説明

液面検出装置の取付け構造

【課題】液面検出装置の取付け構造の幅寸法を抑える。
【解決手段】取付け部材10に液面検出装置を取付ける液面検出装置1の取付け構造において、嵌合部6と、嵌合部6と嵌合する被嵌合部11の一方が、液面検出装置の幅方向D1の両端に形成され、被嵌合部11から嵌合部6の抜けを防止するための、弾性変形する掛止部12と、掛止部12と掛止する被掛止部7の一方が、両端よりも内側に形成され、嵌合部6と被嵌合部11の他方と、掛止部12と被掛止部7の他方とが、取付け部材10に形成され、掛止部12の弾性変形を所定の変形以下に制限するストッパ8が、液面検出装置と取付け部材10の一方に形成される。これにより、液面検出装置の取付け構造の幅寸法を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液面検出装置の取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液面検出装置は、自動車の燃料タンクに貯蔵される燃料等の液面位置を監視するために利用されものであり、液面検出装置の取付構造について、様々な方法が提案されている。本発明者は、取付け部材に液面検出装置を取付ける液面検出装置の取付け構造を、開示している(特許文献1を参照)。
【0003】
この取付け構造では、液面検出装置の幅方向の両端に嵌合部が形成され、嵌合部と嵌合する被嵌合部が取付け部材に形成される。液面検出装置の幅方向に弾性変形する掛止部が、取付け部材に形成され、掛止部と掛止する被掛止部が、液面検出装置の幅方向の両端に形成される。掛止部と被掛止部は、被嵌合部から嵌合部の抜けを防止するために形成されており、掛止部を幅方向に弾性変形させて被掛止部から掛止部を外すことにより、取付け部材から液面検出装置を取り外すことが可能になっている。これにより、液面検出装置の交換が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の従来の取り付け構造では、取付け部材に液面検出装置を取付けた取付け状態において、液面検出装置の幅方向の両端に掛止部が配置される。このため、液面検出装置の取付け構造の幅寸法が大きくなってしまうという問題が生じている。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、液面検出装置の取付け構造の幅寸法を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1の発明によれば、取付け部材に液面検出装置を取付ける液面検出装置の取付け構造において、第一嵌合部、及び弾性変形する第一掛止部を有する液面検出装置と、第一嵌合部と嵌合方向に嵌合する第二嵌合部、及び第一掛止部との間での掛止によって第二嵌合部からの第一嵌合部の抜けを防止する第二掛止部を有する取り付け部材と、を備え、第一嵌合部は、液面検出装置における幅方向の両側に形成され、第一掛止部は、液面検出装置における両側よりも内側、且つ液面検出装置における嵌合方向の先端に形成されることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第一掛止部が、液面検出装置の幅方向において、液面検出装置の両端よりも内側に形成されるため、取付け部材に液面検出装置を取付けた取付け状態において、第一掛止部は、液面検出装置の両端よりも内側に配置される。このため、取付け状態において、第一掛止部を液面検出装置の両端に配置する取付け構造と比較して、液面検出装置の取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0010】
加えて、取付け状態において、液面検出装置の両端よりも内側に第一掛止部を配置しつつ、第一掛止部と第二掛止部が液面検出装置と重ならない取付け構造にすることができる。このため、液面検出装置の取付け構造を複雑化しないで、取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、第一掛止部は、第二嵌合部から離間した位置に形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、第二嵌合部は、嵌合方向に延びる被嵌合溝を形成し、第一嵌合部は、被嵌合溝に嵌合方向に嵌合することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、第一掛止部は、当該第一掛止部における嵌合方向の先端から当該嵌合方向と交差する方向に突出して第二掛止部に係止される被掛止爪を形成することを特徴とする。
