説明

液滴付着装置

【課題】駆動回路手段とアクチュエータ手段とのうちの少なくとも一方を冷却可能な液滴付着装置を提供する。
【解決手段】一列に横並びに配された複数の流体チャンネルと、アクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段に駆動電気信号を供給する駆動回路手段と、複数のノズルと、を有する、少なくとも一つの液滴射出ユニットと、流体を前記少なくとも一つの液滴射出ユニットの前記複数の流体チャンネルそれぞれに運ぶ一つ以上の流体導管と、冷却剤流体を運ぶさらなる導管であって、液滴を射出するときに発生する熱の少なくとも一部を前記冷却剤流体に移動させるように前記駆動回路手段と前記アクチュエータ手段とのうちの少なくとも一方に十分に近接した一つ以上の冷却剤導管と、を備えることを特徴とする液滴付着装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴付着装置例えばドロップ−オン−デマンドインクジェットプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷の速度を早めるために、インクジェットプリントヘッドは、代表的には、設けられるインクジェットチャンネルの数を増加する。例えば、500個より多いインク射出チャンネルを有する市販のインクジェットプリントヘッドが存在し、そして将来には、いわゆる「ページ全体(pagewide)のプリンター」が2000個より多いインク射出チャンネルを備えるプリントヘッドを備えることになることが予想される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、少なくともその好ましい態様では、駆動回路手段とアクチュエータ手段とのうちの少なくとも一方を冷却可能な液滴付着装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様では、本発明は、
一列に横並びに配された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通して流体チャンネルから流体液滴を射出させる機能をもっている、少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該少なくとも1つの液滴射出ユニット用の支持部材;及び
該列に沿い且つ該支持部材と該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の一方の列に延在する、少なくとも1つの液滴射出ユニットの各自の流体チャンネルに液滴状流体を運ぶための導管からなる液滴付着装置を提供する。
【0005】
装置が複数の液滴射出ユニットからなるとき、第一の導管は、好ましくは、該複数の液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれに液滴流体を運ぶような構造を有する。従って、すべてのインクチャンネルは、1つの導管からインクを供給される。これは、インクチャンネルへインクを輸送するのに要求されるインク供給チャンネルまたは導管の数を顕著に低下させ、それにより機械の構造を簡単にしそしてコンパクトな液滴付着装置を提供することができる。
【0006】
好ましくは、装置は、該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれから出る液滴流体を輸送するための第二の導管からなる。
【0007】
1つの態様では、複数の列のチャンネルが存在し、液滴射出ユニットは、流体チャンネルの隣接する列の流体チャンネルの少なくともいくつかが実質的に同軸であるように支持部材上に配置される。従って、多数の同軸のインクチャンネルのための1つの流体入口及び1つの流体出口が、実際には存在する。これは、プリントヘッドの供給紙の方向のサイズを顕著に減少させる。これは、また、プリントヘッドの組立を供給紙の方向に密にさせ、正確な液滴の配置、コンパクトなプリンター従ってより低いコストを有利に達成させる。
【0008】
好ましい装置では、各流体チャンネルの長手部分は、第一の方向に延在し、そして該少なくとも1つの列は、該第一の方向と実質的に直交する第二の方向に延在する。この装置では、好ましくは、少なくとも1つの液滴射出ユニットは、第二の方向に延在する流体チャンネルの少なくとも1つの列が存在するように、支持部材上に配置される。
【0009】
装置のコンポーネント例えば駆動回路の密度の増加は、発熱による問題を生ずる。そのため、好ましくは、導管の少なくとも1つを、液滴射出中発生する熱の実質的な量を、導管により運ばれる液滴流体へ移動するように配置される。
【0010】
装置は、アクチュエータ手段への電気信号の供給のための駆動回路手段を備えることができる。駆動回路手段は、駆動回路手段に発生する熱の実質的な量を液滴流体へ移動するように、冷却剤輸送導管に最も近く配置される。駆動回路の冷却は、従って、液滴射出ユニットへの熱移動を減少させることにより達成できる。これは、駆動回路による液滴流体の加熱により生ずる流体の粘度の変動による液滴射出速度のすべての変化を低下させる。駆動回路手段は、好ましくは、支持部材上に設けられ、支持部材は第三の導管と熱を移動できるように接触する。好ましくは、第三の導管は、支持部材に形成される開口を備える。
【0011】
従って、他の態様では、本発明は、
一列に横並びに配置された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段、該アクチュエータ手段に加動電気信号を送るための駆動回路手段並びに複数のノズルからなり、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通って流体チャンネルから流体の液滴を射出するように加動できる少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれに液滴流体を運ぶための流体輸送手段;及び
冷却剤流体を運ぶためのさらなる冷却剤輸送手段からなり、該駆動回路手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの少なくとも1つが、該冷却剤流体への液滴射出中発生する熱の実質的部分を移動するように該冷却剤輸送手段に最も近い位置にある液滴付着装置を提供する。
【0012】
好ましくは、該少なくとも1つの液滴射出ユニット及び該駆動回路手段の少なくとも1つは、該冷却剤輸送手段上に設けられる。さらに好ましくは、該少なくとも1つの液滴射出ユニット及び該駆動回路手段の両者は、その上に設けられる。
【0013】
好ましくは、流体輸送手段は、該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれへ液滴流体を運ぶために、該列に沿って延在しかつ該冷却剤輸送手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の1面に延在する導管を備える。流体輸送手段は、好ましくはまた、該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれから液滴流体を受容するために、該列に沿って延在しかつ該冷却剤輸送手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の他の面に延在する第二の導管を備える。
