説明

深みぞ玉軸受用保持器およびその保持器を用いた深みぞ玉軸受ならびに軸受装置

【課題】軸受内部での異物の滞留およびトルク損失の低減と通油性の向上を図ることができる深みぞ玉軸受用保持器および深みぞ玉軸受を提供することである。
【解決手段】複数の円形のポケット44が周方向に等間隔に形成された環状体43を、ポケット44の中心を通る位置で軸方向に2分割して一対の環状分割体42を形成し、その環状分割体42の分割面に1/2円を超える大きさの係合突部46と係合凹部47を設け、その係合突部46を相手方の環状分割体42に形成された係合凹部47に係合して表面が滑らかな円筒状の保持器41を形成し、その保持器41で外輪11の軌道溝12と内輪21の軌道溝22間に組み込まれたボール31を保持して、軸受内部での異物の滞留およびトルク損失の低減と通油性の向上を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、深みぞ玉軸受用の保持器およびその保持器を用いた深みぞ玉軸受ならびに軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インプットシャフトとアウトプットシャフトを同軸上に配置し、その両軸に平行にカウンタシャフトを設け、その平行する2軸の相互間に変速比の異なる複数の歯車式減速部を設けて、インプットシャフトの回転を複数段に変速してアウトプットシャフトから出力するようにしたトランスミッションにおいては、歯車式減速部にヘリカルギヤを採用しているため、インプットシャフトからアウトプットシャフトへの回転トルクの伝達時、インプットシャフト、アウトプットシャフトおよびカウンタシャフトのそれぞれにスラスト力が負荷されることになる。
【0003】
このため、インプットシャフト、アウトプットシャフトおよびカウンタシャフトを支持する軸受には、ラジアル荷重とスラスト荷重の両方の荷重を支持することができる軸受を用いる必要がある。
【0004】
円すいころ軸受においては、負荷容量が大きく、スラスト荷重およびラジアル荷重の両方を受けることができるため、トランスミッション用軸受に好適である。しかし、円すいころ軸受においては、損失トルクが大きく、燃料の消費量が多くなるという問題が生じる。その低燃費化を図るため、損失トルクの少ない深みぞ玉軸受が使用されるケースが多くなってきている。
【0005】
ところで、標準の深みぞ玉軸受においては、過大なスラスト荷重が負荷された際に、そのスラスト荷重を受ける負荷側の肩にボールが乗り上げて、肩のエッジが損傷する懸念がある。
【0006】
そのような不都合を解消するため、特許文献1に記載された深みぞ玉軸受においては、外輪の軌道溝および内輪の軌道溝のそれぞれ両側に形成された肩のうち、スラスト荷重を受ける側の肩を高くして、ボールの乗り上げを阻止し、軸受の耐久性の低下を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−7286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1に記載された深みぞ玉軸受においては、内輪および外輪の肩高さが左右非対称であるため、径の異なる2つの分割保持器を内外に嵌合してボールを保持する保持器を形成し、その大径側分割保持器の端部を内輪の肩高さが高い側に配置し、かつ、小径側分割保持器の端部を肩高さが低い側に配置して、保持器が外輪の肩および内輪の肩に干渉することのない組込みとしており、2つの分割保持器が同一の形状でないため、樹脂成形の際には2つの金型が必要となって、コストが高くなり、そのコストを低減する上において改善すべき点が残されていた。
【0009】
また、大径側分割保持器と小径側分割保持器の外径面間および内径面間に径方向の段差が形成されるため、その段差で潤滑オイルの流れが阻害されて軸受内部に潤滑オイルをスムーズに流通させることができず、通油性を向上させる上においても改善すべき点が残されていた。
【0010】
さらに、一方の分割保持器に形成された係合爪を他方の分割保持器に設けられた係合凹部に係合させて、一対の分割保持器を軸方向に結合する構成であるため、保持器の外径面および内径面に多くの凹凸部が形成され、その凹凸部でギヤの摩耗粉等の異物が付着滞留し易く、また、潤滑オイルが撹拌されることになってトルク損失が多く、異物の滞留やトルク損失の低減を図る上においても改善すべき点が残されていた。
【0011】
この発明の課題は、軸受内部での異物の滞留およびトルク損失の低減と通油性の向上を図ることができる深みぞ玉軸受用保持器および深みぞ玉軸受ならびに軸受装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、この発明に係る深みぞ玉軸受用保持器においては、環状体の周方向にボールが収容される複数のポケットを周方向に間隔をおいて形成した深みぞ玉軸受用保持器において、前記環状体を、ポケットの中心を通る位置で軸方向に2分割して、一対の環状分割体を形成し、その一対の環状分割体のポケット間に形成された分割柱部の分割面それぞれに1/2円を超える大きさの円形の係合突部と、相手方の係合突部が嵌合可能とされ、その嵌合状態で一対の環状分割体を軸方向に結合する係合凹部を設けた構成を採用したのである。
