説明

液面高さ位置維持台及び該維持台を用いた液体供給台

【課題】本発明は、液体の補給が容易な液面高さ位置維持台を提供することである。
【解決手段】本発明の液面高さ位置維持台10は、高さ方向に内部断面積の変化しない液体容器4の床面からの液面高さ位置Hを一定にするための液面高さ位置維持台10であって、貯留する液体40の比重と、内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体重量とに対応したバネ定数を持つ付勢手段2a、2b、2dで、前記液体容器4を保持するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の液体容器内の液面を一定高さに維持した状態で、この容器内の液体を、他方の被供給容器内の液面が同一液位になるまで供給可能な液面高さ位置維持台及び該維持台を用いた液体供給台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、灯油、アルコール等の液体燃料を、その貯蔵タンクである燃料容器から、石油ファンヒータや石油ストーブ等の一定容積を有する燃料タンク(カートリッジタンク)内に移し替えるために、サイホン式の手動ポンプや、乾電池を電源とする液面検地センサー付きポンプが用いられている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかし、サイホン式手動ポンプの場合は、燃料タンク内の液面は通常、注入状態において見えないものであるため、注意しないと満杯間際に液体タンクの注入口から燃料をーバーフローさせることがある。
【0004】
また、電池式の液面検地センサー付きポンプの場合は、電気を用いるものであるため、引火性の高い液体の給液には適さないものであった。さらに、満杯時に給液が自動停止してもセンサーの故障や電池切れの問題があり、これらは消耗品であるがゆえに寿命が来たら交換しなければならない煩わしさがあった。
【特許文献1】特開平9−280189号公報(請求項1、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑み、液体容器内の液体を、一旦サイホン式の手動ポンプを操作して被供給容器内への注入開始をしたならば、あとはこれら器具を放置しておいても、常に一定液位まで自動的に給液が可能な液面高さ位置維持台及び該維持台を用いた液体供給台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る液面高さ位置維持台は、高さ方向に内部断面積の変化しない液体容器の床面からの液面高さ位置を一定にするための液面高さ位置維持台であって、貯留する液体の比重と前記内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体重量に対応したバネ定数を持つ付勢手段で、前記液体容器を保持するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明に係る液面高さ位置維持台は、少なくとも、液体容器の搭載台と、前記搭載台の上下方向の移動を案内する支柱と、前記搭載台の支持台とを含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明に係る液体供給台は、請求項1または請求項2記載の液面高さ位置維持台と、この液面高さ位置維持台で一定高さ位置に維持された液体容器から液体を供給される被供給容器に供給されるべき液体の床面からの高さの位置が、前記液体容器の液面の一定高さ位置に一致するように、前記被供給容器の設置高さを調整する被供給容器の設置高さ調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の液面高さ位置維持台によれば、液体容器を、貯留する液体の比重と液体容器の内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体重量に対応したバネ定数を持つ付勢手段で保持するようにしたので、液体容器から被供給容器への液体の移し替えが進行しても、常に、液体容器内における液体の床面からの液位を一定の高さに維持した状態で、被供給容器内の液体が同一液位になるまで自動的に移し替えができる。
【0010】
