清掃具
【課題】長手状の清掃ヘッドに回動可能に連結された長手状の柄を備える清掃具において、構造の簡素化を図りつつ、ヘッド本体に沿う倒れ回動位置をとる柄を保持することが可能な清掃具を提供する。
【解決手段】本発明の清掃具1は、長手状に延びるヘッド本体100に掃毛101を支持してなる清掃ヘッド10と、清掃ヘッド10に連結された長手状の柄11と、を備える。柄11は、その一端においてヘッド本体100に対してその短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能である。ヘッド本体100は、柄11をヘッド本体100に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段(段部100cおよびおよび凸部100g)を備える。
【解決手段】本発明の清掃具1は、長手状に延びるヘッド本体100に掃毛101を支持してなる清掃ヘッド10と、清掃ヘッド10に連結された長手状の柄11と、を備える。柄11は、その一端においてヘッド本体100に対してその短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能である。ヘッド本体100は、柄11をヘッド本体100に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段(段部100cおよびおよび凸部100g)を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば床面などの掃除に使用される清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、床面などの掃き掃除用の清掃具は、長手状の清掃ヘッドと、この清掃ヘッドに連結される柄とを備えており、柄の先端が清掃ヘッドに回動可能に連結されたものが知られている。箒として構成される清掃具の場合、清掃ヘッドは、多数本の掃毛が長手状に延びるヘッド本体に植設された構成とされている。上記構成の清掃具は、不使用時には、たとえば壁に立て掛けるなどして柄が上下方向に延びる状態で保管される。このとき、清掃ヘッドは、長手方向全長域が床面に沿う姿勢とされており、比較的に多くのスペースを占有してしまう。また、柄およびヘッド本体の重量が掃毛に作用するので、掃毛が変形する虞れがある。
【0003】
これに対し、柄をヘッド本体に対して所望の角度でロック可能なロック機構を備えた構成が知られている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された清掃具においては、同文献の図1および図2によく表れているように、ヘッド本体(取付部11)側には、外周部に複数の凸部(4)を有する板状連結部(12)が設けられ、柄の一端には、上記凸部(4)と係合しうる凹部(55)を有するピストン部(51)が設けられている。ピストン部(51)は、柄の長手方向に沿ってスライド可能とされており、ヘッド本体側に進出して凹部(55)がいずれかの凸部(4)に係合するロック状態と、ヘッド本体から退避して凹部(55)が凸部(4)に係合しないアンロック状態とをとることができる。かかる構成によれば、たとえば柄をヘッド本体(取付部11ないしヘッドC)に沿う倒れ回動位置でロック(保持)することができ、たとえば清掃具の不使用時には、このロック状態をとったまま柄が上下方向に延びる状態で保管すれば、比較的占有スペースを小さくすることができる。
【0004】
しかしながら、上記従来のロック機構を備えた清掃具においては、当該柄のロック機構に係る構造(ヘッド本体と柄との連結部の構造)が比較的に複雑であり、この連結部の大型化を招いていた。また、倒れ回動位置をとる柄について、ロック状態とアンロック状態との切り替え操作が煩わしかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−17640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、長手状の清掃ヘッドに回動可能に連結された長手状の柄を備える清掃具において、構造の簡素化を図りつつ、ヘッド本体に沿う倒れ回動位置をとる柄を保持することが可能な清掃具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明によって提供される清掃具は、長手状に延びるヘッド本体に所定の払拭部材または掃毛を支持してなる清掃ヘッドと、上記清掃ヘッドに連結された長手状の柄と、を備える清掃具であって、上記柄は、その一端において上記ヘッド本体に対してその短手方向に延びる回動軸を中心として回動可能であり、上記ヘッド本体は、上記柄を上記ヘッド本体に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段を備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成の清掃具によれば、ヘッド本体は、それ自体が柄をヘッド本体に沿う倒れ回動位置で係止して保持する柄保持手段を備えることから、柄を倒れ回動位置で保持するための構造を比較的簡単にすることができる。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記柄保持手段は、上記柄が上記倒れ回動位置をとるときに上記柄の倒れ方向の回動を規制するストッパと、上記柄が上記倒れ回動位置をとるまで回動する直前に弾性的に乗り越える凸部とにより構成される。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄は、ストッパにより倒れ方向への回動が規制され、かつ凸部により倒れ方向とは反対側の戻り方向への回動が規制される。したがって、比較的簡単な構造および操作をもって、倒れ回動位置をとる柄がヘッド本体により適切に保持される。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記ヘッド本体は、上記回動軸の延びる方向についての幅が相対的に狭い幅狭部と、上記幅が相対的に広い幅広部とを備えており、上記柄は上記幅狭部において回動可能に連結されているとともに、上記幅狭部と上記幅広部との境界の段部が上記ストッパを構成しており、かつ、上記凸部は上記幅狭部の側面に形成されている。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記幅狭部と、上記幅広部は、上記ヘッド本体の長手方向全長にわたって設けられている。