説明

温浴装置

【課題】美観や芳香性に優れた温浴装置を提供する。
【解決手段】温浴槽20は、その内壁に複数の短冊状の檜からなる板部材が敷設される。この温浴槽20の内壁に板部材を敷設する場合には、まず、温浴槽20の底辺に複数の底辺用板部材23aを敷設する。次に、温浴槽20の横方向側壁に複数の横側壁用板部材23bを、底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。さらに、温浴槽20の縦方向側壁に複数の縦側壁用板部材23cを、底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。これとともに、縦側壁用いた部材23cを、横側壁用板部材23bの前面に当接して配置させる。底辺用板部材23a、横側壁用板部材23b、および、縦側壁用板部材23cを配置させた後、縦側壁板部材23cを固定部材24により押止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木製板部材を敷設した温浴槽を備える温浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の温浴装置として、例えば、特許文献1に記載のように、FRP(繊維強化合成樹脂)製の温浴槽を備えるものが公知である。
【0003】
この特許文献1に記載の装置は、張力を有する可撓性の繊維材料に対して、常温で軟性を有する樹脂を含有させてなる軟質複合樹脂材料により温浴槽の主要部が形成されることを特徴とする。このため、特許文献1に記載の装置によれば、入浴者が浴槽内と接触する時に受ける衝撃を低減させることができる。
【特許文献1】特開2001−252207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、合成樹脂材料により温浴槽を構成しているため、美観や芳香性に欠ける等の欠点があった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、美観や芳香性に優れた温浴装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、温浴槽と、前記温浴槽の内壁に敷設される複数の短冊状の木製板部材と、前記温浴槽に貯留させるための液体を加熱する加熱機構と、前記温浴槽と前記加熱機構との間で液体を循環させる循環機構と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の温浴装置において、前記木製板部材を固定するための固定部材を備え、前記木製板部材は、前記温浴槽の底辺に敷設される複数の底辺用板部材と、前記温浴槽の横方向側壁に敷設される複数の横側壁用板部材と、前記温浴槽の縦方向側壁に敷設される複数の縦側壁用板部材と、からなり、前記横側壁用板部材は、前記底辺用板部材の平面上方に配置されて、前記底辺用板部材をその上方から押圧し、前記縦側壁用板部材は、前記底辺用板部材の平面上方に配置されて、前記底辺用板部材をその上方から押圧するとともに、前記横側壁用板部材の前面に当接して配置されて、前記横側壁用板部材をその前面から押圧し、さらに前記固定部材に押止される。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の温浴装置において、前記温浴槽は、脚用の温浴槽から構成される。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の温浴装置において、前記温浴槽は、脚用の温浴槽と、一対の腕用の温浴槽と、から構成される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の温浴装置において、前記循環機構は、前記脚用の温浴槽と、前記一対の腕用の温浴槽と、の間で液体を循環させる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の温浴装置において、前記木製板部材は、檜からなる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の温浴装置において、前記木製板部材は、前記温浴槽に着脱自在に敷設される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、温浴槽と、温浴槽の内壁に敷設される複数の短冊状の木製板部材と、を備えることから、美観や芳香性に優れた効果を奏する。