説明

温熱フィルムに用いる、制御された粒径分布を有する、鉱石又は岩石マテリアルから形成される粉末

本発明は、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成される超微細粉末に関する。該粉末は、赤外線スペクトルに一致するように制御され又は“操作”された粒径分布(PSD)を有し、D99、好ましくはD95で測定される14−17ミクロンの範囲の最大粒径、及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有する。好ましくは、最大粒径は約15ミクロン、最小粒径は約5ミクロン、及びD50粒径は約8−10ミクロンである。粒径が“操作”された粉末の水分含有量は、約0.20重量%未満、好ましくは約0.05−0.08重量%である。特に“操作”された該超微細粉末を温熱フィルムに用いることで、その熱性(themicity)は約20%未満に低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霞石閃長岩(nepheline syenite)産業において微細粒子霞石閃長岩粉末に分類される技術に関する。より詳細には、温熱フィルムのために特にデザインされた、制御された粒径を有する、新規超微細霞石閃長岩粉末に関する。該新規超微細霞石閃長岩粉末を用いた温熱フィルムは、本発明のさらなる態様を構成する。
【0002】
本発明の好ましい対象は、霞石閃長岩粉末であるが、本発明は、温熱フィルムに使用するために、他の鉱石又は岩石マテリアルの粒径分布(PSD)を操作するのにも用いられ得る。新しく選択されたPSDを有する粉末は、フィルム又はコーティング剤とは別の用途にも使用され得る。操作されたPSDを有する、自然に採鉱されるマテリアルは、広く定義されるところではあるが、本明細書においては、霞石閃長岩(それは、岩石組成物又はマテリアルである)を用いた好ましい態様について記載する。
【背景技術】
【0003】
採鉱される未加工の霞石閃長岩は、主にコネティカット州ニューケーナンのUnimin Corporationから供給されている。霞石閃長岩は、数種の鉱石により構成された、自然に存在する岩石であり、世界の限られた地域でのみ採鉱される。霞石閃長岩産業が有する先進の技術により、未加工の霞石閃長岩を挽砕及び粉砕し、使用可能な微細粒子粉末に粒子化する。このように、本発明の分野は、霞石閃長岩産業及び採鉱された霞石閃長岩を商業的に利用可能な粉末に加工する技術に関連する。2001年頃、Unimin Corporationは、鋭意の研究開発ののちに、超微細霞石閃長岩粉末を発明した。この粉末は、商業的に利用可能であり、経済的に生成可能な霞石閃長岩粉末としては最小であるといわれていた。この超微細粉末は、実質的に約20ミクロン以上の最大粒径D99を有していた。しかし、この粉末は、最大粒径が約20ミクロン未満として、“超微細”霞石閃長岩粉末に分類されていた。このような“超微細”霞石閃長岩粉末は、商業的に利用可能な最も小さい粒径を有していた。その頃、Unimin Corporationは、約20ミクロンの最大粒径及び1−2ミクロン未満の最小粒径を有する霞石閃長岩粉末を発明した。それは、非常に小さい粒子又は微粒子を除去することにより達成された。この粉末は、ブロッキング防止剤として開発され、MINBLOC HC1400の商標を付して販売された。MINBLOC HC1400の粒径分布は、図14及び図15に示すとおり、D95とD5の粒径の間が15ミクロン以上あった。このようなブロッキング防止剤、及び“超微細”としてデザインされ、最大粒径が制御されただけの他の霞石閃長岩粉末は、本発明の超微細粉末に最も近似する、霞石閃長岩粉末の先行技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の該新規霞石閃長岩粉末は、温熱フィルム(thermal film)に用いる優れたフィラーとなる特性を有する。このようなフィルムは、植物及び木を生育させるチェンバー又は温室に用いられる、光透過性を有する天蓋に使用される。温室は、温熱フィルムを含有する天蓋を有する。放射光が温熱フィルムを含有する温室天蓋を通過し、その結果、光が温室内部を暖め、植物の太陽光吸収が促進される。日光は、温熱フィルムを含有する天蓋を通過するが、それは、該フィルムの透明性に依存する。光量及び熱量は、該フィルムの透過率により規定される。夜間は、温熱フィルムを逆透過するエネルギー量により、温室内の温度が下がる。温度低下により、植物は生理的ダメージを受ける。このように、昼間は温室内に太陽エネルギーを通過させ、夜間、すなわち太陽が温室内を暖め得ない間、温室内からの熱エネルギーの放出を抑えるために、天蓋に温熱フィルムを用いる。
【0005】
昼間は、太陽からの電磁放射線が温熱フィルムを通過する。太陽エネルギーは、可視光ならびにより少量の紫外線及び近赤外線で構成される。夜間、温室内では、中赤外線の熱が放射される。この放射は黒体放射であり、室温又はわずかに低温の物体に対して、7−14ミクロン付近のピークをとる。これは、本発明によりトラップすることができる7−14ミクロンの中赤外線放射であり、それにより温室の熱のロスを防ぐ。温室外の温度が温室内より低い間、特に夜間、本発明によりエネルギーが保たれる。そうして、霞石閃長岩粉末が、このような温熱フィルムのフィラーに用いるのに極めて有用であることが見出された。それは安価であり、可視光をよく透過させる。本発明は、霞石閃長岩粉末の既知の特性を利用しているが、カバーフィルムを通して逃げていく熱エネルギーを劇的に低減させる。この熱エネルギーのロスは、フィルムの熱性(thermicity)として評価される。FTIRを用いることで、フィルムを通過する7−14ミクロンの赤外線のフラクション(%)を測定することができ、これが“熱性(thermicity)”と呼ばれるものである。それゆえ、温熱フィルムを通して上方に逃げていくことによる熱のロスは、“熱性(thermicity)”として定義され、それは、温室内で赤外線による熱のロスが逆転するときに、温室内で維持される熱エネルギー量を規定する。本明細書における“熱のロス”とは、電磁放射線によるロスであり、伝導性熱伝達といった他のメカニズムによるロス(これは、ほんのわずかなものである)ではない。
【0006】
本発明は、超微細粉末に関するものであり、それは、低コストであり、シリカを含まないといった霞石閃長岩粉末の利点を有する。新規超微細粉末は、“テーラーメイドされた”粒径プロファイルを有するがゆえに、該フィルムは、高い透過性及び透明性を有し、熱性(thermicity)は劇的に低減される。霞石閃長岩から、高い透明性又は可視光の透過性を有する温熱フィルムを作り出すことができる。それは、該フィルムと霞石閃長岩の屈折率が良くマッチすることに由来すると考えられる。これは、霞石閃長岩の特性である。粒径は、透明性に影響を与えない。しかし、粒径は、熱性(thermicity)に影響を与える。このように、本発明は、この発見を利用したものである。もちろん、霞石閃長岩は、シリカを含まないという商業的な利点も有する。本発明は、超微細粉末であり、好ましくは霞石閃長岩粉末である。それは、“テーラーメイドされた”粒径プロファイルを有し、該粒径は、温室に逆散乱される赤外線放射の波長とおよそ同じ範囲にある。このコンセプトは、粒子が放射線と同じサイズのときに、電磁放射線を散乱させるというMie理論に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
定義
霞石閃長岩は、岩石であり、粉末形状では、(Na,K)AlSi0の形態でのケイ酸塩を含まない微細粒子シリカにより構成される。本明細書で用いられる最大粒径は、D99又はD95として定義されるターゲット値であり、本明細書で用いられる最小粒径は、D5として定義されるターゲット値である。実際の粉末の最大粒径はサイズD99として定義され、最小粒径はサイズD1として定義される。“最大”粒径及び“最小”粒径という用語は、他に示唆のない限り、ターゲットレベルを示すものである。これは、微小粒子産業における一般的な方法である。コーティング剤又はフィルムにおける霞石閃長岩粉末の含有量は、フィラーの重量パーセントで定義される。実質的に水分を含まないというのは、水分が1.0重量%未満、好ましくは0.8重量%未満を意味する。
【0008】
発明の記載
本発明は、温熱フィルムのためのフィラーに関する。該フィラーは、制御された最小粒径D5及び制御された最大粒径D95を有する“超微細”霞石閃長岩粉末である。該コーティング剤又はフィルムに加工される際の、フィラーの研磨特性を実質的に低減するために、霞石閃長岩粉末の最大粒径を制御する。フィルムの光沢を低減させ、透明度を向上させ、黄色化を低減させるために、最小粒径を精密に制御する。本発明の霞石閃長岩粉末は、光沢度は低く、艶消し仕上げとなっており、加工装置又は適用装置に対する摩耗が少ない。これらの特性は、本発明の新規超微細霞石閃長岩粉末を用いることによるものである。本発明の新規粉末を温熱フィルムに用いると、透明度は十分に得られる一方で、熱性(thermicity)を低減するという主要な目的が達成される。
【0009】
本発明の新規霞石閃長岩粉末は、制御された最大粒径D95と制御された最小粒径D5の間の幅が狭い。この範囲は、10−12ミクロンである。本発明の超微細霞石閃長岩粉末の粒径分布により、温熱フィルムは極めて特異的な特性を有するようになる。それは、粒径分布の範囲が狭く、該粒径が、中赤外線域の波長の、ある選択された部分に一致することにより、実現される。実際に、本発明の新規超微細霞石閃長岩粉末は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び約4−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有する。これは、実質的に、どの先行技術よりも良好に制御されたサイズである。制御された最大粒径と制御された最小粒径の間の粒径分布は、通常約12ミクロン未満である。粒径分布が狭い範囲にあるため、フィラーとして本発明の新規超微細霞石閃長岩粉末を用いる温熱フィルムは、特異的及び均一な物理学的特性を有する。
【0010】
本発明の一態様によれば、超微細霞石閃長岩粉末は制御された最小粒径を有するばかりでなく、精密に制御された最大粒径をも有する。“超微細”霞石閃長岩粉末の大きい方及び小さい方の粒径の両方を制御することで、前述の狭い範囲に制御された粒径分布が得られる。本発明の他の態様によれば、新規霞石閃長岩粉末は、4−7ミクロンに制御された最小粒径及び/又は20ミクロン未満に制御された最大粒径を有し、約150ミクロン未満の最大粒径、実際には20−150ミクロンの範囲にある、前加工された霞石閃長岩粉末原料より製造される。このように、本発明は、最大粒径が好ましくは20−150ミクロン、より好ましくは約100ミクロンであるように事前に加工された霞石閃長岩粉末を、加工する行程を含む。
【0011】
本発明によれば、新規超微細霞石閃長岩粉末が提供され、それは、約150ミクロン未満の最大粒径D99を有する、前加工された霞石閃長岩粉末原料より生成される。本発明の新規超微細霞石閃長岩粉末は、水分を1.0重量%未満、好ましくは0.8重量%未満含む。本発明によれば、D5とD95の間の粒径の範囲は、約10−12ミクロン未満である。このように、粒径分布は非常に狭い範囲となることで、該新規超微細霞石閃長岩粉末を用いたフィルムの確実かつ明確な物理学的特性が実現する。
【0012】
本発明の他方の態様によれば、本発明の新規超微細霞石閃長岩粉末は、前加工された霞石閃長岩粉末を含む原料より生成され、原料はエア分級機により加工される。実際に、該新規超微細霞石閃長岩粉末は、さまざまな加工により形成される。一方ではエア分級機により、他方では連続したエア分級機により、さらに他方では連続したプロセスを構成する一連において用いるミル及びエア分級機により加工する。本発明の一態様によれば、新規超微細霞石閃長岩粉末の一生成方法に用られるミルは、対向式エアジェットを用いるタイプのエアジェットミルである。連続したエア分級機が該新規超微細霞石閃長岩粉末の生成方法において用いられる場合、ひとつのエア分級機ステージでは大きい方の粒径が除去され、他方のエア分級機ステージでは小さい方の粒径が除去される。こうすることで、制御された最大値及び制御された最小値の間の範囲が非常に狭い、霞石閃長岩粉末を生成し得る。
【0013】
新規超微細霞石閃長岩粉末は、連続したプロセスにおいて生成され、そのプロセスにおいては、前加工された霞石閃長岩粉末原料が一連のエア分級機段階を通過する。あるいは、バッチ方式において生成され、該方式においては、該霞石閃長岩粉末原料が対向式ジェットミルで研削され、その後、内部及び外部で分級される。前加工された該霞石閃長岩粉末は、最大粒径が約100ミクロン未満の粉末となり得る。
【0014】
本発明のさらなる主要な態様によれば、約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び約4−7ミクロン、好ましくは約5ミクロンに制御された最小粒径D5を有する超微細霞石閃長岩粉末を含む温熱フィルムが提供される。本発明の該態様を構成する温熱フィルムにおける該超微細霞石閃長岩粉末フィラーは、コーティング剤又はフィルムの5−25重量%の含有率で、該フィルムに加えられる。
【0015】
霞石閃長岩は、Na長石、K長石、及び霞石(NaAlSiO)の混合物からなる、天然岩石である。その二酸化ケイ素の含有レベルは低い。このマテリアルは、閃長岩又は長石閃長岩とよばれる。実質的には、本発明は、霞石閃長岩、及び二酸化ケイ素の含有レベルが著しく低い他の閃長岩マテリアルに適用可能である。霞石閃長岩の一般的記載が、本発明を理解するために適用され、本発明の実施に用いられる好ましいマテリアルを構成する、霞石閃長岩の形態を特定するために用いられる。本発明は、ユニークな“超微細”粉末、温熱フィルムのフィラーとして該粉末を使用すること、及び該新規粉末を用いた温熱フィルムを含む。該粉末を製造するために好ましいマテリアルは、霞石閃長岩、特には20−150ミクロンの範囲の最大粒径を有する商業的霞石閃長岩である。
【0016】
本発明の主要な態様として、実質的にシリカを含まず、約15ミクロンに制御された最大粒径D95、約4−7ミクロンに制御された最小粒径D5及び約8−10ミクロンの範囲のD50粒径を有する、自然に存在する採鉱された物質により形成される超微細粉末を提供する。この新規粉末は1.0重量%未満の水分を含有し、該新規粉末のPSDカーブの最大モードは、7−14ミクロンの間である。本発明の特徴として、D95とD5の間の粒径分布は、10−12ミクロンの範囲にある。このように、該粉末は非常に狭い範囲に制御された粒径分布を有する。該PSDカーブは、非常に狭い。該粒径プロファイルにより、本発明で特定される超微細粉末から調製される温熱フィルムは、改善された熱性(thermicity)を有する。それは、7−14ミクロンの範囲で計測され、その範囲において、放射による熱のロスが最大となる。この新規粉末は“超微細”であり、それゆえフィルムの透過率を実質的に増加させる。フィラーとして該粉末を用いることで、フィルムを通した熱エネルギーの流入量を増加させることができる。しかし、該新規粉末が熱性(thermicity)を低減することで、熱エネルギーが温熱フィルムを通して外部に放出するのを防止する。よく知られていることであるが、流入する太陽熱は近赤外領域であり、温室内から漏出する熱は中赤外領域である。
【0017】
本発明の実施態様によれば、前述の物理学的特性を作り出す粒子プロファイルを有する粉末は、超微細霞石閃長岩粉末である。この新規粉末ゆえに、低コスト及び高透過性を含む、霞石閃長岩の特性を実現し得る。該粉末が“超微細”特性を有すること及び該粉末が霞石閃長岩であることの両方により、温熱フィルムのフィラーとしての実質的な利点が得られる。このテーラーメイドされた粒径プロファイルが、熱性(thermicity)を低減し、及び制御された最大粒径と制御された最小粒径の間の粒子範囲を小さくすることで、これらの利点を増大させる。この狭い粒径のスパン及び範囲により、該フィルムの特性が改善される。
【0018】
本発明の他方の態様によれば、フィラー(前述で特定される新規超微細粉末を含有する)を有する温熱フィルムが提供される。本発明の該態様によれば、該温熱フィルムは、ポリエチレン及びエチレンビニルアセテートからなる群より選択される。該フィラーの含有量は、該フィルム中少なくとも5重量%である。本発明のある態様に従えば、該フィラーの含有量は、少なくとも該フィルム中5重量%、好ましくは該フィルム中5−25重量%である。
【0019】
本発明の他方の態様によれば、前加工された霞石閃長岩粉末(20−100ミクロンの範囲の最大粒径D99を有する)からなる原料より生成される超微細霞石閃長岩粉末が提供される。この原料は、前加工され、商業的に利用される霞石閃長岩粉末であっても商業的には利用されない霞石閃長岩粉末であってもよい。該原料から生成される超微細霞石閃長岩粉末は、水分含有量が1.0重量%未満であり、4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5及び約15ミクロンに制御された最大粒径D95を有する。平均粒径D50は、8−10ミクロンの範囲にあり、該粉末のPSDカーブの最大ノードは、7−14ミクロンの範囲にある。
【0020】
本発明の他方の態様において、前述で特定した超微細霞石閃長岩粉末が提供される。そのスタート原料は、販売されているMinbloc粉末といった商業的霞石閃長岩粉末である。前加工された霞石閃長岩粉末は、以下の粒径分布プロファイルに加工される。つまり、約15ミクロンの粒径D95より大きい粒子、及び選択されたサイズの粒径D5より小さい粒子(選択されたサイズとは、好ましくは5ミクロンであり、しかし、4−7ミクロンの範囲にある)は除去される。実際には、研削霞石閃長岩原料は、15ミクロンの中間粒径D50及び100ミクロンの最大粒径D99を有する。選択された該原料は概して、大部分が7−14ミクロンの範囲の粒子を有する。本発明の一態様によれば、前加工された該原料は、20ミクロンより大きく、約100−150ミクロン未満のD99粒径を有する。
