説明

液滴吐出ヘッドの製造方法

【課題】無駄となる圧電素子部材を抑え、貼り付ける前に個々の品質を容易に確保することができ、圧電素子を効率よく組み付けることができる液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電素子は、互いに略平行に対向し、電極をそれぞれに備える第1主面と第1主面より面積が小さい第2主面とを有し分極方向が揃っている短冊状であり、振動板の配置に対応した上面の位置に窪みが設けられている配置プレートの窪みに圧電素子を入れて配置する圧電素子配置工程と、窪みに配置された圧電素子の第1主面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、振動板の外壁面と接着剤が塗布された第1主面とを対応させ、重ね合わせて接着する接着工程と、を有し、窪みは、第1主面が上面と同じ方向に向いて平面状に並び、圧電素子を位置決めするように前記圧電素子を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小なインク滴を用いて画像を記録する方法として、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)のようにノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドを用いる方法がある。液滴吐出ヘッドでは、圧力室の例えば底部の振動板(ダイヤフラムとも称される。)に設けてある圧電素子に電圧を印加することによりダイヤフラムを変形させて圧力室内の液体のインクに圧力を付与する。この圧力の付与により、ノズル孔から液滴を記録紙等に向けて吐出し、この吐出された液滴が記録紙に付着することによって画像が形成される。
【0003】
液滴吐出ヘッドは、高速で高解像度の記録を行うことができることが望まれ、1つの液滴吐出ヘッドが備えるノズル孔数、つまりは、圧電素子の数も増加し、しかも、小型化のためにノズル孔密度が高くなって圧電素子の配置密度も高くなっている。多数の圧電素子を歩留まり良く高密度配置できる液滴吐出ヘッドの例として以下がある。
【0004】
特許文献1に記載されている液滴吐出ヘッドは、振動板に上電極及び下電極を有する圧電素子部材(バルク型圧電素子部材)を接合し、これにドライフィルム等により液滴吐出ヘッドに配置される圧力室に対応したマスクパターンをフォトリソグラフィー技術により形成する。振動板に接合され、マスクパターンが形成された圧電素子部材に対してブラスト加工を行うことにより、圧力室個々に対応し分割された圧電素子を形成している。
【特許文献1】特開2007−62244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の振動板に圧電素子を形成する方法は、液滴吐出ヘッドに固定され駆動素子として利用される部分以外の圧電素子部材はブラスト加工により除去・廃棄されるため、廃棄される部分が多くコスト高になる。
【0006】
また、圧電素子部材の状態で良好であってもブラスト加工後に個々に分離された圧電素子の電気特性や形状に不良(特に割れ)が発生する場合があり、液滴吐出ヘッドへの組み付け後の圧電素子の動作試験でないと良否判定ができない。このため、不良となった圧電素子と共にこの圧電素子が組み付けられている液滴吐出ヘッドも不良となるため、製造効率が著しく低下してしまう。
【0007】
また、個々の圧電素子の良否を分別して振動板に貼り付ける場合、分離された圧電素子は分極方向の判別が容易に外観では分からない場合がある。この場合、液滴吐出ヘッドに分極方向を判別して圧電素子を組み付ける工程は煩雑となり製造効率が低下する。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、無駄となる圧電素子部材を抑え、貼り付ける前に個々の品質を容易に確保することができ、圧電素子を効率よく組み付けることができる液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、以下の構成により解決される。
【0010】
1.液体を液滴として吐出する複数のノズル孔に連通する圧力室と、前記圧力室の一部の壁面を形成している振動板と、前記振動板の外壁面に固定される圧電素子と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記圧電素子は、互いに略平行に対向し、電極をそれぞれに備える第1主面と前記第1主面より面積が小さい第2主面とを有し分極方向が揃っている短冊状であり、
前記振動板の配置に対応した上面の位置に窪みが設けられている配置プレートの前記窪みに前記圧電素子を入れて配置する圧電素子配置工程と、
前記窪みに配置された前記圧電素子の前記第1主面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記振動板の外壁面と接着剤が塗布された前記第1主面とを対応させ、重ね合わせて接着する接着工程と、を有し、
