説明

減圧式腹部治療システムおよび方法

減圧腹部治療システムは、患者の腹部器官の近くに減圧治療を施す開腔部治療デバイスと、患者の腹膜上の深部組織に閉塞力を供給する深部組織閉塞デバイスと、患者の表皮上の表面創傷に閉塞力を供給する表面創傷閉塞サブシステムと、減圧を生成しうる減圧供給サブシステムとを具える。方法も含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2008年10月29日提出の米国暫定特許出願整理番号61/109,486「Reduced-Pressure, Abdominal Treatment System and Method」、2008年10月29日提出の米国暫定特許出願整理番号61/109,390「Open-Cavity, Reduced-Pressure Wound Dressing and System」、2008年10月29日提出の米国暫定特許出願整理番号61/109,410「Reduced-Pressure, Wound-Closure System and Method」、2008年10月29日提出の米国暫定特許出願整理番号61/109,448「Reduced-Pressure, Deep-Tissue Closure System and Method」の35USC119条(e)の利益を主張するものである。これらの暫定出願のすべてはあらゆる目的において参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に医療システムに関し、より具体的には、減圧式腹部治療システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
創傷や組織の損傷部位の原因が外傷、手術、あるいは他の原因であろうと、結果として正しい創傷のケアが重要である。例えば腹膜腔またはより一般的には腹腔などの、再入が必要となる部位の創傷の場合に、独特の試みが行われている。腹腔の手術または外傷の場合の多くに、良好かつ簡単なケアのための再入を可能とし、腹膜炎、ACS(abdominal compartment syndrome)、および創傷および内部器官の完治の障害となる感染部位などの箇所へのアクセスの補助となる創傷管理システムが用意されてきた。このようなケアにあたり、体腔から不要な液体を除去し、腹膜や他の組織の接合を補助し、最終的に表皮レベルにある創傷自体の閉じる力の生成を補助することが望ましい。
【0004】
現在、腹部の表皮切開は縫合、ステープル、クリップ、その他の機械装置を用いて閉じられ、皮膚や表皮を保持し引っ張るようにしている。これらの器具はしばしば穿刺その他の創傷の原因となる。大きな浮腫が生じた場合、閉塞器具に非常な圧力がかかり、損傷を生じる原因となる。例えば、浮腫により圧力が増加して、縫合部が裂離してしまう場合がある。
【0005】
腹腔内への再入を可能とする包括的なシステムに関して、多くの技術が開発されてきた。一つのアプローチは、腹腔内にタオルを配置し、止血鉗子などのクリップを用いてタオルの上から皮膚を閉合させることである。簡単で迅速であるが、結果として最適状態には及ばなかった。別のアプローチは「ボゴタバッグ」である。このアプローチは、開腹部を覆うように袋を縫合して、バリアを提供する。さらに別のアプローチは、ときに「ヴァックパック」と呼ばれ、創傷内にタオルを詰めてから腹腔内にドレインを配置し、ドレープで腹部をカバーする。最終的に、減圧のアプローチが利用された。このようなアプローチは、テキサス州サンアントニオのKCI Licensing,Inc.に譲渡されたHuntらの米国特許第7,381,859号に示されている。米国特許第7,381,859号は事実上参照により本書に組み込まれる。
【0006】
腹部を一時的に閉合するときに脂肪、筋肉、あるいは特定の筋膜などの多くの深部組織が定位置にされる(addressed)。別に明示しない限り、本書で用いる「または」は、相互に排他的である必要はない。定位置にない場合、深部組織は腹部内にさらに収縮し、以降に問題を生じる。手術者は、例えば腹膜などの深部組織を、当該腹膜にテンションをかけながら縫合する。しかしながら、この部位に減圧治療が望まれる場合や、包帯などを交換する必要がある場合に、問題を生じる場合がある。さらに、深部組織の縫合はときに壊死の原因となりうる。同時に、深部組織、特に腹膜が閉合されない場合、この状況はヘルニアや他の合併症の原因となる。
【0007】
再入のための腹部へのアクセスに加え、液体を除去することが望ましい。また、腹腔内の創傷を含む組織部位へ減圧治療を施すことが望ましい。臨床的な研究や経験により、組織部位の近くに減圧をかけると、当該組織部位で新しい組織の成長が増大し加速することを示されている。この現象の応用は多数あるが、減圧の適用は特に創傷治療において成功している。この治療(しばしば医療業界で「負圧創傷治療」、「局所負圧」、「減圧治療」、あるいは「真空治療」と呼ばれる)は、治癒の早期化を含む多くの利点があり、肉芽組織の形成を増大させる。
【発明の概要】
【0008】
既存の腹部治療システムおよび方法の諸問題が、本書記載の実施例にかかるシステム、装置、方法により対処されている。一実施例では、減圧式腹部治療システムは、患者の腹部近辺に減圧治療を施す開腔部治療デバイス(open-cavity treatment device)と;患者の腹膜などの深部組織に閉塞力をかける深部組織閉塞デバイスと;患者の腹腔に減圧治療を施す減圧治療サブシステムとを具える。この減圧治療システムはまた、患者表皮に閉塞力を提供する表層創傷閉塞サブシステムを具えてもよい。減圧治療システムはまた、前記開腔治療デバイス、深部組織閉塞デバイス、前記減圧治療サブシステム、および前記表層創傷閉塞サブシステムに用いられる減圧を提供する減圧供給サブシステムを具えてもよい。
【0009】
別の実施例によると、腹部開腔治療方法が、腹腔内に開腔部治療デバイスを配置するステップを具え、これが第1の面と第2の内側対向面とを具える。開腔部治療デバイスの第2の内側対向面は、患者の腹部近辺に配置される。腹部開腔治療方法はさらに、腹部開腔内に、第1の面と第2の内側対向面とを有する深部組織閉塞デバイスを配置するステップを具える。この深部組織閉塞デバイスは、当該深部組織閉塞デバイスの第2の内側対向面が前記開腔部治療デバイスの第1の面に隣接し、当該深部組織閉塞デバイスの第1の面が腹膜に隣接するよう配置される。腹部開腔治療方法はさらに、患者の腹腔内にマニホルドを配置するステップと、患者の腹腔の上に気密シールを形成するステップと、前記マニホルドに第1の減圧接続器を流体接続するステップと、第1の取付部材を患者表皮における表面創傷の縁部近傍に脱着可能に取り付けるステップと、第2の取付部材を患者表皮における表面創傷の縁部近傍に脱着可能に取り付けるステップとを具える。前記第1の取付部材は、前記第2の取付部材から離される。腹部開腔治療方法はさらに、前記第1の取付部材および前記第2の取付部材に結合され減圧下に置かれたときに収縮可能な密閉収縮部材を提供するステップと、前記開腔部治療デバイス、前記深部組織閉塞デバイス、前記マニホルド、および前記密閉収縮部材に減圧をかけるステップとを具える。
【0010】
別の実施例によると、患者の腹部開腔治療システムの製造法が、患者の腹腔に減圧治療を施す開腔部治療デバイスを形成するステップと、患者の腹膜上の深部組織の創傷に閉塞力をかける深部組織閉塞デバイスを形成するステップと、患者の表皮上の正面創傷に閉塞力をかける表面創傷閉塞サブシステムを形成するステップとを具える。この製造方法は、減圧供給サブシステムを提供するステップを具えてもよい。
【0011】
他の実施例の目的、特徴、および利点が、以下の図面および詳細な説明を参照して明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、減圧式腹部治療システムの一例の概略断面図であり、一部をブロック図で示す。
【図2】図2は、図1の減圧式腹部治療システムの実施例の部分断面図であり、カプセル化された脚部部材の一部を示す。
【図3】図3は、図1の減圧式腹部治療システムの実施例の部分断面図であり、カプセル化された脚部部材の一部を示す。
【図4】図4は、図1の減圧式腹部治療システムの実施例の部分断面図であり、中央連結部材を示す。
【図5】図5は、図1の減圧式腹部治療システムの概略斜視図である。
【図6】図6は、別の実施例にかかる減圧式腹部治療システムの概略平面である。
【図7】図7は、図6の治療デバイスの詳細の概略平面図である。
【図8】図8は、図7の治療デバイスの8−8線でとった概略部分断面図である。
【図9】図9は、開腔部減圧治療デバイスの別の実施例の概略斜視図である。
【図10】図10は、図1の深部組織閉塞サブシステムの詳細の概略断面図である。
【図11】図11は、一実施例にかかる収縮マトリクスの第1の(上)面の概略斜視図である。
【図12】図12は、図11の収縮マトリクスの第2の(内側対向)面の概略斜視図である。
【図13】図13は、収縮マトリクスの別の実施例の概略平面図である。
【図14】図14は、図13の収縮マトリクスの一部の詳細を示す。
【図15】図15は、収縮マトリクスの実施例の一部の概略斜視図である。
【図16】図16は、図1の表面創傷閉塞サブシステムの一部の概略断面図である。
【図17】図17Aは、減圧式表面創傷閉塞サブシステムの実施例の概略斜視図である。図17B、17Cは、図17Aの減圧式表面創傷閉塞システムの概略平面図であり、非収縮位置(図17B)と、収縮位置(図17C)とを示す。
【図18】図18は、表面創傷閉塞サブシステムの実施例の部品として用いる取り付けベース部材の実施例の概略斜視図である。
【図19】図19は、表面創傷閉塞サブシステムの実施例の部品として用いる連結部材の実施例の概略斜視図である。
【図20】図20は、表面創傷閉塞サブシステムの実施例の部品として用いる減圧連結部材の実施例の概略斜視図である。
【図21】図21A、21Bは、非収縮位置(図21A)と収縮位置(図21B)の減圧式表面創傷閉塞サブシステムの実施例の概略平面図である。
【図22】図22は、モジュール型減圧式表面創傷閉塞サブシステムの実施例の概略斜視図である。
【図23】図23Aは、減圧コネクタの実施例の概略斜視図である。図23Bは、図23Aの減圧コネクタの側面図である。
【図24】図24Aは、減圧式創傷閉塞および治療システムの別の実施例の概略部分断面図である。図24Bは、減圧式創傷閉塞および治療システムの別の実施例の概略部分断面図である。
【図25】図25は、減圧式表面創傷閉塞サブシステムの一部の実施例の概略斜視図であり、とりわけ複数のモジュール式閉塞部材の実施例を示す。
【図26】図26は、図25のモジュール式閉塞部材の概略部分断面図である。
【図27】図27は、図25−26の創傷閉塞サブシステムの概略斜視図であり、患者の表面創傷の上に適用した状態を示す。
【図28】図28は、密閉型収縮部材の実施例の一部の実施例の概略断面図である。
【図29】図29は、取付部材の実施例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施例の詳細な説明において、本書の一部をなす添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施するのに十分に詳細に説明され、他の実施例が用いられてもよく、本発明の意図または範囲を逸脱することなく論理構造的、機械的、電気的、科学的な変更を施すことができると解される。当業者が実施例を実施するのに不要な詳細を避けるべく、説明において当業者に周知の特定の情報を省略している場合がある。このため以下の詳細な説明は、限定の意味として解すべきではなく、説明する実施例の範囲は添付のクレームよってのみ規定される。
【0014】
システム紹介
最初に図1を参照すると、減圧式腹部治療システム30の実施例が示されている。この減圧式腹部治療システム30は、患者の腹部開腔32や、開腹の際の組織または創傷を治療あるいは処置するのに用いられる。本書において「創傷」とは、損傷した範囲または組織をいう。減圧式腹部治療システム30は、通常の組織部位34、腹膜36などの深部組織における深部創傷、筋肉40、脂肪層42、および表皮44における表面創傷180の治療に用いることができる。腹膜36の創傷は、腹膜縁部38を有する。表皮44の表面創傷180は、表面創傷縁部182を有する。組織部位34が腹部器官46の近くに示されている。この組織部位34は、様々な人間、動物、または他の器官の肉体組織である。本実施例において、組織部位34は通常、腹部開腔32内の組織を含み、特に腹部器官46の近傍の組織を含む。
