素電極18やTFT素子、その他配線等を形成する。また、基材に形成された画素電極18やTFT素子、その他配線等を覆うように配向膜16を形成し、ラビング処理を施す。配向膜16を形成し、ラビング処理を施したら、各表示領域9の周縁部にシール材7を形成する。このとき、シール材7には、液晶を注入する注入口7aを形成しておくようにする。
【0026】
次に、カラーフィルタ基板5となる対向側マザー基板の形成工程について簡単に説明する。TFTアレイ側マザー基板の場合と同様に、ガラスやプラスチック等の透光性材料からなる大判の基材の各表示領域9に配線や電極等を形成する。次に、各表示領域9内に、金属酸化膜からなる配向膜26を形成する。配向膜26の形成については、上述の配向膜16の形成と同一の方法により行う。
【0027】
次に、TFTアレイ側マザー基板と対向側マザー基板とを貼り合わせる。両基板を近接させ、TFTアレイ側マザー基板が対向側マザー基板上のシール材に接着させるようにする。その後、カラーフィルタ基板5及びTFTアレイ基板4にスクライブ線を形成し、当該スクライブ線に沿って液晶パネルを短冊状に切断する。
【0028】
次に、切断された短冊状液晶パネルに封入された液晶の等方性処理を行う。まず、切断された短冊状液晶パネル60をパネル保持部材54上に載置する。このとき、短冊状液晶パネル60の下面60bの全面がパネル保持部材54に接触するように載置する。このパネル保持部材54を加熱・冷却装置50に搬送する。搬送されたパネル保持部材54は、図4に示すように、加熱プレート55の加熱面55a上に載置される。
【0029】
この状態でパネル保持部材54上の短冊状液晶パネル60に封入された液晶6を加熱する。具体的には、加熱プレート55内部の電熱線に所定の電流を流し、加熱プレート55から熱を発生させる。発生した熱は、加熱プレート55の加熱面55a及びパネル保持部材54を介して短冊状液晶パネル60に伝導し、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶6が加熱される。このときの加熱温度は液晶のネマチック転移温度(NI点)よりも高い温度、例えば100℃〜130℃の範囲の温度であり、加熱時間は約300秒〜1800秒の範囲の時間である。なお、加熱時間は、短冊状液晶パネル60を構成する基板の厚さによって適宜変動させることが可能である。
【0030】
次に、加熱した短冊状液晶パネル60を、パネル保持部材54ごと冷却ステージ53に搬送し、図5に示すように、パネル保持部材54を冷却プレート58の上面(第2の接触面)58aに載置する。
この状態で冷却プレート58内部の流路に冷却水を流通させ、冷却プレート58を冷却する。短冊状液晶パネルの熱は、パネル保持部材54を介して冷却プレート58へと移動し、液晶6が冷却される。このときの冷却温度(冷却プレートの温度)は約20℃〜25℃の範囲の温度であり、冷却時間は約60秒〜600秒の範囲の時間である。
【0031】
短冊状液晶パネル60を冷却した後、当該短冊状液晶パネル60の点灯検査を行う。その後、短冊状液晶パネル60をスクライブし、個々の液晶パネル2に分断する。次に、例えば超音波などによって各液晶パネル2の洗浄を行い、O2プラズマなどによってアッシングを行って液晶パネル2のうち張出領域の配向膜、特に接続端子14が設けられた部分の配向膜を除去する。また、各液晶パネル2の外側表面に偏光板19、29を貼着する。各液晶パネル2のうち配向膜を除去した接続端子14に外部回路、例えば駆動ドライバなどを実装して、液晶装置1が完成する。
【0032】
ここで、例えば短冊状液晶パネルをオーブン内などの環境下におき、熱風(冷風)を吹き付けて当該短冊状液晶パネルを加熱(冷却)することで当該短冊状液晶パネルに封入された液晶を加熱(冷却)する場合、例えばオーブン内の場所によって温度が異なる場合があり、短冊状液晶パネルを均一に加熱(冷却)できないことがある。また、熱風(冷風)を吹き付けて加熱(冷却)する場合、短冊状液晶パネルの温度が変化するのに時間がかかり、また、急激に温度差をつけることが困難である。このため、液晶配向を安定化させることが困難である。
【0033】
これに対して、本実施形態によれば、短冊状液晶パネル60にパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を加熱し、短冊状液晶パネル60にパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を冷却することにより、液晶パネルに熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶6と加熱プレート55・冷却プレート58との間の熱伝導性が向上し、液晶6の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶6の加熱時及び冷却時に、液晶6に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、本実施形態に係る液晶装置の全体構成及び液晶装置の製造工程全体の流れについては、第1実施形態に係る液晶装置1構成、製造工程とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0035】
本実施形態では、液晶装置の製造装置の構成が第1実施形態とは異なっている。また、液晶装置の製造方法において、液晶パネルをスクライブした後の加熱工程及び冷却工程の内容が第1実施形態とは異なっている。したがって、本実施形態では、この点を中心に説明する。
【0036】
(液晶装置の製造装置)
図6は、加熱・冷却装置150の構成を示す図である。
加熱・冷却装置150は、基台51上に加熱ステージ52と、冷却ステージ53と、パネル保持部材54とを有している。
