説明

混合炭化水素原料から直鎖状ブテンを単離する方法

混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、入口及び出口を有する極性物質スクラバと、入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、水素添加反応器の入口が極性物質スクラバの出口に接続される水素添加反応器と、入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、第1オリゴマー化反応器の入口が水素添加反応器の出口に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と、入口及び出口を有する分離手段であって、分離手段の入口がオリゴマー化反応器の出口に接続される分離手段とを備える装置、及びこの装置を用いて混合原料から直鎖状ブテンを回収する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は炭化水素原料からイソブテンを除去する方法と装置に関し、より詳しくは直鎖状ブテン、特に1-ブテン、及びC8オレフィン、及び高級オリゴマーの製造/回収に関する。
【背景技術】
【0002】
スチームクラッカーや流動接触分解装置等の、精製または化学プラント分解C4ストリームから高純度1-ブテンを回収する場合、1-ブテンを原料中の他の全成分から高収量及び高効率で分離する必要がある。大部分の成分は分留により除去することができる。直鎖状ブテンを回収する際の問題点のひとつは、イソブテンの沸点が目的物質の1-ブテンの沸点に非常に近いことである。このため、イソブテンを分留により除去することは非常に困難である。この点に鑑み、1-ブテンを含む原料からイソブテンを除去するための一般的方法として、イソブテンをメチル-t-ブチルエーテル(MTBE)に変換する方法が用いられている。しかし、MTBEをガソリンの添加剤として用いることは、規制によりこのような製造方法は無くなると考えられるため、一般的になくなってきている。したがって、直鎖状ブテンを回収するための別の方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
US 3,531,539, US 5,134,241, US 6,518,473, US 7,183,450, US 7,196,238, US 2002/0103406, US 2004/0030212, 及びUS 2007/0213576に開示されているように、特定の触媒を用いてオレフィンを二量化、オリゴマー化、またはそれ以外に変換することは公知である。US 4,777,316, US 4,956,514, US 6,111,159, 及びUS 2007/0185359に、別のオレフィン変換プロセスが開示されている。今求められているのは、直鎖状ブテンとイソブテンとを含む炭化水素原料から、直鎖状ブテンを分離し、精製することが可能な、工業的に有用な方法である。他の目的に使用及び/又は設計された既存設備を利用可能な装置は、特に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明は、混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、入口及び出口を有する極性物質スクラバと;
入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒はガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;
入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える装置に関する。
ひとつの実施形態では、この装置はMTBE製造設備から転用され、MTBE製造触媒をオリゴマー化触媒に入れ替えることにより、少なくともMTBE反応器がオリゴマー化反応器に転用されている。
【0005】
また、本願発明は、混合原料から直鎖状ブテンを回収する方法であって、直鎖状ブテン及びイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と;
前記第1混合原料を第1オリゴマー化反応器中でオリゴマー化触媒と接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オリゴマーを含み、前記第1混合原料と比較してイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;
前記第2混合原料を分離して第1精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる工程とを含む方法に関する。
ひとつの実施形態では、前記接触工程を105℃未満の温度において行う。
【0006】
本願に開示した様々な記述要素及び数値範囲を別の記述要素及び数値範囲と組み合わせて、この発明の好ましい実施形態を表すことができる。また、ある要素の数値範囲の上限値と、その要素の数値範囲の下限値とを組み合わせて好ましい実施形態を表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態に係る炭化水素ストリームから直鎖状ブテンを回収するための装置を模式的に表す図である。この装置における工程のひとつは、イソブテンを選択的にオリゴマー化し、未反応炭化水素及び反応生成物からオリゴマー化したイソブテンを分離することである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明は混合炭化水素原料から直鎖状ブテンを回収する方法及び装置に関し、混合炭化水素原料中のイソブテンを、オリゴマー化触媒を用いて選択的にオクテン及び高級オレフィンにオリゴマー化することを特徴とする。特定の実施形態は、分岐したC8オレフィンを回収(及び/又は製造)する方法に関する。「回収する」という用語は、回収された化学種は混合物の一成分であることを意味し、「製造する」という用語は回収された化学種が混合物中の1以上の成分から生成することを意味する。この発明のいくつかの実施形態では、オリゴマー化触媒はMWW型ゼオライト及びその混合物から成る群から選択される。「直鎖状ブテン」という用語には、1-ブテン及び2-ブテンが含まれる。「オクテン」(または「C8オレフィン」)という用語には炭素数が8のオレフィンの全異性体が含まれ、その非限定的例示として2,4,4-トリメチル-l-ペンテン, 2,4,4-トリメチル-2-ペンテン, 2,3,4-トリメチル-2-ペンテン, 2,3-ジメチル-2-ヘキセン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0009】
