説明

温度測定装置

【課題】連続鋳造金属の温度を十分な精度を保って測定する温度測定装置を提供する。
【解決手段】温度測定装置は温度センサ118と、ストランド104からの熱エネルギに応答してストランド104の方向に温度センサ118を付勢する付勢部材120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工程において運転温度を監視する温度測定装置に関する。特に本発明は温度センサを測定される物体が放出する熱エネルギの方向に付勢する温度測定装置に向けられる。
【背景技術】
【0002】
工程内で温度を監視するための多様な温度測定装置が知られている。この温度測定装置のうち、幾つかは連続鋳造工程で鋳造される金属の温度を測定することに向けられる。
【0003】
連続鋳造機(または鋳造装置)では、溶融金属が完成製品の幅および厚さを制御する、銅で表面処理した冷却鋳型に注入される。溶融金属はストランドまたは厚板形状となって鋳型を出る。このとき、成形される厚板またはストランドは溶融したコアと共に固化した金属の薄いシェルを有する。このストランドは続いて溶融金属をさらに凝固させるため2次冷却域に流れる。溶融金属が連続鋳造機を通過した後、金属は溶融金属を液状から半固形状に変える水噴霧または気水混合噴霧を浴びて徐々に冷却する(2次冷却)。このとき、スランドはその後の操作や処理のために垂直から水平に向きを変える。この2次冷却の速度はそのとき製造している金属の冶金的性質に直接影響を及ぼし、最良の品質を達成するために従うべき、当業者に知られた理想冷却曲線がある。
【0004】
残念なことに、現在の連続鋳造機の設計上の理由から最良の温度制御が現時点の水準では制限される。鋳型の出口から水平点まで連続鋳造機の長さは複数の区域に分割されており、予め決められた水量設定値が各区域の出口温度を満たすため区域毎に流れる冷却水量を増減して使用される。現在、金属の表面温度は光高温計または類似する装置を用いて測定されている。しかしながら、温度を理想冷却曲線のような予め決められた曲線に合わせるように完全なものにする試みは不成功に終わり、金属の冷却が正確さに欠けている。これは、冷却流体、ガス、加熱蒸気、他の不純物、さらには液状から固体状に移る多様な段階にある金属という、多種多様な流れを含む、連続鋳造環境で正確な温度検出値を生成するのに従来の測定装置が著しく無力なためである。
【0005】
金属を素早く冷却したときに発生する表面のクラックまたは内部欠陥を防ぎ、あるいは厚板のコアからの溶融金属の噴出を防ぐような望ましい方法を用いて金属材料の表面温度を維持することは望ましい。噴出は金属の薄いシェルが破れたときに発生し、内部の未だ溶融状態の金属が流れ出て連続鋳造機を詰まらせ、高く付く設備休止を招くなど、大きな問題である。しばしば噴出はシェルがある厚さまで固化するのに必要な時間を与えられなかったとき、あるいは溶融金属が非常に高温であった場合のように、製品回収速度が余りにも速いために生じ、このとき最後の固化が仕上げロールの下で起こり、圧延中にロールから加えられる圧力で内部応力が高くなって材料が噴出する。噴出でもたらされる損失金額は25万ドルに及び、この不具合は月当たり2、3回の割合で発生することも珍しくない。
【0006】
これらの故障は修理費を上昇させ、材料を浪費し、製造工程を高価にし、あるいは作業員および機器が危険にさらされる。特に鉄鋼業の場合、金属表面温度を正確に制御することは鋼材の品質を向上させ、生産効率を高めることにつながる。
【0007】
材料噴出を最小に保つための従来の知識によれば、鋳造厚板が連続鋳造機を通過するとき、厚板を一段と過剰に冷却する、経験的に確立した冷却方法に従うことであった。この方法は予め決められた流量割合に従って冷却剤流量を調節することで達成される。この予め決められた流量割合は連続鋳造機に沿った幾つかの点で温度を目標値に近づけるように制御される。温度測定装置を用いて厚板温度をときどき確認しているにも拘らず、この測定装置は制御装置に組み込まれない。普通に行われているのは厚板が切断される前の連続鋳造機の出口に固定した高温計を単に設けることである。シェルの形成される間、正確な温度制御を行わないことで、好ましい冷却速度に従うだけの能力がなく、製品の品質に悪影響が生じる。
【0008】
この技術分野では、連続鋳造機を通過するときの厚板の冷却を制御するためフィードバック機構を用いた方法でこれらの不具合を解消することが試みられた。たとえば、米国特許第4,073,332号明細書はこのようなフィードバック機構を組み入れた装置について記述する。しかしながら、この装置は避け難い不具合に苦しむことなる。この不具合の一例は可視性が著しく低く、振動が高くなり、極度の高温である連続鋳造機の厳しい内部環境に適した温度センサが存在しないことである。この点は米国特許第4,073,332号明細書の第5欄、第6−10行の記載から部分的に知ることができる。さらに、この点は米国特許第4,073,332号明細書に記載される取り組みが実用的でないという、他の特許文献の記述から知ることができる。たとえば、米国特許第4,669,202号明細書によれば、米国特許第4,073,332号明細書の第2欄、第8−21行に詳しく述べられる不具合について理解することができる。これらの各明細書の開示は参照してここにその全体を取り入れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
