説明

混合廃プラスチック選別装置

【課題】混合廃プラスチックに含まれるプラスチックとゴムとを高い精度で選別することが可能な混合廃プラスチック選別装置を提供する。
【解決手段】粉砕処理された混合廃プラスチック22をプラスチック18とゴム20とに選別する混合廃プラスチック選別装置10であって、プラスチック18及びゴム20のそれぞれとの摩擦係数μ,μが異なる表面26を有し、軸12を中心に回転するローラ16と、混合廃プラスチック22を表面26に斜め上方から供給する傾斜台24aと、軸12を含む鉛直面38よりも傾斜台側に設けられたプラスチック回収部40と、鉛直面38を介して傾斜台24aの反対側に設けられたゴム回収部52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕処理された混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとに選別する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭や事務所から排出される家電系廃棄物に含まれる有用な資源を再利用することによって、廃棄物を減量するとともに資源の有効利用を推進するために家電リサイクル法が制定された。廃棄物を資源として再利用するには、収集された廃棄物を材料ごとに選別する必要がある。
【0003】
プラスチックは、家電系廃棄物から再利用される資源の一つである。収集された家電系廃棄物は、主として手作業による解体作業を経た後に、フレーク状に粉砕された混合廃プラスチックに加工される。混合廃プラスチックからゴムやホットメルト等の異物とプラスチックとを選別し、純度の高いプラスチックを得ることによって、混合廃プラスチックは再利用可能なプラスチック資源となる。
【0004】
従来、混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとに選別する装置が提案されている。例えば、特許文献1(段落[0011]−[0012]、図4)に記載の混合廃プラスチック選別装置は、回転する円筒又は円錐状のローラと、ローラの回転軸と平行な仕切り板とを備える。ローラの上方から混合廃プラスチックを落下させローラに衝突させると、プラスチックはゴムに比べて反発弾性及び摩擦係数が小さいため、プラスチックはローラの近くに落下し、ゴムはローラの遠くに弾かれる。これらの飛距離に応じた適切な位置に仕切り板を設けることによって、混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとを選別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−159048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
混合廃プラスチックから選別されたプラスチックの純度が高い程、選別されたプラスチックのプラスチック資源としての価値は、向上する。そのため、混合廃プラスチックからプラスチックとゴムとを高精度で選別できる技術が望ましい。しかしながら、従来の混合廃プラスチック選別装置では、ローラに弾かれたプラスチック及びゴムと、上方から落下する混合廃プラスチックとが衝突するためゴムが十分に弾かれず、その結果、選別の精度が悪くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するため、混合廃プラスチックに含まれるプラスチックとゴムとを高い精度で選別することが可能な混合廃プラスチック選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る混合廃プラスチック選別装置は、粉砕処理された混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとに選別する混合廃プラスチック選別装置であって、プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数が異なる表面を有し、軸を中心に回転するローラと、前記混合廃プラスチックを前記表面に斜め上方から供給する傾斜台と、前記ローラの軸を含む鉛直面よりも傾斜台側に設けられたプラスチック回収部と、前記鉛直面を介して前記傾斜台の反対側に設けられたゴム回収部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る混合廃プラスチック選別装置は、プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数が異なる表面を有し、軸を中心に回転するローラを備える。ゴムの摩擦係数及び反発係数は、プラスチックのそれらよりも大きい。そのため、ローラに衝突したゴムは、ゴムの弾性によって弾けるだけでなく、ローラの回転方向に沿った摩擦力を受けて、ローラの回転方向に向かう放物線方向に大きく弾かれる。これに対して、ローラに衝突したプラスチックは、ローラとの摩擦力が小さいため、殆ど弾けることなく、又は僅かに弾けた後に落下する。
【0010】
このように、プラスチックとゴムとでは、ローラに衝突した後の挙動が異なるため、混合廃プラスチックに含まれるプラスチックとゴムとをそれぞれ、ゴム回収部とプラスチック回収部とに選別することができる。
【0011】