前記窪みは、前記第1主面が前記上面と同じ方向に向いて平面状に並び、前記圧電素子を位置決めするように前記圧電素子を保持することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【0011】
2.前記圧電素子は、少なくとも1方向の断面形状が略台形であることを特徴とする前記1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【0012】
3.前記窪みの底面は、前記第2主面と接して前記第2主面を前記上面に対して略平行に支持し、
前記上面から前記窪みの底面までの深さは、前記圧電素子の厚さより浅く、
前記上面における前記窪みの開口は、前記窪みの底面が前記第2主面を支持した前記圧電素子が前記上面と交差してなす断面形状と略同じであることを特徴とする前記1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【0013】
4.前記窪みの底面は、前記第2主面と接して前記第2主面を前記上面に対して略平行に支持し、
前記上面から前記窪みの底面までの深さは、前記圧電素子の厚さと同じであり、
前記上面における前記窪みの開口は、前記第1主面と同じであり、
前記窪みの深さ方向に対して垂直な面と前記窪みが交差してなす開口断面及び前記窪みの底面は、前記第1主面の大きさ未満であることを特徴とする前記1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【0014】
5.前記圧電素子配置工程において、
前記配置プレートの周囲は、前記圧電素子が前記上面から外れないように前記上面より突出している外周壁を備え、
前記上面の上に複数の圧電素子を任意に配置した後、前記配置プレートに振動を加える方法、前記配置プレートの上面を傾ける方法及び前記上面の上をへら状部材を移動させる方法の少なくとも何れか一つの方法により、前記上面の上の前記圧電素子を移動させ、前記窪みに前記圧電素子を入れて配置することを特徴とする前記1から4の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【0015】
6.前記圧電素子配置工程の後、前記窪みに配置された前記圧電素子を検査する検査工程を有し、
前記配置プレートは、前記窪みの底面で前記第2主面の電極に接し、且つ前記配置プレートの外壁に露出部を有する検査用電極を備え、
前記検査工程は、前記検査用電極と前記第1主面の電極とを用いて、前記窪みに入っている圧電素子の静電容量、共振周波数及び変位量の少なくとも何れか一つを検査することを特徴とする前記1から5の何れか一項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、第2主面が第1主面より面積が小さく短冊状で分極が揃っている圧電素子は、形状が単純で圧電素子部材から効率良く切り出すことができ、振動板の位置に対応した配置プレートの上面の位置に備える窪みで、圧電素子の第1主面が平面状に並び位置決めされて保持され、第1主面に接着剤が塗布され、第1主面と振動板の外壁面とを対応させて接着することができる。
【0017】
更に、例えば配置プレートの窪みの底面に、配置プレートの外壁に露出部を有する検査用電極を備えることにより、圧電素子が第1主面及び第2主面に備える電極に検査のための電気的な接続を容易にすることができる。
【0018】
よって、無駄となる圧電素子部材を抑え、貼り付ける前に個々の品質を容易に確保することができると共に、圧電素子を効率よく組み付けることができる液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
【0020】
本発明に係わる液滴吐出ヘッドの製造方法により製造される液滴吐出ヘッドについて説明する。
【0021】
図1は、液滴吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドAと称する。)の構成の分解斜視図を示している。図1において、1はノズルプレート、5は中間プレート、2はボディプレート、3は圧電素子、30はパイプ接続部、42は圧電素子3に電力を供給するフレキシブル基板(以降、FPC(Flexible printed circuits)と称する。)を模式的に示している。
【0022】
ノズルプレート1には、インク吐出のためのノズル孔11を複数配列してある。ノズル孔11の液滴を吐出する吐出口を有する吐出面13には撥液膜45がある。中間プレート5には、ノズル孔11に連通する貫通孔12が設けてあり、貫通孔12の径はノズル孔11の径より大きい。
【0023】
また、ボディプレート2には、中間プレート5を介してノズルプレート1を貼り合わせることで圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23及び共通インク室となる共通インク室溝22、並びにインク供給口21が形成されている。
【0024】