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記柄は、上記幅狭部の長手方向中央部付近において回動可能に連結されており、上記凸部は、上記幅狭部の長手方向両端部付近に設けられている。このような構成によれば、柄を、ヘッド本体の長手方向両側のいずれの方向に倒してもヘッド本体に沿うように保持させることができるので、使い勝手がよい。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記柄は、少なくとも上記一端から所定長さの範囲において、上記幅狭部を挟んで位置する1対の棒状部を備えており、上記ストッパおよび上記凸部は、上記幅狭部の上記短手方向両側に設けられている。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄を、より適確に保持することができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る清掃具の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】柄が倒れ回動位置をとるときの、図1のIV−IV線に沿う部分拡大断面図である。
【図5】図1に示した清掃具の一部を分解した状態を示す部分拡大正面図である。
【図6】図1に示した清掃具の一部を分解した状態を示す図2と同様の図である。
【図7】図1に示した清掃具の保管状態を示す正面図である。
【図8】図1に示した清掃具を、この清掃具を保管するための支持体に支持させた場合の一例を示す斜視図である。
【図9】図8に示した清掃具および支持体の正面図である。
【図10】図8に示した支持体の斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図8のXII−XII線に沿う部分拡大断面図である。
【図13】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【図14】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【図15】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜図6は、本発明に係る清掃具の一例を示している。図1〜図3に表れているように、本実施形態の清掃具1は、清掃ヘッド10と、この清掃ヘッド10に連結された長手状の柄11とを備え、箒として構成されたものである。
【0019】
清掃ヘッド10は、一定方向に延びる長手状のヘッド本体100と、このヘッド本体100に支持される多数本の掃毛101と、柄11を連結するためのキャップ102とを備えている。
【0020】
ヘッド本体100は、たとえばABS樹脂などの合成樹脂により一体形成されたものであり、幅狭部100Aと、この幅狭部100Aにつながる幅広部100Bとを具備する柱状とされている。幅狭部100Aは、短手方向の幅が相対的に狭くされており、幅広部100Bは、短手方向の幅が相対的に広くされている。幅狭部100Aおよび幅広部100Bは、長手方向全長にわたって設けられている。
【0021】
幅狭部100Aと幅広部100Bとの境界には、短手方向の両側において傾斜状の段部100cが形成されている。段部100cは、柄11の倒れ方向の回動を規制するためのものであり、本発明でいうストッパを構成している。なお、段部100cは、本実施形態では傾斜状とされているが、これに代えて、幅狭部100Aおよび幅広部100Bの側面に対して略垂直としてもよい。
【0022】
ヘッド本体100の長手方向中央部には、キャップ取付部100dが設けられている。図5および図6に表れているように、キャップ取付部100dは、ヘッド本体100の短手方向の両側に突出する係止突起100eと、上記短手方向に沿って形成された断面半円形の凹部100fとを有する。
【0023】
図3によく表れているように、幅狭部100Aの長手方向両端部付近には、幅狭部100Aの短手方向の両側面において凸部100gが形成されている。詳細は後述するが、これら凸部100gおよび上記した段部100cは、柄11を係止して保持するためのものであり、本発明でいう柄保持手段を構成している。また、幅狭部100Aの長手方向両端部の端面には、突起100hが形成されている。突起100hの意義については後述する。
【0024】
掃毛101は、たとえばナイロンなどの合成樹脂製の繊維からなり、所定本ずつ束ねた状態で幅広部100Bの下面に植設されている。
【0025】
キャップ102は、キャップ取付部100dに取り付けられることにより、キャップ取付部100dと協働して柄11を回動可能に支持するものである。図5および図6に表れているように、キャップ102は、キャップ取付部100dの係止突起100eに係止させられる複数の係止爪102aと、断面半円形の凹部102bとを有し、たとえば弾性変形可能な合成樹脂製である。キャップ102は、後述する柄11の連結軸部111aをキャップ取付部100dの凹部100fに嵌めた状態でキャップ取付部100dに押し込むことにより、係止爪102aが係止突起100eに係合し、キャップ取付部100dに固定される。
【0026】
図1〜図3に表れているように、柄11は、基端側を占める把持部110と、中間ないし先端側を占める柄本体部111とを備えて構成されている。把持部110は、たとえばABS樹脂などの合成樹脂からなる。柄本体部111は、たとえばステンレスなどの金属材料からなる丸棒を折り曲げて形成されたものであり、先端に位置する連結軸部111aと、この連結軸部111aの両端から長手方向に延びる一対の棒状部111bとを有する。これら棒状部111bは、先端から所定長さの範囲において所定の間隔を隔てられており、ヘッド本体100の幅狭部100Aを挟んで位置する。一方、一対の棒状部111bの基端寄りの部分は、基端に向かうにつれて近接させられている。柄本体部111の基端は、たとえばインサート成形によって把持部110に一体に埋設されている。
【0027】
図2から理解されるように、連結軸部111aは、キャップ102がヘッド本体100に取り付けられた状態において、断面半円形の凹部102b,100fにより回転自在に支持される。これにより、柄11は、ヘッド本体100に対して、その短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能に連結されている。
【0028】