【0015】
減圧式腹部治療システム30は、開腔部治療サブシステム52の一部である開腔部治療デバイス50を具える。この開腔部治療サブシステム52は、患者の腹腔32内に減圧治療を提供し、腹部器官46に非粘着性のカバーを提供する。減圧式腹部治療システム30はまた、深部組織閉塞サブシステム56の一部である深部組織閉塞デバイス54を具える。深部組織閉塞サブシステム56は、組織に閉塞力を加え、特に、例えば腹膜36などの深部組織に閉塞力を提供するのに適している。深部組織閉塞サブシステム56は、腹膜縁部38を近接させる補助をする。減圧式腹部治療システム30はまた、減圧治療サブシステム58で通常の減圧治療を提供する。表皮44の表面創傷180、特に表面創傷縁部182が、表面創傷閉塞サブシステム60が発生する閉塞力によって中心部に向かって、あるいは互いに向かって押される。最後に、減圧式腹部治療システム30は、減圧式腹部治療システム30内の様々なデバイスやサブシステムに減圧を提供する減圧供給サブシステム62を具えてもよい。これらのデバイスやサブシステムはそれぞれ、以下に詳細に説明される。
【0016】
減圧式腹部治療システム30により供給される減圧は、腹部開腔32と組織部位34に適用され、浸出液、腹水、その他の液体、バクテリア、フィブリン、死んだ組織、毒素、残存血液など除去を促進する。いくつかの例では、減圧はさらなる組織の成長を刺激し、またいくつかの例では液体のみを除去することがのぞまれるときもある。組織部位104における創傷の場合、肉芽組織の成長や、滲出液およびバクテリアの除去が創傷の治癒を促進する。本書において、「減圧」は通常、治療対象となる組織部位34における大気圧より低い圧力をいう。大多数の場合、この減圧は、組織部位34における静水圧より低い。別に示さない限り、本書で記載する圧力はゲージ圧である。
【0017】
減圧治療サブシステム
例えば減圧サブシステム58といった減圧サブシステムの実施例について以下に説明する。この減圧治療サブシステム58は、マニホルド64と、シーリング部材66(またはオーバドレープ)と、減圧接続器72とを具える。マニホルド64は腹腔32内に配置されて示されている。シーリング部材66は表皮44上の表面創傷180の上に配置され、腹腔32を覆い気密を形成している。
【0018】
マニホルド64は多くの形態をとりうる。「マニホルド」の用語は、本書では通常、減圧を適用し、流体を分配し、あるいは組織部位34などの組織部位から流体を除去するのを補助すべく提供される。マニホルド64は通常、提供される流体を分配し、マニホルド64の周囲の組織範囲から除去するための、複数のフローチャネルまたは経路を具える。マニホルド64は、流体の分配を促進すべく相互接続された複数のフローチャネルまたは経路を具える。マニホルド64は、組織に接触しつつ減圧を分配しうる生体適合材料でなる。マニホルド64の例は、限定しないが、フローチャネルを形成するよう構成された構造要素を備える装置、連続気泡フォームといった多孔性フォーム、多孔性組織集合体、および、フローチャネルを含むあるいは含むように硬化した液体、ゲル、および発泡体を含む。マニホルド64は多孔性で、発泡体、ガーゼ、フェルトマット、あるいは特に生物学アプリケーションに適した他の材料とすることができる。一実施例では、マニホルド64は多孔性フォームであり、フローチャネルとして作用する複数の相互接続されたセルまたは孔を具える。この多孔性フォームは、例えばテキサス州サンアントニオのKinetic Concepts Incorporatedが販売するGranuFoam(登録商標)のようなポリウレタンの連続気泡の網状フォームである。他の実施例は、マニホルド64内で流体流を方向付ける「独立気泡」を含んでもよい。ある状況では、マニホルド64は、薬剤、抗菌剤、発育因子、その他の溶液などの液体を腹腔32または組織部位34へ送達するのに用いられてもよい。マニホルド64には、例えば吸収材、ガーゼ材、疎水材、または親水材などの他のレイヤを含めてもよい。
【0019】
シーリング部材66は、腹腔32および表面創傷180の上に配置され、当該シーリング部材66と患者表皮44の間に気密を提供する。この気密は、減圧式腹部治療システム30が組織部位34において減圧を維持するのに適している。シーリング部材66は、図1に示すように、中央連結部材96または深部組織閉塞サブシステム56の上にマニホルド64を固定するのに用いられる。シーリング部材66は不浸透性または半浸透性であってもよいが、このシーリング部材66は、当該シーリング部材66と他のシステム要素を設置した後に組織部位34において減圧を維持することができる。シーリング部材66は、シリコンベースの複合材、アクリル、ヒドロゲル、ヒドロゲル構成材料、または組織部位に望まれる不浸透または浸透の特性を有する他の様々な生体適合材料でなる柔軟なオーバドレープ、カバーまたはフィルムとすることができる。
【0020】
シーリング部材66はさらに、シーリング部材66を患者表皮44または表面創傷縁部182の周囲のガスケット部材に固定する取付部材68を具えてもよい。この取付部材68は、様々な形態をとることができる。例えば、粘着材70をシーリング部材66の周辺あるいはシーリング部材66の任意の位置に設けて、直接的あるいは非直接的に、患者表皮44と気密を提供してもよい。この粘着材70は、予め塗布されており剥離可能な裏紙あるいは使用時に取り去られる部材でカバーされてもよい。
【0021】
減圧接続器72は、マニホルド64から第1の減圧送達導管76へ、あるいはその逆へ流体を通過させうる。この減圧接続器72は、一例として、ポートまたはコネクタ74である。したがって、マニホルド64を用いて腹腔32から回収された流体は、減圧接続器72を介して減圧送達導管76に入る。別の実施例では、減圧式腹部治療システム30は、減圧治療接続器72を含まず、第1の減圧送達導管76がシーリング部材66およびマニホルド64に直接挿入されてもよい。第1の減圧送達導管76は、医療用の導管またはチューブあるいは減圧を伝達しうる他の様々な手段であってよい。第1の減圧送達導管76は、直ちに減圧を送達し流体を除去しうるマルチルーメン部材であってよい。一実施例において、第1の減圧送達導管76は2本のルーメンを有する導管であり、一方のルーメンが流体移送で、他方が圧力センサに流体接続して圧力測定用である。別の実施例では、第1の減圧導管76は2本の別個の導管であるか、2以上のルーメンを有する単一の導管であってもよい。
【0022】
減圧は、減圧源77を具える減圧供給サブシステム62により、第1の減圧送達導管76に供給される。例えば−50mmHgから−500mmHgといった広範囲の減圧が展開され、より具体的には−100mmHgから−300mmHgである。展開される圧力は、一定であってもよいし、時間により変化してもよい。一実施例では、減圧源77は、−100mmHg、−125mmHg、−150mmHgのプリセットセレクタを有する。減圧源77は、例えば閉塞アラーム、漏れアラーム、キャニスタ満杯アラーム、あるいはローバッテリアラームなど、多くのアラームを具えてもよい。減圧源77は、ポータブルソース、壁面ソース、真空ポンプ、または他のユニットであってもよい。減圧供給サブシステム62は、1日に5リットル以上の液体吸引を実現する必要がある。
【0023】
例示デバイス78のような多くの異なるデバイスが、第1の減圧送達導管76の中間部80に追加されてもよい。例えば、例示デバイス78は、液体リザーバ、キャニスタ回収部材、圧力フィードバックデバイス、体積検出システム、血液検出システム、感染検出システム、フィルタ、フィルタ付ポート、フローモニタシステム、温度監視システム等である。例示デバイス78には複合デバイスを含めてもよい。このようなデバイスは、例えば、液体回収部材を減圧源77に一体成形してもよい。例えば、減圧源77の減圧ポート82が、1以上のフィルタを具えるフィルタ部材(図示せず)を具えてもよく、これには液体が内部空間に入らないようにする疎水フィルタが含まれてもよい。
【0024】
開腔部治療サブシステムおよび治療デバイス
開腔部治療サブシステム52は、腹腔32または組織部位34の治療用である。この開腔部治療サブシステム52について、以下に詳細に説明する。
【0025】
図1−5を参照すると、開腔部治療サブシステム52は、腹腔32内に配置される開腔部治療デバイス50を具える。この開腔部治療デバイス50は、非粘着式ドレープ108に連結できる複数のカプセル化された脚部材90を具える。非粘着式ドレープと、複数のカプセル化された脚部材90は、腹部器官46により支持される。複数のカプセル化された脚部材90の1またはそれ以上が、第1の結腸傍溝92内またはその近くに配置され、複数のカプセル化された脚部材90の1またはそれ以上が第2の結腸傍溝94内またはその近くに配置される。代替的あるいは付加的に、複数のカプセル化された脚部材90は、例えば骨盤腔や肝臓の後など、他の所望の場所に配置されてもよい。複数のカプセル化された脚部材90はそれぞれ、中央連結部材96に結合される。複数のカプセル化された脚部材90と中央連結部材96は連通している。複数のカプセル化された脚部材90と中央連結部材96はともに、有窓部98、100、102、104が設けられ、これらが腹腔32内で流体を通過可能とする。有窓部98、100、102、104は、例えば円形開口、四角開口、多角形など様々な形状をとりうるが、本実施例ではスリット(細長い開口)として示している。
【0026】
開腔部治療デバイス50は非粘着式ドレープ108を具え、これは当該非粘着式ドレープ108に組織が接着しないようにする様々な非粘着式フィルム材で構成することができる。一実施例では、非粘着式ドレープ108は、通気性ポリウレタンフィルムで構成される。この非粘着式ドレープ108は、任意の形状をとりうる複数の有窓部110を設けて構成される。開腔部治療デバイス50は、複数のカプセル化された脚部材90が連結される中央連結部材96を具える。この中央連結部材96は、カプセル化された脚部材90への連通を実現する脚部連結領域112以外は、当該中央連結部材96の縁部を含めてカプセル化されている。中央連結部材96は、例えば開口部104といった開口部または有窓部を有し、これが連結マニホルド部材114とマニホルド64間の連通を実現する。連結マニホルド部材114とマニホルド64間の連通は、深部組織閉塞デバイス54を介してもよい。
【0027】
カプセル化された脚部材90はそれぞれ、例えば脚部モジュール116といった複数の確定された脚部モジュールで構成されてもよい。操作ゾーン118が隣接する脚部モジュール116間に設けられている。この操作ゾーン118は、開腔部治療デバイス50の動きを実現するとともに、開腔部治療デバイス50をサイズ調整すべく開腔部治療デバイス50を切断できるようにしている。
【0028】
カプセル化された脚部材90はそれぞれ脚部マニホルド部材120を有し、これは脚部モジュール116の間を通る単一のマニホルド部材か、脚部マニホルド部材120を構成するマニホルド部材の個々の要素で構成される。この脚部マニホルド部材120は、カプセル化された脚部材90の内側部分122内に配置される。脚部マニホルド部材120は、第1の面124と、第2の内側対向(患者に面する)面126とを具える。第1の脚部カプセル化部材128は、有窓部98を設けて構成され、脚部マニホルド部材120の第1の面124に配置される。同様に、第2の脚部カプセル化部材130は有窓部100を有し、脚部マニホルド部材120の第2の内側対向面126上に配置される。第2の脚部カプセル化部材130は、非粘着式ドレープ108の一部であってもよい。図2の縦の断面に矢印132で示すように、流体は隣接する脚部モジュール116間を流れる。矢印134で示すように、流体は有窓部98と100に入り、脚部マニホルド部材120内へ流れ、その後矢印132で示すように中央連結部材96の方へ流れる。
【0029】