ノズルプレート1のノズル孔11とボディプレート2の圧力室溝24とが一対一で対応するように、中間プレート5を挟んでノズルプレート1とボディプレート2と貼り合わせることで、流路ユニットMを形成する。ここで、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、供給路溝、共通インク室溝の各符号は、それぞれ圧力室、供給路、共通インク室にも使用する。また、インク供給口21に連通するようにパイプ接続部30を固定してある。パイプ接続部30と別途準備するインク貯蔵部(図示しない)とをパイプ(図示しない)で接続することで、流路ユニットMにインクを供給することができる。
【0025】
流路ユニットMにおいて、圧力室24の容積を変化させてノズル孔11から液滴を吐出させるアクチュエータとして、圧電素子3をボディプレート2の中間プレート5を有する面と反対面で、各圧力室24の振動板として機能する底部の外壁面に固定してある。
【0026】
図2は、図1に示す記録ヘッドAにおけるノズルプレート1のX1−X1’、中間プレート5のX2−X2’及びボディプレート2のX3−X3’の位置での断面を、圧電素子3を含めて模式的に示している。記録ヘッドAには、圧電素子3をボディプレート2の中間プレート5を接着する面と反対側の各圧力室24を構成する壁の一部である底部25の外壁面に接着してある。底部25は、圧電素子3の振動を圧力室24内のインクに振動を伝える振動板(ダイヤフラムとも称す。)として機能する。
【0027】
図3は、図1に示す記録ヘッドAにおけるノズルプレート1のY1−Y1’、中間プレート5のY2−Y2’及びボディプレート2のY3−Y3’の位置で隣接する2つの圧電素子3が設けてある圧力室24の底部25の周辺断面を、圧電素子3を含めて模式的に示し、また圧電素子3を駆動する駆動回路50を示している。圧電素子3には、それぞれの両面に電極201、202が設けてある。電極201は電気的接続が可能な導電性接着剤等により、ボディプレート2の底部25の外壁面に形成されているベース電極35に固定されている。
【0028】
記録ヘッドAにおいて、駆動回路50とベース電極35とは共通配線CLで、また駆動回路50と各圧電素子3の電極202とは個別配線L1、L2で接続される。駆動回路50より圧電素子3に駆動パルス電圧が印加され、圧電素子3が変形変位することで発生する振動が圧力室24の底部25に伝えられる。この底部25の振動により圧力室24内にあるインクに加える圧力を変動させることでノズル孔11からインク滴を吐出させる。
【0029】
本発明に係わる圧電素子3の断面形状は、図2、図3に示すように略台形であり、これに関しては以降で説明する。
【0030】
記録ヘッドAを製造する製造工程のフロー図を図4に示す。図4に沿って、記録ヘッドAの製造に関して、適宜図面を参照しながら説明する。
【0031】
(ノズルプレートの製造、ボディプレートの製造、中間プレートの製造工程)
図1に示す流路ユニットMを構成するノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2をそれぞれ製造する。ノズルプレート1とボディプレート2を成す材料はSiとし、中間プレート5を成す材料は、可動イオンを含む硼珪酸ガラスが好ましい。各プレートをこれらの材料とすることで後述する陽極接合を容易に行うことができる。
【0032】
ノズルプレート1にノズル孔11を形成する方法、中間プレート5に貫通孔12を形成する方法、ボディプレート2に圧力室溝24等を形成する方法は、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)及びエッチング技術等を用いることができる。エッチング方法としては、ドライエッチングが好ましい。これらの方法により、ノズルプレート1、ボディプレート2及び中間プレート5を準備する。
【0033】
(接合工程)
準備したノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2の3枚のプレートを重ね合わせ陽極接合により接合して圧力室24を形成する。
【0034】
陽極接合は、陽極接合温度で中間プレート5の中の可動イオンが高電界に引かれて移動拡散する現象であり、この現象が顕著なガラスが好ましい。好ましいガラスとしてテンパックス フロート(登録商標)及びパイレックス(登録商標)がある。
【0035】
陽極接合することに関して図16を用いて説明する。ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2は、十分に洗浄して乾燥させ、接合面にゴミが無いようにする。ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2の各接合面は、研磨等により各表面粗さを10nm未満にするのが好ましい。
【0036】
