説明

温水供給システム及びコントローラ

【課題】設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図る。
【解決手段】この給湯機(温水供給システム)は、貯湯タンクと、貯湯タンクから供給される湯の温度を設定する温度設定手段と、温度設定手段によって設定された温度を表示する表示部100と、所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部100における温度表示を消す表示制御部と、温度設定手段によって設定された温度(40℃、60℃)に応じて、表示部100における温度表示が消えるまでの待機時間(10分、50分)を変更する待機時間変更手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度表示を消すことが可能な表示部を備えた温水供給システム及びコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カランやシャワーなどの給湯端末における給湯温度を設定するためのボタン等の操作がなされない状態で所定時間が経過したとき、表示部の表示を消灯して省エネを図る技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されるリモコン装置では、ユーザの好みに応じて、表示部の表示が消灯されるまでの待機時間が変更可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−349219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるリモコン装置を備えた給湯機では、給湯端末から給湯される湯の温度に関わらず、待機時間経過後に表示部の表示が消灯する。この場合、設定温度を確認しないまま給湯を行なうと、ユーザが予想しない高温の湯が出てしまう場合がある。そこで、表示部を常時点灯させることによって、ユーザに設定温度を報知することが考えられるが、この場合には、表示部が常時点灯することで表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができなかった。
【0005】
そこで、この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることが可能な温水供給システム及びコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明にかかる温水供給システムは、貯湯タンクと、前記貯湯タンクから供給される湯の温度を設定する温度設定手段と、前記温度設定手段によって設定された温度を表示する表示部と、所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部における温度表示を消す表示制御手段と、前記温度設定手段によって設定された温度に応じて、前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を変更する待機時間変更手段とを備えている。
【0007】
この温水供給システムでは、温度設定手段により設定される設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0008】
第2の発明にかかる温水供給システムは、第1の発明にかかる温水供給システムにおいて、前記待機時間変更手段は、前記温度設定手段によって設定される温度が所定温度より低い場合、前記待機時間を第1の待機時間に設定すると共に、前記温度設定手段によって設定される温度が前記所定温度以上の場合、前記待機時間を第1の待機時間より長い第2の待機時間に設定する。
【0009】
この温水供給システムでは、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間が長くなるので、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。また、設定温度が低温の場合は、ユーザが予想しない高温の湯が給湯される心配がないので、温度が表示されなくなるまでの待機時間を短くして、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0010】
第3の発明にかかる温水供給システムは、第2の発明に係る温水供給システムにおいて、前記貯湯タンクから供給される湯と給水源から供給される水とを混合する混合弁をさらに備え、前記混合弁は、湯の供給を停止してから所定時間が経過するまでは、その開度を直前の湯の供給時の開度のまま保持し、所定時間経過後は、その開度を水側に駆動し、前記待機時間変更手段は、前記第2の待機時間を当該所定時間以上とする。
【0011】
この温水供給システムでは、設定温度が高温の場合に、混合弁が閉じるまで、表示部に温度が表示されるので、ユーザの安全性を確保を確保することができる。そして、温度表示が消えているときには、既に混合弁が閉じて配管内の湯の温度が下がり且つ混合弁の開度が水側に駆動しているので、いきなり高温の湯が供給されることがない。その結果、ユーザの安全性を確保することができる。
【0012】