したがって、作業者が一旦、サイホン式の手動ポンプを操作して被供給容器内への液体への注入開始をしたならば、液体容器内の液体量は減少しつつもその液位は常に一定高さを維持しながら、被供給容器内の液体の液位が液体容器内の液位に一致する液位まで供給することができる。
【0011】
又、被供給容器内への液体の移し替えが自動的に進行するので、液体の移し替え作業が省力化されるとともに、被供給容器内の到達液位(最高液位)が予め判明しているので、従来の問題点であった液体の移し替え終了間際のオーバーフロー問題も解消することができる。
【0012】
請求項2の発明に係る液面高さ位置維持台によれば、液体容器の搭載台の上下方向の移動を案内する支柱が設けられているので、液体容器から被供給容器内への液体の移し替えの際に、液体容器は、搭載台上での転倒や、振動、触れ等を生じることなく、スムーズに昇降することができる。
【0013】
請求項3の発明に係る液体供給台によれば、請求項1または請求項2記載の液面高さ位置維持台に、被供給容器の設置高さを予め調整できる設置高さ調整手段を設けたので、たとえ被供給容器としてその内容積が異なるものを使用した場合においても、被供給容器に供給されるべき液体の床面からの液位を上記液体容器の液位に一致するように、容易に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施するための最良の形態をその実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の液面高さ位置維持台の一実施例に係る図面で、このうち図1(b)は要部断面の正面図、図1(a)は図1(b)の液面高さ位置維持台10をA−A方向から見た要部断面の平面図である。なお、これらの図面において、本発明でいう液体容器である液体容器4と、被供給容器である液体タンク5の肉厚は記載を省略している。後述する実施例2〜4についても同様である。
【0016】
これらの図は、コイルバネ2aにより搭載台1が下方から支持された液体容器4内の液体40が、サイホン式ポンプ7によるサイホンの原理により、これより液位の低い液体タンク5内に移し替えられている状態を示している。なお、被供給容器5は、容器内が最高液位になってもその液位52が容器内に位置するように架台8上に置かれている。
【0017】
なお、本発明において、「液体40」とは、以下の実施例では灯油等の液体を想定しているが、その他、水、油、熱媒など、液体であれば如何なるものでもよいことは勿論である。また、自然落差により流れ出るものであれば、流動物であっても良い。
【0018】
本発明の液面高さ位置維持台10は、基本的には底板61と、この底板61の上方に位置し、液体容器4を載置する搭載台1と、底板61と搭載台1との間に設けたコイルバネ2aとから構成されている。
【0019】
ここで、「液体容器4」とは、例えば灯油、アルコール等の液体40を貯留するための例えばプラスチック製、金属製、陶器製等の容器をいうが、液体の保存が可能であれば、どのような材質、形状のものであってもよい。後述する「液体タンク5」についても同様である。
【0020】
なお、「液体容器4」と「液体タンク5」とは、例えば液体が灯油のようなものであれば、容器内部の表面面積が容器内部の上下どの位置においても、300平方センチメートル以上、1600平方センチメートル以下の範囲内のものが好ましい。
【0021】
また、上部や下部の丸み部分を除いて、垂直に延長した壁面部分が多いものが好ましいが、内壁面の形状が不規則に形成されている場合には、内部表面面積の最大値と最小値が160平方センチメートル以内のものであれば本発明の使用においては特に実害はない。
【0022】
以下、上記構成部材ごとに説明すると、まず、支持台60は、本発明の液面高さ位置維持台10において、搭載台1を支持するためのフレーム的役割をするもので、底板61と、その周囲の側面板63と、天井板62とからなる直方体状の容器としている。
【0023】
底板61部分は、液体容器4の外形寸法以上の寸法を有するものであれば、その形状はトレイ状、平板状、格子状、網状その他どんな形状であってもよいが、液体容器4から流れ出た液体を保持するため、外縁部を底面より高くしたトレイ状にするのが好ましい。
【0024】
また、底板61部分の周囲は、4枚の側面板63で包囲されており、天井板62の中央部は、液体容器4の差し入れが可能なように開口されている。