主に図3に示すように、カプセル化された脚部材90の横の断面が示されている。前と同じく、脚部マニホルド部材120の第1の面124は、第1の脚部カプセル化部材128で覆われ、脚部マニホルド部材120の第2の内側対向面126は第2の脚部カプセル化部材130で覆われている。第1の脚部カプセル化部材128と第2の脚部カプセル化部材130とは、脚部マニホルド部材120の上で折られた一枚のシートをシールしてもよい。図示する実施例では、第2の脚部カプセル化部材130は、非接着式ドレープ108の一部である。脚部マニホルド部材120は、これもまた第1の脚部カプセル化部材128の一部にカバーされた周辺縁部136を具える。周辺縁部136は、第1の横方向縁部137と、第2の横方向縁部139とを具える。第1の脚部カプセル化部材128は、第1の面124と周辺縁部136とを覆い、非接着性ドレープ108の第1の面138の上に延び、そこで伸長部140を形成する。この伸長部140は、例えば溶接(例えば超音波やRF溶接)、接着剤、粘着材、接合剤などの任意の取り付けデバイス、本例では溶接142で第2の脚部カプセル化部材130に結合される。
【0030】
主に図4を参照すると、中央連結部材96の一部の概略断面図が示されている。中央連結部材96は、有窓部102を有する第1の連結カプセル化部材146と、有窓部104を有する第2の連結カプセル化部材152とで包まれた連結マニホルド部材114を設けて形成される。第1の連結カプセル化部材146は、連結マニホルド部材114の第1の面148に配置される。連結マニホルド部材114の第2の内側対向面150は、当該第2の内側対向面150に近接配置された第2の連結カプセル化部材152を具える。主に図4、5を参照すると、第1の連結カプセル化部材146は、周辺縁部154を有する。同様に、第2の連結カプセル化部材152は、前記第1の連結カプセル化部材146の周辺縁部154に対応する周辺縁部を有する。第1の連結カプセル化部材146の周辺縁部154は、脚部連結領域112以外は第2の連結カプセル化部材152の周辺縁部に結合されており、これはカプセル化された脚部部材90内で流体用のフローチャネルを提供して、図4の参照矢印156で示すように連結マニホルド部材114に流れるようにするためである。流体はまた、矢印158で示すように、有窓部104を通って流れることで連結マニホルド部材114へと直接入ってもよい。
【0031】
深部組織閉塞デバイス54は、第1の連結カプセル化部材146の近くに展開される。マニホルド64に減圧がかけられると、この減圧は深部組織閉塞デバイス54に伝達され、これにより流体が矢印160で示すように、連結マニホルド部材114から有窓部102、深部組織閉塞デバイス54を通り、マニホルド64へと流れる。この流体は減圧連結器72の方向へ続けて流れ、そこから第1の減圧送達導管76へと流れる。
【0032】
主に図6−8を参照すると、図1の減圧式腹部治療システム30とともに利用可能な開腔部治療デバイス202の別の実施例が示されている。開腔部治療デバイス202は、その主な部分において図1−5の開腔部治療デバイス50に似ている。開腔部治療デバイス202は、非粘着式ドレープ204と、複数のカプセル化された脚部材206と、中央連結部材208とを具える。本実施例では、非粘着式ドレープ204は楕円形またはアーチ形に形成されるが、様々な形状が可能である。非粘着式ドレープ204には、複数の有窓部205が設けられている。非粘着式ドレープ204はまた、第2のカプセル化された脚部材228と、第2の連結カプセル化部材228とが形成されており(図示しないが、図4の符号152と類似)、非粘着式ドレープ204の有窓部205は、第2の内側対向面におけるカプセル化された脚部材206と中央連結部材208のフローチャネルとして作用する。
【0033】
複数のカプセル化された脚部剤206はそれぞれ、複数の脚部モジュール210を設けて構成され、隣接する脚部モジュール210の間には操作ゾーン212がある。この操作ゾーン212は、複数のカプセル化された脚部材206を腹腔内で動かすとともに、開腔部治療デバイス202をサイズ調整するときにカプセル化された脚部材206をどこでカットすればよいかの簡単な位置決めを提供する。これについて、目に見える印214を非粘着式ドレープ204に追加して、医療提供者が腹腔内で非粘着式ドレープ204を異なるサイズにすべくどこでカットするかを分かるようにしてもよい。目に見える印214は、操作ゾーン212の少なくとも一部を通り生体適合性インク、溶接、有窓部、あるいは他のマーキングで形成されたカットラインを有してもよい。目に見える印214はまた、サイズのグラデーションを示していてもよい。
【0034】
主に図8を参照すると、カプセル化された脚部材206の横方向断面図が示されている。このカプセル化された脚部材206は、第1の面220と第2の内側対向面222を有する脚部マニホルド部材218が設けられている。第1の脚部カプセル化部材224は脚部マニホルド部材218の第1の面220をカバーし、脚部マニホルド部材218の横の縁部226をカバーする。脚部マニホルド部材218の第2の内側対向面222は、第2の脚部カプセル化部材228でカバーされ、本実施例では、これは非粘着式ドレープ204の一部である。第1の脚部カプセル化部材224は第2の脚部カプセル化部材228に、溶接(例えば超音波やRF溶接)、接着剤、粘着剤、接合剤等の公知の手段で結合されている。本説明において、第1の脚部カプセル化部材224は、第2の脚部カプセル化部材228に溶接230で結合されている。この溶接230は脚部モジュール210の周辺位置に形成されてもよいし、他の場所でもよい。
【0035】
中央連結部材208は、図4の中央連結部材96と類似するよう構成される。第1の連結カプセル化部材234と第2の連結カプセル化部材(図示しないが、図4の第2の連結カプセル化部材152と類似)は、周辺縁部232に沿って溶接233または他の結合手段、例えば溶接(すなわち超音波またはRF溶接)、接着剤、粘着剤、接合剤等により結合される。第1のカプセル化部材234の周辺縁部232および第2のカプセル化部材は、カプセル化された脚部材206と中央連結部材208間の流体流を閉じるように結合されていない。すなわち、カプセル化された脚部材206から中央連結部材208へと流れる流体用の流路は存在する。
【0036】
開腔部治療デバイス202を構成する1つの例示的なアプローチによると、有窓部205が形成され目に見える印214が設けられた非粘着式ドレープ204が、ほぼ平面に配置され、あるいはそうでなくとも1の面上に配置される。脚部マニホルド部材218がこの非粘着式ドレープ204の上に配置される。中央連結部材208は、非接着式ドレープ204上に配置される。あるいは、中央連結部材208は、脚部マニホルド部材218と一体的部材として形成されてもよく、この場合は中央連結部材208と脚部マニホルド部材218は同時に配置される。第1の連結カプセル化部材234は中央連結部材208に配置され、第1の脚部カプセル化部材224は脚部マニホルド部材218の第1の面、または頂部(図6に示す向きで)に配置される。その後、溶接230、233がなされる。このようにして、開腔部治療デバイス202が構成される。
【0037】
代替実施例では、有窓部205を有する第1の非粘着式ドレープ204が、脚部マニホルド部材218と、第1の非粘着式ドレープ204上に配置された中央連結部材208とを有する。その後、有窓部を有する第2の非粘着式ドレープが、第1の非粘着式ドレープ204、脚部マニホルド部材218、および中央連結部材208の上に配置される。その後、複数の溶接(例えば熱またはRF)が施され、2つの非粘着式ドレープの周囲が溶接される。さらに、ドレープの他の複数点を一緒に溶接してもよい。別の例では、2つの非粘着式ドレープは最初に有窓部を有さず、有窓部は組み立てた後に別個に非粘着式ドレープに追加され、有窓部が整列するようにしてもよい。これらの有窓部は、2つの非粘着式ドレープにおいて脚部マニホルドと中央連結部材がない部位で「ボタンホール」有窓部を形成すべく、同時にカットとシールを行う電気式部材で形成されてもよい。
【0038】
図9を参照すると、開腔部治療デバイス302の別の実施例が示されている。この開腔部治療デバイス302は、多くの点において図6に示す開腔部治療デバイス202に類似している。開腔部治療デバイス302は、非粘着ドレープ348上に複数のカプセル化脚部材306と中央連結部材312とを有する。開腔部治療装置302は、主に流体送達サブシステム345が追加されている点で、開腔部治療デバイス202と異なる。流体送達サブシステム345は、例えば薬剤や洗浄液など多種の流体を腹腔内へと送達可能である。これらの流体はその後、複数のカプセル化された脚部材306や開腔部治療デバイス302自体の動作によって除去される。流体送達サブシステム345は中央ポート部材347を具え、これは腹腔外の部位から中央ポート部材347へ流体を送達する送達導管(図示せず)を接続すべく、中央連結部材312の上または内部に配置される。中央ポート部材347には複数の流体送達導管349が流体結合している。これらの流体送達導管349は、非粘着式ドレープ348の様々な箇所を通っている。例えば、流体送達導管349は、カプセル化された脚部材306の面上あるいは非粘着式ドレープ348の反対側を通ってもよい。本実施例では、流体送達導管349は、複数のカプセル化された脚部材306を通るよう示されている。流体送達導管349はその遠位端部351において開口しており、ここを通り優待を送達で器量にしている。しかしながら、流体送達導管349は流体送達のために多様な場所に開口を有してもよく、遠位端部351は閉ざされていても遠位端部351は開口してもよい。流体送達導管349の遠位端部351を通る流体は、矢印353で示されている。
【0039】
利用時、開腔部治療デバイス302は、開腔部治療デバイス50、202と似た方法で用いられるが、多くの場合に、流体送達サブシステム345に流体を通すことが望ましい。例えば、腹腔を洗浄液で洗浄するか、薬剤を周期的に投与することが望ましい。
【0040】
深部組織閉塞サブシステムおよびデバイス
図1を参照すると、減圧式腹部治療システム30の深部組織閉塞サブシステム56は、腹膜36などの深部組織を閉塞すべく用いられ、特に腹膜縁部38を接合させるのに用いられる。深部組織閉塞デバイス54を具える深部組織閉塞サブシステム56が示されている。深部組織閉塞サブシステム56は特に、例えば腹膜36などの深部組織を含む腹腔32内での利用に適している。腹膜36の創傷は、腹膜縁部38を有して示されており、これは典型的な深部組織の損傷を規定している。これらの腹膜縁部38を近接させることにより、深部組織の創傷を閉じるか、閉塞力をかけることが望ましい。より具体的には後述するが、深部組織閉塞デバイス54はこの目的を補助する。
【0041】
深部組織閉塞デバイス54は、開腔部治療デバイス50の上であって腹膜36の下に配置される。図1、10を主に参照すると、深部組織閉塞デバイス54は、第1の面166および第2の内側対向面168を有する収縮マトリクス164を具える。この収縮マトリクス164は、収縮マトリクスの材料または構造を通る複数の第1の開口170を具える。収縮マトリクス164はまた、例えば連続気泡172といった複数のセルが、第2の内側対向面168に形成されるよう構成される。複数のセル172は、複数の第2の開口176を具えるセル壁174を設けて構成される。複数の第1の開口170は、セル172と中心が一致している。
【0042】
減圧が収縮マトリクス164にかかると、グリップ力と内側への力が発生する。減圧は複数の第1の開口170に作用し、腹膜36へのグリップ力を生成する。このグリップ力は、腹膜36を把持あるいはグリップする。減圧は、開腔部治療デバイス50、セル172、および複数の第1の開口170の流体接続を介して、腹膜36に(図示する向きにおいて)下側からかけられる。減圧は付加的あるいは代替的に、マニホルド64および複数の第2の開口176から供給されてもよい。腹膜36にかかるグリップ力は、矢印178で示されている。
【0043】