【0021】
本発明の広範な他方の態様によれば、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成される新規超微細粉末が提供され、その屈折率(RI)は約1.4−1.6である。この屈折率は、フィルムが可視光の透過性を有するように選択される。該屈折率は、好ましくは1.46−1.57の範囲である。該粉末がフィルム内に含まれる場合、このような屈折率の値を与える鉱石又は岩石マテリアルとしては、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、アルミナ水三和物、タルク、アタパルジャイト、パイロフィライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトを含む群より選択されるマテリアルが挙げられる。しかし、好ましくは、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトを含む群より選択される。この好ましい分級は、本明細書に記載のとおり処理される。定義によれば、“超微細”粉末は、約20ミクロン未満の最大粒径を有し、該最大粒径はD99粒径の粉末である。本発明のこの広範な態様によれば、該超微細粉末は、赤外線の波長と一致するようにテーラーメイドされた粒径分布を有し、概して可視光を透過させる。
【0022】
本発明の他方の広範な態様によれば、モース硬度で少なくとも5の鉱石又は岩石マテリアルから形成された新規超微細粉末が提供される。前述のとおり、“超微細”粉末は、最大粒径が約20ミクロン未満であり、最大粒径がD99粒径の粉末である。本発明のこの態様によれば、該新規超微細粉末は、本明細書で記載の特定のPSDに一致するようにテーラーメイドされ又は“操作”された粒径分布を有する。該粉末がモース硬度で特定されても、又は屈折率により特定されても、本発明の該超微細粉末は、制御された粒径分布を有する。それは、14−17ミクロンの範囲の最大粒径D99、好ましくはD95であり、4−7ミクロンの最小粒径D5を有する。好ましいマテリアルは、霞石閃長岩といった閃長岩であることが見出された。しかし、該マテリアルがモース硬度により選択される場合、新規超微細粉末を形成するために原料として用いられる鉱石又は岩石マテリアルは、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトを含む群より選択される。
【0023】
自然に存在する、採鉱されたこれらのマテリアルで、本発明のPSDを有するものについて、その粉末をフィラーとして用いた場合、温熱フィルムの熱性(thermicity)が低減される。実際に本発明は、超微細粉末に操作された新規粒径であり、特定のPSDを有するものである。
【0024】
本発明の好ましい態様によれば、最大粒径D95は約14−17ミクロンであり、最小粒径D5は約5ミクロンである。さらには、D50粒径は、約8−10ミクロンの範囲にある。本発明のこの広範な態様によれば、該超微細粉末の水分含有量は、約0.20重量%未満、好ましくは約0.10重量%未満である。実際に、好ましい実施態様において、該粉末中の水分含有量は、約0.08重量%未満である。これらのコンセプトは、本発明の広範な態様のひとつを構成する。本発明は、採鉱した天然に存在する鉱石又は岩石マテリアルの使用を含む。天然に存在するマテリアルは、操作された粒径分布を有するように加工される。PSDは非常に狭い範囲のもので、赤外線スペクトルの波長に一致する。
【0025】
本発明の他の態様に従えば、選択されたPSDを有する新規超微細粉末を生成するために用いられる、天然に存在する鉱石又は岩石マテリアルは、モース硬度が少なくとも5である硬いマテリアルである。この鉱石又は岩石マテリアルは、本発明を実施するために用いられ、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトを含む、硬いマテリアルの群より選択される。
【0026】
本発明の好ましい態様によれば、自然に存在するマテリアル(該マテリアルから該超微細粉末が形成される)は、シリカをわずかに含むか、又はまったく含まない。しかし、本発明の広範な態様によれば、実質的にシリカを含まないという有益な特徴は、本発明の好ましい態様におけるさらなる定義にすぎない。
【0027】
本発明の他方の態様によれば、自然に存在する鉱石又は岩石を、主に温熱フィルムに用いるために加工する方法が提供される。該新規粉末を生成する好ましい方法は、屈折率が約1.4−1.6である、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された研削原料を供給し、対向式ジェットミルで原料を挽砕し、該ミルから中間粉末を通過させるために、該ミルにおいて分級機で研削原料を分級することを含む。該中間粉末は、最大粒径が約14−17ミクロンである。その後、該中間粉末はエア分級機に通され、粒径4−7ミクロン未満の粒子が除去される。本方法が、温熱フィルムに用いる該超微細粉末を生成する好ましい方法である。
【0028】
本発明の他方の態様によれば、温熱フィルムに用いられる該超微細粉末を生成する他の方法が提供される。この方法は、屈折率が約1.4−1.6である、自然に存在する鉱石又は岩石から形成される原料を提供することを含む。該原料は研削され、該研削原料を第一エア分級機に通過させることにより中間粉末が生成される。こうして、14−17ミクロンの範囲の値よりも大きい第一粒径を有する粒子が除去される。その後、該中間粒子が第二エア分級機を通過し、4−7ミクロンの範囲の値未満である第二粒径を有する粒子が除去される。この方法は、温熱フィルム製造に用いられる超微細粉末を生成するために開発された他方の方法である。この方法のスタート原料としては、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトを含む群より選択されるマテリアルが挙げられる。
【0029】
本発明の主要な目的は、テーラーメイドされた粒径プロファイルを有する超微細粉末を提供することであり、それは温熱フィルムの特性を向上させるために作られている。このテーラーメイドされたプロファイルは、制御された最大粒径及び制御された最小粒径を含み、この粒径は約4ミクロンと約15ミクロンの間の範囲にある。このように、該粒径分布は赤外線スペクトルの選択された範囲に一致し、この範囲は、該超微細粉末を用いたフィルムの熱性(thermicity)を制御する。該粉末は好ましくは霞石閃長岩であり、前加工された霞石閃長岩粉末より生成される。しかし、該粉末は閃長岩マテリアルでもよい。該マテリアルは、Na長石及びK長石からなり、シリカをほとんど含まなくても全く含まなくてもよい。
【0030】
本発明の他方の目的は、モース硬度が少なくとも5である、鉱石又は岩石マテリアルから形成される超微細粉末を提供することである。該粉末は、制御又は“操作”された粒径分布(PSD)を有し、最大粒径が好ましくは14−17ミクロンの範囲にあるD95であり、最小粒径が4−7ミクロンの範囲にあるD5である。このように、操作された粉末の大多数は、赤外線スペクトルの選択された範囲に一致し、この範囲が、該超微細粉末をフィラーとして用いた場合、フィルムの熱性(thermicity)を制御する。該粉末は採鉱されたマテリアルから形成され、それは前述の操作された粒径分布を有する。そのPSDは狭く、赤外線の特性に一致する。しかし、さらなる目的は、種々のフィルム及びコーティング剤にこの超微細粉末を用いることであり、それにより、熱性(themicity)が低減され、又は硬度といった他の特異な特性が実現される。この目的のための好ましいスタート原料としては、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトを含む群より選択されるマテリアルが挙げられる。
【0031】
さらに本発明の目的は、屈折率が1.4−1.6の範囲、好ましくは1.46−1.57の範囲である鉱石又は岩石マテリアルから形成される超微細粉末を提供することである。このマテリアルは、原料を形成し、本明細書で定義される制御又は“操作”された粒径を有する粉末を生成させる。該粒径は、14−17ミクロンの範囲の最大粒径D99又はD95及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有する。好ましくは、該微細粉末の生成に用いられる該原料の定義にかかわらず、該最大粒径は約15ミクロンであり、該最小粒径は約5ミクロンである。該原料の選択が、モース硬度が少なくとも5であるという選択であっても、屈折率が1.4−1.6の範囲であるという選択であっても、該新規粉末の最終的な特性は変わらない。この最終的な特性には、14−17ミクロンの範囲に操作された最大粒径及び4−7ミクロンの範囲に操作された最小粒径が含まれる。超微細粉末(該屈折率が本発明の一部である)を提供するために、該スタート原料は、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、アルミナ水三和物、タルク、アタパルジャイト、パイロフィライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトを含む群より選択される。本目的のための好ましいスタート原料は、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライト含む群より選択される。これらのマテリアルは、本明細書に記載のように加工される。
【0032】
本発明のさらなる他の目的によれば、テーラーメイドされた該粒径プロファイルは、“制御”されたD95サイズ、“制御”されたD5サイズ、及び特定のD50サイズを有し、D5粒径とD95粒径の間の範囲が狭い粉末が提供される。
【0033】
本発明によれば、新規フィラー粉末を用いた温熱フィルムが提供され、それはテーラーメイドされた粒径プロファイル及び前述の他の特性を有する。
【0034】
本発明の他の目的は、超微細霞石閃長岩粉末を提供することであり、該粉末をフィラーとして温熱フィルムに用いた場合、より多くの可視光が該フィルムを通過することができる。良好な粒径プロファイルを有すること、及び他の鉱石粉末ではなく霞石閃長岩粉末が使われていることにより、透過性向上が達成される。このように、より多くの可視光、特に光合成有効放射(PAR)が該温熱フィルムを通過し、光合成が促進される。本発明の該超微細霞石閃長岩粉末を用いた該温熱フィルムは、多くの太陽エネルギーを無駄にすることなく取り入れることができる。フィラーの含有率が高くても、該温熱フィルムは、より安価に作ることができる。該フィラーは樹脂より安価だからである。該フィラーを多く含む温熱フィルムの熱性(themicity)は、実質的に他のフィラーを用いたフィルムのそれよりも低くなる。実際に、より多くの温熱フィラーを用いることで、熱性(themicity)はより改善される。したがって、該新規粉末の第一の利点は、熱のロスをより少なくすることである。第二の利点としては、該フィルムをより安価に作ることができることである。要約すれば、本発明のテーラーメイドされた粒径パラメータを有する霞石閃長岩粉末を用いることで、高い透過性及び低い熱性(themicity)を維持する一方で、該温熱フィルム中、該フィラーは20−25重量%の範囲の高容量で含まれ得る。示唆したように、該含有量は、該フィルム中少なくとも5重量%である。この熱性(themicity)が低いという特性は、制御された最大粒径及び制御された最小粒径を選択することにより得られる。そうすることで、粒子が赤外線の波長に一致し、フィラーとして該新規粉末を用いた場合、該フィルムから漏出する熱エネルギーを抑えることができる。該新規粉末の該粒径は、(熱エネルギーが)温室内に逆拡散されるように、およその赤外線の範囲に“制御”されている。この特性は、前述のMie理論を利用したものである。
【0035】
粒子システムについて
本明細書に記載の指定及び用語を説明することは有益である。粒径は、他に示唆のない限り、ミクロン、10−6mで表される。当業者が容易に理解できるように、粒径は、直径で表される。直径が球形又は円形を示唆しているとしても、本明細書で使われる直径の用語は、球形ではない粒子の長さ又は最大幅に関する。典型的には、粒径の範囲又は粒径分布が記載される。例えば、5−15ミクロンの範囲というのは、典型的には“5×15”で表示される。本明細書の他の用例として、“D”のnは、0から100の間のある数値を表す。この値は、ある最大直径を有する粒子の割合又はパーセンタイルを表す。例えば、0−18ミクロンのターゲットサイズを有する粒子の割合において、メジアン最大径(D50)は2.5ミクロンであってもよい。99thパーセンタイルの割合(D99)における最大直径は、16ミクロンであってもよく、1stパーセンタイルの割合(D1)における最大直径は、0.1ミクロンであってもよい。
【0036】
本発明によれば、粒径分布及び特性を有する霞石閃長岩粒子システムが見出された。好ましい態様の霞石閃長岩粒子システムは、4×15システム、5×15システム、及び6×15システムである。これらのシステムは、限定されることなく、摩損性が低い、光沢が抑えられている、摩擦性が低い、油の吸収性が低い、多く含有され得る、レオロジーが良好である、及び熱性(themicity)が低いといった特性を含む、驚くべき、予想外の有益な物理学的特性を呈する。下記の表1−3では、本発明による霞石閃長岩粒子システムのD1、D50及びD99サイズの、粒径態様(典型的態様、好ましい態様、最も好ましい態様)を示している。すべての粒径は、ミクロンで示されている。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
ひとつの態様において、本発明は、特異的で予想外の特性をもたらす粒径範囲を有する、霞石閃長岩粒子システムに関する。該霞石閃長岩粒子システムは、サイズの上限が比較的小さい粒径(例えば、該粉末は、“超微細”である)、及び比較的“狭い”粒径分布を有する。例えば、好ましい粒子システムの態様においては、該システムは、8−11ミクロンのメジアン径又はD50サイズ、2−5ミクロンの小さい方のサイズ又はD1サイズ、4−7ミクロンのD5サイズ、約15ミクロンのD95サイズ、及び15−20ミクロンの大きい方のサイズ又はD99サイズ上限を有する。“約15ミクロン”をターゲットとするD95という用語は、最大約17ミクロンの範囲を有し得る。
【0041】
本発明のさらなる他の目的は、新規フィラー粉末、好ましくは霞石閃長岩粉末を用いた温熱フィルムを提供することである。該粉末は、前述の特性を有する。
【0042】
他の目的は、フィラーとして用いる超微細粉末を提供することである。該フィラーは、テーラーメイドされたPSDカーブを作り出すために、制御された最小粒径及び最大粒径を有する。このようなフィラーは、自然に存在する岩石、好ましくは霞石閃長岩から形成される。
【0043】
これら及び他の目的及び利点は、本明細書の一部であり、後述の記載と添付の図によりより明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】温室の図である。温室内の温度低下を制御するために、天蓋に温熱フィルムを用いている。
【図2】図1の丸で囲った部分の拡大図である。温熱フィルムの機能と目的を表している。
【図3】該新規霞石閃長岩粉末の生成方法について、第一に好ましい態様を示すフローチャートである。
【図4】該新規霞石閃長岩粉末の生成方法を示すブロック図である。
【図5】本発明の該超微細霞石閃長岩粉末の一態様の生成方法を示すブロック図である。該原料は、制御された所望の最大粒径を有する。
【図6】該超微細霞石閃長岩粉末の一態様の生成方法を示すブロック図である。
【図7】本発明による霞石閃長岩粉末を含む、超微細霞石閃長岩粉末の種々のサンプルのターゲット粒径を示す表である。ターゲット値が該サンプルのD5及びD95である場合の、D1とD99.9の間の粒径分布を示す。
【図8】“ベルカーブ”タイプのPSDカーブを示す。図7に記載の4−6ミクロンに制御された最小粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末について、赤外線波長スペクトルとの関連性を示す。また、該サンプルの最大ノードを示している。
【図9】該霞石閃長岩粉末原料の微細末端を単に除去することにより形成された、該新規霞石閃長岩粉末サンプルを示すグラフである。
【図10】図9と同様のグラフである。本発明の好ましい実施方法により生成された、粉末サンプル(12)及び(13)を示す。
【図11】サンプル(9)−(11)のテーラーメイドされた粒径特性を示すPSDカーブである。図8で記載の他のPSDのタイプ(サンプルの最大ノードを表す“ベル”カーブである)と同様である。
【図12】黒及び白のテストパネルの平均コントラスト比を示すグラフである。該パネルは、本発明の好ましい2態様により生成された粉末フィラーでコーティングされている。
【図13】本発明の好ましい2態様により生成された粉末フィラーでコーティングした際の、20°光沢度を表すグラフである。
【図14】PSDカーブのベルカーブタイプについて、本発明の好ましい態様(による粉末)と近似する従来の霞石閃長岩粉末とを比較している。
【図15】温熱フィルムにフィラーとして用いられる霞石閃長岩粉末について、種々の“ベル”カーブタイプのPSDカーブを示す。本図のカーブと、図14に記載の本発明の好ましい態様よるカーブとの違いが示される。
【図16】本発明において示される、熱性(themicity)の特性を表すグラフである。