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、木製板部材を固定するための固定部材を備え、木製板部材は、温浴槽の底辺に敷設される複数の底辺用板部材と、温浴槽の横方向側壁に敷設される複数の横側壁用板部材と、温浴槽の縦方向側壁に敷設される複数の縦側壁用板部材と、からなり、横側壁用板部材は、底辺用板部材の平面上方に配置されて、底辺用板部材をその上方から押圧し、縦側壁用板部材は、底辺用板部材の平面上方に配置されて、底辺用板部材をその上方から押圧するとともに、横側壁用板部材の前面に当接して配置されて、横側壁用板部材をその前面から押圧し、さらに前記固定部材に押止されることから、簡易な構成でありながら、温浴槽の内壁に木製板部材を敷設することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、温浴槽は、脚用の温浴槽から構成されることから、局所的に脚の血行を促進させることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、温浴槽は、脚用の温浴槽と、一対の腕用の温浴槽と、から構成されることから、局所的に体内の血行を促進させることが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、循環機構は、脚用の温浴槽と、一対の腕用の温浴槽と、の間で液体を循環させることから、脚用の温浴槽に供給される液体と、一対の腕用の温浴槽に供給される液体とを単一に処理することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、木製板部材は、檜からなることから、ヒノキチオール成分を液体に溶解させることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、木製板部材は、温浴槽に着脱自在に敷設されることから、木製板部材の状態が悪化した場合に、簡易に木製板部材を取り換えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の第1実施形態に係る温浴装置を示す斜視図である。また、図2は、その側方から一部を断面にして示す要部断面図である。
【0022】
この発明の第1実施形態に係る温浴装置は、座部11と背凭れ部12とを有する椅子10と、椅子10における座部11の下方に配置される脚用の温浴槽22と、椅子10における座部11の各側方に配置される一対の腕用の温浴槽21(以下、「脚用の温浴槽22」と「腕用の温浴槽21」とを総称して「温浴槽20」という。)と、温浴槽20に流入出する液体の処理を行う液体処理装置1とを備える。
【0023】
この温浴装置は、このように脚用の温浴槽22と、一対の腕用の温浴槽21とを備えることから、局所的に体内の血行を促進させることが可能となる。
【0024】
図3は、この発明の第1実施形態に係る温浴装置における液体の循環を示す模式図である。
【0025】
液体処理装置1において処理された液体は、給液管31、32を介して腕用の温浴槽21に供給される。処理された腕用の温浴槽21に供給されることにより、腕用の温浴槽21からオーバーフローする液体は、排液管41、42を介して排液される。排液管41、42に排液された液体は、給液管33を介して脚用の温浴槽22に供給される。脚用の温浴槽22に貯留されている液体は、液体処理装置1に備えられるポンプ60により排液管43を介して再び液体処理装置1に排液され、液体処理装置1において処理される。
【0026】
液体処理装置1は、液体の加熱機構としてのヒータ50と、温浴槽20とヒータ50との間で液体を循環させる流路71乃至75を有する循環機構70と、循環機構70により循環する液体中に気体を供給する気体供給機構90と、循環機構70により循環する液体を浄化するためのろ過機構100と、気体供給機構90により供給された気体を混合して溶解させる混合機構110とを備える。
【0027】
この温浴装置は、このような液体処理装置1を備えることから、脚用の温浴槽22と一対の腕用の温浴槽21とを同一の循環機構70に接続するように構成される。このため、脚用の温浴槽22に供給される液体と、一対の腕用の温浴槽21に供給される液体とを共用することが可能となる。
【0028】
循環機構70は、脚用の温浴槽22から液体を吸液するためのポンプ60に接続される流路72と、流路72とろ過機構100とを接続する流路73と、ろ過機構100と混合機構110とを接続する流路74と、混合機構110とヒータ50とを接続する流路75とを備える。
【0029】
なお、流路72と流路73との間には、温浴装置外部の排液管83に接続される排液管82と流路73とのいずれか一方と流路72とを接続させる切替弁52が備えられる。これにより、液体を脚用の温浴槽22から直接排液管83に排液することが可能となる。
【0030】
また、ヒータ50は、排液管83に開閉弁51および排液管82を介して接続される。これにより、ヒータ50から腕用の温浴槽21への液体の供給量を簡易に調整することが可能となる。
【0031】
気体供給機構90は、気体供給部からの気体の流量を調整する調節弁91と、気体の逆流を防止するための逆止弁92とを備え、循環機構70における流路73に接続される。これにより、気体の供給量を調整することが可能となる。
【0032】
図4は、この発明の第1実施形態に係る温浴装置を構成するろ過機構100を示す説明図である。
【0033】
ろ過機構100は、上部に開口部を有する筒状の容器101と、容器101の開口部を閉止するための蓋部材102と、容器101内部に配設されるろ過フィルタ103とを備える。蓋部材102には、流路73に接続され、容器101内部へと挿通する流入孔部102bとが形成される。これにより、流路73から供給される液体をろ過フィルタ103によりろ過した後に流路74に排出することが可能となる。