開腔部170を介したグリップ力の生成に加え、減圧はさらに、収縮マトリクス164を内側に、すなわち矢印29で示す方向に動かす。この文脈における「内側」は、減圧式深部組織閉塞デバイス54の中心位置に向かってという意味である。あるいは、「内側」とは、組織すなわち腹膜36を、広げられた減圧式深部組織閉塞デバイス54において組織創傷の腹膜縁部38の方へ引っ張る方向として規定されてもよい。収縮マトリクス164に減圧が作用すると、収縮マトリクス164は腹膜36をグリップし、非収縮位置から収縮位置へと遷移する。一実施例では、収縮マトリクス164は横方へ潰れて収縮するセルを有する。セルの側壁は柔軟性があり、減圧の影響下で互いに近づくように移動する。複数の第1の開口170に減圧がかかると腹膜36がグリップされ、減圧はまた収縮マトリクス164を収縮させ、閉塞力が生じて腹膜36にかかり、腹膜縁部38が近接して接合するように動く。このように、腹膜36に閉塞力が作用し、減圧により閉じられるか、閉塞位置へと動かされる。
【0044】
一実施例では、主祝マトリクス164は、減圧がかけられていないとき、すなわち大気圧で、集合体として第1の体積(V)を規定する複数のセル172といった複数のセルを具える。減圧がセルにかけられると、これらのセルは潰れ、そうでなくても動いて、第2の体積(V)となる。第2の体積は、第1の体積(V)より小さく、V>Vであり、この体積変化は収縮によるものである。
【0045】
深部組織閉塞サブシステム56は、腹膜36といった深部組織に閉塞力を与え、腹腔32内の減圧治療を補助し、特に、組織部位34の近くに減圧治療を施すことができる。減圧は組織部位34と腹腔32に適用され、腹水、滲出液、その他の液体の除去を促進する。減圧はまた、付加的な組織の成長を刺激する。
【0046】
深部組織閉塞サブシステム56を用いるにあたり、多数の深部組織閉塞デバイス54の実施例を用いることができる。機能的には、深部組織閉塞デバイス54は、深部組織に穴を開けることなく深部組織をグリップし、深部組織を中央に向けて、すなわち深部組織165の中央に向けて引っ張ることが望ましい。腹膜36に適用された場合、深部組織閉塞デバイス54は腹膜縁部38を接合する。
【0047】
主に図11、12を参照すると、減圧式深部組織サブシステムの部品として用いられる収縮マトリクス400が示されている。収縮マトリクス400は、第1の面402と第2の内側対向面404とを有する。図11は第1の面402を示し、図12は第2の内側対向面404を示す。この特定の実施例において、収縮マトリクス400は立体的な円形であるが、例えば図13に示す楕円形や、アーチ型、四角形、不規則形状等の様々な他の形状を用いることができる。収縮マトリクス400の第1の面402は、これを通って形成され第2の内側対向面404まで延びる複数の第1の開口406を有する。図12に示すように、複数のセル408が、第2の内側対向面404に形成されている。セル408はそれぞれ、開口406と連続気泡部分を有する。各連続セル408には、セル壁410が設けられている。各セル壁410は、セル壁410を通るセル間開口を有して、図10の複数の第2の開口176に似た複数の第2の開口を構成している。この特定の実施例において、複数のセル408はハニカムセルとして形成され、第1の複数の開口406の各々の周りに集中してもよい。セル408は他の形状も可能であり、これを以下に説明する。
【0048】
図13、14に示すように、収縮マトリクス500の他の実施例が示されている。収縮マトリクス500は第1の面と、第2の内側対向面504を有する。この特定の実施例の収縮マトリクス500は、中央開口506を有する楕円形に構成されているが、図11に示すようにこの開口はなくてもよい。図14に示すように、収縮マトリクス500の第2の内側対向面504は、例えば複数の第1の開口510に中心付けられた複数のセル508を設けて構成される。この複数のセル508は、複数の相互接続されたセル壁512によって形成される。セル壁は、図10の複数の第2の開口176と類似の複数の第2の開口を設けて形成される。
【0049】
図15を参照すると、収縮マトリクス520の別の実施例が示されている。この収縮マトリクス520は、図1の減圧式深部組織閉塞サブシステム56で利用可能である。本実施例の収縮マトリクス520は四角形であり、収縮マトリクス520の第1の面524から第2の内側対向面526まで繋がる複数の第1の開口522を具える。複数の第2の開口528が、複数の第1の開口522またはその一部を連結している。
【0050】
代替実施例では、収縮マトリクス520は、第1の面524に開口522を有するが、第2の内側対向面526には対応する開口がない。したがって、収縮マトリクス400は第1の面524にのみ開口するセルを有し、これらのセルに減圧を提供する開口528を有する。減圧が開口528を通してかけられたとき、深部組織は開口522によりグリップされ、セルの側壁が近接するよう引っ張られ、収縮マトリクス520が収縮する。
【0051】
多くの異なる物質を用いて収縮マトリクス、例えば図1の収縮マトリクス164、図11、12の収縮マトリクス400、図13、14の収縮マトリクス500、図15の収縮マトリクス520を構成することができる。典型的には、柔軟で収縮可能な材料がマトリクスに使用される。例えば、収縮マトリクス164、400、500、および520は、柔軟な熱可塑性エラストマ(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーンラバー等で構成することができる。収縮マトリクスには発泡体は用いられない。収縮マトリクスを構成する材料は、様々な組織の内側発育を好適に防ぐよう構成される。さらに収縮マトリクスには、多様なセル形状を適用することができる。例えば、セル形状には、ハニカム、円形、ダイヤモンド形、歯車形等が可能である。通常は発泡体は用いられないが、一実施例では、収縮マトリクスは、組織をグリップし減圧供給連結部となる開口部を有する密閉またはカプセル化された発泡体材料で構成されてもよい。
【0052】
一実施例では、収縮マトリクスは、融接して構成されたハニカムセルを具えるTPUハニカム材料で構成される。別の実施例では、収縮マトリクスは、xy平面(図13の頁内の面)で拡大と収縮が可能で、z方向(図13の頁から出る方向)にはほぼ一定である熱可塑性エラストマ(TPE)で構成される。本実施例では、収縮マトリクスは、xy方向よりz方向により強い材料(または多くの材料)を集中させてもよい。代替的あるいは付加的に、崩壊パターンを決定するための空隙を追加してもよい。代替的あるいは付加的に、z方向にフィラメントなどの強化材を添加して、この方向に潰れないようにしてもよい。別の実施例では、収縮マトリクスは、熱可塑性ウレタン(TPU)を用いて構成され、例えば図11の収縮マトリクス400の第1の面402のような第1の面に収縮マトリクスの付加的なフィルムを有するようにしてもよい。これらは単なる説明的な例である。
【0053】
表面創傷閉塞サブシステム
再び図1を参照すると、表面創傷閉塞サブシステム60が示されている。表皮44の表面創傷180、特に、表面創傷縁部182間に閉塞力を提供することが望まれる。図1、16に示すように、表面創傷閉塞サブシステム60を、この目的で用いることができる。この表面創傷閉塞サブシステム60は、表皮44に連結された矢印184で示す閉塞力を生成し、表面創傷縁部182を互いに向かって動かす。表面創傷閉塞サブシステム60は、第1の取付部材186を具え、これは第1のベース部材177と、第1のウォール188またはウォール部材を具える(図16)。密閉型収縮部材196が、例えば粘着材189といった固定具によりウォール188に固定される。第1のベース部材177は、第1の面190と第2の内側対向面191とを具える。第1のベース部材177と第1のウォール188は、多様な材料で構成することができるが、いくらか柔軟性のある材料が好ましい。例えば、第1の取付部材186は、第1のベース部材177で構成され、第1のウォール188はポリプロピレンや硬質シリコーン等で構成されてもよい。
【0054】
第1の粘着材192が、第1のベース部材177の第2の内側対向面191に適用され、第1のベース部材177を、患者表皮44に直接的に、あるいは表皮44上に最初にポリウレタンフィルムまたは他の密閉部材66が配置される場合は間接的に、脱着可能に取り付ける。第1の粘着材192に加え、ステープル、縫合糸、その他の非侵略性のアプローチを、第1のベース部材177を取り付けるのに用いてもよい。第1の取付部材186は、表皮44の上に直接的に、あるいは密閉部材66の上に適用され、これにより第1の取付部材186にかけられる力は何であれ、表皮44に直接的あるいは間接的に伝達される。第1の取付部材186を表皮44に適用するとの文言は、密閉部材66の上に適用することを含むと解すべきである。
【0055】
第1の取付部材186から表面創傷180に、第2の取付部材193がわたっている。第2の取付部材193は、第1の取付部材186と類似している。図1の表面創傷閉塞サブシステム60では2つの取付部材186、193のみを示すが、他の取付部材を、典型的にはペアで、表面創傷180の周りに間隔を開けて点在させてもよい。少なくとも2の取付部材、すなわち取付部材186と193を有することにより、閉塞力が生成される。
【0056】
1またはそれ以上の取付部材、例えば取付部材186は、第2の減圧送達導管195からの減圧を受ける減圧接続器194を具える。例えば、図16に示すように、第1の取付部材186は、第2の減圧送達導管195が流体結合される減圧接続器194を具えてもよい。
【0057】
表面創傷閉塞サブシステム60は、密閉型収縮部材196を具える。この密閉型収縮部材196は、マニホルド64と同じ種類の材料で構成されてもよいが、材料を通る開口や孔が少ない材料でなることが望ましい。密閉型収縮部材196は、第1の密閉部材181と第2の密閉部材183で包まれた収縮マニホルド材料で構成されてもよい。さらに、いくつかの状況では、(図1の向きにおいて)縦にあまり収縮せず、(図1の向きにおいて)水平面により収縮する材料を有してもよい。密閉型収縮部材196は、第1の面197と第2の内側対向面198を具える。密閉型収縮部材196は、周辺縁部199も有している。
【0058】
密閉型収縮部材196は、第1の面197に適用される第1の密閉部材181(図6)と、第2の内側対向面198に適用される第2の密閉部材183とを有することにより密閉される。周辺縁部199は、当該周辺縁部199に対向する面200を有する周辺密閉部材185により密閉される。ウォール188もまた、周辺縁部199を密閉するのに用いられる。同様に、第2の内側対向面198も、密閉部材66または患者表皮44に対向配置されることにより密閉される。密閉型収縮部材196はガス不透過性材料でコートすることにより密封してもよい。密閉型収縮部材196は、ポリウレタンフィルムまたはシリコーンを密閉部材181、183として用いて、密閉部材181、131の端部を超音波溶接またはRF溶接で周辺縁部199をカバーすることにより密閉してもよい。減圧が密閉型収縮部材196にかけられると、密閉型収縮部材196は収縮して閉塞力を生じ、これが矢印184で示されている。
【0059】
密閉型収縮部材196は、当該密閉型収縮部材196の一部に減圧接続器72の伸長部179を受ける開口187が形成されていてもよい(図1)。この伸長部179は、密閉型収縮部材196を通り、マニホルド64へと延在する。
【0060】
表面創傷閉塞サブシステム60に用いる減圧を生成するには多くの方法がある。図示する実施例では、減圧供給サブシステム62(図1)が、第2の減圧送達導管195に減圧を供給する第2の減圧源84を有し、これが減圧を第2の減圧接続器194に送達するようにしてもよい。導管86で示すように(点線で示す)、第2の減圧源84は、減圧を(第1の減圧源77に加え、あるいは代わりに)第1の減圧送達導管76とともに第2の減圧送達導管195に提供するのに用いられてもよい。あるいは、第1の減圧源77が、第2の減圧源84に加え、あるいは代わりに、導管86を介して第2の減圧導管に減圧を供給してもよい。
【0061】
ここで図17Aを参照すると、図1の表面創傷180といった表面創傷に閉塞力を提供する表面創傷閉塞デバイス600が示されている。この表面創傷閉塞デバイス600は、図1の表面創傷閉塞サブシステム60とともに用いることができる。表面創傷閉塞デバイス600は複数の取付部材を具えており、これには第1の取付部材602、第2の取付部材604、第3の取付部材606、および第4の取付部材608がある。各取付部材602、604、606、608は、部材を患者表皮(または密閉部材)に脱着可能に取り付ける取付具を具える。例えば、第1の取付部材602は、患者表皮に取り付けるための粘着材610である取付具を具え、同様に、第3の取付部材606も粘着材612を具える。図示しないが、第2、第4の取付部材も、部材を患者表皮に固定するための粘着材のような取付具を具える。通常は非侵略性の手段が好ましいと考えられるが、これらの取付部材602、604、606、608は縫合糸、ステープル、または他の侵略性機械装置を用いて固定されてもよい。