次に、プレート固定台20の電極20a上にボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1を順に重ね合わせる。電極となる押圧部材110をノズルプレート1の上に設けてノズルプレート1を押圧し、この状態でプレート固定台20が備えているヒーター(図示しない)により重ね合わせた3枚のプレートを加熱する。
【0037】
陽極接合温度(概ね350℃から550℃の範囲)まで3枚のプレートを加熱し、陽極接合温度を維持した状態で直流電圧(概ね0.5kVから2kVの範囲)を3枚のプレートに印加する。具体的には、ボディプレート2に接触する電極20aと、押圧板110に接触する電極120とをプラスとし、中間プレート5に接触する電極130をマイナスとして直流電源150より直流電圧を3枚のプレートに印加する。
【0038】
押圧部材110で押圧することで、3枚のプレート間の間隔を狭くして空気層を周囲に押し出し、空気が押し出された領域は、研磨等で表面粗さRaが10nm未満としている場合は間隔が非常に小さくなり、面同士が接触して分子間力で密着させることができる。ノズルプレート1を押圧する押圧部材110は、電極となる材料であれば特に限定されない。
【0039】
本実施の形態では、同時に3つのプレートを接合することで製造工程を簡略化、時間短縮しているが、ボディプレート2と中間プレート5を接合し、次に中間プレート5とノズルプレート1とを接合するように順次陽極接合を行ってもよい。
【0040】
(洗浄工程)
ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を陽極接合した流路ユニットMの洗浄を行う。洗浄により清浄した吐出面13に後述の撥液膜45を形成することで、吐出面13に対する撥液膜45の密着力を十分に確保でき、耐久性を向上することができる。また、後述のベース電極35を形成する場合も、上記と同様に、流路ユニットMの底部25の外壁面にベース電極35の密着力を十分に確保することができる。
【0041】
洗浄方法としては、例えば超音波洗浄が有り、洗浄液は、流路ユニットMを成す材料に浸食等の化学的変化を生じないものであれば特に限定されず、汚染物質に応じて適宜選択すれば良い。例えば、ガラスやSi等の粒子汚れの除去性や脱脂力に優れているアルカリ洗剤、取り扱いが容易な中性洗剤を挙げられ、また、RCA洗浄法を適用しても良い。
【0042】
洗浄後、流路ユニットMを純水によりリンス処理を行い乾燥させ、この後、更に酸素プラズマによるアッシング処理を行ってもよい。
【0043】
(撥液膜形成工程)
ノズルプレート1の吐出面13に撥液膜45を設ける。撥液膜45を設けることで、ノズル孔11から液体が吐出面13に馴染むことによる染み出しや広がりを抑制することができる。撥液膜45は、例えば液体が水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体が油性であれば撥油性を有する材料が用いられる。一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素化シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布方法、真空蒸着方法、浸漬方法で吐出面13に成膜する。撥液膜45の厚みは、撥液膜45の材料、形成方法により適宜決めればよい。
【0044】
撥液膜45は、撥液膜45の密着性を向上させるために、下地層、例えばプラズマCVD法で形成できるTEOS(テトラエトキシシラン)膜を介して成膜するのが好ましい。
【0045】
(ベース電極形成工程)
流路ユニットMの背面(ノズルプレート1がある側と反対側の面)の圧力室24の位置に該当する部分(所謂振動板として機能する部分)にベース電極35を設ける(図2、図3参照)。ベース電極35は、この上に設ける全ての圧電素子3に電圧を印加して駆動するための共通電極として機能する。このベース電極35の材料は、電極となる材料であれば特に限定することはなく、例えば、Al、Au、Cu、Agが挙げられ、密着性を良くするためのCr等の下地層を設けてもよい。ベース電極35を形成する方法は、特に限定はなく、例えば公知のスパッタリングや真空蒸着がある。
【0046】
(圧電素子固定工程)
振動板として機能する底部25の外壁面に設けられたベース電極35の上に圧電素子3を固定することに関して説明するが、説明を容易にするためベース電極35を省いて底部25の外壁面に圧電素子3を固定するものとして以降の説明を行う。
【0047】
底部25の外壁面に圧電素子3を固定する場合、主に、後述する配置プレートの窪みに圧電素子を入れて配置する圧電素子配置工程、圧電素子に接着剤を塗布する接着剤塗布工程、及び底部25の外壁面と圧電素子と重ね合わせて接着する接着工程とがあり、順次説明する。
【0048】
(圧電素子配置工程)