非稼動時間の短縮と共に連続鋳造材料の品質と生産量とを改良する必要性は鉄鋼工業のような金属生産工業において改善へ向けての原動力である。この技術の現状は意味のあるやり方で連続鋳造工程のアクティブ制御を可能にする十分な精度を保って連続鋳造金属の温度を測定する装置を備えていない。この技術分野では、このような装置を求める長年にわたる切実な要求がある。また、簡単に製作でき、使用でき、連続鋳造工程のような厳しい環境においても確実に運転するために十分に健全である、温度測定装置に対する要求がある。本発明はこれらの問題に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために物体の温度を検出するように適応され、構成される温度センサを有する温度測定装置を備える。この温度測定装置はまた物体との熱交換に応答して物体の方向に温度センサを付勢する手段を備える。この物体は熱エネルギ源であり、温度センサを付勢する手段は熱エネルギ源からの熱エネルギに応答して熱エネルギ源の方向に温度センサを付勢する。
【0011】
本発明の一態様に従って、付勢手段は熱エネルギ源の存在しない第1の位置から熱エネルギ源の存在するときに第2の位置に伸長するように適応され、構成されるバイメタル部材を備える。このバイメタル部材は全体的に細長い部材であり、加熱されたとき、第1の位置から第2の位置に移動するように横に反る。バイメタル部材が全体的にコイル状または全体的にら旋状に形成されることは予め見通す。バイメタル部材はまた端と端とをアコーディオン配置に結ばれる複数のバイメタル片を備える。バイメタル部材は302ステンレス鋼からなる第1の部分と、410ステンレス鋼からなる第2の部分とを備える。しかしながら、このバイメタル部材は当業者によって理解されるように本発明の範囲から離れることなく、この目的に適するどのような材料を使用してもよい。
【0012】
本発明の別の態様に従って、温度センサは少なくとも1個の熱電対を備える。この熱電対は第2のバイメタル部材を備える。これに代えて、このバイメタル部材は付勢手段および熱電対の双方として同時に役立つようにしてもよい。熱電対はチップ感知形、接地接合形、消耗形、非消耗形およびサーモパイルを含む形式の熱電対である。温度センサがサーミスタ温度計、光ファイバ温度計、抵抗温度検出器(RTD)、感温コンデンサ(TSC)、電極間の電気抵抗に基づく推定温度に従って較正される1組の電極あるいは他の適する温度センサであることは予め見通す。さらに、第2の位置にある間、温度センサが保護層を貫いて熱エネルギ源と熱的に接触することも予め見通す。この保護層はバイメタル部材に装着される摩耗バーである。
【0013】
本発明はまた金属ストランドから放射される熱エネルギを受け取るように適応され、構成される温度センサを有する、連続鋳造装置内の金属ストランドの温度を監視する装置を含む。この装置は温度センサに動作可能に組み合わせる全体的に細長いバイメタル片を備える。このバイメタル片は金属ストランドからの熱エネルギに応答して温度センサを金属ストランドの存在しない第1の位置と金属ストランドの存在する第2の位置との間を前後に移動させるように適応され、構成される。第1の位置では、バイメタル片が温度センサを損傷させないで、通過するダミー・バーを邪魔しない位置に温度センサを退避させ、第2の位置では、温度センサが金属ストランドと熱的に接触する。
【0014】
本発明はまた金属ストランドを分配する鋳型と、この鋳型よりも下流に配置される2次冷却域とを有する連続鋳造装置を含む。この2次冷却域は鋳型から流れる金属ストランドを搬送する複数のローラと、このローラを通過したとき、金属ストランドを冷却する複数の噴霧ノズルとを備える。また、連続鋳造装置は、好ましくは鋳造装置内に移動可能に配置されるダミー・バーを備える。このダミー・バーは、鋳造装置の始動する間、新しいストランドが初期的に形成されたとき、伸長位置で金属ストランドに出合うように適応され、構成される。ダミー・バーはさらに連続鋳造装置内を複数のローラに沿って金属ストランドを移動させるため退避するように適応され、構成される。連続鋳造装置はまた2次冷却域に配置される少なくとも1個の温度センサと、金属ストランドから放射される熱エネルギに応答して金属ストランドの方向に温度センサを付勢する少なくとも1個の付勢手段とを備える。この少なくとも1個の付勢手段は、好ましくは温度センサが金属ストランドの通過する平面から離れた位置に場所を移す第1の位置から温度センサが上記平面に極接近する第2の位置に伸長するように適応され、構成される。複数の温度センサがストランドの幅および長さの全域にわたって温度を測定できるようにアレイとして配置されることは予め見通す。ここで、各温度センサは温度センサに組み合わせる付勢手段を有する。
【0015】