【0025】
なお、図の支持台60は一例であって、図のような直方体状容器とせず、棒状部材などのフレームのみで構成しても良いし、その他の形状のものであっても良い。
【0026】
また、これら部材の材質についても、特に限定するものではなく、腐食しないものならば如何なるものでもよく、例えばプラスチック製のものが好ましい。
【0027】
搭載台1についても、液体容器4を搭載可能な平面寸法を有するものであればその形状はトレイ状、平板状、格子状、網状その他どんな形状であってもよく、液体容器4から流れ出た液体の保持のためにトレイ形状にすること、及び材質を耐食性のあるものにすることが好ましい点も底板61の場合と同様である。搭載台1は、本実施例ではプラスチック製の平板を使用しており、四隅には後述する支柱3aを通す円形の穴11を設けている。
【0028】
付勢手段であるコイネバネ2aは、搭載台1と底板61との間に装着されており、液体容器4内部に液体を入れたままで搭載台1ごと、上方に持ち上げる作用をするものである。
【0029】
コイルバネ2aの型式としては、図示のように本実施例では圧縮コイルバネを用いているが、その他、渦巻きバネ、板バネ、油圧バネ、気圧バネなど、どのようなバネ型式のものであってもよい。
【0030】
バネ材質としては、鋼製であることが望ましいが、それ以外のものであってもよく、また、コイルバネ2aの使用本数としては図では4本であるが何本であってもよい。
【0031】
本発明では、圧縮コイルバネ2aのバネ定数は、液体容器4と、この液体容器4内の液体40と搭載台1とを含む全体重量が液体容器4内の液体40が満杯時の時に最大荷重となり、一方、後述するサイホン式ポンプ7による液体40の移し替え終了時における上記部材の全体重量が初期荷重となるものを用いている。
【0032】
なお、液面高さ位置維持台10は、特に搭載台1を設けず、バネ2a自体を使用して、液面高さ位置維持台10を形成してもよい。この場合は、バネ2aが搭載台1の機能をも兼用することになる。
【0033】
なお、コイルバネ2aは、図示の通り、搭載台1と底板61との間に装着することが好ましいが、それ以外の部分に装着してもよい。例えば、プラスチック製の搭載台1に、バネ2aの一部分を埋め込んで装着する方法、あるいは、バネ2aの一部分を薄く圧延し、この部分を釘等によって搭載台1の裏面に固定して装着する方法など、どのような方法でもよい。
【0034】
また、例えばバネ2aのいずれかの部分を加工し、これにトレイ状その他の形状の液面高さ位置維持台10を掛けるか、又は搭載して装着する方法など、着脱可能な状態で装着する方法でもよい。
【0035】
支柱3aは、搭載台1の上昇時に搭載台1が横ぶれや振動を防止し、搭載台1の上下動をスムーズに案内するためのものである。本実施例では支柱3aは、コイルバネ2aの内部に挿入されている。
【0036】
支柱3aの材質としては、プラスチック製であることが望ましいが、金属製、木製その他どんな材質でもよく、これらの材質を複合させたものでもよい。
【0037】
また、支柱3aの形状は、柱状、筒状、樋状、板状、線状その他どんな形状であってもよい。但し、支柱3aの外径は、コイルバネ2aが伸びて縮径した場合に、これに接触しない寸法のものであることは当然である。
【0038】
一方、サイホン式ポンプ7は、手動式の市販されているプラスチック製のものであるが、本発明においてはその原理上、液体の移し替え当初における吸出し機能と、落差による液体の移し替え途中における供給パイプ的機能さえあればよく、電動式や液位検地センサーによる自動停止機能などは特に必要ない。
【0039】
被供給容器である液体タンク5は、例えば灯油ファンヒータのカートリッジタンク等の液体を使用すべき相手機器の液体貯留容器であり、その材質、形状等は勿論如何なるものでもよい。
【0040】
架台8は、液体タンク5内に移し変える液体50の液位51が注入口5a以下になるように位置決めするためのものである。通常、液体タンク5は、同じ形状と同じ容量のものを使用するため、架台8の高さは頻繁に変更する必要はないが、形状と容量等が異なる被供給容器を使用する場合は、貯留すべき液体50の液位51が液体タンク5内に位置するように高さの異なる架台を使用する。
【0041】
図2は、このような形状と容量等が異なる液体タンク5を使用する度に、架台8の高さ調整をしなければならない煩わしさを解消するために、高さ調整機能付き架台8Aを備えた液体供給台20の要部断面の正面図である。