【図17】図14に記載の従来の粉末を用いたフィルムの、FTIRスペクトルを示したグラフである。本発明におけるテーラーメイドされた粒径プロファイルに一致する、赤外線波長の範囲を示している。
【図18】テーラーメイドされた好ましい霞石閃長岩粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)をプロットしたグラフである。近似する従来の霞石閃長岩粉末(Minbloc HC1400)を用いたフィルムの熱性(themicity)と比較している。
【図19】好ましい新規霞石閃長岩粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)、及び図14に記載の近似する霞石閃長岩粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)について示している。
【図20】本発明の実施例における透過率を示すカーブである。温熱フィルムに使われる先行技術のフィラーである、M4000、Glomax及びPolestarと比較している。
【図21】本発明の該新規粉末の特性を有する超微細霞石閃長岩粉末の生成方法について、好ましい第二態様を示すブロック図である。
【図22】図21に記載の方法で用いられる対向式ジェットミルを示す図である。
【図23】超微細霞石閃長岩粉末の粒径分析を示した表である。5×15(最大及び最小粒径を示す)粉末としてターゲットされた粉末に関する。
【図24】図21の態様と同様に、本発明の好ましい第二実施態様を示すブロック図である。図3−6に記載の好ましい第一態様と実質上代替し得る。
【図24A】図24に記載の、好ましい第二態様において用いられる原料の粒径分布カーブを示す。
【図24B】図24Aのグラフにおいて示される、粒径分布データを示す図である。
【図25】図24に記載の、好ましい第二態様において用いられる流動床ジェットミルの操作パラメータを規定した表である。
【図25A】図24に記載の、好ましい第二態様において用いられる、ミル及び分級機により得られる生成物の粒径分布カーブである。
【図25B】15ミクロンのターゲットサイズに制御された最大粒径を有する、生成物の粒径分布(図25Aで示す)の図である。
【図26】図25と同様の表である。図24に記載の、本発明の好ましい第二態様におけるエア分級機の操作について記載している。
【図26A】図24に記載の方法における、エア分級機ステージによる生成物の粒径分布カーブである。最小粒径が、5ミクロンのターゲットレベルに下げられている。
【図26B】図26Aで示される粒径分布の図である。図24に記載の、好ましい第二態様の方法による生成物が示されている。
【図27】図23−26Bで示されている方法による該新規粉末生成物の詳細について記載している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に図について説明することで、本発明のさらなる特徴が明らかとなるだろう。
【0046】
図面を参照すると(これらの図面は、単に本発明の好ましい実施態様を表しているだけであり、これらに限定されるものではない)、図1は、温室GHを表している。該温室GHは、内部に生育チャンバー1を有し、これは“温室カバーフィルム”と称される透明な構造体である。また、図1では、天蓋2が示され、これは植物PTを生育させるために、チャンバー1内に太陽光線を入れる役割を持つ。標準的な実施によれば、図2で表されるように、天蓋2は温熱フィルムTFを含有する。該フィルムは温室全体に用いられるように記載されるが、それは、種々の、よく知られた方法で用いられ得る。該温熱フィルムは、外表面O及び内表面Iを有する。可視光線Lは、温熱フィルムTFを通してチャンバー1に透過することで、植物PTの光合成を促進し、ひいてはその生育を促進する。フィルムTFの外側から内側に透過する熱エネルギー量は、その透過率に依存し、図20でより詳細に説明される。昼間は、太陽からの光線Lが、温室GHの温熱フィルムTFを通過する。夜間は、チャンバー1内の熱がフィルムTFを外方向に通過し、赤外線IRとして消失する。熱のロス量は、光線IR’として概略的に示される。チャンバー1内では、熱を維持することが必要である。ゆえに、フィルムを通過する放射による熱のロスを最小限にし、光線IR”により示されるように、チャンバー内に逆反射させることが必要不可欠である。熱性(themicity)は、7−14ミクロンの範囲の赤外光のフラクションであり、図1及び図2で示されるように、フィルムTFを通してチャンバー1より外方向に通過する。図16において、通過するフラクションはAiであり、赤外線の全量はAoである。これは、7−14ミクロンの全エリアである。温熱フィルムTFは、微細粉末の形態のフィラーFを含有し、該フィルムのコストを下げる。このフィラーはまた、該フィルムにおける光の逆通過を減らし、赤外線エネルギーの反射量を増加させ、温室GH内の熱を保つ特性を有する。本発明は、制御された最小粒径D5及びテーラーメイドされた粒径プロファイルを有する、新規超微細粉末に関する。該フィルムはとりわけ、フィラーFを用いる温熱フィルムTFとしてテーラーメイドされている。“超微細”とは、最大粒径D95が約20ミクロン未満であることを示す。霞石閃長岩粉末を用いることで、透過率が増加し、温室により多くの可視光又は日光が入り込む。入り込む光が増加すると、生育チャンバー内の光合成が促進される。本発明における超微細霞石閃長岩粉末を用いることで、可視光又は熱エネルギーが該フィルムを通過する際のロスが過度になることなく、含有量をより高める(5−25%)ことが可能となる。その結果、超微細霞石閃長岩粉末、特に本発明の該粉末を用いた温熱フィルムTFは、より安価に作られ得る。樹脂のコストは該フィラーのコストよりも高いからである。該フィラーは、“超微細”霞石閃長岩粉末の特性を有する。フィルムに多く含有されることで、熱性(themicity)が低減される。ひいては、日光がもはや温室内の熱を作り出すことができなくなったときに、熱エネルギーのロス量を減らす。本発明は、“超微細”である霞石閃長岩粉末に関するものである。フィルムは、(フィラーを)多く含有するにもかかわらず、高い透過性を有する。また、熱性(themicity)が低減される結果、温室内の熱を保つことができる。本発明は、霞石閃長岩粉末の技術、特には“超微細”霞石閃長岩粉末に関するものであり、該粉末は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95、及び4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5を有する。最小粒径を制御するというコンセプトは、霞石閃長岩粉末の技術又はテクノロジーにおいて新規である。しかし、本発明は、この新規コンセプトを凌駕するものであり、テーラーメイドされた超微細霞石閃長岩粉末の全体的な進歩を助長させるものである。該新規粉末をフィラーとして該フィルムに用いた場合、該フィルムの透過率及び透明度を増加させ、熱性(themicity)を低減させる。テーラーメイドされた粒径プロファイルを有する該超微細霞石閃長岩粉末についての記載及び定義、ならびに該新規粉末の生成方法は、図面を用いて後述しているが、これらの記載に限定されるものではない。
【0047】
本発明は、非常に狭い範囲の粒径分布を有する、新規超微細霞石閃長岩粉末を含み、温熱フィルムにおいて独特で再現性のある物理学的特性を作り出すことができる。該新規超微細霞石閃長岩粉末は、5−7ミクロンに制御された最小粒径を有する。この制御された最小粒径ゆえに、油吸収性が低下し、温熱フィルムに多く含有されることが可能となり、黄色化を低減するとともに高い透明性及び低い熱性(themicity)が実現される。実際に、4−7ミクロンの最小粒径D5、及び約15ミクロンの最大粒径D95を有する本発明の態様において、温熱フィルムのレオロジーが向上し、熱性(themicity)が低減する。
【0048】
本発明の該新規超微細霞石閃長岩粉末の態様において、生成される粉末の最小粒径D5は、約4−7ミクロンの範囲に制御されている。小さい粒径の制御により、一定の狂いが生じるため、最小粒径は、ターゲット値からわずかに変化し得るが、これらは、生成物を特定するのに用いられるターゲット値である。4−7ミクロンのレベルに最小粒径を制御するのは、独特なことである。このように粒径を制御することで、光沢度を抑え、透明性を高め、黄色化を低減することが可能となる。4−7ミクロンに制御された最小粒径を有する、該新規霞石閃長岩粉末を用いた温熱フィルムは、光沢度が低く、艶消し仕上げとなっている。霞石閃長岩粉末のモース硬度は、6.0−6.5の範囲である。フィラーとしては非常に硬いもので、コーティング剤又はフィルムに硬さを与える。霞石閃長岩粉末の特性と、霞石閃長岩粉末が実質的にシリカを含まない点が相まって、該粉末はコーティング剤及び温熱フィルムの両方に有用なものとなる。該粉末は、20−25重量%といった高い含有率で用いることができ、該フィルムの全体的なコストを抑え得る。この特性は、本発明を用いる上でのさらなる利点となる。最大粒径を制御することで、該新規霞石閃長岩粉末の摩耗の性質が抑えられる。これは、前述のように、該粉末が該フィルムの物理学的特性を向上させるのに用いられるのと同様である。広範な研究開発の結果、該新規超微細霞石閃長岩粉末は、2つの好ましいタイプの粉末生成方法により生成され得ることがわかってきた。これは、本出願の種々の図面において、より詳細に記載されているとおりである。本発明の所望の超微細霞石閃長岩粉末を得るための、第1の生成方法は、図3−11において詳細に記載される。好ましい第2の生成方法は、図21−27においてより詳細に記載される。該新規粉末の特性は、図12−20に記載される。
【0049】
新規超微細霞石閃長岩粉末
前述の通り、本発明は超微細霞石閃長岩粉末に関連するものであり、それは、図1及び図2に記載の温熱フィルムに用いるために、テーラーメイドされたものである。該新規粉末の好ましいサンプルは、図7の表に記載している。図7では、本発明によって生成されたサンプル(9)−(11)について、該粉末の粒径プロファイルを記載している。該粉末は、約20ミクロン未満の粒径D99を有する“超微細”粉末である。制御された最大粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末は、本質的に優れた透過性を示す。霞石閃長岩の光学的特性により、高い含有率が可能となる。該サンプルにおいて、制御された最小粒径D5は、4ミクロン、5ミクロン、又は6ミクロンのターゲット粒径を有する。温熱フィルムのためにテーラーメイドされた、該新規霞石閃長岩粉末の生成方法については、後述する。図7に記載の該サンプルの粒径分布カーブは、それぞれサンプル9、10及び11の“ベル”カーブとして、図8に示される。該粒径プロファイルは、7−14ミクロンで規定される赤外線スペクトルの領域に集中する。中赤外線エネルギー域は、図8で示すように、約2.5ミクロンから25ミクロンである。本発明の該新規粉末は、7−14ミクロンの非常に限定された範囲に集中する。これは、熱性(themicity)を特定する、赤外線波長(例えば、中赤外線領域の中間)に一致する範囲である。これは、本発明のさらなる特異な性質である。要約すれば、霞石閃長岩粉末のテーラーメイドされた粒径は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5を有する。最大粒径ノードは、7−14ミクロンの範囲である。サンプル(9)−(11)は、実質的に20ミクロンより大きい最大粒径D95を有するように前加工された、霞石閃長岩粉末より生成される。サンプル(9)−(11)は、図10に記載のように、最大粒径D95と最小粒径D5の両方を制御することにより生成される。もちろん、本発明の一態様によれば、該新規霞石閃長岩粉末は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95を有する霞石閃長岩粉末からスタートし、又はそれを加工することにより、生成され得る。その後、4−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有する該新規霞石閃長岩粉末を生成するプロセスにおいて、選択された最小ターゲットD5粒径未満の粒径を有する粒子が単に除かれる。この生成コンセプトは、図9の表に記載の粒径プロファイルにより示される。どちらの場合でも、所望の新規霞石閃長岩粉末は、図8及び図11で示されるPSDカーブを有する。D5粒径は、通常4−6ミクロンの範囲にあり、制御された最大粒径D95は、約15ミクロンである。図11のカーブは、図8のカーブに対応する。どちらのタイプのカーブも粒径分布カーブであるが、図8のカーブは“ベル”型であり、図11のカーブは百分率分布タイプのPSDカーブである。これら両カーブのタイプとも、図7に記載の、好ましい新規超微細霞石閃長岩粉末のサンプル(9)−(11)を表す。図1及び図2に、温熱フィルムに用いられる本発明の、テーラーメイドされた超微細霞石閃長岩粉末に関連する記載があるが、該新規粉末の開発において、見出され、開発が進められた方法及び特性の詳細については、後述する。温熱フィルムに用いるフィラーは、温熱フィルムの熱性(thermicity)及び透明性の特性を制御するが、該フィルムは、図1及び図2で示される温室を構成するために用いられる。フィルムTFは夜間、赤外線を逆反射させる一方で、可視光を通過させ熱のロスを抑える。該フィルムは、典型的にはポリエチレン又はエチレンビニルアセテート樹脂である。フィラー粉末は、温熱フィルムに用いられてきた。しかし、本発明は、実質的にシリカを含まない霞石閃長岩、特には該霞石閃長岩粉末の粒径分布又はプロファイルのテーラーメイドに関する。樹脂中の該フィラーの温熱パフォーマンスは、該フィルムの熱性(thermicity)とされる。それは、該フィルムを通過する7−14ミクロンの範囲の赤外光のフラクションであり、図16に記載される。また、特定の先行技術のフィラーであるMinbloc HC1400については、図17に記載される。本発明の基本的な特徴は、制御された最大粒径及び制御された最小粒径を有する霞石閃長岩粉末を提供することである。新規な点といえば、本発明の最大粒径は約15ミクロンであり、最小粒径は4−7ミクロンの範囲にあることである。このテーラーメイドされた粒径プロファイルにより、図20に示すような顕著な透過性が実現し、該フィルム生成中の沈殿が減り、該フィルム生成に用いる装置の摩耗が抑えられる。最小粒径D5を制御することで、粒径分布の範囲が概してわずか10−12ミクロンとなる。このため、該新規粉末は狭い粒径範囲のプロファイルを有し、温熱フィルムを生成するために樹脂を混合する際にも安定的である。粉末中の最大粒径と最小粒径の両方を制御する(実際に“超微細”である(約20ミクロン未満の最大粒径を有する))という新規コンセプトの利点は、熱性(themicity)が低減されるという付加的な特性により増強される。それは、7−14ミクロンの範囲に一致する赤外光波長に集中させるように、粒径分布をテーラーメイドすることにより実現する。このように、本発明は、テーラーメイドされた霞石閃長岩粉末のコンセプトに関するもので、それは超微細であり、制御された最大粒径を有し、制御された最小粒径を有し、及び7−14ミクロンの範囲の粒径分布を有する。該超微細霞石閃長岩粉末のテーラーメイドされた粒径はまた、約10−12ミクロンの範囲の狭い粒径分布をもたらす。
【0050】
該新規霞石閃長岩粉末は、温熱フィルムのパフォーマンスを大きく向上させる。本発明の好ましい態様は、図7のサンプル(10)で示される粉末であり、それは15ミクロンの最大粒径D95及び5ミクロンの最小粒径D5を有する。透過率又は光の流入効率を図20でグラフ化している。図20では、先行技術の粉末フィラーである、Glomax、Polestar、M4000及びMinbloc HC1400と比較している。Minbloc HC1400は、従前の霞石閃長岩粉末であり、のちに改良され、新規粉末となった。本発明の好ましい実施態様における透過率は、Minbloc HC1400と概して同等である。温熱フィルムの透過率は、この範囲の波長において、重要である。なぜならば、300nmは、太陽放射のカットオフ値だからである。そのため、約300nmの波長までの透過率は、フィルムが太陽光をどれだけ透過するかを示す。霞石閃長岩は、太陽放射の全範囲にわたって透過性を有する。その範囲には、重要なPAR範囲(光合成有効放射)が含まれ、これは農作物が光合成に必要とする放射である。この波長の範囲では、該霞石閃長岩粉末は、実質的に他の先行技術のフィラーよりも優れている。好ましい5×15粉末は、Minbloc HC1400と概して同等であり、6×17の態様は、同レベルの高い透過率を有する。5×15及び6×17の態様を含む霞石閃長岩粉末は、霞石閃長岩粉末でないフィラーに比して、実質的に多くの光エネルギーを温室内に透過させる。このように、該新規粉末の透過率は高いものである。フィルムの熱性(themicity)及び透過性は、図16及び図17に記載のように、予測及び規定される。この標準的な手順により、該新規粉末を用いた温熱フィルムは、図18及び図19で記載のように、極めて低い熱性(themicity)を有することが見出された。該パラメータは、約19%付近であり、例えば20%未満である。このように、本発明では、制御された最小粒径の利点を有し、制御された最大粒径及び制御された最小粒径の間の狭い範囲を有する。制御された粒径の範囲は、10−12ミクロンの間である。これは、温熱フィルムに用いられる、従来技術のすべてのフィラーを凌駕する利点である。
【0051】