【0014】
別の装置では、2つの列の流体チャンネルが存在し、各列は、その列に流体を運ぶためにそれぞれの導管を有するそれぞれの支持部材上に配置される。好ましくは、さらなる導管は、流体チャンネルの両者の列から離れて液滴流体を運ぶように配置される。第二の導管は、好ましくは支持部材の間に延在する。
【0015】
1つの態様では、少なくとも1つの列は第一の方向に延在し、そしてチャンネルの長手方向は、第一の方向と実質的に同一平面にあるがそれと直交する第二の方向に延在し、支持部材は、該第二の方向の流体チャンネルの長さ×n(但し、nはチャンネルの列の数である)に実質的に等しい該第二の方向の寸法を有する。装置の幅を供給紙の方向で減少させることにより、第二の方向でインクチャンネルを合わせた長さに実質的に等しい厚さを有する支持部材を形成することによって、紙/プリントヘッドの配列及びドットの位置合わせ精度が改良される。射出ユニットがそれから代表的に形成されるPZTは、比較的高価であり、そのため、チャンネルの最大数が最低量のPZTでもたらされるのを確実に行うことが好都合になる。
【0016】
従って、他の態様では、本発明は、
第一の方向に延在する一列に横並びに配置された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、該チャンネルの長手部分が該第一の方向と実質的に同一平面にあるがそれと直交する第二の方向に延在し、各ノズルが、該第一及び第二の方向に実質的に直交する第三の方向に延在するノズル軸を有し、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通って流体チャンネルから流体液滴を射出するように加動できる少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該流体チャンネルに液滴流体を運ぶための手段;及び
該少なくとも1つの液滴射出ユニットのための支持部材であって、該少なくとも1つの液滴射出ユニットが、該第一の方向に延在する流体チャンネルのn列(但し、nは整数である)が存在するように該支持部材上に配置され、該支持部材が、該第二の方向の流体チャンネルの長さ×nに実質的に等しい該第二の方向の寸法を有する支持部材
からなる液滴付着装置を提供する。
【0017】
別の装置では、支持部材は、実質的にU字形の部材のアームからなり、少なくとも1つの液滴射出ユニットが、U字形の部材のアームのそれぞれの末端で支持されている。
【0018】
好ましくは、第二の導管は、U字形の部材のアームにより支持される液滴射出ユニットから液滴流体を運ぶためにU字形部材のアームの間に延在する。この装置により、装置は、それぞれのアームにより支持されるそれぞれの液滴射出ユニットへ液滴流体をそれぞれ運ぶための導管の組からなり、それぞれの導管は、U字形部材のそれぞれのアームの外面に沿って延在する。
【0019】
他の装置では、装置は、支持部材により導管の少なくとも一部を画成するための支持部材に接して延在するカバー部材を備える。
【0020】
支持部材及びカバー部材は、支持部材及びカバー部材により導管を画成する基礎に結合できる。それゆえ、装置のコンポーネントの数は、例えば基礎、カバー部材及び支持部材が複数の機能(導管の定義を含む)をはたすために、減らすことができる。
【0021】
他の態様では、本発明は、
支持部材;
該支持部材に結合しそして一列に横並びで配置された複数の流体チャンネルからなる少なくとも1つの液滴射出ユニット;及び
該支持部材の側面に接して延在して該支持部材とともに該流体チャンネルに流体を運ぶための該列に沿って延在する第一の導管並びに該流体チャンネルから流体を運ぶための該列に沿って延在する第二の導管を画成するカバー部材
からなる液滴付着装置を提供する。
【0022】
それぞれの液滴射出ユニットは、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、アクチュエータ手段は、それぞれのノズルを通って流体チャンネルから流体の液滴を射出するように加動できる。
【0023】
カバーは、液滴を該流体チャンネルから射出させるための開口を備えることができる。これらの開口は、好ましくは、カバー部材にエッチングされる。1つの装置では、ノズルはカバーに形成される。他の装置では、ノズルは、カバーにより支持されるノズルプレートに形成され、各流体チャンネルは、それぞれの開口をへてそれぞれのノズルと流体で連絡する。カバー部材及びノズルプレートの両者の使用は、ノズルをインク室に関して精密に位置合わせることが、より厳密を要しなくなるため、ノズルプレートのノズルのレーザーアブレーションについて許容度を拡大させる。ノズルプレートがカバーにより支持されるため、カバーは薄くなり、それによりコストを削減できる。カバーは、好ましくは、支持部材のそれと実質的に等しい熱膨脹係数を有する物質から形成される。
【0024】
カバーは、好ましくは、金属物質、例えばモリブデンまたはナイロ(Nilo)(ニッケル/鉄合金)から形成される。
【0025】
それぞれの液滴射出ユニットは、第一の分極方向に分極された第一のピエゾ電気層、並びに該第一のピエゾ電気層上で該第一の分極方向に反対の方向に分極された第二のピエゾ電気層からなり、該流体チャンネルは、該第一及び第二のピエゾ電気層に形成される。従って、流体チャンネルの壁は、いわゆる「山形(chevron)」の形の壁アクチュエータとして働くことができる。これらのアクチュエータは、それらが、同様なせん断モードカンチレバータイプアクチュエータまたは他の従来のピエゾ電気ドロップオンデマンドアクチュエータより、操作中流体チャンネル中に同じ圧を確立するために、必要とする加動電圧が低くなるので、有利であることが知られている。
【0026】
第一のピエゾ電気層は、該支持部材に直接結合できる。射出ユニットのこの簡単な装置は、層が支持部材上に原位置で存在しそれにより製造が容易になるとき、第一及び第二のピエゾ電気層にチャンネルを機械加工できる。この装置では、支持部材は、好ましくはセラミック物質から形成される。
【0027】
別の装置では、第一のピエゾ電気層は、セラミック物質から形成される基層上に形成され、該基層は該支持部材に結合される。
【0028】
ノズルの軸は、該少なくとも1つの列の方向に実質的に直交する方向に延在できる。換言すれば、液滴射出ユニットは、液滴がインクチャンネルの頂点から射出される「エッジ・シューター(edge shooter)」である。
【0029】
本発明は、図を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】液滴射出ユニットのモジュールの透視図を示す。
【図2】図1に示されるモジュールの側面図を示す。
【図3】電極及びその上に形成された相互接続トラックを有する図1のモジュールの透視図を示す。
【図4】液滴射出モジュールに接続された単一の駆動回路の透視図を示す。
