説明

清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置

【課題】被清掃部材の清掃むらを抑制することができる清掃部材を得る。
【解決手段】清掃部材27は、芯材33と、芯材33に螺旋状に配置され帯電ロール25を清掃する発泡体35と、芯材33の軸方向で発泡体35の間に配置され、芯材33の径方向における高さが自由状態の発泡体35よりも低く、帯電ロール25と接触する接触部37と、を有している。ここで、清掃部材27が帯電ロール25の表面を清掃するとき、接触部37があることにより、帯電ロール25と芯材33が必要以上に近づくことが抑えられ、発泡体35と帯電ロール25の接触状態に差が生じにくくなり、清掃むらを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の帯電装置は、シャフトと、シャフトの両端にそれぞれ結合され帯電ローラの外周面と接触して帯電ローラから伝達される駆動力をシャフトに伝達するコロと、シャフトの軸線方向に沿って螺旋状に設けられたクリーニング部材とを有し、帯電ローラの外周面と接触するクリーニングローラが設けられている。
【0003】
特許文献2の帯電装置は、帯電ローラに接触して帯電ローラの表面を清掃する清掃部が形成されたクリーニングローラが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−070532号公報
【特許文献2】特開2008−304729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、被清掃部材の清掃むらを抑制することができる清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る清掃部材は、回転自在に支持される芯材と、前記芯材に螺旋状に配置され被清掃部材と接触して該被清掃部材に従動回転しながら該被清掃部材を清掃する清掃部と、前記芯材の軸方向で前記清掃部の間に配置され、前記芯材の径方向における高さが自由状態の前記清掃部よりも低く、前記被清掃部材と接触する接触部と、を有する。
【0007】
本発明の請求項2に係る清掃部材は、前記接触部が、前記芯材に対して螺旋状に配置されている。
【0008】
本発明の請求項3に係る清掃部材は、前記接触部が、前記芯材の軸方向及び周方向で間隔をあけて複数設けられている。
【0009】
本発明の請求項4に係る清掃部材は、前記接触部が、前記芯材に一体成形されている。
【0010】
本発明の請求項5に係る帯電装置は、回転して像保持体の外周面を帯電する帯電部材と、前記清掃部及び前記接触部が前記帯電部材の外周面に接触して、前記帯電部材の回転に伴って従動回転する請求項1〜4の何れか1項に記載の清掃部材と、を有する。
【0011】
本発明の請求項6に係る転写装置は、周回又は回転すると共に、被転写部材に現像剤像を転写する転写部材と、前記清掃部及び前記接触部が前記転写部材の外周面に接触して、前記転写部材の周回または回転に伴って従動回転する請求項1〜4の何れか1項に記載された清掃部材と、を有する。
【0012】
本発明の請求項7に係る組立体は、前記像保持体と、前記像保持体の外周面を帯電する請求項5に記載の帯電装置と、を有し、本体に対して交換可能に組み付けられる。
【0013】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、前記像保持体と、前記像保持体の外周面を帯電する請求項5に記載の帯電装置と、前記帯電部材によって帯電した前記像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、前記像保持体の外周面に形成された現像剤像を直接又は間接的に被転写部材に転写する転写手段と、を有する。
【0014】
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の外周面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電した前記像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、前記像保持体の外周面に形成された現像剤像を直接又は間接的に被転写部材に転写する請求項6に記載の転写装置と、を有する。
【0015】
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項7に記載の組立体と、前記組立体に設けられる帯電した像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、被清掃部材の清掃むらを抑制することができる。
【0017】
請求項2の発明は、接触部が芯材に対して螺旋状に配置されていない構成に比べて、被清掃部材の清掃むらを抑制することができる。
【0018】
請求項3の発明は、接触部が芯材の軸方向及び周方向で間隔をあけて複数設けられていない構成に比べて、被清掃部材の清掃むらを抑制することができる。
【0019】
請求項4の発明は、芯材と接触部とを別々に作製して組付ける構成に比べて、清掃部材の製造が簡単になる。
【0020】
請求項5の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、帯電部材による帯電性能を上げることができる。
【0021】
請求項6の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、転写部材による転写性能を上げることができる。
【0022】
請求項7の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、帯電部材による帯電性能を上げることができる。
【0023】
請求項8の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、良好な画像を得ることができる。
【0024】
請求項9の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、良好な画像を得ることができる。