圧電素子3は、分極方向が揃っており、直交方向の断面形状の少なくとも一方は略台形であるのが好ましく、図2、図3に示す様に直交する両方向の断面形状が略台形であるのがより好ましい。圧電素子3の断面形状が略台形であると、分極処理されたバルク型圧電素子部材を切り離して形成される圧電素子3の分極方向(極性)を容易に判別でき、また、後述する配置プレートの窪みに圧電素子3を入れて配置する際、圧電素子3の分極方向を揃えて窪みに容易に入れることができる。圧電素子3の配置プレートへ窪みに入れることに関しては、後で詳細に説明する。
【0049】
圧電素子3の断面形状を略台形としているが、略台形に関して以下に説明する。図7(a)、(b)、(c)に示すように、互いに平行な短い辺を上底301とし、長い辺を下底302とすると、上底301と下底302との間における上底301(又は下底302)に平行な方向の幅3Wが、少なくとも下底302の幅より小さいものであればよい。又、幅3Wは、上底301と下底302との間の全ての範囲で必ずしも上底301より大きくなくてもよく、一時的に幅3Wが上底301より小さい括れ形状であってもよい。
【0050】
例えば、理想的な台形形状を示す図7(a)ように上底301の両端とこれに対向する下底302の両端同士を結ぶ辺が必ず直線である必要はなく、図7(b)、(c)に示すような内側に凹む又は外側に膨らむ曲線でもよい。また、上底301又は下底302に垂直な軸で図7(a)、(b)、(c)のように線対称であるのが好ましいが、図7(d)に示す様に線対称で無くても良い。但し、振動板に接着する複数の圧電素子3においては、複数のノズル孔からの液滴の吐出性能が均一となるように断面形状が揃っていることが好ましい。
【0051】
圧電素子3の形状の例を図8(a)、(b)、(c)、(d)に示す。図8(a)は、直交する2方向V−V’、W−W’の断面形状が略台形である圧電素子3の外観を斜視図で示す。圧電素子3は、短冊状であって台形台を成し、台形台を成す互いに略平行で対向する面の内、面積の大きい方を第1主面310とし、面積が小さい方を第2主面320とする。図8(a)の圧電素子3を第2主面320側から見た様子を図8(b)に示す。2方向の断面形状が略台形である圧電素子3は、後で説明する配置プレートの窪みにより容易に入れることができるより好ましい形態である。
【0052】
圧電素子3の断面形状が略台形である方向は、必ず直交する2方向V−V’、W−W’である必要はなく、少なくとも1方向の断面形状が略台形であればよい。1方向の断面形状のみが略台形である圧電素子3の第2主面320側から見た様子を図8(c)、(d)に示す。図8(c)では、W−W’方向の断面形状が略台形であり、図8(d)では、V−V’方向の断面形状が略台形であり、図8(c)のV−V’方向及び図8(d)のW−W’方向の断面形状は長方形である。
【0053】
図8(a)に示すような2方向の断面形状が略台形の短冊状で分極方向が揃っている圧電素子3は、例えば図9に示す様な圧電素子母体205の表裏両面に電極201、202を備え、電極方向に分極されているバルク型圧電素子部材200を用いて以下の方法により形成することができる。
【0054】
図10(a)に示すように、固定台80にバルク型圧電素子部材200を熱剥離シート等の粘着固定シート82を介して固定し、このバルク型圧電素子部材200の表面に、フォトリソグラフィー技術により短冊格子状のマスク86を形成する。この後、図10(b)に示すように酸化アルミナ等の微小球を吹き付ける(矢印で示す)ブラスト加工を行う。
【0055】
また、図11に示すように、固定台80に、バルク型圧電素子部材200をダイシングシート等の粘着固定シート82を介して固定し、刃先がテーパ状のブレード84(例えば、(株)ディスコ NBC−Z1090LG2S3T2 56×0.15×40×45°)を備えたダイサーを用いて直交する2方向に短冊状に切断する。尚、図10、11に示すバルク型圧電素子部材200においては、上下面の電極201、202を省略している。
【0056】
バルク型圧電素子部材200を切断し、2方向の断面が略台形の短冊状の圧電素子3とした様子の一部分を図12に示す。図12に示す様に、圧電素子3は、バルク型圧電素子部材200を規則正しく切断して得ることができるため、廃棄する部分の発生を抑えて、バルク型圧電素子部材200から効率良く得ることができる。尚、断面形状を長方形とする場合は、例えば、刃先がテーパ状でない板状のブレードを用いればよい。
【0057】
上記のようにして得た断面形状が略台形の圧電素子3を流路ユニットMの各圧力室24の底部25の外壁面に、以下で説明する配置プレートを用いて固定させる。
【0058】
図5に示すように、配置プレート60は、上面61に窪み62を備えている。この窪み62は、流路ユニットMにおける各圧力室24の振動板として機能する底部25の配置に対応する位置に設けられ、圧電素子3の第2主面320を窪み62の底部に向けて窪み62に入れられ位置決めするように保持される。
【0059】
窪み62に圧電素子3が入れられて保持されている様子を図5のZ1−Z1’位置での部分断面で図6に示す。図6(a)、(b)においては、窪み62の底面621は、第2主面320と接し、第2主面320を上面61に対し略平行に圧電素子3を支持し、配置プレート60の上面61から底面621までの深さは、圧電素子3の厚さより小さい。このため、圧電素子3の第1主面310は上面61より浮いた位置となる。