さらに、本発明に従って、付勢手段はバイメタル部材を備える。このバイメタル部材は全体的に細長く、かつ加熱されたとき、第1の位置から第2の位置に移動するように横に反る。これに代えて、バイメタル片が全体的にコイル状またはら旋状に形成される本体を有することは予め見通す。付勢手段が金属ストランドから付勢手段自身を通して放射される熱に応答して第1の位置から第2の位置に伸長することは予め見通す。
【0016】
本発明の別の態様に従って、温度センサは少なくとも1個の熱電対を備える。この熱電対は第2のバイメタル部材を備えるか、あるいはこれに代えて、このバイメタル部材が熱電対および付勢手段の双方として役立つようにしてもよい。熱電対は次のいずれかの形式の熱電対である。チップ感知形、接地接合形、消耗形、非消耗形およびサーモパイル。温度センサが少なくとも1個のサーミスタ温度計、光ファイバ温度計、抵抗温度検出器(RTD)、感温コンデンサ(TSC)、電極間の電気抵抗に基づく推定温度に従って較正される1組の電極あるいは他の適する温度センサであることは予め見通す。
【0017】
本発明はさらに物体の温度を測定するように構成される温度センサと、この温度センサに接合される熱感知付勢部材とを有する温度測定装置を含む。本発明のさらに別の態様に従って、この熱感知付勢部材は物体との熱交換に応答して温度センサを物体の方向に付勢するように構成される。熱感知付勢部材はさらに物体と熱交換しないのに応答して温度センサを物体から離れた位置に付勢するように構成される。この熱感知付勢部材は温度センサが物体から離れた位置に場所を移す第1の位置から温度センサが物体から放射される熱に応答して物体に極接近する第2の位置に伸長するように構成される。
【0018】
本発明の別の態様に従って、熱感知付勢部材は少なくとも1個のバイメタル要素を備える。このバイメタル要素がバイメタル片であることは予め見通す。バイメタル要素が全体的にコイル状に形成される本体を備えることも予め見通す。バイメタル要素は全体的にら旋状に形成してもよい。さらに、バイメタル要素が互いに端と端とをアコーディオン配置に結ばれる複数のバイメタル片を備えることは予め見通す。
【0019】
本発明はまた物体の温度を測定するための方法を含む。この方法は熱感知付勢部材を有する温度センサを準備し、熱感知付勢部材を温度センサが物体から離れた位置に場所を移す第1の位置から温度センサが物体からの放射熱に応答して物体に極接近する第2の位置に伸長させ、物体の温度を温度センサを用いて測定し、物体を温度センサおよび熱感知付勢部材に極接近した位置から移動させ、熱感知付勢部材を物体に接近しなくなるのに応答して第2の位置から第1の位置に退避させる過程を含む。
【0020】
さらに、本発明に従って、熱感知付勢部材を伸長する過程は温度センサが物体の表面に物理的に接触する第2の位置に伸長することを含む。本発明のさらに別の態様に従って、物体は連続鋳造装置内の金属ストランドであり、熱感知付勢部材を退避させる過程が連続鋳造装置内に移動可能に配置されるダミー・バーの通行を邪魔しない位置に温度センサを退避させることを含む。このダミー・バーは連続鋳造装置内で新しい金属ストランドが初期的に形成されたとき、伸長位置で金属ストランドに出合うように適応され、構成される。ダミー・バーはさらに金属ストランドが連続鋳造装置内を移動するとき、退避するように適応され、構成される。さらに、物体の温度を測定する過程は温度センサを金属ストランドと直接接触する摩耗バー内部に配置して物体の温度を測定することで、温度センサを金属ストランドとの直接接触から免れるように保護することを含む。
【0021】
本発明の上記した概略的説明および以下の詳細な説明の双方が模範的であり、請求された発明のさらなる説明を与えることを意図したものであることを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付図面に図示される本発明の好ましい実施例について詳しく参照する。本発明の温度測定装置および対応する構成要素が詳細な説明と共に説明される。
【0023】
ここに提案される装置および方法は連続工程の運転温度を測定するために使用される。本発明は連続鋳造される金属厚板またはストランドの温度を測定する場合のように、特に温度センサを伸長させ、その後退避させる必要がある工程において厚板またはストランドに接近し、そこから元の場所に戻るダミー・バーのような構造物との干渉を避けながら、温度を測定するのに適する。
【0024】
本発明に従って、連続鋳造装置は金属ストランドを分配する鋳型と、この鋳型よりも下流に配置され、鋳型から流れる金属ストランドを搬送する複数のローラを有する2次冷却域と、ローラを通過した後にストランドを冷却する複数の噴霧ノズルとを備えるように準備される。この連続鋳造装置は、好ましくは連続鋳造装置内に移動可能に配置されるダミー・バーを備える。このダミー・バーは退避位置と伸長位置との間を移動する。ダミー・バーは連続鋳造装置の始動する間、新しい金属ストランドが形成されるとき、伸長位置で金属ストランドに出合うように適応され、構成される。ダミー・バーはさらに複数のローラに沿って金属ストランドが鋳造装置内を移動するとき、退避するように適応され、構成される。連続鋳造装置はまた2次冷却域に配置される少なくとも1個の温度センサと、金属ストランドから放射される熱エネルギに応答してストランドの方向に温度センサを付勢する手段とを備える。この付勢手段は温度センサがストランドの通過する平面から離れた位置に場所を移す第1の位置から温度センサが上記平面に極接近する第2の位置に伸長するように適応され、構成される。