【0013】
また、この発明に係る深みぞ玉軸受においては、内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなり、前記外輪軌道溝の一側の肩と内輪軌道溝の他側の肩の少なくとも一方の高さを、外輪軌道溝の他側の肩または内輪軌道溝の一側の肩の高さより高くし、その高さの高い肩の肩高さをH、ボールの球径をdとしたとき、ボールの球径dに対する肩高さHの比率H/dを0.25〜0.50の範囲とした深みぞ玉軸受において、前記保持器として、この発明に係る上記構成の保持器を採用したのである。
【0014】
上記の構成からなる深みぞ玉軸受の組立てに際しては、外輪と内輪の軌道溝間に複数のボールを組み込んだのち、外輪と内輪の対向部間の両側から、その対向部間に一対の環状分割体を挿入し、一方の環状分割体に形成された係合突部が他方の環状分割体に設けられた係合凹部に軸方向で対向し、かつ、半円形ポケットがボールと軸方向で対向するよう、一対の環状分割体の向きを調整して、その一対の環状分割体を軸方向に押し込むようにする。
【0015】
上記のように、一対の環状分割体の向きを調整して、その一対の環状分割体を軸方向に押し込むことにより、係合突部が相手方の環状分割体の係合凹部に係合し、一対の環状分割体が互いに結合されて保持器が形成され、複数のボールは円形に組み合わされたポケットのそれぞれで保持されて、深みぞ玉軸受が組立状態とされる。
【0016】
ここで、保持器を形成する一対の環状分割体は、複数の円形のポケットが周方向に間隔をおいて形成された環状体を、ポケットの中心を通る位置で軸方向に2分割し、その分割面に1/2円を超える大きさの円形の係合突部と、その係合突部が嵌合可能な係合凹部を形成した左右同一の形状であるため、一種類の環状分割体を形成することによって保持器を形成することができ、コストの安い保持器を得ることができる。
【0017】
また、係合突部と係合凹部の係合によって一対の環状分割体を軸方向に結合することにより、外径面および内径面が円筒状とされた保持器を形成することができる。そのため、その保持器を用いて深みぞ玉軸受を組み立てることにより、軸受内部に侵入する異物が保持器の表面に付着して滞留することが少なく、異物の滞留を低減することができる。
【0018】
また、保持器は、その外径面および内径面が円筒状であるため、通油性の良好な深みぞ玉軸受を得ることができるとともに、潤滑オイルの撹拌抵抗も小さく、トルク損失の少ない玉軸受を得ることができる。
【0019】
ここで、保持器を形成する一対の環状分割体は、軟鋼の削り出しからなるものであってもよく、合成樹脂の成形品からなるものであってもよい。
【0020】
保持器を合成樹脂の成形品とする場合において、深みぞ玉軸受は、オイル潤滑されるため、耐油性および耐久性に優れた合成樹脂で成形するのが好ましい。そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を挙げることができる。それらの樹脂のうち、ポリフェニレンスルファイド(PPS)は、他の樹脂に比較して耐油性が優れているため、耐油性を考慮するならば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)を用いるのが最も好ましい。
【0021】
また、樹脂材料の価格を考慮するならば、ポリアミド66(PA66)を用いるのが好ましく、潤滑オイルの種類に応じて適宜に決定すればよい。
【0022】
この発明に係る軸受装置においては、ヘリカルギヤが設けられたシャフトを油浴に一部が浸かる一対の転がり軸受で回転自在に支持した軸受装置において、前記一対の転がり軸受として、この発明に係る上記の深みぞ玉軸受を用いた構成としたのである。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係る深みぞ玉軸受用保持器においては、上記のように、複数のポケットが周方向に間隔をおいて形成された環状体を、ポケットの中心を通る位置で軸方向に2分割して、一対の環状分割体を形成し、その一対の環状分割体のポケット間に形成された分割柱部の分割面それぞれに1/2円を超える大きさの円形の係合突部と、相手方の係合突部が係合される係合凹部を設けたことにより、係合突部が相手方の環状分割体に形成された係合凹部と対向するよう一対の環状分割体の向きを調整して軸方向に押し込むことにより、係合突部と係合凹部が係合して保持器を簡単に組み立てることができる。
【0024】
そして、その組立状態の保持器は、外径面および内径面が円筒状であるため、深みぞ玉軸受への採用において、異物滞留の少ない、通油性に優れた深みぞ玉軸受を得ることができる。
【0025】
深みぞ玉軸受の回転状態において、保持器による潤滑オイルの撹拌抵抗が小さく、トルク損失の少ない深みぞ玉軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明に係る深みぞ玉軸受の実施の形態を示す縦断面図
【図2】図1に示す保持器の縦断面図
【図3】図2に示す保持器を分解した状態の縦断面図