【図5】液滴射出モジュールに接続された2つの駆動回路の透視図を示す。
【図6】モジュールへの流体の供給のためのそれに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の第一の態様の透視図を示す。
【図7】それに結合した吸熱源を有する図6に示された装置の透視図を示す。
【図8】プリントヘッドにおける図7に示される装置の第一の配列を示す。
【図9】プリントヘッドにおける図7に示される装置の第二の配列を示す。
【図10】プリントヘッドにおける図7に示される装置の第三の配列を示す。
【図11】支持部材に結合した複数の液滴射出モジュールの装置の第二の態様の側面図を示す。
【図12】モジュールへの流体の供給のための流体導管を有する図11に示される態様の分解透視図を示す。
【図13】図12に示される装置へのノズルプレートの結合の透視図を示す。
【図14】支持部材に結合した複数の液滴射出モジュールの装置の第三の態様の透視図を示す。
【図15】モジュールへの流体の供給のための流体導管を画成するためにそれに結合したカバー部材を有する図14に示される装置の側面図を示す。
【図16】基礎に結合した図15に示される装置の一部の側面図を示す。
【図17】インクチャンネルからのインクの射出のためのカバーに形成された開口を有する図15に示される装置の透視図を示す。
【図18】カバーに結合したノズルプレートを有する図15に示される装置の透視図を示す。
【図19】支持部材に結合した複数の液滴射出モジュールの装置の第四の態様の透視図を示す。
【図20】モジュールへの流体の供給のための流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の第五の態様の側面図を示す。
【図21】それに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図を示す。
【図22】それに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図を示す。
【図23】それに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図を示す。
【図24】それに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図を示す。
【図25】それに結合した流体導管を有する液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、液滴付着装置、例えばドロップ−オン−デマンドインクジェットプリントヘッドに関する。以下に記述される本発明の好ましい態様では、プリントヘッドは、液滴射出モジュールのモジュール式のレイアウトを使用して、基体上への流体の射出のための液滴射出ノズルのページ全体の配列を提供する。この液滴射出モジュールの製造が先ず記述される。
【0032】
先ず図1及び2に関連して、液滴射出モジュール100は、その上に第一のピエゾ電気ウエファー104及び第二のピエゾ電気ウエファー106を結合したセラミック基礎ウエファー102を備える。好ましい態様では、基礎ウエファー102は、ピエゾ電気層104、106がそれから形成される物質(例えばPZT)の熱膨脹係数と基礎ウエファー102が結合される支持部材がそれから形成される物質の熱膨脹係数との間の熱膨脹係数CTEを有するガラスセラミックウエファーから形成される。第一のピエゾ電気ウエファー104は、弾性のある結合剤108により基礎ウエファー102に結合される。同様に、第二のピエゾ電気ウエファー106は、弾性のある結合剤110により第一のピエゾ電気ウエファー104に結合される。基礎ウエファー102のCTEと結合剤物質108、110の弾性との組み合わせは、ピエゾ電気物質及び支持部材の熱膨脹特性の相違により生ずるかもしれない、モジュール100の歪みを避けるための緩衝となる。この好ましい態様では、以下に詳述されるように、液滴射出ユニットのコンパクトさのために特に重要である。
【0033】
平行な流体チャンネルの列112は、ピエゾ電気層104、106中に形成される。例えば、流体チャンネルは、薄い切断刃を使用してピエゾ電気ウエファーに形成される溝により設けられる。図2において矢印114及び116により示されるように、ピエゾ電気ウエファーは、相対する方向に分極される。ウエファー104及び106が相対して分極されるため、チャンネルの壁118は、ヨーロッパ特許0277703及び0278590(これらの記述は本明細書において参考として引用される)の主題のように、いわゆる「山形」のタイプの壁アクチュエータとして働く。これらのアクチュエータは、それらが操作中流体チャンネル中に同じ圧力を確立するためには、必要な加動電圧は低くてよいため、有利であることが知られている。
【0034】
チャンネル112を形成後、ウエファーを切断して、図1に示されるモジュールを形成する。好ましい態様では、モジュールは、64個の流体チャンネルを備え、それぞれは、長さが2mmである(操作中のチャンネル中のインクのアコースティック長さ×2にほぼ等しい)。
【0035】
図3に関して、金属性メッキをインクチャンネル112の相対する面上に施し、それはチャンネル壁118の高さ全体に延在し、それに不動態化被覆が適用される加動電極120を設ける。電極を形成するための1つの技術では、シード層例えばNd:YAGがモジュール100の上そしてチャンネル112中にスパッターされる。相互接続パターン122が、例えば周知のレーザーアブレーション、ホトレジストまたはマスキング技術によりモジュール100の1面または両面124に形成される。モジュールの両面124上の相互接続パターンの形成は、相互接続パターンのトラックの密度を半分にし、それにより相互接続パターンの形成を助ける。シード層が画成されると、層は、例えば無電解ニッケルメッキ法を使用して、メッキされて電極トラックを形成する。チャンネル112を分離する壁118の頂部は、それぞれのチャンネルのトラック及び電極が他のチャンネルから電気的に隔離されるように金属のメッキをしないようにされる。
【0036】
図4及び5に関して、それぞれのモジュールは、例えば可撓性の回路132により、少なくとも1つの組み合わされた駆動回路(集積回路(「チップ」)130)に接続される。図4に示された装置では、モジュール100は、1面のみに形成された相互接続トラックを有し、従ってただ1つのチップ130がアクチュエータ118を駆動するのに必要とされる。図5の装置では、モジュール100は、モジュールの両面上に形成される相互接続トラックを有し、2つのチップ130がアクチュエータ118を駆動する。通し穴133が、可撓性の回路132に形成されて、チップを駆動回路の他のコンポーネント例えば抵抗器、コンデンサなどに接続させる。
【0037】
図5に示されるように、モジュール100は、支持部材140に結合される。駆動回路130は、支持部材へのその結合前にモジュールに接続され、それによりモジュールを支持部材上の結合前にテストするか、またはそれが支持部材140に既に結合されたときモジュールに接続できる。
【0038】