本発明の該新規霞石閃長岩粉末を用いたフィルムは、図20で示すような高い透過性を有し、図18及び図19で示すような低い熱性(themicity)を有する。図18及び図19において測定に用いられた温熱フィルムは、100ミクロンの厚さを有するLDPE樹脂からなる。これらのフィルムは、粉末から形成されるフィラーを用いて調製されたが、該粉末は、粒径プロファイルを制御するという新規コンセプトを有するものである。含有率は、10%であった。これらのフィルムは該新規粉末を用いており、図19においてNS6.0×16.5(6×17)、NS6.0×16.5(6×17)、NS4.9×15.2(5×15)及びNS5.1×15.6(5×15)で特定される。好ましい態様である5×15、及び他方の態様6×17を用いたこれらのフィルムの熱性(themicity)は、約19%であり、例えば20%未満である。この値は、図19の表において、近似する従来のフィラーを用いたフィルムの熱性(themicity)約21%と比較されている。近似する従来技術であるMinbloc HC1400を含むフィルムと比較すると、本発明を用いたフィルムの熱性(themicity)は、実質的に低減されている。図18では、D50粒径に基づく熱性(themicity)の測定値をプロットしている。その結果、本発明を用いたフィルムの熱性(themicity)は、実質的に20%未満に抑えられている。ここでは、従来の霞石閃長岩Minbloc HC1400を用いたフィルムの熱性(themicity)と比較しており、それは実質的に21%以上の熱性(themicity)を有する。この比較については、図18及び図19に示されている。テーラーメイドされた粒径プロファイルを作り出すために、粒径分布を最適化することで、該フィルムの熱性(themicity)が改善された。
【0052】
光透過性は、光吸収及び散乱の両方の影響を受ける。これら2つの特性は、容易には区別し得ない。粒径は、散乱に大きな影響を与える。本発明によれば、粒径を調節することで、散乱及び光透過性は制御され得る。従来の霞石閃長岩粉末によっても、温熱フィルムのフィラーは生成されるが、それらは、非常に広い、大きな粒径に偏った粒径分布を有する。例えば、Minbloc HC1400は、図14及び図15に示されるように、2ミクロンのD5粒径から、15ミクロン以上のD95粒径までの、粒径範囲を有する。図14及び図15で示されるように、その最大モードは、10ミクロン以上であり、約15ミクロンである。本発明によるフィルムの熱性(themicity)は、テーラーメイドされた粒径プロファイルにより改善されており、該粒径プロファイルは、7−14ミクロンの波長に一致する粒径PSDカーブを有する。これは、中赤外線波長の中心であり、該フィルムの温熱フィラーによる、エネルギーの反射を増加させる。該粒径分布を有する霞石閃長岩のD5は5ミクロンであり、D95は約15ミクロンである。このフィルムは、現在利用可能である、他の霞石閃長岩粉末を用いたフィルムよりも、熱性(themicity)において優れる。このように、温熱フィルムのフィラーとして霞石閃長岩粉末を用いることで、高い透過性及び他の有益な特性がもたらされる。それは、(a)制御された最小粒径、及び(b)狭い粒径範囲を有するという利点と組み合わされ、該フィルムの熱性(themicity)が低減されることとなる。図14では、5×15のカーブとMinbloc HC1400のカーブとを比較しているが、従来の霞石閃長岩粉末と該新規粉末との違いは明確である。
【0053】
該フィルムの熱性(themicity)の改善は数%にすぎないが、他の工業品を用いたフィルムの熱性(themicity)と同程度、又はそれ未満の熱性(themicity)が得られる。本発明の6×17粉末において、含有率10%で試験したところ、熱性(themicity)は19%であった。Minbloc HC1400によるフィルムの熱性(themicity)は21%以上であり、クリストバライトによるフィルムの熱性(themicity)は約22%以上であった。最も近似する非閃長岩又は霞石閃長岩はPolestarであり、そのフィルムの熱性(themicity)は約19%であった。しかし、図20で示されるように、その透過性は低く、両方向からのエネルギーをブロックしてしまう。本発明によるフィルムは、光学的に優れた特性を有し(図12及び図13参照)、遷移金属含有量がより低い又は同程度である一方で、熱性(themicity)は低く、透過性は高い。本発明の好ましい態様である5×15の曇り度は、約60であり、透明度は約24−25である。本発明によるフィルムにおいては、透過性及び熱性(themicity)の特性とともに、高い透明度及び低い曇り度が得られる。そして、顕著に異なる、優れた温熱フィルムのフィラーがもたらされる。それは、霞石閃長岩粉末の特性を維持している。図19の表及び図20で示されるように、6ミクロンのD5及び17ミクロンのD95の分布を有する本発明の他方の態様においても、本発明の好ましい態様である5×15と同程度の熱性(themicity)を呈する。それゆえ、好ましいターゲットの最大粒径は“約15ミクロン”であるが、この用語は、実際には制御された最大粒径D95が意味するところにまで拡大され、約17ミクロンにまで及び得る。最小粒径6及び最大粒径17を有する本発明の態様においては、図7に示すターゲット値を用いて生成されており、“制御された”最大粒径はわずかに広がる。この6×17粉末で拡大されたターゲット粒径は、5×15粉末に比して好ましいものではない。
【0054】
要約すれば、本発明は、超微細霞石閃長岩粉末に関するもので、それは、図8に示される粒径分布を有し、図14に記載の5×15カーブを示すものである。図14の好ましい態様におけるカーブは、3種類の商業用Minbloc粉末のカーブと比較される(図15の粒径分布カーブ)。本発明との差異は、図14と図8とのカーブの違いで示され、本発明によるカーブは、図15に記載の、霞石閃長岩の粒径分布“ベル”カーブと比較される。本発明は、20ミクロン未満の最大粒径を有する、超微細霞石閃長岩粉末の利点を利用しており、それは、制御された最大粒径及び制御された最小粒径を有する。これにより、霞石閃長岩粉末が超微細となる利点が得られる一方で、一貫して狭い範囲の粒径が得られる。さらには、透過性に影響を与えることなく、熱性(themicity)が改善され得ることが見出された。それは、図8及び図14で示されるように、霞石閃長岩粉末をテーラーメイドすることによるものである。熱性(themicity)は、図16で示すような特性を有するパラメータとして知られている。図17は、これと同じ数学的関係を利用したものであり、霞石閃長岩粉末フィラーであるMinbloc HC1400に関して記載している。700−1400の間の波数における、透過率の波形カーブ部分が、霞石閃長岩粉末を用いた樹脂又はフィルムの熱性(themicity)を規定するのに用いられる。図17で使用の樹脂における含有率は、約10%である。図18及び図19では、好ましい霞石閃長岩粉末及び従来技術であるMinbloc HC1400粉末を用いて調製された、温熱フィルムの熱性(themicity)の値を示す。含有率はすべて10%である。
【0055】
該新規霞石閃長岩粉末によれば、温熱フィルムに用いられるフィラーのパフォーマンスは、粒径プロファイルに依存する。本発明の該霞石閃長岩粉末は、図3に示す分級機TC−15 NS(日清エンジニアリング)により分級された。粒径の分級はディスクの回転速度及びディスク上のエアフローを調節することで、コンピュータ制御される。特定のサイズにセットすると、3つのフラクションが得られる。第一フラクションは、セット値よりも大きく、ライン52により収集機50に導入される、分級機フラクションとして示される。第二フラクションは、セット値よりも小さく、サイクロンフラクションと称される。これは、収集機40に集められる。廃棄するフラクションは、大部分は微細な粒子が含まれるが、大きい粒子も含まれ、それは、分級機ディスクでは収集されない。このフラクションは、収集機60に廃棄される。最初に最大粒径を、次に最小粒径を規定値として制御することで、新規生成粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)が低減される。該粉末は、テーラーメイドされた粒径プロファイルを有する。その利点として、最大粒径と最小粒径の間の狭い範囲の粒径を有すること、及び散乱される赤外線の範囲と粒径が一致していることで、光散乱を改善することが挙げられる。また、本発明の該霞石閃長岩粉末の温熱パフォーマンスは、D50粒径を約8−10ミクロンにすることで、約10%改善した。
【0056】
該新規霞石閃長岩粉末をテストするために、フィルムを低密度ポリエチレン樹脂により調製した。エチレンビニルアセテート樹脂は、一般的な温熱フィルムに同様に用いられている。テストに用いる樹脂において、該新規フィラー粉末の含有率は10%であった。しかし、含有率は5−25%であってもよい。該フィルムの熱性(themicity)は、7−14ミクロンの範囲で規定された。該霞石閃長岩粉末のパフォーマンスは、PSDに依存することが見出された。粒径プロファイルは、図8で示されるように、7−14ミクロンの範囲の小さい方の粒径に偏っている。該新規霞石閃長岩粉末の鍵となる特性は、該粉末を用いた樹脂又はフィルムの熱性(themicity)である。熱性(themicity)は実際に、粒径分布プロファイルの機能であることが見出された。図18で示される熱性(themicity)は、D50の粒径を用いており、本発明及び近似する従来技術を用いたフィルムの熱性(themicity)をプロットしている。図18では、低い熱性(themicity)の値がプロットされている。この低い熱性(themicity)は、図19の表に示されるように、本発明によるD50値が約8−10ミクロンである場合に、実現することが見出された。本発明の利点を規定するために説明すると、図14及び図15で示されるプロファイルを有する、標準的な霞石閃長岩粉末Minbloc HC1400では、単にこの商業的製品から小さい方の粒径を除いて加工しているにすぎない。こうすることで、本発明のようなテーラーメイドの新規手法を採用せずとも、その生成粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)は低減される。したがって、小さい粒子を除いて、最小粒径D5を4−7ミクロンの範囲に“制御”することで、多くの場合、熱性(themicity)は低減される。本発明の全サンプルは、この基本的なコンセプトを利用してはいるが、従来、温熱フィルムのフィラーとしてテーラーメイドされた霞石閃長岩粉末を生成することはなされていなかった。
【0057】
フィルムの熱性(themicity)及び透過性の値は、霞石閃長岩粉末で形成されていない大部分のフィラーでは、大きくなる。低い透過性を有するフィルムでは、熱性(themicity)が低い(及び優れる)。日光をあまり通さない温熱フィルムは、同様に赤外光も通さない。しかし、本発明の好ましい態様5×15のフィルムでは、高い透過性及び非常に優れた熱性(themicity)が実現する。例えば、この好ましい態様のフィルムは、Polestarを用いたフィルムよりも高い透過性を有する一方で、熱性(themicity)は低い。該フィラーを含む樹脂の曇り度及び透明度は、散乱により制御される。この機能は、熱性(themicity)とは無関係である。さらに、弱くネガティブではあるが、D50の粒径と透明度の間に関連性が見出される。粒子が大きくなると、透明度は下がる。しかし、テストでは、透過性又は曇り度とD50値との関連性は見出されなかった。したがって、粒子フィラーを用いた樹脂のいくつかの特性においては、関連性がみられるが、他ではみられない。光学的な特性は、フィラーを有する該フィルムのパフォーマンスに重要である。作物生育のための最適条件においては、少なくとも日光の80%が該温熱フィルムを通過する必要がある。この理由により、用いられ得るフィラーの最大含有量が制限される。しかし、最大許容含有量を予測するのに、透過性及び含有の機能が用いられることはない。本発明に用いられる該フィラーは、霞石閃長岩粉末から形成されない大部分の他のフィラーよりも、多く含有し得ることが見出された。本発明による該粉末をテスト及び生成することで、D50値が8−10ミクロンの範囲にある霞石閃長岩粉末が有用であることが明らかとなった。また、最小粒径が約5−6ミクロンで、最大粒径が約15−17ミクロンである場合に、最適条件が得られることも見出された。ターゲットされ、又は制御された粒径におけるこのわずかな増加が、“約15ミクロン”の定義に含まれる。好ましいターゲット最大サイズにわずかにシフトしていることで、図8に示すような粒径プロファイルが維持される。図8のカーブ9、10及び11は、わずかに右に偏っているにすぎない。該粒径プロファイルはそれでもなお、7−14ミクロンの波長に集中している。
【0058】
約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5を有する該新規霞石閃長岩粉末は、図3−6に示される分級方法、又は図21−26に示されるミル及び分級方法を用いて生成される。該分級方法を用いた場合、約15ミクロンの最大粒径及び5ミクロンの最小粒径を有し、D50粒径が10ミクロンである粉末が、図3に示される多段階の分級操作により生成されることが見出された。第一段階では、分級機のセットが13ミクロンで、粗粒カットがなされる。これは、最大粒径D95をセットするものである。その後、第一運転又は分級機10の“カット”から得られる該前加工粉末は、分級機のセットを5ミクロンにして、再び分級機により加工される。このプロセスは3回繰り返され、“制御された”最小粒径D5が5.3ミクロン、最大粒径D95が15.2ミクロンとなった。D50の粒径は、9.31ミクロンであった。このプロセスは、図7に記載のサンプル(10)を生成するのに用いられた。
【0059】
該超微細粉末は、記載のとおり、霞石閃長岩といった閃長石マテリアル又は組成物を主に利用する。しかし、モース硬度が5以上の硬さを有する、自然に存在する鉱石もしくは岩石マテリアル、又は屈折率が1.4から1.6、好ましくは1.46から1.56の範囲にある、自然に存在する鉱石もしくは岩石マテリアルを用いることにより、本明細書に記載の、本発明の利点が得られることが見出された。本発明によれば、これら2タイプのマテリアルのどちらかを用い、最終的には超微細粉末が得られる。それは、規定範囲内で制御され、又は“操作”された粒径分布を有し、該超微細粉末を用いた温熱フィルムの熱性(themicity)は、約20%未満に低減される。規定された硬い鉱石又は岩石マテリアルのひとつを用いて本発明を実施すれば、生成された該粉末が規定の操作された粒径分布を有する限り、該新規粉末が生成され得る。周知のように、硬いマテリアルは、モース硬度5又はそれ以上で規定される。長石は、モース硬度約6であり、石英は、モース硬度約7である。的確に制御され、操作された粒径分布を有する、種々の自然に存在するマテリアルは、該温熱フィルムに用いられた場合、低い熱性(themicity)を作り出す。そして、他の用途に適用する場合に、前述の他の利点を有することになるだろう。
【0060】
前述に示唆したように、自然に存在するマテリアルは、本発明の該超微細粉末を生成するための原料を形成するが、それは、モース硬度又は屈折率により選択され得る。それにより、該マテリアルから作られた該粉末は、制御されたPSDを有することとなる。硬いマテリアルから得られる粉末は、温熱フィルムの他に別用途を有する。マテリアルがその屈折率により選択された場合、温熱フィルム及び透明なコーティング剤に特に有用なマテリアルとなる。特に規定されたタイプのマテリアルは、本発明のさらなる定義に含まれるが、本発明は、選択されたタイプのマテリアルに限定されない。該タイプのマテリアルは、本発明の態様に含まれることとなり、特許請求の範囲に規定され、本発明の態様及び目的に記載される。
【0061】
該原料マテリアルがモース硬度により選択される場合、該マテリアルは、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトからなる群より選択され得る。しかし、該原料マテリアルが屈折率の範囲をもとに選択される場合は、該マテリアルは、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、アルミナ水三和物、タルク、アタパルジャイト、パイロフィライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトからなる群より選択され得る。該スタート原料は、好ましくは、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択される。これらのマテリアルは、本明細書に記載のように加工される。
【0062】
さらに、制御された該粒径分布を有する粒子を生成及び完成させる研究開発により、いくつかの新規製造方法が展開された。したがって、該超微細粉末を生成する方法が、本出願の特許請求の範囲に記載されている。これらの特許請求の範囲は、本発明の一部を構成する。
【0063】
分級方法(図3−11)