【0025】
請求項10の発明は、接触部が芯材に接触しない構成に比べて、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る清掃部材、帯電装置及び交換カートリッジを示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る清掃部材等を示す正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る清掃部材を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る清掃部材を示す断面図である。
【図6】(A)本発明の第1実施形態に係る清掃部を示す断面図である。(B)本発明の第1実施形態に係る接触部を示す断面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)、(D)本発明の第1実施形態に係る清掃部材による帯電ロールの清掃状態を示す側面図である。
【図8】(A)、(B)本発明の第1実施形態に係る清掃部材の回転状態を示す正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の部分構成図である。
【図10】(A)、(B)本発明の第2実施形態に係る清掃部材の回転状態を示す正面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る清掃部材を示す正面図である。
【図12】(A)、(B)本発明の第3実施形態に係る清掃部材の回転状態を示す正面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る清掃部材を示す斜視図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る清掃部材及び転写ベルトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の第1実施形態に係る清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置の一例について説明する。
【0028】
図1には、第1実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、本体を構成する筐体10Aを有しており、筐体10Aの内部には、入力される画像データに対して画像処理を行なう画像処理部を含み画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部12が設けられている。また、筐体10Aの内部中央には、レーザ光LBによる露光を行う露光装置14が設けられている。ここで、制御部12の画像処理部では、入力された画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の階調データに処理するようになっており、処理された階調データは、露光装置14に送られるようになっている。
【0029】
露光装置14の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kが、水平方向に間隔をおいて配置されている。なお、以後は、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略して記載することがある。また、矢印UPは鉛直方向上方を示している。
【0030】
4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kは、すべて同様に構成されており、予め決められた速度で回転駆動される円柱状の像保持体の一例としての感光体18と、この感光体18の外周面を帯電する帯電装置20と、帯電した感光体18の外周面に露光装置14が露光することで形成された静電潜像を、予め決められた色のトナー(現像剤)で現像してトナー画像(現像剤像)として可視化する現像装置22と、感光体18の外周面を清掃する清掃装置24とを含んで構成されている。
【0031】
帯電装置20は、円柱状で感光体18の下側で回転可能に設けられ感光体18の外周面と接すると共に感光体18を帯電させる帯電部材及び被清掃部材の一例としての帯電ロール25と、帯電ロール25の下側で回転可能に設けられ帯電ロール25と接して帯電ロール25の外周面を清掃する清掃部材27と、を含んで構成されている。帯電ロール25は、感光体18が駆動手段(図示省略)で回転駆動されることで従動回転すると共に、電源を含む電圧印加手段(図示省略)により電圧印加され、接地された感光体18との間の電位差による放電で感光体18の外周面を帯電させるようになっている。なお、清掃部材27については詳細を後述する。
【0032】
ここで、感光体18及び帯電装置20により、組立体の一例としての交換カートリッジ30(図2参照)が構成されており、この交換カートリッジ30は、夫々筐体10Aに対して交換可能に組み付けられている。
【0033】
また、露光装置14には、4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kに対して共通に構成された、4つの半導体レーザ(図示省略)が設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが階調データに応じて出射されるようになっている。
【0034】
さらに、露光装置14では、半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが、光路上に配置されたf−θレンズ(図示省略)を介して回転多面鏡であるポリゴンミラー26に照射され、このポリゴンミラー26によって偏向走査されるようになっている。そして、このポリゴンミラー26によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、結像レンズ及び複数枚のミラー(図示省略)を介して、各感光体18上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。