以下に詳述されるように、図5に示される態様では、支持部材140は、良好な熱伝導性を有する物質から製造される。これらの物質のなかで、それが押し出しにより容易かつ安価に形成できる理由から、アルミニウムが特に好ましい。供給紙の方向にプリントヘッドのサイズを減少させるために、支持部材140は、流体チャンネルの長さに実質的に等しい厚さを流体チャンネルの長さの方向に有する。
【0039】
図6は、液滴付着装置の第一の態様において、図5に示されるモジュールに出入するインクを運ぶための導管の接続を示す。導管は、モジュール100へインクを供給するための第一のインク供給マニホールド150及びマニホールド152から出るインクを運ぶための第二のインク供給マニホールド152を備える。図6に示される装置では、マニホールド150、152は、インクをモジュール100のインクチャンネルのすべてに出入りするように形成される。マニホールドは、任意の好適な物質例えばプラスチック物質から形成できる。
【0040】
図7に関して、吸熱源160は、第二のマニホールド152のインク出口154に接続される。吸熱源は、中空であり、そしてインクを第二のマニホールド152からインク貯槽(図示せず)に運ぶのに使用される。図7に示されるように、駆動回路130は、それらの操作中回路により発生する熱の実質的な量が吸熱源160をへてインクに移動するように、吸熱源160と実質的な熱移動をする接触で設けられる。この目的のため、吸熱源160は、また良好な熱伝導性を有する物質例えばアルミニウムから形成される。熱伝導パッド134または接着剤が、回路130と吸熱源160との間の熱移動に対する抵抗を低下させるのに任意に使用できる。
【0041】
ノズルプレート170は、モジュール100の最上の表面に結合される。ノズルプレート170は、米国特許A5010356(ヨーロッパ特許B0367438)に示されるように、非湿潤被覆により被覆されたポリイミド例えば宇部興産のポリイミドUPILEX RまたはSのようなポリマーの片からなる。ノズルプレートは、結合剤の薄い層を設けることにより結合され、結合剤はノズルプレート170と壁118との間に接着結合を形成させ、次に結合剤を硬化させる。1つの列がそれぞれのインクチャンネル112であるノズルの列は、例えばUVエキシマーレーザーアブレーションによりノズルプレートに形成され、ノズルの列は、インクチャンネル112の長手方向と直交する方向に延在して、アクチュエータは、いわゆる「サイド・シューター」アクチュエータとなる。
【0042】
モジュール100は、インクが供給されそしてトラック124により好適な電圧信号により操作されるとき、インクを印刷面に付着させるために、紙印刷面を横断する運動の方向に直角または好適な角度の何れかで交差する。これとは別に、独立したモジュール100の配列が提供される。配列のレイアウトは、任意の好適な形をとることができる。必要なプリントヘッドの解像度をもたらすために、例えば、図8に示されるように、3個の180dpiの解像度のモジュールが、印刷表面180の供給方向に或る角度で傾き、一方図9は、モジュールの「3列のインターリーブした(interleaved)」配列を示し、そして図10は、モジュール100の「2列のインターリーブした」配列を示す。
【0043】
このモジュラーの配列は、対面する末端の表面で複数のモジュールをともに直列で接合する必要がなくなり、必要な液滴の密度を有するプリントヘッドを提供する。それにもかかわらず、これらのモジュールは、ともに接合されてページ全体の配列のモジュールを形成する。
【0044】
モジュールのこのような装置からなる液滴付着装置の第二の態様は、図11−13に関して記述される。
【0045】
先ず図11に関して、この態様は、モジュール100の1面124に結合した駆動回路を有する図4に例えば示されたような複数のモジュール100を備える。各モジュールは、実質的にU字形のページ全体の支持部材200のアームの末端に設けられる。各アームの上に、モジュールは、図1に示されるように、モジュール100の端126でともに直列で接合して、インクチャンネル112のそれぞれの縦軸または長さ方向と直交して延在するただ1つの列の流体チャンネルが存在する。モジュールは、結合剤を使用して互いに接合されそして任意の好適な整列技術を使用して整列する。接合されたモジュールの各配列は、180dpiの解像度をもたらし、そのため支持部材200のそれぞれのアームの上に形成された2つのインターリーブした配列の組み合わせは、360dpiの解像度を有するプリントヘッドを提供する。
【0046】
第一の態様に類似して、チップ130は、支持部材200の外側の表面上に設けられて、支持部材200と実質的な熱を移動する接触をする。図11に示されているように、駆動回路のさらなるコンポーネント202は、ハンダ付け突起206を使用してトラック上に設けられたプリント回路板204によりチップ130と接続する。支持部材200上にチップを設けた後に、各トラック132は、図11の矢印208、210に示される方向に畳まれて、プリント回路板204も支持部材200と熱を移動する接触をするようになる。
【0047】
以下に詳述されるように、U字形の支持部材200は、液滴射出ユニットから出る流体を運ぶための出口マニホールドとして働く。モジュール100に関する駆動回路130は、出口マニホールドとして働く構造200のその部分と熱を移動する接触をして、それらの操作中発生する熱の実質的な量をインクに導管構造をへて移動させる。この目的のために、構造200は、良好な熱伝導性を有する物質例えばアルミニウムから製造される。
【0048】
図12に関連して、支持部材200の実質的な全長が延在するインク入口マニホールド210、220は、支持部材のそれぞれのアームに結合したモジュールのそれぞれにインクを供給するために設けられる(ただ1つのモジュール100のみが、目的を明らかにするために図11では示される)。入口マニホールド210、220は、押し出されたプラスチックまたは金属性物質から形成される。図12から理解されるように、入口マニホールドも、外側のカバーになるように働いて、モジュール100に関する駆動回路のコンポーネント202を保護する。末端キャップ(図示せず)が、支持部材200及び入口マニホールド210、220の末端に取り付けられて、シールを形成し、入口及び出口のマニホールドを完成させそして駆動回路を密封する。
【0049】
図13に関連して、第一の態様と同様に、ノズルプレート230は、アクチュエータ壁118及びノズルプレートに形成される2列のノズルの頂部に、インクチャンネルの列のそれぞれについてl列で結合している。図13に示すように、ノズルプレート230は、インク入口マニホールド210、220の部分240により各側面上にさらに支持される。ノズルプレート230は、モジュールの配列のそれぞれの各末端に設けられる支持ブランクアクチュエータコンポーネント(図示せず)によってさらに支持できる。
【0050】
接合されたモジュールの他の装置の例は、図14−18に関連して記述され、U字形支持部材200は、平面状の平行な面を有する支持部材300により置換される。
【0051】