【図4】この発明に係る軸受装置の実施の形態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、深みぞ玉軸受Aは、外輪11の内径面に形成された軌道溝12と内輪21の外径面に設けられた軌道溝22間にボール31を組込み、そのボール31を保持器41で保持している。
【0028】
外輪11の軌道溝12の両側に形成された一対の肩13a、13bのうち、軌道溝12の一側方に位置する肩13aの高さは他側方に位置する肩13bの高さよりも高くなっている。一方、内輪21の軌道溝22の両側に形成された一対の肩23a、23bのうち、軌道溝22の他側方に位置する肩23bの高さは一側方に位置する肩23aの高さより高くなっている。
【0029】
ここで、高さの低い肩13bおよび23aの肩の高さは、標準型深みぞ玉軸受の肩と同じ高さとされているが、標準型深みぞ玉軸受の肩の高さより低くしてもよい。
【0030】
なお、説明の都合上、高さの高い肩13a、23bをスラスト負荷側の肩13a、23bといい、高さの低い肩13b、23aをスラスト非負荷側の肩13b、23aという。
【0031】
スラスト負荷側の肩13a、23bの肩高さをHとし、ボール31の球径をdとすると、ボールdの球径に対する肩高さHの比率H/dは、H/d=0.25〜0.50の範囲とされている。
【0032】
図2および図3に示すように、保持器41は、一対の環状分割体42、42からなる。この環状分割体42は、ボール31を収容する複数の円形のポケット44が周方向に等間隔に形成された環状体43を、上記ポケット44の中心を通る位置で軸方向に2分割した構成とされており、上記環状体43の外径は、外輪11の高さの高い肩13aの内径より小径とされ、また、内径は、内輪21の高さの高い肩23bの外径より大径とされている。
【0033】
一対の環状分割体42には、半円形ポケット44a間に形成された分割柱部45の分割面それぞれに1/2円を超える大きさの円形の係合突部46と、相手方の係合突部46が嵌合可能とされ、その嵌合状態で一対の環状分割体42、42を軸方向に結合する係合凹部47が設けられており、一対の環状分割体42は同一の形状とされている。
【0034】
ここで、係合突部46と係合凹部47は、係合突部46の外周が係合凹部47の内周に滑らかに連続して周方向に間隔のない配置とされているが、係合突部46と係合凹部47の間に間隔を設けるようにしてもよい。
【0035】
一対の環状分割体42は、軟鋼の削り出しによるものであってもよく、合成樹脂の成形品であってもよい。合成樹脂の成形品とする場合、その対の環状分割体42で形成される保持器41は、深みぞ玉軸受を潤滑する潤滑オイルに曝されるため、耐油性に優れた合成樹脂を用いるようにする。
【0036】
そのような樹脂として、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を挙げることができる。これらの樹脂は、潤滑オイルの種類に応じて適切なものを選択して使用すればよい。
【0037】
実施の形態で示す深みぞ玉軸受は上記の構造からなり、その深みぞ玉軸受の組立てに際しては、外輪11の内側に内輪21を挿入し、その内輪21の軌道溝22と外輪11の軌道溝12間に所要数のボール31を組込む。
【0038】
このとき、内輪21を外輪11に対して径方向にオフセットして、内輪21の外径面の一部を外輪11の内径面の一部に当接して、その当接部位から周方向に180度ずれた位置に三日月形の空間を形成し、その空間の一側方から内部にボール31を組込むようにする。
【0039】
そのボール31の組込みに際して、外輪11のスラスト負荷側の肩13aや内輪21のスラスト負荷側の肩23bの肩高さHが必要以上に高い場合には、ボール31の組込みを阻害することになるが、実施の形態では、ボール31の球径dに対する肩高さHの比率H/dが、0.50を超えることのない高さとされているため、外輪11と内輪21間にボール31を確実に組込むことができる。
【0040】
ボール31の組込み後、内輪21の中心を外輪11の中心に一致させてボール31を周方向に等間隔に配置し、外輪11と内輪21の対向部間の両側方から、その対向部間に一対の環状分割体42、42を挿入し、一方の環状分割体42に形成された係合突部46が他方の環状分割体42に設けられた係合凹部47に軸方向で対向し、かつ、半円形ポケット44aがボール31と軸方向で対向するよう、一対の環状分割体42、42の向きを調整して、その一対の環状分割体42、42を軸方向に押し込むようにする。
【0041】
上記のように、一対の環状分割体42の向きを調整して、その一対の環状分割体42を軸方向に押し込むことにより、係合突部46が相手方の環状分割体42の係合凹部47に係合し、一対の環状分割体42、42が互いに結合されて保持器41が形成され、複数のボール31は円形に組み合わされたポケット44のそれぞれで保持されて、深みぞ玉軸受Aが組立状態とされる。
【0042】
このように、外輪11の軌道溝12と内輪21の軌道溝22間にボール31を組込んだ後、外輪11と内輪12の対向部間の両側方から内部に一対の環状分割体42を挿入して、係合突部46を係合凹部47に係合させる簡単な作業によって深みぞ玉軸受Aを組立てることができる。
