説明

混焼システム

本発明では、混焼システムが説明される。それは、少なくとも2タイプの燃料を燃焼させるようになっている燃焼器内筒から構成されている。燃焼器内筒は、複数の開口を含む周壁を備えている。この燃焼システムは、さらに、燃焼器内筒に第1のタイプの燃料を直接供給するようになっている第1の導管と、燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を直接供給するようになっている第2の導管を備えている。この燃焼システムは、開口を介して、燃焼器内筒内に第1のタイプの燃料と第2のタイプの燃料の少なくとも一方を噴射するようになっている任意選択の第3の導管を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、電気エネルギを発生するための燃焼タービンの分野に属するものであり、より具体的に言うと、それに用いられる燃焼器内筒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
将来のエネルギ需要、利用可能な燃料の不足、及び、環境規制のために、発電所事業者は、安全で、効率が良く、クリーンな発電方法の解決策を見つけ出すように迫られる。燃料の不足は、主として石油に当てはまり、それほどではないにせよ天然ガスにも当てはまる。石炭を大量に利用できれば、普通は、蒸気タービン発電所を利用した石炭からの発電が行われる。石炭から発電するよりクリーンでより効率の良い選択肢は、石炭ガス化複合サイクル(IGCC)において石炭を利用することである。IGCCの場合、まず石炭をガス化して、主としてCO(一酸化炭素)とH2(水素)からなる合成ガスを生じさせる。
【0003】
合成ガスは、一般に、発熱量が従来の天然ガス燃料に比べて大幅に低い。その燃焼前に、合成ガスからCO分を除去することにより、CO2(二酸化炭素)を捕獲するための有効な手段を得ることにもなる。予燃焼によるCO2捕獲というIGCCの構想は、将来において電気を発生し、CO2の放出を回避するのに最も費用有効性の高い方法の1つである。CO2を捕獲するIGCC発電所の経済的将来性は、天然ガスの価格が予測より速く上昇するか、あるいは、炭素税による規制が強まるとさらに高まる可能性がある。
【0004】
発熱量が低く、水素含有量が多いため、合成ガス燃料の燃焼には、多種多様な合成ガス燃料を処理することが可能であり、ほとんど排出ガスを発生せず、燃料の高反応性に対処することが可能な改良されたあるいは完全に新しい燃焼システムの開発が必要になる。
【0005】
合成ガス燃料の組成は、用いられるガス化装置のタイプ、及び、COが燃料から分離されるか否かによって決まる。合成ガスに加えて、燃焼システムは、補助及び起動のためもう1つの従来の燃料に依存する場合もある。可能性のある理想的な方法は、1つの燃焼システムでさまざまなタイプのすべての燃料を安定したやり方で燃焼させることである。効率を高め、ガス化装置及びCO2分離技法による効率損失を補償するため、趨勢としては、これまでの天然ガスの経験で得た技術が利用可能な値を超えても圧力及びタービン入口温度を高めることになるであろう。このように圧力及び温度を上昇させる場合、一般に、圧力及び温度の上昇につれてバーナの過熱及び熱音響励振の危険性が高まるので、合成ガスと水素燃料を燃焼させることが可能な燃焼システムの設計がさらに重要になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みて、本発明の一実施形態は、混焼システムを有しており、このシステムは、少なくとも2タイプの燃料を燃焼させるようになされた複数の開口のある周壁を備えた燃焼器内筒と、燃焼器内筒に第1のタイプの燃料を直接供給するようになっている第1の導管と、燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を直接供給するようになっている第2の導管と、前記複数の開口を介して第1のタイプの燃料と第2のタイプの燃料の少なくとも一方を燃焼器内筒内に噴射するようになっている第3の導管とを含んでいる。この燃焼システム内において、第3の導管25は単なる任意の選択肢である。
【0007】
上記に鑑みて、本発明のもう1つの実施形態には、第1の段階と第2の段階とを含む混焼システムを運転する方法が含まれる。第1の段階には、燃焼器内筒に点火して、第1の導管を介して燃焼器内筒に供給される第1のタイプの燃料に点火するステップと、第1のタイプの燃料に加えて、第1の導管に蒸気を供給し、点火後、第2の導管に蒸気を供給するステップが含まれており、前記第2の段階には、第1のタイプの燃料の点火後、第2の導管を介して燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を供給し、それと同時に第1の燃料の供給を停止するステップが含まれている。