また、本発明に係る混合廃プラスチック選別装置は、混合廃プラスチックをローラの斜め上方から供給する傾斜台を備える。これにより、ゴムは水平方向の移動成分を伴ってローラに衝突し、その水平方向の移動成分は、衝突位置のローラの接線方向を向いた摩擦力によって加速される。そのため、ゴムはローラとの衝突位置から高速で弾き飛ばされ、供給される混合廃プラスチックとゴムとの衝突が低減する。
【0012】
また、プラスチックは上述のように摩擦力の作用をあまり受けずに落下するため、混合廃プラスチックが供給される方向とローラに衝突した後のプラスチックの移動方向とは大きく異なる。そのため、ローラに衝突した後のプラスチックと供給される混合廃プラスチックとが衝突することは殆どない。また、仮にローラに衝突した後のプラスチックと供給される混合廃プラスチックとが衝突したとしても、その衝突後のプラスチックも殆どが自然落下することになる。そのため、ローラに衝突したプラスチックと傾斜台から供給される混合廃プラスチックとの衝突が、その後の供給されたプラスチックの挙動に対する衝突の影響は極めて限定的である。
【0013】
このように、ローラに衝突した後のプラスチック及びゴムは、供給される混合廃プラスチックの影響をほとんど受けることがない。そのため、ローラに衝突したゴムの殆どが、ローラとの衝突部分からローラの回転方向に向かう放物線方向に大きく弾かれ、ローラに衝突したプラスチックの殆どが、ローラとの衝突部分から自然落下する。その結果、従来よりも格段に高い精度でプラスチックとゴムとを選別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る混合廃プラスチック選別装置の側面図である。
【図2】ゴムがローラに衝突する前後の挙動を説明するための図である。
【図3】プラスチックがローラに衝突する前後の挙動するための図である。
【図4】実施の形態2に係る傾斜台の概要を示す斜視図である。
【図5】傾斜台の供給端部を異なる位置に配置した場合のローラに衝突した後のプラスチック及びゴムの挙動を示す図である。
【図6】実験に用いた供給端部の配置位置を示す、軸方向から見た側面図である。
【図7】供給端部の配置位置ごとのゴム回収部でのゴムの回収率を示す図である。
【図8】供給端部の配置位置ごとのゴム回収部でのプラスチックの回収率を示す図である。
【図9】実験に用いた隔壁先端部の配置位置を示す、軸方向から見た側面図である。
【図10】隔壁先端部の配置位置ごとのゴム回収部でのゴムの回収率を示す図である。
【図11】隔壁先端部の配置位置ごとのゴム回収部でのプラスチックの回収率を示す図である。
【図12】ローラの表面部材に適用できる材料の例について、プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数の差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
本発明に係る混合廃プラスチック選別装置は、粉砕処理された混合廃棄物としての混合廃プラスチックをそれに含まれるプラスチックとゴムとに選別する装置である。
【0016】
混合廃プラスチックは、プラスチックを含む部材を、例えばフレーク状に粉砕したものである。部材とは例えば、一般家庭等から排出される家電系廃棄物、それを手作業で分解したもの等である。このような、混合廃プラスチックは、リサイクル資源としてのプラスチックと、異物としてのゴムとを含む。混合廃プラスチック選別装置によってプラスチックとゴムとを選別し、これによって、プラスチックの再利用が可能になる。
【0017】
なお、実施の形態では、混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとに選別する例について説明するが、本発明は、混合廃棄物をそれに含まれるリサイクル資源と異物とに選別する装置又は方法に適宜適用できる。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態1に係る混合廃プラスチック選別装置の側面図である。図1の上下方向は、装置の上下方向を示し、図1の左右方向は、装置の後ろから前へ向かう方向を示し、図1の紙面垂直方向は、装置の左右方向を示す。
【0019】
同図に示す混合廃プラスチック選別装置10は、水平な左右方向の固定軸12を中心に回転する円柱状のローラ16と、軸12より後方に設けられ、プラスチック18とゴム20とを含む混合廃プラスチック22をローラ16に供給する傾斜台24aとを備える。
【0020】
ローラ16は、上半分に位置する上面が後方から前方へ向かう方向(図1では右回り)14に、適宜設定された回転数で回転する。ローラ16の回転は、例えば、インバータ制御されたモータ(図示せず)の動力を伝達することにより実現される。
【0021】
また、ローラ16は、プラスチック18との摩擦係数μ及びゴム20との摩擦係数μが異なる表面26を有する。一般的に表面26とゴム20との摩擦係数μの方が、表面26とプラスチック18との摩擦係数μより大きい。ローラ16の材料には、例えば金属材料、樹脂材料等が使用され、具体的には、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン612、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレン(PE)、及びポリカーボネート(PC)などのいずれか1つ若しくは複数を組合せたもの、又はそれを主成分として適宜バインダ、調整剤等が添加されたものが利用される。