「混合炭化水素原料」(又は「混合原料」)という用語は、いわゆるラフィネート(例えばラフィネート-1及び/又はラフィネート-2)を意味し、ある実施形態では混合原料(100 wt%)の重量に対し5から40又は50又は60wt%のイソブテン、5から40又は50wt%の1ブテン、5から30又は40又は50wt%のn-ブテン、5から30又は40又は50wt%のcis-及びtrans-2-ブテン、及び1から10又は20wt%のイソブタンから成る。混合原料には少量(0.01から5 wt%)の極性分子、又は極性部位を有する分子が含まれていてもよい。
【0010】
ひとつの実施形態は、混合原料から直鎖状ブテン(または分岐C8オレフィン)を回収する方法であって、少なくとも直鎖状ブテン及びイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と、次いで第1混合原料とオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オリゴマーを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程とを含む方法に関する。第2混合原料を、例えば分留手段等の分離手段による分離プロセスで処理することにより、精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させることができる。
【0011】
ある実施形態では、第1混合原料は、第1混合原料の重量に対しイソブテンを5又は10又は20wt%から40又は50又は60wt%含有する。
【0012】
ある実施形態では、第1混合原料にはさらに1,3-ブタジエン等のジオレフィンが含まれている。このような実施形態では、直鎖状ブテンを回収する方法にはさらに、第1混合原料を水素化して、水素化されたジオレフィン、直鎖状ブテン、及びイソブテンを含む水素化混合原料を生成させる工程が含まれる。次に、水素化混合原料とオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、高級オリゴマー、及び水素化されたジオレフィンを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる。第2混合原料を、例えば分留手段等の分離プロセスで処理することにより、精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させることができる。
【0013】
ある実施形態では、精製直鎖状ブテンをさらに分離して精製1-ブテンストリームを生成させる。この分離工程は、例えば公知のように1以上の分留により行なうことができ、あるいは液体/気体炭化水素を各成分に分離するために適した別の方法により行なうことができる。ある実施形態では、第2混合原料を分離工程の前、及び/又は更なる(第2)分離工程の前に、50から200℃の範囲内まで加熱する。
【0014】
ある実施形態では、逐次的接触工程を行わない。より詳しくは、ある実施形態では、本願の直鎖状ブテン回収方法では、反応物(例えば第1混合原料)が1の反応器を通過した後、次の反応器に入るような逐次的オリゴマー化反応器の配列を採用しない。しかし、ある実施形態では、装置には直鎖状ブテンの回収に用いられる2以上のオリゴマー化反応器が備えられている。これらの2以上の反応器は並列で用いられる反応器であり、反応物を反応器に供給する前に分割して各反応器に並列に導入するようにして用いるか、又は反応物を1の反応器のみに供給し、他の流体流通可能に接続された(しかし遮断された)1以上の反応器は、第1反応器中のオリゴマー化触媒を再生するか、又は入れ替えるときに用いる。すなわち、ひとつの実施形態は、オリゴマー化触媒を保有する第2(又は第3等)オリゴマー化反応器であって、水素化反応器及び分留等の分離手段に流体流通可能に接続され、第1オリゴマー化反応器と並列であるが、最初に使用されるまでこれらから液遮断された第2(又は第3等)オリゴマー化反応器に関する。
【0015】
ある実施形態では、第1混合原料を、極性物質スクラバ処理してから水素化する。「極性物質スクラバ処理」とは、極性分子又は極性部位を含む分子を除去するプロセスにより第1混合原料を処理することを意味し、極性部位を含む分子とは、例えばアルコール, カルボキシレート, メルカプタン等、又はヘテロ原子(O, N, S等)を含む分子、その他触媒毒として作用する化学種等である。いくつかの実施形態では、極性物質スクラバ処理において、水/混合原料接触手段中で第1混合原料と水とを接触させ、次に第1混合原料を乾燥手段に接触させる。別の実施形態では、水/混合原料接触手段中で、第1混合原料を、水とアルコールまたはエーテル等の、他の極性溶媒との混合物と接触させる。第1混合原料を極性物質スクラバ処理する実施形態では、スクラバ処理された混合原料をさらに乾燥工程で処理して、混合原料中に存在する水または水/溶媒を除去する。ひとつの実施形態では、スクラバ処理した混合原料を、固形乾燥剤を保有する乾燥手段に通す。ある実施形態では、乾燥剤はグループ1-2メタル、グループ1-2サルフェート、グループ1-2ヒドリド、五酸化二リン、アルミナ、アルミナ−シリカ、シリカ、活性炭、モレキュラーシーブ、及びこれらの混合物から成る群から選択される。乾燥手段は、水/混合原料接触手段から物理的に取り除かれてもよく、又は互いに隣接して設けられてもよい。
【0016】
ある実施形態では、極性物質スクラバ処理工程の後に脱水素工程を行わない。別の実施形態では、本願の直鎖状ブテン回収方法には、脱水素工程が含まれていない。「脱水素」とは、炭化水素から1以上の水素原子を除去してモノ−オレフィン、ジ−オレフィン等を生成させることを意味する。
【0017】
オリゴマー化反応器は、様々な温度、圧力、及び空間速度条件下において運転することができる。オリゴマー化反応器中の反応物の温度(または「接触温度」)は、ウォータージャケット等の公知の方法で維持することができる。圧力は、ポンプ等の公知の方法により維持することができる。ある実施形態では、第1混合原料を、オリゴマー化触媒を保有するオリゴマー化反応器に供給する前に加熱又は冷却する。ひとつの実施形態では、オリゴマー化反応器中で接触させる前の第1混合原料(又は水素化された混合原料)の温度は、40又は50又は60℃から、95又は110又は120又は130又は150℃までの範囲内である。ある実施形態では、第1オリゴマー化反応器における接触温度は、第1流出液中のイソブテンの濃度が第2混合原料の重量に対し0.2wt%未満になる温度に保たれる。特定の実施形態では、接触温度は40又は50℃から、95又は100又は105又は110又は120又は150又は200又は250℃までの範囲内である。さらに特定の実施形態では、接触温度は105又は100又は95℃未満である。「オリゴマー化反応器温度」と言うときは、反応器内の接触物の温度、あるいは「接触温度」を意味する。
【0018】
ある実施形態では、第1オリゴマー化反応器(または並列の他のオリゴマー化反応器)を、所定の温度の第1混合原料の全成分が液体になる最小の圧力において運転する。特定の実施形態では、圧力は1.0又は1.1又は1.2Mpaから、2又は3又は5又は10又は20又は40MPaまでの範囲内である。