【0035】
また、露光装置14は、下方から感光体18の外周面に走査露光する構成となっているため、上方に位置する4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの現像装置22等からトナー等が落下するおそれが有る。このため、露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム28によって密閉されている。フレーム28の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの感光体18上に向けて透過させる透明なガラス製のウインドウ31Y、31M、31C、31Kが設けられている。
【0036】
一方、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの上方には、各感光体18上のトナー像が一次転写される転写手段の一例としての一次転写ユニット21が設けられている。一次転写ユニット21は、無端状の中間転写ベルト32と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ回転駆動して中間転写ベルト32を矢印方向(図示の反時計回り方向)に周回させる駆動ロール40と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール36と、中間転写ベルト32の外周面を清掃する清掃ブレード38と、中間転写ベルト32を挟んで感光体18Y、18M、18C、18Kの反対側に配置される一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kと、を含んで構成されている。
【0037】
そして、一次転写ユニット21は、4つの一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kに通電手段(図示省略)によって通電されることにより、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの感光体18上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、中間転写ベルト32上に多重に転写される構成となっている。
【0038】
また、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール40の反対側には、通電手段(図示省略)によって通電されることにより中間転写ベルト32上のトナー像をシート部材Pに二次転写する転写手段の一例としての二次転写ロール42が設けられている。さらに、筐体10A内で二次転写ロール42の上下には、記録媒体の一例としてのシート部材Pが搬送される用紙搬送路56が設けられている。ここで、中間転写ベルト32上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32によって駆動ロール40と二次転写ロール42に挟まれる部位に搬送されるようになっている。そして、各色のトナー画像は、この部位において、用紙搬送路56に沿って搬送されてきたシート部材Pに二次転写されるようになっている。
【0039】
さらに、二次転写ロール42に対してシート部材Pの搬送方向下流側(以下単に下流側と言う)には、シート部材Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によりシート部材Pに定着する定着装置44が設けられている。また、定着装置44の下流側には、トナー画像が定着したシート部材Pを画像形成装置10の筐体10Aの上部に設けられた排出部48に排出する排出ロール46が設けられている。
【0040】
一方、画像形成装置10の筐体10A内の下側には、シート部材Pが積載される給紙部材50が設けられている。そして、給紙部材50の用紙搬送路56側の端部上方には、給紙部材50に積載されたシート部材Pを用紙搬送路56へ送り出す給紙ロール52が設けられており、給紙ロール52の下流側には、シート部材Pを1枚ずつ分離して搬送する分離ロール54が設けられている。また、分離ロール54の下流側には、二次転写ロール42へのシート部材Pの搬送タイミングを合わせる位置合せロール58が設けられている。これにより、給紙部材50から供給(搬送)されたシート部材Pは、予め決められたタイミングで回転する位置合せロール58によって、中間転写ベルト32と二次転写ロール42とが接する位置(二次転写位置)へ送り出される構成となっている。
【0041】
さらに、筐体10A内には、位置合せロール58から排出ロール46までの部位に隣接して、シート部材Pの表面と裏面を反転させるための両面用搬送経路62が設けられている。両面用搬送経路62には、排出ロール46で排出されているシート部材Pを両面用搬送経路62に搬送するための搬送ロール60が設けられている。
【0042】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0043】
まず、制御部12内の画像処理部から露光装置14に各色の階調データが順次出力される。続いて、露光装置14から階調データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、帯電ロール25によって帯電された感光体18の外周面に走査露光され、感光体18の外周面に静電潜像が形成される。さらに、感光体18上に形成された静電潜像は、現像装置22Y、22M、22C、22Kによって現像され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像として可視化される。
【0044】
続いて、各感光体18上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像が、一次転写ユニット21の一次転写ロール34によって、周回する中間転写ベルト32上に多重に転写される。ここで、シート部材Pが、給紙ロール52、分離ロール54、及び位置合せロール58によって、給紙部材50から用紙搬送路56の二次転写位置に予め決められたタイミングで搬送される。そして、中間転写ベルト32上の各色のトナー画像は、二次転写ロール42によってシート部材P上に二次転写される。