【0022】
次に、傾斜台24aは、混合廃プラスチック22が流れる平面である傾斜面28と、ローラ16の近くに、軸12と平行に設けられた供給端部32aとを有する。供給端部32aは、流れてきた混合廃プラスチック22を斜め上方から(矢印30a方向に)ローラ16に供給して衝突させる。
【0023】
傾斜台24aは、混合廃プラスチック22が衝突するローラ16の表面26の部分領域を形成する衝突部分34が、上方及び前方へ向かう移動成分を有する部分となるように、混合廃プラスチック22を供給する。そのために、供給端部32aは好ましくは、上下方向には軸12からローラ16の上端まで、水平方向には軸12からローラ16の後端までに配置される。
【0024】
詳細は後述するが、このような構成を備えることによって、混合廃プラスチック22がローラ16に衝突した後に、プラスチック18はローラ16の衝突部分34から滑り落ち、ゴム20は衝突部分34で前方に大きく弾かれる。その結果、混合廃プラスチック22に含まれるプラスチック18とゴム20とを選別することが可能になる。
【0025】
なお、傾斜面28は、好ましくは、水平面36aに対する傾斜角θが30度〜60度となるように設けられ、これによって、選別の精度が向上する。
【0026】
混合廃プラスチック選別装置10は、さらに、軸12を含む鉛直面38よりも後方に設けられたプラスチック回収部40と、鉛直面38よりも前方に中間回収部46及びゴム回収部52とを備える。中間回収部46は、ゴム回収部52とプラスチック回収部40との間に設けられる。
【0027】
プラスチック回収部40は、主にプラスチック18を回収するための部位である。プラスチック回収部40は、ローラ16に対向する後方の壁42を有し、当該壁42とローラ16と装置10の左右両端に設けられた壁(図示せず)とによって、衝突部分34よりも下方に、上方へ向けて開放するプラスチック回収口44を形成する。
【0028】
中間回収部46は、衝突部分34から弾けたプラスチック18、衝突部分34であまり弾けなかったゴム20等の異常な挙動をしたプラスチック18及びゴム20を含む混合廃プラスチック22を回収するための部位である。
【0029】
中間回収部46は、ローラ16に対向する隔壁48を有し、当該隔壁48とローラ16と装置10の左右両端に設けられた壁(図示せず)とによって、衝突部分34からローラ16の回転方向14に向かう小さい放物線方向に向けて開放する中間回収口50を形成する。
【0030】
ゴム回収部52は、主にゴム20を回収するための部位である。ゴム回収部52は、隔壁48と隔壁48よりも前方の壁54とを有し、当該壁54と隔壁48と装置10の左右両端に設けられた壁(図示せず)とによって、衝突部分34からローラ16の回転方向14に向かう大きい放物線方向に向けて開放するゴム回収口56を形成する。
【0031】
また、プラスチック回収部40と中間回収部46とゴム回収部52とのそれぞれは、回収口44,50,56に連通し、回収口44,50,56を通過したプラスチック18及びゴム20を回収するための流路であるプラスチック回収路58と中間回収路60とゴム回収路62とを形成する。
【0032】
隔壁48は、図1及び上述の記載から分かるように、中間回収路60とゴム回収路62とを仕切る部材であり、本実施の形態では、中間回収部46とゴム回収部52とで共通に備えられる。隔壁48は、ローラ16と対向して配置される隔壁先端部64を有する。隔壁先端部64は、好ましくは、ゴム20をゴム回収部52に選別する精度を向上させるために、衝突部分34で弾かれたプラスチック18及びゴム20の飛距離の境界近傍に設けられ、先に向かって薄くなる形状を有する。
【0033】
なお、ゴム回収部52の前方の壁54には、図1に示すように、中間回収部46及びゴム回収口56の上方を覆うように設けられ、衝突部分34で弾かれたゴム20がゴム回収口56よりも前方へ飛散することを防ぐための飛散防止部66が延設される。飛散防止部66により、大きく弾かれたゴム20を逃さずに回収することが可能になる。また、衝突部分34で弾けたゴムが飛散防止部66に衝突して進行方向が変わることのないように、飛散防止部66はローラ16の表面26から十分に離れた高い位置に設置されている。
【0034】
このような構成を備えた混合廃プラスチック選別装置10の動作、及び同装置10により、混合廃プラスチック22からプラスチック18とゴム20とを選別する原理について、図2及び図3を参照して説明する。
【0035】
混合廃プラスチック22は、傾斜台24aの傾斜面28の上を流れて、供給端部32aから継続的にローラ16に供給される。この時、プラスチック18及びゴム20はいずれも、図2及び図3に矢印30aで示すほぼ同一の方向及び速度で、衝突部分34に向かって移動し、混合廃プラスチック22に含まれるプラスチック18及びゴム20はそれぞれ衝突部分34に衝突する。
【0036】
衝突部分34に衝突したプラスチック18及びゴム20は、ローラ16との摩擦力及び弾性力の作用を受けて、移動方向を変える。ここで、摩擦係数及び反発係数はいずれも、ゴム20とローラ16の表面26と間の値の方が、プラスチック18とローラ16の表面26との間の値よりも大きい。
【0037】