【0060】
また、上面61での窪み62の開口は、圧電素子3を底面621で支持した状態で、上面61と交差する断面形状と略同じである。このため、圧電素子3は、流路ユニットMの底部25の配置に対応した上面61の位置に設けた窪み62により位置決めされた状態で保持される。窪み62の深さ方向に対して垂直な面と窪みの内壁面とが交差する開口横断面は、図6(a)のように底面621に向かって小さくなっても良いし、図6(b)のように上面61における開口形状と同じとして良く、特にこれらに限定しない。
【0061】
尚、底面621は、第2主面320全面と必ずしも接する必要はなく、第2主面320と接する部分は、例えば田の字等の格子状としてもよい。
【0062】
窪み62の別の態様として図6(c)を示す。図6(c)において、窪み62の底面621は、第2主面320と接し、第2主面320を上面61と略平行に圧電素子3を支持し、配置プレート60の上面61から底面621までの深さは、圧電素子3の厚さと同じである。このため、圧電素子3の第1主面310は上面61と同一面内となる。
【0063】
また、上面61での窪み62の開口は、圧電素子3の第1主面310と略同じであり、圧電素子3は、流路ユニットMの底部25の配置に対応した上面61の位置に設けた窪み62により位置決めされた状態で保持される。窪み62の深さ方向に対して垂直な面と窪みの内壁面とが交差する開口断面(開口横断面)は、第1主面310の大きさ未満である。このため、上面61での開口が第1主面310と大きさが同じであっても、窪み62には第1主面310が窪み62の底面に向いた状態では保持されない。
【0064】
上記で説明した窪み62の2つの態様において、上面61での開口から底面621までの窪み62の深さ方向の開口横断面が圧電素子3の第2主面320より大きく第1主面310より小さい範囲であって、図6(a)、(c)に示すように、圧電素子3が第2主面320を底面621に向けて窪み62により容易に入るように、窪み62の深さ方向に対して平行な面と窪みの内壁面とが交差する開口断面(開口縦断面)はテーパ状とするのが好ましい。尚、テーパを成す斜面は、圧電素子3が入れば良く、必ずしも直線である必要はない。
【0065】
尚、図6(a)から(c)において窪み62の開口縦断面形状は、図8(a)に示す圧電素子3のV−V’方向に対応する図5のZ1−Z1’方向の断面形状に対して説明したが、圧電素子3のW−W’方向に対応する図5のZ2−Z2’方向の断面形状に対しても図6(a)から(c)と同様であるため説明を省略する。また、図8(c)、(d)に示した、一方の方向の断面形状が長方形である圧電素子3が窪み62に配置される様子の例を図6(d)、(e)に示す。図6(d)は、図6(a)、(b)のように第1主面310が上面61より浮いている状態を示し、図6(e)は、図6(c)のように第1主面310が上面61と同一面内である状態を示す。
【0066】
尚、配置プレートに設ける窪み62の実際の具体的な寸法は、圧電素子3の外形寸法の公差や底部25の配置に対応する位置の許容誤差等を考慮して決めれば良い。
【0067】
次に、圧電素子3を配置プレート60の窪み62に入れて位置決めするように保持させる。具体的には、配置プレート60の上面61上の任意の位置に圧力室24の数以上の圧電素子3を置いて、図13(a)に示す様に配置プレート60を例えばモータ400を正逆転させる等でシーソー状態に傾斜させる方法、図13(b)に示す様に配置プレート60に例えばエアーシリンダ410のロッドを間欠的に配置プレートの背面に当てる等で振動を加える方法、図13(c)に示す様に配置プレートの上をへら状の部材420を例えばモータ等で圧電素子3に接触させて移動させる方法がある。何れの方法においても、圧電素子3を上面61の上を移動させて、圧電素子3を窪み62に入るようにする。これらの方法は、一つでも良いし、組み合わせても良い。
【0068】
配置プレート60の周囲には、上面61に置かれて移動させられる圧電素子3が上面61上から逸脱しない様に上面61より高く突出した外周壁65を設けておく。上記の方法によって、これまで説明した圧電素子3の形状と窪み62の形状とから、圧電素子3は、第2主面320を窪み62の底面621に向けて窪み62に入り位置決めされて保持される。
【0069】
(接着剤塗布工程及び接着工程)
配置プレート60の窪み62に配置された圧電素子3の第1主面310に導電性接着剤、例えば、銀ペースト、カーボンペースト等を塗布し、圧電素子3を配置した配置プレート60に流路ユニットMを各圧力室24の底部25に対応するように重ね合わせて接着する。これらに関して、図14を用いて説明する。
【0070】