第4の発明にかかるコントローラは、貯湯タンクからの出湯を制御するコントローラであって、前記貯湯タンクから供給される湯の温度を設定する温度設定手段と、前記温度設定手段によって設定された温度を表示する表示部と、所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部における温度表示を消す表示制御手段と、前記温度設定手段によって設定された温度に応じて、前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を変更する待機時間変更手段とを備える。
【0013】
このコントローラでは、温度設定手段により設定される設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0014】
第5の発明にかかるコントローラは、給湯される湯の設定温度を表示する表示部と、所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部の温度表示を消すコントローラにおいて、前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を前記設定温度に応じて変化させる。
【0015】
このコントローラでは、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0017】
第1の発明では、温度設定手段により設定される設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0018】
また、第2の発明では、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間が長くなるので、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。また、設定温度が低温の場合は、ユーザが予想しない高温の湯が給湯される心配がないので、温度が表示されなくなるまでの待機時間を短くして、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、第3の発明では、設定温度が高温の場合に、混合弁が閉じるまで、表示部に温度が表示されるので、ユーザの安全性を確保を確保することができる。そして、温度表示が消えているときには、既に混合弁が閉じて配管内の湯の温度が下がり且つ混合弁の開度が水側に駆動しているので、いきなり高温の湯が供給されることがないので、ユーザの安全性を確保することができる。
【0020】
また、第4及び第5の発明では、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る給湯機の配管系統図である。
【図2】リモコンの正面図である。
【図3】リモコンの制御部のブロック図である。
【図4】(a)給湯温度が高温の場合の表示部の動作と(b)給湯温度が低温の場合の表示部の動作とを示した図である。
【図5】リモコンが待機モードに入るまでの動作を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるリモコンが待機モードに入るまでの動作を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態にかかるリモコンが待機モードに入るまでの動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明に係る温水供給システムの実施形態について説明する。なお、本実施形態では、温水供給システムの一例としての給湯機1について説明する。
【0023】
[給湯機の構成]
給湯機(温水供給システム)1は、図1に示すように、カランA、シャワーB及び風呂C(以下、カランA、シャワーB及び風呂Cを総称して適宜「給湯端末」とする)に湯を供給する装置であって、図1に示すように、ヒートポンプユニット1aと、貯湯ユニット1bと、リモコン1cとを備えている。この第1実施形態の給湯機1では、温水の供給先としてカランA、シャワーB及び風呂Cを例示したが、本発明の温水供給システムは、上記給湯端末A,B,Cに限らず、床暖房パネル等に代表される温水を循環させる端末を備えていても良い。
【0024】
[ヒートポンプユニット1a]
ヒートポンプユニット(加熱手段)1aは、貯湯タンク20の下部から供給される水を加熱し、その加熱した湯を貯湯タンク20に供給する。このヒートポンプユニット1aは、圧縮機10と、水熱交換器11と、電動膨張弁12と、空気熱交換機13と、ファン14とを有している。そして、この圧縮機10、水熱交換器11、電動膨張弁12、空気熱交換機13及び弁類等が冷媒配管15によって環状に接続されることにより冷媒回路16を構成している。この冷媒回路16上には、水熱交換器11から出る高温高圧の冷媒と空気熱交換機13から出る冷温低圧の冷媒との間で熱交換を行うためのガス熱交換器17が配置されている。
【0025】
[貯湯ユニット1b]
貯湯ユニット1bは、貯湯タンク20と、沸き上げ循環回路30と、追焚循環回路40と、風呂循環回路50と、給湯回路60及び70と、給水回路80とを有している。
【0026】
[貯湯タンク20]
