説明

液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材及びその製造方法並びに液状物保持板材

【課題】十分な強度を発揮することができると共に、周縁部におけるシール性に優れた液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材及びその製造方法並びに液状物保持板材を提供する。
【解決手段】液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10では、中空錐台状をなす突起体12が千鳥状に設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が対向する突起体12同士を固着して芯材が形成される。その芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材が熱融着されて熱可塑性樹脂板材が構成される。該熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部17とシール部18が順次設けられ、熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に水、蓄熱剤等の液状物が収容される中空部19が形成される。前記熱可塑性樹脂シート状物に対する熱可塑性樹脂表面材の目付量の比は1〜3であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば中空部に蓄熱剤や水が収容されて蓄熱用板材や断熱用板材として使用される液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材及びその製造方法並びに液状物保持板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、熱可塑性樹脂は金属に比べて軽量であるという長所を有しているが、その反面強度や剛性が低いという欠点があるため、ハニカム構造などを採ってその欠点を補うように工夫されている。このようなハニカム構造では内部に空間部を有していることから、断熱性などの物性向上を図ることができる。
【0003】
この種の材料として、熱可塑性樹脂に積層部が形成された複層板であって、該複層板の端部構造に特徴を有する材料が知られている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、係る複層板は、熱可塑性樹脂からなる基材と、該基材に積層一体化された積層部とからなる複層構造を有し、基材の端部が積層部側に向けて起立している端部構造を備えている。そして、前記基材は、中空リブ構造が連続形成されたダンボール構造、すなわち連続的に形成された中空構造を有している。この複層板によれば、軽量で強度が優れ、断熱性にも優れている。
【特許文献1】特開2007−331389号公報(第2頁、第3頁及び第6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載されている複層板では、起立した端部の先端が積層部の表層側へ傾斜しているため中空リブ構造への異物の侵入を防止でき、防塵性も付与することができるが、中空部に水や蓄熱剤等の液状物を収容することは想定されていないことから、そのシール性が不十分であった。さらに、複層板の端部の構造は、複層板を端部で切断する際に、その端部が加熱押圧されることで形成されるものであり、その端部の起立した部分が積層部の表層に密着されているものではない。そのため、複層板の端部におけるシール性に欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、十分な強度を発揮することができると共に、周縁部におけるシール性に優れた液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材及びその製造方法並びに液状物保持板材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、中空錐台状をなす突起体が千鳥状に設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が対向する前記突起体同士を固着してなる芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を貼り合せた熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部とシール部が順次形成され、前記熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に中空部を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、請求項1に係る発明において、前記熱可塑性樹脂シート状物に対する熱可塑性樹脂表面材の目付量の比が1〜3であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記中空部の占める容積率が30〜70%であることを特徴とする。
請求項4に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明において、前記傾斜部の傾斜角度は30〜60°であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において、前記シール部の幅は2〜20mmに設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の液状物保持板材は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の中空部に液状物が収容されていることを特徴とする。