【0025】
図1は説明および図示を目的とし、これに限定されない、本発明に従う符号100で表わす連続鋳造装置の代表的実施例の部分図である。本発明の温度測定装置の実施例は以下に説明されるように図2ないし図10に示される。
【0026】
本発明に従って、連続鋳造装置100は金属ストランドを分配する鋳型と、この鋳型よりも下流に配置される2次冷却域と、連続鋳造装置の始動する間、金属ストランドと出合うと共に、金属ストランドが連続鋳造装置内を通って移動するとき、退避するように適応され、構成されるダミー・バーとを備える。
【0027】
ここに説明され、図1に示されるように、連続鋳造装置(または鋳造機)100は金属ストランド104を分配する鋳型102を備える。この鋳型102は最終製品の幅と厚さとを調整する。溶融金属をひしゃくおよび/またはタンディッシュ28を使って鋳型102の上部に注ぐ。この鋳型102は溶融金属を冷却する手段を有し、溶融金属のクレータ108を取り囲む固まったシェル106を形成し、ストランド104を生成する。このストランド104は2次冷却域に入るため鋳型を出る。
【0028】
2次冷却域110はさらに一段とストランド104を冷却し、垂直方向から徐々に水平方向にストランド104を向ける。金属を冷却するために噴霧装置112が水、空気または気水混合流体をストランド104に吹き付ける。ローラ114がストランド104を形成するために力を貸し、連続鋳造装置100内を移動させる。金属の冷却は、好ましくはストランド104に最良の冶金的性質を達成するために当業者に知られた理想冷却曲線に従う。
【0029】
図2および図3に示されるダミー・バー116は連続鋳造工程の始動を助ける。鋳型102でストランドを形成する前にダミー・バー116は2次冷却域110の垂直部分を貫き上方に延びる。この位置では、ダミー・バー116は、図2に示されるように、鋳型102の底部にある開口を塞いでいる。この方法では、ダミー・バー116は金属が早期に2次冷却域110に流れるのを防ぐ。本来の条件が鋳型102に存在するとき、図3に示されるように、ストランド104が2次冷却域110に入るためダミー・バー116は下方に下がり、ストランドの通行が自由になる。
【0030】
連続鋳造装置100は垂直から水平に向きを変えて鋳造するのではなく、垂直鋳造を含む異なる多様な配置で構成することができる。さらに、鋳型102、2次冷却域110、噴霧装置112、ローラ114およびダミー・バー116の厳密な配置も変更することができる。当業者は本発明の範囲から離れることなく、多様な連続鋳造装置100が使用できることを容易に理解する。
【0031】
本発明に従って、2次冷却域に配置される温度センサが設けられる。金属ストランドから放射される熱エネルギに応答して金属ストランドの方向に温度センサを付勢する手段が設けられる。
【0032】
図4および図5に示されるように、図示を目的とし、これに限定されない、連続鋳造装置100はローラ114に近接してサブ・システム、すなわち温度センサ118および付勢部材120を含む温度測定装置126を備える。
【0033】
ストランド104の温度測定を正確に行うため、好ましくはコンタクト形温度センサをストランド104の表面と熱的に接触させる。付勢手段が、たとえば熱感知付勢部材120の形態で設けられる。これはストランドからの熱放射に応答してストランド104の表面に温度センサを付勢してストランドからの熱放射を受け取る。温度センサ118と付勢部材120とは温度センサがストランド104の方向に付勢されたとき、ストランド104と温度センサ118との間に熱的接触が達成されるように構成され、寸法決めされる。
【0034】
好ましい実施例では、付勢部材120は2つの金属が異なった熱膨張率を有する、細長いバイメタル片を備える。好ましくは、細長い小片に形成される2つの金属は付勢部材120の縁周りに2つの金属片間に形成されるシームを生成する溶接を用いて共に単一の小片に接合される。ストランド104が存在するとき、ストランドからの熱放射はバイメタル片を変形させる。付勢部材120はバイメタル片の変形に伴う移動がストランド104の方向に向くように配置される。温度センサ118はストランド104からの熱に応答して付勢部材120が働くとき、温度センサ118がストランド104の表面と熱的に接触するように付勢部材120の一端に近接して配置される。この位置では、ストランド104が温度センサ118を通過しながら移動すると、温度センサ118がストランド104の表面温度を連続して測定することができる。
【0035】
ストランド104がなく、熱が伝わらない場合、付勢部材120はバイメタル要素が弛緩することで、逆に変形し、これにより、ストランド104の表面の移動経路によって位置が定まる平面から離れた位置に温度センサ118を引き戻す。この温度センサ118と付勢部材120とは新しいストランド104がそこに到着し、再びバイメタル要素を加熱し、付勢部材120を変形させ、温度センサ118が新しいストランド104と熱的に接触する位置に伸長するまで、その退避位置に留まることができる。
【0036】
ストランド104がないときに退避し、ストランド104があるときにその表面に伸長する温度センサ118と付勢部材120とは連続鋳造工程では特に有利である。ダミー・バー116は鋳型102の上方まで前進しており、ストランド104が2次冷却域110を通って鋳造装置から取り出される前にローラ114と温度センサ118とを通過する。この後、ダミー・バー116は再びローラ114と温度センサ118とを通過しながら下方に退く。仮に、温度センサを、たとえばバネで一定の荷重を負荷してストランドの表面に常時付勢した場合、ストランド104およびダミー・バー116がない状態でも、温度センサ118はダミー・バー116の移動経路に飛び出す。このような位置では、ダミー・バー116が通過するとき、ダミー・バー116が装着位置から離れた箇所の温度センサ118を簡単に切断するか、それ以外では損傷させてしまう。この付勢部材120はストランド104が存在するときに限り、温度センサ118が温度を感知すべき位置に伸長することを保証する。したがって、この温度センサ118によれば、ダミー・バー116が通過するときには常に移動経路を邪魔しないで、ダミー・バー116が温度センサ118を損傷させるのを回避することができる。
【0037】
本発明はバイメタル要素のほか、熱感知付勢部材120のような本発明の範囲に含まれる、別の多様な付勢手段についても予め見通す。ストランド104からの熱に応答して温度センサ118をストランド104の方向に動作させる働きがある、いずれかの装置または機構を使用することができる。具体例として、これに限られないが、ストランド104からの放射熱に応答して温度フィードバック・センサに接続する空気アクチュエータまたは油圧アクチュエータを温度センサを付勢する手段として使用することができる。しかしながら、操作および保守上の簡素さから上述したバイメタル要素が好ましい付勢手段である。
【0038】
実施可能である多様な形態のバイメタル要素が存在する。付勢部材120は細長い小片として示される。バイメタル要素の大きさは本発明の範囲内で変えることができるが、好ましくは、バイメタル要素は約2.54mm(0.1in.)の厚さである。しかしながら、バイメタル要素は、具体例が図8および図9にコイル状要素220およびら旋状要素320としてそれぞれ示されるように、本発明の範囲から離れることなく、コイル形およびら旋形あるいは他の適する形状に形成することができる。図10はある指定された空間内で変位量を増すために端と端とをアコーディオン配置に結ばれる3枚のバイメタル片422による別の付勢部材420を示す。このようなアコーディオン配置では、本発明の範囲から離れことなく、バイメタル要素は何枚でも使用することができる。
【0039】
さらに、バイメタル要素は多様な金属を組み合わせたものから製作することができる。好ましい実施例では、このバイメタル付勢部材120は302ステンレス鋼からなる第1の部分と、410ステンレス鋼からなる第2の部分とから製作される。しかしながら、当業者は本発明の範囲から離れることなく、本発明を実施するために使用できる他の適する材料も容易に思い付く。
【0040】
同様に、使用できる多様な形式の温度センサ118がある。この目的に適する形式の熱電対は、たとえばオメガ・エンジニアリング社(コネチカット州、スタンフォード)から入手することができる。好ましい実施例では、K形熱電対が温度センサ118として使用される。しかしながら、いずれかの消耗または非消耗形熱電対も使用することができる。熱電対を温度センサとして使用する場合、好ましくは、熱電対はチップ感知または接地接合形熱電対である。熱電対に加えて、この目的に適する他の温度センサ118はサーミスタ温度計、光ファイバ温度計、抵抗温度検出器(RTD)、感温コンデンサ(TSC)あるいは連続鋳造工程の温度と同様な厳しい環境で温度を測定するのに適する他のセンサを含む。ストランド104と接触したときに電気配線の役割を果たす温度センサ118はストランド104の電気抵抗を測定し、それに基づいてストランド104の温度を推定するために使用することができる。バイメタル要素を付勢部材120として使用する場合、2枚の接合した金属が熱電対を構成するので、バイメタル要素は熱電対としてそれ自身2つの役割を演じる。換言すると、正しく配置されたバイメタル要素は付勢手段および温度センサの双方として役立つ。サーモパイルまたはサーミスタ温度計からなるアレイのような多重温度センサをセンサとして使用し、本発明を実施することも可能である。これらの多様な温度センサおよびそれと同等な手段は本発明の範囲から離れることなく、使用することができる。
【0041】