【0034】
図5は、この発明の第1実施形態に係る温浴装置を構成する混合機構110を示す説明図である。
【0035】
混合機構110は、上部に開口部を有する筒状の容器111と、容器111の開口部を閉止するための蓋部材112と、容器111内部に配設される筒状体113とを備える。蓋部材112には、流路74に接続され、容器111内部へと挿通する流入孔部112aと、流路75に接続され、容器111内部へと挿通する流出孔部112bとが形成される。筒状体113は、下端部開口113aが容器111の底部に近接して配置されるとともに、上端部開口113bが蓋部材112の流出孔部112bを介して流路75に接続される。
【0036】
このため、流路74から供給される液体は、容器111の底部まで到達した後に流路75に排出されることとなる。これにより、液体と気体との比重差により、上昇しようとする気体流と流路74から供給される液体流とにより容器111内部に対流が発生し、液体中に気体を適度に溶解させることが可能となる。
【0037】
図6乃至図8は、温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【0038】
温浴槽20は、その内壁に複数の短冊状の木製の板部材23が敷設される。なお、この板部材23は、檜からなる。このため、美観や芳香性に優れた効果を奏し、特に、ヒノキチオール成分を温浴槽20内に貯留される液体に溶解させることが可能となる。また、板部材23は、厚み5mm乃至7mm、長さ24mm乃至27mm程度の大きさで構成されることが好ましい。ただし、板部材23は、この大きさに限られるものではない。また、温浴槽20は、たとえば、不錆金属や合成樹脂等の水密性の材料からなる。このため、内壁に敷設される木製の板部材23から液体が漏れたとしても、温浴槽20外部へ液体が漏れることがない。また、板部材23は、温浴槽20に着脱自在に敷設される。このため、板部材23の状態が悪化した場合でも、簡易に板部材23を取り換えることが可能となる。
【0039】
この温浴槽20の内壁に板部材23を敷設する場合には、図6に示すように、まず、温浴槽22の底辺に複数の底辺用板部材23aを敷設する。
【0040】
次に、図7に示すように、温浴槽20の横方向側壁に複数の横側壁用板部材23bを、温浴槽20の底面に対して水平方向に並列した状態で底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。そして、横側壁用板部材23bを底辺用板部材23aに対してその上方から押圧させる。
【0041】
さらに、図8に示すように、温浴槽20の縦方向側壁に複数の縦側壁用板部材23cを、温浴槽20の底面に対して水平方向に並列した状態で底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。そして、縦側壁用板部材23cを底辺用板部材23aに対してその上方から押圧させる。これとともに、縦側壁用板部材23cを、横側壁用板部材23bの前面に当接して配置させる。そして、縦側壁用板部材23cを横側壁用板部材23bに対してその前面から押圧させる。なお、温浴槽20には、オーバーフロー管25が形成され、このオーバーフロー管25を介して温浴槽20のに貯留される液体を排液する。このオーバーフロー管25により、温浴槽20に貯留される液体量を制限することができる。
【0042】
以上のようにして、底辺用板部材23a、横側壁用板部材23b、および、縦側壁用板部材23cを配置させた後、縦側壁板部材23cを固定部材24により押止する。
【0043】
この発明に係る温浴装置は、以上のような構成を有することから、簡易な構成でありながら、温浴槽20の内壁に板部材23を敷設することが可能となる。そして、温浴槽20と板部材23とは着脱自在な構成を有することから、板部材23の長期間の使用により板部材23の状態が悪化(変色、くすみ、ぬめり等が板部材23表面へ現れること等)した場合に、板部材23を簡易に取り換えることが可能となる。これにより、板部材23の状態の悪化により非衛生的、または清潔感を欠くような印象を与えることを防止し、高級感、美観、芳香性に優れた状態を維持することが可能となる。
【0044】
なお、温浴槽20における縦側壁には、縦側壁用板部材23cの他、縦側壁用板部材23cと縦側壁用板部材23cとの間に配置される補充用板部材23dが敷設されてもよい。
【0045】
このような温浴装置を使用する場合には、まず、一対の腕用の温浴槽21および脚用の温浴槽22に水を貯留する。そして、脚用の温浴槽22に貯留される水は、ポンプ60の吸液により排液管43を介して液体処理装置1に排液される。そして、液体処理装置1に排液された水は、流路72を介して流路73に流入する。流路73に流入した水に対して、気体供給機構90から二酸化炭素が供給される。なお、流路72に流入した水をこの温浴装置内を循環させることなく外部へ排出する場合には、切替弁5を切り替えることにより、排液管82に排出させて排液する。また、気体供給機構90から供給される二酸化炭素の供給量は、調節弁91および逆止弁92の調節により、調整することができる。