【0045】
続いて、トナー画像が転写されたシート部材Pは定着装置44へと搬送され、シート部材P上のトナー画像は、定着装置44によって加熱及び加圧されることによりシート部材Pに定着される。そして、定着後のシート部材Pは、画像形成装置10の筐体10Aの上部に設けられた排出部48に排出ロール46によって排出される。
【0046】
なお、シート部材Pの両面に画像形成を行うときは、まず、シート部材Pの片面に画像形成して定着装置44で定着を行う。続いて、シート部材Pを排出ロール46によって排出部48上にそのまま排出せず、搬送方向を切り換え、搬送ロール60によって両面用搬送経路62に搬送する。これにより、シート部材Pの表裏が反転される。そして、表裏が反転された状態でシート部材Pを位置合せロール58へと再度搬送し、二次転写ロール42で裏面にトナー画像を二次転写すると共に、当該トナー画像を定着装置44で定着して、排出部48上に排出する。
【0047】
次に、清掃部材27について説明する。
【0048】
図2及び図3に示すように、清掃部材27は、帯電ロール25の軸方向(以下単に、軸方向と言う)に沿うと共に帯電ロール25の下側に対向して設けられている。そして、清掃部材27は、帯電ロール25の軸方向に沿って配置される円柱状の芯材33と、芯材33の外周面に螺旋状に配置され(巻き付けられ)た清掃部の一例としての一条の発泡体35と、芯材33の軸方向で発泡体35の間に配置された接触部37と、を有している。
【0049】
発泡体35は、一例として、弾性変形可能なウレタン樹脂の発泡材により形成されており、両面テープ(図示省略)を用いることで、芯材33の外周面に固定されるようになっている。また、図6(A)に示すように、発泡体35の長手方向に直交する断面は、外力が作用しない状態である自由状態において、幅方向両端の上端部35Aが中央の上端部35Bよりも芯材33(図3参照)の径方向(以下単に、径方向と言う)に突出している。即ち、発泡体35の底面35C(芯材33側)から幅方向両端の上端部35Aまでの高さをH1とし、発泡体35の底面35Cから中央の上端部35Bまでの高さをH2とすると、H1>H2となっている。また、この発泡体35の断面の幅方向両端にある両辺(斜辺)は、2箇所の上端部35Aが互いに近づく方向に傾斜している。なお、この断面における発泡体35の底面35Cの幅をW1とする。
【0050】
一方、接触部37は、発泡体35よりも硬度が高く弾性変形しにくい材料により形成されており、両面テープ(図示省略)を用いることで、芯材33の外周面で且つ螺旋状に取り付けられた発泡体35の間(軸方向にあいた隙間)に固定されるようになっている。また、図6(B)に示すように、接触部37の長手方向に直交する断面は、外力が作用しない状態である自由状態において、幅方向両端の上端部37Aと中央の上端部37Bとが、芯材33(図3参照)の径方向で同じ高さの台形状となっている。即ち、接触部37の底面37C(芯材33側)から幅方向両端の上端部37Aまでの高さと、接触部37の底面37Cから中央の上端部37Bまでの高さは、いずれもH3で等しくなっている。また、この接触部37の断面の幅方向両端にある両辺(斜辺)は、2箇所の上端部37Aが互いに近づく方向に傾斜している。
【0051】
ここで、接触部37の断面における底面37Cの幅をW2とすると、W2<W1となっている。また、接触部37の断面における高さH3は、H3<H1で且つH3≦H2であり、さらに、接触部37の上端部37A、37Bが帯電ロール25の外周面25A(図5参照)と接触する大きさとなっている。このように、接触部37は、芯材33の軸方向で発泡体35の間に配置されると共に、自由状態で芯材33の径方向における高さが発泡体35よりも低くなっている。
【0052】
図2、3、4に示すように、発泡体35の両方の端部には、芯材33との間で発泡体35の端部を挟んで発泡体35の端部が芯材33から剥離するのを防ぐ筒状の保持材78が設けられている。また、図2及び図3に示すように、帯電装置20では、保持材78が軸受部材74により回転自在に支持されており、軸受部材74は、発泡体35が帯電ロール25の外周面に対して接触可能となる位置で保持材78を支持している。この構成により、帯電ロール25が駆動手段(図示省略)で回転されると、帯電ロール25の回転に伴って発泡体35と帯電ロール25との接触部で摩擦力が生じ、清掃部材27が従動回転するようになっている。
【0053】
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0054】
図1に示す画像形成装置10において、回転する感光体18の外周面に形成されたトナー画像は、周回する中間転写ベルト32に一次転写される。また、中間転写ベルト32に転写されずに感光体18の外周面に残留したトナー等の異物は、清掃装置24によって感光体18の外周面から除去される。このとき、トナー(現像剤)に含まれる粒子径が小さい外添剤等の異物は、清掃装置24をすり抜けることになる。そして、清掃装置24をすり抜けた外添剤等の異物は、帯電ロール25の外周面に付着する。
【0055】
このとき、図8(A)に示すように、帯電ロール25の外周面には、軸方向に沿って発泡体35、接触部37、発泡体35・・・というように、発泡体35と接触部37が交互に接触している。そして、例えば、図8(A)の状態から清掃部材27が従動回転したとすると、図8(B)に示すように、帯電ロール25の外周面には、発泡体35が接触していた部位に接触部37が接触し、接触部37が接触していた部位に発泡体35が接触することになる。
【0056】
そして、図7(A)、(B)、(C)に示すように、矢印方向(図示の反時計回り方向)に回転する帯電ロール25の外周面に付着した外添剤等の異物は、従動回転する清掃部材27の発泡体35における上端部35Aが、帯電ロール25の外周面に押されて発泡体35の厚さ方向(図7(A)に示す矢印G方向)と、幅方向(図7(A)に示す矢印H方向)とに弾性変形(弾性圧縮)することで押圧されて凝集する。なお、図6(A)及び図7(A)、(B)、(C)、(D)の図面においては、発泡体35の径方向の変形の理解を容易にするため、発泡体35の径方向の寸法を誇張して図示している。