そのため、ローラ16に衝突したゴム20は、図2に示すように、衝突部分34のうち実際に衝突した位置68aの回転方向14(接線方向)に向かう大きな摩擦力70aを受ける。そのため、傾斜台24aから供給されたゴム20は、摩擦力70aによって水平方向の移動成分が加速される。また、ゴム20は、弾性を有するため、ローラ16によって矢印72aの方向へ弾かれる。ローラ16に衝突した後のゴム20は、重力の作用によって、衝突部分34からローラ16の回転方向14に向かう大きな放物線状の軌跡又はそれに近い軌跡に従って移動することになる。
【0038】
このように、ゴム20の場合、衝突部分34に供給されたものの殆どが、ローラ16との摩擦及び弾性によって高速で移動する。また、ローラ16に衝突したゴム20の移動方向72aと混合廃プラスチック22の供給方向30aとでは角度差が大きい。そのため、ローラ16に衝突したゴム20が供給される混合廃プラスチック22と衝突することは殆どなくなる。その結果、ローラ16に衝突したゴム20の殆どが、衝突部分34から上記の大きな放物線状の軌跡又はそれに近い軌跡に従って移動する。
【0039】
これに対して、ローラ16に衝突したプラスチック18は、図3に示すように、摩擦力70bを殆ど受けることがなく、またローラ16により弾かれることも殆どなく又は僅かに弾かれるだけである。そのため、ローラ16に衝突したプラスチック18は、重力の作用により、衝突部分34から矢印72bが示す方向へ自然に落下する軌跡又はそれに近い軌跡に従って移動する。
【0040】
このように、プラスチック18の場合、衝突部分34に供給されたものの殆どが、衝突部分34から滑り落ちることになる。ローラ16に衝突したプラスチック18の移動方向72bと混合廃プラスチック22の供給方向30aとでは角度差が大きい。そのため、供給される混合廃プラスチック22とプラスチック18とが衝突することは殆どない。また、仮にローラ16に衝突したプラスチック18が、傾斜台24aから供給される混合廃プラスチック22と衝突したとしても、その衝突の後のプラスチック18も殆どが自然に落下することになる。そのため、ローラ16に衝突したプラスチック18と傾斜台24aから供給される混合廃プラスチック22との衝突が、その後のプラスチック18の挙動に与える影響は極めて限定的である。その結果、ローラ16に衝突したプラスチック18の殆どが、衝突部分34から滑り落ちる。
【0041】
このように、衝突部分34で弾かれたゴム20は概ね、ローラ16の回転方向14に向かう大きな放物線方向へ弾かれるため、ゴム回収口56を通過し、ゴム回収部52に回収される。また、衝突部分34に衝突したプラスチック18は概ね、自然に落下するため、衝突部分34の下方に設けられたプラスチック回収口44を通過し、プラスチック回収部40に回収される。
【0042】
もっとも、すべてのゴム20が、ローラ16によって、大きな摩擦力を受ける、又は大きく弾かれるとは限らない。僅かではあるが、ゴム20の中には、弾かれない又はあまり弾かれないものがある。同様に、プラスチック18の中にも、弾かれるものがある。
【0043】
このような、プラスチック18又はゴム20の異常な挙動には、様々な原因が考えられる。例えば、傾斜台24aからの供給される時に、粉砕されたプラスチック18及びゴム20が塊になる等の供給時の粉砕物の状態、粉砕された個々のプラスチック18及びゴム20の形状や寸法等、又はそれらが相互に作用して、プラスチック18又はゴム20の異常な挙動が生じると考えられる。
【0044】
異常な挙動をしたプラスチック18及びゴム20は、中間回収口50を通じて、中間回収部46に回収される。特に、隔壁48の隔壁先端部64は、衝突部分34で弾かれたプラスチック18及びゴム20の飛距離の境界近傍に設けられ、また先に向かって薄くなる形状を有する。そのため、異常な挙動をしたプラスチック18の多くは、中間回収部46に回収される。その結果、ゴム回収部52に回収される全体量に対するゴム20の割合が増し、ゴム20は高精度で選別されてゴム回収部52に回収される。
【0045】
これまで説明したように、本実施の形態に係る混合廃プラスチック選別装置10によれば、混合廃プラスチック22に含まれるプラスチック18とゴム20とをそれぞれ、プラスチック回収部40とゴム回収部52とに選別して回収することができる。また、混合廃プラスチック選別装置10では、ローラ16に衝突した後のプラスチック18及びゴム20の挙動は、供給される混合廃プラスチック22の影響をほとんど受けない。そのため、混合廃プラスチック選別装置10によって、従来よりも格段に高い精度でプラスチック18とゴム20とを選別することが可能になる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本実施の形態はこれに限定されない。
【0047】
例えば、傾斜台24aの傾斜面28上には、好ましくは図4に示すように、フレーク状の混合廃プラスチック22を同一方向に向けて安定的にローラ16へ供給するための整流板76が設けられる。整流板76は、例えば、その長さ方向が傾斜面28の傾斜方向に沿うように立てられた平板である。整流板76によって、上記のプラスチック18又はゴム20の異常な挙動を減らすことができ、選別の精度を向上させることが可能になる。
【0048】