請求項7に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、中空錐台状をなす突起体が設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が対向する前記突起体同士を固着してなる芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を貼り合せた熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部とシール部が順次形成され、前記熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に中空部を有している液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂板材を調製する工程(1)と、前記熱可塑性樹脂板材の周縁部を圧潰して傾斜部を形成する工程(2)と、前記傾斜部の周縁を熱融着してシール部を形成する工程(3)と、前記シール部の全周縁を切断する工程(4)とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項8に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、請求項7に係る発明において、前記工程(2)と工程(3)を同時に行うことを特徴とする。
請求項9に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、請求項7に係る発明において、前記工程(2)〜工程(4)を同時に行うことを特徴とする。
【0012】
請求項10に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、請求項7から請求項9のいずれか1項に係る発明において、前記工程(4)において、シール部の幅を2〜20mmに設定することを特徴とする。
【0013】
請求項11に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、請求項7から請求項10のいずれか1項に係る発明において、前記工程(3)において、熱融着は、熱可塑性樹脂の融点Tに対し、(T−50)〜(T−30)℃の温度範囲内で、かつ、5〜25MPaの圧力条件下で行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、中空錐台状をなす突起体が千鳥状に設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が、対向する突起体同士を固着してなる芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を貼り合せた熱可塑性樹脂板材により形成されている。このため、芯材は千鳥状に配置された突起体によって強度が確保され、さらに芯材両面の熱可塑性樹脂表面材により一層の強度向上が図られる。また、熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部とシール部が順次形成されていることから、このシール部によって周縁部におけるシール性の向上を図ることができる。そして、前記熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に形成された中空部に水や蓄熱剤等の液状物を収容することができる。
【0015】
従って、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材は、十分な強度を発揮することができると共に、周縁部におけるシール性に優れている。
請求項2に係る発明では、熱可塑性樹脂シート状物に対する熱可塑性樹脂表面材の目付量の比が1〜3に設定されている。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、強度の向上を図ることができると共に、シール部によるシール性を向上させることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、中空部の占める容積率が30〜70%という適度な範囲である。そのため、中空部の容積を十分に確保しつつ、請求項1又は請求項2に係る発明の効果を発揮することができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、傾斜部の傾斜角度は30〜60°という45°前後の範囲である。従って、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、傾斜角度が極端な場合に見られる熱可塑性樹脂表面材の折れ曲がりや破れを抑制することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、シール部の幅は2〜20mmに設定されている。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、シール部によるシール性を十分に発揮することができる。
【0019】
請求項6に係る発明の液状物保持板材では、前記液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の中空部に液状物が収容されている。従って、中空部に例えば水、蓄熱剤等の液状物が収容されることにより、断熱効果や蓄熱効果を発揮することができる。
【0020】
請求項7に係る発明の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法では、熱可塑性樹脂板材を調製する工程(1)と、熱可塑性樹脂板材の周縁部を圧潰して傾斜部を形成する工程(2)と、該傾斜部の周縁を熱融着してシール部を形成する工程(3)と、該シール部の全周縁を切断する工程(4)とを備える。そのため、前記効果を奏する液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材を効率良く製造することができる。
【0021】
請求項8に係る発明では、工程(2)と工程(3)を同時に行う。従って、1工程を省略することができ、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造効率を向上させることができる。
【0022】
請求項9に係る発明では、工程(2)〜工程(4)を同時に行う。その結果、2工程を省略することができ、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造効率を一層向上させることができる。
【0023】