【0042】
図に示すように、本発明の液体供給台20は、液面高さ位置維持台10と、サイホン式ポンプ7と、高さ調整機能付き架台8Aとから構成される。
【0043】
液面高さ位置維持台10と、サイホン式ポンプ7とは、図1(a)および図1(b)において説明したものと全く同じものなので説明は省略するが、高さ調整機能付き架台8Aは、液位目盛8a付のベース台8bと、その上に設けられたパンタグラフ式昇降台8cとからなる。液位目盛8a中の矢印8dは、液体容器4中の液体40の床面からの高さHを示すためのもので、液体タンク5内にはこの矢印8d位置の液位まで液体50の供給が可能であることを示している。
【0044】
なお、本図では液体タンク5Aは、図1のものとは異なって平面積が大きく、かつ、その高さも低いものを用いている。
【0045】
パンタグラフ式昇降台8cは、図示の通り、ハンドル8eを回転すればその上の液体タンク5を上下動することができる。
【0046】
したがって、本図の液体供給台20によれば、たとえ液体50を供給すべき液体タンク5が使用するたびに形状と容量等が異なるものであっても、内部に貯留すべき液体50の液位52Aを液体容器4中の液体40の床面からの高さHと同じものに設定することができる。
【0047】
次に、図3を用いて、本発明の作用と効果を説明する。
【0048】
図のうち、図3(b)は、液面高さ位置維持台10に液体40が満杯状態の液体容器4を載置した状態を示す要部断面の正面図を、図3(a)は、液体容器4内の液体の移し替えが終了した時点の状態を示している。すなわち、図3(b)が初期状態、図3(a)が終期状態の正面図である。
【0049】
まず、図3(b)の初期状態においては、内部が液体で満杯になった液体容器4を搭載台1の上に置くと、搭載台1は液体容器4の重み(内部の液体40他、搭載台1の自重、サイホン式ポンプ7の自重等の風袋重量を含む)で下方に沈み、4本のコイルバネ2aの反発力と釣り合う高さコイルバネ2aの長さL1で停止する。圧縮コイルバネ2aにとっては、この状態が最大荷重が加わった状態であり、そのときバネの圧縮長さがL1ということになる。
【0050】
この時点で作業者がサイホン式ポンプ7の頭部7aを圧縮すると、液体容器4内の液体40は、液体タンク5内の液体50の液位51に対して落差があるため、サイホンの原理により、液体タンク5内への注入が開始する。この移し替え状態が続くと、液体容器4内の液体40の貯留量が減少するので、その分だけ圧縮コイルバネ2aの負荷は軽くなるが、荷重が軽くなった分だけ搭載台1を液体容器4ごと上方に持ち上げるため、液体容器4内の液体40の液位は初期状態の液位Hを維持する。
【0051】
一方、被供給容器5内の液体50の液位51は、注入された分だけ液位が上昇する。
【0052】
以後、液体容器4内の液体40の液体タンク5内への注入が進行すると、液体タンク5内ではサイホンの原理により、液体40の移し替え量相当量の液位上昇が続くが、液体容器4自体が圧縮コイルバネ2aの反発作用により、液体容器4内の液体の減少分だけ搭載台1ごと上昇するため、依然として初期状態の液面41の高さHを維持する。
【0053】
液体容器4の上昇が続き、図3(a)の終期状態になると、圧縮コイルバネ2aは自由長さ直前の液体容器4内の液体40の残量(図の状態では約半分量)と、前述した風袋量のみが加わった荷重状態となるので、液体容器4の上昇は停止するが、液体容器4内の液体40の床面からの液位41は初期状態の液位Hを維持したままである。
【0054】
一方、液体タンク5には、液体容器4内の液体40との落差がなくなるまで液体容器4内の液体40がサイホン式ポンプ7から流入するので、その液位は液体容器4の液位Hと同じ液位Hになり、この時点で液体タンク5は満杯状態となる。
【0055】
ここで、圧縮コイルバネ2aに関して、前述の初期状態と終期状態とを比較すると、両状態間でバネ長さがL1からL2に伸長した分だけ、液体容器4内の液体40のみが減少したことになるから、その減少分が荷重の減少分ということになる。
【0056】