また例えば、本実施の形態では、軸12は水平に設けられるとしたが、軸12は、水平に限られず、選別の精度を向上させられるように、適宜傾斜してもよい。また、供給端部32aは、軸12と平行に設けられるとしたが、選別の精度を向上させられるように、軸12と異なる方向に適宜傾斜してもよい。
【0049】
さらに例えば、ローラ16の表面26とプラスチックとの摩擦係数μ、及びゴムとの摩擦係数μは、その差μ−μが、好ましくはステンレスと表面26との摩擦係数μ,μの差μ−μよりも大きく(図12参照)、さらに好ましくは0.3以上であればよい。これによって、選別の精度を向上させることができる。実施の形態1で挙げた材料は、摩擦係数の差μ−μが、0.3以上の具体的な例である。
【0050】
さらに例えば、各回収部40,46,52に回収されたプラスチック18とゴム20との混合物のそれぞれを再度選別するように、ローラ16が多段に設けられてもよい。これによって、異常な挙動をするプラスチック18及びゴム20を正確に選別し、プラスチック18の再利用率を向上させることができる。
【0051】
ローラ16を多段に設けることは例えば、プラスチック回収部40に回収された全体の全体量に対するプラスチック18の量の割合が目標値以下である場合に有効である。ここでの量とは、重量、容積等であって、適宜選択されてよい。
【0052】
また、再度の選別は例えば、ローラ16に弾かれて、中間回収部46に回収されるプラスチック18が多い場合にも有効である。この場合、中間回収部46に回収された混合廃プラスチックを再度選別してもよいし、これとプラスチック回収部40に回収されたものとを合わせて再度選別してもよい。これによって、プラスチックの再利用率を向上させることが可能になる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1に係る混合廃プラスチック選別装置10と同様の構成を備える装置において、傾斜台24aの供給端部32aの位置、隔壁48の隔壁先端部64の位置及びローラ16の材料を適宜選択することによって、選別の精度をより向上させることができる。本実施の形態では、これらの望ましい態様について説明する。
【0054】
(傾斜台24aの供給端部32aの位置)
供給端部32aは、実施の形態1で説明したように、上下方向には軸12からローラ16の上端までに、水平方向には軸12からローラ16の後端までに配置される。供給端部32aを適切に配置することによって、選別の精度を向上させることができる。その理由について、図5を参照して説明する。
【0055】
図5は、傾斜台24b,24cの供給端部32b,32cを、上述の範囲内で下方かつ後方に配置した場合と、上方かつ前方に配置した場合とのプラスチック18及びゴム20の挙動を模式的に示す図である。
【0056】
傾斜台24bの供給端部32bが、下方かつ後方に、すなわち、上下方向にはローラ16の軸12に近く、左右方向にはローラ16の後端の近くに配置される場合、プラスチック18は、矢印78の方向へ落下する。しかし、ゴム20に作用する摩擦力の方向は、鉛直上方成分が大きくなり、その水平後方成分は小さくなる。そのため、ローラ16に衝突したゴム20は、鉛直上方に大きく弾かれ、水平前方へはあまり弾かれず、図5の矢印80の方向へ移動する。
【0057】
この場合、軸方向から見ると、図5の矢印30b,80で示すように、混合廃プラスチック22が傾斜台24bから供給される方向30bと、ローラ16に衝突したゴム20の移動方向80との角度差は小さくなる。そのため、傾斜台24bから供給される混合廃プラスチック22とローラ16に衝突した後のゴム20との衝突が増える。
【0058】
このように、供給端部32bを下方かつ後方に配置した場合、衝突した後のゴム20は、前方へあまり弾かれずに、又は供給される混合廃プラスチック22によって移動が阻害されて、プラスチック回収部40に落下するものが増える。その結果、プラスチック回収部40に回収されるゴム20が増加し、プラスチック18を選別する精度が悪化する。
【0059】
これに対して、傾斜台24cの供給端部32cが、上方かつ前方に、すなわち、上下方向にはローラ16の上端の近くに、左右方向にはローラ16の軸12の近くに配置される場合、図5の矢印82で示すように、ローラ16に衝突したゴム20は前方へ弾ける。しかし、プラスチック18は、ローラ16との摩擦力又は供給される混合廃プラスチック22との衝突によって、前方(矢印84の方向)へ移動するものが増える。そのため、ゴム回収部52に回収されるプラスチック18が増加し、プラスチック18とゴム20との選別の精度が悪くなる。
【0060】
これまで説明した2つの例から分かるように、選別の精度を向上させるためには、ローラ16の下方かつ後方及び上方かつ前方に傾斜台24b,24cの供給端部32b,32cを配置することは、好ましくなく、供給端部32aの適切な配置位置は、両者の中間にある。
【0061】
このような考え方に基づいて、高精度の選別が可能な供給端部32aの配置位置を、実験によって検証した。
【0062】
図6は、実験において傾斜台24aの供給端部32aを配置した位置を示す、軸方向から見た側面図である。図7及び図8はそれぞれ、図6に示す各配置位置に供給端部32aを配置した場合の、プラスチック18及びゴム20のゴム回収部52での回収率を測定した結果を示す図である。
【0063】