請求項10に係る発明では、工程(4)においてシール部の幅を2〜20mmに設定する。このため、請求項7から請求項9のいずれかに係る発明の効果に加えて、シール性を十分に発揮することができる液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材を簡単に製造することができる。
【0024】
請求項11に係る発明では、工程(3)において、熱融着は、熱可塑性樹脂の融点Tに対し、(T−50)〜(T−30)℃の温度範囲内で、かつ、5〜25MPaの圧力条件下で行われる。従って、請求項7から請求項10のいずれかに係る発明の効果に加え、使用する熱可塑性樹脂に対して適切な熱融着の温度及び圧力を設定することができ、シール部による十分なシール性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の最良と思われる実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10は、平面正方形状をなす四角板状に形成されている。図4(a)及び(b)に示すように、ポリプロピレン樹脂製の熱可塑性樹脂シート状物11は、その一方の面(上面)に中空円錐台状に突出形成された多数の突起体12が一定間隔をおいて千鳥状に配置されている。各突起体12は、底部12a側に開口部13を有する中空状をなし、頂部12bから底部12aにかけて直径が次第に増大するテーパ状に形成されている。係るテーパ角度は、好ましくは40〜80°、より好ましくは60〜75°である。このテーパ角度が40°未満の場合及び80°を超える場合には突起体12の耐圧性が低下する。
【0026】
突起体12は通常その頂部12bの直径が1〜4mm、底部12aの直径が3〜16mm及び高さが3〜13mmに設定される。また、突起体12間の間隔は、10mm以下であることが好ましい。突起体12間の間隔が10mmを超えると、熱可塑性樹脂シート状物11の耐圧性が低下して変形しやすくなる。熱可塑性樹脂シート状物11の厚さは、0.1〜1mmであることが好ましい。この厚さが0.1mmより薄い場合には十分な剛性が得られず、所望とする突起体12が得られなくなり、1mmより厚い場合には突起体12の成形が難しくなる。
【0027】
この突起体12の形状は中空錐台状であればよく、中空四角錐台状、中空六角錐台状等の中空角錐台状であってもよい。図4(c)は、この熱可塑性樹脂シート状物11を上下逆にして示す斜視図である。該熱可塑性樹脂シート状物11は、熱可塑性樹脂シートをロール成形機等の成形機を使用し、一方の面に突起体12が形成されるように常法に従って成形されたものである。これら一対の熱可塑性樹脂シート状物11は、対向する前記突起体12の頂部12b同士を熱融着して固着することにより芯材14が形成される。
【0028】
図3に示すように、芯材14の両面にはポリプロピレン樹脂製の熱可塑性樹脂表面材15が熱融着により貼り合されて熱可塑性樹脂板材16が形成されている。前記熱可塑性樹脂シート状物11及び熱可塑性樹脂表面材15を形成する熱可塑性樹脂は特に制限されるものではなく、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、その物性、成形性、コスト等のバランスを考慮するとポリオレフィン系樹脂特にポリプロピレン樹脂が好ましく、自己消火性等の性能が要求される場合にはポリカーボネート樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂には、強度、剛性等の性能を高めるために、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を配合することができる。熱可塑性樹脂には、その他難燃剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を配合することができる。
【0029】
熱可塑性樹脂シート状物11と熱可塑性樹脂表面材15とは、熱融着により貼り合せたときの接合強度を高めるために、相溶性を有する同質材料を使用することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂シート状物11と熱可塑性樹脂表面材15とを共にオレフィン系樹脂により形成することが好ましい。この場合、熱融着時における温度及び圧力の条件を容易に設定できると共に、熱融着後の接合強度の向上を図ることができる。
【0030】
図1及び図2に示すように、熱可塑性樹脂板材16の全周縁部には、中心から周縁方向に向かって傾斜部17とシール部18が順次形成されている。傾斜部17は芯材14の中央線(突起体12の頂部12b接合部の中央を結ぶ線)に対して傾斜角度θだけ傾斜し、シール部18は芯材14の中央線に沿って延びている。熱可塑性樹脂板材16とシール部18との間に傾斜部17を設けることにより、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の周縁部における傷の発生や破れの発生を抑えるという補強効果を発揮することができる。
【0031】
前記傾斜部17は熱可塑性樹脂板材16の周縁部を圧潰することにより所定の傾斜角度θに形成される。この傾斜角度θは30〜60°であることが好ましい。傾斜角度θが30°未満の場合には、シール部18が長くなり、そのシール部18が曲がりやすくなったり、損傷を受けやすくなったりして好ましくない。一方、60°を超える場合には、突起体12の影響で熱可塑性樹脂表面材15が破れやすくなる傾向を示す。
【0032】
前記シール部18は、傾斜部17より外周部を熱融着することにより形成される。このシール部18の幅は、シール性を確保するために2〜20mmであることが好ましい。シール部18の幅が2mmに満たない場合、シール部18のシール性が不足し、液漏れのおそれがある。その一方、シール部18の幅が6mmを超える場合、シール性は十分に確保できるが、シール部18の幅が長くなり過ぎて取扱性が悪くなる。
【0033】
前記熱可塑性樹脂シート状物11に対する熱可塑性樹脂表面材15の目付量の比は、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の強度を保持し、シール性を高めるために1〜3に設定される。係る目付量の比が1を下回るときには、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10のシール部18の厚さが薄くなり、シール性が低下する。一方、目付量の比が3を上回るときには、芯材14の強度が熱可塑性樹脂表面材15の強度に比べて不足すると共に、シール部18の厚さが厚くなり、シール性も低下する。