配置プレート60の窪み62に配置された圧電素子3は、配置プレート60の上面61側に第1主面310が揃っている。また、圧電素子3を形成する際に母材としたバルク型圧電素子部材200は、厚みが精度良く形成されているため、配置プレート60の上面61から窪み62の底面621までの深さを均一とすることにより、上面61から各圧電素子3の第1主面310までの高さを均一にすることができる。よって、圧電素子3は、第1主面が平面状に揃って並ぶことになる。
【0071】
第1主面310に導電性接着剤を塗布する際、第1主面310の高さが均一であると、塗布が容易であると共に塗布量を均一化しやすい。接着剤を塗布する方法は、公知の方法で良く、第1主面310が上面61より浮いている状態の場合は、スプレー法や転写法が好ましく、第1主面310が上面61と同一面内の場合は印刷やディスペンサ法が好ましい。
【0072】
図14(a)はディスペンサによる接着剤塗布の例を示す。ディスペンサ75は、配置プレート60の窪み62に保持されている圧電素子3の第1主面310に接着剤を順次塗布する。この後、図14(b)に示すように、配置プレート60の圧電素子3の位置と流路ユニットMの底部25の位置とが合うように位置調整を行い、配置プレート60に流路ユニットMを重ねる。底部25の外壁部に圧電素子3を固定した後、図14(c)に示すように、配置プレート60から流路ユニットMを離すと、各圧力室24の底部25の外壁面に圧電素子3が固定された流路ユニットMを得ることができる。
【0073】
(検査工程)
圧電素子3は、バルク型圧電素子部材から分極が揃っている台形台の形状で切り出されるため、電極を備えている第1主面310と第2主面320とから分極方向を容易に判別することができる。このため、流路ユニットMに圧電素子3を固定する前に、個々の圧電素子3対して静電容量、共振周波数及び変位量等の特性を容易に検査することができ、流路ユニットMに固定する前に不良の圧電素子3を取り除くことが容易にできる。よって、流路ユニットMに組み付けられた圧電素子3は不良が発生せず、効率良く組み立てを行うことができる。
【0074】
個々の圧電素子3を検査する場合、配置プレート60の窪み62で圧電素子3を保持させた後は、圧電素子3は分極方向が揃って整列した状態であるため、圧電素子3をより容易に検査することができる。具体的には、図15に示すように、配置プレート60の窪み62の底面621に検査用電極90を設けておいて、この窪み62に圧電素子3を入れて保持すると、第2主面320の電極202は検査用電極90に接触し電気的に結合される。このように圧電素子3が配置プレート60に配列された状態で、検査用電極90の配置プレートの外壁部に露出している部分と第1主面310の電極201に静電容量、共振周波数及び変位量等の検査を行う検査装置95の電極端子92、93をそれぞれより容易に効率よく接続することができる。よって、流路ユニットMに圧電素子3を固定する前に各圧電素子3の良否判定をより効率良く行うことができる。また、流路ユニットMに組み付けられた圧電素子3は不良が発生せず、より効率良く記録ヘッドの製造を行うことができる。
【0075】
(FPC配線工程)
次に、流路ユニットMに固定した各圧電素子3に電力を供給する配線をする。図3に示す様なFPC42を流路ユニットMの背面に接着剤等で固定する。流路ユニットMの背面にFPC42が固定され、ベース電極35及び各圧電素子3とFPC42と接続されている様子を図17に示す。FPC42は、ベース電極35に接続する共通配線CLと各圧電素子3に接続する個別配線Li(i=1、2、・・・)とを含んでいる。共通配線CLは、銀ペースト等の導電性接着剤CPでベース電極35と電気的に接続し、各圧電素子3の電極202と個別配線Liとは、例えばAu線をワイヤWとしたワイヤボンディングにて接続する。
【0076】
(インク供給路固定工程)
流路ユニットMに開口しているインク供給口21にインクを供給するためのパイプ接続部30を接着剤等で固定する。パイプ接続部30を流路ユニットMに設けることで、パイプ接続部30と別途設けるインク貯蔵部(図示しない)とをパイプで接続することができ、流路ユニットMにインクを供給することができる。
【0077】
以上でもって、記録ヘッドAを完成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】インクジェット式記録ヘッドの一例を示す分解斜視図である。
【図2】インクジェット式記録ヘッドの断面図を示す図である。
【図3】インクジェット式記録ヘッドの断面図を示す図である。
【図4】インクジェット式記録ヘッドを製造する製造工程を示すフロー図である。
【図5】配置プレートに圧電素子を配置する様子を示す図である。
【図6】配置プレートの窪みに圧電素子が配置されている様子を示す図である。
【図7】圧電素子の断面形状である略台形を説明する図である。
【図8】圧電素子の形状の例を示す図である。
【図9】バルク型圧電素子部材を示す図である。
【図10】バルク型圧電素子部材から圧電素子を得る加工方法の例を示す図である。
【図11】バルク型圧電素子部材から圧電素子を得る加工方法の例を示す図である。
【図12】バルク型圧電素子部材から圧電素子を切り離した様子を示す図である。