図6では、ローラ16の軸12を原点とし、上方向の距離H、後方向の距離Lをローラ16の半径Rで無次元化した値をそれぞれ縦軸、横軸とした座標系における供給端部32aの配置位置を示す。図6に示す四角のそれぞれが配置位置を示しており、例えば、配置位置86は、(L/R,H/R)=(0.95,0.85)に供給端部32aを配置することを示す。
【0064】
実験では、図6に示すように、上下方向には軸12からローラ16の上端までに、水平方向には軸12からローラ16の後端の近傍までに、供給端部32aを配置した。具体的には、供給端部32aの配置位置は、ローラ16が占める部分を除いた、0.55≦L/R≦1.05、0.45≦H/R≦0.95により表される領域に、L/R=0.1,H/R=0.1の間隔で設定された。そして、実験では、各配置位置に供給端部32aを配置した傾斜台24aから混合廃プラスチック22を供給した場合のゴム回収部52でのプラスチック18及びゴム20の回収率を測定した(図7及び図8参照)。
【0065】
ゴム回収部52でのプラスチック18の回収率(以下、プラスチック18の回収率ともいう。)は、混合廃プラスチック22に含まれるプラスチック18の重量に対する、ゴム回収部52に回収されるプラスチック18の重量の割合により測定した。また、ゴム回収部52でのゴム20の回収率(以下、ゴム20の回収率ともいう。)は、混合廃プラスチック22に含まれるゴム20の重量に対する、ゴム回収部52に回収されるゴム20の重量の割合により測定した。
【0066】
図7から分かるように、供給端部32aがローラ16の上方かつ前方に向かう程、ゴム20の回収率は大きくなる傾向にある。また、図8から分かるように、プラスチック18の回収率もゴム20の回収率と同様に、供給端部32aがローラ16の上方かつ前方に向かう程、大きくなる傾向にある。
【0067】
これは、供給端部32aがローラ16の上方かつ前方に向かう程、ローラ16との摩擦力によってプラスチック18及びゴム20は前方へ弾かれ、またローラ16に衝突したプラスチック18及びゴム20と供給される混合廃プラスチック22との衝突が少なくなり、下方かつ後方へ向かう程、これらは逆になるためと考えられる。
【0068】
図7及び図8に示す実験結果から、傾斜台24aの供給端部32aは、ローラ16の下方かつ後方及び上方かつ前方に近過ぎない、両者の中間に配置するのが好ましいことが確かめられた。また、高精度で選別が可能な供給端部32aの最適な位置は、ゴム20の回収率が大きく、かつ、プラスチック18の回収率が小さくなる位置であり、図7及び図8から、0.55≦H/R≦0.85,0.85≦L/R≦0.95を満たす位置であることが分かる。
【0069】
このような位置に傾斜台24aの供給端部32aを配置することによって、ローラ16に衝突した後のプラスチック18及びゴム20は、混合廃プラスチック22に妨害されることなく移動することができ、選別の精度を向上させることができる。
【0070】
(隔壁48の隔壁先端部64の位置)
隔壁48の隔壁先端部64は、実施の形態1で説明したように、衝突部分34で弾かれたプラスチック18及びゴム20の飛距離の境界近傍に設けられる。隔壁48の隔壁先端部64を適切に配置することによって、ゴム回収部52に回収されるプラスチック18が減少し、ゴム20の選別の精度を向上させることができる。高精度の選別が可能な隔壁先端部64の配置位置を、実験によって検証した。
【0071】
図9は、実験において隔壁48の隔壁先端部64を配置した位置を示す、軸方向の断面図である。図10及び図11はそれぞれ、図9に示す各配置位置に隔壁先端部64を配置した場合の、プラスチック18及びゴム20のゴム回収部52での回収率を測定した結果を示す図である。
【0072】
図9は、図6とは横軸の方向が異なる座標系であり、ローラ16の軸12を原点、上方向の距離H、前方向の距離Lをローラ16の半径Rで無次元化した値をそれぞれ縦軸、横軸とした座標系における隔壁先端部64の配置位置を示す。図9に示す四角のそれぞれが隔壁先端部64の配置位置を示しており、例えば、配置位置88は、(L/R,H/R)=(0.85,0.95)に隔壁先端部64を配置することを示す。
【0073】
実験では、図9に示すように、上下方向には軸12からローラ16の上端の近傍までに、水平方向には軸12からローラ16の前端までに、隔壁先端部64を配置した。具体的には、隔壁先端部64の配置位置は、ローラ16が占める部分を除いた、0.35≦L/R≦0.85、0.65≦H/R≦1.05により表される領域に、L/R=0.1,H/R=0.1の間隔で設定された。そして、実験では、各配置位置に隔壁先端部64を配置した場合のゴム回収部52でのプラスチック18及びゴム20の回収率を測定した(図10及び図11参照)。
【0074】
プラスチック18及びゴム20の回収率はそれぞれ、図7及び図8を参照して説明したものと同様であり、混合廃プラスチック22に含まれるプラスチック18及びゴム20の重量に対する、ゴム回収部52に回収されるプラスチック18及びゴム20の重量の割合である。
【0075】
高精度な選別が可能な隔壁先端部64の配置位置は、衝突部分34で弾かれたプラスチック18及びゴム20の飛距離の境界近傍であり、すなわち、ゴム20の回収率が大きく、かつ、プラスチック18の回収率が小さくなる位置である。そのような隔壁先端部64の位置は、図10及び図11から、0.75≦H/R≦0.85,0.65≦L/R≦0.75を満たす位置であることが分かる。