加熱ステージ52は、液晶パネルを加熱する2枚の加熱プレート155、156と、当該加熱プレート155、156の温度を調節する温度調節部56とを主体として構成されている。
【0037】
加熱プレート155、156は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートであり、プレート内部には、例えば電熱線などの加熱機構が設けられている。当該加熱プレート155、156は、それぞれ加熱面(第1の接触面)155a及び156aを有しており、当該加熱面155a、156aが対向するように設けられている。
【0038】
図中下側の加熱プレート155は、例えば基台51上に固定されている。図中上側の加熱プレート156は、例えば図示しない昇降機構に保持されており、図中上下に移動可能になっている。また、温度調節部56は、例えば加熱プレート155、156内部の電熱線に流れる電流の大きさを調節することで、加熱プレート155、156の温度を調節できるようになっている。
【0039】
また、冷却ステージ53は、加熱ステージ53に隣接して設けられている。液晶パネルを冷却する冷却プレート158、159と、当該冷却プレート158、159の温度を調節する温度調節部59とを主体として構成されている。
冷却プレート158、159は、加熱プレート155、156と同様、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば冷却水や当該冷却水の流路などの冷却機構が設けられている。当該冷却プレート158、159は、それぞれ冷却面(第2の接触面)158a及び159aを有しており、当該冷却面158a、159aが対向するように設けられている。
【0040】
図中下側の冷却プレート158は、例えば基台51上に固定されている。図中上側の加熱プレート159は、例えば図示しない昇降機構に保持されており、図中上下に移動可能になっている。また、温度調節部59は、例えば冷却プレート58内部の流路を流れる冷却水の温度を調節することで、冷却プレート158、159の温度を調節できるようになっている。
【0041】
(液晶装置の製造方法)
次に、上記のように構成された液晶装置1の製造方法について、特に液晶パネルの等方性処理に関する工程を中心に、図7〜図10を参照して説明する。なお、図7〜図10では、説明をわかりやすくするため、温度調節部156、159の図示を省略している。本実施形態では、第1実施形態と同様に大面積のマザー基板を用いて複数の液晶装置を一括して形成し、切断によって個々の液晶装置に分離する方法を例に挙げて説明する。
【0042】
第1実施形態と同様の工程によって、TFTアレイ側マザー基板と対向側マザー基板とを形成し、両基板を貼り合わせて、貼り合わせた両基板を短冊状に切断する。切断された短冊状液晶パネル60(例えば、図7等参照。)に液晶を封入する。次に、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶の等方性処理を行う。
【0043】
まず、短冊状液晶パネル60をパネル保持部材54上に載置する。このとき、短冊状液晶パネル60の下面60bの全面がパネル保持部材54に接触するように載置する。このパネル保持部材54を加熱・冷却装置50に搬送する。搬送されたパネル保持部材54は、図7に示すように、加熱プレート155の加熱面155aに載置される。加熱プレート155の加熱面155aにパネル保持部材54が載置されると、図8に示すように、加熱プレート156を下降させ、当該加熱プレート156の加熱面156aを短冊状液晶パネル60の上面60aに接触させる。
【0044】
この状態でパネル保持部材54上の短冊状液晶パネル60に封入された液晶6を加熱する。具体的には、加熱プレート155、156内部の電熱線に所定の電流を流し、加熱プレート155、156から熱を発生させる。発生した熱は、加熱プレート155の加熱面155a及びパネル保持部材54を介して短冊状液晶パネル60に伝導すると同時に、加熱プレート156の加熱面156aから短冊状液晶パネル60に伝導し、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶6が加熱される。このときの加熱プレート155、156の温度は液晶のネマチック転移温度(NI点)よりも高い温度、例えば100℃〜130℃の範囲の温度である。また、加熱時間は300秒〜1800秒の範囲の時間である。
【0045】
次に、加熱した短冊状液晶パネル60を、パネル保持部材54ごと冷却ステージ53に搬送し、図9に示すように、パネル保持部材54を冷却プレート158の冷却面158aに載置する。冷却プレート158の冷却面158aにパネル保持部材54が載置されると、図10に示すように、冷却プレート159を下降させ、当該冷却プレート159の冷却面159aを短冊状液晶パネル60の上面60aに接触させる。
【0046】
この状態で冷却プレート158、159内部の流路に冷却水を流通させ、冷却プレート158、159を冷却する。液晶6の熱は、短冊状液晶パネル60の下面60bからパネル保持部材54を介して冷却プレート158の冷却面158aへと移動すると共に、短冊状液晶パネル60の上面60aから冷却プレート159の冷却面159aへと移動する。このときの冷却プレート158、159の温度は約20℃〜25℃の範囲の温度であり、冷却時間は約60秒〜600秒の範囲の時間である。
【0047】
短冊状液晶パネル60を冷却した後は、第1実施形態と同様に当該短冊状液晶パネル60の点灯検査を行い、個々の液晶パネル2に分断し、洗浄、配向膜の除去、偏光板の貼着、外部回路の実装などを行って、液晶装置が完成する。
【0048】