【0019】
ある実施形態では、第1オリゴマー化反応器(または並列の他のオリゴマー化反応器)を、第1流出液のイソブテンの濃度が、第2混合原料の重量に対し0.20wt%未満になる空間速度において運転する。特定の実施形態では、空間速度は2.0又は2.5又は3.0から、5.0又は6.5又は7.0又は9.0又は10.0又は11.0又は12.0供給量ml/触媒ml/時までの範囲内である。別の実施形態では、空間速度は15又は13又は12又は10供給量ml/触媒ml/時未満である。
【0020】
オリゴマー化触媒の活性は徐々に低下する。従って、ある実施形態では、第1オリゴマー化反応器の接触温度(反応器の中の反応物の温度)を、接触時間100時間 (又は150時間又は200 時間又は400時間)について1又は2℃から8又は10℃の範囲内の昇温速度で、接触工程の所定の下限温度から所定の上限温度まで昇温する。ある実施形態では、「所定の下限温度」は40から60℃の範囲である。ある実施形態では、「所定の上限温度」は80から120℃の範囲である。この所定の上限温度に達したときオリゴマー化触媒を、例えば触媒に水素を接触させること等により再生処理するか、又は新しい触媒と入れ替える。ある実施形態では、水素ガスを、オリゴマー化触媒に接触するようにして、連続的にオリゴマー化反応器に供給する(触媒と第1混合原料又は水素化された第1混合原料との同時接触の間供給する)。ひとつの実施形態では、この追加の接触工程では、水素とブタジエンの(モル)比が1又は5から30又は50の範囲となる水素を用いる。
【0021】
ある実施形態では、オリゴマー化触媒は、MWW型ゼオライト及びその混合物から成る群から選択される。本願に言う「MWW型ゼオライト」(又は「MWW型ゼオライト物質」又は「MWW型ゼオライトのモレキュラーシーブ」)には、下記が含まれる。
(i) 共通の一次結晶性構築単位「MWW構造のトポロジーをもつ単位格子」から構成されたモレキュラーシーブ。単位格子は、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES (Ch. Baerlocher, I..B. McCusker & D.H. Olhon 6th ed., 2007)(この全内容を引用として本願組み入れる)に記載されているように、原子の立体的配列であり、三次元空間に置かれたとき結晶構造を形成する。
(ii) 共通の二次構成単位で構成されるモレキュラーシーブであって、MWW骨格トポロジーの単位格子を二次元に置いたとき「単位格子1つ分の厚みの単層」となり、好ましくは厚みがc-単位格子1つ分であるモレキュラーシーブ。
(iii) 共通の二次構成単位「1以上の単位格子厚みの層」で構成されるモレキュラーシーブであって、1を超える単位格子厚みの層が、MWW骨格トポロジーの単層が少なくとも2層積み重なるか、充填されるか、結合されて構成されているモレキュラーシーブ。このような二次構成単位の積み重なりは、規則的であっても、不規則であっても、ランダムであっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
(iv) MWW骨格トポロジーを有する単位格子が、規則的またはランダムに、二次元的または三次元的に組み合わされて構成されたモレキュラーシーブ。
【0022】
MWW型物質は、格子面間隔(d-spacing)の最大が12.4±0.25, 3.57±0.07、および3.42±0.07Å(焼成された状態、あるいは合成後未精製の状態で測定)にあるX線回折パターンを有することで特徴付けられる。MCM-22型物質はまた、格子面間隔の最大が12.4±0.25, 6.9±0.15、3.57±0.07Å、および3.42±0.07Å(焼成された状態、あるいは未精製の状態で測定)にあるX線回折パターンを有することで特徴付けられる。モレキュラーシーブの分析に用いられるX線回折のデータは、銅のK-アルファ二重線を入射放射線として用いる標準的方法により、シンチレーションカウンターとコンピュータを備えるX線回折装置を用いて得ることができる。
MWW型物質に属する物質には、MCM-22(米国特許第4954325号に開示されている)、PSH-3(米国特許第4439409号に開示されている)、SSZ-25(米国特許第4826667号に開示されている)、ERB-1(欧州特許第0293032号に開示されている)、ITQ-1(米国特許第6077498号に開示されている)、ITQ-2(WO97/17290に開示されている)、ITQ-30(WO2005/118476に開示されている)、MCM-36(米国特許第5250277号に開示されている)、MCM-49(米国特許第5236575号に開示されている)、UZM-8 (米国特許第6,756,030号に開示されている)、MCM-56(米国特許第5362697号に開示されている)が含まれる。これらの特許文献を本願に参照として組み込む。
特定の実施形態では、オリゴマー化触媒は実質的にMCM-22から成り(すなわちフィラー又はバインダーが含まれていてもよい)、あるいはMCM-22を含有する。別の特定の実施形態では、オリゴマー化触媒は実質的にMCM- 49から成り(すなわちフィラー又はバインダーが含まれていてもよい)、あるいはMCM- 49を含有する。
【0023】
従来のモルデナイトなどの大孔径ゼオライトのアルキル化触媒との比較において、上記のMCM-22型のモレキュラーシーブは、12員環の表面ポケットを有し、この表面ポケットがモレキュラーシーブの内部にある10員環の内部孔と連通しない点で区別される。
【0024】
IZA-SCによりMWWトポロジーに分類されるゼオライト物質は、10員環と12員環の2つの孔システムを有する多層の物質である。ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPESでは、この同一のトポロジーを有する物質を、MCM-22、ERB-1、ITQ-1、PSH-3、およびSSZ-25の5つの異なる名称に分類している。
【0025】
当業者であれば、MWW型物質には、無定形物質、非MWW骨格トポロジー(例えばMFI, MTW)を有する単位格子、及び/又はその他の不純物(例えば重金属及び/又は有機炭化水素)等の不純物が含有されていることを理解できよう。本願のMWW型モレキュラーシーブと共存する非MWW型モレキュラーシーブの典型例は、ケニヤイト、EU-1、ZSM-50、ZSM-12、ZSM-48、ZSM-5、フェリエライト、モルデナイト、ソーダラート、及び/又はアナルシン(Analcine)である。本願のMWW型モレキュラーシーブと共存する非MWW型モレキュラーシーブの別の例は、EUO, MTW, FER, MOR, SOD, ANA, 及び/又はMFI型骨格を有するモレキュラーシーブである。本願のMWW型物質は、実質的に非MWW型物質を含有しないことが好ましい。「実質的に非MWW型物質を含有しない」とは、本願のMWW型物質の非MWW型物質の含有量が、不純物と純粋なMWW型物質との総重量を基準として50wt%未満、好ましくは20であることを意味する。