【0043】
深みぞ玉軸受Aを形成する保持器41は、その外径面および内径面が円筒状であるため、軸受内部に侵入する異物が保持器の表面に付着して滞留するというようなことが少なく、潤滑オイルは、その円筒状外径面および円筒状内径面に沿ってスムーズに流れることになり、通油性の良好な深みぞ玉軸受を得ることができる。また、潤滑オイルの撹拌抵抗も小さく、トルク損失の少ない玉軸受を得ることができる。
【0044】
図4は、実施の形態で示す深みぞ玉軸受Aを用いて従動側のヘリカルギヤ50を支持するシャフト51を回転自在に支持した軸受装置を示す。この場合、深みぞ玉軸受Aは、内輪21のスラスト負荷側の肩23bがヘリカルギヤ50側に位置する組付けとする。また、深みぞ玉軸受Aは、一部が油浴に浸かる組付けとする。
【0045】
上記軸受装置において、駆動側ヘリカルギヤ52から従動側ヘリカルギヤ50に回転を伝達すると、シャフト51にスラスト力が負荷され、そのスラスト力は深みぞ玉軸受Aにおける内輪21のスラスト負荷側の肩23bと外輪11のスラスト負荷側の肩13aで支持される。
【0046】
このとき、ボール31にもスラスト力が負荷され、内輪21のスラスト負荷側の肩23bと外輪11のスラスト負荷側の肩13aが必要以上に低い場合、ボール31が肩13a、23bに乗り上がり、肩13a、23bのエッジを損傷させる可能性がある。
【0047】
実施の形態では、ボール31の球径dに対する肩高さHの比率H/dを0.25以上としているため、ボール31の乗り上げを確実に阻止することができる。
【符号の説明】
【0048】
11 外輪
12 軌道溝
13a 肩
13b 肩
21 内輪
22 軌道溝
23a 肩
23b 肩
31 ボール
41 保持器
42 環状分割体
43 環状体
44 ポケット
44a 半円形ポケット
45 分割柱部
46 係合突部
47 係合凹部
50 ヘリカルギヤ
51 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状体の周方向にボールが収容される複数のポケットを周方向に間隔をおいて形成した深みぞ玉軸受用保持器において、
前記環状体を、ポケットの中心を通る位置で軸方向に2分割して、一対の環状分割体を形成し、その一対の環状分割体のポケット間に形成された分割柱部の分割面それぞれに1/2円を超える大きさの円形の係合突部と、相手方の係合突部が嵌合可能とされ、その嵌合状態で一対の環状分割体を軸方向に結合する係合凹部を設けたことを特徴とする深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項2】
前記一対の環状分割体が、軟鋼の削り出しからなる請求項1に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項3】
前記一対の環状分割体が、合成樹脂の成形品からなる請求項1に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項4】
前記合成樹脂が、ポリアミド樹脂からなる請求項3に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項5】
前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド9Tのうちの一種からなる請求項4に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項6】
前記合成樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる請求項3に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項7】
前記合成樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる請求項3に記載の深みぞ玉軸受用保持器。
【請求項8】
内径面に軌道溝が形成された外輪と、外径面に軌道溝が形成された内輪と、外輪の軌道溝と内輪の軌道溝間に組込まれたボールと、そのボールを保持する保持器とからなり、前記外輪軌道溝の一側の肩と内輪軌道溝の他側の肩の少なくとも一方の高さを、外輪軌道溝の他側の肩または内輪軌道溝の一側の肩の高さより高くし、その高さの高い肩の肩高さをH、ボールの球径をdとしたとき、ボールの球径dに対する肩高さHの比率H/dを0.25〜0.50の範囲とした深みぞ玉軸受において、
前記保持器が請求項1乃至8のいずれかの項に記載の深みぞ玉軸受用保持器からなることを特徴とする深みぞ玉軸受。
【請求項9】
ヘリカルギヤが設けられたシャフトを油浴に一部が浸かる一対の転がり軸受で回転自在に支持した軸受装置において、
前記一対の転がり軸受が、請求項8に記載の深みぞ玉軸受からなることを特徴とする軸受装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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