このように、本実施形態によれば、短冊状液晶パネル60の上面60aを加熱プレート156の加熱面156a、冷却プレート159の冷却面159aに接触させ、短冊状液晶パネル60の下面60bをパネル保持部材54に接触させることによって、第1実施形態の加熱・冷却装置50と比べて多くの熱を伝導させることができる。これにより、加熱・冷却時間のさらなる短縮を図ることができる上、より急激な温度差を形成しやすいため、一層安定した液晶配向の実現が可能となる。また、短冊状液晶パネル60の上面60a及び下面60bから液晶を加熱・冷却することにより、液晶の厚さ方向における加熱・冷却の分布が偏ることはなく、液晶を均一に加熱・冷却することができる。
【0049】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、加熱プレート及び冷却プレートに載置する液晶パネルは短冊状液晶パネル60であったが、これに限られることは無く、例えば個々に分断された液晶パネル2を加熱プレート及び冷却プレートに載置しても勿論構わない。
【0050】
また、上記実施形態では、パネル保持部材54を設けるようにしたが、これに限られることは無く、パネル保持部材54を設けずに、短冊状液晶パネル60を直に加熱プレート及び冷却プレートに接触させる構成であっても良い。これにより、加熱プレート・冷却プレートとパネルとの間で熱を直接伝達させることができるので、熱伝導性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】液晶装置の構成を示す平面図である。
【図2】液晶装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る加熱・冷却装置の構成を示す図である。
【図4】液晶装置の製造工程の様子を示す図である。
【図5】同、工程図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る加熱・冷却装置の構成を示す図である。
【図7】液晶装置の製造工程の様子を示す図である。
【図8】同、工程図である。
【図9】同、工程図である。
【図10】同、工程図である。
【符号の説明】
【0052】
1…液晶装置 2…液晶パネル 6…液晶 50、150…加熱・冷却装置 51…基台 52…加熱ステージ 53…冷却ステージ 54…パネル保持部材 55、155、156…加熱プレート 55a、155a、156a…加熱面 58a、158a、159a…冷却面 56…温度調節部 58、158、159…冷却プレート 59…温度調節部 60…短冊状液晶パネル 60a…上面 60b…下面
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、例えば一対の基板に配線や電極、配向膜などを形成し、当該一対の基板を対向配置してシール材を介してパネル状に貼り合わせ、当該パネル内に液晶を注入することによって製造される。
液晶を注入する際には、パネル内に進入していく液晶の軌跡(注入軌跡)が残ってしまう場合があり、液晶配向が不安定になる原因となっている。注入軌跡を除去するため、パネル内に液晶を注入した後に等方性処理を行っている。等方性処理は、液晶の温度を一旦ネマチック転移温度よりも高い温度に加熱し、当該加熱した液晶を冷却することによって行われる(例えば、特許文献1参照)。加熱・冷却については、例えば液晶パネルに熱風・冷風を吹きつける手法が一般的である。かかる等方性処理においては、加熱・冷却を急激に行うほど、液晶配向が安定化することが知られている。
【特許文献1】特開2002−107742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、液晶が封入された一対の基板に熱風・冷風を吹き付けて当該液晶を加熱・冷却する手法では、液晶の温度が変化するのに時間がかかり、また、急激に温度差をつけることが困難である。このため、液晶配向を安定化させることが困難である。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、等方性処理に要する時間を短縮することができ、安定した液晶配向を実現可能な液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係る液晶装置の製造方法は、対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板の間に前記液晶を封入させる液晶封入工程と、前記一対の基板の少なくとも一方を加熱部材に接触させた状態で、前記加熱部材を介して前記液晶を加熱する加熱工程と、前記液晶を加熱した後、前記一対の基板の少なくとも一方を冷却部材に接触させた状態で、前記冷却部材を介して前記液晶を冷却する冷却工程とを具備することを特徴とする。
【0005】
本発明によれば、一対の基板の少なくとも一方に加熱部材を接触させた状態で液晶を加熱し、一対の基板の少なくとも一方に冷却部材を接触させた状態で液晶を冷却することにより、一対の基板に熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱部材・冷却部材と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶と加熱部材・冷却部材との間の熱伝導性が向上し、液晶の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱部材・冷却部材と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶の加熱時及び冷却時に、液晶に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【0006】
なお、「一対の基板に接触」している状態については、一対の基板に熱を直接的に伝導可能な状態で接触している状態をいうものとする。例えば、加熱部材・冷却部材が一対の基板に直接接触している場合及び加熱部材・冷却部材が例えば他の部材を介して間接的に接触している場合を含むものとする。他の部材とは、例えば一対の基板を保持する保持部材などである。この場合、一対の基板と加熱部材・冷却部材とは、保持部材を介して接触していることとなる。