【0008】
本発明については、添付の図面に示された例示された実施形態に関連してさらに後述することにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】混焼システムの縦断面図である。
【図2】第1及び第2の導管のノズル領域における燃料噴射口を示す図である。
【図3】本発明の望ましい実施形態の1つに基づく第1の導管の燃料噴射口を示す図である。
【図4】図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒の断面の第1の実施形態を例示した図である。
【図5】図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒の断面の第2の実施形態を例示した図である。
【図6】図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒の断面の第3の実施形態を例示した図である。
【図7】燃焼器内筒の壁の構成を例示した図である。
【図8】燃焼器内筒の円筒形領域のリブ構造を例示した図である。
【図9】本発明の実施形態の1つによる尾筒と流量調整器を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概して言えば、燃焼タービンには、3つのセクション、すなわち、圧縮機セクション、標準的な燃焼器内筒を備えた燃焼器セクション、及び、タービンセクションが含まれている。圧縮機セクションに吸い込まれた空気が圧縮される。圧縮された空気は、圧縮機セクションから流出して、燃焼器セクションに通され、燃料の燃焼後、空気の温度がさらに上昇する。高温圧縮ガスが、燃焼器セクションからタービンセクションに流入し、膨張ガスのエネルギが、発電機を駆動するタービンロータの回転運動に変換される。
【0011】
合成ガスの発熱量が低く、天然ガスのような補助燃料でバーナを作動させる必要もあるため、バーナの設計にかなりの影響がある。バーナは、燃料の大質量流量に対処することができるのが望ましく、従って、燃料流路は大容積を備える必要がある。容積が小さすぎると、燃料の圧力が大幅に降下することになる。燃料の大質量流量がかかわるため、大幅な圧力降下は、エンジンの総合効率に対し一般的な天然ガス燃焼エンジンに比べてはるかに大きい影響を及ぼすことになる。
【0012】
図1には、本発明の実施形態の1つによる混焼システム10の断面図が例示されている。混焼システム10には、燃焼器内筒12が含まれている。燃焼器内筒12の壁16は、尾筒において互いに重なり合うように構成された複数の円筒形領域14から形成され、燃焼器内筒の上流端20から下流端22まで延びている。燃焼器内筒の上流端20は、燃料導管が燃焼させるために燃料を一般に供給する領域に近く、下流端22は、燃焼後のガスが燃焼器内筒からタービンセクションに流出する領域である。燃焼システム10は、例えば天然ガスと合成ガスといった少なくとも2タイプの燃料を燃焼させるように設計されている。利用可能な燃料タイプは、天然ガスと合成ガスに制限されるわけではなく、従って、燃焼システム10は他の燃料を用いて、燃焼させることも可能である。
【0013】
図1には、さらに、例えば天然ガスのような第1のタイプの燃料を直接燃焼器内筒12に供給するようになっている第1の導管24と、例えば合成ガスのような第2のタイプの燃料を直接燃焼器内筒12に供給するようになっている第2の導管26が示されている。第1のタイプの燃料と第2のタイプの燃料の少なくとも一方を1つまたは複数の開口18を介して燃焼器内筒12内に噴射するようになっている少なくとも1つの第3の導管25も存在する。しかしながら、第3の導管25は任意の選択肢である。その設計及び要件に基づいて燃焼器内筒に各タイプの燃料を供給するために、2つ以上の導管を設けることが可能である。例えば、複数の開口18を介して燃焼器内筒12に燃料を供給するために、複数の第3の導管25を設けることが可能である。また、燃焼器内筒12の動作モードに基づいて、導管のそれぞれが異なる燃料を受け持つようになっている。これらの導管は、同じ時点において複数の燃料に対処することさえ可能である。第2の導管26は、燃料を有効に供給するため、第1の導管24を包囲するように配置されるか、同心状に構成される。第1の導管24は、より直径の大きい第2の導管26と同軸をなして、その内側に配置される。一定の火力入力を達成するには燃料の大質量流量が必要になるため、第2の導管26の直径は第1の導管24よりも大きいので、前記第2の導管26によって、低発熱量燃料をより大量に扱うことが可能である。