【0046】
流路73において二酸化炭素が供給された水は、ろ過機構100に流入する。ろ過機構100に流入した水は、ろ過機構100におけるろ過フィルタ103の作用により、浄化される。ろ過機構100において浄化された水は、流路74に流入する。流路74に流入した水は、混合機構110に流入する。ここで、容器111の内部で発生する対流の作用により、混合機構110に流入した水に、気体供給機構90において供給された二酸化炭素が適度に溶解される。
【0047】
このようにして二酸化炭素が適度に溶解された水は、流路75に流入する。流路75に流入した水は、ヒータ50に流入する。ヒータ50に流入した水は、ヒータ50の作用により、昇温される。このようにして昇温された水は、給液管31、32に流入して、液体処理装置1から流出する。なお、ヒータ50により昇温された水をこの温浴装置内を循環させることなく外部へ排出する場合には、開閉弁51を開放することにより、排液管81に排出させて排液する。
【0048】
そして、給液管31、32に流入した水は、一対の腕用の温浴槽21に供給される。このように、水が給液管31、32を介して腕用の温浴槽21に供給されることにより、腕用の温浴槽21に予め貯留されていた水が、腕用の温浴槽21からオーバーフローして、排液管41、42に排液される。排液管41、42に排液された水は、給液管33に流入する。給液管33に流入した水は、脚用の温浴槽22に流入する。
【0049】
このようにして、水を浄化し、この浄化した水に対して二酸化炭素を混合して溶解させた後、水を昇温させながら、腕用の温浴槽21と脚用の温浴槽22と液体処理装置1との間で水を循環させることが可能となる。
【0050】
このように、この発明の実施形態に係る温浴装置によれば、温浴槽20に二酸化炭素が溶解された水が貯留されることから、温浴槽20に体の一部を浸漬させることにより、体内の血行をより促進させることが可能となる。
【0051】
次に、この発明の他の実施形態に係る温浴装置について図面に基づいて説明する。
【0052】
図9乃至図11は、この発明の第2実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【0053】
第1実施形態の温浴槽20には、温浴槽20の底面に対して水平方向に並列した状態で横側壁用板部材23bおよび縦側壁用板部材23cが配置されるのに対し、第2実施形態の温浴槽20には、温浴槽20の底面に対して垂直方向に並列した状態で横側壁用板部材23dおよび縦側壁用板部材23eが配置される点で、第1実施形態に係る温浴装置と第2実施形態に係る温浴装置とは異なる。
【0054】
この第2実施形態の温浴槽20の内壁に板部材23を敷設する場合には、図9に示すように、まず、温浴槽22の底辺に複数の底辺用板部材23aを敷設する。
【0055】
次に、図10に示すように、温浴槽20の横方向側壁に複数の横側壁用板部材23dを、温浴槽20の底面に対して水平方向に並列した状態で底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。そして、横側壁用板部材23dを底辺用板部材23aに対してその上方から押圧させる。この横側壁用板部材23dは、底辺用板部材23aに対して固定部材26aにより固定される。
【0056】
さらに、図11に示すように、温浴槽20の縦方向側壁に複数の縦側壁用板部材23eを、温浴槽20の底面に対して垂直方向に並列した状態で底辺用板部材23aの平面上方に配置させる。そして、縦側壁用板部材23eを底辺用板部材23aに対してその上方から押圧させる。これとともに、縦側壁用板部材23eを、横側壁用板部材23dの前面に当接して配置させる。そして、縦側壁用板部材23eを横側壁用板部材23dに対してその前面から押圧させる。この縦側壁用板部材23eは、底辺用板部材23aに対して固定部材26bにより固定される。
【0057】
図12は、この発明の第3実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【0058】
第2実施形態の温浴槽20の横側壁用板部材23dは、底辺用板部材23aに対して固定部材26aにより固定され、縦側壁用板部材23eは、底辺用板部材23aに対して固定部材26aにより固定されるのに対し、第3実施形態の温浴槽20の横側壁用板部材23dおよび縦側壁用板部材23eは、固定部材26cにより温浴槽20本体に対して固定される点で、第2実施形態に係る温浴装置と第3実施形態に係る温浴装置とは異なる。
【0059】
この第3実施形態の温浴槽20によれば、単一の固定部材26cにより板部材23を固定することが可能となる。
【0060】
なお、上述した実施形態において、温浴槽20に敷設される板部材23は檜から構成されているが、檜以外の木材から構成してもよい。また、高級木材からなる板部材23と廉価木材からなる板部材23とを組み合わせて温浴槽20に敷設してもよい。この場合にも、美観および芳香性に優れた温浴装置を構成することが可能となる。