【0007】
また、前記加熱工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、一対の基板の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させることによって、液晶との間で熱の伝達が面で行われるため、効率的に熱を伝えることができる。
【0008】
また、前記加熱工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、一対の基板の両方の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させることによって、一方の基板面を加熱部材・冷却部材に接触させる場合と比べて多くの熱を伝導させることができる。これにより、さらなる加熱・冷却の時間短縮を図ることができる上、より急激な温度差を形成しやすいため、一層安定した液晶配向の実現が可能となる。
また、両方の基板面から液晶を加熱・冷却することにより、液晶の厚さ方向における加熱・冷却の分布が偏ることはなく、液晶を均一に加熱・冷却することができる。これにより、液晶の場所によって配向が異なるのを防ぐことができ、均一な配向とすることができる。
【0009】
また、前記加熱工程では、前記基板面のほぼ全面を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、前記基板面のほぼ全面を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、基板面のほぼ全面を加熱部材及び冷却部材に接触させることにより、液晶を基板面の方向に均一に加熱・冷却することができる。
【0010】
また、前記一対の基板を複数の液晶装置に分断する分断工程を更に具備し、前記加熱工程では、分断された前記一対の基板を前記加熱部材に接触させ、前記冷却工程では、分断された前記一対の基板を前記冷却部材に接触させることが好ましい。
本発明によれば、分断された一対の基板を加熱部材・冷却部材に接触させて加熱・冷却を行うので、例えば分断する前の大判状の一対の基板を加熱・冷却する場合に比べて、熱容量を減少させることができる。これにより、加熱・冷却時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
本発明に係る液晶装置の製造装置は、対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造装置であって、前記一対の基板に接触する第1の接触面を有し、前記第1の接触面を介して前記液晶を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に隣接して設けられ、前記一対の基板に接触する第2の接触面を有し、前記第2の接触面を介して前記液晶を冷却する冷却部材と、前記加熱部材の加熱温度及び前記冷却部材の冷却温度を調節する温度調節手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
一対の基板に熱風・温風を吹きつける場合では、当該一対の基板の周囲の温度によって加熱温度・冷却温度が変化するため、熱風を吹き付ける処理室と冷風を吹きつける処理室とを別個に設ける必要があった。これに対して、本発明では、一対の基板に加熱部材(第1の接触面)及び冷却部材(第2の接触面)を接触させて直接的に加熱・冷却を行うので、一対の基板の周囲の温度を考慮する必要がほとんど無い。このため、加熱部材に隣接して冷却部材を設けることができ、装置の小型化が可能となる。
【0013】
また、加熱部材に隣接して冷却部材が設けられているので、一対の基板に加熱部材を接触させて液晶を加熱する処理と、一対の基板に冷却部材を接触させて液晶を冷却する処理とを連続化させやすくすることができる。これにより、液晶の急激な加熱・冷却が行いやすくなるため、液晶配向の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
(液晶装置)
図1は、液晶装置1の全体構成を示す図である。本実施形態では、スイッチング素子に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置を例に挙げて説明する。
図1に示すように、液晶装置1は、液晶パネル2と、バックライト3とを主体として構成されている。
【0015】
液晶パネル2は、TFTアレイ基板4とカラーフィルタ基板5とがシール材7によって貼り合わされ、このシール材7によって区画された領域内に液晶層6が封入された構成になっている。シール材7の一部には液晶を注入する注入口7aが設けられており、当該注入口7aは封止材7bにより封止されている。シール材7の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)8が形成されている。周辺見切り8の内側の領域は、画像や動画等を表示する表示領域9になっている。表示領域9には、複数のドット領域10がマトリクス状に設けられている。
【0016】
TFTアレイ基板4の周縁部は、カラーフィルタ基板5から張り出した張出領域になっている。この張出領域のうち図中左辺側及び右辺側には、走査信号を生成する走査線駆動回路11が形成されている。図中上辺側には、左右の走査線駆動回路11の間を接続する配線13が引き回されている。図中下辺側には、データ信号を生成するデータ線駆動回路12と、外部の回路等に接続するための接続端子14とが形成されている。走査線駆動回路11と接続端子14との間の領域には、両者を接続する配線15が形成されている。カラーフィルタ基板5の各角部には、TFTアレイ基板4とカラーフィルタ基板5との間で電気的に接続するための基板間導通材17が設けられている。
【0017】