図14及び15に関連して、モジュールの2つの列302、304は支持部材300に結合する。図14は、2列の4つの接合したモジュールを示す。モジュールは、任意の数でともに接合されるが、各列の長さがページの長さ(代表的には、American「Foolscap」標準では12.6インチ(32cm))に実質的に等しいことが好ましい。
【0052】
支持部材300は、好ましくは、セラミック物質例えばアルミナから形成される。これは、モジュール100の基礎ウエファー102を除き、それによりプリントヘッドのコンポーネントの数をさらに減少させる。もしそうならば、各モジュールの第一の層104は、例えば弾性のある結合剤を使用して支持部材300に直接結合される。図1に示されるモジュールと同様に、第二のピエゾ電気層106は、第一のピエゾ電気層104に結合される。
【0053】
図1に示される装置と同様に、インクチャンネル112は、例えば機械加工によってピエゾ電気層104、106に形成され、そして電極及び相互接続トラックは、チャンネル112中にそして支持部材300の両側面上に形成される(わずか少数のインクチャンネル及び相互接続が、目的を明白にするために図14で示される)。インクチャンネルは、1列302の各インクチャンネルが、他の列304のインクチャンネルと同軸であるように形成される。
【0054】
駆動回路またはチップ130は、相互接続トラックへ電気パルスを供給するために支持部材300の側面に直接結合して、チャンネル112の壁118を加動する。支持部材は、例えば比較的低いCTEを有するアルミナから形成されるので、これは、チップ130に発生する熱が支持部材をへてアクチュエータ118へ移動することを実質的に防ぐ。駆動回路は、例えばパリレン(parylene)により被覆できる。
【0055】
チップ130への電気接続を囲むためのハウジング306は、また支持部材300の各側面に結合する。ハウジング306は、射出成形されたプラスッチク材料から好都合に形成できる。さらに、流体の入口/出口308は、また支持部材300の各側面に結合する。流体の入口/出口は、隣接するハウジング306と一体化でき、そしてモジュールに供給されるインクを濾過するために、特に入口側でフィルターを備える。
【0056】
カバー310は、支持部材300の全長にわたりそしてその両面に延在する。図16に示されるように、支持部材300の基礎及びカバー310の両端は、基礎プレート315に結合する。カバーは、好ましくは、ピエゾ電気ウエファー104、106の材料に熱的に適合する物質から形成される。PZTに熱的に適合することに加えて高い強さ及び熱伝導率を有するモリブデンが、カバーに特に適した物質であることが分かった。
【0057】
カバー310は、図15において矢印335により示されるように、モジュールの2つの列302、304のチャンネルのすべてにインクを出入りさせるためにインク入口導管320及びインク出口導管330を、支持部材とともに画成する。末端キャップ(図示せず)が、支持部材300及びカバー310の末端に取り付けられて、ハウジング306とともに入口及び出口の導管を完成させそしてエレクトロニックスを囲むシールを形成する。
【0058】
2列のインクチャンネルの同軸の配置は、インクをインク入口導管320から列302のインクチャンネル中に流れさせ、そのインクチャンネルから他の列304のインクチャンネル中に直接流れさせ、そしてそのインクチャンネルからインク出口導管330に流れさせる。支持部材300の側面上のチップ130の配置により、導管320、330により運ばれるインクと熱を移動させる接触をしているチップの表面で発生する熱は、実質的にインクに移動する。
【0059】
図17に示されるように、開口340は、カバー310に形成されて、インクをモジュールからカバー310を経て射出させる。開口340は、任意の好適な方法例えばUVエキシマーレーザーアブレーションにより形成でき、そして液滴射出モジュールのためのノズルとして働くことができる。これとは別に、図18に示されるように、ノズルプレート350は、カバーに結合でき、ノズルは、ノズルプレート350に形成されて、ノズルが開口340を経てインクチャンネル112と流体で連絡する。ノズルプレート350がカバー310により支持されるので、ノズルプレートの厚さを薄くできる。別に、ノズルプレート350は、モジュールに直接結合し、カバー310は、ノズルプレートに形成されるノズルと整列する開口340によりノズルプレートの上に延在する。
【0060】
第三の態様の操作を以下に記述する。
【0061】
その最も簡単な形では、1つの列例えば304のアクチュエータ壁118の1組が、アクチュエータ壁118間のインクチャンネル112からの流体の液滴の射出を要求されるとき、そのインクチャンネルと同軸である列304のインクチャンネルの壁は、駆動されてそのインクチャンネルの末端に配置されたインクマニホールドのアコースティックを再生する。「グレイ・スケール」の印刷時には、多数の液滴が列302のインクチャンネルから射出され、次に同様な数の液滴が列304の同軸のインクチャンネルから射出される。別に、印刷速度を上げるために、液滴は次々と各チャンネルから射出される。例えば、インクは、他の同軸チャンネル中の同様な事象によって、次の1つのチャンネル中に引き込まれる(或る特定の周波数で)。これは、各チャンネル内で一定の安定なアコースティック効果をもたらすことになるだろう。
【0062】
図14−18に関して示される態様は2列のモジュールを備えるが、単一の列のインクモジュールも別に使用できる。これらの装置は、図19に示される。この態様では、モジュールの単一の列402は、支持部材400に結合される。図19は4個の接合したモジュールを示している。しかし、任意の数のモジュールがともに接合できるが、各列の長さがページ(代表的にはAmerican「Foolscap」標準では12.6インチ(32cm))に実質的に等しいことが好ましい。この装置により、支持部材の幅は、単一のインクチャンネル112の長さに実質的に減少でき、そしてチップ130は、支持部材の1面のみに接続される。しかし、もちろん、プリントヘッドの解像度が低下することになる(360dpiから180dpiへ)。解像度は、2つのこれらの装置を「背中合わせ(back to back)」で設けることにより増大でき、共通のインク入口はモジュールの列の間に設けられる。
【0063】
図20は、モジュールへの流体の供給のための流体導管を有する、液滴射出モジュールの装置の第五の態様の簡単な断面図である。この態様では、支持部材500は、アルミナの複数のシートの積層した構造を備える。図20で示された態様では、アルミナの4枚の積層したシート502、504、506、508が存在するが、任意の数のシートが使用できる。
【0064】
支持構造500のシートは、機械加工またはそれ以外の方法で成形されて、積層した構造で、支持構造500に結合した1つ以上のモジュール514に出入りするインクを運ぶためのチャンネル510、512を画成する。図20に示されるように、チャンネル510は、モジュール514へインクを供給するためのモジュール514の1面に沿って延在する導管516へインクを運び、そしてチャンネル512は、モジュール514の他の面に沿って延在する導管518から出るインクを運ぶ。