【0014】
以上の請求項2〜4に記載の発明においても、同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態による液面検出装置の取付け構造を示す正面図である。
【図2】図1中の本体部の正面図である。
【図3】図2中のIII矢視図である。
【図4】図1中のIV部のサブタンクを示す部分正面図である。
【図5】図5は、図4中のV−V線断面図である。
【図6】図6(a)は、図4中のVIA−VIA線断面図であり、図6(b)は、図6(a)中の掛止部が弾性変形している状態を示す断面図である。
【図7】液面検出装置を取り外す際に掛止部を弾性変形させている状態を示す断面図である。
【図8】液面検出装置を取り付ける際の装着状態を示す正面図である。
【図9】液面検出装置の取り付けが終了した状態を示す正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による液面検出装置の取付け構造における本体部を示す正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による液面検出装置の取付け構造におけるサブタンクを示す部分正面図である。
【図12】図10中のXII矢視図である。
【図13】図13(a)は、図10中のXIIIA−XIIIA線断面図であり、図13(b)は、図13(a)中の掛止部が弾性変形している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による液面検出装置の取付け構造を、自動車に搭載される燃料レベルゲージに適用した場合を例に図面に基づいて説明する。なお、図中の互いに同一若しくは均等である部分に、同一符号を付している。
【0017】
(第1実施形態)
図1において、燃料レベルゲージ1は、燃料タンク20内の燃料Aの液面位置A1,A2を検出するものであり、燃料タンク20内に配設されたサブタンク10に取付けられる。サブタンク10は、燃料タンク20内の燃料Aを燃料タンク20の外部のエンジンへ送出する燃料ポンプを内蔵している。
【0018】
フランジ部21がサブタンク10の上端に設けられ、フランジ部21を燃料タンク20の開口22に嵌合させて、燃料タンク20に、ねじ留め等により固定することによって、サブタンク10が燃料タンク20に固定される。なお、図1では、サブタンク10を模式的に小さく示している。
【0019】
燃料レベルゲージ1は、本体部5と、燃料Aの液面に浮くフロート2と、本体部5に対して回動可能な回転部4と、フロート2と回転部4とを連結してフロート2の上下運動を回転部4の回転運動に変換するアーム3と、回転部4に内蔵されたマグネットと、マグネットの磁束と交差するように本体部5に内蔵されたホールIC等の磁電変換素子とを備える。燃料レベルゲージ1は、磁電変換素子により磁電変換素子と交差するマグネットの磁束密度を測定することによって液面位置A1,A2を検出する。
【0020】
図2と図3に示すように、本体部5には、嵌合部6、被掛止部7、ストッパ8とが形成される。嵌合部6は、後述する被嵌合部11(図4)と嵌合するように、本体部5の幅方向D1の両端51に形成される。両端51に形成された嵌合部6は、それぞれ、嵌合部6の中間部に形成されている凹部61によって、嵌合方向D2において分断されている。
【0021】
被掛止部7は、本体部5の両端51よりも内側であって、嵌合部6が被嵌合部11と嵌合する嵌合方向D2(図2と図3)において、本体部5の先端に形成される。被掛止部7は、本体部5の先端から延出するように形成され、被掛止部7の先端には、後述する掛止部12(図4)と掛止する被掛止爪71が形成される。ストッパ8は、本体部5の先端に、被掛止部7と並行して延出するように、壁状に形成される。
【0022】
嵌合部6、被掛止部7およびストッパ8は、樹脂成形により、本体部5と一体的に形成される。
【0023】