貯湯タンク20は、ヒートポンプユニット1aにより沸き上げられた湯を貯湯している。この貯湯タンク20には、上記した沸き上げ循環回路30、追焚循環回路40、風呂給湯回路60、カラン・シャワー給湯回路70及び給水回路80が接続されており、ヒートポンプユニット1aにより沸き上げられた湯は、沸き上げ循環回路30、追焚循環回路40、風呂給湯回路60及びカラン・シャワー給湯回路70に供給されるように構成されている。この貯湯タンク20の下部には、給水源Sから供給される水が給水回路80を介して供給される。この貯湯タンク20には、貯湯タンク20の残湯量を検知する複数の残湯量サーミスタ21が設けられている。これらの複数の残湯量サーミスタ21は、貯湯タンク20の異なる高さ位置にそれぞれ設けられている。
【0027】
[沸き上げ循環回路30]
沸き上げ循環回路30は、貯湯タンク20とヒートポンプユニット1aとの間で湯を循環させるために設けられる回路であって、その回路上には、沸き上げポンプ31と、上記した水熱交換器11と、沸き上げ三方弁32とが配置されている。この沸き上げ循環回路30の一方端は、貯湯タンク20の底部に接続されており、貯湯タンク20の下部の低温の水が出水可能となっている。また、沸き上げ循環回路30の他方端は、三方弁32から分岐しており、その一方は貯湯タンク20の頂部に接続されると共に、他方は貯湯タンク20の底部に接続されている。これにより、ヒートポンプユニット1aにより加熱された湯が低温の場合には、その低温の水を貯湯タンク20の下部に戻すことが可能となると共に、ヒートポンプユニット1aにより加熱された湯が高温の場合には、その高温の湯を貯湯タンク20の上部に戻すことが可能となる。また、沸き上げ循環回路30には、ヒートポンプユニット1aに供給される水の温度(以下、入水温度とする)を検知する入水サーミスタ18、及び、ヒートポンプユニット1aにより加熱された水の温度(以下、出湯温度とする)を検知する出湯サーミスタ19が設けられている。
【0028】
[追焚循環回路40]
追焚循環回路40は、後述する風呂循環回路50を循環する風呂Cの水を加熱するために設けられる循環回路である。この回路上には、追焚熱交換器41と、熱交循環ポンプ42とが配置されている。この追焚循環回路40の一方端は、貯湯タンク20の頂部に接続されており、貯湯タンク20の上部の高温の湯が出湯可能となっている。また、追焚循環回路40の他方端は、貯湯タンク20の底部に接続されており、追焚熱交換器41で熱交換された低温の水を貯湯タンク20の下部に戻すことが可能となっている。
【0029】
[風呂循環回路50]
風呂循環回路50は、風呂Cの湯を循環させる循環回路であって、上記した追焚循環回路40を循環する湯と熱交換することにより風呂Cの水が加熱される。この回路上には、風呂循環ポンプ51と、上記した追焚熱交換器41とが配置されている。また、風呂循環回路50には、風呂Cの湯の温度(風呂温度)を検知する風呂サーミスタ52、及び、風呂Cの水位(以下、風呂水位とする)を検知する水位センサ53が設けられている。
【0030】
[風呂給湯回路60]
風呂給湯回路60は、貯湯タンク20に貯湯される湯を風呂Cに供給するための回路であって、その回路上には、湯はり混合弁61と、湯はり電磁弁62と、逆止弁63と、湯はり水量センサ64と、逆止弁65と、湯はりサーミスタ66とが配置されている。この風呂給湯回路60の一方端は、貯湯タンク20の頂部に接続されており、貯湯タンク20の上部の高温の湯が出湯可能となっている。また、風呂給湯回路60の他方端は、風呂Cに接続されている。湯はり混合弁61は、貯湯タンク20から供給される湯と給水源Sから供給される水とを混合することによって、風呂Cに供給される湯の温度を調整する。また、湯はり水量センサ64は、風呂Cに供給される湯の流量を検知するために設けられると共に、湯はりサーミスタ66は、風呂Cに供給される湯の温度を検知するために設けられている。
【0031】
本実施形態では、湯はり混合弁61は、風呂Cに供給される湯の温度に応じて、その開度が調整される。この湯はり混合弁61は、湯の供給を停止してから所定時間が経過するまでは、その開度を直前の湯の供給時の開度のまま保持するように構成されている。なお、湯の供給を停止してから湯はり混合弁61の開度が閉じられるまでの時間を、第1開度保持時間(例えば、30分)とする。これにより、湯の供給を停止してから、すぐに湯の供給を再開した場合に、直前の湯と同程度の温度の湯を供給することが可能となる。この湯はり混合弁61は、第1開度保持時間経過後は、その開度を水側に駆動する。
【0032】
[カラン・シャワー給湯回路70]
カラン・シャワー給湯回路70は、貯湯タンク20に貯湯される湯をカランA及びシャワーBに供給するための回路であって、その回路上には、給湯混合弁71と、給湯水量センサ72と、給湯サーミスタ73とが配置されている。このカラン・シャワー給湯回路70の一方端は、貯湯タンク20の頂部に接続されており、貯湯タンク20の上部の高温の湯が出湯可能となっている。また、カラン・シャワー給湯回路70の他方端は、カランA及びシャワーBに接続されている。給湯混合弁71は、貯湯タンク20から供給される湯と給水源Sから供給される水とを混合することによって、カランA及びシャワーBに供給される湯の温度を調整する。また、給湯水量センサ72は、カランA及びシャワーBに供給される湯の流量を検知するために設けられると共に、給湯サーミスタ73は、カランA及びシャワーBに供給される湯の温度を検知するために設けられている。