【0065】
導管518は、カバー部材520(モジュール514の頂部に結合し、そしてノズルプレート526のノズル524が開口522によりモジュールインクチャンネルと流体で連絡する開口522を有する)により、さらに支持構造の側面に結合した末端キャップ528により画成される。導管516は同様な方法で画成できるが、図20に示される装置では、この導管は、2つの支持構造500に共通であり、そして別にこの導管は、カバー部材520、並びにそれに2つの支持構造が結合しているアルミナプレート530により画成される。
【0066】
前記の態様と同様に、駆動回路130は、モジュールのチャンネルの壁を加動することを目指して、相互接続トラックへ電気パルスを供給するために支持部材500の側面に直接結合する。支持部材が例えば比較的低いCTEを有するアルミナから形成されるので、これは、チップ130に発生する熱が、支持部材を通ってアクチュエータに移動するのを実質的に防ぐ。この態様では、しかし、駆動回路は、モジュールに出入りするインクと流体で連絡しないが、その代わり末端キャップ528に形成されるハウジングに配置される。
【0067】
図21は、モジュールへ流体を供給するための流体導管を有する、液滴射出モジュールの装置の他の態様の断面図である。この態様は、第五の態様のそれに類似しており、その場合カバーは、支持部材300の側面に接して延在して第一の導管320及び第二の導管330(両者は液滴射出チャンネルの列に沿って延在しそして支持部材130の側面に延在する)を画成する。この態様では、ただ1つの列のモジュール302が、支持部材300の末端上に設けられ、そして第一及び第二の導管320及び330は、支持部材300の側面上のチップ130から間隔をおいて設けられ、チップ130の表面を不動態化する必要性を避ける。操作中チップ130により発生する熱を発散するために、支持部材300は、導管320及び330により運ばれる流体へチップ130によって発生する熱を伝導するために、熱伝導材料から形成される。
【0068】
図22に示された態様では、射出ユニットの2列302、304には、架橋壁602によって結合された1組の支持部材300a、300bからなる実質的にU字形またはH字形の支持部材600が設けられる。チップ130及び組み合わされた回路602は、支持部材300a、300bの相対する表面上に設けられ、相互接続トラック600は、射出ユニットの壁に加動電気信号を供給するためにこれらの表面上に形成される。流体は、カバー部材310及び支持部材600により画成される導管320、330によって射出ユニットに運ばれかつそれから離れて運ばれ、架橋壁602は、第一の列302から第二の列304に流体を導くように作用する。操作中チップ130に発生する熱は、導管320、330により運ばれる流体中へ支持部材300a、300bによって伝導される。
【0069】
図23は、支持部材650の何れかの側面に設けられたチップ130並びに支持部材上に設けられた射出ユニットの列302、304の両者によって操作中発生する熱が、支持部材650を通過する導管660によって運ばれる冷却剤流体例えば水に移動する態様を説明する。支持部材の壁670は、好ましく好適には、熱ができる限り早く冷却剤流体に伝導されるように薄い。伝導を改善するために、壁670は、金属性材料から形成される。支持部材の本体675は、セラミック材料から形成できる。
【0070】
図23に示された態様では、液滴流体の再循環がなく、導管330は、射出ユニット304から流体を受容するに過ぎず、そして再使用のために流体を貯槽に戻すことはない。図24は、この態様の変法を示し、導管330は再使用のために貯槽に流体を戻す構造を有する。
【0071】
図25は、射出ユニットの各列302、304がそれぞれの支持部材300上に設けられる態様を画く。流体は、その列に沿って延在しそしてその上にその列が設けられる支持部材の1つの側面に延在するそれぞれの導管320により各列に運ばれる。流体は、2つの支持部材300の相対する側面の壁の間に延在する相互の導管330により列から出て運ばれ、チップ130により発生した熱は、導管330中で運ばれる流体に移動する。2つの「入口」導管を設けることは、汚れを除くためにプリントヘッドを製造中有効に洗い流すことができる。導管320の1つから液滴流体の遅い放出は、印刷中空気の泡を除くのに使用され、一方大きな流れは、保守の目的のために印刷の休み中に導入できるだろう。
【0072】
本明細書(特許請求の範囲を含む)に開示され及び/または図に示された各特徴は、他の開示され及び/または画かれた特徴とは独立して本発明に挿入できる。
【0073】
(付記)
上記の実施形態等の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。なお、以下の付記は、少なくともその好ましい態様では、ページ全体のプリンターで使用するのが好適でありそして比較的簡単なかつコンパクトな構造を有する液滴付着装置を提供する。
(付記1)
一列に横並びに配された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通して流体チャンネルから流体液滴を射出させる機能をもっている、少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該少なくとも1つの液滴射出ユニット用の支持部材;及び
該列に沿い且つ該支持部材と該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の一方の列に延在する、少なくとも1つの液滴射出ユニットの各自の流体チャンネルに液滴状流体を運ぶための導管からなることを特徴とする液滴付着装置。
(付記2)
該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれから出る液滴流体を運ぶための第二の導管を備える付記1の装置。
(付記3)
複数の液滴射出ユニットを含み、該導管は、該複数の液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれに出入する液滴流体を運ぶように形成される付記2の装置。
(付記4)
各流体チャンネルの長手部分が、第一の方向に延在し、該列が、該第一の方向に実質的に直交する第二の方向に延在する付記1−3の何れか1つの項の装置。
(付記5)
該少なくとも1つの液滴射出ユニットが、該支持部材上に配置されて、該第二の方向に延在する流体チャンネルの少なくとも1つの列が存在する付記4の装置。
(付記6)
該アクチュエータ手段へ電気信号を供給するための駆動回路手段を備える付記1−5の何れか1つの項の装置。
(付記7)
該駆動回路手段が、該駆動回路手段中に発生した熱の実質的な量を該液滴流体に移動するように該導管の少なくとも1つと実質的に熱を移動させる接触をしている付記2及び6の装置。
(付記8)
該駆動回路手段が、該支持部材上に設けられ、該支持部材が該導管の少なくとも1つと熱を移動させる接触をしている付記7の装置。
(付記9)
該駆動回路手段が、該導管の少なくとも1つにより運ばれる液滴流体と接触するように、該支持部材上に設けられる付記8の装置。