【0026】
MWW型ゼオライトは、第1混合原料(または水素化された第1混合原料及び/又はスクラブ処理された第1混合原料)と接触させる「オリゴマー化触媒」、又はその一部として、任意の物理的形状を取りうる。MWW型ゼオライトは、様々な粒径に成形することができる。ある実施形態では、粒子を2メッシュ(タイラー)のスクリーンを通過し400メッシュ(タイラー)のスクリーン(目開き0.037mm)を通過しない粉末、顆粒、又は押出物等の成形品にすることができる。押出等により触媒を成形する場合、触媒を乾燥する前に押出加工するか、又は一部乾燥してから押出加工する。ある実施形態では、オリゴマー化触媒は、MWW型ゼオライトと、触媒とバインダーの重量を基準として0又は0.1又は5又は10又は20wt%から40又は50又は60又は80wt%までのバインダーとから成る。任意の公知のバインダーを用いることができ、例えば天然または合成クレイ、より詳しくはシリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、又はシリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア、及びシリカ-マグネシア-ジルコニア等の三元組成物を用いることができる。また、結合触媒成分の押出加工を容易にするために、上記のマトリックス材料の少なくとも一部をコロイド状にすることが好ましい。ひとつの実施形態では、オリゴマー化触媒は、直径が0.2又は0.5から、3又は5又は8 mmの押出物の形状である。ある実施形態では、オリゴマー化触媒の嵩密度は、下限値が0.400又は0.410又は0.415で、上限値が0.490又は0.500又は0.510 g/cm3の範囲である。
【0027】
ある実施形態では、オリゴマー化触媒を混合原料に接触させる工程において、連続運転中の運転時間少なくとも500時間毎に、水素を少なくとも1時間接触させる。ひとつの実施形態では、このような追加の接触工程では、水素-ブタジエンのモル比が1又は5から30又は50の範囲となる量の水素を用いる。
【0028】
最適な転化率と経済性を維持するために、オリゴマー化触媒を随時交換することができる。ある実施形態では、オリゴマー化触媒の交換を1週間に1回以下の頻度で行い、別の実施形態では1月に1回未満の頻度で行い、また別の実施形態では2月に1回未満の頻度で行い、また別の実施形態では5ヶ月に1回未満の頻度で行う。
【0029】
追加の水素化工程の説明に戻って、ある実施形態では、水素化工程において、第1混合原料と水素化触媒とを、温度が10又は20℃から120又は150℃の範囲に保たれた水素化反応器中で接触させる。水素化触媒が存在する場合、ある実施形態では、水素化触媒は第8族から第11族金属及びこれらの混合物から選択される金属から成る。別の実施形態では、水素化触媒は第9族から第10族金属及びこれらの混合物から選択される金属から成る。水素を任意の適切な手段により水素化反応器へ供給し、ある実施形態では、水素-ブタジエンのモル比が0.2又は0.5又は1から5又は8又は10となる量の水素を供給する。ある実施形態では、水素化触媒を再生するために、天然(または再生)ガスストリームを水素化触媒に接触させる。
【0030】
目的物質の直鎖状ブテン、特に1-ブテンを、第1流出液から所望の高濃度で分離することができる。ひとつの実施形態では、第1精製1-ブテン流出液(「第1流出液」)には、第1流出液の重量に対し0.40又は0.30又は0.20又は0.10 wt%未満のイソブテンが含有されている。別の実施形態では、第2混合原料には、第2混合原料の重量に対し0.40又は0.30又は0.20又は0.10 wt%未満のイソブテンが含有されている。
【0031】
別の実施形態は、混合炭化水素原料から直鎖状ブテンを回収する装置に関する。この装置は本願に様々な実施形態を開示した方法に適合する。この装置は、新たな装置として作られるか、又はMTBE-製造装置を本願に開示する装置に転用する等、別のタイプの装置を転用して作られる。すなわち、ある実施形態では、第1混合原料を供給する前に、イソブテンをエーテル化合物に転換するためのエーテル転換触媒を保有する反応器を、少なくともエーテル転換触媒をオリゴマー化触媒に入れ替えることにより、少なくとも第1オリゴマー化反応器に変換する。別言すると、特定の実施形態ではオリゴマー化反応器は、イソブテンをメチル-t-ブチルエーテル("MTBE")に転換する反応器の転用品である。「転用」とは、反応器の基本構造は維持されるが、反応器内部が本願の目的のためのオリゴマー化触媒の使用に適合されていることを意味する。
【0032】
より特定の実施形態は、混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、
入口及び出口を有する少なくとも1の極性物質スクラバと;
入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;
入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える装置に関する。
別の実施形態では、装置の各部には、複数の入口及び出口が設けられる。ある実施形態では、「流体接続」とは、ある部分の出口と、別の部分の入口との間をつなぐ導管(又は気体及び/又は液体の移送に適したその他の手段)を意味する。この発明の装置は新たに作られるか、一部が新たに作られるか、又は全て既存の反応器及び流体接続に基づいて作られる。
【0033】
ある実施形態では、水素化反応器はさらに、水素化触媒の再生を可能にするための天然ガス導入口(及び反応ガスの排出口)を備える。
【0034】
ある実施形態では水素化工程は不要であり、従って装置は極性物質スクラバからオリゴマー化反応器への並行バイパス流体接続部を備えており、これによりスクラブ処理された混合原料を直接オリゴマー化反応器に導入することが可能である。いずれの場合でも、ある実施形態では、極性物質スクラバは洗浄手段及び乾燥手段を備え、乾燥手段は乾燥剤を保有する。操業中、極性物質スクラブ装置には、ジオレフィン、直鎖状ブテン、及び任意にイソブテンから成る混合原料も保有される。
【0035】
少なくとも1のオリゴマー化反応器が備えられ、各反応器は互いに独立に運転される。オリゴマー化反応器は任意の形態にすることができ、好ましくはオリゴマー化触媒とスクラブ処理された混合原料の接触が最適になる形態にする。ある実施形態では、第1オリゴマー化反応器(または別のオリゴマー化反応器)は、熱伝達手段を備えた複数の管から成る管型反応器である。通常、複数の管は互いに平行であり、これらの管の周囲に(所定温度の)水等の流体を連続的に供給することにより、熱伝達することができる。これらの管は、その内部の触媒及び反応物を上記の所定温度に保つことができる温度に保たれる。いずれの場合でも、ある実施形態では、オリゴマー化触媒はオリゴマー化反応器中において流動床となる様にして備えられるか、または、別の実施形態では、ガス/流体が流通可能な多孔質固体として備えられる。装置を運転している間、オリゴマー化反応器には、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オレフィンも保有されている。