【0033】
また、給湯混合弁71は、上記した湯はり混合弁61と同様に、カランA及びシャワーBに供給される湯の温度に応じて、その開度が調整される。この給湯混合弁71は、湯の供給を停止してから所定時間が経過するまでは、その開度を直前の湯の供給時の開度のまま保持するように構成されている。なお、湯の供給を停止してから給湯混合弁71の開度が閉じられるまでの時間を、第2開度保持時間(例えば、30分)とする。これにより、湯の供給を停止してから、すぐに湯の供給を再開した場合に、直前の湯と同程度の温度の湯を供給することが可能となる。この給湯混合弁71は、第2開度保持時間経過後は、その開度を水側に駆動する。
【0034】
[給水回路80]
給水回路80は、給水源Sから供給される水道水を貯湯タンク20、湯はり混合弁61及び給湯混合弁71に供給する回路である。この給水回路80の給水源Sから貯湯タンク20までの回路上には、ストレーナ81と、逆止弁82と、水温サーミスタ83と、逆止弁84とが配置されている。水温サーミスタ83は、給水源Sから貯湯タンク20に供給される水道水の温度を検知するために設けられている。
【0035】
[制御部90]
給湯機1には、マイコンやメモリ等により構成される制御部90が設けられている。この制御部90は、上記した入水サーミスタ18、出湯サーミスタ19、複数の残湯量サーミスタ21、給湯水量センサ72、給湯サーミスタ73、熱交循環ポンプ42、風呂サーミスタ52、風呂循環ポンプ51、水位センサ53、湯はり水量センサ64、湯はりサーミスタ66、リモコン1c等と有線又は無線により通信可能に接続されている。例えば、ユーザー等によりリモコン1cに入力された給湯機1の運転指令は、制御部90へと送られ、制御部90は、当該運転指令に基づいて各構成に対して制御信号を出力することにより給湯機1の運転を制御する。
【0036】
[リモコン1c]
リモコン1cは、カランAが設けられる台所に設置される台所リモコン、風呂Cが設置される浴室に設けられる浴室リモコンなどがある。この台所リモコン及び浴室リモコンは、ユーザの操作に応じて、貯湯タンク20からの出湯を制御するためのコントローラであって、台所リモコンは、カランA及びシャワーBに係る給湯を制御するために設けられ、浴室リモコンは、風呂Cに係る給湯を制御するために設けられている。
【0037】
リモコン1cは、図2に示すように、カランA及びシャワーBに供給される湯の設定温度や貯湯タンク20の残湯量を表示する表示部100と、各種ボタンが設けられる操作部101と、音声を出力するスピーカ102と、リモコン1cの各種制御を行う制御部110とを備えている。表示部100は、液晶モニタであって、日時(図中『10/10(火)10:19』)、カランA及びシャワーBの設定温度(図中『42℃』)、風呂Cの設定温度(図中『42℃』)、残湯量(図中『100L』及び残湯量が示されたタンクのイメージ図)などが表示される。また、操作部101には、カランA及びシャワーBの設定温度、及び、風呂Cの設定温度を設定するための温度設定ボタン101aや各種設定変更を行うためのメニューボタン101bなどが設けられている。なお、リモコン1cには、操作部101の各ボタンを覆う蓋103(図3参照)が設けられている。また、スピーカ102は、上記したボタンのプッシュ音や設定温度が変更されたことの報知音などを出力する。
【0038】
本実施形態では、リモコン1cの制御部110は、図3に示すように、主として、表示制御部111と、温度設定部112と、待機時間変更部113と、記憶部114と、タイマ115と、蓋開閉検知部116とを備えている。
【0039】
表示制御部111は、表示部100の表示を制御する。具体的には、表示制御部111は、温度設定部112により設定温度が変更されたときに、表示部100に表示される設定温度(図2では、給湯/シャワーが『42℃』、ふろが『42℃』)を変更したり、貯湯タンク20の残湯量が変化したときに、表示部100に表示される残湯量(図2では、『100L』及びそのタンクのイメージ図の目盛)を変更したり、タイマ115で計時される日時(図2では、『10/10(火)10:19』)を表示部100にを表示したりする。そして、本実施形態では、図4に示すように、表示制御部111は、所定時間以上にわたって機器の使用がない場合に、表示部100における温度表示を消す。ここでは、表示制御部111は、表示部100における温度が表示される画面を温度が表示されない画面に切り替えている。この温度が表示されない画面とは、表示部100のバックライトを消灯して画面に何も表示しない状態、温度が表示される画面とは相関がないアニメーションが表示される状態(スクリーンセーバー)、若しくは、温度が表示される画面とは相関がない壁紙が表示される状態などがある。なお、上記した「機器の使用がない」とは、(1)リモコン1cの操作部101の各ボタンが操作されていない、(2)給湯端末における給湯が行なわれていない、(3)リモコン1cの蓋103が開閉されていない、等の意味を含んでいる。
【0040】
温度設定部112は、上記した温度設定ボタン101aの操作に応じて、カランA、シャワーB、風呂Cに供給される湯の温度を設定する。この温度設定部112によって設定される設定温度に係る情報は、制御部90に送信され、湯はり混合弁61及び給湯混合弁71の開度調整に使用される。また、この温度設定部112によって設定される設定温度に係る情報は、表示制御部111に送信され、表示部100に表示される設定温度に反映される。
【0041】
待機時間変更部113は、温度設定部112によって設定された設定温度に応じて、表示部100における温度表示が消えるまでの時間(以下、待機時間とする)を変更する。具体的には、図4に示すように、待機時間変更部113は、温度設定部112によって設定された設定温度が低温(例えば、50℃未満)の場合には、待機時間を第1の待機時間(例えば、10分)に設定すると共に、温度設定部112によって設定された設定温度が高温(例えば、50℃以上)の場合には、待機時間を第2の待機時間(例えば、50分)に設定する。本実施形態では、この設定温度が高温の場合に設定される第2の待機時間は、上記した開度保持時間(第1開度保持時間、第2開度保持時間)以上であり、待機時間変更部113は、設定温度が高温の場合に、混合弁61,71の開度が水側に駆動した後に、表示部100の温度表示が消えるように第2の待機時間を設定する。
【0042】
記憶部114は、種々の情報を記憶するために設けられており、本実施形態では、温度設定部112によって設定される設定温度に係る情報や、待機時間変更部113によって変更される待機時間に係る情報が記憶されている。
【0043】
タイマ115は、現在時刻の計時や経過時間の計測を行なうために設けられている。このタイマ115で計時される現在時刻に係る情報は、表示制御部111に送信され、表示部100の表示される日時に反映される。また、タイマ115は、上記した(1)リモコン1cの操作部101の各ボタンが操作されていない時間(無操作経過時間)を計測したり、(2)給湯端末における給湯が行なわれていない時間(給湯終了後経過時間)を計測したり、(3)リモコン1cの蓋103が開閉されていない時間(蓋未開閉経過時間)を測定したりする。
【0044】
蓋開閉検知部116は、蓋103の開閉を検知しており、その検知結果は、タイマ115において、蓋未開閉経過時間を測定する際に利用される。また、この蓋開閉検知部116の検知結果は、表示制御部111に送信され、例えば、表示部100が消灯している状態で、蓋開閉検知部116により蓋103が開かれたのが検知されると、表示制御部111により表示部100が点灯される。
【0045】
[待機モード突入フロー]
次に、図5のフローチャートを参照して、設定温度が表示される画面が消灯になる待機モードに入るまでの動作について説明する。
始めに、表示部100に設定温度などが表示されると(ステップS1)、待機モードに入って良いか否かの判断が行なわれる(ステップS2)。例えば、試運転が行なわれているような場合、表示部100の画面が消灯すると不便なので、当該判断が行なわれる。そして、待機モードに入ってよいと判断されると(ステップS2:Yes)、タイマ115により、(1)リモコン1cの操作部101の各ボタンが操作されていない時間(無操作経過時間)、(2)給湯端末における給湯が行なわれていない時間(給湯終了後経過時間)、及び、(3)リモコン1cの蓋103が開閉されていない時間(蓋未開閉経過時間)が測定される(ステップS3)。本実施形態では、タイマ115は、(1)リモコン1cの操作部101の各ボタンが操作されておらず、且つ、(2)給湯端末における給湯が行なわれておらず、且つ、(3)リモコン1cの蓋103が開閉されていない場合の経過時間をカウントしている。そして、カウント中に、上記した(1)、(2)、(3)のいずれかの条件が満たされなくなった場合に、当該カウントを終了する。以下、(1)〜(3)のすべての条件が満たされる経過時間を、「機器の使用がない時間」とする。
【0046】
次に、温度設定部112によって設定された設定温度が高温か否かを判断する(ステップS4)。具体的には、設定温度がT_High(予め設定されている定数であって、例えば、50℃)以上か否かが判断される(ステップS4)。そこで、設定温度がT_High以上であると判断されると(ステップS4:Yes)、待機時間を第2の待機時間に設定する(ステップS5)。具体的には、待機時間を示す変数T_taikiにT_long(予め設定されている定数であって、例えば、50分)が代入される。
一方、設定温度がT_High未満であると判断されると(ステップS4:No)、待機時間を第1の待機時間に設定する(ステップS6)。具体的には、待機時間を示す変数T_taikiにT_short(予め設定されている定数であって、例えば、10分)が代入される。
【0047】
そして、設定温度がT_High以上の場合(ステップS4:Yes)には、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、第2の待機時間(T_long)を経過したか否かが判断され(ステップS7)、当該機器の使用がない時間が第2の待機時間(T_long)を経過している場合には(ステップS7:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
一方、設定温度がT_High未満の場合(ステップS4:No)には、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、第1の待機時間(T_short)を経過したか否かが判断され(ステップS8)、当該機器の使用がない時間が第1の待機時間(T_short)を経過している場合には(ステップS8:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
【0048】
待機モードに入ると(ステップS9)、表示部100の表示が消灯して、表示部100に表示される設定温度が消える(ステップS10)。なお、ここでは表示部100の表示が消灯することについて説明したが、上記したように、当該表示部100はスクリーンセーバであっても壁紙であっても良い。その後、操作部101の操作が行われたか否かが判断されて(ステップS11)、操作部101の操作が行われた場合には(ステップS11:Yes)、ステップS1に戻って、表示部100に表示がなされる。操作部101の操作が行われない場合には(ステップS11:No)、表示部100が消灯され続ける(ステップS10)。
【0049】
[本実施形態の給湯機の特徴]
本実施形態の給湯機1には、以下のような特徴がある。
【0050】
本実施形態の給湯機1では、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの待機時間が長くなるので、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部100の省電力化及び長寿命化を図ることができる。また、設定温度が低温の場合は、ユーザが予想しない高温の湯が給湯される心配がないので、温度が表示されなくなるまでの待機時間を短くして、表示部100の省電力化及び長寿命化を図ることができる。
【0051】
また、本実施形態の給湯機1では、設定温度が高温の場合に、混合弁61,71が閉じるまで温度が表示されるので、ユーザの安全性を確保を確保することができる。そして、温度が表示されなくなっているときには、既に混合弁が閉じて配管内の湯の温度が下がり且つ混合弁61,71の開度が水側に駆動しているので、いきなり高温の湯が供給されることがない。その結果、ユーザの安全性を確保することができる。
【0052】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、待機時間が第1の待機時間(T_short)又は第2の待機時間(T_long)の2パターンである場合について説明したが、この第2実施形態では、待機時間が2パターン以上である場合について説明する。なお、第1実施形態と同様の説明は適宜割愛する。
【0053】
この第2実施形態では、図6に示すように、タイマ115により、機器の使用がない時間が測定された後、設定温度Tの判別を行なう(ステップS12)。この設定温度Tの判別では、設定温度Tが高温(T≧T_High)である場合には、ステップS13に進み、設定温度Tが中温(T_Low≦T<T_High)である場合には、ステップS14に進み、設定温度Tが低温(T<T_Low)の場合には、ステップS15に進む。そして、設定温度Tが高温(T≧T_High)である場合には、待機時間をT_longに設定し(ステップS13)、設定温度が中温(T_Low≦T<T_High)である場合には、待機時間をT_middleに設定し(ステップS14)、設定温度が低温(T<T_Low)の場合には、待機時間をT_shortに設定する(ステップS15)。
【0054】
そして、設定温度が高温(T≧T_High)の場合には、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、待機時間(T_long)を経過したか否かが判断され(ステップS16)、当該機器の使用がない時間が待機時間(T_long)を経過している場合には(ステップS16:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
また、設定温度が中温(T_Low≦T<T_High)の場合には、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、待機時間(T_middle)を経過したか否かが判断され(ステップS17)、当該機器の使用がない時間が待機時間(T_middle)を経過している場合には(ステップS17:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
また、設定温度が低温(T<T_Low)の場合には、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、待機時間(T_short)を経過したか否かが判断され(ステップS18)、当該機器の使用がない時間が待機時間(T_short)を経過している場合には(ステップS18:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
【0055】
このように、本実施形態では、設定温度Tに応じて、待機時間が(1)T_long、(2)T_middle、(3)T_shortの3パターンに区分される。これにより、第1実施形態に比べて、表示部100が消灯するまでの時間を細かく制御することが可能となる。
【0056】
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、待機時間を予め決められた値(T_long、T_middle、T_short)から選択する例について説明したが、この第3実施形態では、設定温度Tを変数とする関数により、待機時間を算出してもよい。なお、第1実施形態と同様の説明は適宜割愛する。
【0057】
この第3実施形態では、図7に示すように、タイマ115により、機器の使用がない時間が測定された後、設定温度Tを変数とする関数T_taiki=f(T)により、待機時間T_taikiを算出する(ステップS21)。そして、タイマ115により測定される機器の使用がない時間が、上記関数により算出された待機時間(T_taiki)を経過したか否かが判断され(ステップS22)、当該機器の使用がない時間が待機時間(T_taiki)を経過している場合には(ステップS22:Yes)、待機モードに入る(ステップS9)。
【0058】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
例えば、上記実施形態では、「機器の使用がない時間」を、(1)リモコン1cの操作部101の各ボタンが操作されておらず、(2)給湯端末における給湯が行なわれておらず、(3)リモコン1cの蓋103が開閉されていない、という3つの条件がすべて満たされたときの経過時間と定義したが、本発明はこれに限らず、(1)〜(3)の条件から選択される一又は二つの条件が満たされたときの経過時間を「機器の使用がない時間」としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明を利用すれば、設定温度が高温の場合に、温度が表示されなくなるまでの時間を長く設定することにより、ユーザの安全性を確保しつつ、表示部の省電力化及び長寿命化を図ることが可能な温水供給システム(給湯機)を得ることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 給湯機(温水供給システム)
1a ヒートポンプユニット
1b 貯湯ユニット
1c リモコン(コントローラ)
20 貯湯タンク
61 湯はり混合弁(混合弁)
71 給湯混合弁(混合弁)
100 表示部
101 操作部
110 制御部
111 表示制御部(表示制御手段)
112 温度設定部(温度設定手段)
113 待機時間変更部(待機時間変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから供給される湯の温度を設定する温度設定手段と、
前記温度設定手段によって設定された温度を表示する表示部と、
所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部における温度表示を消す表示制御手段と、
前記温度設定手段によって設定された温度に応じて、前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を変更する待機時間変更手段とを備えることを特徴とする、温水供給システム。
【請求項2】
前記待機時間変更手段は、前記温度設定手段によって設定される温度が所定温度より低い場合、前記待機時間を第1の待機時間に設定すると共に、前記温度設定手段によって設定される温度が前記所定温度以上の場合、前記待機時間を第1の待機時間より長い第2の待機時間に設定することを特徴とする、請求項1に記載の温水供給システム。
【請求項3】
前記貯湯タンクから供給される湯と給水源から供給される水とを混合する混合弁をさらに備え、
前記混合弁は、湯の供給を停止してから所定時間が経過するまでは、その開度を直前の湯の供給時の開度のまま保持し、所定時間経過後は、その開度を水側に駆動し、
前記待機時間変更手段は、前記第2の待機時間を当該所定時間以上とすることを特徴とする、請求項2に記載の温水供給システム。
【請求項4】
貯湯タンクからの出湯を制御するコントローラであって、
前記貯湯タンクから供給される湯の温度を設定する温度設定手段と、
前記温度設定手段によって設定された温度を表示する表示部と、
所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部における温度表示を消す表示制御手段と、
前記温度設定手段によって設定された温度に応じて、前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を変更する待機時間変更手段とを備えることを特徴とする、コントローラ。
【請求項5】
給湯される湯の設定温度を表示する表示部と、所定時間にわたって機器の使用がない場合に、前記表示部の温度表示を消すコントローラにおいて、
前記表示部における温度表示が消えるまでの待機時間を前記設定温度に応じて変化させることを特徴とする、コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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