【図13】配置プレートの窪みに圧電素子を配置する方法を説明する図である。
【図14】流路ユニットに配置プレートに配置されている圧電素子を貼り付ける工程を示す図である。
【図15】配置プレートに配置された圧電素子を検査する方法を説明する図である。
【図16】陽極接合を説明する図である。
【図17】インクジェット式記録ヘッドにフレキシブル基板が接続されている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 ノズルプレート
2 ボディプレート
3 圧電素子
5 中間プレート
11 ノズル孔
12 貫通孔
21 インク供給口
22 共通インク室(溝)
23 インク供給路(溝)
24 圧力室(溝)
25 底部
35 ベース電極
45 撥液膜
50 駆動回路
60 配置プレート
61 上面
62 窪み
621 底面
90 検査用電極
200 バルク型圧電素子部材
201、202 電極
205 圧電素子母体
310 第1主面
320 第2主面
A 記録ヘッド
M 流路ユニット
CL 共通配線
L1、L2 個別配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液滴として吐出する複数のノズル孔に連通する圧力室と、前記圧力室の一部の壁面を形成している振動板と、前記振動板の外壁面に固定される圧電素子と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記圧電素子は、互いに略平行に対向し、電極をそれぞれに備える第1主面と前記第1主面より面積が小さい第2主面とを有し分極方向が揃っている短冊状であり、
前記振動板の配置に対応した上面の位置に窪みが設けられている配置プレートの前記窪みに前記圧電素子を入れて配置する圧電素子配置工程と、
前記窪みに配置された前記圧電素子の前記第1主面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記振動板の外壁面と接着剤が塗布された前記第1主面とを対応させ、重ね合わせて接着する接着工程と、を有し、
前記窪みは、前記第1主面が前記上面と同じ方向に向いて平面状に並び、前記圧電素子を位置決めするように前記圧電素子を保持することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記圧電素子は、少なくとも1方向の断面形状が略台形であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記窪みの底面は、前記第2主面と接して前記第2主面を前記上面に対して略平行に支持し、
前記上面から前記窪みの底面までの深さは、前記圧電素子の厚さより浅く、
前記上面における前記窪みの開口は、前記窪みの底面が前記第2主面を支持した前記圧電素子が前記上面と交差してなす断面形状と略同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記窪みの底面は、前記第2主面と接して前記第2主面を前記上面に対して略平行に支持し、
前記上面から前記窪みの底面までの深さは、前記圧電素子の厚さと同じであり、
前記上面における前記窪みの開口は、前記第1主面と同じであり、
前記窪みの深さ方向に対して垂直な面と前記窪みが交差してなす開口断面及び前記窪みの底面は、前記第1主面の大きさ未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記圧電素子配置工程において、
前記配置プレートの周囲は、前記圧電素子が前記上面から外れないように前記上面より突出している外周壁を備え、
前記上面の上に複数の圧電素子を任意に配置した後、前記配置プレートに振動を加える方法、前記配置プレートの上面を傾ける方法及び前記上面の上をへら状部材を移動させる方法の少なくとも何れか一つの方法により、前記上面の上の前記圧電素子を移動させ、前記窪みに前記圧電素子を入れて配置することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記圧電素子配置工程の後、前記窪みに配置された前記圧電素子を検査する検査工程を有し、
前記配置プレートは、前記窪みの底面で前記第2主面の電極に接し、且つ前記配置プレートの外壁に露出部を有する検査用電極を備え、
前記検査工程は、前記検査用電極と前記第1主面の電極とを用いて、前記窪みに入っている圧電素子の静電容量、共振周波数及び変位量の少なくとも何れか一つを検査することを特徴とする請求項1から5の何れか一項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−131887(P2010−131887A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310694(P2008−310694)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】