【0036】
上記のように、1以上のオリゴマー化反応器は並列または直列、好ましくは並列に設けられる。第2、第3又はそれ以上のオリゴマー化反応器を第1オリゴマー化反応器と同時、または交互に用いることができる。いくつかの実施形態では、オリゴマー化触媒を備え、水素化反応器(または水素化反応器をバイパスして極性物質スクラバからオリゴマー化反応器に至る)と、分留(分離)装置とに流体流通可能な第2オリゴマー化反応器が、第1オリゴマー化反応器に対し並列に設けられているが、最初に用いられるときまではこれらから液遮断されている。これにより、装置を停止することなく新鮮なオリゴマー化触媒を提供することができる。
【0037】
ある実施形態では、オリゴマー化触媒をその場で再生可能にするために、オリゴマー化反応器にさらに水素ガス導入口を設ける。この水素ガスは、オリゴマー化反応中に連続的に供給するか、又はオリゴマー化反応器が第1混合原料から遮断されているときに供給する。
【0038】
オリゴマー化反応器への流体導入部及び流体導出部には、温度制御手段(加熱及び/又は冷却手段)を設ける。ひとつの実施形態では、水素化反応器とオリゴマー化反応器の間の流体接続部に冷却手段を設ける。別の実施形態では、オリゴマー化反応器と分離手段の間の流体接続部に加熱手段を設ける。
【0039】
本願の装置の特定の実施形態について、図1を参照しながら説明する。直鎖状ブテンを含有する第1混合原料103を、洗浄手段を備えた極性物質スクラバ105に供給する。洗浄手段により第1混合原料103と、水及び/又は極性溶媒とを接触させ、次に第1混合原料103を乾燥手段に流通させることにより、第1混合原料103を処理する。乾燥手段は、ひとつの実施形態では第1乾燥手段109及び/又は第2乾燥手段111である。次に、スクラブ処理した混合原料を、流体接続部を通して水素化反応器113へ送る。あるいは、水素化反応器113をバイパスし、スクラブ処理した混合原料を、流体接続部を通して第1オリゴマー化反応器115及び/又は第2オリゴマー化反応器117へ直接送る。
【0040】
次に、得られた第2混合原料を、流体接続部を通して分留装置等の第1分離手段119へ送る。第1分離手段119内で分離プロセスを行なった後、C8オレフィン及び高級オレフィンを含む第2流出液が得られる。第2流出液は123に貯留してもよいし、及び/又はガソリン混合物に高オクテン濃度を賦与する添加剤として直接用いてもよい。次に、第1精製直鎖状ブテン121を含む第1流出液を、流体接続部を通して第2分離手段125へ送り、精製1-ブテンストリーム127を単離するとともに、不活性炭化水素129を回収する。
【0041】
本願の反応物と生成物のフロースキームの例は、(1) 第1混合原料, (2) 任意のスクラブ処理混合原料, (3) 任意の水素化処理混合原料, (4) 第2混合原料, (5) 第1流出液 (直鎖状ブテンを含有) 及び (6) 第2流出液 (「ボトム」, C8オレフィン及び高級オレフィン含有) の順である。第1流出液をさらに、(7) 精製1-ブテンストリーム、及び(8) 2-ブテン (及びその他の「不活性炭化水素」) に分離することができる。「不活性炭化水素」とは、100℃未満ではオリゴマー化触媒と反応しない炭化水素を意味する。
【0042】
すなわち、特定の実施形態では、混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置は、
入口及び出口を有する極性物質スクラバと;
入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;
入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える。
ひとつの実施形態では、装置の極性物質スクラバの入口への炭化水素原料の供給は好ましくは連続的であり、炭化水素原料はスクラブ処理された後乾燥され、次に炭化水素原料はスクラバ(またはサブ乾燥装置)の出口から排出されて水素化反応器へ導入される。
ある実施形態では、水素化反応器は稼動していないが(例えば加熱されていない、及び/又は水素ガスに曝されていない)、原料が流通している。別の実施形態では、水素化反応器は、スクラバの出口からオリゴマー化反応器の入口まで設けられた流体接続部によりバイパスされる。いずれの場合でも、原料が水素化反応器の出口からオリゴマー化反応器の入口に導入される。
次にオリゴマー化反応器内で原料をオリゴマー化触媒に接触させ、反応生成物をオリゴマー化反応器の出口から分離手段の入口を通じて分離手段へ導入する。いずれの場合でも、各装置に複数の入口及び出口を設けることができる。
【0043】
ひとつの実施形態では、不活性炭化水素リサイクルフィード100が備えられ、また別の実施形態では、不活性炭化水素スタートアップフィード107が備えられる。これらのいずれか一方または両方を連続的に運転して不活性炭化水素を供給するか、または第1オリゴマー化反応器、第2オリゴマー化反応器等のいずれか又は全てに保有されている新しいオリゴマー化触媒のスタートアップ時だけ運転して不活性炭化水素を供給する。
【0044】
特定の実施形態は、混合原料から直鎖状ブテンを回収する方法であって、直鎖状ブテン、及び第1混合原料の重量に対し40wt%未満のイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と;第1混合原料とMWW型ゼオライトオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、オリゴマー化触媒、C8オレフィン、及び高級オレフィンを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程であって、接触を温度が40から105℃の範囲内、及び空間速度が8.0から2.0 原料ml/触媒ml/時の範囲内で行う工程と;第2混合原料を分離して第1精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる工程とが含まれる方法に関する。
【0045】
また別の実施形態は、混合原料から分岐C8オレフィンを回収及び/又は製造する方法であって、直鎖状ブテン及びイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と;第1混合原料とオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オリゴマーを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;第2混合原料を分離して、第1精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる工程であって、第2流出液中に、第2流出液の重量に対し30wt%より多くの2,4,4-トリメチル-1-ペンテンが含有されている工程とからなる方法に関する。