なお、図2において、円形状部分53は、回転部4が、本体部5に対して回転自在に装着される部分である。アームストッパ541,542は、アーム3の回転部4側の端部の回転角度範囲を規制するものであり、これにより、本体部5に対する回転部4の回転角度範囲を規制している。アームストッパ541は、回転角度範囲が大きい場合のものであり、アームストッパ542は、回転角度範囲が小さい場合のものである。
【0024】
サブタンク10には、図4と図5に示すように、本体部5の嵌合部6と嵌合する被嵌合部11と、図4と図6に示すように、本体部5の被掛止部7と掛止する掛止部12が形成される。被嵌合部11は、両端51に形成された嵌合部6に対応させて、サブタンク10において図4の左右方向に2個形成される。被嵌合部11には、図4と図5に示すように、本体部5の嵌合部6が嵌合する被嵌合溝111が形成され、図4に示すように、被嵌合部11の中間部には、凹部112が形成される。
【0025】
掛止部12は、図6(b)に示すように、幅方向D1と嵌合方向D2の両方に垂直な方向D3に弾性変形するように、且つ、図6(a)に示すように、被掛止爪71と掛止するように形成される。掛止部12は、サブタンク10に対して支持部122で固定され、支持部122に対して片持ち梁状に形成される。掛止部12が被掛止爪71と掛止することにより、被嵌合部11から嵌合部6が抜けることが、つまり、図6(a)において、サブタンク10に対して本体部5が上方に抜けることが、防止される。なお、図6(a)において、サブタンク10に対する本体部5の下方への動きは、掛止部12の支持部122と被掛止部7の先端との当接により、規制される。
【0026】
サブタンク10から燃料レベルゲージ1(本体部5)を取り外すためには、図7に示すように、掛止部12をD3方向に弾性変形させる必要があるが、掛止部12をD3方向に弾性変形させるための持ち手部分121(図4)が、掛止部12の先端側に形成される。このとき、ストッパ8は、掛止部12が過変形しないように、掛止部12の弾性変形を所定の変形以下に制限する。被掛止爪71との掛止が外れるように掛止部12を弾性変形させたときに、掛止部12とストッパ8との隙間Lが確保できるように、且つ、掛止部12がストッパ8に当接した状態で、掛止部12が折損しないように、被掛止部7、ストッパ8および掛止部12の各形状、各寸法、各配置および各材料を設定する。なお、被嵌合部11と掛止部12は、樹脂成形により、サブタンク10と一体的に形成される。
【0027】
また、凹部61と凹部112は、嵌合部6と被嵌合部11が、図8に示すように互いに噛み合う配置と形状と寸法で形成される。また、被掛止部7と掛止部12は、嵌合部6と被嵌合部11が、図8に示すように互いに噛み合う配置において、被掛止部7と掛止部12とが互いに干渉しない配置と形状と寸法で形成される。
【0028】
燃料レベルゲージ1は、請求項に記載の液面検出装置に相当し、サブタンク10は、請求項に記載の取付部材に相当する。
【0029】
次に、燃料レベルゲージ1をサブタンク10に取り付ける作業、および、サブタンク10から燃料レベルゲージ1を取り外す作業について説明する。なお、図8と図9では、図面を見易くするため、燃料レベルゲージ1の代わりに本体部5を示して、フロート2、アーム3および回転部4を省略している。
【0030】
上述したように、燃料レベルゲージ1の内、回動しない本体部5を、サブタンク10に取り付けるため、回動するフロート2、アーム3および回転部4は、燃料レベルゲージ1の取り付け構造では、無関係となっている。したがって、燃料レベルゲージ1の取り付け構造においては、本体部5の両端51は、燃料レベルゲージ1の両端51と同じことであり、本体部5の先端は、燃料レベルゲージ1の先端と同じことであるといえる。
【0031】
取り付ける作業では、最初に、嵌合部6と被嵌合部11が、図8に示すように互いに噛み合う配置で、燃料レベルゲージ1を図8の紙面に対して上側から下側の方向へ向かって、サブタンク10に対して装着する。装着後、被掛止部7の先端が掛止部12の支持部122と当接するまで、嵌合部6を被嵌合部11の被嵌合溝111に嵌合させるように、サブタンク10に対して燃料レベルゲージ1を、嵌合方向D2にスライドさせる。
【0032】