【0014】
任意選択の第3の導管25は、第1のタイプの燃料と第2のタイプの燃料の少なくとも一方を円筒形領域14の少なくとも1つに付随した開口18の少なくとも1つを貫流する圧縮機の排気中に噴射するようになっている。第3の導管25には、開口18の中心線に対して0〜90°の角度に向けられた1〜5つの噴射口を持つ1つの燃料噴射ノズル27がその端部に設けられている。検討下にある第1の導管24及び第2の導管26は、燃料噴射器の働きをするこの導管のノズル領域28において同心円をなす複数の丸穴から構成されている。ノズル28は、燃焼器内筒12内にそれぞれの燃料を直接噴射するのに役立ち、燃焼器内筒12の上流端20に配置されている。
【0015】
図2には、ノズル領域28におけるこれら2列の同心穴が明示されている。これらの列の各円は、1つの導管に付随している。内側の穴列21は第1の導管24に対応し、外側の穴列23は第2の導管26に対応する。各導管の噴射器数は例えば8〜18個の穴と変動してよいが、この数に限定されるわけではない。図2には、両方の導管のために14個の噴射器を備える望ましい実施形態が示されている。これらの穴は、互いに時計の目盛のように、すなわち線状(inline)に配置することが可能である。
【0016】
もう1つの望ましい実施形態の場合、第1の導管24のノズル領域28の穴には、燃焼器内筒12の燃焼領域内に燃料流を噴射するためのノズルの中心から少なくとも2つの異なる半径方向距離に配置された複数の穴が含まれる。このノズル設計によって、より大量の燃料流がノズルの中心に向かうのが助長され、その結果、費用効率よく、単純な方法でノズルが冷却されることになる。最も重要なのは、穴の配列によって、ノズルの空気力学的性能が維持されることである。図3には、燃焼器内筒12に燃料を噴射するため第1の導管24によって用いられる、こうしたタイプのこうしたノズル30が示されている。第1組の穴32と第2組の穴34は、それぞれ、ノズルの中心36から第1の半径方向距離31及び第2の半径方向距離33に配置されている。
【0017】
図1に戻ると、燃焼器内筒12の周壁16には複数の開口18が含まれている。少なくとも燃焼器内筒12の上流端20に近い2つの円筒形領域14a及び14bには、さらに、それぞれの円筒形領域の周囲に沿って分布した複数の開口18が含まれている。この複数の開口18によって、圧縮機段からの圧縮機排気を燃焼器内筒の燃焼領域に向かって流すことが可能になる。同時に、燃焼器内筒10の下流端22に近い円筒形領域の少なくとも1つには、圧縮機排気を燃焼器内筒12の燃焼領域に向かって流すことができるように、円筒形領域の周囲に沿って分布した複数の開口18を含むことも可能である。
【0018】
図4には、図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒12の断面の第1の実施形態40が例示されている。個々の円筒形領域14の開口数は、実施形態に基づいて5〜9の間で変動する。図4には、燃焼器内筒12の円形領域14内に6つの開口18が示されている。
【0019】
図5には、図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒12の断面の第2の実施形態50が例示されている。図5には、燃焼器内筒12の円形領域14内に7つの開口18が示されている。
【0020】
図6には、図1の面2−2aに沿った燃焼器内筒12の断面の第3の実施形態60が例示されている。図6には、燃焼器内筒12の円形領域14内に9つの開口18が示されている。燃焼器内筒のこれらの開口は、スクープ(scoop)、とりわけ、半径方向のスクープに似ており、これらを通して圧縮機排気が燃焼器内筒12内に噴射される。これらの開口は、本明細書中の数箇所において、便宜上、スクープとも呼ばれる。
【0021】
少なくとも、スクープの長さはスクープの直径の半分である。例えば、図6には、長さ43と直径41を有する開口18が示されている。この長さ部分は、燃焼器内筒12の内部領域に向けられている。この長さ部分は、空気をさらに燃焼領域内へと導くのに役立つ。スクープは、燃料流への侵入力の高まった空気流を供給して、加熱効率の向上及びより完全な燃焼を実現する。開口18は、円筒形領域14の周囲に沿って均等に分布している。開口を奇数にすると、回転非対称構成になるので、壁温度にとって有効であり、熱音響問題に役立つ。スクープは円形または楕円形の断面とすることが可能である。スクープが楕円形の場合、楕円形の最小寸法は内筒の中心線方向にある。