【0057】
続いて、図7(D)に示すように、従動回転する清掃部材27の発泡体35における上端部35Aが、帯電ロール25との接触から解放されることで弾性変形が復元し、この復元力より、凝集した外添剤等の異物は密な状態からほぐされたり、帯電ロール25の外周面からはじかれたりする。また、発泡体35は芯材33に螺旋状に配置されているため、幅方向の変形が復元されることで、帯電ロール25に付着した異物に対して軸方向への分力も作用する。そして、除去された異物の一部は発泡体35の内部に溜められ、また一部は落下して清掃部材27の重力方向下方に設けられた異物溜り(図示省略)に捕捉される。さらに、密な状態からほぐされたまま帯電ロール25の表面に存在する異物は、感光体18に移動して清掃装置24により回収される場合もある。
【0058】
このように、芯材33が回転して発泡体35が帯電ロール25の外周面を清掃するとき、比較例として、清掃部材27に接触部37が無く、且つ芯材33の軸方向の中央部に重力による撓みが生じた場合、芯材33の軸方向の中央部で発泡体35が帯電ロール25に接触しなくなるので、芯材33の軸方向の中央部にある発泡体35を帯電ロール25に近づけておく必要がある。しかし、芯材33の軸方向の中央部にある発泡体35を帯電ロール25に近づけた場合、芯材33の軸方向の両端部はほとんど撓んでいないため、芯材33の軸方向の両端部が必要以上に帯電ロール25に近づくことになり、清掃部材27の中央部と両端部で発泡体35と帯電ロール25との接触状態及び摩擦力が異なって、帯電ロール25の外周面で清掃むらが生じることになる。
【0059】
一方、図5に示すように、本実施形態の清掃部材27を用いた場合は、芯材33が回転して発泡体35が帯電ロール25の外周面を清掃するとき、例えば、芯材33の軸方向の中央部に重力による撓みが生じることを考慮して、芯材33の軸方向の中央部にある発泡体35を予め帯電ロール25に近づけておいたとしても、芯材33の軸方向の両端部が必要以上に帯電ロール25に近づこうとしたときに、両端部にある接触部37が帯電ロール25の外周面に接触して、接触部37の高さ(H3)に相当する大きさの隙間が帯電ロール25の外周面と芯材33の外周面との間に形成されることになる。これにより、清掃部材27の軸方向中央部と両端部で発泡体35と帯電ロール25との接触状態及び摩擦力に差が生じにくくなり、帯電ロール25の外周面の清掃むらが抑制される。
【0060】
ここで、清掃部材27において、接触部37は芯材33に対して螺旋状に配置されているので、同様に螺旋状に配置された発泡体35の軸方向の隙間に配置することが可能となっている。また、接触部37が螺旋状となっていることから、清掃部材27が1回転する間に軸方向のいずれかの部位の接触部37が帯電ロール25の外周面と接触することになる。これにより、清掃部材27と帯電ロール25の間隔が少なくとも接触部37の高さH3より小さくなることはない。
【0061】
また、清掃部材27が帯電ロール25の外周面に付着した外添剤等の異物をはじくこと(除去すること)で、感光体18の帯電不良が抑制される。このため、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上する。さらに、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上することで、シート部材Pに形成される出力画像の品質が向上する。
【0062】
なお、上記実施形態では、発泡体35の幅方向両端の上端部35Aを中央の上端部35Bよりも突出させたが、特に両方に限定されることなく、どちらか一方の上端部35Aであってもよい。さらに、両端部とも突出させなくてもよい。一方の上端部35Aを突出させる場合は、清掃部材27が従動回転する際に、2箇所の上端部35Aのうち最初に帯電ロール25の外周面と接触する方(回転方向の上流側)を突出させる方が、効果的に外添剤等の異物が帯電部材からはじかれる(除去される)。
【0063】
次に、本発明の第2実施形態に係る清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0064】
図9には、第2実施形態の画像形成装置80が示されている。画像形成装置80は、第1実施形態の画像形成装置10(図1参照)において、中間転写ベルト32の下側に設けられていたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の交換カートリッジ30が、中間転写ベルト32の上側に設けられた構成となっている。なお、各色で交換カートリッジ30の構成は同様であるため、図9では1色分の交換カートリッジ30のみを示し他の3色については図示を省略する。
【0065】
中間転写ベルト32の上側に設けられた交換カートリッジ30では、感光体18の上側に帯電ロール25が配置されており、さらに帯電ロール25の上側に清掃部材27が配置されている。そして、感光体18の周囲には、回転方向における帯電ロール25から下流側に向けて順に、レーザ光による露光を行う露光装置82、感光体18の潜像をトナーで現像してトナー画像として可視化する現像装置84、一次転写ロール34、及び感光体18の外周面を清掃する清掃装置88が設けられている。
【0066】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0067】
図9に示す画像形成装置80において、回転する感光体18の外周面には、帯電ロール25による帯電と露光装置82による露光によって、潜像(静電潜像)が形成される。続いて、感光体18の外周面の潜像は、現像装置84によって現像されトナー画像となる。さらに、形成されたトナー画像は、周回する中間転写ベルト32に一次転写ロール34によって転写される。また、中間転写ベルト32に転写されずに感光体18の外周面に残留したトナー等の異物は、清掃装置88によって感光体18の外周面から除去される。このとき、トナー(現像剤)に含まれる粒子径が小さい外添剤等の異物は、清掃装置88をすり抜けることになる。そして、清掃装置88をすり抜けた外添剤等の異物は、帯電ロール25の外周面に付着する。