本発明の狭い範囲の粒径を有する霞石閃長岩粉末を生成するために、生成方法の第一に好ましいタイプは、該霞石閃長岩粉末の最小粒径を制御するエア分級機の使用を含む。最小粒径を制御することは、霞石閃長岩産業の技術において、新しいコンセプトである。最初の研究開発プロジェクトにより、図3に示されるターボ分級機モデルTC−15−N−S(日清エンジニアリング)を用いた方法が得られた。該エア分級機は、特有の方法で作動し、これにより、本発明の態様からなる、所望の霞石閃長岩粉末が生成され得ることが見出された。分級機10は、マイクロプロセッサを備えている。マイクロプロセッサは、鉱石特有の重力、及び所望の超微細霞石閃長岩粉末の一方の末端となるカットオフポイント“x”に基づき、作動コンディションを算出する。図3に記載の方法Aは、ターボ分級機10を用いる。原料は、前加工された霞石閃長岩粉末、又は該分級機の事前運転により得られる粉末を含み、原料供給口12より導入される。好ましい態様において、前加工された霞石閃長岩粉末は、ライン14により、分級機10に導入される。実際に、ライン14を通って原料供給口12から供給される最初の原料は、霞石閃長岩又は自然に存在する他の岩石又は鉱石(著しい量のシリカを含まない)から作られる粉末である。該原料は、20ミクロン以上、好ましくは20−150ミクロンの範囲に制御された最大粒径を有する。制御された最大粒径を有する、この前加工された霞石閃長岩粉末は、分級機10に導入される。第一運転で、ターゲット最大粒径D95を有する種々の霞石閃長岩粉末を生成するためである。それに続く運転で、“x”がターゲット最小粒径D5となる。この過程で、図7の第一カラムで示されるようなサンプル(9)−(11)が生成される。本発明により生成される新規超微細霞石閃長岩粉末の各サンプルは、4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有する。最小粒径は、分級機10により制御され、収集機40から移動し、事前の運転で生成された最大粒径も同様に、収集機50から移動する。分級機10により、第一運転において生成されたこの中間物の粉末は、最小粒径(を制御する)運転に用いられる。
【0064】
分級機10を用いた方法Aは、データ入力ブロック20を含む。操作者がそれに、該霞石閃長岩粉末の特異的な重力を入力する。最大粒径D95及び最小粒径D5は、セット値“x”として選択的に入力される。ブロック20からのデータは、ライン22を通って、マイクロプロセッサステージ30に向かう。マイクロプロセッサステージ30では、該分級機のエアフロー及びローター速度をセットする。選択された情報は、ライン32を介して該分級機に供給され、分級機10が作動する。それにより、大きい粒径及び小さい粒径が制御される。第一運転で、分級機10のサイクロンセクションにより、マイクロプロセッサ30でセットされた、所望の粒径値xより大きい粒子が選別される。この中間粒子は、ライン42を通って収集機40に入れられる。制御された最大粒径を有する中間粒子は、収集機40から除かれ、原料供給口12に導入される。そうすることで、ターゲット最小粒径D5で粒径“x”がセットされ、分級機10により再処理される。この手順により、最終の新規超微細霞石閃長岩粉末が、ライン52を介して、収集機50に入れられる。この第二操作では、分級機を1回以上通過してもよく、粒径値“x”は徐々に小さくなってもよい。小さい粒子は、分級機10からライン62を介して、ブロック60に排出される。
【0065】
分級機10では、標準的技術による分級ディスク及びサイクロンが用いられる。該サイクロンは、ライン14を介して分級機に入る該原料を加工するために用いられる。この公知技術については、米国特許4,885,832を参照にしてもよい。マイクロプロセッサ30は、ブロック70から該分級機へのエアの分散をコントロールする。このようにして、マイクロプロセッサ30は規定の粒径“x”にセットされ、サイズは、該分級機の回転ローターディスク及びサイクロンにより制御される。その結果、実際には、霞石閃長岩原料は、分級ディスク及びサイクロンの組み合わせを用いたターボ分級機10により、分級される。粒径D95又はD5は、ディスクの回転速度及びディスクのエアフローを調節することにより、コンピュータ制御される。特定のサイズD99又はD5をセットした場合、3フラクションが収集される。セット値“x”よりも小さい径のフラクションは、収集機40に集められる。セット値よりも大きい径のフラクションは、ターボ分級機10のディスクにより選別され、収集機50に集められる。廃棄フラクションはブロック60に集められる。それは、ほとんどが非常に小さい粒子であるが、分級機ディスクで集められなかった大きい粒子も含まれる。
【0066】
操作者がブロック20にデータ入力することで、分級機10の分級機ディスク及びサイクロンエアーが制御される。そうして、セットされた粒径“x”は、ブロック40又はブロック50のいずれかに選別される。該分級機が所望のターゲット最小粒径D5にセットされた場合は、該粉末はブロック50に集められる。集められた粉末が最大粒径を有するようにするためには、事前に又はそれに続いて該分級機を通され、ブロック20において最大粒径のデータが入力される。該粉末は、ブロック40に集められる。このように、分級機10により小さい方の末端粒径及び大きい方の末端粒径がカットされることで、該新規超微細霞石閃長岩粉末が生成される。該新規粉末のサンプルの粒径は図7で、PSDカーブは図8で示される。温熱フィルムのための該新規粉末は、“超微細”霞石閃長岩粉末であり、約20ミクロン未満の最大粒径を有する粉末と規定される。“超微細”霞石閃長岩粉末の実質的な利点は、近年見出され、本技術分野において知られているものである。該超微細霞石閃長岩粉末がコーティング剤、特には温熱フィルムのフィラーとして用いられる場合に利点を有する。
【0067】
本明細書に記載の方法Aによる操作は、図7及び図8のサンプル(9)−(11)で示される、種々のターゲット粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末を生成するために用いられる。ターゲット粒径は、実際には図7で示される粒径分布をもたらす。方法Aは、好ましい第一態様であり、本発明を実施するのに有用であると見出されたプロセスのタイプである。本発明は、温熱フィルムのための超微細霞石閃長岩粉末に関するものであり、該粉末は5−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有する。該新規粉末は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95を有する。図7に記載のターゲットサンプル(9)−(11)の実際の粒径分布は、図8及び図11の粒径カーブで示される。該粉末は、図9で示されるように、約15ミクロンのD95粒径を有する原料を用いて、小さい方の末端粒子を除くこと、又は図10で示されるように、D95及びD5の両方の粒径を“制御”することで生成され得る。
【0068】
本発明の好ましい実施態様であるサンプル(9)−(11)は、15ミクロンに制御された最大粒径を有し、実際に図7の表ならびに図8及び図11のカーブで示されるような粒径分布を有する。粒径の範囲は、図9及び図10で示され、最小粒径はD5であり、最大粒径はD95である。図9の粉末においては、該原料又は中間粉末は、D95粒径を有する。サンプル(9)−(11)で示されるように、該霞石閃長岩粉末の最大粒径を約15ミクロンのサイズD95に制御することともに、該霞石閃長岩粉末の最小粒径を4−7ミクロンの小さいサイズに制御することは、新たなコンセプトである。これらのサンプルは、図7に記載のターゲット粒径及び実際の粒径分布、ならびに図8及び図11に記載の粒径分布カーブを有する。同様の粒径は、図9及び図10において粉末サイズとして示される。
【0069】
要約すれば、図3に示される方法Aは、本発明の該新規超微細霞石閃長岩粉末を生成するために開発された。最小粒径は、超微細霞石閃長岩粉末を生成するために制御されており、該粉末は、約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び4−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有する。
【0070】
方法Aは、図4及び図5に記載のステップを実施することで、該新規超微細霞石閃長岩粉末を生成するために操作され得る。図3に示されるように、方法Aは、図8及び図11に記載のサンプル(9)−(11)を生成するために用いられる。この方法により、図10で記載の該粉末を生成し得る。図4で示されるように、約30ミクロン又は40ミクロンより大きい最大粒径を有する霞石閃長岩は、ブロック100で示される原料供給口(ホッパ)12に原料として導入される。このマテリアルは、比較的大きな、制御された最大粒径を有することから、分級機10を通過し、最初にブロック102で示されるように、xで表される(例えば4−7ミクロン)最小粒径が制御される。その後、分級機10を通過し、ブロック104で示されるように、最大粒径yが制御される。この過程で、ブロック110で示される粉末が生成される。この2つの分級ステージは、通常は逆にされる。該生成物は、4−7ミクロンの最小粒径x及び約15ミクロンの最大粒径yを有する。約15ミクロンの最大粒径D95を有する原料は、図5のブロック112で示されるスターティングマテリアルとなり得る。該原料は、所望の最大粒径D95を有し、小さい粒子を除くために、単に分級機を通過する。最小粒径D5であるxは、図5のブロック114で示すように、規定されている。この手順では、収集機120において、図9に記載されるサンプルが生成される。最大粒径D95は、導入される原料の固有の最大粒径D95により制御される。原料自体が、約15ミクロンに制御された所望の最大粒径を有する。他の方法である、図6の方法では、分級機10が超微細霞石閃長岩粉末を生成するのに用いられるが、これはブロック124で示されるように、単に原料122からy値以上の粒径を除くためである。このような操作により、収集機130では、制御された最小粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末が得られる。この方法では、すでに4−7ミクロンの最小粒径に加工された原料を用いることが必要とされる。該新規超微細霞石閃長岩粉末を生成する、図3に示されるシステムによる方法Aの種々の操作を表すために、図4−6を記載する。
【0071】
本発明の特性を証明するために、図7及び図10に記載の該霞石閃長岩粉末を用いて、透明なアクリル粉末コーティング剤を調製した。これにより、本発明の粉末の粒径による光沢又は透明度への影響を測定した。光沢低減及び透明度の観点からは、最小粒径が4ミクロン及び最大粒径が15ミクロン(4×15)、又は最小粒径D5が6ミクロン及び最大粒径D95が15ミクロン(6×15)のサンプルが最も良好で、良好な透明度を維持する一方で光沢が抑えられた。本発明の新規特徴を有する2種の粉末について、テストした。これら2サンプルは、4×15粉末及び6×15粉末であった。テストでは、種々のフィラーのコーティング剤を冷延鋼板に噴射した。最終的に、1.5−2.0milsの厚さを有する、コーティング剤を用いたスチールパネルを作成した。コーティング剤を有するパネルを10分間、204℃で焼いた。コントラスト比は、コーティングされた黒色及び白色パネルを用いて決定し、Macbth Coloreye 3000を用いて測定した。コントラスト比は、黒色と白色の各々の測定における差異で表される。この測定は、曇り度を示すものとして用いられた。これら2つの新規霞石閃長岩粉末について、透明な粉末コーティング剤でテストした。該粉末は、透明度及び光沢において優れていた。光沢が抑えられることは、利点である。通常、光沢を抑えるために、ワックスといった添加物を使用する必要があるからである。光沢を抑える一方で、透明度を維持することは、重要な目的であるため、これは著しい進歩である。これらのテストの結果は、図12及び図13に示される。要約すれば、該新規霞石閃長岩粉末は、フィラー無しのシステムよりも50%も光沢を抑えている一方で、高い透明度を維持している。このように、4−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有する超微細霞石閃長岩粉末は、光沢が抑えられている一方で、透明度を維持している。これらのテストは、温熱フィルムへの適用のために発明された該粉末の、付加的な特性を表しているにすぎない。
【0072】
ミル及び分級方法(図21−図27)
前述のとおり、該新規粉末の好ましい生成方法は、対向式エアジェットミルの使用を含む。それに続いて、分級機又はアトリッションミルがある。それは、乾燥モードで操作され、それに続いてエア分級機がある。該ドライミルは、導入される霞石閃長岩粉末原料を挽砕し、最大粒径が小さくされた粉末にする。これは、ミルの通常操作である。しかし、本発明によれば、最大粒径を小さくするミルは、最大粒径D95が約15ミクロンである粉末を生成するために用いられる。したがって、この二重の加工により、霞石閃長岩粉末は“超微細”となる。該ミルにより前加工された粉末原料は、制御された最大粒径を有する中間粉末に変えられる。次に、該中間粉末は、エア分級機を通り、4−7ミクロンの範囲に制御されたターゲット最小粒径D5が得られる。生成された粉末は、新規もので、約15ミクロンに制御された最大粒径D95、及び4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5を有する超微細霞石閃長岩粉末である。この二重の加工により粉末が得られ、それは該新規粉末の有利な、改善された特性を有する。特に、該超微細霞石閃長岩粉末を用いた場合、フィルムの熱性(themicity)が低減及び制御される。該新規霞石閃長岩粉末を生成するために研究された多くの技術のうち、第一に好ましい実施態様は、図3に記載の分級方法であった。本発明の商業上好ましい態様は、実質的に20ミクロン以上約150ミクロン未満に制御された粒径を有する霞石閃長岩粉末原料を、乾式挽砕するためのミルの使用を含む。実際に、前加工された粉末は、約100ミクロンのD99粒径及び約15ミクロンのD50粒径を有する。
【0073】
本発明の好ましい第二態様は、図21に記載の方法Bである。方法Bは、図24Aのグラフ及び図24Bの表に記載のとおり、約60ミクロンに制御された最大粒径を有する、前加工された霞石閃長岩原料の使用を含む。この原料の最大粒径D99は、約60ミクロンであり、該霞石閃長岩粉末の制御された粒径が作られる。方法Bの実施態様では、該原料は単に、約20−150ミクロン以上の粒径D95又はD99を有する、加工された霞石閃長岩である。
【0074】
方法Bは、対向式エアジェットミル(AFGモデル400、ホソカワアルピネ社製)の使用を含む。この対向式エアジェットミル202は、本発明の実施に用いられる第二に好ましいミルであり、図21の方法Bに記載されるミルである。このようなミルは、米国特許5,423,490(Zampini)及び米国特許6,543,710(Konetzka)に概略的に示され、本明細書に参照として組み込まれる。この流動床対向式ジェットミルにおいては、該原料を挽砕するのにエアジェットミルを用いる。圧縮エアが内部ノズルを出る時に、大きく加速される。拡張する際に、圧縮ガスに含まれるエネルギーが、運動エネルギーに変換される。ラバールノズルに存在するエアの速度は、音速を超える。該エアは、挽砕ガスである。流動床からのガス及び粉末は、特に対向ジェットが交差する領域において、エアジェットの粒子間衝突により粉砕される。流動床対向式ジェットミルは、ダイナミック偏向ホイール分級機を有し、粒子を細かくするのに、ホイール速度の機能が用いられる。ジェットノズルデザインについては、米国特許5,423,490(Zampini)を参照にしてもよい。原料供給口200から導入された該原料は、ミル202により研削される。ここでは、ターゲット最大粒径がセットされ、それは、図の態様では約15ミクロンである。この対向式ジェットミルは、図22に記載される。研削された霞石閃長岩粉末は、ライン202aを通って、エア分級機204に入る。好ましい態様における分級機は、モデル200ATP(アルピネ社製)である。原料は、回転分級ホイールを通じて、分級機のエアフローとして、該分級機に入る。このホイールは、微粒子を抽出し、該分級機からエアにより微粒子を運ぶ。粗いマテリアルは、分級ホイールにより排斥され、微細な粉末は排出バルブに進み、制御された最小粒径が得られる。このエア分級機は、4−7ミクロンの範囲にターゲットされた最小粒径D5未満のサイズを有する粒子を除去するよう、セットされる。ライン204aを通過した生成物は、収集機210に集められる。方法Bは、図7のサンプル(9)−(11)、及び図10のサンプル(12)−(13)で特定される該新規超微細霞石閃長岩粉末の生成のために、開発された。図21で記載の方法Bにおいては、典型的には5×15サンプル(10)が生成される。しかし、方法Bはまた、他のサンプルにも適用でき、実際、図7及び図10に記載の本発明の他のサンプルが生成され得る。
【0075】
図21の対向式エアジェットミル202により、乾式挽砕が可能である。このデバイスは、図22の対向式エアジェットミル220として概略的に示される。前加工された霞石閃長岩原料は、原料供給口200からホッパ222に投入され、ミル220に運ばれる。該原料は、前加工されており、最大粒径を有する。この最大粒径は、20−150ミクロンの範囲にある。加工された原料は、ホッパ222のじょうごを通じて、ミル220に導入される。そして、圧縮エア又はガス注入口224より、圧縮エア又はガス226が供給されることにより、該ミルに運ばれる。導入される原料を挽砕するために、圧縮挽砕エアを、圧縮挽砕エア供給源232に接続された注入口230を通して、該ミルに入れる。商業的に有用なこのタイプの挽砕ミルにおいては、前述のとおり、挽砕チャンバー240において、該原料が高速エアジェットにさらされている。該チャンバーは、交換可能なライナー242及び挽砕エアマニホールド又は循環エアチャンバー244を有する。該原料より粒径が小さくされた研削粒子は、ボルテックスファインダー262で取り囲まれている出口260に向かう。該研削粒子Pは、導入された原料FSからみると、大幅に粒径が小さくなっている。挽砕の流れは、チャンバー240における対向式エアジェットにより作られる。ミル220の一態様において、出口260から流出する該粒子は、所望の最大粒径(例えば、ターゲットD95サイズ)を有する。ミル220の他の態様において、分級機で最大粒径をセットする場合がある。その場合、出口260からの流出する研削粉末は、大きいが、続いて所望の最大粒径に分級される。それにより得られる粉末は、D95が約15ミクロンであり、実際15ミクロンにターゲットされる。方法Bで用いられる装置において、ミル220は、分級機内部変速ホイールを有し、それは、所望のターゲットサイズ未満の粒径を選別するために調整される。選別された粒子は、重力に従って流出し、ライン202aを通って収集機202bに入る。本発明の態様に示されるライン202aにおける粒子は、15ミクロンの最大粒径を有する。大きい粒径を有するが出口260から分級機270に入ってきた粒子は、ライン272を通って、挽砕チャンバーに戻って行く(ホッパ222のじょうごから導入される原料FSと一緒になる)。分級機ホイールから出た粉末は、ライン202aに入り、収集機202bに集められる。該粉末は、制御された最大粒径を有する。その後、該粉末はまとめられ、ライン202cによりエア分級機204に導入される。該対向式エアジェットミルは好ましくは、図21で示される方法Bの実施において用いられる乾式ミルである。方法Bを用いた運転例の詳細については、図24−図27に示される。