図2は、図1のA−A断面に沿った構成を示す図である。
TFTアレイ基板4は、例えばガラスや石英等の透光性の高い材料から形成された基材4aと、この基材4aの液晶側に形成された画素電極18と、この画素電極18上に形成された配向膜16とを主体として構成されている。画素電極18は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電材料によって形成されている。この他、画素電極18には、図示しないTFT素子が接続されており、TFT素子には、図示しない走査線及びデータ線が接続されている。TFTアレイ基板4の外側(液晶層6とは反対側)には、偏光板19が貼付されている。
【0018】
カラーフィルタ基板5は、TFTアレイ基板4と同様にガラスや石英等の透光性材料からなる基材5aの液晶側に、例えば赤色層、緑色層、青色層の3色の色層からなるカラーフィルタ層30が形成され、当該カラーフィルタ層30の周囲には遮光膜31が形成されている。また、カラーフィルタ層30及び遮光膜31を覆うように共通電極28が形成され、当該共通電極28上には配向膜26が形成されている。共通電極28は、画素電極18と同様、例えばITO等の透明な導電材料によって形成されている。
【0019】
液晶層6は、例えばフッ素系液晶化合物や非フッ素系液晶化合物等の液晶分子32によって構成されており、TFTアレイ基板4側の配向膜16とカラーフィルタ基板5側の配向膜26との双方に接するように両基板に挟持されている。液晶分子32の配向は、非選択電圧を印加したときに所定の方向に向くように、配向膜16及び配向膜26によって規制されている。
【0020】
(液晶装置の製造装置)
次に、液晶装置の製造装置(加熱・冷却装置)の説明をする。
図3は、加熱・冷却装置50の構成を示す図である。
加熱・冷却装置50は、基台51上に加熱ステージ52と、冷却ステージ53と、パネル保持部材54とを有している。
【0021】
加熱ステージ52は、液晶パネル2を加熱する加熱プレート55と、当該加熱プレート55の温度を調節する温度調節部56とを主体として構成されている。
加熱プレート55は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば電熱線などの加熱機構が設けられている。温度調節部56は、例えば加熱プレート55内部の電熱線に流れる電流の大きさを調節することで、加熱プレート55の温度を調節することができるようになっている。
【0022】
冷却ステージ53は、液晶パネルを冷却する冷却プレート58と、当該冷却プレート58の温度を調節する温度調節部59とを主体として構成されており、加熱ステージ52に隣接して設けられている。
冷却プレート58は、加熱プレート55と同様、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば冷却水や当該冷却水の流路などの冷却機構が設けられている。温度調節部59は、例えば冷却プレート58内部の流路を流れる冷却水の温度を調節することで、冷却プレート58の温度を調節する。
【0023】
パネル保持部材54は、液晶パネルが載置される板状部材であり、例えばアルミニウムなどの材料によって形成されている。パネル保持部材54には、液晶パネルが載置され、保持されるようになっている。また、このパネル保持部材54を、液晶パネルを保持したまま、加熱プレート55から冷却プレート58に搬送する搬送機構(図示しない)が設けられている。
【0024】
(液晶装置の製造方法)
次に、上記のように構成された液晶装置1の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4及び図5では、説明をわかりやすくするため、温度調節部56、59の図示を省略している。本実施形態では、大面積のマザー基板を用いて複数の液晶装置を一括して形成し、切断によって個々の液晶装置1に分離する方法を例に挙げて説明する。
【0025】
まず、TFTアレイ基板4となるTFTアレイ側マザー基板の形成工程について簡単に説明する。ガラスやプラスチック等の透光性材料からなる大判の基材の各表示領域9に、画素電極18やTFT素子、その他配線等を形成する。また、基材に形成された画素電極18やTFT素子、その他配線等を覆うように配向膜16を形成し、ラビング処理を施す。配向膜16を形成し、ラビング処理を施したら、各表示領域9の周縁部にシール材7を形成する。このとき、シール材7には、液晶を注入する注入口7aを形成しておくようにする。
【0026】
次に、カラーフィルタ基板5となる対向側マザー基板の形成工程について簡単に説明する。TFTアレイ側マザー基板の場合と同様に、ガラスやプラスチック等の透光性材料からなる大判の基材の各表示領域9に配線や電極等を形成する。次に、各表示領域9内に、金属酸化膜からなる配向膜26を形成する。配向膜26の形成については、上述の配向膜16の形成と同一の方法により行う。
【0027】
次に、TFTアレイ側マザー基板と対向側マザー基板とを貼り合わせる。両基板を近接させ、TFTアレイ側マザー基板が対向側マザー基板上のシール材に接着させるようにする。その後、カラーフィルタ基板5及びTFTアレイ基板4にスクライブ線を形成し、当該スクライブ線に沿って液晶パネルを短冊状に切断する。
【0028】
次に、切断された短冊状液晶パネルに封入された液晶の等方性処理を行う。まず、切断された短冊状液晶パネル60をパネル保持部材54上に載置する。このとき、短冊状液晶パネル60の下面60bの全面がパネル保持部材54に接触するように載置する。このパネル保持部材54を加熱・冷却装置50に搬送する。搬送されたパネル保持部材54は、図4に示すように、加熱プレート55の加熱面55a上に載置される。
【0029】