【0061】
また、上述した実施形態において、横側壁用板部材23bを底辺用板部材23aの平面上方に配置し、縦側壁用板部材23cを底辺用板部材23aの平面上方に配置するとともに、横側壁用板部材23bの前面に当接して配置しているが、このような配置関係に限定することはなく、これら底辺用板部材23a、横側面用板部材23b、縦側面用板部材23cの配置関係を変更してもよい。
【0062】
また、上述した実施形態において、温浴装置は腕用の温浴槽21と脚用の温浴槽22とを備えるが、腕用の温浴槽21または脚用の温浴槽22に代えて、一般の温浴槽、または、腕や脚の他の体の局所を浸漬するための温浴槽であってもよい。
【0063】
また、上述した実施形態において、座部11や背凭れ部12の内側に、たとえばモータ等を駆動源として上下または水平方向にスライド移動可能な複数の突状体を配置したり、振動部材を配置したりすることにより、マッサージ機能を有する椅子10を備えてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態において、温浴槽20はジェット水流バルブを介して給液管31、32、33と接続されてもよい、これにより、温浴槽20内にジェット水流が発生し、体内の血行をより促進することが可能となる。
【0065】
また、上述した実施形態において、気体供給機構90を備えているが、気体供給機構90に加えて、たとえば体内の血行を促進する効果を奏する有機ゲルマニウム等を供給する血行促進物供給機構を備えてもよい。この場合においても、血行促進物供給機構により血行促進物が供給された液体が混合機構100またはろ過混合機構120を通過することにより、液体に血行促進物を適度に溶解させることが可能となる。
【0066】
また、上述した実施形態においては、容器111と蓋部材112と筒状体113とを備える混合機構110を備えているが、この混合機構110に代えて、図9に示すような混合機構200を備えてもよい。この混合機構200は、混合槽210と、混合槽210において液体と気体とを混合するための循環手段220と、混合槽210に液体を供給するための管路211と、混合槽210に気体を供給するための管路212と、を備える。そして、この循環手段220は、循環ポンプ221と、混合槽210から循環ポンプ221に液体を流入するための流入路231と、循環ポンプ221から混合槽210に液体を流出させるための流出路232と、を備える。また、循環手段220においては、流入路231に加熱手段としてのヒータ222が配設されてもよい。このように加熱手段を流入路231に配設する場合には、温浴槽20の液体を適温に維持することが可能となる。さらに、混合槽210には、その上方にエア抜きのための開口部が形成され、開閉弁213により開閉自在に制御される。なお、この循環ポンプ221は、混合槽210の内側に配設されてもよく、混合槽210の外側に配設されてもよい。このような混合槽210を備える混合機構200によれば、混合槽210に対して液体および気体を連続して供給することにより、混合槽210内で対流が発生し、混合槽210内に供給された液体と気体とを十分に混合することが可能となる。
【0067】
また、上記の混合機構200を備える場合には、図10に示すように、液体を供給するための管路211に供給管250を接続してもよい。この供給管250には、多数の孔部251が穿設される。この供給管250を管路211に接続することにより、液体が管路211からこれらの多数の孔部251を通過して混合槽210に供給される。このため、液体が混合槽210にシャワー状に放出され、気体の溶解効率を高めることが可能となる。なお、この供給管250は、管路211において混合槽210内に挿通された部分に接続されていれば、混合液中に浸漬されている状態であっても、浸漬されない状態であっても有効である。混合液中に浸漬されている状態であれば、多数の孔部251から液体が流出することにより混合槽210中に対流が生じる。このため、混合槽210内部の液体と気体とを十分に混合することが可能となる。一方、混合液中に浸漬されていない状態であれば、多数の孔部251から流出する液体がより多くの気体と接触する。このため、混合槽210内部の液体と気体とを十分に混合することが可能となる。
【0068】
さらに、上述の混合機構200において、循環手段220に代えて、混合槽210内に配置される水中ポンプを備えてもよい。こにょうに水中ポンプを備える場合には、混合槽210内部に貯留される液体の作用により、水中ポンプ自体を冷却することが可能となる。これにより、混合槽200の外部に循環手段220を備える場合と比較して、長時間継続して運転することが可能となる。また、水中ポンプの駆動により生じる熱の作用により、混合槽210内部に貯留される液体を昇温させることが可能となる。これによりヒータの加熱により生じるコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の実施形態に係る温浴装置を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態に係る温浴装置をその側方から一部を断面にして示す要部断面図である。
