説明

深礎基礎用の配筋作業のための補助具、及び、この補助具を用いた配筋の施工方法

【課題】 本発明は、横筋を縦筋に結束するときに、作業者が横筋を保持する必要がなく、かつ、横筋を支持する所定間隔に合わせることができ、立坑内に横筋を下ろすときに、横筋に干渉しないように支持することを課題とする。
【解決手段】 縦筋121とフープ筋122とを組み合わせて構成される深礎基礎用の配筋作業のための補助具1であって、所定長さを有する長尺状の支柱2と、該支柱2の長手方向にフープ筋120を支持可能な支持手段3とを備え、該支柱2は、長手方向に所定間隔をおいて、該支持手段3を着脱自在に取り付け可能な固定部22を複数有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート坑の構築工法に関し、特に、送電鉄塔などの大型構造物の基礎として用いられる深礎基礎用の配筋作業のための補助具、及び、この補助具を用いた配筋の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送電鉄塔などの鉄塔は、深礎基礎の上に設置されている。そして、この深礎基礎の施工のために、円筒形に立坑が掘削される。そして、この立坑内は、立坑の内壁面が崩れないようにライナープレートによって保護されている。前記ライナープレートは、一般に、鋼板製波板を円弧状に形成し、その縁に、他のライナープレートを上下左右に取り付けるための左右フランジと上下フランジとが一体となって形成されている。そして、これらのフランジを上下左右に突き合わせて、ボルト及びナットにより連結することで、掘削した穴の内壁面全周にライナープレートが張付けられる。
【0003】
このライナープレート(もしくは所定間隔に上下のライナープレート間に介在される補強リング)を利用して、配筋作業を行う作業床が設置されている。ここで行われる配筋作業は、ライナープレートの表面にそって縦筋及び横筋を立坑の底部から上方に向かって組み立てることで行われる。そして、環状の横筋は、二人ないし三人の作業者によって保持しつつ、縦筋に番線(針金)などによって順次結束させる。
【0004】
そして、このような配筋作業においては、横筋を保持する作業者が必要となる。そこで、作業者に代わって、横筋を支持する配筋作業のための補助具が特許文献1及び2に開示されている。
【0005】
具体的には、特許文献1に記載された配筋作業のための補助具は、長尺な第一アングル部材に横筋を載せる長さを有する複数の短尺な第二アングル部材の一端を横筋の配筋間隔で第一アングル部材の長手方向と直交する方向に着脱不能に固定された補助具である。
【0006】
また、特許文献2に記載された配筋作業のための補助具は、ライナープレートに取り付けられるプレートと、このプレートの下方に延設されたガイドバーと、このガイドバーに上下動自在に配設されたスライドレバーと、該スライドレバーの高さ方向に所定間隔をおいて上下方向に回動自在に配設され、横筋が載せられる複数個の支持レバーと、前記ガイドバーの高さ方向に所定間隔をおいて設けられ、スライドレバーが横筋支持位置に係止された際に各支持レバーを略水平に支持する複数の支持部とを備えた補助具である。この補助具は、スライドレバーを一方向にスライドさせると、すべての支持レバーが横筋を支持可能な姿勢となる。一方、スライドレバーを他方向にスライドさせると、すべての支持レバーが下方に下がる姿勢となるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−38475号公報
【特許文献2】実用新案登録第2529763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの補助具は、横筋を第二アングル部材又は支持レバーに載せることで、横筋を保持することができ、これらを保持させる作業者は、不要となる。しかし、特許文献1に記載された補助具は、第一アングル部材に第二アングル部材を固定している。また、特許文献2に記載された補助具は、支持レバーが上下方向にスライドするが、複数の支持レバーがそれぞれ個別に上下方向にスライドすることはなく、また、それぞれが取り外し可能に取り付けられていない。したがって、これらの補助具は、横筋を支持する所定間隔に合わせて支持レバーを変更することができない。
【0009】
さらに、特許文献1に記載された補助具は、フープ筋などの横筋を立坑内に下ろすとき、立坑内の内側に突出した第二アングル部材と干渉して、横筋の搬入の妨げとなる。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、横筋を縦筋に結束するときに、作業者が横筋を保持する必要がなく、かつ、横筋を支持する所定間隔に合わせることができ、立坑内に横筋を下ろすときに、横筋に干渉しないように支持することができる深礎基礎用の配筋作業のための補助具、及び、この補助具を用いた配筋の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具は、縦筋と横筋とを組み合わせて構成される深礎基礎用の配筋作業のための補助具であって、所定長さを有する長尺状の支柱と、該支柱の長手方向に横筋を支持可能な支持手段とを備え、支柱は、長手方向に所定間隔をおいて、該支持手段を着脱自在に取り付け可能な固定部を複数有していることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、支柱に支持手段を取り付けることで、支持手段に載せて、横筋を支持することができる。よって、作業者は、横筋を保持する必要がない。また、固定部は、支柱に所定間隔おいて、複数有しているため、横筋を支持する所定間隔に合わせて支持手段を取り替えることができる。よって、この補助具は、縦筋に結束する横筋のさまざまな間隔に合わせて調整することができる。また、支柱を仮設した状態の立坑内に横筋を下ろすときに、支柱に取り付けられた支持手段を取り外しておくことができ、立坑内を下ろされる横筋が支持手段に干渉しないようにすることができる。
