説明

液相および気相の混合分配方法

【課題】 使用条件がどのようなものであっても、特に、たとえば海洋プラットフォームで使用するために分配コラムの鉛直性が確保されていない場合でも、その実施により分配を均質化できるシステムを提供する。
【解決手段】ガス流が通る液体充填区画からなる分配手段を備えた閉鎖容器(enclosure)内で、気体と液体とを混合分配する方法である。前記区画に存在する少なくとも2個のオリフィスを経て、一つまたは複数の気体通過区間に、気体の流れと逆方向または同方向に液体を噴射し、前記オリフィスが2個ずつ、ほぼ向かい合って配置される。オリフィスの直径と数、および/または各オリフィスの出口における液体速度V、および/または向かい合って配置される2個の噴射点間の距離は、gが重力定数であるとき、フルード数Frが0.5より大きくなるように、選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気相と液相とを完全に混合するとともに、装置内部で前記混合物をほぼ均質に半径方向に分配することをめざした、装置の実施方法に関する。
【0002】
本発明は、一般に、炭化水素に含まれる汚染物質の除去方法、たとえば水素化脱硫方法や水素化脱窒素方法、または選択的な水素添加方法やアミンによる洗浄方法等の、少なくとも一つの分離、浄化、または変換ステップで、液相と気相を形成する全ての炭化水素処理方法に用いられる。
【0003】
本発明は、特に、海または陸におけるガス利用の分野で生ずる酸性ガスまたは製油所内部に存在する酸性ガスを洗浄する分野に適用される。以下の説明では、酸性ガスを処理する特定のケースについて説明する。もちろん、この適用例は、本発明の適用分野を少しも制限するものではない。特に、本発明は、気相と液相との完全な混合および均質な分配が必要なあらゆるタイプの気相および/または液相の浄化方法に使用できる。
【背景技術】
【0004】
ガスの処理方法では、処理すべきガスと洗浄液(水性溶媒または有機溶媒タイプ)との接触領域を最大化することが目標である。その場合、物質は、気体から液体に移動する。特にHS、SO、CO、COSのタイプの酸性化合物がその対象となる。これらの化合物は、液相で反応することもあれば反応しないこともある。その場合には、それぞれ化学的または物理的な吸収を意味している。内部で処理が行われるコラム(塔、この分野では一般にコンタクターと呼ばれる)の寸法は、ごく一般的には、有効物質の移動に必要な有効面の面積に応じて決定される。周知のように、この面積は、さらに、バラのタイプ、構造化されたタイプ、一体構造タイプ、または固体発泡タイプとすることができるライニングの使用によって一段と広げられる。ライニングは、ライニング表面への灌水をできるだけ均質化することが主な目的である分配システムあるいはまた分配プレートにより、液体または気体を供給される。しかしながら、公知の装置は、一般に、対向する相を完全には混合しない。
【0005】
灌水(arrosage)品質に加えて求められる第二の品質は、動作の柔軟性である。そのため、できるだけ広範囲の液体および/または気体と共に動作するシステムが求められている。簡単なシステムの場合、一般に、この範囲は、液体に対して、最低流量と考えられる最大流量との間の単位面積当たりの流量比率1〜3、時には10までの比率により制限されている。第三の品質は、気相と液相との二相間の混合品質に関する。
【0006】
特許文献1または対応する特許文献2は、コラムの上流に導入される気相を通過させるための孔をあけた液体区画を含む装置を提案しており、この構成によって適切な混合品質が得られるとともに分配プレート内の液体レベルを管理できる。
【特許文献1】欧州特許出願第A1180393号明細書
【特許文献1】米国特許出願第2002/0021991号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、使用条件がどのようなものであっても、特に、たとえば海洋プラットフォームで使用するために分配コラムの鉛直性が確保されていない場合でも、その実施により分配を均質化できるシステムを提供する。このシステムは、さらに、非常に広い液体流量の動作範囲で動作し、すなわち単位容積当たりの流量比が1から20以上におよび、さらには25以上に及ぶ。しかも、従来技術の大半の装置とは違って、液相と気相との二相の非常に良好な接触を促すので、特に分配プレートの下流に配置されるライニング容積を低減するという決定的な長所を有する。その上、この二つのファクターの組み合わせによって、コラムの寸法を小型化でき、これは、特に、一般には高圧で実施される現場での使用に対して、著しいコスト低減となって表れる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
特に、本発明は、ガス流が通る液体充填区画からなる分配手段を備えた閉鎖容器内で、気体と液体とを混合分配する方法に関し、前記方法は、
前記区画に存在する少なくとも2個のオリフィスを経て、気体の一つまたは複数の通過区間に、気体の流れと逆方向または同方向に液体を噴射し、前記オリフィスが2個ずつ、ほぼ向かい合って配置され、
オリフィスの直径と数、および/または各オリフィスの出口における液体速度V、および/または向かい合って配置された2個の噴射点間の距離は、gが重力定数のとき、