図2または図4に表れているように、一対の棒状部111bにおいて、柄11が回動したときにヘッド本体100の長手方向両端部付近に対応する部分の自然状態における間隔L1は、幅狭部100Aの短手方向両側面に設けられた凸部100gの先端どうしの間隔L2よりも少し小さくなっている。これにより、柄11を倒れ方向に回動させると、一対の棒状部111bは、弾性変形を伴いながら凸部100gを乗り越え、図4に示すように、倒れ回動位置をとる。このとき、柄11は、ヘッド本体100に沿っており、段部100c(ストッパ)により係止されて倒れ方向への回動が規制されるとともに、凸部100gにより係止されて倒れ方向とは反対側の戻り方向への回動が規制される。なお、図1および図3においては、柄11が倒れ回動位置をとる状態を仮想線で表している。
【0029】
次に、上記した清掃具1の作用について説明する。
【0030】
本実施形態の清掃具1において、ヘッド本体100は、それ自体が柄11をヘッド本体100に沿う倒れ回動位置で係止して保持する柄保持手段(段部100cおよび凸部100g)を備えている。このため、本実施形態と異なり、たとえばヘッド本体と柄との連結部にロック機構を設ける場合に比べて、柄11を倒れ回動位置で保持するための構造を比較的簡単にすることができる。
【0031】
図7に示すように、たとえば、柄11が倒れ回動位置をとる清掃具1を壁に吊るすなどして保管すれば、柄11が上下方向に延びる状態であり、かつヘッド本体100が柄11に沿うことから、清掃具1の保管に係る占有スペースを小さくすることができる。
【0032】
柄11は、倒れ方向へ回動させられると、倒れ回動位置をとる直前に凸部100gを弾性的に乗り越える。そして、図4を参照して上述したように、倒れ回動位置をとる柄11は、段部100c(ストッパ)により倒れ方向への回動が規制され、凸部100gにより戻り方向への回動が規制される。かかる構成によれば、比較的簡単な構造および操作をもって、倒れ回動位置をとる柄11がヘッド本体100により適切に保持される。
【0033】
柄11は、ヘッド本体100の幅狭部100Aの長手方向中央部付近において、ヘッド本体100の短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能に連結されている。そして、凸部100gは、幅狭部100Aの長手方向両端部付近に設けられている。これにより、柄100は、ヘッド本体100の長手方向両側のいずれの方向に倒してもヘッド本体100に沿うように保持させられるので、使い勝手がよい。
【0034】
また、柄11は、倒れ回動位置をとるとき、幅狭部100Aおよび幅広部100Bの境界の段部100cと、幅狭部100Aの側面に形成された凸部100gとにより、いずれの方向への回動も規制されている。このとき、図1に表れているように、柄11は、正面視においてヘッド本体100に重なる位置にある。したがって、柄11が倒れ回動位置をとるときに、清掃ヘッド10ないし柄11の高さ方向(図1における上下方向)の寸法を小さくすることができる。このことは、図7に表された清掃具1の横方向の寸法を小さくするうえで好適であり、保管時等における清掃具1の占有スペースの狭小化に資する。
【0035】
さらに、柄11は、幅狭部100Aを挟んで位置する一対の棒状部111bを備えており、段部100cおよび凸部100gは、幅狭部100Aの短手方向両側に設けられている。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄11を、より適確に保持することができる。
【0036】
次に、上記構成の清掃具1を、この清掃具1を保管するための支持体に支持させる場合の一例について、図8および図9を参照して説明する。
【0037】
図8は、清掃具1を支持体2に支持させた状態を示す斜視図であり、図9は、図8に表された清掃具1および支持体2の正面図である。図10は、図8に示す支持体2の斜視図である。図11は、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0038】
支持体2は、図10および図11に表れているように、底板20と、3つの側板21,22,23とを備え、各部の厚みが略一定となるようにして、たとえばABS樹脂などの合成樹脂により一体形成されたものである。
【0039】
底板20は、図9および図10から理解されるように、概略長矩形の外形を有している。また、図8および図10に表れているように、底板20は、外側に凸の湾曲状とされている。
【0040】
側板21,22は、底板20の長手方向の両端縁からそれぞれ立ち上がっており、互いに対向している。底板20の長手寸法は、ヘッド本体100の長手寸法に対応させられている。本実施形態では、側板21,22の間隔L3は、清掃具1のヘッド本体100の長手寸法L4より大とされている(図9参照)。これにより、ヘッド本体100は、その長手軸が底板20の長手方向に沿う状態で側板21,22の間に位置することが可能となっている。
【0041】
側板21,22には、溝部21a,22aが設けられている。溝部21aは、底板20と反対側の縁に開放部21bを有し、底板20に向けて緩やかな曲線状となるように形成されている。これと同様に、溝部22aも底板20と反対側の縁に開放部22bを有し、底板20に向けて曲線状に形成されている。これら溝部21a,22aは、ほぼ一定の幅とされているとともに、互いに対向する位置に設けられている。
【0042】
溝部21a,22aの幅L5は、柄11の棒状部111bの直径D1よりも大とされている(図2および図11参照)。これにより、棒状部111b(柄11)は、開放部21b,22bを通じて溝部21a,22aに進入することができる。また、溝部21a,22aの幅L5は、清掃具1のヘッド本体100に設けられた突起100hの長さL6よりも大とされている(図1参照)。これにより、各突起100hは、溝部22a(21a)に進入可能となっている(図12参照)。
【0043】
側板23は、底板20の短手方向における一方の縁から延びており、外側に凸の湾曲状とされている。この側板23において、底板20の長手方向の両端縁が側板21,22につながっている。
【0044】
上記構成の支持体2は、底板20の4つの縁のうち、側板21,22,23が設けられていない縁20aをゴミ等の掃き入れ縁とする、ちり取りとして使用可能に構成されたものである。
【0045】