【0013】
また、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具の固定部は、内周面にねじ溝が形成された挿通口を備え、前記支持手段は、外周面に該挿通口に形成されたねじ溝に案内されて、捩じ込み可能なねじ山が形成された軸部を備えるようにすることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、ねじ溝が形成された挿通口にねじ山が形成された軸部を捩じ込むことで、挿通口を備える支柱の固定部と軸部を備える支持手段とを着脱自在に取り付けることができる。
【0015】
また、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具の支持手段は、横筋を係止すべく軸部の軸心方向に略垂直な方向に向かって形成された係止部を備えるようにすることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、支持手段に支持された横筋を係止部によって係止させることができる。よって、横筋は、軸部から脱落することを防止される。
【0017】
一方、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法は、上記のいずれかに記載の深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた施工方法であって、立坑内の内壁に土止めのために組み立てられたライナープレートに支柱を取り付ける支柱仮設工程と、該支柱仮設工程の前又は後に、支柱の所定位置に設けられた固定部に支持部材を取り付ける支持手段取付工程と、該支持手段取付工程の後に、固定部に取り付けられている支持手段に横筋を支持する横筋支持工程と、支柱仮設工程、支持手段取付工程及び該横筋支持工程のいずれかの工程の前又は後に、立坑内の所定地点に縦筋を立てる縦筋建て込み工程と、横筋支持工程及び該縦筋建て込み工程の後に、立てられた縦筋と支持手段に支持された横筋とを結束する鉄筋結束工程とを備えることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、支柱仮設工程でライナープレートに支柱を取り付けられ、支持手段取付工程で支柱の固定部に支持手段を取り付けられることで、立坑内で支柱に取り付けられた支持手段に横筋を載せて、横筋を支持することができる。そして、立坑内に支持手段に載せられた横筋と、縦筋建て込み工程で立てられた縦筋とを結束することができる。よって、作業者は、横筋を保持することなく、縦筋と横筋とを結束することができる。
【0019】
また、横筋を支持する所定間隔に合わせて支持手段を取り付ける支持手段取付工程が設けられているため、横筋を支持しない位置には、支持手段が取り付けられず、立坑内に横筋を下ろすときに、横筋に干渉しないようになっている。さらに、この支持手段取付工程は、横筋を支持しない所定間隔と異なる位置には、支持手段を取り外すことができ、横筋を支持する所定間隔に、支持手段を取り付けることができ、横筋を支持する所定間隔に合わせて、取り付けることができる。
【0020】
また、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法は、前記鉄筋結束工程の後に、ライナープレートから支柱を取り外す支柱取り外し工程と、該支柱取り外し工程の後に、固定部に取り付けられている支持手段を取り外す支持手段取り外し手段と、該支持手段取り外し手段の後に、支柱を立坑内から撤去する支柱撤去工程とを備えることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、支柱撤去工程の前に、支柱取り外し工程と支持手段取り外し工程とがあるため、支柱を立坑内から撤去するのに、横筋又は縦筋に干渉することなく、支柱を立坑内から撤去することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上の如く、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具、及び、この補助具を用いた配筋の施工方法によれば、横筋を縦筋に結束するときに、作業者が横筋を保持する必要がなく、かつ、横筋を支持する所定間隔に合わせることができ、立坑内に横筋を下ろすときに、横筋に干渉しないように支持することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】深礎基礎の例を示す一部断面斜視図である。
【図2】ライナープレートの例を示す斜視図であり、(a)は、正面図、(b)は、A−A断面図、(c)は、下面図、である。
【図3】一実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具の、(a)は、支柱に支持手段が取り外された状態の外観図、(b)は、支柱に支持手段が取り付けられた状態を示す外観図、である。