この状態でパネル保持部材54上の短冊状液晶パネル60に封入された液晶6を加熱する。具体的には、加熱プレート55内部の電熱線に所定の電流を流し、加熱プレート55から熱を発生させる。発生した熱は、加熱プレート55の加熱面55a及びパネル保持部材54を介して短冊状液晶パネル60に伝導し、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶6が加熱される。このときの加熱温度は液晶のネマチック転移温度(NI点)よりも高い温度、例えば100℃〜130℃の範囲の温度であり、加熱時間は約300秒〜1800秒の範囲の時間である。なお、加熱時間は、短冊状液晶パネル60を構成する基板の厚さによって適宜変動させることが可能である。
【0030】
次に、加熱した短冊状液晶パネル60を、パネル保持部材54ごと冷却ステージ53に搬送し、図5に示すように、パネル保持部材54を冷却プレート58の上面(第2の接触面)58aに載置する。
この状態で冷却プレート58内部の流路に冷却水を流通させ、冷却プレート58を冷却する。短冊状液晶パネルの熱は、パネル保持部材54を介して冷却プレート58へと移動し、液晶6が冷却される。このときの冷却温度(冷却プレートの温度)は約20℃〜25℃の範囲の温度であり、冷却時間は約60秒〜600秒の範囲の時間である。
【0031】
短冊状液晶パネル60を冷却した後、当該短冊状液晶パネル60の点灯検査を行う。その後、短冊状液晶パネル60をスクライブし、個々の液晶パネル2に分断する。次に、例えば超音波などによって各液晶パネル2の洗浄を行い、O2プラズマなどによってアッシングを行って液晶パネル2のうち張出領域の配向膜、特に接続端子14が設けられた部分の配向膜を除去する。また、各液晶パネル2の外側表面に偏光板19、29を貼着する。各液晶パネル2のうち配向膜を除去した接続端子14に外部回路、例えば駆動ドライバなどを実装して、液晶装置1が完成する。
【0032】
ここで、例えば短冊状液晶パネルをオーブン内などの環境下におき、熱風(冷風)を吹き付けて当該短冊状液晶パネルを加熱(冷却)することで当該短冊状液晶パネルに封入された液晶を加熱(冷却)する場合、例えばオーブン内の場所によって温度が異なる場合があり、短冊状液晶パネルを均一に加熱(冷却)できないことがある。また、熱風(冷風)を吹き付けて加熱(冷却)する場合、短冊状液晶パネルの温度が変化するのに時間がかかり、また、急激に温度差をつけることが困難である。このため、液晶配向を安定化させることが困難である。
【0033】
これに対して、本実施形態によれば、短冊状液晶パネル60にパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を加熱し、短冊状液晶パネル60にパネル保持部材54を接触させた状態で液晶6を冷却することにより、液晶パネルに熱風や冷風を吹き付ける場合に比べて、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間で熱をより直接的に伝導させることができる。これにより、液晶6と加熱プレート55・冷却プレート58との間の熱伝導性が向上し、液晶6の加熱・冷却に要する時間を短縮することができる。また、加熱プレート55・冷却プレート58と液晶との間の熱伝導性が向上することにより、液晶6の加熱時及び冷却時に、液晶6に急激な温度差をつけることが可能になるため、液晶配向の安定化が可能となる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、本実施形態に係る液晶装置の全体構成及び液晶装置の製造工程全体の流れについては、第1実施形態に係る液晶装置1構成、製造工程とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0035】
本実施形態では、液晶装置の製造装置の構成が第1実施形態とは異なっている。また、液晶装置の製造方法において、液晶パネルをスクライブした後の加熱工程及び冷却工程の内容が第1実施形態とは異なっている。したがって、本実施形態では、この点を中心に説明する。
【0036】
(液晶装置の製造装置)
図6は、加熱・冷却装置150の構成を示す図である。
加熱・冷却装置150は、基台51上に加熱ステージ52と、冷却ステージ53と、パネル保持部材54とを有している。
加熱ステージ52は、液晶パネルを加熱する2枚の加熱プレート155、156と、当該加熱プレート155、156の温度を調節する温度調節部56とを主体として構成されている。
【0037】
加熱プレート155、156は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートであり、プレート内部には、例えば電熱線などの加熱機構が設けられている。当該加熱プレート155、156は、それぞれ加熱面(第1の接触面)155a及び156aを有しており、当該加熱面155a、156aが対向するように設けられている。
【0038】
図中下側の加熱プレート155は、例えば基台51上に固定されている。図中上側の加熱プレート156は、例えば図示しない昇降機構に保持されており、図中上下に移動可能になっている。また、温度調節部56は、例えば加熱プレート155、156内部の電熱線に流れる電流の大きさを調節することで、加熱プレート155、156の温度を調節できるようになっている。
【0039】
また、冷却ステージ53は、加熱ステージ53に隣接して設けられている。液晶パネルを冷却する冷却プレート158、159と、当該冷却プレート158、159の温度を調節する温度調節部59とを主体として構成されている。
冷却プレート158、159は、加熱プレート155、156と同様、例えばアルミニウム等の熱伝導性の高い金属によって構成された矩形のプレートである。プレート内部には、例えば冷却水や当該冷却水の流路などの冷却機構が設けられている。当該冷却プレート158、159は、それぞれ冷却面(第2の接触面)158a及び159aを有しており、当該冷却面158a、159aが対向するように設けられている。