【0076】
このような位置に隔壁先端部64を配置することによって、ローラ16に衝突した後のプラスチック18が、ローラ16の前方へ弾けた場合であっても、そのようなプラスチック18の殆どが中間回収部46に回収されるため、ゴム20を精度よく選別してゴム回収部52に回収することができる。
【0077】
(ローラ16の材料)
ローラ16の材料には、実施の形態1で説明したように、金属、樹脂材料等が使用される。傾斜台24aから供給される混合廃プラスチック22が継続的に衝突しても著しい摩耗及び変形を生じにくいという観点からは、例えば金属が望ましい。
【0078】
また、ローラ16とプラスチック18との摩擦係数μが小さい程、ローラ16に衝突した後に弾かれることなく滑り落ちるプラスチック18の割合が増す一方で、ローラ16とゴム20との摩擦係数μが大きい程、ローラ16との摩擦力によって大きく弾かれるゴムの割合が増す。従って、プラスチック18及びゴム20のそれぞれとローラとの摩擦係数μ,μの差μ−μが大きい程、選別の精度が向上する。このような観点からは、ローラ16は、プラスチック18及びゴム20のそれぞれとの摩擦係数μ,μの差μ−μが大きい材料、例えば樹脂材料が望ましい。
【0079】
本実施の形態のローラ16は、図6に示すように、金属材料からなる円柱部材90と、円柱部材90を覆ってローラ16の表面26を形成する表面部材92とを有する。表面部材92は、プラスチック18及びゴム20のそれぞれとの摩擦係数μ,μの差μ−μが大きい材料からなり、円柱部材90の曲面のうち、混合廃プラスチック22が衝突する衝突部分34を少なくとも覆う。表面部材92は、円柱部材90に例えば積層し、又はコーティングすることによって設けられる。
【0080】
ここで、図12は、ローラ16の表面部材92に適用できる材料の例について、プラスチック18及びゴム20のそれぞれとの摩擦係数μ,μの差μ−μを示す図である。図12の縦軸は、プラスチック18及びゴム20のそれぞれと表面部材92との摩擦係数μ,μの差μ−μを示し、横軸は表面部材92に適用できる材料の種類を示す。
【0081】
図12から分かるように、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ナイロン11、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレン(PE)、及びポリカーボネート(PC)のそれぞれと表面部材92との摩擦係数μ,μの差μ−μの方が、ステンレスと表面部材92との摩擦係数μ,μの差μ−μよりも大きい。
【0082】
そのため、PPS、ナイロン11、POM、ABS、PE、及びPCのいずれかを表面部材92の材料とすることによって、ステンレスを表面部材92の材料とする場合よりも、ローラ16に衝突した後のプラスチック18及びゴム20のそれぞれの挙動に大きな違いが生じ、選別の精度を向上させることが可能になる。
【0083】
なお、ここで列挙した表面部材92に適用できる材料は、その具体例に過ぎず、表面部材92との摩擦係数μ,μの差μ−μが、ステンレスと表面部材92との摩擦係数μ,μの差μ−μよりも大きければよく、好ましくは0.3以上であればよい。これによって、上述のように選別の精度を向上させることができる。このような材料として、図12に示す材料以外に、例えば、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン612等を挙げることができる。また、表面部材92の材料は、列挙した材料のいずれかを混ぜ合わせたものであってもよく、また、表面部材92又はローラ16の材料には、選別の精度の向上、表面部材92の長寿命化等のために、上記の列挙した材料又はその他の材料の1つ又は複数を組み合わせたものを主成分として、適宜バインダ、調整剤等が添加されたものが利用されてもよい。
【0084】
このように、ローラ16が金属製の円柱部材90と、PPS等の樹脂製の表面部材92とを有することによって、ローラ16の摩耗及び変形を低減させるとともに、選別の精度を向上させることが可能になる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、各実施の形態に限定されるものではなく、例えば矛盾しない範囲で各実施の形態の要素が組み合わされた形態も含む。
【符号の説明】
【0086】
10 混合廃プラスチック選別装置、12 軸、14 回転方向、16 ローラ、18 プラスチック、20 ゴム、22 混合廃プラスチック、24a,24b,24c 傾斜台、26 表面、28 傾斜面、32a,32b,32c 供給端部、34 衝突部分、38 鉛直面、40 プラスチック回収部、44 プラスチック回収口、46 中間回収部、48 隔壁、50 中間回収口、52 ゴム回収部、56 ゴム回収口、64 隔壁先端部、66 飛散防止部、76 整流板、90 円柱部材、92 表面部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕処理された混合廃プラスチックをプラスチックとゴムとに選別する混合廃プラスチック選別装置であって、
プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数が異なる表面を有し、軸を中心に回転するローラと、