【図4】同実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法を説明する一部断面斜視図である。
【図5】(a)は、他の深礎基礎用の配筋作業のための補助具の支柱に支持手段が取り付けられた状態を示す外観図、(b)は、さらに他の深礎基礎用の配筋作業のための補助具の支柱に支持手段が取り付けられた状態を示す外観図、である。
【図6】(a)〜(c)は、さらに他の深礎基礎用の配筋作業のための補助具の支柱の連結手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具の一実施形態について説明する。まず、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具が使用される深礎基礎工事について、図1〜2を参酌しつつ、概略を説明する。
【0025】
深礎基礎工事は、送電鉄塔などの深礎基礎を構築するための工事である。そして、該深礎基礎工事は、図1に示すように、掘削された立坑100の内壁に土止め枠110が設けられている。この土止め枠110の内側には、鉄筋篭120が組み立てられる。そして、深礎基礎は、コンクリートが打設されることによって、構築される。立坑100は、例えば、内径が3m、深さが17m程度に掘削される。
【0026】
土止め枠110は、内外面が波板状、平面視が円弧状のライナープレート111を周方向と鉛直方向とに千鳥状に接合されることによって円筒状に組み立てて構築される。ライナープレート111は、図2に示すように、波板112と、該波板112の両端縁に、左右フランジ113,113が設けられている。また、ライナープレート111の上下縁には、上下フランジ114,114が設けられている。そして、該左右フランジ113,113及び上下フランジ114,114には、それぞれ締結穴115,115,…が形成されている。このようなライナープレート111は、隣接している左右フランジ113と左右フランジ113、そして、上下フランジ114と上下フランジ114とが重ね合わされ、各締結穴115,115,…が連通し、この締結穴115,115,…にボルト(図示せず)が挿通させて締結されることにより、立坑100を掘削しながら、すなわち、地表側から順次、土止め枠110が構築される。
【0027】
そして、鉄筋篭120は、鉛直姿勢で環状に立設された複数の縦筋121,121,…と、この縦筋121,121,…を囲む横筋とを番線(図示せず)などによって結束して組み立てられる。なお、図1で示す横筋は、環状の複数のフープ筋122である。このような鉄筋篭120は、作業者が図1に示すような作業足場130上に乗って作業することにより、底側から組み立てられる。
【0028】
この作業足場130は、縦筋121,121,…に既に結束されたフープ筋122に載せられるパイプ131と、このパイプ131上に載せられる作業床132とを組み合わせて構成されている。パイプ131は、番線(図示せず)などによってフープ筋122に固定される。あるいは、作業足場には、図示しないが、井桁状に組み合わされる足場板によって構成されるものもある。各足場板の両端部は、フープ筋122上に載せられ、番線などによって固定される。
【0029】
このような作業足場130は、例えば1.5mの間隔で、順次、上側のフープ筋122に固定される。すなわち、作業が終了すると、作業していた作業足場130の上側に新たな作業足場130を設ける。下側の足場板135、作業床132は、上側の作業足場130として使用される。
【0030】
次に、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具の構成について、図3及び図4を参酌しつつ、説明する。まず、深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、所定長さを有する長尺状の支柱2と、該支柱2の長手方向に横筋を支持可能な支持手段3とを備えている。なお、該補助具1は、溶融亜鉛メッキ塗装などで防錆措置が施されている。
【0031】
そして、該支柱2は、長尺状で中実状の支柱本体21と、長手方向に所定間隔をおいて、該支持手段3を着脱自在に取り付け可能な固定部22と、ライナープレート111に固定するための取付手段23とを備えている。該支柱本体21は、縦筋と略同じ長さを有している。また、支柱本体21は、筒状であってもよい。
【0032】
また、固定部22は、支柱本体21の長手方向にそって、所定間隔に複数備えられている。ここで、固定部22が支柱本体21に固定される所定間隔とは、縦筋に対してフープ筋を結束する間隔である。例えば、所定間隔は、約100mm、約200mm、約300mmなどである。ここで、所定間隔が約100mmで支柱2に固定されている固定部22は、フープ筋が200mmであっても、300mmであっても利用することができる。そして、このような間隔で固定部22を支柱本体21に固定された支柱2は、他の施工区分や他の深礎基礎工事などにも流用することができ、汎用性を持たせることができる。
【0033】
また、固定部22は、内周面にねじ溝が形成された挿通口24を備えている。この挿通口24は、支柱本体21の周面にナット25が固定され、ナット25にねじを捩じ込む貫通孔によって、第一挿通口24aが形成される。さらに、この挿通口24は、このナット25の第一挿通口24aと面する支柱本体21の位置に形成された凹部によって、第二挿通口24bが形成されている。この第一挿通孔24aと第二挿通孔24bとは、連続して形成されており、内周面にねじ溝が連続して形成されている。
【0034】
また、取付手段23は、少なくとも支柱本体21の長手方向にライナープレートの上下フランジの所定間隔に合わせて固定される板状のブラケット26と、該ブラケット26の先端部にライナープレート同士を締め付けるボルトが挿通可能な締付孔27とを備えている。なお、本実施形態では、ブラケット26が躯体下部の上端及び下端のライナープレートの上下フランジの位置に合わせて、支柱本体21の上端部及び下端部にのみ備える例を説明する。また、締付孔27は、具体的には、ライナープレートの締付穴と略同じ開口であればよい。
【0035】
また、支持手段3は、外周面に挿通口24に形成されたねじ溝に案内されて、捩じ込み可能にねじ山が形成された軸部31と、該軸部31の軸心方向に略垂直な方向に向かって形成された係止部32とを備えている。本実施形態に係る支持手段3は、軸部と頭部からなるボルトである例を説明する。軸部31は、固定部22の挿通口24に捩じ込むことで、支柱本体21に着脱自在に取り付けることができる。そして、支柱本体21に対して略鉛直に軸部31が固定されるため、フープ筋を軸部31に載せることができる。また、支持手段3は、軸部31に載せられたフープ筋を軸部31の軸心方向に移動しても、係止部32で係止することができ、フープ筋の脱落を防止することができる。
【0036】
また、補助具1は、立坑100内に仮設された該支柱2を、さらに長手方向に延長するために、支柱2に他の支柱を連結可能な連結手段が備わっている。該連結手段は、支柱2の長手方向の両端に備えられたフランジ4,4である。そして、仮設された支柱2は、上端に備えられたフランジ4と、該仮設された支柱2に連結する支柱の下端に備えられたフランジとをボルト穴が合うように重ね合わせ、このフランジ同士をボルト・ナットで固定することで、支柱を連結できるようになっている。
【0037】
次に、本実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1を用いた配筋の施工方法について、説明する。まず、掘削が完了した立坑100内の配筋の施工は、躯体下部、躯体中間部、柱体部などの施工区分に分けて行われる。そして、この配筋の施工は、躯体下部から、躯体中間部、柱体部の順に立坑の底部から地上に向かって施工区分ごとに行われる。そこで、まず、躯体下部での深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法について、図3及び図4を参酌しつつ、説明する。
【0038】
深礎基礎用の配筋作業のための補助具1を用いた配筋の施工方法は、まず、立坑100内に支柱2を仮設する支柱仮設工程が行われる。支柱仮設工程は、立坑100内の内周壁に土止めのために組み立てられたライナープレート111に支柱2を取り付ける。具体的には、支柱仮設工程は、立坑100内に支柱2を下ろし、環状のフープ筋122が縦筋121に結束される位置より外側であって、縦筋121が配置される位置以外に配置し、取付手段23をライナープレート111の上下フランジ114に取り付ける。このとき、環状のフープ筋122を保持するために、最低3箇所に略等間隔に配置されることが好ましい。
【0039】
次に、縦筋121を位置決めするために、第一支持手段取付工程、第一フープ筋支持工程、第一縦筋建て込み工程、第一フープ筋結束工程、第一支持手段取り外し工程が行われる。
【0040】
まず、第一支持手段取付工程は、支柱仮設工程の後に、縦筋121の上端部及び下端部に結束されるフープ筋122を縦筋121に結束する高さに設けられた固定部22に支持手段3を取り付ける工程である。このとき、支持手段3は、3本の支柱の固定部22にそれぞれ取り付けられる。
【0041】
なお、縦筋121の上端部に固定されるフープ筋122が躯体下部の上部に形成された作業床で支持することができる場合、又は、縦筋121の下端部に固定されるフープ筋122が躯体下部の底部で支持することができる場合、第一支持手段取付工程及び第一支持手段取り外し工程は、省略することができる。
【0042】
また、第一フープ筋支持工程は、第一支持手段取付工程の後に、フープ筋122を縦筋121に結束する高さに取り付けられた支持手段3に支持する工程である。よって、3本の支柱に取り付けられた支持手段3によって支持されるフープ筋122は、3点で支持されている。また、支柱2の固定部22には、フープ筋122を載せようとしている支持手段3以外は、支柱2の固定部22に取り付けられていないため、フープ筋122を地上から立坑100内の支持手段3に向けて、下ろすときにフープ筋122が干渉しないようになっている。また、支柱2に支持手段3が取り付けられている場合であっても、横筋を斜めに傾けて下ろしたりすることで、支持手段3と干渉しないようにすることはできる。
【0043】
また、第一縦筋建て込み工程は、第一フープ筋支持工程の後に、立坑100内の所定地点に縦筋121を立てる工程である。該縦筋は、一本置きに粗く立てられる。
【0044】
また、第一フープ筋結束工程は、第一縦筋建て込み工程の後に、立てられた縦筋121に支持手段3に支持されたフープ筋122を番線などで結束する工程である。
【0045】
第一支持手段取り外し工程は、第一フープ筋結束工程の後に、縦筋121に結束されたフープ筋122を支持していた支持手段3を支柱21から取り外す工程である。
【0046】
次に、縦筋121及びフープ筋122を結束するために、第二支持手段取付工程、第二フープ筋支持工程、第二フープ筋結束工程、第二支持手段取り外し工程、第二縦鉄筋建て込み工程、縦鉄筋結束工程が行われる。
【0047】
第二支持手段取付工程は、該第一支持手段取り外し工程の後に、第一フープ筋結束工程で結束されたフープ筋122以外のフープ筋122を縦筋121に結束する高さに設けられた固定部22に支持手段3を取り付ける工程である。
【0048】
第二フープ筋支持工程は、該第二支持手段取付工程の後に、フープ筋122を縦筋121に結束する高さに取り付けられた支持手段3に支持する工程である。
【0049】
第二フープ筋結束工程は、該第二フープ筋支持工程の後に、立てられた縦筋121に支持手段3に支持されたフープ筋122を結束する工程である。
【0050】
第二支持手段取り外し工程は、第二フープ筋結束工程の後に、縦筋121に結束されたフープ筋122を支持していた支持手段3を支柱21から取り外す工程である。
【0051】
第二縦筋建て込み工程は、必要に応じて、フープ筋122が立てられたすべて縦筋121に結束されるまで、第二支持手段取付工程、第二フープ筋支持工程、第二フープ筋結束工程、そして、第二支持手段取り外し工程が繰り返された後に、第一縦筋建て込み工程で立てられた縦筋121以外の残りの縦筋121を立てる工程である。
【0052】
縦筋結束工程は、該第二縦筋建て込み工程の後に、縦筋121に結束されたフープ筋122に立てられた縦筋121を結束する工程である。
【0053】
次に、躯体中間部での配筋の施工方法は、立坑100の底部から施工することができないため、支柱を躯体下部で既に仮設された支柱2に連結することで仮設し、鉄筋を躯体下部で既に組み立てられた鉄筋篭120の縦筋121の上端に接続されるところが躯体下部での配筋の施工方法と異なる。よって、支柱仮設工程及び第一縦筋建て込み工程、第二縦筋建て込み工程は、以下に説明する。それ以外の工程は、躯体下部での配筋の施工方法と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
支柱仮設工程は、躯体下部で仮設された支柱2の上端部のフランジ4と、躯体中間部で仮設される支柱の下端部のフランジとをボルトとナットとで連結する。また、第一鉄筋建て込み工程及び第二鉄筋建て込み工程は、立てる縦筋の下端を既に組み立てられた鉄筋篭120の縦筋121の上端に接続することで、立てられる。
【0055】
また、躯体中間部の配筋の施工方法では、作業足場を上部に加え、下部にも作業床を仮設される。しかし、従来では、ライナープレート111の上下フランジ114に設けられる締付穴115を利用して作業足場を仮設していたが、支柱の支持手段を利用して仮設するようにしてもよい。そして、支柱の支持手段を利用することで、作業足場の仮設高さは、ライナープレート111の上下フランジ114が位置する高さに制限されることはない。作業足場は、必要な高さに固定される固定部に支持手段を固定することができ、仮設する高さに合わせて調整することができる。
【0056】
また、柱体部での配筋の施工方法では、躯体下部及び躯体中間部の施工方法と異なり、送電鉄塔などの脚材の据付が伴う場合がある。また、柱体部での配筋の施工が完了すると、仮設した深礎基礎用の配筋作業のための補助具を撤去するために、支柱取り外し工程、及び、支柱撤去工程を行われるところが躯体下部及び柱体部での配筋の施工方法と異なる。よって、支柱取り外し工程、及び、支柱撤去工程は、以下に説明する。しかし、それ以外の施工方法は、上記躯体下部もしくは躯体中間部での配筋の施工方法と略同様であるため、説明を省略する。
【0057】
支柱取り外し工程は、該縦筋結束工程の後に、ライナープレート111から支柱2を取り外す工程である。支柱撤去工程は、該支柱取り外し手段の後に、支柱を立坑100内から撤去する工程である。ここで、躯体下部、躯体中間部、柱体部のそれぞれの施工区分ごとに連結された支柱をそれぞれ取り外し、それぞれの支柱ごとに撤去するようにしてもよい。なお、第一支持手段取り外し工程及び第二支持手段取り外し工程にて、支持手段が支柱から取り外されているため、支柱をそのまま引き上げることで、支持手段がフープ筋122に引っ掛けることなく、立坑100内から撤去することができる。また、支柱撤去工程は、支柱を残したまま、コンクリートを打設する場合は、省略される。
【0058】
よって、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、支柱2に支持手段3を取り付けることで、フープ筋122を支持手段3に載せて、支持することができる。これにより、作業者は、フープ筋122を保持する必要がなくなり、作業効率をあげることができる。また、固定部22は、支柱2に所定間隔をおいて、複数有しているため、フープ筋122を支持する所定間隔に合わせて支持手段3を取り替えることができる。よって、前記補助具1は、縦筋121に結束するフープ筋122のさまざまな間隔に合わせて調整することができる。また、支柱2を仮設した後に、立坑100内にフープ筋122を下ろすときに、支柱2に取り付けられた支持手段3がフープ筋122に干渉する場合がある。このようなときも、支柱2は、支持手段3を取り外すことができるため、フープ筋122に干渉しないようにすることができる。
【0059】