【数1】

【0009】
により定義されるフルード数Frが、0.5より大きくなるように選択されることを特徴とする。好適には、フルード数Frが1より大きい。
【0010】
この方法の第一の実施形態によれば、分配手段が、気体のための少なくとも一つの通過区間が通る液体充填区画から構成され、一つまたは複数の通過区間は、断面がほぼ矩形の管路である。
【0011】
この方法の別の実施形態によれば、分配手段が、気体のための少なくとも一つの通過区間が通る液体充填区画から構成され、一つまたは複数の通過区間は、断面がほぼ円形の孔である。
【0012】
本発明によれば、孔の直径は、この孔の下部における液体速度が
【数2】

【0013】
未満となるようにし、ここで、dは、通過区間の平均直径、gは、重力の場による加速である。一般に、向かい合った噴射オリフィスの数は、2〜5個である。
【0014】
この方法の別の実施形態によれば、分配手段は、前記閉鎖容器内の気体の連続通過区間に含まれる液体区画から構成され、前記区画が、中央部分と、前記中央部分の両側に配置されて閉鎖容器の壁に向かって延びる分枝とを含んでおり、1個のオリフィスが隣接分枝に配置された別の同じオリフィスに向かい合うように液体噴射オリフィスを設ける。
【0015】
一般に、液相の噴射点数は、1m当たり約10個から約1000個である。一般に、液体の噴射オリフィスの寸法は、約1〜約20mmである。向かい合って配置された液体の2個の噴射オリフィスの距離dは、約10mm〜500mmである。
【0016】
好適には、分配プレートが、閉鎖容器内で、固形粒子の触媒層または、そのままのタイプ、構造化されたタイプ、発泡タイプ、一体構造タイプのライニング層の上流で、液相の流通方向に配置される。
【0017】
本発明は、また、化合物HS、SO、CO、COSの少なくとも一つを含む酸性ガスの処理への上記方法の適用に関する。この方法は、特に、少なくとも一つの分離ステップ、浄化ステップ、または化学変換ステップで、少なくとも一つの液相と少なくとも一つの気相とを用いる方法に適用可能である。
【0018】
本発明の理解を促すために、図1〜5は、たとえばコラムの頭部で、下りと同じ方向に液体/ガスを流動可能にするライニング層または固定触媒層の上流に配置された分配内部を備えた、本発明による装置の限定的ではない実施例を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明による方法を実施可能なコラムCを概略的に示している。処理される気相は、コラム頭部において分配システムまたは分配プレート2の上流で管1から導入され、分配システムまたは分配プレートの内部で液相が導入されて気相と混合される。このように形成される二相混合物は、その後、所定のタイプ(たとえばバラのタイプ、構造化されたタイプ、金属発泡タイプ、あるいはまた一体構造タイプ)のライニングを含む層6に向かって、コラム内で半径方向に均質に分配され、この層で酸性ガスが分離される。次いで、清浄なガスがコラム下部において管3から排出される。液相は、ポンピング手段5と再循環手段13との作用下で公知の再循環システム4を通過後、分配プレート2を経て再循環可能である。この再循環システムは、当業者が公知の技術によれば、液相で抽出される酸性化合物を少なくとも部分的に除去する機能を有する。
【0020】
もちろん、化学反応が検討される場合、たとえば水素化脱硫方法、水素化脱窒素方法、または選択的な水素添加方法等の従来の方法により初期の炭化水素液体添加物を浄化または変換しようとする場合、本発明の範囲を逸脱せずに、場合によっては固体粒子の触媒層をライニング層の代わりに分配プレートの下流に配置してもよい。
【0021】
さらに、ガス流および液体流については、本発明の範囲を逸脱せずに、当業者が通常規定する条件に従って逆方向の流れで接触させて、特に液体が気体により押し流されないようにすることができる。
【0022】
図2は、コラムCの上部をさらに詳しく示している。気相は、ほぼ反応装置の主軸に沿って管路1からガス室9内に噴射される。その後、前記ガスが、通過区間7により液体区画8に流れて液相と混合され、最終的に、前記混合物は、流体流通方向に液体区画の下流に配置されるライニング層(または触媒層)6に入る。前記通過区間は、図3に示したような孔100であっても、図4に示したような断面がほぼ矩形の管路101であってもよい。前記孔100または前記管路101は、さらに、液体区画8からガス7の通過区間に向かって液体を加圧排出可能な穿孔部またはオリフィス10を含む。気相は、液体区画8を貫通する通過区間7を経て入る。穿孔部またはオリフィス10は、液体区画から通過区間7に向かって液体を加圧しながら通過させ、その結果、この二相を混合することができる。
【0023】
矩形管路の使用は、気体に及ぼされる水頭損失力が強い場合に特に適しており、しかも、流体を逆方向に流す場合に液体が気体により運ばれるおそれを最小化できる。この構成では、図3に示した円筒孔を含む実施形態に比べて、液体の噴射点が一定間隔であり、液体噴射オリフィス10が同じで一定寸法であるので、ガスの通過区間を著しく拡大できる。さらに、この構成は、組立方法がずっと容易であり、閉鎖容器と、孔または管路の上部および下部周囲とを画定する2個の端部プレート間の溶接の数ならびに長さが低減される。
【0024】
液体区画8は、反応装置の主軸に対してほぼ半径方向に、少なくとも一つの噴射管11を経て、噴射により液相を供給される。液体区画は充填保持され、すなわち連続して液体を加圧充填される。液体区画の充填保持は、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者が公知のあらゆる技術に従って、特に、図2では示していないが排出バルブを液体区画の上部に設け、前記液体区画に含まれるガスの一部を排出可能にすることによって実施可能である。
【0025】
液体区画は常に充填保持されるので、本発明の実施により、液体の噴射点の上流で変動する液体レベルのあらゆる問題を回避できる。通過区画7の寸法12は、当業者が公知のあらゆる技術により、孔または管路が詰まらないように計算される。たとえば通過区画がほぼ円形断面の孔を含む場合、液相の噴射条件は、dが孔の直径、gは重力の場による加速度であるとき、孔の下部の液体速度が
【数3】