【0068】
帯電ロール25の外周面に付着した外添剤等の異物は、帯電ロール25の回転に伴って従動回転する清掃部材27における発泡体35の弾性変形及び復元によって、密な状態からほぐされたり、帯電ロール25の外周面からはじかれたりする。これにより、帯電ロール25の外周面の清掃が行われる。また、帯電ロール25の清掃により、感光体18の帯電不良が抑制される。このため、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上する。さらに、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上することで、シート部材Pに形成される出力画像の品質が向上する。
【0069】
ここで、図10(A)、(B)に示すように、清掃部材27の芯材33が回転して発泡体35が帯電ロール25の外周面を清掃するとき、清掃部材27は、帯電ロール25の上側に配置されているため、重力により芯材33の軸方向の中央部が帯電ロール25に近づく方向に撓もうとするが、芯材33の軸方向の中央部が必要以上に帯電ロール25に近づこうとしても、芯材33の軸方向の中央部にある接触部37が帯電ロール25の外周面に接触して、接触部37の高さH3に相当する大きさの隙間が帯電ロール25の外周面と芯材33の外周面との間に形成されることになる。これにより、清掃部材27の軸方向で発泡体35と帯電ロール25との接触状態及び摩擦力に差が生じにくくなり、帯電ロール25の外周面の清掃むらが抑制される。
【0070】
次に、本発明の第3実施形態に係る清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0071】
図11には、第3実施形態の清掃部材90が示されている。清掃部材90は、第1実施形態の帯電装置20(図1参照)において、清掃部材27に換えて帯電ロール25の下側に設けられている。また、清掃部材90は、芯材33と、芯材33の外周面に螺旋状に配置された発泡体35と、芯材33の軸方向で発泡体35の間に配置された接触部92と、を有している。
【0072】
接触部92は、発泡体35よりも硬度が高く弾性変形しにくい材料により形成されており、両面テープ(図示省略)を用いることで、芯材33の外周面で且つ螺旋状に取り付けられた発泡体35の間(軸方向にあいた隙間)に固定されるようになっている。また、接触部92は、前述の接触部37のように1本の連続体とはなっておらず、複数の小片92Aが、1本の螺旋上で間隔(例えば、図11の間隔93A、93B、93C、93D)をあけて配置されている。なお、接触部92の螺旋配置上において、間隔93A、93B、93C、93Dの大きさは、接触部92よりも小さくなっている。
【0073】
ここで、接触部92は、芯材33の軸方向から見て芯材33の周方向に複数配置された状態となっている。そして、この接触部92の周方向の配置は、芯材33の軸方向のいずれかの部位で帯電ロール25(図12(A)参照)と接触部92が接触するように、即ち、周期的な配置とならないようになっている。また、接触部92の断面形状は、前述の接触部37(図6(B)参照)の断面形状と同様となっており、接触部92の底面(芯材33側)から上端部までの高さはH3で、発泡体35よりも低くなっている。
【0074】
清掃部材90における発泡体35の両方の端部には、図2及び図3に示すように、芯材33との間で発泡体35の端部を挟んで発泡体35の端部が芯材33から剥離するのを防ぐ筒状の保持材78が設けられている。また、保持材78が軸受部材74により回転自在に支持されている。この構成により、帯電ロール25が駆動手段(図示省略)で回転されると、帯電ロール25の回転に伴って発泡体35と帯電ロール25との接触部で摩擦力が生じ、清掃部材90が従動回転するようになっている。
【0075】
次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0076】
図1に示す画像形成装置10において、帯電、露光、現像の各工程により感光体18の外周面にトナー画像が形成される。そして、形成されたトナー画像は、周回する中間転写ベルト32に一次転写ロール34によって転写される。また、中間転写ベルト32に転写されずに感光体18の外周面に残留したトナー等の異物は、清掃装置24によって感光体18の外周面から除去される。このとき、トナー(現像剤)に含まれる粒子径が小さい外添剤等の異物は、清掃装置24をすり抜けることになる。そして、清掃装置24をすり抜けた外添剤等の異物は、帯電ロール25の外周面に付着する。
【0077】
ここで、図12(A)、(B)に示すように、帯電ロール25の外周面に付着した外添剤等の異物は、帯電ロール25の回転に伴って従動回転する清掃部材90における発泡体35の弾性変形及び復元によって、密な状態からほぐされたり、帯電ロール25の外周面からはじかれたりする。これにより、帯電ロール25の外周面の清掃が行われる。また、帯電ロール25の清掃により、感光体18(図1参照)の帯電不良が抑制される。このため、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上する。さらに、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上することで、シート部材Pに形成される出力画像の品質が向上する。
【0078】