【図3】この発明の実施形態に係る温浴装置における液体の循環を示す模式図である。
【図4】この発明の実施形態に係る温浴装置を構成するろ過機構100を示す説明図である。
【図5】この発明の実施形態に係る温浴装置を構成する混合機構110を示す説明図である。
【図6】温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図7】温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図8】温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図9】この発明の第2実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図11】この発明の第2実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図12】この発明の第3実施形態に係る温浴装置を構成する温浴槽20を組み立てる状態を示す説明図である。
【図13】混合槽210の周辺を示す説明図である。
【図14】管路211に接続するための供給管250を側面から示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 液体処理装置
2 液体処理装置
10 椅子
11 座部
12 背凭れ部
20 温浴槽
21 腕用の温浴槽
22 脚用の温浴槽
23 板部材
24 固定部材
25 オーバーフロー管
26 固定部材
31 給液管
32 給液管
33 給液管
41 排液管
42 排液管
43 排液管
51 開閉弁
52 切替弁
60 ポンプ
70 循環機構
72 流路
73 流路
74 流路
75 流路
81 排液管
82 排液管
83 排液管
90 気体供給機構
91 調整弁
92 逆止弁
100 ろ過機構
101 容器
102 蓋部材
103 ろ過フィルタ
110 混合機構
111 容器
112 蓋部材
113 筒状体
120 ろ過混合機構
200 混合機構
210 混合槽
211 管路
212 管路
213 開口部
220 循環手段
221 循環ポンプ
222 ヒータ
231 流入路
232 流出路
250 供給管
251 孔部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
温浴槽と、
前記温浴槽の内壁に敷設される複数の短冊状の木製板部材と、
前記温浴槽に貯留させるための液体を加熱する加熱機構と、
前記温浴槽と前記加熱機構との間で液体を循環させる循環機構と、
を備えることを特徴とする温浴装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温浴装置において、
前記木製板部材を固定するための固定部材を備え、
前記木製板部材は、前記温浴槽の底辺に敷設される複数の底辺用板部材と、前記温浴槽の横方向側壁に敷設される複数の横側壁用板部材と、前記温浴槽の縦方向側壁に敷設される複数の縦側壁用板部材と、からなり、
前記横側壁用板部材は、前記底辺用板部材の平面上方に配置されて、前記底辺用板部材をその上方から押圧し、
前記縦側壁用板部材は、前記底辺用板部材の平面上方に配置されて、前記底辺用板部材をその上方から押圧するとともに、前記横側壁用板部材の前面に当接して配置されて、前記横側壁用板部材をその前面から押圧し、さらに前記固定部材に押止される温浴装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の温浴装置において、
前記温浴槽は、脚用の温浴槽から構成される温浴装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の温浴装置において、
前記温浴槽は、脚用の温浴槽と、一対の腕用の温浴槽と、から構成される温浴装置。
【請求項5】
請求項4に記載の温浴装置において、
前記循環機構は、前記脚用の温浴槽と、前記一対の腕用の温浴槽と、の間で液体を循環させる温浴装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の温浴装置において、
前記木製板部材は、檜からなる温浴装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の温浴装置において、
前記木製板部材は、前記温浴槽に着脱自在に敷設される温浴装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−165(P2007−165A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180272(P2005−180272)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(599047550)
【Fターム(参考)】