【0076】
図21で示される方法Bの実施態様を記載する前に、この方法の一般的な態様について説明する。加工された原料(大きい最大粒径を有する)を、“乾式”ミルに投入する。このミルは、閉回路におけるアトリッション縦型撹拌乾式ミルでもよいが、好ましくは、図22に示される、本発明の好ましい第二態様で用いられる対向式エアジェットミルである。このように、方法Bの一般的な態様においては、乾式ミルが用いられ、それは、選択された15ミクロンのターゲット最大粒径に一致する、最大粒径D95を有する粉末を生成する。該乾式ミルは、通常はエア分級機と併用され、粉末がターゲット最大粒子に研砕されるよう、粗い粉末を再循環させる。乾式ミル及び/又はエア分級機の出口からは、中間粉末が流出する。この中間粉末は、外部のエア分級機に入り、ターゲット最小粒径D5(4−7ミクロンの範囲)未満の粒子が除去される。好ましいターゲットサイズD5は、5ミクロンである。外部の第二段階のエア分級機より、所望の超微細霞石閃長岩粉末が収集機に入る。好ましい態様における生成物は、5×15粉末として特定され、15ミクロンのターゲット最大粒径D95及び5ミクロンのターゲット最小粒径D5を有する。好ましい第一方法及び第二方法は、この新規超微細霞石閃長岩粉末を生成するために開発され、方法A及び方法Bとして示されるプロセスである。方法Bは、該新規霞石閃長岩粉末を生成するために用いられる方法として、本明細書においては幅をもった記載となっている。両方法は、該新規超微細霞石閃長岩粉末の好ましいサンプル(4×15、5×15、及び6×15)を生成するために用いられる。該粉末は、図8及び図11のカーブとして表され、図7で示されるサンプル(9)−(11)からなり、6×17バージョンについては図20に示される。
【0077】
代表的な運転(図23−図27)
超微細霞石閃長岩粉末を、4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5及び約15ミクロンの最大粒径D95に制御する新規コンセプトの開発中、いくつかの新規方法が開発された。本発明の商業的に好ましい態様は、図21に示される方法Bであることがわかってきた。この方法の代表的なテスト運転は、15ミクロンのターゲット最大粒径D95及び5ミクロンのターゲット最小粒径D5を有する霞石閃長岩粉末を生成するために用いられた。生成粉末の所望の粒径分布プロファイルは、図23の表に示される。図24に記載の方法Pは、5ミクロンに制御された最小粒径及び15ミクロンに制御された最大粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末を生成するための代表的な運転において用いられた。該原料は、前加工された霞石閃長岩粉末であり、それは、図24A及び図24Bに示されるように、60−100ミクロンに制御された最大粒径を有する。しかし、それは他の前加工された霞石閃長岩粉末であってもよい。この原料は、制御された最小粒径は有しない。方法Pで供給口400から導入される該原料の粒径分布は、図24Aのグラフ及び図24Bの表で表される。この前加工された原料は、ライン402を通って、内部に分級機を有する流動床対向式ジェットミルAFGモデル400に入る(ブロック410で示される)。粉末は、該ジェットミルからライン412を通って、Turboplex ATPモデル200(アルピネ社製)のエア分級機420に入る。所望の生成物が、該エア分級機からライン422を通って、収集機430に集められる。図24に記載の装置を用いた方法Pの代表的運転において、ターゲット最小粒径D5はxミクロンであった(エア分級機420で設定される)。制御された最大粒径D95は、yミクロンであり、方法Pのジェットミル410により達成される。該運転において、xは5ミクロンであり、yは15ミクロンであった。ジェットミルAFGモデル400(アルピネ社製)は、内部に分級機を有しており、15ミクロン未満の粒径を有する霞石閃長岩粉末を生成した。続いて、エア分級機420であるTurboplexにより、5ミクロン未満の粒子が除かれる。該原料は、手動で容積式スクリューフィーダー(K−トロン社製)に投入され、ダブルフラットバルブを通って、図22に示される挽砕チャンバーに運ばれる。挽砕は、該挽砕チャンバーの側面に位置する3つの対向式ジェットノズルにより行われた。3つの対向式ジェットノズルは、圧縮エア(圧力が変化する)を用いて、粒子を中心点まで加速しながら運ぶ。流れの中にある研削粒子は、エアの垂直流により、図22に示される変速内部分級機まで輸送された。粗い又は研削されていない粒子は該分級機ホイールで除かれ、流動床に戻り、継続して研削される。該分級機に受け入れられるだけ十分に小さい粒子は、図22で示す収集機202bにエアで運ばれる。これらの粒子は、ダブルフラットバルブにより粉末収集機から排出される。該テスト運転の粒径及び生成量は、図25に記載のパラメータのとおり、挽砕エア圧、流動床の高さ、及び分級機の速度を変化させることにより制御した。ライン412における中間粉末は、K−トロンのホッパにマテリアルを手動で投入することで、該エア分級機420に導入される。フィーダーはこの中間粉末を、ロータリーエアロックを介して直接、原料注入口エアフローラインに運ぶ。該エアフローラインより、モデル400AFGジェットミルによる該中間粉末が、分級機420の分級チャンバーに運ばれる。該中間マテリアル又は粉末が該分級機に到達したとき、第二のエアフローが分級機の効果を高めるべく、マテリアルを分散させる。小さい微粒子は、該分級機ホイールの上部を浮遊する。粗いマテリアル又は粉末は、収集機430の収集ドラムに集められる。変速分級ホイールを通るのに十分小さい粒子は、廃棄される。該粒径分布(PSD)は、レーザー回折(LS230、ベックマン−コールター社製)により、イソプロピルアルコールを用いて測定される。代表的なテスト運転により、前加工された霞石閃長岩粉末原料は、15ミクロンより小さい中間マテリアル又は粉末となり、続いてエア分級機420によるエア分級がなされる。該テスト運転の分級機ステージのパラメータ及び結果は、図25−図27に記載されている。
【0078】
代表的なテスト運転における、400AFGモデルのジェットミル410(供給率が約240lbs/時間である)のパラメータは、図25の表410aで示される(粒径分布も記載される)。この操作により、ライン412で中間霞石閃長岩粉末が提供され、それは、図25Aのグラフ及び図25Bの表で示す粒径又は粒径分布を有する。この中間マテリアルは、図25の表410aに示されるパラメータで、該ミル及び内部の分級機により加工され、該エア分級機に導入された。該エア分級機では、図26の表に示されるパラメータをセットした。これらのパラメータで、200ATPエア分級機420を操作することにより、図26の表420aで示される該粉末が生成された。それは、図26Aのカーブ及び図26Bの表で示される粒径分布を有する。代表的なテスト運転で得られた最終生成物は、14.15ミクロンに制御された最大粒径D99を有し、15ミクロン未満の粒径を有する粒子は、98.7%であった。本発明は、最小粒径の制御をも含む。D4が5.78ミクロンであり、5ミクロン未満の粒径を有する粒子は、約0.5%であった。この代表的なテスト運転により、新規超微細霞石閃長岩粉末が生成された。それは、約5ミクロンに制御された最小粒径及び約15ミクロンに制御された最大粒径を有し、図27で特定される。
【0079】
本出願において記載される代表的なテスト運転は、方法Pの使用に関する。しかし、本研究開発は、200ATPモデル(アルピネ社製)シリーズのエア分級機を用いて実施されている。それらにより、該超微細霞石閃長岩粉末の最小粒径の制御に成功したことを証明できた。このように、最小粒径を制御することは、該霞石閃長岩粉末の技術分野では類を見ないものである。該新規粉末は新しいものである一方で、図21及び図24の方法の開発及び使用において、実体的な技術の進歩がみられる。該方法自体が発明である。霞石閃長岩粉末の技術分野において知られていない態様で、霞石閃長岩粉末の最小粒径に加えて最大粒径を制御するために、これらの方法を組み合わせたり、用いたりする。
【0080】
5×15粉末を生成するための他のデバイス
約15ミクロンのD95サイズ及び5ミクロンのD5サイズを有する粉末生成の初期段階において、種々の実施可能な、5×15粉末の生成方法が見出された。この結果を導くために、前加工された霞石閃長岩のバルクサンプルを、3つの異なるタイプの商業用超微細挽砕ミルで試験した。これらのミル及び製造元を下記に示す。
1.VibroKineticボールミル(マイクログラインディングシステム社、アンカーソー州リトルロック)
2.流動床対向式フロージェットミル(ホソカワアルピネ ミクロンパウダーシステム社、ニュージャージー州サミット)(米国特許6,543,710(Konetzka)、本明細書に参照として組み込まれる。)
3.縦型撹拌ボールミル(VSB−M)a.k.a.アトリッションミル(ユニオンプロセスアトリーター社、オハイオ州アクロン)(米国特許4,979,686(Szeavari)、本明細書に参照として組み込まれる。)
【0081】
各ミルは、約8ミクロンの平均粒径を有する、5×15ミクロンの生成物を生成するのに用いられた。テスト手順の違い及び問題点については、後述する。
【0082】
テスト生成物の粒径については、粒径アナライザーLS 13 320(ベックマン−コールター社製)を用いてレーザー回折解析した。“霞石閃長岩”光学的モデルを、“フラウンホーファー”光学的モデルの代わりに用いた。加えて、各生成物について、BET表面積測定及びTAPPI輝度測定を行った。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた生成物の撮像も行われた。
【0083】
VibroKineticボールミルは、エア分級機とともに、閉回路で操作した。
【0084】
流動床対向式フロージェットミル(ホソカワアルピネ社)のミルは、ジェットミルにおいて15ミクロン以下に挽砕し、及びエア分級により、この生成物から5ミクロン以下のマテリアルを除去することで、5×15粉末を生成した。
【0085】
VSBミル(a.k.a.アトリッションミル)は、15ミクロン以下の生成物を生成するために用いられた。このユニオンプロセスアトリーター社製のミルでは、5×15ミクロンの生成物を得るために、15ミクロン以下の生成物から5ミクロン以下のマテリアルを分級することはできなかった。これは、外部の分級機により実現した。
【0086】
得られた生成物の粒径分布を表4に示す。サンプル5及び6は、他のサンプルと比較して、極めて“タイトな”又は狭い分布を示した。TAPPI輝度、色の値L、a、b、及びBET表面積は、表5に示される。
【0087】
【表4】

【0088】
【表5】

【0089】
前述の研究開発により、生成技術を適切に選択することにより、該新規霞石閃長岩粉末が得られるという、新しいノウハウが確立された。報告された初期の研究開発により、図3で示される他に類をみないプロセス、及び図23−27で示される好ましいプロセスが見出された。霞石閃長岩の技術分野の開発において重要なことは、好ましい方法を選択することであり、それにより最終的には、経済的に新規霞石閃長岩粉末を生成することができる。それは、約15ミクロンに制御された最大粒径D95及び4−7ミクロンに制御された最小粒径D5を有し、極めて狭い粒径分布を呈する。
【0090】
粉末フィラーサンプルは、図3の方法を用いて生成された。TC−15−NSターボクラシファイア(日清エンジニアリング社)が用いられたが、これには、2−20ミクロンの範囲の細かい分級ローターが備えられている。図3に示すように、該分級機はマイクロプロセッサも有しており、操作コンディションの自動計算が可能である。操作者は、タッチスクリーンパネルにより、分級される鉱石の所望のカットサイズ(ミクロン)及び密度(g/cm)を入力する。その後、該マイクロプロセッサが、分級機ローター速度(rpm)及び分級機エア(m/分)を計算する。5ミクロンカットで、2.7g/cmの霞石閃長岩の場合、ローター速度は8,479rpmでエアフロー速度は1.2m/分となる。分級プロセスの概略図は、図3に示す。
【0091】
TC−15−NS分級機による生成物の粒径分布(PSD)を表6に示す。
【0092】
【表6】

【0093】
該エア分級機により、合理的に所望のカットが得られた。スタートのマテリアルが大きな影響を与えることが、重要な知見として見出された。
【0094】
図3のTC−15−NS(日清エンジニアリング社)は、優れた機器であり、小規模の試験的な分級機である。それは、正確、精密であり、比較的操作しやすい。しかし、図21に記載の方法が、生成方法として適することが見出された。
【0095】
以下に本発明とその好ましい態様をまとめて説明する。
1.20ミクロンより大きい最大粒径D99を有する、前加工された霞石閃長岩粉末からなる原料より生成された超微細霞石閃長岩粉末であって、
水分含有量は、1.0重量%未満であり、4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、約15ミクロンに制御された最大粒径D95、及び約8−10ミクロンの範囲の平均粒径D50を有し、
PSDカーブの最大ノードは、7−14ミクロンである、ことを特徴とする超微細霞石閃長岩粉末。
2.前記D5粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
3.D5とD95の間の粒径の範囲が約10−12ミクロンである、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
4.原料が約100−150ミクロン未満のD99粒径を有する、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
5.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記4に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
6.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記2に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
7.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
8.乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記4に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
9.乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記2に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
10.乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【0096】
11.D99粒径が約15−17ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記2に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
12.D99粒径が約15−17ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
13.実質的にシリカを含まず、自然に存在する採鉱された物質から形成された超微細粉末であって、
約15ミクロンに制御された最大粒径D95、約4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、及び約8−10ミクロンの範囲のD50粒径を有し、
水分含有量は1.0重量%未満であり、PSDカーブの最大ノードは7−14ミクロンである、ことを特徴とする超微細粉末。
14.前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
15.前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
16.前記水分含有量が約0.4重量%未満である、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
17.前記最小粒径を制御するために、前記D5粒径未満の粒子を除去することにより生成される、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
18.前記最小粒径を制御するために、前記D5粒径未満の粒子を除去することにより生成される、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