また、清掃部材90において、例えば、芯材33の軸方向の中央部に重力による撓みが生じることを考慮して、芯材33の軸方向の中央部にある発泡体35を予め帯電ロール25に近づけておいたとする。この状態で、清掃部材90の芯材33が回転して発泡体35が帯電ロール25の外周面を清掃するとき、芯材33の軸方向の両端部は必要以上に帯電ロール25に近づこうとするが、両端部にある接触部92(複数の小片92A)が帯電ロール25の外周面に接触して、接触部92の高さH3に相当する大きさの隙間が帯電ロール25の外周面と芯材33の外周面との間に形成されることになる。これにより、清掃部材90の軸方向中央部と両端部で発泡体35と帯電ロール25との接触状態及び摩擦力に差が生じにくくなり、帯電ロール25の外周面の清掃むらが抑制される。
【0079】
次に、本発明の第4実施形態に係る清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0080】
図13には、第4実施形態の清掃部材100が示されている。清掃部材100は、第1実施形態の帯電装置20(図1参照)において、清掃部材27に換えて帯電ロール25の下側に設けられている。また、清掃部材100は、帯電ロール25(図2参照)の軸方向に沿って配置される円柱状の芯材102と、芯材102の外周面に螺旋状に配置された発泡体35と、芯材102の軸方向で発泡体35の間に配置された接触部104と、を有している。なお、芯材102の直径及び軸方向長さは、芯材33(図3参照)と同様となっている。また、芯材102の撓みを防ぐことを目的として、例えば、芯材102の軸心部に貫通孔を形成して芯金を挿入してもよい。
【0081】
芯材102及び接触部104は、発泡体35よりも硬度が高く弾性変形しにくい樹脂材料により一体成形されており、接触部104は、前述の接触部37のように1本の連続体となっている。また、接触部104の断面形状は、前述の接触部37(図6(B)参照)の断面形状と同様となっており、接触部104の底面(芯材33側)から上端部までの高さはH3で、発泡体35よりも低くなっている。
【0082】
清掃部材100における発泡体35の両方の端部には、図2及び図3に示すように、芯材33との間で発泡体35の端部を挟んで発泡体35の端部が芯材33から剥離するのを防ぐ筒状の保持材78が設けられている。また、保持材78が軸受部材74により回転自在に支持されている。この構成により、帯電ロール25が駆動手段(図示省略)で回転されると、帯電ロール25の回転に伴って発泡体35と帯電ロール25との接触部で摩擦力が生じ、清掃部材100が従動回転するようになっている。
【0083】
次に、第4実施形態の作用について説明する。
【0084】
図1に示す画像形成装置10において、帯電、露光、現像の各工程により感光体18の外周面にトナー画像が形成される。そして、形成されたトナー画像は、周回する中間転写ベルト32に一次転写ロール34によって転写される。また、中間転写ベルト32に転写されずに感光体18の外周面に残留したトナー等の異物は、清掃装置24によって感光体18の外周面から除去される。このとき、トナー(現像剤)に含まれる粒子径が小さい外添剤等の異物は、清掃装置24をすり抜けることになる。そして、清掃装置24をすり抜けた外添剤等の異物は、帯電ロール25の外周面に付着する。
【0085】
ここで、帯電ロール25の外周面に付着した外添剤等の異物は、帯電ロール25の回転に伴って従動回転する図13の清掃部材100における発泡体35の弾性変形及び復元によって、密な状態からほぐされたり、帯電ロール25の外周面からはじかれたりする。これにより、帯電ロール25の外周面の清掃が行われる。また、帯電ロール25の清掃により、感光体18(図1参照)の帯電不良が抑制される。このため、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上する。さらに、感光体18に形成されるトナー画像の品質が向上することで、シート部材Pに形成される出力画像の品質が向上する。
【0086】
また、清掃部材100において、例えば、芯材102の軸方向の中央部に重力による撓みが生じることを考慮して、芯材102の軸方向の中央部にある発泡体35を予め帯電ロール25に近づけておいたとする。この状態で、清掃部材100の芯材102が回転して発泡体35が帯電ロール25の外周面を清掃するとき、芯材102の軸方向の両端部は必要以上に帯電ロール25に近づこうとするが、両端部にある接触部104が帯電ロール25の外周面に接触して、接触部104の高さH3に相当する大きさの隙間が帯電ロール25の外周面と芯材102の外周面との間に形成されることになる。これにより、清掃部材100の軸方向中央部と両端部で発泡体35と帯電ロール25との接触状態及び摩擦力に差が生じにくくなり、帯電ロール25の外周面の清掃むらが抑制される。
【0087】
次に、本発明の第5実施形態に係る清掃部材、帯電装置、転写装置、組立体、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0088】
図14には、第5実施形態の転写装置110が示されている。転写装置110は、画像形成装置10(図1参照)における中間転写ベルト32と、中間転写ベルト32の駆動ロール40に近い側の上面に接触配置された清掃部材27と、を含んで構成されている。清掃部材27は、第1実施形態の清掃ブレード38に換えて中間転写ベルト32の上側に設けられており、両端部がベアリングにより回転可能に支持されている。また、中間転写ベルト32を挟んで清掃部材27と反対側には、中間転写ベルト32の裏面に接触して清掃部材27と中間転写ベルト32との接触状態を安定させるための支持部材112が設けられている。
【0089】
次に、第5実施形態の作用について説明する。
【0090】
図1に示すように、画像形成装置10において、帯電、露光、現像の各工程により感光体18の外周面にトナー画像が形成される。そして、形成されたトナー画像は、周回する中間転写ベルト32に一次転写ロール34によって一次転写される。続いて、図14に示すように、中間転写ベルト32に一次転写されたトナー画像は、二次転写ロール42によってシート部材P上に二次転写され、定着工程でシート部材Pに定着される。
【0091】