【0026】
より速くならないように最適化される。
【0027】
さらに、孔100または管路101は、有利には、液体の一部がこの区画の外面の下に広がらないように、および/または混合物の噴射点と層への入口との間に含まれる空間を減らさないように、液体区画8の下部で可変の距離延長が可能である。
【0028】
本発明によれば、通過区画7は、孔または管路の両側に穿孔されるオリフィス10を備え、各オリフィスが、前記通過区画内部で距離dのところに配置された別の同じオリフィスを向かい合わせに有するようにする。図5a、5bは、それぞれ円筒孔または矩形管路の個別の事例で、前記オリフィス10の構成を示す断面図である。
【0029】
しかし、本発明は、液体区画を通る気相の少なくとも一つの通過区間を含む上記の二つの実施形態に制限されるものではない。一般に、本発明による方法の実施に適合するあらゆる幾何学的な形状を検討可能である。
【0030】
特に、本発明の別の実施形態によれば、気体の連続通過区間に含まれる液体区画を備えたコラムにこの方法を適用できる。気体の連続通過区間に含まれる液体区画とは、本発明の説明の意味では、分配装置を介したガスの通過が、図2、3、4に示されたように孔またはダクトから離散的に行われるのではなく、前記液体区画を含むコラムの断面全体で連続的に実施されることを意味する。
【0031】
図6は、このような実施例を示している。ガスは、噴射管11から液相を供給されて中央部15と分枝13とを備える液体区画14をコラムCの断面全体16で連続して通過する。分枝13は、コラムCの壁に向かって延び、前記中央部分15の両側に配置されている。装置14の2個の隣接分枝13は、間隔12により隔てられている。本発明によれば、オリフィス10は、2個の隣接分枝の間隔12に等しい距離dのところに配置される別の同じオリフィスとオリフィス10とができるだけ向かい合わせになるように、分枝13に設けられる。
【0032】
もちろん、分枝は、円筒コラムの最大の断面をカバーするように長さが異なっているので、分枝13の端に配置される幾つかのオリフィスは、構造上、本発明による向かい合わせの構成にならないこともある。
【0033】
発明者は、この方法を適用することで、気相と液相との混合品質と、たとえば上記のような分配プレートに対する気体/液体混合物の半径方向の分配の均質性とを、格段に改善できることが分かった。
【0034】
特に、発明者は、本発明の第一の特徴により、向かい合ったオリフィスの直径ならびに数が、有利には、オリフィスにおける液体速度Vと、向かい合った2個のオリフィス間の距離dとに応じて、構造上、調整可能であることが分かった。
【0035】
本発明の別の特徴によれば、所定のオリフィスの一定の直径および数に対して、この方法を選択的に適用することにより、オリフィスにおける液体速度Vを調節可能である。
【0036】
この方法によれば、オリフィスの直径および数と、オリフィスにおける液体速度Vと、向かい合わせに配置される2個の噴出点間の距離dとが、各オリフィスに対して、フルード数Frに一定条件が存在するように選択され、これは次の式で定義される。
【数4】