上記構成の清掃具1および支持体2によれば、たとえば清掃具1の不使用時には、図8および図9に示すように、支持体2を、側板21が上位となるように床面に立てて置き、清掃具1の柄11を、ヘッド本体100に沿う倒れ回動位置をとらせたまま上下に沿う姿勢で側板21の溝部21aに進入させる。これにより、清掃具1は、ヘッド本体100(清掃ヘッド10)が側板21,22間に位置して支持体2に収容された状態で、支持体2に支持される。このとき、支持体2に収容された清掃ヘッド10については、ヘッド本体100の長手軸が上下に沿っており、横方向の寸法が比較的に小である。これに伴い、当該清掃ヘッド10を収容する支持体2についても横方向の寸法を小さくすることができる。したがって、保管時等において清掃具1および支持体2の占有スペースを小さくすることができる。
【0046】
支持体2の側板21に設けられた溝部21aは、底板20と反対側の縁に開放部21bを有している。これにより、清掃具1の不使用時には、倒れ回動位置をとる柄11を掴み、当該柄11を、開放部21bを通じて溝部21aに進入させ、底板20に近づけるという簡単な操作により、清掃ヘッド10が支持体2の側板21,22の間に収容されて、清掃具1を支持体2に支持させることができる。また、清掃具1を使用する際には、清掃具1の柄11を掴み、当該柄11を、底板20から遠ざけて開放部21bを通過するように引き出すという簡単な操作により、清掃具1を支持体2から分離することができる。このように、上記構成の清掃具1および支持体2によれば、支持体2において可動部等を必要としないので、清掃具1の支持構造の簡素化が図られており、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作は、清掃具1の柄11だけを掴むことにより行うことができる。
【0047】
ヘッド本体100は、柄11を倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段(段部100cおよび凸部100g)を備えるため、柄11は倒れ回動位置を適切にとり続けることができ、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作を安定して行うことができる。また、清掃具1が支持体2に支持された状態において、柄11と清掃ヘッド10とが不用意に相対回動することは防止される。
【0048】
さらに、清掃具1におけるヘッド本体100の長手方向両端部には、溝部22a(21a)に進入可能な突起100hが設けられている(図12参照)。これにより、柄11が倒れ回動位置をとるとき、柄11の基端に対して遠くに位置する、ヘッド本体100の長手方向端部を、溝部22a(21a)に沿ってスライドさせることができ、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作をスムーズに行うことができる。また、溝部22a(21a)に突起100hが嵌まる構成によれば、清掃具1が支持体2に支持される際の位置決めを図ることができる。
【0049】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る清掃具の各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
上記実施形態においては、柄保持手段を担う段部100cおよび凸部100gは、ヘッド本体100の短手方向両側に設けられていたが、これに限定されない。たとえば図13を参照すると理解されるように、段部100cおよび凸部100gをヘッド本体100の短手方向の一方側にのみ設けた構成としてもよい。
【0051】
上記実施形態において、柄11は、清掃ヘッド10の幅狭部100Aを挟んで位置する一対の棒状部111bを具備する構成とされていたが、これに限定されない。柄としては、たとえば図14を参照すると理解されるように、単一の棒状部111b’を具備する構成としてもよい。
【0052】
上記実施形態においては、柄保持手段として段部100cおよび凸部100gを有する構成例について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば図15を参照すると理解されるように、柄保持手段を口が開いたクランプ100iにより構成し、当該クランプ100iにより倒れ回動位置をとる柄(棒状部111b)を保持してもよい。
【0053】
上記実施形態では、柄11は、ヘッド本体100の長手方向中央部付近において回動可能に連結されていたが、これに代えて、ヘッド本体100の長手方向の端部付近において回動可能に連結される構成としてもよい。
【0054】
上記実施形態では、箒として構成された清掃具1を例に挙げて説明したが、清掃具としては、たとえば布製の払拭部材を具備してなる、箒以外の構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
O1 回動軸
1 清掃具
10 清掃ヘッド
100 ヘッド本体
100A 幅狭部
100B 幅広部
100c 段部(ストッパ)
100g 凸部
100h 突起
101 掃毛
2 支持体
20 底板
21 側板
21a 溝部
21b 開放部
22 側板
22a 溝部
22b 開放部
23 側板
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば床面などの掃除に使用される清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、床面などの掃き掃除用の清掃具は、長手状の清掃ヘッドと、この清掃ヘッドに連結される柄とを備えており、柄の先端が清掃ヘッドに回動可能に連結されたものが知られている。箒として構成される清掃具の場合、清掃ヘッドは、多数本の掃毛が長手状に延びるヘッド本体に植設された構成とされている。上記構成の清掃具は、不使用時には、たとえば壁に立て掛けるなどして柄が上下方向に延びる状態で保管される。このとき、清掃ヘッドは、長手方向全長域が床面に沿う姿勢とされており、比較的に多くのスペースを占有してしまう。また、柄およびヘッド本体の重量が掃毛に作用するので、掃毛が変形する虞れがある。
【0003】
これに対し、柄をヘッド本体に対して所望の角度でロック可能なロック機構を備えた構成が知られている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された清掃具においては、同文献の図1および図2によく表れているように、ヘッド本体(取付部11)側には、外周部に複数の凸部(4)を有する板状連結部(12)が設けられ、柄の一端には、上記凸部(4)と係合しうる凹部(55)を有するピストン部(51)が設けられている。ピストン部(51)は、柄の長手方向に沿ってスライド可能とされており、ヘッド本体側に進出して凹部(55)がいずれかの凸部(4)に係合するロック状態と、ヘッド本体から退避して凹部(55)が凸部(4)に係合しないアンロック状態とをとることができる。かかる構成によれば、たとえば柄をヘッド本体(取付部11ないしヘッドC)に沿う倒れ回動位置でロック(保持)することができ、たとえば清掃具の不使用時には、このロック状態をとったまま柄が上下方向に延びる状態で保管すれば、比較的占有スペースを小さくすることができる。