スクープは、傾斜させる場合、内筒の中心線から下流に向かい、半径方向に対して0〜45°の角度にすることが可能である。ある特定のレイアウトの場合、ある円筒形領域内のいくつかの、または全てのスクープが15°の角度をなし、その一方で、別の円形領域内のいくつかの、または全てのスクープは0°の角度をなす。すなわち、半径方向において中心線に向くようにすることが可能である。さらに、スクープは半径方向に対し最大15°の角度で燃焼システムの推進流に対向することが可能である。もう1つの実施形態の場合、スクープの下流エッジは、燃焼器内筒の中心線に対して0〜60°の角度で切断(cut-off)される。これは、基本的にスクープに対する熱空気の再循環によって生じる損傷を回避するためである。
【0022】
燃焼システム10には、さらに、燃焼器内筒12と、第1、第2、及び、第3の導管に結合されたカバープレート29が含まれている。これにより、燃焼器内筒及び導管をケーシングに取り付けることが可能になる。
【0023】
図7には、燃焼器内筒の壁16の構成70が例示されている。既述のように、燃焼器内筒12の壁16は、尾筒で互いに重なり合うように構成された複数の円筒形領域14から形成されている。個々の円筒形領域14には、外面72が含まれており、前記外面72には、図8に示すようにリブ構造82が設けられている。外面72は、壁16を冷却するために空気流を供給するようになっている有孔層74によってほぼ覆われている。燃焼器内筒12の壁16は、対流及びしみ出し冷却によって冷却される。この冷却法の有効性を高めるため、図7に示すいわゆるプレートフィン設計が用いられている。これらのプレートフィンは2つのライナから構成されている。ほぼ円筒形の領域である内側ライナには、冷却面を拡大するため、外面72に冷却リブ構造82が設けられている。外側ライナは有孔層74である。冷却空気は、プレートフィンを出ると、しみ出し冷却空気の働きをする。
【0024】
混焼システム10には、さらに、燃焼器内筒12を包囲するように配置された流量調整器45が含まれており、この流量調整器45には、円錐形セクション46と円筒形セクション47とが具備されており、この円錐形セクション46と円筒形セクション47は、燃焼器内筒12の燃焼領域に向かって圧縮機排気を流すことができるようになっている複数の穴48を有している。この流量調整器45には、円錐形セクション46と円筒形セクション47とが具備されており、流量調整器45は、冷却に必要な圧力降下を実現し、燃焼器内筒12の燃焼領域に向かって均一な空気流を供給するために用いられる。円筒形セクション47と円錐形セクション46の両方の、複数の穴48は、空気の流路として用いられる。
【0025】
さらに、図9に示すように、尾筒94と流量調整器45の円錐形セクション46の端部96の間にはギャップ92が存在する。流量調整器45は、尾筒94とわずかに重なっている。こうすることで、熱膨張がギャップ92の流域に影響を及ぼさないことになる。円錐形セクション46及び円筒形セクション47は、フランジによって互いに接続するか、あるいは、互いに溶接することが可能である。
【0026】
図1の混焼システム1には、さらに、燃焼器内筒12の下流端22に、円筒形領域14の少なくとも1つに付随した複数の開口18とアライメントのとれた複数スロット37を備える吹出し口35が含まれている。この吹出し口35は、高温燃焼ガスとバネクリップ流路39から流れ出る冷気流との混合を改善するように意図されている。これらの流れの混合が改善されると、COの排出が改善される。スクープ18とアライメントのとれた吹出し口のスロット37によって、吹出し口35の過熱が阻止される。
【0027】
次に、混焼システム10の運転方法について述べることにする。運転は、2つの主たる段階、すなわち第1段階と第2段階に分けることが可能である。第1段階では、第1の導管24を介して燃焼器内筒12に供給される例えば天然ガスのような第1のタイプの燃料に点火するために、点火コイルによって燃焼器内筒に点火する。この方法には、第1のタイプの燃料に加えて、第1の導管24に蒸気を供給するステップと、点火後、第2の導管26に蒸気を供給するステップが含まれる。第1の導管24に供給される蒸気より早い時点で第2の導管26に蒸気が供給される。この方法には、さらに、第1段階中に、燃焼器内筒12内における圧力差に関して燃焼システム10を安定化させるため、例えば不活性ガス、窒素、蒸気、または、シールエアといった媒質を第2の導管26に供給するステップも含まれる。典型的な産業用構成の場合、燃焼システムまたはタービンには、複数の燃焼器内筒が含まれており、運転中、これらの燃焼器内筒間で起こり得る圧力差が生じる可能性がある。前述の媒質の供給は、このタイプの構成に起因する燃焼器内筒におけるこの圧力差にも対応する。第1の運転段階中に、第1の導管24及び第2の導管26への蒸気供給が安定化すると、第2の導管26への媒質の供給が停止される。