したがって、圧縮コイルバネ2aのバネ定数として、貯留する液体の比重と、液体容器4の内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体40の重量とに対応したものに設定すれば、液体タンク5内には液体容器4の上昇速度に比例した液体容器4内の液体40を移し変えることができ、サイホン式ポンプ7によって、液体容器4から液体タンク5に液体を自動的に給液することができるのである。
【0057】
この場合、前述した終期状態においては、サイホンの原理により液体タンク5内の最高液位はHまでしか上昇せず、その位置は前述の図2において説明した目印8dによって予め判明しているから、液体40が液体タンク5から溢れ出ることを防止できる。
【0058】
したがって、作業者は、一旦、サイホン式ポンプ7を操作したならば、あとは放置しておけば液体タンク5を満杯に出来るのであり、従来のサイホン式の手動ポンプや、乾電池を電源とする液面検地センサー付きポンプを使用した場合に比べて安心感があるという効果がある。
【0059】
また、本発明は、全く電気を用いない無電源で使用するものであるので、引火性の高い液体の給液にも安心して使用できるという効果がある。
【実施例2】
【0060】
図4は、図1の本発明の液面高さ位置維持台10の他例であり、このうち図4(b)は要部断面の正面図、図4(a)は図4(b)の維持台をB−B方向から見た要部断面の平面図である。なお、本図では実施例1と同じ符号のものは同じ部材であることを示しており、その説明は省略する。
【0061】
これらの図は、箱状の支持台60の内部において、液体40を貯留する液体容器4を搭載台1がコイルバネ2bにより下方から支えられている状態を示している。また、図では省略しているが、この液面高さ位置維持台10Aには、実施例1で説明した図1のサイホン式ポンプ7、液体タンク5や、架台8または図2の高さ調整機能付き架台8Aを勿論備えている。
【0062】
本実施例の液面高さ位置維持台10Aが、前述した実施例1の液面高さ位置維持台10と異なる点は、実施例1のものは図1(b)に示したように、支柱3aが圧縮コイルバネ2aの内部に立設されていたのであるが、本実施例の支柱3bはパイプ状のものを用いることにより、圧縮コイルバネ2bの外側を包囲するように立設されている点にある。
【0063】
すなわち、パイプ状の支柱3bは、コイルバネ2bの上端部2cが搭載台1と接続されており、この上端部2cの上下移動を許容するため、支柱3bの液体容器4側には上下方向に一本の切れ目31が垂直方向に設けられている。
【0064】
支柱3bは、このように独立した態様のものを立設しても良いが、例えば図は省略するが側面板63に、筒状又は樋状等の形状のコイルバネ2bを包囲した状態で支持する部分を一体的に形成してもよい。
【0065】
このような支柱構造にしても本実施例の液面高さ位置維持台10Aは、実施例1で説明したのと全く同様の作用効果を得ることができる。
【実施例3】
【0066】
図5も図1の本発明の液面高さ位置維持台10の他例であり、このうち図5(b)は要部断面の正面図、図5(a)は図5(b)の維持台をC−C方向から見た要部断面の平面図である。
【0067】
本実施例の液面高さ位置維持台10Bが、実施例1の液面高さ位置維持台10や実施例2の液面高さ位置維持台10Aと異なる点は、実施例1と実施例2のものはいずれも液体容器4を搭載した搭載台1が圧縮コイルバネ2a、2bで下方から上方に付勢するように支持されていたが、本実施例のものは図に示すように四本の引張コイルバネ2dで吊り下げられている点にあり、その他の点については実施例1、実施例2の場合と同様である。
【0068】
なお、本実施例においても実施例1、2で用いた符合と同じ符号のものは同じ部材であることを示している。
【0069】
この場合の引張コイルバネ2dのバネ定数としては、実施例1で説明した初期状態が本実施例の引張コイルバネ2dにとっては図の最大伸び時の状態であり、終期状態が自由長さに近い状態のものという点だけが異なるから、前述した「貯留する液体の比重と、内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体重量とに対応したバネ定数を持つ」という点についてはなんら異なるところがない。
【0070】
よって、このような支持構造にしても、本実施例の液面高さ位置維持台10Bは、実施例1、2で説明したのと全く同様の作用効果を得ることができる。
【実施例4】
【0071】
図6は、図1の本発明の液面高さ位置維持台10の更に他例を示す斜視図である。