【0004】
しかしながら、上記従来のロック機構を備えた清掃具においては、当該柄のロック機構に係る構造(ヘッド本体と柄との連結部の構造)が比較的に複雑であり、この連結部の大型化を招いていた。また、倒れ回動位置をとる柄について、ロック状態とアンロック状態との切り替え操作が煩わしかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−17640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、長手状の清掃ヘッドに回動可能に連結された長手状の柄を備える清掃具において、構造の簡素化を図りつつ、ヘッド本体に沿う倒れ回動位置をとる柄を保持することが可能な清掃具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明によって提供される清掃具は、長手状に延びるヘッド本体に所定の払拭部材または掃毛を支持してなる清掃ヘッドと、上記清掃ヘッドに連結された長手状の柄と、を備える清掃具であって、上記柄は、その一端において上記ヘッド本体に対してその短手方向に延びる回動軸を中心として回動可能であり、上記ヘッド本体は、上記柄を上記ヘッド本体に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段を備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成の清掃具によれば、ヘッド本体は、それ自体が柄をヘッド本体に沿う倒れ回動位置で係止して保持する柄保持手段を備えることから、柄を倒れ回動位置で保持するための構造を比較的簡単にすることができる。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記柄保持手段は、上記柄が上記倒れ回動位置をとるときに上記柄の倒れ方向の回動を規制するストッパと、上記柄が上記倒れ回動位置をとるまで回動する直前に弾性的に乗り越える凸部とにより構成される。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄は、ストッパにより倒れ方向への回動が規制され、かつ凸部により倒れ方向とは反対側の戻り方向への回動が規制される。したがって、比較的簡単な構造および操作をもって、倒れ回動位置をとる柄がヘッド本体により適切に保持される。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記ヘッド本体は、上記回動軸の延びる方向についての幅が相対的に狭い幅狭部と、上記幅が相対的に広い幅広部とを備えており、上記柄は上記幅狭部において回動可能に連結されているとともに、上記幅狭部と上記幅広部との境界の段部が上記ストッパを構成しており、かつ、上記凸部は上記幅狭部の側面に形成されている。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記幅狭部と、上記幅広部は、上記ヘッド本体の長手方向全長にわたって設けられている。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記柄は、上記幅狭部の長手方向中央部付近において回動可能に連結されており、上記凸部は、上記幅狭部の長手方向両端部付近に設けられている。このような構成によれば、柄を、ヘッド本体の長手方向両側のいずれの方向に倒してもヘッド本体に沿うように保持させることができるので、使い勝手がよい。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記柄は、少なくとも上記一端から所定長さの範囲において、上記幅狭部を挟んで位置する1対の棒状部を備えており、上記ストッパおよび上記凸部は、上記幅狭部の上記短手方向両側に設けられている。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄を、より適確に保持することができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る清掃具の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】柄が倒れ回動位置をとるときの、図1のIV−IV線に沿う部分拡大断面図である。
【図5】図1に示した清掃具の一部を分解した状態を示す部分拡大正面図である。
【図6】図1に示した清掃具の一部を分解した状態を示す図2と同様の図である。
【図7】図1に示した清掃具の保管状態を示す正面図である。
【図8】図1に示した清掃具を、この清掃具を保管するための支持体に支持させた場合の一例を示す斜視図である。
【図9】図8に示した清掃具および支持体の正面図である。
【図10】図8に示した支持体の斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図8のXII−XII線に沿う部分拡大断面図である。
【図13】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【図14】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【図15】本発明に係る清掃具の他の例を示す図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜図6は、本発明に係る清掃具の一例を示している。図1〜図3に表れているように、本実施形態の清掃具1は、清掃ヘッド10と、この清掃ヘッド10に連結された長手状の柄11とを備え、箒として構成されたものである。
【0019】
清掃ヘッド10は、一定方向に延びる長手状のヘッド本体100と、このヘッド本体100に支持される多数本の掃毛101と、柄11を連結するためのキャップ102とを備えている。
【0020】