19.前記D5粒径未満の粒子を除去し、及び前記D95粒径より大きい粒子を除去することで前記最大粒径を制御することにより生成される、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
20.前記D5粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
【0097】
21.前記D5粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
22.D5とD95の間の粒径の範囲が、約10−12ミクロンである、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
23.D5とD95の間の粒径の範囲が、約10−12ミクロンである、ことを特徴とする上記13に記載の超微細粉末。
24.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
25.乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記15に記載の超微細粉末。
26.上記20に記載の前記超微細粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
27.上記21に記載の前記超微細粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
28.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記27に記載の温熱フィルム。
29.上記15に記載の前記超微細粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
30.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記29に記載の温熱フィルム。
【0098】
31.上記13に記載の前記超微細粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
32.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記31に記載の温熱フィルム。
33.上記4に記載の前記超微細霞石閃長岩粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
34.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記33に記載の温熱フィルム。
35.上記2に記載の前記超微細霞石閃長岩粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
36.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記35に記載の温熱フィルム。
37.上記1に記載の前記超微細霞石閃長岩粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
38.前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする上記37に記載の温熱フィルム。
39.4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径、及び約15ミクロンに制御された最大粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末。
40.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより、霞石閃長岩粉末原料より生成される、上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【0099】
41.約7−14ミクロンのスペクトルの赤外線波長と概して一致する粒径分布を有する、ことを特徴とする上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
42.上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末を生成する方法。
43.上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末をフィラーとして用いるフィルム。
44.前記フィルムにおける前記粉末の含有量が約5重量%より多い、ことを特徴とする上記43に記載のフィルム。
45.前記含有量が5−20重量%の範囲である、ことを特徴とする上記44に記載のフィルム。
46.前記最大粒径がD95粒径である、ことを特徴とする上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
47.前記最大粒径がD99粒径である、ことを特徴とする上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
48.前記最小粒径がD5粒径である、ことを特徴とする上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
49.前記最小粒径がD1粒径である、ことを特徴とする上記39に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
50.実質的にシリカを含まず、自然に存在する採鉱された物質から形成された超微細粉末であって、
約15ミクロンに制御された最大粒径D95、約4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、及び約8−10ミクロンの範囲のD50粒径を有し、
水分含有量は1.0重量%未満であり、PSDカーブの最大ノードは7−14ミクロンであり、及び前記粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)は20%未満である、ことを特徴とする超微細粉末。
【0100】
51.前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする上記50に記載の超微細粉末。
52.前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする上記50に記載の超微細粉末。
53.前記最小粒径を制御するために、霞石閃長岩粉末から前記D5粒径未満の粒子を除去することにより生成される、ことを特徴とする上記50に記載の超微細粉末。
54.約15ミクロンのD50粒径及び約100ミクロンのD99粒径を有する霞石閃長岩原料から生成される、ことを特徴とする上記52に記載の超微細粉末。
55.連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記54に記載の超微細粉末。
56.乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする上記54に記載の超微細粉末。
57.約100ミクロン未満の最大粒径D99を有する商業的霞石閃長岩原料から生成される、ことを特徴とする上記52に記載の超微細粉末。
58.温熱フィルムのための粉末フィラーであって、
実質的にシリカを含まず、粒径が制御された自然に存在する採鉱された物質から形成され、
超微細であり、約12ミクロン未満のD5とD95の間の粒径の範囲を有する、ことを特徴とする粉末フィラー。
59.D95粒径が約15ミクロンである、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
60.D5粒径が4−7ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
【0101】
61.D5とD99の間の粒径の幅が約12ミクロン未満である、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
62.D1とD99の間の粒径の幅が約12ミクロン未満である、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
63.前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
64.前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする上記58に記載の粉末フィラー。
65.少なくとも5のモース硬度を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された超微細粉末であって、
14−17ミクロンの範囲の最大粒径及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有するよう制御され又は“操作”された粒径分布を有する、超微細粉末。
66.前記最大粒径がD95サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
67.前記最大粒径がD99サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
68.前記マテリアルが、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト、及びトリジマイトからなる群より選択される、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
69.最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記68に記載の超微細粉末。
70.最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
【0102】
71.前記マテリアルが閃長岩である、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
72.前記マテリアルが霞石閃長岩である、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
73.D50粒径が約8−10ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記72に記載の超微細粉末。
74.D50粒径が約8−10ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記70に記載の超微細粉末。
75.D50粒径が約8−10ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
76.水分含有量が約0.20重量%未満である、ことを特徴とする上記75に記載の超微細粉末。
77.水分含有量が約0.10重量%未満である、ことを特徴とする上記75に記載の超微細粉末。
78.水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする上記75に記載の超微細粉末。
79.水分含有量が約1.0重量%未満である、ことを特徴とする上記78に記載の超微細粉末。
80.水分含有量が0.20重量%未満である、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
【0103】
81.水分含有量が約0.10重量%未満である、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
82.水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする上記65に記載の超微細粉末。
83.上記65に記載の超微細粉末を用いたフィルム又はコーティング剤。
84.上記66に記載の超微細粉末を用いたフィルム又はコーティング剤。
85.上記67に記載の超微細粉末を用いたフィルム又はコーティング剤。
86.約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された超微細粉末であって、
14−17ミクロンの範囲の最大粒径及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有するよう制御され又は“操作”された粒径分布を有する、超微細粉末。
87.前記最大粒径がD95サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする上記86に記載の超微細粉末。
88.前記最大粒径がD99サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする上記86に記載の超微細粉末。
89.前記屈折率が1.46−1.57の範囲にある、ことを特徴とする上記86に記載の超微細粉末。
90.前記マテリアルが、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、アルミナ水三和物、タルク、アタパルジャイト、パイロフィライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトからなる群より選択される、ことを特徴とする上記89に記載の超微細粉末。
【0104】
91.最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記90に記載の超微細粉末。
92.最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする上記86に記載の超微細粉末。
93.水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする上記90に記載の超微細粉末。
94.水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする上記86に記載の超微細粉末。
95.上記90に記載の超微細粉末をフィラーとして用いた温熱フィルム。
96.上記86に記載の超微細粉末をフィラーとして用いた温熱フィルム。
97.超微細粉末を生成する方法であって、
(a)約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された研削原料を供給し、
(b)対向式ジェットミルにおいて前記原料を挽砕し、
(c)前記ミルから中間粉末を通過させるために、分級機付きの前記ミルにおいて前記原料を挽砕したものを分級し(前記中間粉末は約14−17ミクロンの最大粒径を有する)、
(d)約4−7ミクロン未満の粒径を有する粒子を除去するために、エア分級機により前記中間粉末を分級する、
ことを含む方法。
98.前記マテリアルが、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする上記97に記載の方法。
99.超微細粉末を生成する方法であって、
(a)少なくとも5のモース硬度を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された研削原料を供給し、
(b)対向式ジェットミルにおいて前記原料を挽砕し、
(c)前記ミルから中間粉末を通過させるために、分級機付きの前記ミルにおいて前記原料を挽砕したものを分級し(前記中間粉末は約15ミクロンの最大粒径を有する)、
(d)約5ミクロン未満の粒径を有する粒子を除去するために、エア分級機により前記中間粉末を分級する、
ことを含む方法。
100.前記マテリアルが、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする上記99に記載の方法。
【0105】
101.制御された粒径分布を有する超微細粉末を生成する方法であって、
(a)約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された原料を供給し、
(b)前記原料を挽砕し、
(c)約14−17ミクロンの範囲の第一サイズよりも大きい粒子を除去するために、前記原料を挽砕したものを第一エア分級機に通過させることにより、中間粉末を生成し、
(d)4−7ミクロンの範囲の第二サイズ未満の粒子を除去するために、第二エア分級機により前記中間粉末を通過させる、
ことを含む方法。
102.前記第一サイズが約15ミクロンである、ことを特徴とする上記101に記載の方法。
103.前記第二サイズが約5ミクロンである、ことを特徴とする上記102に記載の方法。
104.前記第二サイズが約5ミクロンである、ことを特徴とする上記101に記載の方法。
105.前記原料が、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする上記103に記載の方法。
106.前記原料が、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする上記101に記載の方法。
【符号の説明】
【0106】
1 生育チャンバー
2 天蓋
10 分級機
12 原料供給口
14 ライン
20 データ入力ブロック
22 ライン
30 マイクロプロセッサステージ
32 ライン
40 収集機
42 ライン
50 収集機
52 ライン
60 収集機
62 ライン
120 収集機
122 原料
130 収集機
200 原料供給口
202 対向式エアジェットミル
202a ライン
202b 収集機
202c ライン
204 エア分級機
204a ライン
210 収集機
220 ミル
222 ホッパ
224 圧縮エア又はガス注入口
226 圧縮エア又はガス
230 注入口
232 圧縮挽砕エア供給源
240 挽砕チャンバー
242 ライナー
244 循環エアチャンバー
260 出口
262 ボルテックスファインダー
270 分級機
272 ライン
400 供給口
402 ライン
410 ジェットミル
412 ライン
420 エア分級機
422 ライン