【0062】
複数の取付部材に結合された1のウォール614が、収縮部材616または収縮材料が配置された内部空間を有する周辺ウォールを構成している。収縮部材616はこの周辺ウォール614に、少なくとも各取付部材602、604、606、608の近くのポイントで取り付けられている。周辺ウォール614は,ポリプロピレン、硬質シリコーン、または周辺ウォール614が閉塞モードすなわち減圧がかかったときに曲がるような他の半硬質材料で作ることができる。収縮部材616は、図1の密閉型収縮部材196と同種の材料で作成することができる。この収縮部材616は、運用時に密封されるべきであり、第1の面618または(図示する向きにおいて)に上面フィルム、レイヤ、またはドレープにより密閉してもよい。収縮部材616はまた、周辺縁部をカバーする周辺ウォール614で密封されてもよく、その密封部材は底部を密封し、その後頂部の上にフィルムやドレープを配置するようにしてもよい。収縮部材616は、材料の周囲でエンベロープを形成すべく融接されたポリウレタンフィルムに単に包まれてもよい。開口620が、収縮部材616を通って形成されてもよい。この開口620は、表面創傷閉塞デバイス600の下のマニホルドへと延びる減圧接続器またはポートの一部を配置するためのものである。減圧導管622が、減圧を収縮部材616に送達する。これは、減圧導管622を収縮部材616の任意の部分に直接適用することで実現するが、周辺ウォール614一部に形成された減圧接続器624を用いて図示されている。
【0063】
運用時、取付部材すなわち第1の取付部材602と第2の取付部材604は、互いに反対に、表面創傷の両側に、脱着可能に取り付けられる。したがって、例えば、第1の取付部材602と第4の取付部材608は、表面創傷の一方の側に異なる間隔の位置で脱着可能に固定され、取付部材604と606は、表面創傷の他方の側に配置される。表面創傷閉塞デバイス600が設置されると、表面創傷閉塞デバイス600は非収縮位置となる。
【0064】
表面創傷閉塞デバイス600が表面創傷の上に設置されると、減圧導管622に減圧がかけられる。収縮部材616は、減圧適用下で収縮し、周辺ウォール614の少なくとも一部が中央位置に向かって引っ張られ、これが取付部材に伝達され互いに引っ張り合う力が発生する。このように閉塞力が生成され、取付部材602、604、606、および608を通して表皮に伝達される。図17Bは、正面創傷閉塞デバイス600の平面図の非収縮状態を示し、図17Cは表面創傷閉塞デバイス600の収縮状態を示す。
【0065】
図18乃至21Bを参照すると、表面創傷閉塞サブシステム60の別の実施例として適切な、モジュール式の減圧創傷閉塞システム700が示されている。このモジュール式減圧創傷閉塞システム700は、様々なサイズと形状の創傷に対処すべく可動結合され表面創傷の中心部へ向かう閉塞力を提供する多くのモジュール部品を用いる。最初に図18を参照すると、取付ベース部材702といった複数の取付ベース部材が用いられる。この取付ベース部材702は、第1の面706および第2の内側対向面708を有する基部704を具える。基部704の第2の内側対向面708は、患者表皮(または密閉部材)に取付ベース部材702を取り付けるための粘着材(図示しないが、図17Aの要素610と類似)を有してもよい。第2の内側対向面708の粘着材は、最初は剥離可能な裏紙材料で覆われており、これが患者への適用時の前に除去される。取付ベース部材702はまた、基部704に連結されるか基部704と一体形成されたウォール710を具える。このウォール710は、第1の端部712と、第2の端部714とを具える。第1の端部712には、当該第1の端部と一体形成されるか取り付けられる第1の可動連結部材716が形成される。第2の端部714は、第2の可動連結部材718が形成される。基部704のウォール710は、ウォール710または基部704に取り付けられたフック部材720を有してもよい。フック部材720は、密閉型収縮部材722のグリップと保持を補助するために用いられる(図21A参照)。
【0066】
図19を参照すると、連結部材726といった複数の連結部材が、モジュール式創傷閉塞システム700の一部として用いられている。各連結部材726は、第1の端部730と第2の端部732を有する第2のウォール728を具える。第2のウォール728は、図示するようなアーチ型構造か、真っ直ぐな形状である。第1の端部730は、第1の端部730に一体形成あるいは取り付けられた第3の可動連結部材734を具える。同様に、第2の端部732は、第4の可動連結部材736を具える。これらの可動連結部材734、736は、可動連結部材716、718などの可動連結部材と協働して、各取付ベース部材702とそれぞれの隣接結合された連結部材726間の回転動作といった相対動作ができるように調整された方法で、寸法調整および構成されている。特にこの実施例では、可動連結部材734、736は、ピン型部材として示されている。第1および第2の可動連結部材716、718は、この可動連結部材734、736のピン形状を受けるようサイズ調整および構成されたソケットである。
【0067】
図17Aの導管622などの減圧導管は、取付ベース部材702にウォール710を介して直接適用されてもよいが、減圧接続器を取付ベース部材702のウォール710に用いてもよい。このように、例えば、取付ベース部材702は、図20に示すような減圧接続部材740を形成するよう変更されてもよい。減圧接続部材740は、減圧接続器742が設けられている以外は、取付ベース部材702と類似している。減圧接続器742は、ウォール746を通って延在するポート744とすることができる。
【0068】
前述したモジュール部品、取付ベース部材702、連結部材726、および減圧接続部材740は様々な形状となるよう組み合わせることができ、その一例が図21A、21Bにモジュール式減圧創傷閉塞システム700とともに、表面創傷701の周囲と上に示されている。図21Aを主に参照すると、モジュール式減圧創傷閉塞システム700が、複数の取付ベース部材とともに示されている。本例では、モジュール式減圧創傷閉塞システム700は、第1の取付ベース部材702と、第2の取付ベース部材750と、第3の取付ベース部材752とを具える。第4の取付ベース部材が示されているが、減圧接続器742を有する減圧接続部材740を構成すべく変更されている。減圧導管754が、減圧接続器742に連結されている。
【0069】
複数の可動連結部材が、それぞれ複数の取付ベース部材702、750、752、740(接続器)と連結するのに用いられる。したがって、本実施例では、取付ベース部材702は第1の端部712において、第1の連結部材726の第2の端部732で、第1の連結部材726に可動に連結される。同様に、第2の取付ベース部材750は、第2の連結部材756に可動に連結される。第2の連結部材756はまた、第3の取付ベース部材752に可動に連結される。同時に、第3の連結ベース部材752は、第3の連結部材758に可動に連結され、これがまた減圧接続部材740に可動に連結される。減圧接続部材740はまた、第4の連結部材760に可動に連結される。このようにして、複数の取付ベース部材と複数の連結部材が、密閉型収縮部材772が配置される内部空間781を規定する周辺ウォール780を構成する。
【0070】
複数の取付ベース部材および複数の連結部材の代替的な部材が、移動する連結部を提供し、すなわち可動に連結されると理解されたい。可動の連結は、モジュール式減圧創傷閉塞システム700が図21Aの非収縮状態から図21Bの収縮状態へと移る際に役に立つ。また、本例では4つの連結部材と4つの取付ベース部材のみを示すが、より大きな、またはより小さなアプリケーションのためにこれらの要素は様々な数を用いることができる。例えば、図22のモジュール式減圧閉塞システム800は、より大きなシステム構成を示している。
【0071】
本実施例のモジュール式減圧閉塞システム800は、7つの取付ベース部材802と、もう1つ減圧接続器804を形成すべく変更されたものを含む複数の取付ベース部材を具える。モジュール式減圧閉塞システム800はまた、本実施例では8つの連結部材806を含む複数の連結部材を具える。これらの複数の取付ベース部材802と複数の連結部材806は可動に結合して、内側空間810を規定する周辺ウォール808を構成する。密閉型収縮部材812が内側スペース810に配置され、取付ベース部材802の少なくともいくつかと連結される。減圧が減圧接続器814を通り減圧接続器804にかかると、この減圧は、密閉型収縮部材812を収縮させ、複数の取付ベース部材802の各々が中央位置に向けて引っ張られる。こうして閉塞力が発生する。
【0072】
ここで図23A、23Bを参照すると、減圧コネクタ900の一実施例が示されている。減圧コネクタ900は、2つの異なる区画または領域を流体接続する。図23A、23Bの実施例において、減圧コネクタ900は第1の端部902と第2の端部904とを具える。第2の端部904に、エントリ部906が形成されている。このエントリ部906は、例えば密閉部材とマニホルドなどの多様な部材を容易に挿入できるよう、逆さにした円錐形状に構成される。第1の端部902には、流体流を促進すべく複数のフルート908が配置される。フランジ部分910は、第1の端部902と第2の端部904を具える。フランジ部分910は、第1の面912と、第2の面914とを具える。代替実施例では、第1の端部902はまた、密閉部材または他の材料を簡単に通るように形成され構成されている。減圧コネクタ900の2つの異なる例示的な応用例が、図24A、24Bに示されている。
【0073】
図24Aを参照すると、減圧式創傷閉塞・治療システム1000が示されている。この減圧式創傷閉塞・治療システム1000は多くの点において、図1の創傷閉塞サブシステム60に類似している。マニホルド1018が体腔、例えば腹腔1010内に配置されて、そこでの減圧治療の提供を補助する。このマニホルド1018は、皮下組織1014と表面創傷1011の近くに示されている。
【0074】
密閉部材1032が、患者表皮1008の腹腔1010と表面創傷1011の上に配置される。表面創傷は、創傷縁部1012を有する。密閉部材1032は、表皮1008に気密を形成するのを補助する粘着剤1034を具える。密閉部材1032は適用されると、腹腔1010の上に気密を形成する。
【0075】
創傷閉塞デバイスまたはサブシステムの部分1071も示されている。この部分1071は、密閉型収縮部材1088の一部を含む。密閉型収縮部材1088は、少なくとも部分的に、第1の密閉部材1096と第2の密閉部材1098によって密閉されている。この密閉型収縮部材1088は、少なくとも何カ所かにおいて、患者表皮1008に取り付けられる。減圧が密閉型収縮部材1088の内部に供給されると、密閉型収縮部材1088が収縮して、これにより中心部に引っ張られ、閉塞力が生じて表面創傷1011に伝達される。
【0076】
図24A、24Bの実施例では、減圧は減圧源から減圧導管1042に供給される。減圧導管1042は、伸長部1102を有する減圧接続器1038に連通している。図24Aの実施例では、伸長部1102は密閉部材1032を通りマニホルド1018内へと延在する。したがって、減圧がマニホルド1018に送達され、矢印1044で示すように液体を伸長部1102の方へ吸引する。本実施例では、減圧コネクタ900が追加されている。減圧コネクタ900は、第1の端部902が密閉型収縮部材1088の内部へ、第2の端部904がマニホルド1018内へ展開している。減圧コネクタ900はこれにより密閉型収縮部材1088とマニホルド1018を流体結合する。これにより減圧が減圧接続器1038からマニホルド1018へ、そして密閉型収縮部材1088の内部に供給される。減圧コネクタ900を通って送達される減圧は、矢印1045で示すように、密閉型収縮部材1088内の液体を吸引する。