このスライド中に、図6(b)に示すように、掛止部12は、被掛止爪71によって図中の左方向へ弾性変形し、被掛止部7の先端が掛止部12の支持部122に当接した時点で、弾性変形がなくなった状態となって、図6(a)に示すように、被掛止爪71と掛止する。掛止部12が被掛止爪71と掛止して、図9に示すように、燃料レベルゲージ1がサブタンク10に取り付けられて、取り付ける作業が終了する。なお、掛止部12が、被掛止爪71によって円滑に弾性変形するように、被掛止爪71に傾斜部分711を形成している。
【0033】
取り外す作業では、持ち手部分121を持って、図7に示すように、掛止部12をD3方向に弾性変形させて、掛止部12と被掛止爪71との掛止を外す。この掛止を外した状態で、嵌合部6を被嵌合部11から外すように、サブタンク10に対して燃料レベルゲージ1を、嵌合方向D2と反対方向にスライドさせて、サブタンク10から燃料レベルゲージ1を取り外す。掛止部12をD3方向に弾性変形させる作業では、掛止部12の弾性変形が、ストッパ8によって、所定の変形以下に制限されて、掛止部12が折損しないようになっているため、この作業で、掛止部12の折損を防止できる。
【0034】
以上のように構成された、燃料レベルゲージ1の取付け構造では、被掛止部7が、燃料レベルゲージ1(本体部5)の幅方向D1において、燃料レベルゲージ1(本体部5)の両端51よりも内側に形成されるため、サブタンク10に燃料レベルゲージ1を取付けた取付け状態において、掛止部12は、燃料レベルゲージ1の両端51よりも内側に配置される。このため、掛止部12の弾性変形を制限するストッパ8は、取付け状態において掛止部を燃料レベルゲージの両端に配置する取付け構造のストッパと比較して、取付け構造の幅方向D1の寸法を小さくできる配置となる。したがって、取付け状態において、掛止部を燃料レベルゲージの両端に配置する取付け構造と比較して、燃料レベルゲージ1の取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0035】
燃料レベルゲージ1の取付け構造では、被掛止部7は、嵌合方向D2において燃料レベルゲージ1の先端に形成されるため、サブタンク10に燃料レベルゲージ1を取付けた取付け状態において、燃料レベルゲージ1の両端51よりも内側に掛止部12を配置しつつ、掛止部12と被掛止部7が燃料レベルゲージ1と重ならない取付け構造にすることができる。このため、燃料レベルゲージ1の取付け構造を複雑化しないで、取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0036】
燃料レベルゲージ1の取付け構造では、掛止部12が、幅方向D1と垂直な方向へ弾性変形するため、幅方向D1へ弾性変形しない。このため、サブタンク10に燃料レベルゲージ1を取付けた状態において、ストッパ8を、掛止部12の幅方向D1の弾性変形分を見込んで配置する必要がない。このため、取付け状態において、燃料レベルゲージ1の両端51よりも内側に配置されている掛止部12の弾性変形を制限するストッパ8も、両端51よりも内側に配置されることになる。したがって、燃料レベルゲージ1の取付け構造の幅寸法をより抑えることができる。
【0037】
燃料レベルゲージ1の取付け構造では、持ち手部分121が、掛止部12の先端側に形成されるため、サブタンク10から燃料レベルゲージ1を取り外す作業が容易になる。
【0038】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、被掛止部7が、燃料レベルゲージ1(本体部5)の両端51よりも内側であって、嵌合方向D2において燃料レベルゲージ1(本体部5)の先端に形成され、掛止部12が、サブタンク10に形成されたが、これに限らない。第2実施形態では、図10に示すように、掛止部12Aを、本体部5Aの幅方向D1の両端51よりも内側であって、嵌合方向D2において本体部5Aの先端に形成し、図11に示すように、被掛止部7Aを、サブタンク10に形成することも可能である。本実施形態でも、掛止部12Aの過変形を防止するストッパ8は、図10と図12に示すように、本体部5Aの先端に形成されるが、被掛止部7Aの代わりに掛止部12Aと並行して延出するように、壁状に形成される。
【0039】