(付記10)
該駆動回路手段が、該導管の少なくとも1つにより運ばれる液滴から離れるように、該支持部材上に設けられる付記8の装置。
(付記11)
該支持部材が、実質的にU字形の部材からなり、該駆動回路手段が、U字形の部材のアームの2つの相対する壁の少なくとも1つ上に設けられる付記10の装置。
(付記12)
冷却剤流体を運ぶための冷却剤輸送導管を含み、該駆動回路手段が、該駆動回路手段中に発生する熱の実質的な量を該冷却剤流体に移動させるように該冷却剤輸送導管に最も近く位置する付記6の装置。
(付記13)
該駆動回路手段が該支持部材上に設けられ、該支持部材が該第三の導管と熱を移動させる接触をしている付記12の装置。
(付記14)
該第三の導管が、該支持部材に形成される開口を備える付記13の装置。
(付記15)
複数の列の流体チャンネルが存在し、該液滴射出ユニットが、流体チャンネルの隣接する列の流体チャンネルの少なくともいくつかが実質的に同軸であるように該支持部材上に配置される付記1−14の何れか1つの項の項の装置。
(付記16)
2つの列の流体チャンネルが存在し、各列が、その列へ流体を運ぶためのそれぞれの導管を有するそれぞれの支持部材上に配置される付記1の装置。
(付記17)
さらなる導管が、該列から出る液滴流体を運ぶための該支持部材の間に延在している付記16の装置。
(付記18)
該少なくとも1つの列が第一の方向に延在し、そして該チャンネルの長手部分が、該第一の方向と実質的に同一平面にあってしかもそれと直交する第二の方向に延在し、該支持部材が、該第二の方向の流体チャンネルの長さ×n(但し、nはチャンネルの列の数である)に実質的に等しい該第二の方向の寸法を有する付記1−16の何れか1つの項の装置。
(付記19)
第一の方向に延在する一列に横並びに配置された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、該チャンネルの長手部分が、該第一の方向と実質的に同一平面にあってしかもそれと直交する第二の方向に延在し、各ノズルが、該第一及び第二の方向と実質的に直交する第三の方向に延在するノズル軸を有し、該アクチュエータ手段が、流体チャンネルからそれぞれのノズルを通って流体の液滴を射出するように加動可能である少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該流体チャンネルに液滴流体を運ぶための手段;及び
該少なくとも1つの液滴射出ユニットのための支持部材であって、該少なくとも1つの液滴射出ユニットが、該第一の方向に延在するn列(但しnは整数である)の流体チャンネルが存在するように該支持部材上に配置され、該支持部材が、該第二の方向の流体チャンネルの長さ×nに実質的に等しい該第二の方向の寸法を有する支持部材
からなる液滴付着装置。
(付記20)
該支持部材が、実質的にU字形の部材のアームからなり、少なくとも1つの液滴射出ユニットが、U字形の部材のアームのそれぞれの末端で支持されている付記1−8の何れか1つの項の装置。
(付記21)
それぞれのアームにより支持されたそれぞれの液滴射出ユニットへ液滴流体を運ぶためのそれぞれの導管の組を含み、各導管がU字形の部材のそれぞれのアームの外側の側面に延在している付記20の装置。
(付記22)
さらなる導管が、該U字形の部材のアームの間に延在して、該U字形の部材のアームにより支持される液滴射出ユニットから液滴流体を運ぶ付記21の装置。
(付記23)
該支持部材の側面に接して延在して、該支持部材とともに該導管の少なくとも一部を画成するカバー部材を備える付記2の装置。
(付記24)
支持部材;
該支持部材に結合しそして一列に横並びで配置された複数の流体チャンネルからなる少なくとも1つの液滴射出ユニット;及び
該支持部材の側面に接して延在して、該支持部材とともに該流体チャンネルに流体を運ぶための該列に沿って延在する第一の導管並びに該流体チャンネルから流体を運ぶための該列に沿って延在する第二の導管を画成するカバー部材
からなる液滴付着装置。
(付記25)
該カバーが、液滴を該流体チャンネルから射出させるための開口を備える付記23または24の装置。
(付記26)
各液滴射出ユニットが、アクチュエータ手段及び複数のノズルからなり、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通って流体チャンネルから流体の液滴を射出するように加動できる付記24の装置。
(付記27)
該ノズルが該カバーに形成される付記23または26の装置。
(付記28)
該ノズルが、該カバーにより支持されるノズルプレートに形成され、各流体チャンネルがそれぞれの開口をへてそれぞれのノズルと液体により連絡している付記27の装置。
(付記29)
該カバーが、該支持部材のそれに実質的に等しい熱膨脹係数を有する付記23−28の何れか1つの項の装置。
(付記30)
該カバーが金属性物質から形成される付記23−29の何れか1つの項の装置。
(付記31)
該カバーがモリブデン及びナイロ(ニッケル/鉄合金)の1つから形成される付記30の装置。
(付記32)
各液滴射出ユニットが、第一の分極方向で分極された第一のピエゾ電気層、並びに該第一のピエゾ電気層上でかつ該第一の分極方向とは反対の方向に分極された第二のピエゾ電気層からなり、該流体チャンネルが該第一及び第二のピエゾ電気層に形成される付記1−31の何れか1つの項の装置。
(付記33)
第一のピエゾ電気層が該支持部材に直接結合している付記32の装置。
(付記34)
該支持部材がセラミック物質から形成される付記33の装置。
(付記35)
第一のピエゾ電気層が、セラミック物質から形成される基層上に形成され、該基層が該支持部材に結合している付記32の装置。
(付記36)
該ノズルの軸が、該少なくとも1つの列の延長の方向と実質的に直交している方向に延在している付記1−35の何れか1つの項の装置。
(付記37)
一列に横並びに配置された複数の流体チャンネル、アクチュエータ手段、該アクチュエータ手段に加動電気信号を送るための駆動回路手段並びに複数のノズルからなり、該アクチュエータ手段がそれぞれのノズルを通って流体チャンネルから流体の液滴を射出するように加動できる少なくとも1つの液滴射出ユニット;
該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれに液滴流体を運ぶための流体輸送手段;及び
冷却剤流体を運ぶためのさらなる冷却剤輸送手段からなり、該駆動回路手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの少なくとも1つが、該冷却剤流体への液滴射出中発生する熱の実質的部分を移動するように該冷却剤輸送手段に最も近い位置にある液滴付着装置。
(付記38)
該少なくとも1つの液滴射出ユニット及び該駆動回路手段の少なくとも1つが、該冷却剤輸送手段上に設けられている付記37の装置。
(付記39)
該少なくとも1つの液滴射出ユニット及び該駆動回路手段の両者が、該冷却剤輸送手段上に設けられている付記38の装置。
(付記40)