【0028】
第2の運転段階では、例えば合成ガスのような第2のタイプの燃料が第2の導管26を介して燃焼器内筒に供給され、それと同時に第1の燃料の供給が停止される。この方法には、さらに、第2段階中に、第1の導管24を介して燃焼器内筒12に第2のタイプの燃料の一部を供給するステップが含まれる。第1段階から、第2段階における第1の導管24を介した第2のタイプの燃料の一部の供給開始まで、第1の導管24には蒸気が連続して供給される。必要があれば、開口18を介して前記燃料を送り込むことによって有効でより完全な燃焼を可能にするために、第3の導管25を用いて、第1及び第2のタイプの燃料のいずれか一方を供給することも可能である。これにより、NOxの排出抑制がさらに促進されることになる。
【0029】
本発明については特定の実施形態に関連して説明してきたが、この説明は、限定の意味に解釈されるように意図したものではない。本発明に関する説明を参照すれば、当業者には、開示の実施形態のさまざまな変更並びに本発明の代替実施形態が明らかになるであろう。従って、こうした修正は、定義された本発明の実施形態から逸脱することなく実施可能であると考えられる。
【符号の説明】
【0030】
10 混焼システム
12 燃焼器内筒
14 燃焼器内筒の円筒形領域
16 燃焼器内筒の周壁
18 周壁の開口
20 燃焼器内筒の上流端
21 ノズル領域の内側穴列
22 燃焼器内筒の下流端
23 ノズル領域の外側穴列
24 第1の導管
25 第3の導管
26 第2の導管
28 ノズル領域
30 ノズル
32 ノズルの第1組の穴列
34 ノズルの第2組の穴列
35 吹出し口
36 ノズルの中心
37 吹出し口のスロット
45 流量調整器
46 円錐形セクション
47 円筒形セクション
48 円錐形セクションおよび円筒形セクションの穴
72 円筒形領域の外面
74 有孔層
82 円筒形領域のリブ構造
94 尾筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2タイプの燃料を燃焼させるようになっており、その内部へ空気流を導くために複数の開口のある周壁を備えた燃焼器内筒と、
前記燃焼器内筒に第1のタイプの燃料を直接供給するようになっている第1の導管と、
前記燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を直接供給するようになっている第2の導管と、
前記開口の少なくとも1つを介して前記第1のタイプの燃料と前記第2のタイプの燃料の少なくとも一方を前記燃焼器内筒内に噴射するようになっている第3の導管とが含まれている、
混焼システム。
【請求項2】
少なくとも2タイプの燃料を燃焼させるようになっており、その内部へ空気流を導くために複数の開口のある周壁を備えた燃焼器内筒と、
前記燃焼器内筒に第1のタイプの燃料を直接供給するようになっている第1の導管と、
前記燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を直接供給するようになっている第2の導管とが含まれている、
混焼システム。
【請求項3】
前記燃焼器内筒の壁が、尾筒で互いに重なり合うように構成された複数の円筒形領域から形成され、この壁が前記燃焼器内筒の上流端から下流端まで延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項4】
前記個々の円筒形領域に外面が含まれていることと、前記外面にリブ構造が設けられており、前記壁を冷却するために空気流を供給するようになっている有孔層によって覆われていることを特徴とする請求項3に記載の混焼システム。
【請求項5】
前記燃焼器内筒の上流側の円筒形領域の少なくとも2つには、さらに、圧縮機排気を前記燃焼器内筒の燃料領域に向かって流すことができるように、前記円筒形領域の周囲に沿って分布した複数の開口が含まれることを特徴とする請求項3に記載の混焼システム。
【請求項6】
前記燃焼器内筒の下流側の円筒形領域の少なくとも1つには、さらに、前記圧縮機排気を前記燃焼器内筒の燃料領域に向かって流すことができるように、前記円筒形領域の周囲に沿って分布した複数の開口が含まれることを特徴とする請求項3に記載の混焼システム。
【請求項7】
前記個々の円筒形領域に、5〜9の開口が含まれることを特徴とする請求項3に記載の混焼システム。
【請求項8】
前記個々の円筒形領域に、奇数の開口が含まれることを特徴とする請求項3に記載の混焼システム。
【請求項9】
