説明

添加弁シール構造

【課題】形状的に制約がある添加弁収納空間内周面と添加弁外周面との間の間隙を耐久性に問題を生じることなくシールできるアンモニア系還元剤用添加弁シール構造の提供。
【解決手段】樹脂製シール28を用いて空冷機構24と尿素水添加弁6との間での排気漏れや水の浸入を阻止するシールを行っている。このように樹脂製シール28であればオーリングと異なり添加弁収納空間24cの内周面24f及び尿素水添加弁6の外周面6cの形状に適合させた形状に成形できる。このため内周面24fや外周面6cの形状が制約されていても十分にシール可能な座面として利用できる。このことにより課題が達成される。更に樹脂製シール28は膨張黒鉛製シール26に接触しているため迅速に昇温して、膨張しかつ柔軟性が増加し、内周面24fと外周面6cとの間隙を充填しかつ密着する。このことで確実なシール効果を果たすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア系還元剤を内燃機関の排気管内に添加する添加弁とこの添加弁を冷却状態で排気管に接続する冷却機構との間のシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関から排出されるNOx(窒素酸化物)を還元する窒素酸化物浄化装置として、SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られている(例えば特許文献1参照)。このSCRシステムを用いた排気浄化装置は、窒素酸化物浄化用触媒を備え、この触媒に、例えば尿素水溶液やアンモニアガスなどを還元剤として排気管内に噴射することにより、その還元作用により排気に含まれるNOxを選択的に窒素や水に還元している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−14083号公報(第7〜8頁、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、添加弁として、噴射装置を内燃機関の排気管に取り付け、その先端を排気管の内部空間に挿入している。しかし添加弁への熱害を防止するためには、冷却機構を介して排気管に添加弁を接続する必要がある。
【0005】
この場合、冷却機構に添加弁収納空間を形成してその中に添加弁を配置することになる。このような添加弁取り付け構造では、添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間から外部に排気が漏出したり、あるいは外部から水が浸入したりするのを防止するために、平滑な座面を内周面と外周面とに形成してオーリングを配置するのが通常である。
【0006】
ところが収納空間の内周面形状や添加弁の外周面形状の制約により、オーリング配置にとって十分な形状の座面が確保できない場合がある。このように十分な形状が確保されていない座面に対してオーリングを配置すると、オーリングが小径側へ脱落したり、座面角部がオーリングに食い込んでオーリングを傷つけたりするおそれがある。このことによりシールの耐久性に問題を生じる。
【0007】
本発明は、形状的に制約がある添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールできるシール構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の添加弁シール構造では、アンモニア系還元剤を内燃機関の排気管内に添加する添加弁とこの添加弁を冷却状態で排気管に接続する冷却機構との間のシール構造であって、前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に樹脂製シールを配置したことを特徴とする。
【0009】
樹脂製シールであることにより、添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面とに対して、シールのための座面形状を特別に形成する必要はない。樹脂製シール自体を、添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間の間隙の形状に適合させた形状に成形することで、前記内周面や前記外周面の形状が制約されていても、その制約された形状そのものを十分にシール可能な座面として利用できる。
【0010】
しかもこの添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間隙部分は、排気管側からの熱の通り道であり、熱害を受けない範囲で樹脂製シールを昇温させることができる。この昇温により膨張しかつ柔軟性を増した樹脂製シールは、前記間隙を充填し、かつ内外周面に密着して、より確実なシール効果を果たすことができる。
【0011】
このことにより形状的に制約がある添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールすることができる。
請求項2に記載の添加弁シール構造では、請求項1に記載の添加弁シール構造において、前記アンモニア系還元剤は、尿素水溶液であることを特徴とする。
【0012】
アンモニア系還元剤としては排気管内での加熱により尿素が加水分解してアンモニアを発生する尿素水溶液を挙げることができる。
請求項3に記載の添加弁シール構造では、請求項1に記載の添加弁シール構造において、前記アンモニア系還元剤は、アンモニアガスであることを特徴とする。
【0013】
アンモニア系還元剤としてはアンモニアガス自身を用いても良い。
請求項4に記載の添加弁シール構造では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構は、添加弁を空気冷却するものであることを特徴とする。
【0014】
冷却機構が空気冷却するものが挙げられる。空気冷却による冷却機構では構成が簡素化されていることから、この簡素化された構成が、オーリングでは適用できない構成でも樹脂製シールならば適用でき、確実なシール効果を果たすことができる。このことにより形状的に制約がある添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールすることができる。
【0015】
請求項5に記載の添加弁シール構造では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に、前記樹脂製シールよりも前記排気管側に膨張黒鉛製シールを配置し、この膨張黒鉛製シールと前記樹脂製シールとを接触させたことを特徴とする。
【0016】
添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間において、樹脂製シールよりも排気管側に膨張黒鉛製シールを配置することで、樹脂製シールが排気から直接受熱しないようにできる。更に膨張黒鉛製シールにより添加弁先端側が排気から受ける熱を迅速に空冷機構に逃して添加弁に熱害が及ばないようにできる。
【0017】
そして樹脂製シールは膨張黒鉛製シールに接触している。この接触による膨張黒鉛製シールからの伝熱により、樹脂製シールの温度を、熱害を生じない程度に迅速に昇温させることができる。この昇温により樹脂製シールは膨張し、かつ柔軟性が増加する。このことにより樹脂製シールは、前記間隙を充填し、かつ内外周面に密着することで、より確実なシール効果を果たすことができる。
【0018】
このことにより形状的に制約がある添加弁収納空間の内周面と添加弁の外周面との間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールすることができる。
請求項6に記載の添加弁シール構造では、請求項5に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に、前記樹脂製シールに対する熱膨張スペースが、前記膨張黒鉛製シールとは反対側に設けられていることを特徴とする。
【0019】
このように熱膨張スペースが存在することにより、熱膨張した樹脂製シールに必要以上の変形や歪みを生じさせることがない。このため添加弁シール構造の耐久性を維持できる。
【0020】
請求項7に記載の添加弁シール構造では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記排気管は、前記添加弁より下流に窒素酸化物浄化用触媒を配置し、この窒素酸化物浄化用触媒にて前記アンモニア系還元剤が還元作用を生じるものであることを特徴とする。
【0021】
アンモニア系還元剤は、窒素酸化物浄化用触媒で還元作用を生じさせるために排気中に添加されるものを挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1の排気浄化装置の概要を示す構成図。
【図2】実施の形態1の尿素水添加弁の取り付け構造断面図。
【図3】実施の形態2の尿素水添加弁の取り付け構造断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施の形態1]
〈実施の形態1の構成〉図1は、上述した発明が適用された排気浄化装置2の概要を示す構成図である。この排気浄化装置2は触媒を用いて排気中のNOxを浄化する尿素SCRシステムとして構成されている。
【0024】
排気浄化装置2は、SCR触媒4、尿素水添加弁6、尿素水タンク8及び圧送ポンプ10を備えている。
SCR触媒4は、車両に搭載された内燃機関の排気管12に接続されて排気中のNOxを還元反応により浄化する選択還元型触媒である。
【0025】
尿素水添加弁6は、排気管12にてSCR触媒4の上流側に、後述する空冷機構24を介して取り付けられている。この尿素水添加弁6へは、圧送ポンプ10により尿素水タンク8に貯留されている尿素水(尿素水溶液に相当)がフィルタ14を介して圧送されてくる。このことにより尿素水添加弁6から排気管12の内部空間に尿素水を添加することができる。
【0026】
この尿素水は排気中で加熱されることで尿素が加水分解されてアンモニアを発生するアンモニア系還元剤である。このように発生したアンモニアがSCR触媒4にてNOxに対する還元作用を示し、NOxを窒素と水とに還元する。このことで排気が浄化される。
【0027】
圧送ポンプ10の尿素水供給圧力は圧力調整弁16により調節され、余剰な尿素水は圧力調整弁16から尿素水タンク8側へ戻される。
尿素水添加弁6による尿素水添加量や圧送ポンプ10の駆動制御はECU(電子制御ユニット)18により実行される。この制御のためにECU18は、各種データ、例えば尿素水添加弁6への尿素水供給路に設けられた圧力センサ20から尿素水の供給圧力を検出している。
【0028】
排気管12に対する尿素水添加弁6の取り付け構造の断面を図2に示す。尿素水添加弁6は直接、排気管12に接続されているのではなく、空冷機構24を介して排気管12に接続されている。
【0029】
空冷機構24はアルミニウム合金などの金属製である。そのハウジング24aは略円筒形をなし、外周部に円盤状の冷却フィン24bが一体成形あるいは接合により形成されている。
【0030】
ハウジング24aの内部は添加弁収納空間24cを形成し、中心部には尿素水添加弁6のノズル部6aを収納している。尿素水添加弁6は、空冷機構24の挿入口24dから挿入されて、尿素水添加弁6の基部に存在する段差部6bが、挿入口24dに配置されているリング状ストッパ24eに当接することで軸方向での位置決めがされている。
【0031】
添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cとの間には、円筒状の膨張黒鉛製シール26とリング状の樹脂製シール28とが配置されている。膨張黒鉛製シール26は樹脂製シール28よりも排気管12側に配置されている。このことにより尿素水添加弁6は、添加弁収納空間24cの内周面24fに直接接触することなく、その中心軸位置に位置決めされる。
【0032】
膨張黒鉛製シール26は、膨張黒鉛を円筒状に成形加工したものである。膨張黒鉛のみで構成する以外に、膨張黒鉛と金属箔や金属ネットなどとの複合材であっても良い。
樹脂製シール28は、尿素水添加弁6の外周面6cと添加弁収納空間24cの内周面24fとの間隙形状に対応させて、樹脂をリング状に成形したものである。この樹脂製シール28は、膨張黒鉛製シール26に対して、排気管12とは反対側に配置されて、排気が流れる排気管12の内部空間12aとは離れている。そして膨張黒鉛製シール26に対しては、樹脂製シール28は接触した状態で配置されている。
【0033】
〈実施の形態1の作用〉膨張黒鉛製シール26が、樹脂製シール28よりも、排気管12側に配置されていることで、破線の矢線にて示すごとく、ノズル部6aの先端部分が排気から受けた熱は、直ちに膨張黒鉛製シール26を介してハウジング24aに伝達される。そして冷却フィン24bから外気側へ放熱される。すなわち尿素水添加弁6は空冷機構24により空冷される。このため尿素水添加弁6の全体が高温とならない。
【0034】
樹脂製シール28についてもノズル部6a、膨張黒鉛製シール26、あるいはハウジング24aから伝熱される前に、破線の矢線のごとく熱流が生じて冷却フィン24bからほとんどの熱が放出されるので、樹脂製シール28は劣化するような過剰な高温にはならない。
【0035】
このように樹脂製シール28は過剰な高温とはならないが、膨張黒鉛製シール26の外側端部に接触していることから、ノズル部6aや排気から膨張黒鉛製シール26に伝熱された熱が、膨張黒鉛製シール26を軸方向に迅速に伝導して、樹脂製シール28に達する。この熱を受けて、樹脂製シール28は早期に昇温する。
【0036】
このため樹脂製シール28は内燃機関の運転を開始すると、迅速に熱膨張すると共に柔軟性が増加する。このことにより樹脂製シール28は、添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cとの間隙を迅速に充填し、内周面24fと外周面6cとに密着する。したがって常温時に樹脂製シール28がクリープ変形により添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cに対する密着性が低下していても、内燃機関運転時の迅速な加熱により、早期に充填性及び密着性が向上してシールとしての作用を十分に果たすことができる。
【0037】
樹脂製シール28において、膨張黒鉛製シール26と接触している側とは反対側では、空き空間24gが存在する。このことから、必要以上の樹脂製シール28の熱膨張については、その空き空間24gが熱膨張スペースとして、熱膨張した余剰の体積分を吸収する。
〈実施の形態1の効果〉(1)本実施の形態では排気の漏れや水の浸入を阻止するためのシール構造としては、オーリングでなく樹脂製シール28を用いている。このように樹脂製シール28であれば、オーリングと異なり、添加弁収納空間24cの内周面24f及び尿素水添加弁6の外周面6cの形状に適合させた形状に成形できる。
【0038】
このことにより添加弁収納空間24cの内周面24fの形状や尿素水添加弁6の外周面6cの形状が制約されていても、この制約された形状そのものを、図2に示したごとく十分にシール可能な座面として利用できる。
【0039】
このことにより形状的に制約がある添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cとの間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールすることができる。
【0040】
(2)添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cとの間では、樹脂製シール28よりも排気管12側に膨張黒鉛製シール26を配置している。このことで樹脂製シール28が、高温の排気から直接受熱しないようにできる。
【0041】
更に尿素水添加弁6の先端側が排気から受ける熱は、膨張黒鉛製シール26により迅速に空冷機構24に逃すことができ、尿素水添加弁6に熱害が及ばないようにできる。
(3)樹脂製シール28は膨張黒鉛製シール26に接触している。このことにより膨張黒鉛製シール26からの伝熱により熱害を生じない程度に樹脂製シール28を迅速に昇温できる。この昇温により樹脂製シールは膨張しかつ柔軟性が増加する。
【0042】
このことにより樹脂製シール28は、添加弁収納空間24cの内周面24fと尿素水添加弁6の外周面6cとの間隙を充填しかつ密着する。このことで確実なシール効果を果たすことができる。
【0043】
(4)樹脂製シール28に対して、空き空間24gが膨張黒鉛製シール26とは反対側に設けられている。このように空き空間24gが存在することで、この空き空間24gが熱膨張スペースとなり、熱膨張した樹脂製シール28に必要以上の変形や歪みを生じさせることがない。このため樹脂製シール28によるシール構造の耐久性を維持できる。
【0044】
[実施の形態2]
〈実施の形態2の構成〉本実施の形態では、図3に示すごとく、挿入口124d以外において、空冷機構124のハウジング124aの内周面124f,124iには、一段径が大きくなっている部分(内周面124i)が、挿入口124dに隣接した位置に存在する。
【0045】
この内周面124iの位置に、この内周面124iと尿素水添加弁106の外周面106cとの形状に対応した樹脂製シール128が配置されている。
2つの内周面124f,124iの間には段差124jが存在するため、樹脂製シール128は膨張黒鉛製シール126に接触することなく段差124j部分で支持されている。このことにより樹脂製シール128と膨張黒鉛製シール126との間には間隙124kが存在する。
【0046】
空冷機構124の他の構成、尿素水添加弁106及び排気管112の構成は前記実施の形態1と同じである。
〈実施の形態2の作用〉膨張黒鉛製シール126による尿素水添加弁106の冷却作用は前記実施の形態1で述べたごとくである。
【0047】
本実施の形態では、樹脂製シール128は膨張黒鉛製シール126に接触していないので、直接的な伝熱は膨張黒鉛製シール126からはなされない。この構成により膨張黒鉛製シール126が特に高温化するような位置に空冷機構124が配置されている場合に、間隙124kにより、必要以上に樹脂製シール128の温度が上がらないようにすることができる。
〈実施の形態2の効果〉(1)前記実施の形態1の効果の(3)以外は、前記実施の形態1と同様な効果を生じ、このことにより形状的に制約がある添加弁収納空間124cの内周面124iと尿素水添加弁106の外周面106cとの間の間隙を、耐久性に問題を生じることなくシールすることができる。
【0048】
(2)樹脂製シール128の高さにより、樹脂製シール128と膨張黒鉛製シール126との間の間隙124kの高さ調節ができる。このことにより、樹脂製シール128の耐熱性に対応した樹脂製シール128の温度調節が可能となる。したがって内燃機関運転時に、樹脂製シール128の耐熱性、熱膨張性、柔軟性といった材質に適合した昇温状態にすることができる。
【0049】
[その他の実施の形態]
・前記各実施の形態においては、尿素水添加弁6,106が添加するアンモニア系還元剤は、加水分解してアンモニアを発生する尿素水であったが、これ以外のアンモニア系還元剤としては、アンモニアガスでも良い。
【符号の説明】
【0050】
2…排気浄化装置、4…SCR触媒、6…尿素水添加弁、6a…ノズル部、6b…段差部、6c…外周面、8…尿素水タンク、10…圧送ポンプ、12…排気管、12a…内部空間、14…フィルタ、16…圧力調整弁、18…ECU、20…圧力センサ、24…空冷機構、24a…ハウジング、24b…冷却フィン、24c…添加弁収納空間、24d…挿入口、24e…リング状ストッパ、24f…内周面、24g…空き空間、26…膨張黒鉛製シール、28…樹脂製シール、106…尿素水添加弁、106c…外周面、112…排気管、124…空冷機構、124a…ハウジング、124c…添加弁収納空間、124d…挿入口、124f,124i…内周面、124j…段差、124k…間隙、126…膨張黒鉛製シール、128…樹脂製シール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア系還元剤を内燃機関の排気管内に添加する添加弁とこの添加弁を冷却状態で排気管に接続する冷却機構との間のシール構造であって、
前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に樹脂製シールを配置したことを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項2】
請求項1に記載の添加弁シール構造において、前記アンモニア系還元剤は、尿素水溶液であることを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項3】
請求項1に記載の添加弁シール構造において、前記アンモニア系還元剤は、アンモニアガスであることを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構は、添加弁を空気冷却するものであることを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に、前記樹脂製シールよりも前記排気管側に膨張黒鉛製シールを配置し、この膨張黒鉛製シールと前記樹脂製シールとを接触させたことを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項6】
請求項5に記載の添加弁シール構造において、前記冷却機構に形成された添加弁収納空間の内周面と前記添加弁の外周面との間に、前記樹脂製シールに対する熱膨張スペースが、前記膨張黒鉛製シールとは反対側に設けられていることを特徴とする添加弁シール構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の添加弁シール構造において、前記排気管は、前記添加弁より下流に窒素酸化物浄化用触媒を配置し、この窒素酸化物浄化用触媒にて前記アンモニア系還元剤が還元作用を生じるものであることを特徴とする添加弁シール構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−87662(P2013−87662A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227186(P2011−227186)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】