また、本発明に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1を用いた配筋の施工方法は、支柱仮設工程で取付手段23を利用して、ライナープレート111に支柱2を取り付けられ、支持手段取付工程で支柱2の固定部22に支持手段3を取り付けられることで、立坑100内で支柱2に取り付けられた支持手段3にフープ筋122を載せることで、フープ筋122を支持することができる。そして、立坑100内に支持手段3に載せられたフープ122筋と縦筋建て込み工程で立てられた縦筋121とを結束することができる。よって、作業者は、フープ筋122を支持(把持)する工程を経ることなく、縦筋121とフープ筋と122を結束することができる。
【0060】
また、フープ筋122を支持する所定間隔に合わせて支持手段3を取り付ける支持手段取付工程が設けられているため、フープ筋122を支持しない位置には、支持手段3が取り付けられず、立坑100内にフープ筋122を下ろすときに、フープ筋122に干渉しないようになっている。さらに、この支持手段取付工程は、フープ筋122を支持しない所定間隔と異なる位置には、支持手段3を取り外すことができ、フープ筋122を支持する所定間隔に、支持手段3を取り付けることができ、フープ筋122を支持する所定間隔に合わせて、取り付けることができる。
【0061】
また、深礎基礎用の配筋作業が複数の施工区分によって行う場合であったり、支柱2の長さが縦筋121の長さより短いときであっても、支柱同士を連結することで、支柱2の長さを必要な長さ以上に延長することができる。
【0062】
また、支柱撤去工程の前に、支柱取り外し工程と支持手段取り外し工程があるため、支柱2を立坑100内から撤去するのに、フープ筋122又は縦筋121とに干渉することなく、支柱2を立坑100内から撤去することができる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまな変更が可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、縦筋を位置決めするために、第一支持手段取付工程、第一フープ筋支持工程、第一縦筋建て込み工程、第一フープ筋結束工程、第一支持手段取り外し工程が行われる例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、この縦筋の位置決めを省略してもよい。具体的には、第一縦筋建て込み工程、支柱仮設工程、第一及び第二支持手段取付工程、第一及び第二フープ筋支持工程、第一及び第二フープ筋結束工程、第一及び第二支持手段取り外し工程、第二縦鉄筋建て込み工程、縦鉄筋結束工程、支柱取り外し工程、支柱撤去工程の順で行われてもよい。
【0065】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、支持手段取り外し工程が支持手段取付工程でフープ筋122を支持していた支持手段3を取り外す例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、第一支持手段取り外し工程は、第一支持手段取付工程で取り付けた支持手段3を取り外さずに、第二支持手段取り外し工程ですべての支持手段3を取り外すようにしてもよい。この場合、第二フープ筋支持工程で、フープ筋122を支持する支持手段3以外も支柱2に取り付けられた状態となるが、このとき、フープ筋122を支持する支持手段3以外の支持手段3は、フープ筋122を支持する支持手段3より下方に位置しているため、フープ筋122を地上から下ろすときに、支持手段3とフープ筋122が干渉しないようにすることができる。
【0066】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、第一縦筋建て込み工程が第一フープ筋支持工程の後に行われる例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、第一縦筋建て込み工程は、支柱仮設工程、第一支持手段取付工程、及び、第一フープ筋支持工程のいずれかの工程の前に行われてもよい。
【0067】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、係止部32がボルトの頭部である例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、図5(a)に示すように、軸部31の基端部側が円弧状に曲げられており、Uの字に形成された係止部203であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、横筋を支持手段3の軸部31に1本載せる例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、図5(b)に示すように、水平方向に2本の横筋を縦筋に結束する場合(横筋が二重となっている場合)に対応して、軸部31は、2本の横筋を横筋同士の離隔距離を保って載せることができるような長さを有していてもよい。
【0069】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、支柱本体21が中実状である例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、図5(b)に示すように、支柱本体21が筒状になっていてもよい。そして、該支柱本体21の周面を貫通するように挿通口324(324b、324c)が形成されていてもよい。
【0070】
さらに、支持手段303が支柱本体321から脱落しないように、支持手段303は、先端部に弾性力で軸部31の軸心方向に垂直な方向に突出する突起部333を備えていてもよい。該突起部333は、軸部31の周面に形成された凹部334に弾性部材(ばね)335で凹部334の出口側に押し上げられている球体336とを備えている。そして、支持手段303が挿通口324に挿入されると、突起部333は、弾性部材335の弾性力に逆らって、凹部335の内側に納まる。よって、支持手段3は、内部に挿入することができる。しかし、支持手段3がさらに挿通口324に挿入され、突起部333が備えられた軸部31の先端が挿通口324a,324bを通過して、支柱本体321の内側に到達すると、球体333は、弾性力によって凹部335から突出される。よって、球体333が支柱本体321の内面に干渉して、容易には抜けないようにすることができる。また、支持手段3をさらに挿通口324に挿入されたときも上記と同様である。
【0071】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、図5(b)に示すように、挿通口324への軸部331の挿入量を変更することで、支柱302からの突出量を変更するようにしてもよい。このようにすることで、横筋122が水平方向に2本配置するようなときも、1本配置するようなときにも、使用することができる。
【0072】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、支持手段3にフープ筋122を支持する例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、環状のフープ筋122以外にも、円弧状の横筋(C型)、直線状の横筋に円弧状の横筋を継ぎ足した横筋(J型)、直線状の横筋(S型)、及び、角状の横筋(L型)などを支持するようにしてもよい。そして、この円弧状の横筋を環状に複数つなぎ合わされて、円形に形成された横筋は、縦筋121と結束することで、円柱形の鉄筋篭を形成することができる。また、この円弧状の横筋と、直線状の横筋に円弧状の横筋を継ぎ足した横筋と、直線状の横筋とを環状に複数つなぎ合わされて、小判形に形成された横筋は、縦筋121と結束することで、小判形の断面形状を有する円柱形の鉄筋篭を形成することができる。また、角状の横筋と直線状の横筋とを環状に複数つなぎ合わされて、矩形に形成された横筋は、縦筋121と結束することで、角形の鉄筋篭を形成することができる。そして、これらの鉄筋篭を立坑内で形成することができる。
【0073】
そして、これらの方法により鉄筋篭を形成するとき、深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、略環状に複数つなぎ合わされる横筋の数の2倍以上備えることが好ましい。このようにすることにより、深礎基礎用の配筋作業のための補助具は、少なくとも横筋の両端及び略中間を支持手段3により安定して支持することができる。
【0074】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、係止部32を支持手段3に備えられる例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、支持手段3は、係止部2を備えていなくてもよい。
【0075】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、支柱2を立坑100内から撤去するときに、支柱2に取り付けられた支持手段3をすべて取り外してから地上に引き上げる例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、係止部が備わっていない軸部だけの支持手段が支柱2に取り付けられている場合、前記補助具1は、ライナープレート111から取付手段23を取り外し、支持手段を取り外すことなく、支柱2を回転させることで、横筋122と結束された縦筋121の間を支持手段が通り抜けることができ、支柱2を引き上げることができる。なお、このとき、横筋122が縦筋121に結束されているため、横筋122の重量は、支持手段にはかかっておらず、容易に回転させることができる。
【0076】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、連結手段が支柱2の上下端に備えられたフランジ4である例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、図6(a)に示すように、支柱402の連結手段は、支柱本体421の上端に凸状に突出した凸部441と、支柱本体421の下端に該凸部441を挿入可能な凹部とを備えている。そして、支柱402の連結手段は、下方に位置する支柱402の凸部441に、上方に位置する支柱402’の凹部442’を嵌め込むことで連結される。しかし、この連結手段による支柱同士の連結は、取付手段によってライナープレートに支柱402を固定するまでの位置決めの働きがある。
【0077】
また、図6(b)に示すように、支柱502の連結手段は、支柱本体521の上端に凸状に突出した凸部の一部を切り欠いたキー付き凸部541と、支柱本体521の下端に該凸部541を挿入可能なキー溝付き凹部とを備えている。このとき、前記切り欠きが支柱502,502’同士が連結したときに、特定の位置関係となるように形成され、キーとしての機能を有している。具体的には、切り欠きは、支柱本体521の長手方向に略一列となるように固定部を固定した支柱502のキー付き凸部541に、他の支柱502’のキー溝付き凹部542’を連結した際に、支柱502に固定された固定部と他の支柱502’に固定された固定部が連続して略一列になり、この列がずれないように固定することができる。
【0078】
また、図6(c)に示すように、支柱602の連結手段は、支柱本体621の上端に凸状に突出した凸部の周面にねじ山を形成したねじ山付き凸部641と、支柱本体621の下端に該ねじ山付き凸部641を捩じ込み可能なねじ溝付き凹部とを備えている。そして、支柱602の連結手段は、下方に位置する支柱602のねじ山付き凸部641に、上方に位置する支柱602’のねじ溝付き凹部642’を捩じ込むことで連結される。よって、支柱602’を回転させることで、支柱602を連結することができる。
【0079】
また、上記実施形態に係る支持手段3は、横筋及び作業足場を支持する例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、支持手段は、作業員の胴綱を支持したり、コの字金具を支持するようにしてもよい。ここで、コの字金具とは、作業者が立坑100内を縦横に移動する際の手づかまり・足掛かりの金具や、所要の移動ロープの取付け金具などである。よって、支持手段は、支柱に対して、このような荷重を許容可能な強度を有していることが好ましい。
【0080】
また、上記実施形態に係る深礎基礎用の配筋作業のための補助具1は、ライナープレート111の上下フランジ114の締結穴115にボルト・ナットで固定する例を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、ライナープレート111の上下フランジ114もしくは左右フランジ113に鉄線等で結束して、固定してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,201,301…補助具、2,302,402,402’,502,502’,602,602’…支柱、21,321,421,421’,521,521’,621,621’…支柱本体、22…固定部、23…取付手段、24,324…挿通口、24a…第一挿通口、24b,324b,324c…第二挿通口、25…ナット、26…ブラケット、27…締付孔、3,203,303…支持手段、31,331…軸部、32,232…係止部、333…突起部、334…凹部、335…弾性部材(ばね)、336…球体、4…フランジ、441…凸部、442’…凹部、541…キー付き凸部、542’…キー溝付き凹部、641…ねじ山付き凸部、642’…ねじ溝付き凹部、100…立坑、110…土止め枠、111…ライナープレート、112…波板、113…左右フランジ、114…上下フランジ、115…締結穴、120…鉄筋篭、121…縦筋、122…フープ筋(横筋)、123…番線、130…作業足場、131…パイプ、132…作業床。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦筋と横筋とを組み合わせて構成される深礎基礎用の配筋作業のための補助具であって、
所定長さを有する長尺状の支柱と、該支柱の長手方向に横筋を支持可能な支持手段とを備え、支柱は、長手方向に所定間隔をおいて、該支持手段を着脱自在に取り付け可能な固定部を複数有していることを特徴とする深礎基礎用の配筋作業のための補助具。
【請求項2】
前記固定部は、内周面にねじ溝が形成された挿通口を備え、前記支持手段は、外周面に該挿通口に形成されたねじ溝に案内されて、捩じ込み可能なねじ山が形成された軸部を備える請求項1に記載の深礎基礎用の配筋作業のための補助具。
【請求項3】
前記支持手段は、横筋を係止すべく軸部の軸心方向に略垂直な方向に向かって形成された係止部を備える請求項2に記載の深礎基礎用の配筋作業のための補助具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた施工方法であって、
立坑内の内壁に土止めのために組み立てられたライナープレートに支柱を取り付ける支柱仮設工程と、該支柱仮設工程の前又は後に、支柱の所定位置に設けられた固定部に支持部材を取り付ける支持手段取付工程と、該支持手段取付工程の後に、固定部に取り付けられている支持手段に横筋を支持する横筋支持工程と、支柱仮設工程、支持手段取付工程及び該横筋支持工程のいずれかの工程の前又は後に、立坑内の所定地点に縦筋を立てる縦筋建て込み工程と、横筋支持工程及び該縦筋建て込み工程の後に、立てられた縦筋と支持手段に支持された横筋とを結束する鉄筋結束工程とを備えることを特徴とする深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法。
【請求項5】
前記鉄筋結束工程の後に、ライナープレートから支柱を取り外す支柱取り外し工程と、該支柱取り外し工程の後に、固定部に取り付けられている支持手段を取り外す支持手段取り外し手段と、該支持手段取り外し手段の後に、支柱を立坑内から撤去する支柱撤去工程とを備える請求項4に記載の深礎基礎用の配筋作業のための補助具を用いた配筋の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−32670(P2011−32670A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177872(P2009−177872)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591045541)岳南建設株式会社 (6)
【Fターム(参考)】