ここで、中間転写ベルト32の外周面に付着した転写残トナー及び外添剤等の異物は、中間転写ベルト32の回転に伴って従動回転する清掃部材27における発泡体35の弾性変形及び復元によって、密な状態からほぐされたり、中間転写ベルト32の外周面からはじかれたりする。これにより、中間転写ベルト32の外周面の清掃が行われる。また、中間転写ベルト32の清掃により、シート部材Pのトナーが付着してはいけない領域(地肌部)に付着する転写残トナー等が低減されるため、シート部材Pに形成される出力画像の品質が向上する。
【0092】
また、清掃部材27の芯材33が回転して発泡体35が中間転写ベルト32の外周面を清掃するとき、清掃部材27は、中間転写ベルト32の上側に配置されているため、重力により芯材33の軸方向の中央部が中間転写ベルト32に近づく方向に撓もうとするが、芯材33の軸方向の中央部が必要以上に中間転写ベルト32に近づこうとしても、芯材33の軸方向の中央部にある接触部37が中間転写ベルト32の外周面に接触して、接触部37の高さH3に相当する大きさの隙間が中間転写ベルト32の外周面と芯材33の外周面との間に形成されることになる。これにより、清掃部材27の軸方向中央部と両端部で発泡体35と中間転写ベルト32との接触状態及び摩擦力に差が生じにくくなり、中間転写ベルト32の外周面の清掃むらが抑制される。
【0093】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0094】
発泡体35の材料として弾性変形可能なウレタン樹脂の発泡体を採用したが、特にこれに限定されることなく、ゴム材料の発泡材等の他の材料を採用してもよい。また、感光体18、帯電ロール25、及び清掃部材27により交換カートリッジ30が構成されたが、現像装置22や清掃装置24等の他の部材が交換カートリッジ30の構成部品として追加されてもよい。さらに、帯電ロール25や中間転写ベルト32の清掃に清掃部材27を用いたが、清掃部材27の設置場所については、これらに限定されるものではなく、例えば、中間転写ロール、転写ロール、感光体等の清掃に用いてもよい。
【0095】
また、清掃部材100において、接触部104を清掃部材90の接触部92のように分割して間隔があくように設けてもよい。さらに、清掃部材27、90、100を帯電装置20と転写装置110の2箇所、あるいは感光体18を含めた3箇所以上に設けてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 画像形成装置
14 露光装置
18 感光体(像保持体)
20 帯電装置
21 一次転写ユニット(転写手段)
22 現像装置
25 帯電ロール(帯電部材、被清掃部材)
27 清掃部材
30 交換カートリッジ(組立体)
32 中間転写ベルト(転写部材、被清掃部材)
33 芯材
35 発泡体(清掃部)
37 接触部
42 二次転写ロール(転写手段)
80 画像形成装置
82 露光装置
84 現像装置
90 清掃部材
100 清掃部材
102 芯材
104 接触部
110 転写装置
P シート部材(被転写部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に支持される芯材と、
前記芯材に螺旋状に配置され被清掃部材と接触して該被清掃部材に従動回転しながら該被清掃部材を清掃する清掃部と、
前記芯材の軸方向で前記清掃部の間に配置され、前記芯材の径方向における高さが自由状態の前記清掃部よりも低く、前記被清掃部材と接触する接触部と、
を有する清掃部材。
【請求項2】
前記接触部が、前記芯材に対して螺旋状に配置されている請求項1に記載の清掃部材。
【請求項3】
前記接触部が、前記芯材の軸方向及び周方向で間隔をあけて複数設けられている請求項1又は請求項2に記載の清掃部材。
【請求項4】
前記接触部が、前記芯材に一体成形されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の清掃部材。
【請求項5】
回転して像保持体の外周面を帯電する帯電部材と、
前記清掃部及び前記接触部が前記帯電部材の外周面に接触して、前記帯電部材の回転に伴って従動回転する請求項1〜4の何れか1項に記載の清掃部材と、
を有する帯電装置。
【請求項6】
周回又は回転すると共に、被転写部材に現像剤像を転写する転写部材と、
前記清掃部及び前記接触部が前記転写部材の外周面に接触して、前記転写部材の周回または回転に伴って従動回転する請求項1〜4の何れか1項に記載された清掃部材と、
を有する転写装置。
【請求項7】
前記像保持体と、
前記像保持体の外周面を帯電する請求項5に記載の帯電装置と、
を有し、本体に対して交換可能に組み付けられる組立体。
【請求項8】
前記像保持体と、
前記像保持体の外周面を帯電する請求項5に記載の帯電装置と、
前記帯電部材によって帯電した前記像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、
前記像保持体の外周面に形成された現像剤像を直接又は間接的に被転写部材に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
像保持体と、
前記像保持体の外周面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電した前記像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、
前記像保持体の外周面に形成された現像剤像を直接又は間接的に被転写部材に転写する請求項6に記載の転写装置と、
を有する画像形成装置。
【請求項10】
請求項7に記載の組立体と、
前記組立体に設けられる帯電した像保持体の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
前記像保持体の外周面に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−191677(P2011−191677A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59737(P2010−59737)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】