掛止部12Aは、図13(b)に示すように、幅方向D1と嵌合方向D2の両方に垂直な方向D3に弾性変形するように、且つ、図13(a)に示すように、掛止部12Aの掛止爪122Aが被掛止部7Aと掛止するように形成される。掛止部12Aの掛止爪122Aが被掛止部7Aと掛止することにより、被嵌合部11から嵌合部6が抜けることが、つまり、図13(a)において、サブタンク10Aに対して本体部5Aが上方に抜けることが、防止される。なお、図13(a)において、サブタンク10Aに対する本体部5Aの下方への動きは、図10に示す本体部5Aの位置決め段差52と、図11に示す被嵌合部11の端部113との当接によって、規制されるようにする。
【0040】
燃料レベルゲージ1(本体部5A)をサブタンク10Aに取り付ける作業では、本体部5Aの位置決め段差52が被嵌合部11の端部113に当接するまで、嵌合部6を被嵌合部11の被嵌合溝111に嵌合させるように、サブタンク10Aに対して燃料レベルゲージ1(本体部5A)を、嵌合方向D2にスライドさせる。
【0041】
このスライド中に、図13(b)に示すように、掛止部12Aは、被掛止部7Aによって図中の左方向へ弾性変形し、本体部5Aの位置決め段差52と被嵌合部11の端部113とが当接した時点で、弾性変形がなくなった状態となって、図13(a)に示すように、掛止部12Aの掛止爪122Aが被掛止部7Aと掛止する。掛止部12Aの掛止爪122Aが被掛止部7Aと掛止して、燃料レベルゲージ1がサブタンク10Aに取り付けられて、取り付ける作業が終了する。なお、掛止部12Aが、被掛止部7Aによって円滑に弾性変形するように、掛止爪122Aに傾斜部分122Bを形成している。
【0042】
取り外す作業では、図10に示す持ち手部分121Aを持って、図13(b)に示すように、掛止部12AをD3方向に弾性変形させて、掛止部12Aの掛止爪122Aと被掛止部7Aの掛止を外す。この掛止を外した状態で、嵌合部6を被嵌合部11から外すように、サブタンク10Aに対して燃料レベルゲージ1を、嵌合方向D2と反対方向にスライドさせて、サブタンク10から燃料レベルゲージ1を取り外す。掛止部12AをD3方向に弾性変形させる作業では、掛止部12Aの弾性変形が、ストッパ8によって、所定の変形以下に制限されて、掛止部12Aが折損しないようになっているため、この作業で、掛止部12Aの折損を防止できる。
【0043】
第2実施形態では、掛止部12Aが、燃料レベルゲージ1(本体部5A)の幅方向D1において、燃料レベルゲージ1(本体部5A)の両端51よりも内側に形成されるため、掛止部12Aの弾性変形を制限するストッパ8は、取付け状態において掛止部を燃料レベルゲージの両端に配置する取付け構造のストッパと比較して、取付け構造の幅方向D1の寸法を小さくできる配置となる。したがって、取付け状態において、掛止部を燃料レベルゲージの両端に配置する取付け構造と比較して、燃料レベルゲージ1の取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0044】
第2実施形態では、掛止部12Aは、嵌合方向D2において燃料レベルゲージ1の先端に形成されるため、サブタンク10Aに燃料レベルゲージ1を取付けた取付け状態において、燃料レベルゲージ1の両端51よりも内側に掛止部12Aを配置しつつ、掛止部12Aと被掛止部7Aが燃料レベルゲージ1と重ならない取付け構造にすることができる。このため、燃料レベルゲージ1の取付け構造を複雑化しないで、取付け構造の幅寸法を抑えることができる。
【0045】
第2実施形態では、掛止部12Aが、幅方向D1と垂直な方向へ弾性変形するため、幅方向D1へ弾性変形しない。このため、サブタンク10Aに燃料レベルゲージ1を取付けた状態において、ストッパ8を、掛止部12Aの幅方向D1の弾性変形分を見込んで配置する必要がない。このため、取付け状態において、燃料レベルゲージ1の両端51よりも内側に配置されている掛止部12Aの弾性変形を制限するストッパ8も、両端51よりも内側に配置されることになる。したがって、燃料レベルゲージ1の取付け構造の幅寸法をより抑えることができる。
【0046】
第2実施形態では、持ち手部分121Aが、掛止部12Aの先端側に形成されるため、サブタンク10Aから燃料レベルゲージ1を取り外す作業が容易になる。
【0047】
(変形例)
上述の第1,第2実施形態では、特許請求の範囲に記載の「第一嵌合部」に相当する嵌合部6が本体部5の両端51に形成され、特許請求の範囲に記載の「第二嵌合部」に相当する被嵌合部11がサブタンク10に形成された。しかし、被嵌合部が本体部5の両端51に形成されることで「第一嵌合部」に相当し、嵌合部がサブタンク10に形成されることで「第二嵌合部」に相当していてもよい。このような変形例でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0048】
上述の第1,第2実施形態では、ストッパ8を、本体部5の先端に形成したが、サブタンク10に形成することも可能である。このような変形例でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0049】
上述の第1,第2実施形態では、凹部61を嵌合部6に形成し、凹部112を被嵌合部11に形成したが、凹部61,112を形成しないようにすることも可能である。このような変形例でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0050】
上述の第1,第2実施形態では、本発明による液面検出装置の取付構造を、液面の変動をマグネットの磁束密度の変化として磁電変換素子により検出する磁電変換素子式の液面検出装置に適用したが、これに限らない。例えば、本発明による液面検出装置の取付構造を、液面の変動を電気抵抗の変化として検出する電気抵抗式の液面検出装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 燃料レベルゲージ(液面検出装置)、2 フロート、3 アーム、4 回転部、5,5A 本体部、51 両端、52 位置決め段差、53 円形状部分、541,542 アームストッパ、6 嵌合部、61 凹部、7 被掛止部(第一掛止部)、7A 被掛止部(第二掛止部)、71 被掛止爪、711 傾斜部分、8 ストッパ、 10,10A サブタンク(取付部材)、11 被嵌合部(第二嵌合部)、111 被嵌合溝、112 凹部、113 端部、12 掛止部(第二掛止部)、12A 掛止部(第一掛止部)、121,121A 持ち手部分、122 支持部、122A 掛止爪、122B 傾斜部分、20 燃料タンク、21 フランジ部、22 開口、A 燃料、A1、A2 液面、D1 幅方向、D2 嵌合方向、D3 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け部材に液面検出装置を取付ける液面検出装置の取付け構造において、
第一嵌合部、及び弾性変形する第一掛止部を有する前記液面検出装置と、
前記第一嵌合部と嵌合方向に嵌合する第二嵌合部、及び前記第一掛止部との間での掛止によって前記第二嵌合部からの前記第一嵌合部の抜けを防止する第二掛止部を有する前記取り付け部材と、を備え、
前記第一嵌合部は、前記液面検出装置における幅方向の両側に形成され、
前記第一掛止部は、前記液面検出装置における前記両側よりも内側、且つ前記液面検出装置における前記嵌合方向の先端に形成されることを特徴とする液面検出装置の取付け構造。
【請求項2】
前記第一掛止部は、前記第一嵌合部から離間した位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置の取付け構造。
【請求項3】
前記第二嵌合部は、前記嵌合方向に延びる被嵌合溝を形成し、
前記第一嵌合部は、前記被嵌合溝に前記嵌合方向に嵌合することを特徴とする請求項1または2に記載の液面検出装置の取付け構造。
【請求項4】
前記第一掛止部は、当該第一掛止部における前記嵌合方向の先端から当該嵌合方向と交差する方向に突出して前記第二掛止部に係止される被掛止爪を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液面検出装置の取付け構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−230119(P2012−230119A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−154756(P2012−154756)
【出願日】平成24年7月10日(2012.7.10)
【分割の表示】特願2008−215789(P2008−215789)の分割
【原出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】