【0077】
減圧コネクタ900の第1の面912は密閉部材1032に当接し、第2の面914はマニホルド1018に当接する。減圧コネクタ900は、多様な方法で配備しうる。例えば、図17Aを参照すると、減圧コネクタ900は、収縮部材616のセル625などのセル上に配置して、その上の密閉部材を通るよう押してもよい。挿入部906は、このような挿入を実現できるよう形成されている。上の密閉部材は貫通後に自動的に密閉されるようにしてもよいが、密閉部材のさらなる部分を、挿入地点の上に追加するようにしてもよい。挿入時、減圧コネクタ900は、第2の面914が第2の密閉部材1098に当接し、挿入部分906が収縮部材616の外に延びるまで密閉型収縮部材616内に押し込まれてもよい。主に図24Aを参照すると、同様に、挿入部906は、密閉部材1032を通りマニホルド1018内へと挿入される。前述したように、減圧コネクタ900を配備するのに多様なアプローチをとることができ、減圧コネクタ900も多くの異なる構成をとることができるが、配備された減圧コネクタ900は機能的に密閉型収縮部材1088とマニホルド1018の流体結合を提供する。
【0078】
図24Bを参照すると、別の代替例が示されている。図24Bの実施例では、減圧接続器1038の伸長部1102は、密閉型収縮部材1088内で終端しており、密閉型収縮部材1088内に減圧を送達する。減圧コネクタ900は前述と同じ方法で配備されるが、ここでは減圧をマニホルド1018に低供する。すなわち、流体はマニホルド1018を通り、減圧コネクタ900を通り、密閉型収縮部材1088の内側を通り、減圧接続器1038の伸長部1102を通って流れ、その後減圧導管1042を通る。
【0079】
図25−27を参照すると、モジュール式減圧閉塞システム1200の別の実施例が示されており、これは別の表面創傷閉塞サブシステム60と同様に適切である。モジュール式減圧閉塞システム1200は、柔軟ストラップ1202といったスペーサ部材を具え、これが図25では線形状態であり、図27では閉ループ1204を形成している。この柔軟ストラップ1202は、患者腹部の開口などの表面創傷1206の周りの閉ループ1204に形成することができる。複数のモジュール式閉塞システム1208が、選択的に柔軟ストラップ1202に結合されている。柔軟ストラップ1202上の複数のモジュール式閉塞部材に含まれるモジュール式閉塞部材1208の数は、表面創傷1206を囲むのに必要な閉ループ1204の寸法により決定される。例えば、図27の表面創傷1206をカバーするのに、柔軟ストラップ1202上に8つのモジュール式閉塞部材1208が含められる。柔軟ストラップ1202を記載したが、閉塞部材1208を間隔をあけた関係で表面創傷1206の周りに保持する様々なスペーサ部材を用いることができる。例えば、スペーサ部材は、モジュール式閉塞部材1208を間隔をあけた関係で保持する1またはそれ以上の紐線や、モジュール式閉塞部材1208を間隔をあけた関係で保持すべくモジュール式閉塞部材1208上部に配設された柔軟な粘着フィルムであってもよい。
【0080】
主に図25を参照すると、モジュール式閉塞部材1208はそれぞれ、第1の端部1210と第2の端部1212を具える。連結部材1214が各モジュール式閉塞部材1208の第1の端部1210に連結されている。図25の実施例では、各連結部材1214は、柔軟ストラップ1202を通して配設される取付ループ1216を具える。取付ループ1216は、柔軟ストラップ1202に沿って所望の位置に各閉塞部材1208を配置することができる。各取付ループ1216の一部を複数のストラップ用開口1218の1つに接続して、連結部材1214が柔軟ストラップ1202の所望の位置に保持されるようにしてもよい。
【0081】
主に図26を参照すると、第2の減圧接続器1226が、連結部材1214に結合されて示されている。減圧導管1227が、減圧を第2の減圧接続器1226に提供すべく、第2の減圧接続器1226に流体接続されている。第2の減圧接続器1226は、密閉型収縮部材1228に減圧を送達し、柔軟ストラップ1202に対する連結部材1214の位置を保持するピンとして機能しうる。第2の減圧接続器1226は、連結部材1214を通り、取付ループ1216を通り、柔軟ストラップ1202を通り、密閉型収縮部材1228へと延びる。図26において、密閉型収縮部材1228は、粘着層1229でベース部1231に保持されてもよい。同様に、密閉型収縮部材1228第2の周辺縁部1233は、粘着層1235により連結部材1214のウォール1251に保持されてもよい。これにより、減圧がモジュール式閉塞部材1208に、より具体的には密閉型収縮部材1228に供給可能となる。図28、29は、以下に説明するように、密閉型収縮部材1228に減圧を供給する別の方法を示している。
【0082】
密閉型収縮部材1228は、収縮部材196(図1)、616(図17A)、722(図21A)と同一または類似の材料で構成されている。密閉型収縮部材1228は、当該密閉型収縮部材1228の周りに気密を構成すべく密閉される。粘着層1229を用いて密閉型収縮部材1228をベース1231に保持する。粘着層1235はまた、密閉型収縮部材1228の周辺縁部1233をウォール1251に取り付けるのに用いられる。
【0083】
モジュール式閉塞部材1208の反対側の端部において、モジュール式閉塞部材1208の第2の端部1212にそれぞれ取付部材1220が連結されている。再び図25を参照すると、各取付部材1220はベース1222と、ウォール1224が形成されている。粘着層を用いて、密閉型収縮部材1228をベース1222に取り付ける。粘着層はまた、密閉型収縮部材をウォール1224に保持するのに用いることができる。粘着剤を用いて、ベース1222の内側対向面1236を患者の表皮に対して保持する。
【0084】
主に図28を参照すると、モジュール式減圧閉塞システム1200の部品として利用可能な代替例の減圧接続器1327が示されている。減圧は密閉型収縮部材1308に連結部材を通してかけられる。例えば、モジュール式閉塞部材は、選択的に柔軟ストラップ1302に取り付ける連結部材1316を有する。粘着剤1330を用いて密閉型収縮部材1308を連結部材1316に保持する。連結部材1316は、ウォール1324とベース1322を具える。減圧接続器1327はベース1322上に形成され、密閉型収縮部材1308に挿入されるよう構成されている。減圧接続器1327は、減圧源に流体接続あるいは流体結合されたマニホルド1380に接続(engage)するよう構成されている。減圧がマニホルド1380に供給される。
【0085】
主に図29を参照すると、取付部材1420はベース部1422とウォール1424を具えており、代替的な減圧接続器1426を具えて示されている。減圧接続器1426は、ウォール1424を通るよう形成されている。減圧導管1427が減圧を減圧源から減圧接続器1426に供給する。減圧接続器1426は、減圧を密閉型収縮部材1428に供給する。密閉型収縮部材1428はベース1422に、粘着剤1430のような取付具によって保持される。ベース1422は患者表皮に、例えば粘着剤1436のような取付具1432によって保持される。密閉型収縮部材1428はまたウォール1424に、粘着剤1434といった取付具1432によって保持される。
【0086】
再び図27を参照すると、使用時に、モジュール式減圧閉塞システム1200が医療提供者により用いられ、最初に表面創傷1206のサイズを評価して、当該創傷のサイズに適したモジュール式閉塞部材1208の数が決定される。表面創傷1206の周囲の長さに基づいて数を提案するのに対照表が用いられてもよい。所望の複数のモジュール式閉塞部材1208を構成する適切な数が、その後選択的に柔軟ストラップ1202に連結される。柔軟ストラップ1202は表面創傷1206の周りに閉ループ1204として形成され、好ましくは表面創傷1204の周辺縁部の内側(inboard)に配置される。閉ループ1204は、例えばラチェット、スナップ、柔軟ストラップ1202のファスナ、ラチェットタイ、フレキシブルペグ、スロット部材等の任意の数の手段を用いてループ状に固定される。その後、複数の取付部材1220はそれぞれ、表面創傷1206の縁部近くの患者表皮に取り付けられる。前述のように、複数の取付部材1220の各々が表皮に取り付けられるとの記載は、取付部材1220が減圧治療に用いられる密閉部材の上部に取り付けられることを含む。減圧が下夏導管1227を通って各モジュール式閉塞部材1208の減圧接続器1226に供給されると、矢印1240で示すような閉塞力が発生する。
【0087】
閉ループ1204は、当該ループの中央に、減圧治療システムの一部(図1のサブシステム58参照)に減圧を供給するのに用いられる減圧接続器1242を適応可能なオープン領域を提供する。
【0088】
通常オペレーション
主に図1を参照すると、開口した腹腔32の治療アプローチによると、医療提供者は最初に、開口部治療サブシステム52の部品としての開腔部治療デバイス50を入れる。この開腔部治療デバイス50は、最初に、特定のアプリケーションに合致するよう寸法調整されている。例えば、図6では、開腔部治療デバイス202は、適切なサイズとなるよう、目に見える印214に沿って操作領域212を通ってカットされる。再び図1を参照すると、開腔部治療デバイス50が適切なサイズとなったら、開腔部治療デバイス50は腹腔32内の腹部器官46の上に配置される。開腔部治療デバイス50のカプセル化された脚部材90が曲げられ、結腸傍溝92、94、骨盤腔、患者の肝臓の裏などの所望位置に入れられる。
【0089】
医療提供者は、開腔部治療デバイス50の第1の面(あるいは図示する向きの頂部)に深部組織閉塞デバイス54を配置する。深部組織閉塞デバイス54は、深部組織閉塞サブシステム56の部品であり、深部組織閉塞デバイス54を深部創傷をまかなう所望のサイズにカットして寸法調整が必要な場合がある。医療提供者は、組織層すなわち腹膜36を、深部組織閉塞デバイス54の第1の面(または図示する向きの頂部)に配置するのを補助してもよい。マニホルド64が、腹腔32内であって深部組織閉塞デバイス54の一部の頂部に挿入される。
【0090】
密閉部材66が、腹腔32の開口部と表皮44の上に配置され、気密が提供される。これは、粘着材70の裏紙を剥離し、粘着材70を表皮44に面して配置することにより達成される。その後、追加的な閉塞力およびサポートを提供すべく、表面創傷閉塞サブシステム60が適用される。表面創傷閉塞サブシステムの多くの可能な実施例を用いることができる。さらに、減圧腹部治療システム30の部品として、多様な他のサブシステムや代替例を利用することができる。
【0091】
図1を参照すると、第1の取付部材186が表面創傷縁部182の一方の側に適用され、第2の取付部材193が第1の取付部材186のほぼ反対側の位置であって表面創傷縁部182の反対側に適用される。これらの取付部材186、193は、第1の取付部材186の粘着層すなわち第1の粘着材192から剥離可能な裏紙を除去して、粘着材が密閉部材66に面するように適用する。
【0092】
その後、減圧接続器72の一部が、表面創傷閉塞サブシステム60の開口部187およびマニホルド64内へと配置される。第1の減圧送達導管76が、減圧接続器72および減圧供給サブシステム62に流体接続され、これが減圧を第1の減圧送達導管76に減圧を送達する。表面創傷閉塞サブシステム60は、第2の減圧送達導管195に連結された少なくとも1つの第2の減圧接続器194を有する。第2の減圧送達導管195は、減圧供給サブシステム62に流体接続され、これが減圧を第2の減圧送達導管195に送達する。
【0093】
医療提供者はその後、減圧供給サブシステム62を作動させ、これが減圧(第1の減圧または治療用減圧)を減圧治療サブシステム58および、とりわけマニホルド64に送達する。この減圧はまた、開腔部治療デバイス50および深部組織閉塞デバイス54にも接続される。図28の実施例で述べたように、減圧はさらにマニホルド64によって表面創傷閉塞サブシステム60にも供給されるが、図1の実施例では、減圧(第2の減圧または閉塞用減圧)が第2の減圧送達導管195によって密閉型収縮部材196に供給され、当該密閉型収縮部材196が収縮して表皮44の表面創傷182をともに引っ張る。