ヘッド本体100は、たとえばABS樹脂などの合成樹脂により一体形成されたものであり、幅狭部100Aと、この幅狭部100Aにつながる幅広部100Bとを具備する柱状とされている。幅狭部100Aは、短手方向の幅が相対的に狭くされており、幅広部100Bは、短手方向の幅が相対的に広くされている。幅狭部100Aおよび幅広部100Bは、長手方向全長にわたって設けられている。
【0021】
幅狭部100Aと幅広部100Bとの境界には、短手方向の両側において傾斜状の段部100cが形成されている。段部100cは、柄11の倒れ方向の回動を規制するためのものであり、本発明でいうストッパを構成している。なお、段部100cは、本実施形態では傾斜状とされているが、これに代えて、幅狭部100Aおよび幅広部100Bの側面に対して略垂直としてもよい。
【0022】
ヘッド本体100の長手方向中央部には、キャップ取付部100dが設けられている。図5および図6に表れているように、キャップ取付部100dは、ヘッド本体100の短手方向の両側に突出する係止突起100eと、上記短手方向に沿って形成された断面半円形の凹部100fとを有する。
【0023】
図3によく表れているように、幅狭部100Aの長手方向両端部付近には、幅狭部100Aの短手方向の両側面において凸部100gが形成されている。詳細は後述するが、これら凸部100gおよび上記した段部100cは、柄11を係止して保持するためのものであり、本発明でいう柄保持手段を構成している。また、幅狭部100Aの長手方向両端部の端面には、突起100hが形成されている。突起100hの意義については後述する。
【0024】
掃毛101は、たとえばナイロンなどの合成樹脂製の繊維からなり、所定本ずつ束ねた状態で幅広部100Bの下面に植設されている。
【0025】
キャップ102は、キャップ取付部100dに取り付けられることにより、キャップ取付部100dと協働して柄11を回動可能に支持するものである。図5および図6に表れているように、キャップ102は、キャップ取付部100dの係止突起100eに係止させられる複数の係止爪102aと、断面半円形の凹部102bとを有し、たとえば弾性変形可能な合成樹脂製である。キャップ102は、後述する柄11の連結軸部111aをキャップ取付部100dの凹部100fに嵌めた状態でキャップ取付部100dに押し込むことにより、係止爪102aが係止突起100eに係合し、キャップ取付部100dに固定される。
【0026】
図1〜図3に表れているように、柄11は、基端側を占める把持部110と、中間ないし先端側を占める柄本体部111とを備えて構成されている。把持部110は、たとえばABS樹脂などの合成樹脂からなる。柄本体部111は、たとえばステンレスなどの金属材料からなる丸棒を折り曲げて形成されたものであり、先端に位置する連結軸部111aと、この連結軸部111aの両端から長手方向に延びる一対の棒状部111bとを有する。これら棒状部111bは、先端から所定長さの範囲において所定の間隔を隔てられており、ヘッド本体100の幅狭部100Aを挟んで位置する。一方、一対の棒状部111bの基端寄りの部分は、基端に向かうにつれて近接させられている。柄本体部111の基端は、たとえばインサート成形によって把持部110に一体に埋設されている。
【0027】
図2から理解されるように、連結軸部111aは、キャップ102がヘッド本体100に取り付けられた状態において、断面半円形の凹部102b,100fにより回転自在に支持される。これにより、柄11は、ヘッド本体100に対して、その短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能に連結されている。
【0028】
図2または図4に表れているように、一対の棒状部111bにおいて、柄11が回動したときにヘッド本体100の長手方向両端部付近に対応する部分の自然状態における間隔L1は、幅狭部100Aの短手方向両側面に設けられた凸部100gの先端どうしの間隔L2よりも少し小さくなっている。これにより、柄11を倒れ方向に回動させると、一対の棒状部111bは、弾性変形を伴いながら凸部100gを乗り越え、図4に示すように、倒れ回動位置をとる。このとき、柄11は、ヘッド本体100に沿っており、段部100c(ストッパ)により係止されて倒れ方向への回動が規制されるとともに、凸部100gにより係止されて倒れ方向とは反対側の戻り方向への回動が規制される。なお、図1および図3においては、柄11が倒れ回動位置をとる状態を仮想線で表している。
【0029】
次に、上記した清掃具1の作用について説明する。
【0030】
本実施形態の清掃具1において、ヘッド本体100は、それ自体が柄11をヘッド本体100に沿う倒れ回動位置で係止して保持する柄保持手段(段部100cおよび凸部100g)を備えている。このため、本実施形態と異なり、たとえばヘッド本体と柄との連結部にロック機構を設ける場合に比べて、柄11を倒れ回動位置で保持するための構造を比較的簡単にすることができる。
【0031】
図7に示すように、たとえば、柄11が倒れ回動位置をとる清掃具1を壁に吊るすなどして保管すれば、柄11が上下方向に延びる状態であり、かつヘッド本体100が柄11に沿うことから、清掃具1の保管に係る占有スペースを小さくすることができる。
【0032】
柄11は、倒れ方向へ回動させられると、倒れ回動位置をとる直前に凸部100gを弾性的に乗り越える。そして、図4を参照して上述したように、倒れ回動位置をとる柄11は、段部100c(ストッパ)により倒れ方向への回動が規制され、凸部100gにより戻り方向への回動が規制される。かかる構成によれば、比較的簡単な構造および操作をもって、倒れ回動位置をとる柄11がヘッド本体100により適切に保持される。
【0033】
柄11は、ヘッド本体100の幅狭部100Aの長手方向中央部付近において、ヘッド本体100の短手方向に延びる回動軸O1を中心として回動可能に連結されている。そして、凸部100gは、幅狭部100Aの長手方向両端部付近に設けられている。これにより、柄100は、ヘッド本体100の長手方向両側のいずれの方向に倒してもヘッド本体100に沿うように保持させられるので、使い勝手がよい。
【0034】
また、柄11は、倒れ回動位置をとるとき、幅狭部100Aおよび幅広部100Bの境界の段部100cと、幅狭部100Aの側面に形成された凸部100gとにより、いずれの方向への回動も規制されている。このとき、図1に表れているように、柄11は、正面視においてヘッド本体100に重なる位置にある。したがって、柄11が倒れ回動位置をとるときに、清掃ヘッド10ないし柄11の高さ方向(図1における上下方向)の寸法を小さくすることができる。このことは、図7に表された清掃具1の横方向の寸法を小さくするうえで好適であり、保管時等における清掃具1の占有スペースの狭小化に資する。