【0034】
液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10において、熱可塑性樹脂シート状物11間及び周縁部内には中空部19が形成され、水、蓄熱剤等の液状物が収容されるようになっている。この中空部19の占める容積率は30〜70%であることが好ましい。容積率が30%に満たない場合、中空部19に収容される液状物の収容量が少なく、容積効率が悪くなって好ましくない。一方、容積率が70%を超える場合、中空部19に収容される液状体の収容量は十分であるが、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の強度が低下して好ましくない。なお、熱可塑性樹脂シート状物11と熱可塑性樹脂表面材15との間(突起体12が形成されていない部分)には空隙部25が形成され、断熱機能、蓄熱機能などを高めることができるように構成されている。なお、前記芯材14の両面に熱可塑性樹脂表面材15が接合されることにより、空隙部25が熱可塑性樹脂表面材15で塞がれるため、熱可塑性樹脂板材16の表面が平坦になって取扱性が良好となる。
【0035】
また、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10では、シール部18の破壊強度は実用上1〜2MPaであることが好ましい。この破壊強度が1MPa未満の場合には、シール部18の強度が不足し、中空部19に液状物を収容して使用したときシール部18が損傷を受けるおそれがある。その一方、破壊強度が2MPaを超える場合には、熱可塑性樹脂シート状物11や熱可塑性樹脂表面材15を厚くしなければならず、加工性が悪くなると共に、シール性も低下する。
【0036】
液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の中空部19に液状物が収容されて液状物保持板材20が構成される。液状物としては、水、蓄熱剤等が用いられる。この場合、例えば液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の隅に位置するシール部18を切り落とし、そこから液状物を注入し、注入後その部分を熱融着して封止することにより液状物保持板材20を構成することができる。また、図5(a)に示すように、横型のジョイント21を液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の一側縁及び他側縁に取付けて供給口及び排出口とし、図5(b)に示すように、それらのジョイント21にホース22を取着する。係る供給口から液状物を注入し、排出口から排出するようにして液状物保持板材20を構成することができる。この場合、ジョイント21及びホース22の延びる方向は、液状物保持板材20の表面の延びる方向と同一方向である。
【0037】
さらに、図6(a)に示すように、縦型のジョイント23を液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の一側面及び他側面に取付けて供給口及び排出口とし、図6(b)に示すように、それらのジョイント23にホース22を取着する。係る供給口から液状物を注入し、排出口から排出するようにして液状物保持板材20を構成することもできる。この場合、ジョイント23及びホース22の延びる方向は、液状物保持板材20の上面と直交する方向となる。そして、液状物として水や蓄熱剤を用いることにより、液状物保持板材20を断熱材、蓄熱材、保温材等として利用することができる。
【0038】
次に、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造方法について説明する。
液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造方法は、熱可塑性樹脂板材16を調製する工程(1)と、熱可塑性樹脂板材16の周縁部を圧潰して傾斜部17を形成する工程(2)と、傾斜部17の周縁を熱融着してシール部18を形成する工程(3)と、シール部18の全周縁を切断する工程(4)とにより構成されている。
【0039】
工程(1)においては、図7(a)に示すように、一対の熱可塑性樹脂シート状物11の突起体12の頂部12bを対向させ、両突起体12の頂部12b同士を突き合せて熱融着することにより芯材14を調製する。その後、図7(b)に示すように、芯材14の両面に熱可塑性樹脂表面材15を熱融着して貼り合せることにより熱可塑性樹脂板材16を調製する。
【0040】
工程(2)では、図7(c)に示すように、工程(1)で得られた熱可塑性樹脂板材16の周縁部を、所定角度のテーパ面26及びシール面27をもつ金属製枠28で圧潰して所定の傾斜角度θを有する傾斜部17を形成する。
【0041】
工程(3)においては、図7(d)に示すように、上記傾斜部17の周縁部を前記金属製枠28のシール面27で熱融着することによりシール部18を形成する。
工程(4)では、図7(d)に示すように、シール部18の全周縁の切断箇所24を切断刃29によって切断することにより、図2及び図1に示すような液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10を製造する。
【0042】
前記工程(2)と工程(3)とは、上記テーパ面26及びシール面27をもつ金属製枠28を用いて同時に行うことができる。このとき、熱可塑性樹脂板材16の周縁部に傾斜部17が形成されると同時に、その周縁部にシール部18が形成される。
【0043】
さらに、前記工程(2)〜工程(4)は、上記金属製枠28のシール面27より周縁部に切断刃29を備えることにより、これらの工程(2)〜工程(4)を同時に行うことができる。このとき、熱可塑性樹脂板材16の周縁部に傾斜部17及びシール部18が形成されると同時に、シール部18の周縁部が切断刃29により切断箇所24で切断される。
【0044】
液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造方法においては、傾斜部17の傾斜角度θは好ましくは30〜60°に設定され、シール部18の幅は好ましくは2〜20mmに設定される。