【0094】
減圧式腹部治療システム30、および特に開腔部治療デバイス50は、腹腔32および組織部位34から、腹部器官46を癒着させることなく腹水や他の液体の除去を促進する。減圧式腹部治療システム30は、深部組織閉塞サブシステム56を用いて、腹膜が「捻転」したり他の不具合を生じることなく、また腹膜36に穿孔の創傷を設けることなく、腹膜36の閉塞を促進する。減圧式腹部治療システム30は一般に、マニホルド64を有する減圧治療サブシステム58をもって腹腔32内の減圧治療を提供する。この減圧式腹部治療システム30はまた、表面創傷閉塞サブシステム60を用いて表皮44の表面創傷180の閉塞を促進する。
【0095】
本発明とその利点を特定の非限定的な実施例に則して開示したが、添付のクレームに規定されている本発明の範囲から逸脱しない様々な変化、代替、置換、変更が可能である。いずれかの実施例に関して記載された様々な特徴は、任意の他の実施例にも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹部治療システムであって、
複数のカプセル化された脚部材を具え、患者の腹部器官の近くに減圧治療を施すための開腔部治療デバイスと、
収縮マトリクスを具え、患者の腹膜の深部組織創傷に閉塞力をかける深部組織閉塞デバイスと、
前記患者の腹腔内に減圧治療を施すための減圧治療サブシステムとを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、さらに、患者の表皮の表面創傷に閉塞力をかける表面創傷閉塞サブシステムを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項3】
請求項1のシステムにおいて、さらに、
患者表皮の表面創傷に閉塞力をかける表面創傷閉塞サブシステムと、
前記開腔部治療デバイス、前記深部組織閉塞デバイス、前記減圧治療サブシステム、および前記表面創傷閉塞サブシステムに使用する減圧を生成可能な減圧供給サブシステムとを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項4】
請求項1のシステムにおいて、前記収縮マトリクスが複数のセルを具え、当該複数のセルは減圧下にないときに第1の体積(V)を有し、減圧下にあるときに第2の体積(V)を有し、V>Vであることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項5】
請求項1のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは複数のセルを具え、当該複数のセルは柔軟な側壁を具え、当該柔軟な側壁は減圧下において互いに近づくよう動くことを特徴とする腹部治療システム。
【請求項6】
請求項1のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは複数のセルを具え、当該複数のセルは、深部組織に液通する第1の開口部と、減圧をうける第2の複数の開口部とを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項7】
請求項1のシステムにおいて、さらに、
患者表皮の表面創傷に閉塞力を提供する表面創傷閉塞サブシステムと、
前記開腔部治療デバイス、前記深部組織閉塞デバイス、前記減圧治療サブシステム、および前記表面創傷閉塞サブシステムに使用する減圧を生成可能な減圧供給サブシステムとを具え、
前記複数のカプセル化された脚部材が非接着性ドレープに結合されており、前記複数のカプセル化された脚部材がそれぞれ、脚部マニホルド部材を有する内側部分を有するとともに、当該内側部分に流体が流れ込むのを可能にする有窓部が形成されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項8】
請求項3のシステムにおいて、前記深部組織閉塞デバイスが、第1の面と第2の内側対向面とを有する収縮マトリクスを具え、前記第1の面は複数の開口部が形成され、前記第2の内側対向面は複数のセルが形成されており、前記収縮マトリクスは前記患者の腹膜に近接配置され、減圧下で収縮しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項9】
請求項3のシステムにおいて、前記減圧治療サブシステムは、
前記患者の腹腔内に配置され前記患者の腹腔内に減圧を集配しうるマニホルドと、
前記患者の表皮の一部に配置され前記患者の腹腔の上に気密を形成しうる密閉部材と、
減圧送達導管と、
前記密閉部材に結合され前記減圧送達導管と流体接続するための減圧接続器であって、前記減圧送達導管から前記マニホルドに減圧を送達可能な減圧接続器とを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項10】
請求項3のシステムにおいて、前記表面創傷閉塞サブシステムは、
前記表面創傷の縁部に近い患者の表皮の第1の部分に脱着可能に取り付ける第1の取付部材と、
前記表面創傷の縁部に近い患者の表皮の第2の部分に脱着可能に取り付ける第2の取付部材であって、前記第1の取付部材とは離れている第2の取付部材と、
前記第1の取付部材と第2の取付部材に連結され減圧下に置かれると収縮しうる密閉型収縮部材とを具え、
前記密閉型収縮部材に減圧が供給されると、前記第1の取付部材と第2の取付部材間に閉塞力が発生することを特徴とする腹部治療システム。
【請求項11】
請求項8のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、減圧源から減圧をかけられたときに、前記収縮マトリクスの第1の面に隣接する患者の腹膜へのグリップ力を生成するとともに、非収縮状態から収縮状態へと遷移しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項12】
請求項8のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、減圧源から減圧をかけられたときに、前記収縮マトリクスの第1の面に隣接する患者の腹膜へのグリップ力を生成するとともに、前記深部組織創傷の閉塞力を生成しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項13】
請求項8のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、ハニカムマトリクスで形成されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項14】
請求項8のシステムにおいて、前記深部組織閉塞デバイスが、
第1の面と第2の内側対向面とを有する収縮マトリクスを具え、前記第1の面は複数の開口部が形成され、前記第2の内側対向面は複数のセルおよび複数のセル間開口部が形成されており、前記収縮マトリクスは前記深部組織創傷に近接配置されることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項15】
請求項14のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、減圧源から減圧をかけられたときに、前記収縮マトリクスの第1の面に隣接する患者の腹膜へのグリップ力を生成するとともに、非収縮状態から収縮状態へと遷移しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項16】
請求項15のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、減圧源から減圧をかけられたときに、前記収縮マトリクスの第1の面に隣接する患者の腹膜へのグリップ力を生成するとともに、前記深部組織創傷の閉塞力を生成しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項17】
請求項11のシステムにおいて、前記収縮マトリクスは、ハニカムマトリクスで形成されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項18】
請求項1のシステムにおいて、前記複数のカプセル化された脚部材の各々が、
有窓部が形成された第1のカプセル化された脚部材と、
有窓部が形成された第2のカプセル化された脚部材と、
第1の面、第2の内側対向面、第1の横方向縁部、および第2の横方向縁部を具える脚部マニホルド部材とを具え、
前記第1のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第1の面に近接配置され、前記第2のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第2の内側対向面に近接配置され、前記第1のカプセル化された脚部材と第2のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第1の横方向縁部および第2の横方向縁部の近くで連結されることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項19】
請求項1のシステムにおいて、前記複数のカプセル化された脚部材の各々が、複数の脚部モジュールが形成されたカプセル化された脚部材を含むことを特徴とする腹部治療システム。
【請求項20】
請求項7のシステムにおいて、前記非接着性ドレープがさらに、サイズ目盛りを示す目に見える印を具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項21】
請求項7のシステムにおいて、前記中央連結部材が、
有窓部が形成され周辺縁部を有する第1の連結カプセル化部材と、
有窓部が形成され周辺縁部を有する第2の連結カプセル化部材とを具え、
前記第1の連結カプセル化部材の周辺縁部は、前記第2の連結カプセル化部材の周辺縁部に、前記連結マニホルド部材を囲む脚部結合領域以外は連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項22】
請求項7のシステムにおいて、前記複数のカプセル化された脚部材の各々が、
有窓部が形成された第1のカプセル化された脚部材と、
有窓部が形成された第2のカプセル化された脚部材とを具え、
前記脚部マニホルド部材が、第1の面、第2の内側対向面、第1の横方向縁部、および第2の横方向縁部を具え、
前記第1のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第1の面に近接配置され、前記第2のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第2の内側対向面に近接配置され、前記第1のカプセル化された脚部材と第2のカプセル化された脚部材は前記脚部マニホルド部材の第1の横方向縁部および第2の横方向縁部の近くで連結され、
前記中央連結部材が、
有窓部が形成され周辺縁部を有する第1の連結カプセル化部材と、
有窓部が形成され周辺縁部を有する第2の連結カプセル化部材とを具え、
前記第1の連結カプセル化部材の周辺縁部は、前記第2の連結カプセル化部材の周辺縁部に、前記連結マニホルド部材を囲む脚部結合領域以外は連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項23】
請求項10のシステムがさらに、
前記患者表皮において前記表面創傷の縁部に近い第3の部分に脱着可能に取り付けられる第3の取付部材を具え、
前記第2の取付部材は前記第1および第2の取付部材から離されており、前記第3の取付部材は前記密閉型収縮部材に連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項24】
請求項23のシステムがさらに、
前記患者表皮において前記表面創傷の縁部に近い第4の部分に脱着可能に取り付けられる第4の取付部材を具え、
前記第4の取付部材は前記第1、第2、および第3の取付部材から離されており、前記第4の取付部材は前記密閉型収縮部材に連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項25】
請求項10のシステムにおいて、