【0037】
発明者は、フルード数が0.5より大きく、好適には1より大きく、さらに好適には1.5より大きい場合、分配プレートの出口で液相および気相の混合および分配の効率を著しく改善できることが分かった。さらに、過度の水頭損失を回避するために(すなわち、たとえば2または3MPa)、本発明によるフルード数は、好適には200未満であり、さらに好適には150未満であり、非常に好適には100未満である。
【0038】
実際には、当業者は、たとえば、速度を、液体区画に存在する液体の圧力または噴射管11から液体区画に入る液体流量とに応じて計算できる。
【0039】
いずれの実施形態においても、液相の噴射点数は、たとえば1m当たり約10〜約1000個であり、好適には1m当たり約50〜500個であって、さらに好適には、1m当たり約100〜400個である。
【0040】
液体の噴射オリフィスの寸法は、一般に約1〜約20mmであり、好適には約1〜約10mmである。向かい合わせに配置される2個の液体噴射オリフィス間の距離は、約10mm〜約500mm、好適には約20mm〜200mmとすることができる。
【0041】
以下の実施形態は、本発明の適用によって得た長所を示すために提供されているが、記載されたいかなる観点からも本発明の範囲を制限するものとはみなされない。
【0042】
計算は、フルード数の各値に対して互いに向かい合わせに配置された2個のオリフィスを介した液体の流動を示すために、流体のデジタルシミュレーション商品コードFLUENT6.0〔登録商標〕により、前記コードで利用可能な「流体容量」アプローチを用いて実施した。図7の画像は、それぞれ画像a、b、c、dに対して上記フルード数の4つの値、すなわち0.16、0.8、1.6、4.8で得られた結果を示している。aの場合、液体が孔の内壁に沿って流れ、気体と液体との相互作用が非常に少ないことが観察される。bの場合、向かい合った2個のオリフィスから出る液体ジェットが互いに衝突して単一の液体ジェットとして一体化し、孔の中央に流れる。c、dの場合、2個のジェット間の衝突速度が十分に速く、2個のジェットが分岐して一つの液体層を形成している。dの場合、衝突が非常に激しいので液体層自体が液体の複数の筋と滴とに分かれ、その結果、気体と流体との間の表面が非常に広がっている。
【0043】
図8は、気相と液相との接触面積を決定し、また、フルード数が一番小さい場合(Fr=0.08)に得られた面積を基準接触面積とみなすことによって得られたグラフである。従って、面積比と呼ばれる図8のグラフの縦座標は、横座標に示されたフルード数に対応する接触面積値と、基準接触面積との比に対応する。グラフに示された曲線は、面積比に対して、従って気体と液体との接触面積に対して、フルード数の影響が非常に強いことを示している。そのため、フルード数の値が0.5未満のとき、接触面積は小さく、フルード数の値による影響をほとんど受けない。0.5以上、さらには1または1.5以上になると、接触面積は、フルード数につれてすみやかに増加し、フルード数が5になると、基準値の15倍近くになる。
【0044】
このことから、二相をこれまでよりもずっと適切に分配可能にする本発明による混合分配方法により、分離方法、浄化方法、または化学変換方法を著しく改善することができる。
【0045】
たとえば、分配プレートの寸法決定の際に各オリフィスに対してフルード数の有限値を尊重することにより、供給のために検討される液体流量が最小値であっても、気体と液体とを良好に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を一般的に実施可能な全体プラントの説明図である。
【図2】気体のための通過区間が通る液体区画を備えたコラムの、可能な実施形態を示す図である。
【図3】液体区画を介した気相の通過区画の実施形態をそれぞれ示す図である。
【図4】液体区画を介した気相の通過区画の実施形態をそれぞれ示す図である。
【図5】図5a,bとも、装置内の気相および液相の個々の通過区間の構成を示す図である。
【図6】コラム内の気体の連続通過区間に液体区画を配置した、本発明による別の実施形態を示す図である。
【図7】画像a、b、c、dに対して上記フルード数の4つの値、すなわち0.16、0.8、1.6、4.8で得られた結果を示す画像である。
【図8】気相と液相との接触面積を決定し、また、フルード数が一番小さい場合(Fr=0.08)に得られた面積を基準接触面積とみなすことによって得られたグラフである。
【符号の説明】
【0047】
1 気体噴射管
2 分配システムまたは分配プレート
3 排出管
4 ライニング層
5 ポンピング手段
6 ライニング層または触媒層
7 通過区間
8 液体区画
9 ガス室
10 液体噴射オリフィス
11 液体噴射管
12 間隔
13 再循環手段または分枝
14 液体区画
100 孔
101 管路
C コラム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流が通る液体充填区画からなる分配手段を備えた閉鎖容器(enclosure)内で、気体と液体とを混合分配する方法であって、
前記区画に存在する少なくとも2個のオリフィスを経て、一つまたは複数の気体通過区間に、気体の流れと逆方向または同方向に液体を噴射し、前記オリフィスが2個ずつ、ほぼ向かい合って配置され、
オリフィスの直径と数、および/または各オリフィスの出口における液体速度V、および/または向かい合って配置される2個の噴射点間の距離は、gが重力定数であるとき、
式:
【数1】