【0045】
前記工程(3)において、熱融着は、熱可塑性樹脂の融点Tに対し、(T−50)〜(T−30)℃の温度範囲内で、かつ5〜25MPaの圧力条件下で行うことが好ましい。熱可塑性樹脂がポリプロピレンの場合には、融点が例えば164℃(T=164)であるため、熱融着の温度は114〜134℃である。このような温度及び圧力の条件下に熱融着を行うことにより、シール部18のシール性を十分に得ることができると共に、シール部18を短時間で形成することができる。
【0046】
熱融着時の温度が(T−50)℃を下回る場合には、温度が低くなり過ぎて熱可塑性樹脂の溶融が不十分になり、熱融着による接合強度が低下する。その一方、熱融着時の温度が(T−30)℃を上回る場合には、温度が高くなり過ぎてシール部18が変形したり、熱可塑性樹脂が劣化したりして好ましくない。
【0047】
また、熱融着時の圧力が5MPaより低い場合、熱融着が良好に行われず、熱融着によるシール部18の接合強度が低下する。一方、熱融着時の圧力が25MPaより高い場合、シール部18が潰れやすく、所定の厚さを維持することができなくなり、シール性が低下する。
【0048】
以上の実施形態によって発揮される作用及び効果を以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10は、中空錐台状をなす突起体12が千鳥状に設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物11が、対向する突起体12同士を固着してなる芯材14の両面に熱可塑性樹脂表面材15を貼り合せた熱可塑性樹脂板材16により形成されている。このため、芯材14は千鳥状に均等配置された突起体12により、均等な強度及び剛性を発揮することができると共に、圧縮性能や曲げ性能の向上を図ることができる。その上、芯材14両面の熱可塑性樹脂表面材15により、熱可塑性樹脂板材16の強度、剛性等の機械的物性の向上を図ることができる。
【0049】
また、熱可塑性樹脂板材16の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部17とシール部18が順次形成されていることから、このシール部18によってシール性の向上を図ることができる。しかも、中空部19及び空隙部25によって軽量化を図ることができる。そして、前記熱可塑性樹脂シート状物11間及び周縁部内に形成された中空部19に水や蓄熱剤等の液状物を収容することができる。この中空部19は液状物保持板材20中に均一に形成されているため、液状物を液状物保持板材20中で均一に収容することができる。
【0050】
従って、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10は、十分かつ均等な強度を発揮することができると共に、周縁部におけるシール性に優れている。
・ 熱可塑性樹脂シート状物11に対する熱可塑性樹脂表面材15の目付量の比を1〜3に設定することにより、強度の向上を図ることができると共に、シール部18によるシール性を向上させることができる。
【0051】
・ 前記中空部19の占める容積率が30〜70%という適度な範囲であることにより、中空部19の容積を十分に確保しつつ、前記効果を発揮することができる。
・ 前記傾斜部17の傾斜角度θは30〜60°という45°前後の範囲であることにより、傾斜角度θが極端な場合に見られる熱可塑性樹脂表面材15の折れ曲がりや破れを抑制することができる。
【0052】
・ 前記シール部18の幅を2〜20mmに設定することにより、シール部18によるシール性を十分に発揮することができる。
・ 液状物保持板材20では、前記液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の中空部19に液状物、例えば水、蓄熱剤等を収容することにより、断熱効果や蓄熱効果を発揮することができる。
【0053】
・ 液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造方法では、熱可塑性樹脂板材16を調製する工程(1)と、熱可塑性樹脂板材16の周縁部を圧潰して傾斜部17を形成する工程(2)と、該傾斜部17の周縁を熱融着してシール部18を形成する工程(3)と、該シール部18の全周縁を切断する工程(4)とを備える。そのため、前記効果を奏する液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10を効率良く製造することができる。
【0054】
・ 前記工程(2)と工程(3)を同時に行うことにより、1工程を省略することができ、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造効率を向上させることができる。
・ 前記工程(2)〜工程(4)を同時に行うことにより、2工程を省略することができ、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造効率を一層向上させることができる。
【0055】
・ 前記工程(3)において、熱融着を、熱可塑性樹脂の融点Tに対し、(T−50)〜(T−30)℃の温度範囲内で、かつ、5〜25MPaの圧力条件下で行うことにより、使用する熱可塑性樹脂に対して適切な熱融着の温度及び圧力を設定することができ、シール部18による十分なシール性を確保することができる。
【実施例】
【0056】
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3)
熱可塑性樹脂シート状物11を形成する熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン樹脂にタルクを10質量%添加して混合したものを使用した。この熱可塑性樹脂を2台の溶融押出装置にそれぞれ供給し、Tダイより溶融樹脂をシート状に押出し、真空チャンバー内に回転可能に配置された上下一対のエンボスローラの周面に溶融樹脂シートを真空吸着させた。続いて、該エンボスローラを回転させることにより、エンボスローラに突設されたピン形状に応じた突起体12を有する一対の熱可塑性樹脂シート状物11を得た。続いて、両エンボスローラの接線位置で突起体12の頂部12bを熱融着して一体化し、芯材14を得た。