【0035】
さらに、柄11は、幅狭部100Aを挟んで位置する一対の棒状部111bを備えており、段部100cおよび凸部100gは、幅狭部100Aの短手方向両側に設けられている。このような構成によれば、倒れ回動位置をとる柄11を、より適確に保持することができる。
【0036】
次に、上記構成の清掃具1を、この清掃具1を保管するための支持体に支持させる場合の一例について、図8および図9を参照して説明する。
【0037】
図8は、清掃具1を支持体2に支持させた状態を示す斜視図であり、図9は、図8に表された清掃具1および支持体2の正面図である。図10は、図8に示す支持体2の斜視図である。図11は、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0038】
支持体2は、図10および図11に表れているように、底板20と、3つの側板21,22,23とを備え、各部の厚みが略一定となるようにして、たとえばABS樹脂などの合成樹脂により一体形成されたものである。
【0039】
底板20は、図9および図10から理解されるように、概略長矩形の外形を有している。また、図8および図10に表れているように、底板20は、外側に凸の湾曲状とされている。
【0040】
側板21,22は、底板20の長手方向の両端縁からそれぞれ立ち上がっており、互いに対向している。底板20の長手寸法は、ヘッド本体100の長手寸法に対応させられている。本実施形態では、側板21,22の間隔L3は、清掃具1のヘッド本体100の長手寸法L4より大とされている(図9参照)。これにより、ヘッド本体100は、その長手軸が底板20の長手方向に沿う状態で側板21,22の間に位置することが可能となっている。
【0041】
側板21,22には、溝部21a,22aが設けられている。溝部21aは、底板20と反対側の縁に開放部21bを有し、底板20に向けて緩やかな曲線状となるように形成されている。これと同様に、溝部22aも底板20と反対側の縁に開放部22bを有し、底板20に向けて曲線状に形成されている。これら溝部21a,22aは、ほぼ一定の幅とされているとともに、互いに対向する位置に設けられている。
【0042】
溝部21a,22aの幅L5は、柄11の棒状部111bの直径D1よりも大とされている(図2および図11参照)。これにより、棒状部111b(柄11)は、開放部21b,22bを通じて溝部21a,22aに進入することができる。また、溝部21a,22aの幅L5は、清掃具1のヘッド本体100に設けられた突起100hの長さL6よりも大とされている(図1参照)。これにより、各突起100hは、溝部22a(21a)に進入可能となっている(図12参照)。
【0043】
側板23は、底板20の短手方向における一方の縁から延びており、外側に凸の湾曲状とされている。この側板23において、底板20の長手方向の両端縁が側板21,22につながっている。
【0044】
上記構成の支持体2は、底板20の4つの縁のうち、側板21,22,23が設けられていない縁20aをゴミ等の掃き入れ縁とする、ちり取りとして使用可能に構成されたものである。
【0045】
上記構成の清掃具1および支持体2によれば、たとえば清掃具1の不使用時には、図8および図9に示すように、支持体2を、側板21が上位となるように床面に立てて置き、清掃具1の柄11を、ヘッド本体100に沿う倒れ回動位置をとらせたまま上下に沿う姿勢で側板21の溝部21aに進入させる。これにより、清掃具1は、ヘッド本体100(清掃ヘッド10)が側板21,22間に位置して支持体2に収容された状態で、支持体2に支持される。このとき、支持体2に収容された清掃ヘッド10については、ヘッド本体100の長手軸が上下に沿っており、横方向の寸法が比較的に小である。これに伴い、当該清掃ヘッド10を収容する支持体2についても横方向の寸法を小さくすることができる。したがって、保管時等において清掃具1および支持体2の占有スペースを小さくすることができる。
【0046】
支持体2の側板21に設けられた溝部21aは、底板20と反対側の縁に開放部21bを有している。これにより、清掃具1の不使用時には、倒れ回動位置をとる柄11を掴み、当該柄11を、開放部21bを通じて溝部21aに進入させ、底板20に近づけるという簡単な操作により、清掃ヘッド10が支持体2の側板21,22の間に収容されて、清掃具1を支持体2に支持させることができる。また、清掃具1を使用する際には、清掃具1の柄11を掴み、当該柄11を、底板20から遠ざけて開放部21bを通過するように引き出すという簡単な操作により、清掃具1を支持体2から分離することができる。このように、上記構成の清掃具1および支持体2によれば、支持体2において可動部等を必要としないので、清掃具1の支持構造の簡素化が図られており、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作は、清掃具1の柄11だけを掴むことにより行うことができる。
【0047】
ヘッド本体100は、柄11を倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段(段部100cおよび凸部100g)を備えるため、柄11は倒れ回動位置を適切にとり続けることができ、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作を安定して行うことができる。また、清掃具1が支持体2に支持された状態において、柄11と清掃ヘッド10とが不用意に相対回動することは防止される。
【0048】
さらに、清掃具1におけるヘッド本体100の長手方向両端部には、溝部22a(21a)に進入可能な突起100hが設けられている(図12参照)。これにより、柄11が倒れ回動位置をとるとき、柄11の基端に対して遠くに位置する、ヘッド本体100の長手方向端部を、溝部22a(21a)に沿ってスライドさせることができ、支持体2に対する清掃具1の支持・分離操作をスムーズに行うことができる。また、溝部22a(21a)に突起100hが嵌まる構成によれば、清掃具1が支持体2に支持される際の位置決めを図ることができる。
【0049】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る清掃具の各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