430 収集機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
20ミクロンより大きい最大粒径D99を有する、前加工された霞石閃長岩粉末からなる原料より生成された超微細霞石閃長岩粉末であって、
水分含有量は、1.0重量%未満であり、4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、約15ミクロンに制御された最大粒径D95、及び約8−10ミクロンの範囲の平均粒径D50を有し、
PSDカーブの最大ノードは、7−14ミクロンである、ことを特徴とする超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項2】
前記D5粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項1に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項3】
D5とD95の間の粒径の範囲が約10−12ミクロンである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項4】
原料が約100−150ミクロン未満のD99粒径を有する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項5】
連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項6】
乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細霞石閃長岩粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項7】
D99粒径が約15−17ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項8】
実質的にシリカを含まず、自然に存在する採鉱された物質から形成された超微細粉末であって、
約15ミクロンに制御された最大粒径D95、約4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、及び約8−10ミクロンの範囲のD50粒径を有し、
水分含有量は1.0重量%未満であり、PSDカーブの最大ノードは7−14ミクロンである、ことを特徴とする超微細粉末。
【請求項9】
前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする請求項8に記載の超微細粉末。
【請求項10】
前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする請求項8に記載の超微細粉末。
【請求項11】
前記水分含有量が約0.4重量%未満である、ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項12】
前記最小粒径を制御するために、前記D5粒径未満の粒子を除去することにより生成される、ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項13】
前記D5粒径未満の粒子を除去し、及び前記D95粒径より大きい粒子を除去することで前記最大粒径を制御することにより生成される、ことを特徴とする請求項10に記載の超微細粉末。
【請求項14】
前記D5粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項15】
D5とD95の間の粒径の範囲が、約10−12ミクロンである、ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項16】
連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項17】
乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項10に記載の超微細粉末。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の前記超微細粉末をフィラーとして用いる温熱フィルム。
【請求項19】
前記フィラーを前記温熱フィルムに少なくとも5重量%含む、ことを特徴とする請求項18に記載の温熱フィルム。
【請求項20】
4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径、及び約15ミクロンに制御された最大粒径を有する超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項21】
連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより、霞石閃長岩粉末原料より生成される、請求項20に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項22】
約7−14ミクロンのスペクトルの赤外線波長と対応する粒径分布を有する、ことを特徴とする請求項20又は21記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末を生成する方法。
【請求項24】
請求項20〜22のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末をフィラーとして用いるフィルム。
【請求項25】
前記フィルムにおける前記粉末の含有量が約5重量%より多い、ことを特徴とする請求項24に記載のフィルム。
【請求項26】
前記含有量が5−20重量%の範囲である、ことを特徴とする請求項25に記載のフィルム。
【請求項27】
前記最大粒径がD95粒径である、ことを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項28】
前記最大粒径がD99粒径である、ことを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項29】
前記最小粒径がD5粒径である、ことを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項30】
前記最小粒径がD1粒径である、ことを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の超微細霞石閃長岩粉末。
【請求項31】
実質的にシリカを含まず、自然に存在する採鉱された物質から形成された超微細粉末であって、
約15ミクロンに制御された最大粒径D95、約4−7ミクロンの範囲に制御された最小粒径D5、及び約8−10ミクロンの範囲のD50粒径を有し、
水分含有量は1.0重量%未満であり、PSDカーブの最大ノードは7−14ミクロンであり、及び前記粉末を用いたフィルムの熱性(themicity)は20%未満である、ことを特徴とする超微細粉末。
【請求項32】
前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする請求項31に記載の超微細粉末。
【請求項33】
前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする請求項31に記載の超微細粉末。
【請求項34】
前記最小粒径を制御するために、霞石閃長岩粉末から前記D5粒径未満の粒子を除去することにより生成される、ことを特徴とする請求項33に記載の超微細粉末。
【請求項35】
約15ミクロンのD50粒径及び約100ミクロンのD99粒径を有する霞石閃長岩原料から生成される、ことを特徴とする請求項33に記載の超微細粉末。
【請求項36】
連続したプロセスで一連に操作される乾式ミル及びエア分級機を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記分級機が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項35に記載の超微細粉末。
【請求項37】
乾式ミルならびに第一及び第二分級機段階を用いることにより生成される超微細粉末であって、
前記第一分級機段階が前記最大粒径を制御し、前記第二分級機段階が前記最小粒径を制御する、ことを特徴とする請求項35に記載の超微細粉末。
【請求項38】
約100ミクロン未満の最大粒径D99を有する商業的霞石閃長岩原料から生成される、ことを特徴とする請求項33に記載の超微細粉末。
【請求項39】
温熱フィルムのための粉末フィラーであって、
実質的にシリカを含まず、粒径が制御された自然に存在する採鉱された物質から形成され、
超微細であり、約12ミクロン未満のD5とD95の間の粒径の範囲を有する、ことを特徴とする粉末フィラー。
【請求項40】
D95粒径が約15ミクロンである、ことを特徴とする請求項39に記載の粉末フィラー。
【請求項41】
D5粒径が4−7ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする請求項38又は39に記載の粉末フィラー。
【請求項42】
D5とD99の間の粒径の幅が約12ミクロン未満である、ことを特徴とする請求項38〜41のいずれか1項に記載の粉末フィラー。
【請求項43】
前記物質が閃長岩である、ことを特徴とする請求項39〜42のいずれか1項に記載の粉末フィラー。
【請求項44】
前記物質が霞石閃長岩である、ことを特徴とする請求項39〜42のいずれか1項に記載の粉末フィラー。
【請求項45】
少なくとも5のモース硬度を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された超微細粉末であって、
14−17ミクロンの範囲の最大粒径及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有するよう制御され又は“操作”(engineered)された粒径分布を有する、超微細粉末。
【請求項46】
前記最大粒径がD95サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする請求項45に記載の超微細粉末。
【請求項47】
前記最大粒径がD99サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする請求項45に記載の超微細粉末。
【請求項48】
前記マテリアルが、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト、及びトリジマイトからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項45〜47のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項49】
最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項47又は48に記載の超微細粉末。
【請求項50】
前記マテリアルが閃長岩である、ことを特徴とする請求項45〜49のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項51】
前記マテリアルが霞石閃長岩である、ことを特徴とする請求項45〜49のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項52】
D50粒径が約8−10ミクロンの範囲にある、ことを特徴とする請求項45〜51のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項53】
水分含有量が約0.20重量%未満である、ことを特徴とする請求項52に記載の超微細粉末。
【請求項54】
水分含有量が約0.10重量%未満である、ことを特徴とする請求項52に記載の超微細粉末。
【請求項55】
水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする請求項52に記載の超微細粉末。
【請求項56】
請求項45〜55のいずれか1項に記載の超微細粉末を用いたフィルム又はコーティング剤。
【請求項57】
約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された超微細粉末であって、
14−17ミクロンの範囲の最大粒径及び4−7ミクロンの範囲の最小粒径D5を有するよう制御され又は“操作”された粒径分布を有する、超微細粉末。
【請求項58】
前記最大粒径がD95サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする請求項57に記載の超微細粉末。
【請求項59】
前記最大粒径がD99サイズであり、最小粒径がD5サイズである、ことを特徴とする請求項57に記載の超微細粉末。
【請求項60】
前記屈折率が1.46−1.57の範囲にある、ことを特徴とする請求項57〜59のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項61】
前記マテリアルが、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、アルミナ水三和物、タルク、アタパルジャイト、パイロフィライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及びハイドロタルサイトからなる群より選択される、ことを特徴とする請求項57に記載の超微細粉末。
【請求項62】
最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項57に記載の超微細粉末。
【請求項63】
最大粒径が約15ミクロンであり、前記最小粒径が約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項57〜62のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項64】
水分含有量が0.04−0.10重量%の範囲にある、ことを特徴とする請求項57〜63のいずれか1項に記載の超微細粉末。
【請求項65】
請求項57〜64のいずれか1項に記載の超微細粉末をフィラーとして用いた温熱フィルム。
【請求項66】
超微細粉末を生成する方法であって、
(a)約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された研削原料を供給し、
(b)対向式ジェットミルにおいて前記原料を挽砕し、
(c)前記ミルから中間粉末を通過させるために、分級機付きの前記ミルにおいて前記原料を挽砕したものを分級し(前記中間粉末は約14−17ミクロンの最大粒径を有する)、
(d)約4−7ミクロン未満の粒径を有する粒子を除去するために、エア分級機により前記中間粉末を分級する、
ことを特徴とする方法。
【請求項67】
前記マテリアルが、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項68】
超微細粉末を生成する方法であって、
(a)少なくとも5のモース硬度を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された研削原料を供給し、
(b)対向式ジェットミルにおいて前記原料を挽砕し、
(c)前記ミルから中間粉末を通過させるために、分級機付きの前記ミルにおいて前記原料を挽砕したものを分級し(前記中間粉末は約15ミクロンの最大粒径を有する)、
(d)約5ミクロン未満の粒径を有する粒子を除去するために、エア分級機により前記中間粉末を分級する、
ことを特徴とする方法。
【請求項69】
前記マテリアルが、霞石閃長岩、長石、シリカ、石英、クリストバライト及びトリジマイトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする請求項68に記載の方法。
【請求項70】
制御された粒径分布を有する超微細粉末を生成する方法であって、
(a)約1.4−1.6の屈折率を有する、自然に存在する鉱石又は岩石マテリアルから形成された原料を供給し、
(b)前記原料を挽砕し、
(c)約14−17ミクロンの範囲の第一サイズよりも大きい粒子を除去するために、前記原料を挽砕したものを第一エア分級機に通過させることにより、中間粉末を生成し、
(d)4−7ミクロンの範囲の第二サイズ未満の粒子を除去するために、第二エア分級機により前記中間粉末を通過させる、
ことを特徴とする方法。
【請求項71】
前記第一サイズが約15ミクロンである、ことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第二サイズが約5ミクロンである、ことを特徴とする請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
前記原料が、シリカ(自然研削物及び珪藻土を含む)、クリストバライト、長石、石英、霞石閃長岩、カオリン、タルク、アタパルジャイト及びパイロフィライトからなる群より選択されるマテリアルである、ことを特徴とする請求項70〜72のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【公表番号】特表2011−521867(P2011−521867A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504994(P2011−504994)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/077657
【国際公開番号】WO2009/128857
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(502028382)ユニミン コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】