【0057】
係る突起体12は中空円錐台状に形成し、千鳥状に配置した。突起体12の底部12a直径を6mm、頂部12b直径を2mm及び高さを6mmとした。また、突起体12間の間隔を2mmに設定した。なお、熱可塑性樹脂シート状物11の厚さは0.5mmである。次いで、芯材14の両面に熱可塑性樹脂表面材15として前記熱可塑性樹脂シート状物11を形成する熱可塑性樹脂と同じポリプロピレン樹脂を厚さ0.5mmのシート状に押出して熱融着することにより熱可塑性樹脂板材16を得た。これら熱可塑性樹脂シート状物11及び熱可塑性樹脂表面材15の目付量(g/m)及びその比を表1に示すように設定した。
【0058】
次に、前記熱可塑性樹脂板材16を調製する工程(1)、熱可塑性樹脂板材16の周縁部を圧潰して傾斜部17を形成する工程(2)、傾斜部17の周縁を熱融着してシール部18を形成する工程(3)及びシール部18の全周縁を切断箇所24で切断する工程(4)を経て液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10を調製した。この場合、上記工程(2)及び工程(3)を、前述したテーパ面26及びシール面27をもつ金属製枠28を使用することにより同時に行った。この液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10を得る際の加工性及びシール部18のシール性を評価し、その結果を表1に示した。
【0059】
【表1】

表1に示した結果より、実施例1〜3では、目付量の比が1.1〜2.0の範囲であったため、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造工程における加工性はいずれも良好であり、得られたシール部18のシール性も良好であった。
(実施例4〜6)
実施例4〜6では、実施例1において、前記突起体12の頂部12bの直径及び底部12aの直径を変化させることにより、中空部19の容積率を表2に示すように設定した。得られた液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10について、そのシール部18のシール性を評価し、その結果を表2に示した。
【0060】
【表2】

表2に示したように、これらの実施例4〜6では、中空部19の容積率を51〜65%に設定したため、中空部19に液状物を十分に収容することができると共に、シール部18によるシール性も良好であった。
(実施例7〜9)
傾斜部17の傾斜角度θを実施例7では45°、実施例8では30°及び実施例9では60°に設定した。また、熱融着の圧力は10MPa、温度は120〜130℃及びシール部18の幅は6mmに設定した。得られた液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10について、そのシール部18のシール性を評価し、その結果を表3に示した。
【0061】
【表3】

表3に示した結果より、実施例7〜9ではいずれも液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材10の製造を円滑に行うことができると共に、シール部18のシール状態はいずれも良好であった。すなわち、シール部18は透明で、1枚のシート状になっていた。
【0062】
なお、前記各実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記傾斜部17は、熱可塑性樹脂板材16の周縁部の全体に渡って一定の傾斜角度θに設定する必要はなく、その一部について傾斜角度θを変更してもよい。また、傾斜部17の両端部を円弧状又は面取り状に形成することもできる。
【0063】
・ 前記2枚の熱可塑性樹脂シート状物11として、種類の異なる材料を用いたり、厚さが異なるように構成したり、突起体12の形状が異なるように構成したりすることも可能である。
【0064】
・ 前記空隙部25に液状物を収容できるように構成することも可能である。この場合、液状物保持板材20の断熱効果、蓄熱効果などを調整することができる。
・ 前記液状物として、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類を用いることもできる。
【0065】
・ 前記液状物として、上記以外にも、蓄冷剤、不凍液、温度を調整した温水・冷水のほか、着色剤、防カビ剤、防垢剤、消臭剤、凍結防止剤等の機能性物質を水に添加した機能性物質含有水も、適宜、各種用途(蓄冷用板材、インテリア用板材等)に応じて用いてもよい。
【0066】
・ 前記熱可塑性樹脂表面材15として、熱可塑性樹脂の発泡体を使用して断熱性や蓄熱性を高めるように構成することもできる。また、熱可塑性樹脂表面材15の表面に、必要に応じて、適宜、公知の各種機能層(防汚、帯電防止、スリップ防止、接着、着色、導電、難燃、紫外線吸収、熱線吸収、光安定、酸化防止、劣化防止、親水、撥水等の機能をもつ層)を形成し、積層構造にしてもよい。
【0067】
次に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
〇 前記熱可塑性樹脂シート状物と熱可塑性樹脂表面材とは相溶性を有する同質材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、熱可塑性樹脂シート状物と熱可塑性樹脂表面材との接合強度を高めることができると共に、熱可塑性樹脂シート状物と熱可塑性樹脂表面材とを熱融着によって容易に接合することができる。
【0068】
〇 前記突起体は、熱可塑性樹脂シート状物の全面に均等に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の中空部を均等に形成することができると共に、強度及び剛性を均等に発現することができ、捩れを抑制することができる。
【0069】
〇 前記液状物は水又は蓄熱剤であることを特徴とする請求項6に記載の液状物保持板材。このように構成した場合、請求項6に係る発明の効果に加えて、液状物保持板材を断熱材、蓄熱材、保温材等として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態における液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材を示す斜視図。
【図2】液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の周縁部を示す断面図。
【図3】液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の中央部を示す断面図。
【図4】(a)は突起体が設けられた熱可塑性樹脂シート状物を示す斜視図、(b)は突起体を有する熱可塑性樹脂シート状物の断面図及び(c)は突起体を有する熱可塑性樹脂シート状物を上下逆にして示す斜視図。
【図5】(a)は液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の周縁部に液状物の供給口又は排出口となるジョイントを取付けた状態を示す部分平面図及び(b)はそのジョイントにホースを取着した状態を示す部分平面図。
【図6】(a)は液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の周縁部に液状物の供給口又は排出口となる別のジョイントを取付けた状態を示す部分斜視図及び(b)はそのジョイントにホースを取着した状態を示す部分斜視図。
【図7】液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造工程を示す図であって、(a)は突起体を有する一対の熱可塑性樹脂シート状物を接合した芯材を示す断面図、(b)は芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を接合した熱可塑性樹脂板材を示す断面図、(c)は熱可塑性樹脂板材の周縁部に傾斜部を設けた状態を示す断面図及び(d)は傾斜部の周縁にシール部を設けた状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0071】
10…液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材、11…熱可塑性樹脂シート状物、12…突起体、14…芯材、15…熱可塑性樹脂表面材、16…熱可塑性樹脂板材、17…傾斜部、18…シール部、19…中空部、20…液状物保持板材、θ…傾斜角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空錐台状をなす突起体が千鳥状に設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が対向する前記突起体同士を固着してなる芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を貼り合せた熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部とシール部が順次形成され、前記熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に中空部を有していることを特徴とする液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂シート状物に対する熱可塑性樹脂表面材の目付量の比が1〜3であることを特徴とする請求項1に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。
【請求項3】
前記中空部の占める容積率が30〜70%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。
【請求項4】
前記傾斜部の傾斜角度は30〜60°であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。
【請求項5】
前記シール部の幅は2〜20mmに設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の中空部に液状物が収容されていることを特徴とする液状物保持板材。
【請求項7】
中空錐台状をなす突起体が設けられた一対の熱可塑性樹脂シート状物が対向する前記突起体同士を固着してなる芯材の両面に熱可塑性樹脂表面材を貼り合せた熱可塑性樹脂板材の全周縁部に、中心から周縁方向に向かって傾斜部とシール部が順次形成され、前記熱可塑性樹脂シート状物間及び周縁部内に中空部を有している液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂板材を調製する工程(1)と、
前記熱可塑性樹脂板材の周縁部を圧潰して傾斜部を形成する工程(2)と、
前記傾斜部の周縁を熱融着してシール部を形成する工程(3)と、
前記シール部の全周縁を切断する工程(4)と
を備えることを特徴とする液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法。
【請求項8】
前記工程(2)と工程(3)を同時に行うことを特徴とする請求項7に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法。
【請求項9】
前記工程(2)〜工程(4)を同時に行うことを特徴とする請求項7に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法。
【請求項10】
前記工程(4)において、シール部の幅を2〜20mmに設定することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法。
【請求項11】
前記工程(3)において、熱融着は、熱可塑性樹脂の融点Tに対し、(T−50)〜(T−30)℃の温度範囲内で、かつ、5〜25MPaの圧力条件下で行われることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の液状物保持用熱可塑性樹脂中空板材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−89265(P2010−89265A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258375(P2008−258375)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000120010)宇部日東化成株式会社 (203)
【Fターム(参考)】