「分岐C8オレフィン」とは、炭素原子を8個有するオレフィンであって、少なくとも1の二級炭素(別の炭素原子が3個結合した炭素)を有し、任意に少なくとも1の三級炭素を有するオレフィンを意味する。
別の実施形態では、下記の場合、第2流出液中の2,4,4-トリメチル-1-ペンテンの2,4,4-トリメチル-2-ペンテンに対する比が12.0から3.0の範囲で減少する。
(i) 第1オリゴマー化反応器内での接触温度が50℃から105℃の範囲内で増加した場合、
(ii) 空間速度が12原料ml/触媒ml/時から2原料ml/触媒ml/時の範囲内で減少した場合、又は
(iii) (i) (ii)の両者。
水素化反応工程が存在していてもよく、オリゴマー化反応温度、空間速度、及びその他の運転条件を本願に開示するようにして変更することができる。「範囲内で」と言うときは、その実施形態において、例えば温度を61から93℃まで上昇させたとき、及び/又は、空間速度を11.2から5.7原料ml/触媒ml/時まで低下させたとき、又はその範囲内のその他の高い値と低い値の範囲内で変化させたとき、比率が高い値の8.1から低い値の4.2まで低下することを意味する。
【0046】
別の実施形態では、第2混合原料に、2,4,4-トリメチル-l-ペンテンが第2混合原料の重量に対し40wt%より多く含まれ、別の実施形態では第2混合原料の重量に対し2,4,4-トリメチル-l-ペンテンが30又は40又は50から70又は80又は90 wt%の範囲内で含まれる。上記のように、2,4,4-トリメチル-l-ペンテンの量は、オリゴマー化反応温度の低下及び/又は空間速度の増加により増加させることができる。
【0047】
ある実施形態では、本願の装置は、他の目的で用いられていた既存の装置から作られる。すなわち、ひとつの実施形態では、本願の装置に適合した新しい反応器を作らない。スチームクラッカーや流動接触分解装置等の、精製または化学プラント分解C4ストリームから高純度1-ブテンを回収する場合、1-ブテンを原料中の他の全成分から高収量及び高効率で分離する必要がある。大部分の成分は、分留により除去することができる。しかし、イソブテンを分留により除去することは非常に困難である。
1-ブテンを含む原料からイソブテンを除去するための一般的方法は、イソブテンをMTBEに変換する方法である。この方法は2段階で行うことができる。この方法では
・原料を限られた量のメタノールと混合し、樹脂触媒上で反応させて原料を最大約95%イソブテンに転換する。第1段階では、最大3基またはそれ以上の反応器を用いることができ、ある設計では、並列の管型反応器2基と、これに続く固定床反応器1基とが用いられる;
・C4原料からMTBE生成物を分離する;
・第2段階の単一固定床反応器中で、残留する未反応原料に大過剰のメタノールを添加して、総転化率を少なくとも99.5%にする:及び
・残留する未反応原料を分離して、1-ブテンをさらに精製する。
【0048】
本願の装置は、例えば高オクタンブレンド物または特殊化学品を製造するための既存のMTBE装置等の改造等、装置の最小の改善及び/又は変更により作られる。ひとつの実施形態では、本願の装置のために新たな反応器を作るか、又は準備することはない。
【0049】
MWW型ゼオライト触媒は、C4オレフィン等のオレフィンの二量化/オリゴマー化触媒に用いることができる。この触媒は、低温においてイソブテンをオクテン及びより高分子量のオリゴマーに転換する点で有利であり、1-ブテン原料からオクテン及びより高分子量のオリゴマーを容易に分留することを可能にする。要求されるイソブテンの転化率を、たった1基の反応器内で、その容器の設計(MTBE製造等の他の目的のための設計)範囲内の温度及び圧力において達成することができる。これにより、第2管型反応器を予備反応器として用いることが可能になり、使用していた触媒の性能が低下したとき、新しい触媒床へすばやく切り替えることが可能になる。
【0050】
オリゴマー化触媒に供給する原料は、水により所望の転化率が達成できなくなることを防止するため、乾燥しておくことが好ましい。既存の装置を改造する場合、2基の遊休固定床反応器を乾燥装置に転用し、オリゴマー化反応器の上流に再配置することができる。オリゴマー化反応器はMTBE合成反応器より高い圧力で運転されるため、より高圧のポンプが必要になる。二量化反応器の上流に、選択的ジオレフィン飽和化装置を設置することができる。通常、選択的ジオレフィン飽和化装置は、さらに高圧で用いられる。
【0051】
上記の装置を再利用することにより、配管の改造が僅かで済み、また可能であればC8オレフィン及び高級オリゴマーからC4を十分取り出すための脱ブタン蒸留塔の熱源の改良が軽微で済む。第2脱ブタン蒸留塔、及び/又はメタノール−水分離塔等の残りの遊休分留塔を、二量体/オリゴマー化生成物をさらに下記の3成分へ分留する際に再利用することができる:
・1-ブテン回収率を最大にするための残留C4成分の回収
・自動車ガソリンブレンド物又は特殊化学品用途に適した軽質ナフサストリーム;及び/又は
・ディーゼルブレンド物又は特殊化学品用途に適した重質ナフサストリーム。
【0052】
以下に、この発明の非限定的実施例を示す。
【実施例】
【0053】
試験用パイロットスケールのプラントで、約80mlのMCM-22オリゴマー化触媒(ゼオライト65 wt%、 アルミナバインダー35 wt%, 直径1/16インチの円柱状押出物, 嵩密度0.416-0.497 g/cm, ExxonMobil Chemical Co.社, Houston TXから入手)と、容積が約250mlのオリゴマー化反応器とを用いて、本願の装置及び方法の試験を行なった。表1に示す「原料」又は「混合原料」はスチームクラックにより得たシリンダー10本分のC4の平均値であり、これらは全て極性不純物を除去するために、水でスクラブ処理して乾燥しておいた。表1に示す混合原料を、表に示した供給速度(ml/hr)でオリゴマー化反応器に1度だけ供給した。原料AからFの全ての原料について、約5ヶ月間試験した。表2に示すデータは、これらの試験の代表的サンプルである。
オリゴマー化反応器中の圧力は約1.55 MPaで、オリゴマー化反応器の温度及び空間速度は表2に示した値である。イソブテン、C8、及び高級オリゴマー(C8+)の量は、オリゴマー化反応器の生成物(第2混合原料)の値であり、反応の前後に測定した、オリゴマー化触媒MCM-22と反応しない化合物の測定量に対して正規化した値である。「DIOS」の下の「yes」の表示は、選択的ジオレフィン水素化を行ったことを意味し、典型的には、温度44-57℃の範囲で水素を供給しながら行った。表3に、異なる条件下で試験した3種の代表的サンプルの、C8、及び高級オリゴマー組成をまとめて示す。