上記実施形態においては、柄保持手段を担う段部100cおよび凸部100gは、ヘッド本体100の短手方向両側に設けられていたが、これに限定されない。たとえば図13を参照すると理解されるように、段部100cおよび凸部100gをヘッド本体100の短手方向の一方側にのみ設けた構成としてもよい。
【0051】
上記実施形態において、柄11は、清掃ヘッド10の幅狭部100Aを挟んで位置する一対の棒状部111bを具備する構成とされていたが、これに限定されない。柄としては、たとえば図14を参照すると理解されるように、単一の棒状部111b’を具備する構成としてもよい。
【0052】
上記実施形態においては、柄保持手段として段部100cおよび凸部100gを有する構成例について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば図15を参照すると理解されるように、柄保持手段を口が開いたクランプ100iにより構成し、当該クランプ100iにより倒れ回動位置をとる柄(棒状部111b)を保持してもよい。
【0053】
上記実施形態では、柄11は、ヘッド本体100の長手方向中央部付近において回動可能に連結されていたが、これに代えて、ヘッド本体100の長手方向の端部付近において回動可能に連結される構成としてもよい。
【0054】
上記実施形態では、箒として構成された清掃具1を例に挙げて説明したが、清掃具としては、たとえば布製の払拭部材を具備してなる、箒以外の構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
O1 回動軸
1 清掃具
10 清掃ヘッド
100 ヘッド本体
100A 幅狭部
100B 幅広部
100c 段部(ストッパ)
100g 凸部
100h 突起
101 掃毛
2 支持体
20 底板
21 側板
21a 溝部
21b 開放部
22 側板
22a 溝部
22b 開放部
23 側板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手状に延びるヘッド本体に所定の払拭部材または掃毛を支持してなる清掃ヘッドと、
上記清掃ヘッドに連結された長手状の柄と、を備える清掃具であって、
上記柄は、その一端において上記ヘッド本体に対してその短手方向に延びる回動軸を中心として回動可能であり、
上記ヘッド本体は、上記柄を上記ヘッド本体に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段を備えることを特徴とする、清掃具。
【請求項2】
上記柄保持手段は、上記柄が上記倒れ回動位置をとるときに上記柄の倒れ方向の回動を規制するストッパと、上記柄が上記倒れ回動位置をとるまで回動する直前に弾性的に乗り越える凸部とにより構成される、請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
上記ヘッド本体は、上記回動軸の延びる方向についての幅が相対的に狭い幅狭部と、上記幅が相対的に広い幅広部とを備えており、上記柄は上記幅狭部において回動可能に連結されているとともに、上記幅狭部と上記幅広部との境界の段部が上記ストッパを構成しており、かつ、上記凸部は上記幅狭部の側面に形成されている、請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
上記幅狭部と、上記幅広部は、上記ヘッド本体の長手方向全長にわたって設けられている、請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
上記柄は、上記幅狭部の長手方向中央部付近において回動可能に連結されており、上記凸部は、上記幅狭部の長手方向両端部付近に設けられている、請求項4に記載の清掃具。
【請求項6】
上記柄は、少なくとも上記一端から所定長さの範囲において、上記幅狭部を挟んで位置する1対の棒状部を備えており、上記ストッパおよび上記凸部は、上記幅狭部の上記短手方向両側に設けられている、請求項3ないし5のいずれかに記載の清掃具。
【請求項1】
長手状に延びるヘッド本体に所定の払拭部材または掃毛を支持してなる清掃ヘッドと、
上記清掃ヘッドに連結された長手状の柄と、を備える清掃具であって、
上記柄は、その一端において上記ヘッド本体に対してその短手方向に延びる回動軸を中心として回動可能であり、
上記ヘッド本体は、上記柄を上記ヘッド本体に沿う倒れ回動位置において係止して保持する柄保持手段を備えることを特徴とする、清掃具。
【請求項2】
上記柄保持手段は、上記柄が上記倒れ回動位置をとるときに上記柄の倒れ方向の回動を規制するストッパと、上記柄が上記倒れ回動位置をとるまで回動する直前に弾性的に乗り越える凸部とにより構成される、請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
上記ヘッド本体は、上記回動軸の延びる方向についての幅が相対的に狭い幅狭部と、上記幅が相対的に広い幅広部とを備えており、上記柄は上記幅狭部において回動可能に連結されているとともに、上記幅狭部と上記幅広部との境界の段部が上記ストッパを構成しており、かつ、上記凸部は上記幅狭部の側面に形成されている、請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
上記幅狭部と、上記幅広部は、上記ヘッド本体の長手方向全長にわたって設けられている、請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
上記柄は、上記幅狭部の長手方向中央部付近において回動可能に連結されており、上記凸部は、上記幅狭部の長手方向両端部付近に設けられている、請求項4に記載の清掃具。
【請求項6】
上記柄は、少なくとも上記一端から所定長さの範囲において、上記幅狭部を挟んで位置する1対の棒状部を備えており、上記ストッパおよび上記凸部は、上記幅狭部の上記短手方向両側に設けられている、請求項3ないし5のいずれかに記載の清掃具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−217859(P2011−217859A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88328(P2010−88328)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
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