前記混合廃プラスチックを前記表面に斜め上方から供給する傾斜台と、
前記ローラの軸を含む鉛直面よりも傾斜台側に設けられたプラスチック回収部と、
前記鉛直面を介して前記傾斜台の反対側に設けられたゴム回収部とを備える
ことを特徴とする混合廃プラスチック選別装置。
【請求項2】
前記傾斜台は、前記表面のうち上方向への移動成分を有する部分に前記混合廃プラスチックを供給し、
前記プラスチック回収部は、前記ローラの前記混合廃プラスチックが衝突する衝突部分の下方に設けられたプラスチック回収口を有し、
前記ゴム回収部は、前記衝突部分から前記ローラの回転方向に向かう放物線方向に設けられたゴム回収口を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項3】
前記ローラの軸は、水平である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項4】
前記傾斜台は、前記ローラの近くに配置される供給端部を有し、
前記供給端部は、上下方向には前記ローラの軸から前記ローラの上端の間の位置に、水平方向には前記ローラの軸から前記ローラの後端の間の位置に配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項5】
前記供給端部は、前記鉛直面において、前記ローラの軸と前記供給端部との上下方向の距離をH1、前記ローラの軸と前記供給端部との水平方向の距離をL1、前記ローラの半径をRとした場合に、
0.55≦H1/R≦0.85,0.85≦L1/R≦0.95を満たす位置に配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項6】
前記プラスチック回収部と前記ゴム回収部との間に設けられた中間回収部と、
前記表面で弾かれたプラスチック及びゴムの飛距離の境界近傍に設けられた隔壁先端部を有し、前記中間回収部と前記ゴム回収部とを仕切る隔壁とを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項7】
前記隔壁先端部は、前記鉛直面において、前記ローラの軸と前記隔壁先端部との上下方向の距離をH2、前記ローラの軸と前記隔壁先端部と水平方向の距離をL2、前記ローラの半径をRとした場合、
0.75≦H2/R≦0.85,0.65≦L2/R≦0.75を満たす位置に配置される
ことを特徴とする請求項6に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項8】
前記ローラの材料は、プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数の差が0.3以上の材料である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項9】
前記ローラの材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン612、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレン(PE)、及びポリカーボネート(PC)のいずれか1つ又は複数を組合せたものである
ことを特徴とする請求項8に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項10】
前記ローラは、金属製の円柱部材と、当該円柱部材の曲面を覆う表面部材とを有し、
当該表面部材の材料は、プラスチック及びゴムのそれぞれとの摩擦係数の差が0.3以上の材料である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項11】
前記ローラは、金属製の円柱部材と、当該円柱部材の曲面を覆う表面部材とを有し、
当該表面部材の材料は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T、ナイロン612、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリエチレン(PE)、及びポリカーボネート(PC)のいずれか1つ又は複数を組合せたものを主成分として含み、さらに、バインダ、調整剤、又はバインダと調整剤を含む
ことを特徴とする請求項10に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項12】
前記ゴム回収部の上方を覆う飛散防止部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。
【請求項13】
前記傾斜台の傾斜面上に、当該傾斜面の傾斜方向に沿って立設する整流板を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の混合廃プラスチック選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−177648(P2011−177648A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44058(P2010−44058)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】