温度センサ118が、図4および図5に示されるように、移動しているストランド104と物理的に直接接触することは必らずしも必要としない。温度センサ118はストランド104と熱的に接触していれば十分である。さらに、連続鋳造工程を制御する温度に関する説明では、温度センサ118がどちらかといえばストランド104の温度変化に応答することができれば十分で、温度センサ118がストランド104自身の温度を正確に与えることは必ずしも必要でない。具体例として示されるが、これに限られない、図6および図7に示される上記のものに代わる実施例では、摩耗バー122は温度センサ118の感温部を収容する。摩耗バー122は流れているストランド104に沿って引き、ストランド104からの熱を温度センサ118の感温部に伝達する。したがって、摩耗バー122は温度センサ118をストランド104と良好な接触を保って置くことで、ストランド104の意味のある温度測定値を得ることを可能にし、同時に温度センサ118の感温部がストランドと直接接触して生じる温度センサ118の損傷および摩耗を防ぐことができる。摩耗バー122に適する多様な材料が存在する。しかしながら、好ましい実施例では、摩耗バー122はニッケル合金から製作されるが、温度センサ118とストランド104との熱的接触を可能にする、この目的に適する別の耐摩耗材も使用することができる。
【0042】
図4ないし図7に示されるように、温度センサ118と付勢部材120とはローラ114の軸受ブロック124と一体化することができる。この配置は2次冷却域110内でかさを必要以上に大きくせず、またはこれ以外では構成要素との干渉を起こさず、ストランド104に良好に接触できる温度測定装置126を得ることができる。この配置は好ましいものであるが、当業者は2次冷却域110内で温度測定装置126を監視する別の配置が本発明の範囲を超えないで可能であることを容易に理解する。同様に、当業者は温度センサ118のために使用する電気配線に生じる張りをどのようにすれば除去できるかを容易に理解する。付勢部材120と温度センサ118とを運転位置においたまま、交換できる方法で軸受ブロック124内部に一体に組み入れることも好ましい。この方法によれば、温度測定装置126の要素部品を交換するのに必要な非稼動時間を短縮することができる。
【0043】
好ましくは、連続鋳造装置100は2次冷却域110の全域にわたって配置される多重温度測定装置126を有する。図1は温度測定装置126を有する2次冷却域110に配置した各ローラ114を示す。図2および図3は何個かのローラ114を温度測定装置126に備えさせる温度測定装置126のための異なる配置を示す。最も好ましいのは、多重温度測定装置126が2次冷却域110にあるストランド104の幅および厚さの全域にアレイとして配置することである。この配置はストランド104の表面温度についてのより完全なデータを得ることが可能で、ストランド104の温度制御をより厳密にすることができる。この多重温度測定装置126を用いて現存する連続鋳造機を改良し、あるいは新たな連続鋳造機に多重温度測定装置126を組み入れて製作することは予め見通す。
【0044】
現状の連続鋳造技術によれば、温度測定器をダミー・バー116の移動経路から離し、ダミー・バー116が通過するとき、その通行を邪魔しないように、2次冷却域110に赤外線温度計、ラジオメータ、高温計または他の光学・放射温度測定器のような非接触形測定器を使用しなければならない。この非接触温度測定法の不利な点は意味のある表面温度測定値を与えるためにこうした技術が一般には明瞭な可視性を要求することである。しかしながら、ストランド104の可視性はストランドの近くにある冷却噴霧、蒸気および他のガスのために事実上著しく損なわれる。これに対し、直接接触形センサは非常に精度の高い測定値をもたらす。しかし、直接接触形センサはダミー・バー116が通過する度にセンサが損傷する危険があるので、しばしば交換または修理する必要がある。これまで代わるべき手段は専ら2次冷却域110内に測定器を設けることを控えることであったが、これは品質の低下および噴出の危険などを伴うと同時に、従うべき理想冷却曲線から外れるという、上述したような不利がある。
【0045】
本発明は温度センサに害を及ぼさないで、直接接触形温度測定法の恩恵を得るので、現状の連続鋳造技術を大きく前進させることができる。非接触形測定器でもダミー・バー116の通行を邪魔しないという、利点を得ることは可能であるが、本発明は非接触形測定法よりもさらに信頼でき、意味のある、接触形温度測定法を使って2次冷却域110内でストランド104の温度を測定できる利点がある。本発明はまた連続鋳造装置の蒸気雰囲気において非接触形測定器を用いたときに起こる可能性がある不正確な測定を避けながら、2次冷却域110内で温度センサ118に従来の接触形測定器の特有の害が及ぶのを回避することで、従来の測定技術の不利を克服することが可能になる。保守の殆どない、または全く必要でない、2次冷却域110内での正確な温度測定は現状の技術を上回って製品の品質を向上し、噴出を減少し、さらには非稼働時間を短縮する、より厳密な冷却制御装置を提供するので、この技術分野に長く存在した要求を解決することができる。
【0046】
本発明の別の態様に従って、温度測定装置が提供される。この温度測定装置は熱エネルギ源から熱エネルギを受け取る温度センサと、熱エネルギ源からの熱エネルギに応答して熱エネルギ源の方向に温度センサを付勢する手段とを備える。
【0047】
図示を目的とし、限定する意図のない、図6および図7に示される代替的実施例と共に、図4および図5に示される温度測定装置126が提供される。この温度測定装置126は温度センサ118と熱感知付勢部材120とを備える。本発明の温度測定装置126は連続鋳造装置の説明の中で詳細に説明されている。しかしながら、本発明の温度測定装置は連続鋳造装置で使用することに限定しない。本発明に従う温度測定装置は損傷または汚れを避けるために使用するだけでなく、伸長位置と退避位置との移動が温度変化に応答している温度センサを感知位置から引き戻し、使用する際には感知位置に延ばす必要がある工程および装置に配置して使用することができる。
【0048】
上記に説明され、図面に示されるように、本発明に係る温度測定装置は物体が存在するときに物体の方向に温度センサを付勢し、物体が存在しないときに温度センサを退避する能力を有する、優れた機能を備える温度測定装置を提供する。当業者が本発明の本質と範囲とから離れることなく、本発明の装置および方法について多様な変形および変更をなし得ることは明らかである。したがって、本発明が添付の請求の範囲およびその均等物の範囲内である変形および変更を含むことを意図すると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は本発明に従う連続鋳造装置の概略図である。
【図2】図2は金属ストランドを2次冷却域に送り出す前の前進位置にある摩耗バーを示す、本発明に従う連続鋳造装置の概略図である。
【図3】図3は金属ストランドが2次冷却域を通過するとき、退避位置にある摩耗バーを示す、図2に示される連続鋳造装置の概略図である。
【図4】図4は本発明の一実施例に従う温度測定装置を示す斜視図である。
【図5】図5は伸長位置で鋳造金属と接触している温度センサを示す、図4の温度測定装置の側面図である。
【図6】図6は温度センサを摩耗バーによって保護する、本発明の別の実施例に従う温度測定装置の斜視図である。
【図7】図7は温度センサの先端を磨耗バー内部にどのように嵌入するかを示す、図6に示される温度測定装置の一部の断面図である。
【図8】図8はバイメタル部材がコイル状に形成される、図6に示される温度測定装置の代替的実施例の一部を示す断面図である。
【図9】図9はバイメタル部材がら旋状に形成される、図6に示される温度測定装置の代替的実施例の一部を示す断面図である。
【図10】図10はバイメタル部材が端と端とを結ぶ3枚のバイメタル片を組み合わせて構成される、図6に示される温度測定装置の代替的実施例の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
100… 連続鋳造装置
102… 鋳型
104… ストランド
110… 2次冷却域
114… ローラ
116… ダミー・バー
118… 温度センサ
120… 付勢部材
122… 摩耗バー
124… 軸受ブロック
126… 温度測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)金属ストランドを分配する鋳型と、
b)前記鋳型よりも下流に配置され、前記鋳型から流れる前記金属ストランドを搬送する複数のローラと、前記ローラを通過したとき、前記金属ストランドを冷却する複数の噴霧ノズルとを備える2次冷却域と、
c)連続鋳造装置内に移動可能に配置され、退避位置と伸長位置との間を移動可能であり、前記連続鋳造装置の始動する間、新しい金属ストランドが初期的に形成されたとき、前記伸長位置で前記金属ストランドと出合うように適応され、構成され、前記連続鋳造装置内を通って前記金属ストランドが前記複数のローラに沿って移動するとき、退避するように適応され、構成されるダミー・バーと、
d)前記2次冷却域に配置された少なくとも1個の温度センサと、
e)前記金属ストランドからの熱エネルギに応答して前記金属ストランドの方向に前記少なくとも1個の温度センサを付勢する少なくとも1個の付勢手段と、
を備え、
ここで、前記少なくとも1個の付勢手段が前記少なくとも1個の温度センサが前記金属ストランドの通過する平面から離れた位置に場所を移す第1の位置から前記少なくとも1個の温度センサが前記平面に極接近する第2の位置に伸長するように適応され、構成される、
連続鋳造装置。
【請求項2】
前記金属ストランドの幅および長さの全域にわたって温度を測定するアレイとして配置される複数の温度センサを備え、前記各温度センサが前記温度センサと組み合わされる付勢手段を有する請求項1記載の連続鋳造装置。
【請求項3】
前記付勢手段がバイメタル部材を備える請求項1記載の連続鋳造装置。
【請求項4】
前記バイメタル部材が全体的に細長く、かつ加熱されたとき、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するように横に反る請求項3記載の連続鋳造装置。
【請求項5】
前記バイメタル部材が全体的にコイル状に形成される本体を備える請求項3記載の連続鋳造装置。
【請求項6】
前記バイメタル部材が全体的にら旋状に形成される請求項3記載の連続鋳造装置。
【請求項7】
前記温度センサが少なくとも1個の熱電対を備える請求項3記載の連続鋳造装置。
【請求項8】
前記熱電対が第2のバイメタル部材を備える請求項7記載の連続鋳造装置。
【請求項9】
前記バイメタル部材が付勢手段および熱電対の双方として機能する請求項7記載の連続鋳造装置。
【請求項10】
前記熱電対が次の群から選ばれる形式の熱電対である請求項7記載の連続鋳造装置。
チップ感知形、接地接合形、消耗形、非消耗形、サーモパイル形
【請求項11】
前記温度センサが次の群から選ばれる請求項3記載の連続鋳造装置。
サーミスタ温度計、光ファイバ温度計、抵抗温度検出器、感温コンデンサ、電極間の電気抵抗に基づく推定温度に従って較正される1組の電極
【請求項12】
前記付勢手段が前記金属ストランドの放射する熱を前記付勢手段で受け取ったとき、前記第1の位置から前記第2の位置に伸長するように適応され、構成される請求項1記載の連続鋳造装置。
【請求項13】
連続鋳造装置内の金属ストランドの温度を監視する温度測定装置であって、
a)前記金属ストランドから熱エネルギを受け取るように適応され、構成される温度センサと、
b)前記温度センサと動作可能に組み合わされ、前記金属ストランドからの熱エネルギに応答して前記温度センサを、
i)前記金属ストランドが存在しないときにバイメタル片が前記温度センサを損傷させないで、通過するダミー・バーを邪魔しない位置に前記温度センサを退避させる第1の位置と、
ii)前記金属ストランドが存在するときに前記温度センサが前記金属ストランドと熱的に接触する第2の位置と、
の間を前後に移動させるように適応され、構成される、細長いバイメタル片と、
を備える温度測定装置。
【請求項14】
a)物体の温度を測定するように適応され、構成される温度センサと、
b)前記温度センサに接合された熱感知付勢部材と、
を備える温度測定装置。
【請求項15】
前記熱感知付勢部材が前記物体との熱交換に応答して前記物体の方向に前記温度センサを付勢するように構成される請求項14記載の温度測定装置。
【請求項16】
前記熱感知付勢部材が前記物体と熱交換しないのに応答して前記物体から前記温度センサを離すように構成される請求項15記載の温度測定装置。
【請求項17】
前記熱感知付勢部材は前記温度センサが前記物体から離れた位置に場所を移す第1の位置から前記温度センサが前記物体からの放射熱に応答して前記物体に極接近する第2の位置に伸長するように構成される請求項16記載の温度測定装置。
【請求項18】
前記熱感知付勢部材が少なくとも1個のバイメタル要素を備える請求項17記載の温度測定装置。
【請求項19】
前記少なくとも1個のバイメタル要素がバイメタル片である請求項18記載の温度測定装置。
【請求項20】
前記少なくとも1個のバイメタル要素が全体的にコイル状に形成される本体を備える請求項18記載の温度測定装置。
【請求項21】
前記少なくとも1個のバイメタル要素が全体的にら旋状に形成される請求項18記載の温度測定装置。
【請求項22】
前記少なくとも1個のバイメタル要素が互いに端と端とをアコーディオン配置に結ばれる複数のバイメタル片を備える請求項18記載の温度測定装置。
【請求項23】
a)熱感知付勢部材を有する温度センサを準備し、
b)前記熱感知付勢部材を前記温度センサが物体から離れた位置に場所を移す第1の位置から前記温度センサが前記物体からの放射熱に応答して前記物体に極接近する第2の位置に伸長させ、
c)前記物体の温度を前記温度センサを用いて測定し、
d)前記物体を前記温度センサおよび熱感知付勢部材に極接近した位置から移動させ、
e)前記熱感知付勢部材を前記物体に接近しなくなるのに応答して前記第2の位置から前記第1の位置に退避させる、
工程を含む、物体の温度を測定するための方法。
【請求項24】
前記熱感知付勢部材を伸長する工程が前記温度センサが前記物体の表面と物理的に接触する第2の位置に伸長することを含む請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記物体が連続鋳造装置内の金属ストランドであり、前記熱感知付勢部材を退避させる工程が前記連続鋳造装置内に移動可能に配置されるダミー・バーの通行を邪魔しない位置に前記温度センサを退避させることを含み、前記ダミー・バーは前記連続鋳造装置内で新しい金属ストランドが初期的に形成されたとき、伸長位置で前記金属ストランドに出合うように適応され、構成され、前記ダミー・バーはさらに前記金属ストランドが前記連続鋳造装置内を通って移動するとき、退避するように適応され、構成される請求項23記載の温度測定装置。
【請求項26】
前記物体の温度を測定する工程が前記温度センサを前記金属ストランドと直接接触させる摩耗バー内部に配置して前記物体の温度を測定することで、前記温度センサを前記金属ストランドとの直接接触を回避するように保護することを含む請求項25記載の温度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−183587(P2012−183587A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108456(P2012−108456)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2008−33924(P2008−33924)の分割
【原出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.
【Fターム(参考)】