前記第1の取付部材は第1のベース部材と第1の粘着材を具え、前記第2の取付部材は第2のベース部材と第2の粘着材を具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項26】
請求項10のシステムにおいて、前記密閉型収縮部材が、
第1の面と第2の内側対向面と周辺縁部とを有する収縮マニホルド材と、
前記収縮マニホルド材の第1の面に対向して配置された第1の密閉部材と、
前記収縮マニホルド材の第2の内側対向面に対向して配置された第2の密閉部材と、
前記収縮マニホルド材の周辺縁部に対向して配置された周辺部密閉デバイスとを具え、
前記第1の密閉部材、第2の密閉部材、および周辺部密閉デバイスが、前記収縮マトリクス材を気密しうることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項27】
請求項26のシステムにおいて、前記周辺部密閉デバイスは、第3の密閉層を具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項28】
請求項26のシステムにおいて、前記周辺部密閉デバイスが、外側壁を具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項29】
請求項10のシステムにおいて、前記第1の取付部材が、
第1の面と第2の内側対向面とを有する第1のベース部材と、
前記第1のベース部材に結合される第1の外側壁と、
前記第2の内側対向面に結合された第1の粘着材とを具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項30】
請求項9のシステムにおいて、前記表面創傷閉塞サブシステムが、
密閉型収縮部材と、
複数の取付ベース部材であって、各々が、ベースと、第1の端部および第2の端部を有する第1のウォールとを具え、前記第1のウォールの第1の端部は第1の可動連結部材を具え、前記第2の端部が第2の可動連結部材を具え、各取付ベース部材は前記患者表皮の一部に脱着可能に取り付けられるとともに前記密閉型収縮部材に結合された、複数の取付ベース部材と、
複数の連結部材であって、各々が、第1の端部および第2の端部を有する第2のウォールを具え、前記第2のウォールの第1の端部は第3の可動連結部材を具え、前記第2のウォールの第2の端部は第4の可動部材を具え、各連結部材は前記密閉型収縮部材に連結されるとともに、前記複数の取付ベース部材の1つに可動に連結された、複数の連結部材と、
前記密閉型収縮部材に流体結合され、当該密閉型収縮部材に減圧を送達可能な減圧接続器とを具え、
前記複数の取付ベース部材と複数の連結部材が、内側空間を規定する周囲ウォールを形成すべく結合しており、前記密閉型収縮部材は前記内部空間に配置され、
前記減圧接続器に減圧が送達された場合に、前記取付ベース部材を内側に引っ張って前記表面創傷に閉塞力を発生させる力が生じることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項31】
請求項30のシステムにおいて、前記複数の取付ベース部材は、前記密閉型収縮部材に連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項32】
請求項30のシステムにおいて、前記複数の取付ベース部材は、前記密閉型収縮部材に連結され、前記複数の連結部材は前記密閉型収縮部材に連結されていることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項33】
請求項30のシステムにおいて、前記減圧接続器は、少なくとも1の取付ベース部材に連結された減圧接続部材を少なくとも1以上具えることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項34】
請求項6のシステムにおいて、前記表面創傷閉塞サブシステムが、
閉ループへと形成可能な柔軟ストラップと、
前記柔軟ストラップに連結される複数のモジュール式閉塞部材とを具え、当該複数のモジュール式閉塞部材がそれぞれ、
前記表面創傷の縁部近くの前記患者表皮の一部に脱着可能に取り付けられ、ベースとウォールを具える取付部材と、
第1の端部と第2の端部を有する密閉型収縮部材であって、前記第2の端部が前記取付部材に連結され、減圧下におかれると収縮しうる密閉型収縮部材と、
前記密閉型収縮部材の第1の端部に連結され、選択的に前記柔軟ストラップに結合する連結部材と、
前記密閉型収縮部材に流体接続され前記密閉型収縮部材に減圧を送達する減圧接続器とを具え、
前記複数のモジュール式閉塞部材は、前記柔軟ストラップが前記表面創傷の周りで閉ループに形成されたときに閉塞力を生成可能であり、前記取付部材は前記表面創傷に近い患者表皮に脱着可能に取り付けられ、減圧が前記密閉型収縮部材に送達されることを特徴とする腹部治療システム。
【請求項35】
腹部開腔の治療方法であって、
第1の面と、第2の内側対向面とを具える開腔部治療デバイスを、前記開腔部治療デバイスの第2の内側対向面を患者の腹腔に近接させた状態で前記腹部開腔に配置するステップと、
第1の面と第2の内側対向面とを具える深部組織閉塞デバイスを、前記深部組織閉塞デバイスの第2の内側対向面を前記開腔部治療デバイスの第1の面に近接させ、前記深部組織閉塞デバイスの第1の面を前記患者の腹膜に近接させて、前記腹部開腔に配置するステップと、
前記患者の腹腔内にマニホルドを配置するステップと、
前記患者の腹腔の上に気密を形成するステップと、
前記マニホルドに第1の減圧接続器を流体結合させるステップと、
表面創傷の縁部に近い患者の表皮の第1の部分に第1の取付部材を脱着可能に取り付けるステップと、
前記表面創傷の縁部に近い患者の表皮の第2の部分に第2の取付部材を脱着可能に取り付けるステップであって、前記第1の取付部材は前記第2の取付部材と離されているステップと、
前記第1の取付部材および第2の取付部材に連結され、減圧下で収縮しうる密閉型収縮部材を提供するステップと、
前記開腔部治療デバイス、前記深部組織閉塞デバイス、前記マニホルド、および前記密閉型収縮部材に減圧を供給するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
患者の腹腔を治療するシステムの製造方法であって、
患者の腹腔に減圧治療を施すための開腔部治療デバイスを構成するステップと、
患者の腹膜上の深部組織創傷に閉塞力をかけるための深部組織閉塞デバイスを構成するステップと、
患者の表皮上の表面創傷に閉塞力をかけるための表面創傷閉塞サブシステムを構成するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項36の方法がさらに、
減圧供給サブシステムを提供するステップと、当該減圧供給サブシステムを前記開腔部治療デバイス、前記深部組織閉塞デバイス、および前記表面創傷閉塞サブシステムに流体接続するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項36の方法において、前記開腔部治療デバイスを構成するステップが、
有窓部を有する非接着式ドレープを構成するステップと、
脚部マニホルド部材を有する内側部分を有するとともに、当該内側部分に流体が流れ込むのを可能にする有窓部が形成されている、複数のカプセル化された脚部材を構成するステップと、
前記複数のカプセル化された脚部材を前記非接着式ドレープに結合するステップと、
連結マニホルド部材を有する中央連結部材を構成するステップと、
前記中央連結部材を前記非接着式ドレープに、および前記複数のカプセル化された脚部材に結合するステップを具え、前記脚部マニホルド部材はそれぞれ前記連結マニホルド部材と流体接続していることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項36の方法において、前記非接着式ドレープを構成するステップが、エラストマドレープを構成するステップと、前記エラストマドレープに有窓部を形成するステップと、前記エラストマドレープに、切断して様々なサイズにするための目に見える印を設けるステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項36の方法において、前記深部組織閉塞デバイスを構成するステップが、
第1の面と第2の内側対向面とを有する収縮マトリクスを構成するステップであって、前記第1の面は複数の開口部が形成され、前記第2の内側対向面は複数のセルが形成されており、さらに複数のセル間開口部が形成され、前記収縮マトリクスは前記深部組織創傷の近くに配置されるステップと、
減圧を分配可能なマニホルド部材を設けるステップと、
患者の腹腔の上に気密を提供しうる密閉部材を設けるステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項36の方法において、前記表面創傷閉塞サブシステムを構成するステップが、
表面創傷の縁部近くの患者の表皮の第1の部分を脱着可能に取り付ける第1の取付部材を構成するステップと、
前記表面創傷の縁部に近い患者の表皮の第2の部分に脱着可能に取り付ける第2の取付部材であって、前記第1の取付部材とは離れている第2の取付部材を構成するステップと、
前記第1の取付部材と第2の取付部材に連結され減圧下に置かれると収縮しうる密閉型収縮部材とを構成するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項36の方法において、前記表面創傷閉塞サブシステムを構成するステップが、
密閉型収縮部材を構成するステップと、
複数の取付ベース部材を構成するステップであって、各取付ベース部材が、ベースと、第1の端部および第2の端部を有する第1のウォールとを具え、前記第1のウォールの第1の端部は第1の可動連結部材を具え、前記第1のウォールの第2の端部が第2の可動連結部材を具え、各取付ベース部材は前記患者表皮の一部に脱着可能に取り付けられるとともに前記密閉型収縮部材に結合されている、ステップと、
複数の連結部材を構成するステップであって、各連結部材が、第1の端部および第2の端部を有する第2のウォールを具え、前記第2のウォールの第1の端部は第3の可動連結部材を具え、前記第2のウォールの第2の端部は第4の可動部材を具え、各連結部材は前記複数の取付ベース部材の1つに可動に連結されている、ステップと、
前記密閉型収縮部材に減圧を送達可能な減圧接続器を、前記密閉型収縮部材に流体結合するステップとを具え、
前記複数の取付ベース部材と複数の連結部材が、内側空間を規定する周囲ウォールを形成すべく結合しており、前記密閉型収縮部材は前記内部空間に配置されていることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項36の方法において、前記表面創傷閉塞サブシステムを構成するステップが、
閉ループへと形成可能な柔軟ストラップを構成するステップと、
前記柔軟ストラップに連結される複数のモジュール式閉塞部材を設けるステップとを具え、当該ステップが、前記複数のモジュール式閉塞部材の各々について、
前記表面創傷の縁部近くの前記患者表皮の一部に脱着可能に取り付けられ、ベースとウォールが形成された取付部材を構成するステップと、
第1の端部と第2の端部を有し、減圧下におかれると収縮しうる密閉型収縮部材を構成するステップと、
前記密閉型収縮部材の第2の端部を前記取付部材に連結するステップと、
選択的に前記柔軟ストラップに結合する連結部材を構成するステップと、
前記連結部材を前記密閉型収縮部材の第1の端部に連結するステップと、
前記密閉型収縮部材に流体接続され前記密閉型収縮部材に減圧を送達する減圧接続器を構成するステップとを具えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2012−507353(P2012−507353A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534546(P2011−534546)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044268
【国際公開番号】WO2010/051073
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】