【0040】
図中下側の冷却プレート158は、例えば基台51上に固定されている。図中上側の加熱プレート159は、例えば図示しない昇降機構に保持されており、図中上下に移動可能になっている。また、温度調節部59は、例えば冷却プレート58内部の流路を流れる冷却水の温度を調節することで、冷却プレート158、159の温度を調節できるようになっている。
【0041】
(液晶装置の製造方法)
次に、上記のように構成された液晶装置1の製造方法について、特に液晶パネルの等方性処理に関する工程を中心に、図7〜図10を参照して説明する。なお、図7〜図10では、説明をわかりやすくするため、温度調節部156、159の図示を省略している。本実施形態では、第1実施形態と同様に大面積のマザー基板を用いて複数の液晶装置を一括して形成し、切断によって個々の液晶装置に分離する方法を例に挙げて説明する。
【0042】
第1実施形態と同様の工程によって、TFTアレイ側マザー基板と対向側マザー基板とを形成し、両基板を貼り合わせて、貼り合わせた両基板を短冊状に切断する。切断された短冊状液晶パネル60(例えば、図7等参照。)に液晶を封入する。次に、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶の等方性処理を行う。
【0043】
まず、短冊状液晶パネル60をパネル保持部材54上に載置する。このとき、短冊状液晶パネル60の下面60bの全面がパネル保持部材54に接触するように載置する。このパネル保持部材54を加熱・冷却装置50に搬送する。搬送されたパネル保持部材54は、図7に示すように、加熱プレート155の加熱面155aに載置される。加熱プレート155の加熱面155aにパネル保持部材54が載置されると、図8に示すように、加熱プレート156を下降させ、当該加熱プレート156の加熱面156aを短冊状液晶パネル60の上面60aに接触させる。
【0044】
この状態でパネル保持部材54上の短冊状液晶パネル60に封入された液晶6を加熱する。具体的には、加熱プレート155、156内部の電熱線に所定の電流を流し、加熱プレート155、156から熱を発生させる。発生した熱は、加熱プレート155の加熱面155a及びパネル保持部材54を介して短冊状液晶パネル60に伝導すると同時に、加熱プレート156の加熱面156aから短冊状液晶パネル60に伝導し、当該短冊状液晶パネル60に封入された液晶6が加熱される。このときの加熱プレート155、156の温度は液晶のネマチック転移温度(NI点)よりも高い温度、例えば100℃〜130℃の範囲の温度である。また、加熱時間は300秒〜1800秒の範囲の時間である。
【0045】
次に、加熱した短冊状液晶パネル60を、パネル保持部材54ごと冷却ステージ53に搬送し、図9に示すように、パネル保持部材54を冷却プレート158の冷却面158aに載置する。冷却プレート158の冷却面158aにパネル保持部材54が載置されると、図10に示すように、冷却プレート159を下降させ、当該冷却プレート159の冷却面159aを短冊状液晶パネル60の上面60aに接触させる。
【0046】
この状態で冷却プレート158、159内部の流路に冷却水を流通させ、冷却プレート158、159を冷却する。液晶6の熱は、短冊状液晶パネル60の下面60bからパネル保持部材54を介して冷却プレート158の冷却面158aへと移動すると共に、短冊状液晶パネル60の上面60aから冷却プレート159の冷却面159aへと移動する。このときの冷却プレート158、159の温度は約20℃〜25℃の範囲の温度であり、冷却時間は約60秒〜600秒の範囲の時間である。
【0047】
短冊状液晶パネル60を冷却した後は、第1実施形態と同様に当該短冊状液晶パネル60の点灯検査を行い、個々の液晶パネル2に分断し、洗浄、配向膜の除去、偏光板の貼着、外部回路の実装などを行って、液晶装置が完成する。
【0048】
このように、本実施形態によれば、短冊状液晶パネル60の上面60aを加熱プレート156の加熱面156a、冷却プレート159の冷却面159aに接触させ、短冊状液晶パネル60の下面60bをパネル保持部材54に接触させることによって、第1実施形態の加熱・冷却装置50と比べて多くの熱を伝導させることができる。これにより、加熱・冷却時間のさらなる短縮を図ることができる上、より急激な温度差を形成しやすいため、一層安定した液晶配向の実現が可能となる。また、短冊状液晶パネル60の上面60a及び下面60bから液晶を加熱・冷却することにより、液晶の厚さ方向における加熱・冷却の分布が偏ることはなく、液晶を均一に加熱・冷却することができる。
【0049】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、加熱プレート及び冷却プレートに載置する液晶パネルは短冊状液晶パネル60であったが、これに限られることは無く、例えば個々に分断された液晶パネル2を加熱プレート及び冷却プレートに載置しても勿論構わない。
【0050】
また、上記実施形態では、パネル保持部材54を設けるようにしたが、これに限られることは無く、パネル保持部材54を設けずに、短冊状液晶パネル60を直に加熱プレート及び冷却プレートに接触させる構成であっても良い。これにより、加熱プレート・冷却プレートとパネルとの間で熱を直接伝達させることができるので、熱伝導性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】液晶装置の構成を示す平面図である。
【図2】液晶装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る加熱・冷却装置の構成を示す図である。
【図4】液晶装置の製造工程の様子を示す図である。
【図5】同、工程図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る加熱・冷却装置の構成を示す図である。