該流体輸送手段が、該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれに液滴流体を運ぶために、該列に沿って延在しかつ該冷却剤輸送手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の1面に延在している導管からなる付記37−39の何れか1つの項の装置。
(付記41)
該流体輸送手段が、該少なくとも1つの液滴射出ユニットの流体チャンネルのそれぞれから液滴流体を受容するために、該列に沿って延在しかつ該冷却剤輸送手段及び該少なくとも1つの液滴射出ユニットの両者の他の面に延在している第二の導管からなる付記40の装置。
(付記42)
図面に関して本明細書に実質的に記述された液滴付着装置。
【符号の説明】
【0074】
100 液滴射出モジュール
102 セラミック基礎ウエファー
104 ピエゾ電気ウエファー
106 ピエゾ電気ウエファー
108 結合剤
110 結合剤
112 流体チャンネル
114 矢印
116 矢印
118 チャンネルの壁
120 電極
122 相互接続パターン
124 モジュールの側面
126 モジュールの端
130 駆動回路(チップ)
132 回路(トラック)
133 通し穴
134 熱伝導パッド
140 支持部材
150 インク供給マニホールド
152 インク供給マニホールド
154 インク出口
160 吸熱源
170 ノズルプレート
180 印刷表面
200 支持部材
202 駆動回路のコンポーネント
204 印刷回路板
206 突起
208 矢印
210 インク入口マニホールド
220 インク入口マニホールド
230 ノズルプレート
240 210、220の部分
300 支持部材
300a 支持部材
300b 支持部材
302 モジュールの列
304 モジュールの列
306 ハウジング
308 流体の入口/出口
310 カバー
315 基礎プレート
320 インク入口導管
330 インク出口導管
335 矢印
340 開口
350 ノズルプレート
400 支持部材
500 支持構造
502 積層シート
504 積層シート
506 積層シート
508 積層シート
510 チャンネル
512 チャンネル
514 モジュール
516 導管
520 カバー部材
522 開口
524 ノズル
526 ノズルプレート
528 末端キャップ
530 アルミナプレート
600 支持部材(相互接続トラック)
602 架橋壁(回路)
650 支持部材
660 導管
670 壁
675 支持部材の本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に横並びに配された複数の流体チャンネルと、アクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段に駆動電気信号を供給する駆動回路手段と、複数のノズルと、を有し、前記アクチュエータ手段は、前記複数の流体チャンネルのうちの一つ以上の流体チャンネルから前記複数のノズルのうちの一つ以上のノズルそれぞれを介して流体の液滴を射出させる、少なくとも一つの液滴射出ユニットと、
流体を前記少なくとも一つの液滴射出ユニットの前記複数の流体チャンネルそれぞれに運ぶ一つ以上の流体導管と、
冷却剤流体を運ぶさらなる導管であって、液滴を射出するときに発生する熱の少なくとも一部を前記冷却剤流体に移動させるように前記駆動回路手段と前記アクチュエータ手段とのうちの少なくとも一方に十分に近接した一つ以上の冷却剤導管と、
を備えることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項2】
前記流体導管と前記冷却剤導管とは、共に、前記一列に並ぶ方向に沿って延在している請求項1に記載の液滴付着装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの液滴射出ユニットの前記複数の流体チャンネルそれぞれからの流体を受け取って運んでいく1以上の流体受取導管をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴付着装置。
【請求項4】
前記流体受取導管は、前記一列に並ぶ方向に沿って延在していることを特徴とする請求項3に記載の液滴付着装置。
【請求項5】
前記一つ以上の冷却剤導管と前記少なくとも一つの液滴射出ユニットとは、共に、前記流体導管と前記流体受取導管との間に位置し、前記流体導管は一方側に位置し、前記流体受取導管は、他方側に位置することを特徴とする請求項4に記載の液滴付着装置。
【請求項6】
前記アクチュエータ手段が取り付けられた端面を有する支持部材をさらに備え、
前記アクチュエータ手段は、前記流体の液滴を第1方向に沿って射出させ、
前記第1方向は、前記端面に対して垂直である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液滴付着装置。
【請求項7】
前記一列に並ぶ方向は、第2方向に延在し、
前記第1方向と前記第2方向とは、直交し、
前記支持部材は、実質的に平板状であり、前記第1方向及び前記第2方向に延在している、
ことを特徴とする請求項6に記載の液滴付着装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記一つ以上の冷却剤導管から前記一つ以上の流体導管を分けている、
ことを特徴とする請求項7に記載の液滴付着装置。
【請求項9】
前記アクチュエータ手段と前記駆動回路手段とのうちの少なくとも一方は、前記一つ以上の冷却剤導管に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の液滴付着装置。
【請求項10】
前記アクチュエータ手段と前記駆動回路手段とは、前記一つ以上の冷却剤導管上に設けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載の液滴付着装置。
【請求項11】
前記アクチュエータ手段は、複数のアクチュエータ要素を含む、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の液滴付着装置。
【請求項12】
前記アクチュエータ要素は、ピエゾ電気物質を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の液滴付着装置。
【請求項13】
前記流体は、前記冷却剤流体と同じである、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の液滴付着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−91329(P2013−91329A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−32169(P2013−32169)
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2001−549840(P2001−549840)の分割
【原出願日】平成13年1月5日(2001.1.5)
【出願人】(301055608)ザール テクノロジー リミテッド (31)
【Fターム(参考)】