【表1】

【表2】

【表3】

【0054】
[0054]
この発明の装置及び方法の様々な要素について説明したが、以下に実施形態を、番号を付して示す。
1. 混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、
入口及び出口を有する極性物質スクラバと;
入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;
入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える装置。
2. さらに極性物質スクラバからオリゴマー化反応器への並行流体バイパスを備える、実施形態番号1の装置。
3. 第1オリゴマー化反応器が、熱伝達手段を備える複数の管から成る管型反応器である、実施形態番号1,2の装置。
4. 水素化触媒が、第8族から第11族金属、及びこれらの混合物から成る群から選択される金属からなる、実施形態番号1−3のいずれかの装置。
5. オリゴマー化触媒が、MWW型ゼオライト及びこれらの混合物から成る群から選択される、実施形態番号1−4のいずれかの装置。
6. 水素化反応器とオリゴマー化反応器との間の流体接続部に冷却手段が設けられている、実施形態番号1−5のいずれかの装置。
7. オリゴマー化反応器と分離手段との間の流体接続部に加熱手段が設けられている、実施形態番号1−6のいずれかの装置。
8. 極性物質スクラバユニットが洗浄手段及び乾燥手段を備え、乾燥手段が乾燥剤を保有する、実施形態番号1−7のいずれかの装置。
9. オリゴマー化反応器が、イソブテンからメチル-t-ブチルエーテルへの反応器の転用品である、実施形態番号1−8のいずれかの装置。
10. オリゴマー化触媒を保有する第2オリゴマー化反応器が、第1オリゴマー化反応器に対し並列に水素化反応器及び分離手段に流体流通可能に接続されるが、最初に使用されるまでこれらから液遮断される、実施形態番号1−9のいずれかの装置。
11. 混合原料から直鎖状ブテンを回収する方法であって;
直鎖状ブテン及びイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と;
前記第1混合原料を第1オリゴマー化反応器中でオリゴマー化触媒と接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オリゴマーを含み、前記第1混合原料と比較してイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;
前記第2混合原料を分離して第1精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる工程とを含む方法。
12. 第1混合原料にさらにジオレフィンが含まれ;
第1混合原料を水素化して、水素化されたジオレフィン、直鎖状ブテン、及びイソブテンを含む水素化混合原料を生成させる工程と;
水素化混合原料とオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、高級オリゴマー、及び水素化されたジオレフィンを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;
第2混合原料を分離して、精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる、実施形態番号11の方法。
13. 前記精製直鎖状ブテンをさらに分離して精製1-ブテンストリームを生成させる、実施形態番号11または12の方法。
14. 第1混合原料を、接触工程(又は、ある実施形態では水素化工程)の前に極性物質スクラブ処理する、実施形態番号11−13のいずれかの方法。
15. 極性物質スクラブ工程の後、脱水素工程を行わない、実施形態番号11−14のいずれかの方法。
16. 極性物質スクラブ工程において、第1混合原料を水と接触させ、次に第1混合原料を乾燥剤と接触させる、実施形態番号11−15のいずれかの方法。
17. オリゴマー化反応器において接触させる前の第1混合原料(又は水素化された混合原料)の温度が50から150℃の範囲内である、実施形態番号11−16のいずれかの方法。
18. 第1オリゴマー化反応器を、1.0から40MPaの圧力範囲内で運転する、実施形態番号11−17のいずれかの方法。
19. 第1オリゴマー化反応器の温度を、接触時間100時間について1から10℃の範囲内の昇温速度で、所定の下限温度から所定の上限温度まで昇温する、実施形態番号11−18のいずれかの方法。
20. 第1オリゴマー化反応器内での接触を、40から105℃の範囲内の温度において行う、実施形態番号11−19のいずれかの方法。
21. オリゴマー化触媒が、MWW型ゼオライト及びその混合物から成る群から選択される、実施形態番号11−20のいずれかの方法。
22. 水素化触媒が、第8族から第11族金属及びその混合物から成る群から選択される、実施形態番号11−21のいずれかの方法。
23. 第1混合原料にブタジエンが含まれ、水素とブタジエンのモル比が0.2から10の範囲内である、実施形態番号11−22のいずれかの方法。
24. 前記接触においてさらに、連続運転中の運転時間少なくとも500時間毎に、水素を少なくとも1時間接触させる、実施形態番号11−23のいずれかの方法。
25. 前記接触においてさらに、水素とブタジエンのモル比が1から50の範囲内の水素を接触させる、実施形態番号11−24のいずれかの方法。
26. 第1精製1-ブテン流出液に、0.20wt%未満のイソブテンが含有される、実施形態番号11−25のいずれかの方法。
27. 第1混合原料に、5から60wt%のイソブテンが含有される、実施形態番号11−26のいずれかの方法。
28. オリゴマー化触媒を保有する第2オリゴマー化反応器が、第1オリゴマー化反応器に対し並列に水素化反応器及び分離装置に流体流通可能に接続されるが、最初に用いられるときまではこれらから液遮断されている、実施形態番号11−27のいずれかの方法。
29. 第1オリゴマー化反応器内の空間速度が15 原料ml/触媒ml/時未満であり、接触を100又は105℃未満の温度で行う、実施形態番号11−28のいずれかの方法。
30. 第1流出液中に、第2混合原料の重量に対し0.20wt%未満のイソブテンが含有されている、実施形態番号11−29のいずれかの方法。
31. 第2流出液中に、第2混合原料の重量に対し30wt%より多くの2,4,4-トリメチル-1-ペンテンが含有されている、実施形態番号11−30のいずれかの方法。
32. 第1オリゴマー化反応器内の空間速度が2 原料ml/触媒ml/時から12 原料ml/触媒ml/時の範囲内である、実施形態番号11−31のいずれかの方法。
33. 第1オリゴマー化反応器内での接触を40℃から95℃又は105℃の範囲内で行う、実施形態番号11−32のいずれかの方法。