【図7】液晶装置の製造工程の様子を示す図である。
【図8】同、工程図である。
【図9】同、工程図である。
【図10】同、工程図である。
【符号の説明】
【0052】
1…液晶装置 2…液晶パネル 6…液晶 50、150…加熱・冷却装置 51…基台 52…加熱ステージ 53…冷却ステージ 54…パネル保持部材 55、155、156…加熱プレート 55a、155a、156a…加熱面 58a、158a、159a…冷却面 56…温度調節部 58、158、159…冷却プレート 59…温度調節部 60…短冊状液晶パネル 60a…上面 60b…下面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板の間に前記液晶を封入させる液晶封入工程と、
前記一対の基板の少なくとも一方を加熱部材に接触させた状態で、前記加熱部材を介して前記液晶を加熱する加熱工程と、
前記液晶を加熱した後、前記一対の基板の少なくとも一方を冷却部材に接触させた状態で、前記冷却部材を介して前記液晶を冷却する冷却工程と
を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項2】
前記加熱工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項4】
前記加熱工程では、前記基板面のほぼ全面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記基板面のほぼ全面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項5】
前記一対の基板を複数の液晶装置に分断する分断工程を更に具備し、
前記加熱工程では、分断された前記一対の基板を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、分断された前記一対の基板を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項6】
対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造装置であって、
前記一対の基板に接触する第1の接触面を有し、前記第1の接触面を介して前記液晶を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に隣接して設けられ、前記一対の基板に接触する第2の接触面を有し、前記第2の接触面を介して前記液晶を冷却する冷却部材と、
前記加熱部材の加熱温度及び前記冷却部材の冷却温度を調節する温度調節手段と
を具備することを特徴とする液晶装置の製造装置。
【請求項1】
対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板の間に前記液晶を封入させる液晶封入工程と、
前記一対の基板の少なくとも一方を加熱部材に接触させた状態で、前記加熱部材を介して前記液晶を加熱する加熱工程と、
前記液晶を加熱した後、前記一対の基板の少なくとも一方を冷却部材に接触させた状態で、前記冷却部材を介して前記液晶を冷却する冷却工程と
を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項2】
前記加熱工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記一対の基板の一方の基板面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記一対の基板の両方の基板面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項4】
前記加熱工程では、前記基板面のほぼ全面を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、前記基板面のほぼ全面を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項5】
前記一対の基板を複数の液晶装置に分断する分断工程を更に具備し、
前記加熱工程では、分断された前記一対の基板を前記加熱部材に接触させ、
前記冷却工程では、分断された前記一対の基板を前記冷却部材に接触させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項6】
対向配置された一対の基板に液晶を挟持してなる液晶装置の製造装置であって、
前記一対の基板に接触する第1の接触面を有し、前記第1の接触面を介して前記液晶を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に隣接して設けられ、前記一対の基板に接触する第2の接触面を有し、前記第2の接触面を介して前記液晶を冷却する冷却部材と、
前記加熱部材の加熱温度及び前記冷却部材の冷却温度を調節する温度調節手段と
を具備することを特徴とする液晶装置の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−78913(P2007−78913A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264681(P2005−264681)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(304053854)三洋エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(304053854)三洋エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】
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