により定義されるフルード数Frが、0.5より大きくなるように、選択されることを特徴とする方法。
【請求項2】
フルード数Frが1より大きい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
分配手段は、気体のための少なくとも一つの通過区間が通る液体充填区画から構成され、一つまたは複数の通過区間は、断面がほぼ矩形の管路である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
分配手段は、気体のための少なくとも一つの通過区間が通る液体充填区画から構成され、一つまたは複数の通過区間は、断面がほぼ円形の孔である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
孔の直径は、dが通過区間の平均直径、gが重力の場による加速であるとき、この孔の下部における液体速度が
【数2】

未満となるようにされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
向かい合った噴出オリフィスの数が2〜5個である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
分配手段は、前記閉鎖容器内の気体の連続通過区間に含まれる液体区画から構成され、前記区画が、中央部分と、前記中央部分の両側に配置されて閉鎖容器の壁に向かって延びる分枝とを含んでおり、1個のオリフィスが隣接分枝に配置された別の同じオリフィスに向かい合うように液体噴射オリフィスを設けた、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
液相の噴射点数が、1m当たり約10個から約1000個である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
液体の噴射オリフィスの寸法が約1mm〜約20mmである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
向かい合わせに配置される液体の2個の噴射オリフィスの距離dが、約10mm〜約500mmである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
分配プレートが、閉鎖容器内で、固形粒子の触媒層または、そのまま(仏;vrac、英;bulk)タイプ、構造化されたタイプ、発泡タイプ、一体構造タイプのライニング層の上流で、液相の流通方向に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
化合物HS、SO、CO、COSの少なくとも一つを含む酸性ガスの処理への請求項1から11のいずれか一項に記載の方法の適用。
【請求項13】
少なくとも一つの分離ステップ、浄化ステップ、または化学変換ステップで、少なくとも一つの液相と少なくとも一つの気相とを用いる方法への請求項1から12のいずれか一項に記載の方法の適用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−515265(P2007−515265A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537369(P2006−537369)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002807
【国際公開番号】WO2005/044441
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(500393413)アンスティテュ フランセ デュ ペトロール (32)
【Fターム(参考)】