34. (i) 第1オリゴマー化反応器内での接触温度が50℃から95℃又は105℃の範囲内で増加した場合、
(ii) 空間速度が12原料ml/触媒ml/時から2原料ml/触媒ml/時の範囲内で減少した場合、又は
(iii) (i) (ii)の両者、のいずれかの場合、第2流出液中の2,4,4-トリメチル-1-ペンテンの2,4,4-トリメチル-2-ペンテンに対する比が12.0から3.0の範囲で減少する、実施形態番号11−33のいずれかの方法。
【0055】
また別の実施形態は、混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、入口及び出口を有する極性物質スクラバと;入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
【0056】
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える装置の使用に関する。この装置の様々な態様は、上記の実施形態の通りである。
【0057】
装置のある実施形態についてその装置が「実質的にある名称の要素から成る」というときは、水素化反応器や触媒反応器等の別の主要な機器が無いことを意味する。明細書に記載したその他の任意の構成要素には、所定の運転を行うために周知の付属機器(配管、ポンプ、ヒーター、加熱/冷却ジャケット付配管等)も含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合原料から直鎖状ブテンを回収する装置であって、
入口及び出口を有する極性物質スクラバと;
入口及び出口を有するとともに水素添加触媒を保有する水素添加反応器であって、前記水素添加反応器の入口が前記極性物質スクラバの出口に流体流通可能に接続される水素添加反応器と;
入口及び出口を有する第1オリゴマー化反応器であって、前記第1オリゴマー化反応器の入口が前記水素添加反応器の出口に流体流通可能に接続されるとともにオリゴマー化触媒を保有し、前記オリゴマー化触媒は、ガス及び/又は流体をオリゴマー化反応器の入口から出口まで通過させることができ、前記入口と前記出口の間で触媒とガス及び/又は流体とを反応接触させる第1オリゴマー化反応器と;
入口及び出口を有する分離手段であって、前記分離手段の入口が前記オリゴマー化反応器の出口に流体流通可能に接続される分離手段とを備える装置。
【請求項2】
前記オリゴマー化触媒が、MWW型ゼオライト及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1の装置。
【請求項3】
オリゴマー化反応器が、イソブテンからメチル-t-ブチルエーテルへの反応器の転用品である、請求項1または2の装置。
【請求項4】
オリゴマー化触媒を保有する第2オリゴマー化反応器が、前記第1オリゴマー化反応器に対し並列に、水素化反応器及び分離手段に流体流通可能に接続されるが、最初に使用されるまでこれらから液遮断される、請求項1から3のいずれかの装置。
【請求項5】
混合原料から直鎖状ブテンを回収する方法であって;
直鎖状ブテン及びイソブテンを含む第1混合原料を供給する工程と;
前記第1混合原料を第1オリゴマー化反応器中でオリゴマー化触媒と接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、及び高級オリゴマーを含み、前記第1混合原料と比較してイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;
前記第2混合原料を分離して第1精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる工程とを含む方法。
【請求項6】
前記第1混合原料にさらにジオレフィンが含まれ;
前記第1混合原料を水素化して、水素化されたジオレフィン、直鎖状ブテン、及びイソブテンを含む水素化混合原料を生成させる工程と;
前記水素化混合原料とオリゴマー化触媒とを第1オリゴマー化反応器中で接触させて、直鎖状ブテン、C8オレフィン、高級オリゴマー、及び水素化されたジオレフィンを含み、第1混合原料よりイソブテンの量が少ない第2混合原料を生成させる工程と;
第2混合原料を分離して、精製直鎖状ブテンから成る第1流出液、並びにC8オレフィン及び高級オリゴマーを含有する第2流出液を生成させる、請求項5の方法。
【請求項7】
前記精製直鎖状ブテンをさらに分離して精製1-ブテンストリームを生成させる、請求項5または6の方法
【請求項8】
極性物質スクラブ工程の後、脱水素工程を行わない、請求項5から7のいずれかの方法。
【請求項9】
前記第1オリゴマー化反応器の温度を、接触時間100時間について1から10℃の範囲内の昇温速度で、所定の下限温度から所定の上限温度まで昇温する、請求項5から8のいずれかの方法。
【請求項10】
前記オリゴマー化触媒が、MWW型ゼオライト及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項5から9のいずれかの方法。
【請求項11】
前記接触においてさらに、連続運転中の運転時間少なくとも500時間毎に、水素を少なくとも1時間接触させる、請求項5から10のいずれかの方法。
【請求項12】
オリゴマー化触媒を保有する第2オリゴマー化反応器が、前記第1オリゴマー化反応器と並列に水素化反応器及び分離装置に流体流通可能に接続されるが、最初に用いられるときまではこれらから液遮断されている、請求項5から11のいずれかの方法。
【請求項13】
前記第1オリゴマー化反応器内の空間速度が15 原料ml/触媒ml/時未満であり、接触を100又は105℃未満の温度で行う、請求項5から12のいずれかの方法。
【請求項14】
前記第2流出液中に、前記第2混合原料の重量に対し30wt%より多くの2,4,4-トリメチル-1-ペンテンが含有されている、請求項5から13のいずれかの方法。
【請求項15】
(i) 第1オリゴマー化反応器内での前記接触温度が50℃から95℃又は105℃の範囲内で増加した場合、
(ii) 空間速度が12原料ml/触媒ml/時から2原料ml/触媒ml/時の範囲内で減少した場合、又は
(iii) (i) (ii)の両者、のいずれかの場合、第2流出液中の2,4,4-トリメチル-1-ペンテンの2,4,4-トリメチル-2-ペンテンに対する比が12.0から3.0の範囲で減少する、請求項5から14のいずれかの方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−501330(P2012−501330A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525029(P2011−525029)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/046111
【国際公開番号】WO2010/024958
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】