【0072】
本実施例のものは、実施例1〜3で述べた支持台60の代わりに、例えば金属やプラスチック製の棒状部材を結合して支持台60Aを形成したものである。
【0073】
すなわち、上部は液体用容器4が十分余裕を持って出し入れできる寸法に上部棒状部材62aを矩形状に折り曲げて互いに結合したものである。
【0074】
また、下部棒状部材61aも同様寸法の矩形状に結合し、両部材61a、62a間を結合する四本の垂直棒状部材3dのそれぞれの中に圧縮コイルバネ2bと搭載台1を上下方向の移動が進退自在になるように装着したものである。
【0075】
支持台60Aをこのように構成すると、支柱をその構成部材である垂直棒状部材3dで兼用することができ、簡易で安価な液面高さ位置維持台10Cが得られ、また、持ち運びにも便利である。
【0076】
以上の図1〜図5で示した本発明の液面高さ位置維持台は、あくまでも本発明の好ましい一実施例であって、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。本発明の液面高さ位置維持台は、実施例に示した内容の一部を改良することにより更に優れたものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の液面高さ位置維持台の一実施例にかかる図面で、このうち図1(b)は要部断面の正面図、図1(a)は図1(b)の維持台をA−A方向から見た要部断面の平面図である。
【図2】高さ調整機能付き架台8Aを備えた液体供給台の要部断面の正面図である。
【図3】本発明の作用と効果を説明する図であり、このうち図3(b)は液体容器4が満杯時の初期状態の要部断面の正面図、図3(a)は液体容器4からの液体の移し替え完了時の終期状態を示す要部断面の正面図である。
【図4】本発明の液面高さ位置維持台10の他例であり、このうち図4(b)は要部断面の正面図、図4(a)は図4(b)の維持台をB−B方向から見た要部断面の平面図である。
【図5】本発明の液面高さ位置維持台10の更に他例であり、このうち図5(b)は要部断面の正面図、図5(a)は図5(b)の維持台をC−C方向から見た要部断面の平面図である。
【図6】本発明の液面高さ位置維持台の他例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1:液体容器の搭載台
10:液面高さ位置維持台
11:支柱の穴
2a:圧縮コイルバネ
2b:圧縮コイルバネ
2c:上端部
2d:引張コイルバネ
20:液体供給台
3a:コイルバネの内側に設けた支柱
3b:コイルバネの外側に設けた支柱
31:支柱3bの切れ目
3d:垂直棒状部材
4:液体容器
40:液体容器内の液体
41:液位
5:液体タンク
50:液体タンク内の液体
51:液位
52:液体タンクが満杯時の液位
60:支持台
61:底板
62:天井板
63:側面板
7:サイホン式ポンプ
7a:頭部
8:架台
8A: 高さ調整機能付き架台(設置高さ調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に内部断面積の変化しない液体容器の床面からの液面高さ位置を一定にするための液面高さ位置維持台であって、
貯留する液体の比重と、前記内部断面積から得られる単位高さ当たりの液体重量とに対応したバネ定数を持つ付勢手段で、前記液体容器を保持するようにしたことを特徴とする液面高さ位置維持台。
【請求項2】
液面高さ位置維持台は、少なくとも、液体容器の搭載台と、前記搭載台の上下方向の移動を案内する支柱と、前記搭載台の支持台とを含むことを特徴とする請求項1記載の液面高さ位置維持台。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の液面高さ位置維持台と、
該液面高さ位置維持台で一定高さ位置に維持された液体容器から液体を供給される被供給容器に供給されるべき液体の床面からの高さの位置が、前記液体容器の液面の一定高さ位置に一致するように、前記被供給容器の設置高さを調整する被供給容器の設置高さ調整手段と、を備えていることを特徴とする液体供給台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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