前記第1のタイプの燃料が天然ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項10】
前記第2のタイプの燃料が合成ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項11】
前記第1の導管に、前記第1のタイプの燃料と前記第2のタイプの燃料の少なくとも一方を前記燃焼器内筒に直接供給して燃焼させるためのノズルが含まれることと、前記ノズルに、前記燃焼器内筒の燃焼領域に燃料を流入させることができるように、前記ノズルの中心から少なくとも2つの異なる半径方向距離に配置された複数の穴が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項12】
さらに、前記燃焼器内筒の下流に、前記円筒形領域の少なくとも1つに付随した複数の開口とアライメントのとれた複数のスロットから構成される吹出し円錐が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項13】
さらに、前記燃焼器内筒を包囲するように配置された流量調整器が含まれており、この流量調整器には、円錐形セクションと円筒形セクションとが具備されており、この円錐形セクションと円筒形セクションが、前記燃焼器内筒の燃焼領域に向かって圧縮機排気を流すことができるようになっている複数の穴を有することを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項14】
さらに、前記燃焼器内筒と前記導管に結合されたカバープレートが含まれており、前記カバープレートを用いて、前記燃焼器内筒及び前記導管をケーシングに取り付けることができるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項15】
前記第1の導管及び前記第2の導管が、前記燃焼器内筒に前記第1のタイプの燃料及び前記第2のタイプの燃料を有効に供給するために、同心円状に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の混焼システム。
【請求項16】
前記第3の導管が、前記円筒形領域の少なくとも1つに付随した前記開口の少なくとも1つを貫流する圧縮機排気中に前記第1のタイプの燃料と前記第2のタイプの燃料の少なくとも一方を噴射するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の混焼システム。
【請求項17】
前記第3の導管に、さらに、前記円筒形領域の少なくとも1つに付随した前記開口の少なくとも1つを貫流する圧縮機排気中に前記第1のタイプの燃料と前記第2のタイプの燃料の少なくとも一方を噴射するために、少なくとも1つの穴を備えた1つの噴射ノズルが含まれることを特徴とする請求項1に記載の混焼システム。
【請求項18】
第1の段階と第2の段階を含む混焼システムを運転する方法であって、
前記第1の段階には、
燃焼器内筒に点火して、第1の導管を介して前記燃焼器内筒に供給される第1のタイプの燃料に点火するステップと、
前記第1のタイプの燃料に加えて、前記第1の導管に蒸気を供給し、前記点火後、前記第2の導管に蒸気を供給するステップが含まれており、
前記第2の段階には、
前記第1のタイプ燃料の点火後、前記第2の導管を介して前記燃焼器内筒に第2のタイプの燃料を供給し、それと同時に前記第1の燃料の供給を停止するステップが含まれていることを特徴とする、
混焼システムを運転する方法。
【請求項19】
さらに、前記第2の段階において、前記第1の導管を介して前記燃焼器内筒に前記第2のタイプの燃料の一部を供給するステップが含まれることを特徴とする請求項18に記載の混焼システムを運転する方法。
【請求項20】
前記第1のタイプの燃料が天然ガスであることを特徴とする請求項18に記載の混焼システムを運転する方法。
【請求項21】
前記第2のタイプの燃料が合成ガスであることを特徴とする請求項18に記載の混焼システムを運転する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−508660(P2013−508660A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534677(P2012−534677)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065764
【国際公開番号】WO2011/048123
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany