説明

温熱治療装置

【課題】ヒトの皮膚に近接させて着用することが可能な温熱治療装置を提供する。
【解決手段】ヒトの皮膚に近接させて着用される温熱治療装置は熱組成物を含み、首及び肩の左若しくは右僧帽筋、又は腰の左若しくは右傍脊柱筋、並びに各仙腸関節の圧痛点の表面をほぼ覆う。また、捨て可能な通気性の不織布でほぼ台形に形成することができ、必要に応じて接着性の裏打ち及び/又は通気性材料を有する。熱組成物は、熱を発生若しくは貯えるか、又は低い(冷たい)温度を発生若しくは維持するのに適した任意の物質であってよい。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は温熱治療装置に関する。より詳細には、本発明は僧帽筋又は腰の傍脊柱筋の表面を覆うような形状を有する温熱治療装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
筋肉痛及び関節痛の患者では、熱の適用によって体液の粘度が下がり、硬直した筋肉がほぐれ、患部への血流が改善され、組織の修復が促進され、くつろいだ感覚が得られる。組織深くに浸透させる手段として皮膚に熱を適用することは、筋肉及び関節の痛みを緩和する目的、並びに特定の炎症状態を治療する目的で歴史的に行われてきた。一部の急性のケガでは、冷やすことによって痛みを麻痺させ、血管を収縮させて炎症反応を緩和することができる。低温物質を皮膚に適用することも、同様の治療目的、特に関節の炎症などの炎症反応を治療する目的で行われてきた。
【0003】
従来の発熱装置は、場合によっては、空気に触れると酸化する鉄粉配合物などの化学配合物を使用して熱を発生させている。市販の温熱化学配合製品は、上記の発熱組成物で充填された緩く形成された織物製の熱活性要素として提供される使い捨ての発熱パッチを使用したものとして主に類別される。熱を与える別の手段として、電源に接続された電気的発熱要素によるものがある。電気的熱発生源の場合では望ましい使用時間がしばしば4時間よりも長いため、この種の装置において一般に使用される電源は壁コンセント又は電池である。
【0004】
他の化学的発熱装置としては、米国特許第6,074,413号に示されるような膝や背中などの身体の様々な部分に一致又は適合するような形状に形成された織物に発熱部分を組み込んだ製品がある。こうした場合、着衣及び熱を供給する発熱配合物質を含む製品全体は、これらが一体型の製品に組み込まれているために通常は使い捨てである。化学的発熱部分をこうした一体型の製品から取り外すことができないため、装置全体が使用後に廃棄されるような設計となっている。1回の使用は通常6〜12時間持続するため、使用者は24時間の間にこうした製品を2〜3個使用する場合がある。こうした方式の製品は、皮膚と接触するのが織布又は不織布の表面であるために皮膚の各部分に常に適切に形状が一致するとは限らず、皮膚に充分に熱を伝えにくい緩い粉末の配合物を有しているという難点がある。
【0005】
米国特許第5,484,366号に示されるような他の方式の装置は、ゲルインサート容器を備えたバックベルトを使用するなど、使い捨てではない要素の典型的な例となるものである。こうした装置では、ゲルインサートはヒトの手によって再加熱又は冷却されるため、再使用するには使用者のより積極的な関与を必要とする。同様に米国特許第6,416,534号に示される装置は、可撓性の織物を有するバックベルト、及び電気的発熱を利用して再加熱されるゲルインサートを使用している。この方式の装置もやはり使用者の積極的な関与を必要とし、ゲルインサートを加熱するために時間の遅れが生ずる可能性がある。米国特許第6,074,413号は、複数の発熱セルを含む1以上の温熱インサートを有する使い捨ての温熱バックラップに関するものであり、使用者の背中の特定の領域に熱を作用させることによって痛みを緩和する。米国特許第5,605,144号は、空気で活性化される挿入化学発熱インサートを収容するための袋部を有する発熱着衣に関するものである。
【0006】
米国特許第5,484,366号は、エアロビクス/クロストレーニング運動用ベルトに関するものである。このベルトは、両端にファスナーを有する真っ直ぐな材料片からなり、端部同士を互いに締結して閉じたベルトとすることができる。ベルトの本体後部には背側腰支持要素が連結される。背側腰支持要素は化学ゲルインサートを取り付けるための少なくとも1つのポケットを有することにより、ベルトの着用時に使用者の腰領域に熱が適用される。ゲルインサートは所望の温度に加熱又は冷却することができる。米国特許第6,623,419号は、治療用バックベルト及び関連する製造方法に関するものである。このベルトはベルトに固定された磁石と、熱活性を有するゲル物質を有している。米国特許第5,179,942号は、腰部支持治療用加熱/冷却/エアベルトに関するものである。この支持具は、インサートが挿入されることによって熱変化を生じるか、支持用の空気を与えることが可能な1個のポケットを下側背部に有している。
【0007】
発熱要素とともにマッサージ要素を組み込むことによってこれらを1個の装置で便宜よく利用できるような、米国特許第7,147,610号に示されるような更なる装置も開示されている。こうした装置は、発熱及びマッサージ要素が電力の使用を必要とするために余分に嵩張り、目立つばかりでなく、外部電源(接続箱)の使用を必要とする。更に、これらの部品は再使用可能であるが、電気的要素は洗浄できない傾向がある。米国特許出願公開第2004/0082886号は、手足の痛み及びストレスを緩和するための治療装置に関するものである。この携帯型装置は手又は足の熱及び振動による治療法を与える。
【0008】
米国特許第5,925,072号は、使い捨ての弾性温熱インサートに関するものであり、鉄粉を主成分とする発熱組成物が個別の部分に分割されて、バックベルトに組み込まれている。この組成物では、織物のバリアによって組成物が皮膚から隔離されるために熱伝導率が最適とは言えない。米国特許第5,918,590号は、鉄粉を主成分とする発熱組成物を含む特定の発熱セルユニットに関するものであり、特定の発熱配合物及びポケット充填容積が定義されている。
【0009】
米国特許第6,146,342号は、複数のランダムに作動される圧力発生要素を有するマッサージパッドに関するものである。この装置は、往復動するプランジャと身体を衝突させることによって身体をマッサージするものである。プランジャは可撓性のパッド内部に平坦な配列で固定されている。各プランジャは付随するソレノイド装置を有しており、このソレノイド装置がプランジャを交互にパッドから突出及びパッド内部に後退させる。電気回路には、電源コード/プラグアセンブリ、該コード/プラグアセンブリ上に連続的に配された手動制御部、及びソレノイドへの動作信号をランダムに発生させるコントローラが含まれている。必要に応じて発熱要素が可撓性パッドに含まれ、制御部間に適当なコントローラが設けられる。
【0010】
米国特許第7,077,858号に示されるような更に他の方式の装置としては、電気的発熱を利用して皮膚に冷却及び発熱剤を分配する可撓性の熱交換要素を使用したものがある。米国特許第6,409,748号は、初めに速やかに暖かくなる、着脱可能なゲルインサートを備えた発熱パッドに関するものである。米国特許第4,846,176号は、皮膚にあてがうことによって接触した皮膚領域を均一に温める又は冷やすことが可能な形状適合性領域を有する温熱包帯に関するものである。
【0011】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
当該技術分野においては、背中の上部及び下部(腰)に対する改良された温熱治療装置が求められている。
【0012】
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的の1つは、ヒトの皮膚に近接させて着用することが可能な温熱治療装置を提供することにある。この温熱治療装置は、
熱組成物を含み、装置は僧帽筋又は腰の傍脊柱筋及び各仙腸関節の圧痛点をほぼ覆う。本温熱治療装置は、痛み及び不快感の知られた領域である背中の上部及び下部(腰)の各部分を覆うために単一の形状を必要に応じて製造業者が製造し、消費者が購入及び使用することを可能とする点で便宜がよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の一実施形態を示す図。
【図1B】身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の一実施形態を示す図。
【図1C】身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の一実施形態を示す図。
【図1D】図1A及び1Bに示される温熱治療装置の断面図。
【図2A】身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の別の実施形態を示す図。
【図2B】身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の別の実施形態を示す図。
【図2C】身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱装置の別の実施形態を示す図。
【図2D】図2A及び2Bに示される温熱治療装置の断面図。
【図3A】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図3B】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図3C】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の右側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図4A】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図4B】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図4C】装置の一方の表面に隆起した部分を有するように設計され、かつ身体の左側に着用されるように設計された、ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置の更なる別の実施形態を示す図。
【図5】ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置を着用又は配置することが可能な身体の部分の例を示す図。
【図6】ほぼ台形に形成された本発明の温熱治療装置を着用又は配置することが可能な身体の部分の他の例を示す図。
【図7A】異なる寸法を有するほぼ台形の線対称に形成された、本発明の温熱治療装置の実施形態を示す図。
【図7B】異なる寸法を有するほぼ台形の線対称に形成された、本発明の温熱治療装置の実施形態を示す図。
【図7C】異なる寸法を有するほぼ台形の線対称に形成された、本発明の温熱治療装置の実施形態を示す図。
【図7D】異なる寸法を有するほぼ台形の線対称に形成された、本発明の温熱治療装置の実施形態を示す図。
【図7E】図7Dの装置の寸法の測定値を示す図。
【図8A】ほぼ台形の線対称に形成された本発明の温熱治療装置を着用又は配置することが可能な身体の部分の例を示す図。
【図8B】ほぼ台形の線対称に形成された本発明の温熱治療装置を着用又は配置することが可能な身体の部分の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特に断らないかぎり、本明細書で用いる「ほぼ」という用語は、少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%を意味するものとして理解される。
【0015】
本発明は、ヒトの皮膚に近接して着用される、筋肉及び関節の痛みを管理するための例えば温熱パッドなどの温熱治療装置に関するものである。本温熱治療装置は、患部筋肉群の表面をほぼ覆うことによってこれら特定の筋肉群を集中的に治療することで改善された治療上の緩和効果を与えるものである。本温熱治療装置を特定の筋肉又は筋肉群の形状を有するように設計することによって、本装置を人体の背中、首又は肩を治療するために使用することができる。本発明の装置の特定の形状及び寸法は無駄及び製造コストを最小に抑える更なる効果を有するものである。温熱装置は、ほぼ台形に形成することが可能であり、身体の右側で使用されるように設計することができる。図1A、1B、3A及び3Bを参照されたい。また、温熱装置は、ほぼ台形に形成してよく、身体の左側で使用されるように設計することもできる。図2A、2B、4A及び4Bを参照されたい。一実施形態では、温熱治療装置は身体の両側で使用されるように設計することができる。例えば、温熱治療装置はほぼ台形の線対称として形成することができる。図7A〜7E、並びに図8A及び8Bを参照されたい。
【0016】
装置は首及び肩の左若しくは右僧帽筋、又は腰の傍脊柱筋及び各仙腸関節の圧痛点をほぼ覆う。
【0017】
本発明の温熱治療装置は、衣服の上又は衣服の下で、皮膚と直接接触するようにして通常着用される。一実施形態では、温熱治療装置は、衣服又は皮膚に接着することができる接着剤を有する。
【0018】
本発明の温熱治療装置は、首又は肩の左若しくは右僧帽筋、又は腰の傍脊柱筋及び各仙腸関節の圧痛点の表面をほぼ覆うように設計されている。所望の筋肉群の表面を覆うには、装置は約32cm〜約258cm(約5平方インチ〜約40平方インチ)の表面積を有する。装置の表面積は、約52cm〜約226cm(約8平方インチ〜約35平方インチ)であることが好ましく、より好ましくは約97cm〜約161cm(約15平方インチ〜約25平方インチ)、更により好ましくは約116cm〜約142cm(約18平方インチ〜約22平方インチ)である。特定の一実施形態では、温熱治療装置の表面積は約123cm(約19平方インチ)である。
【0019】
上記の特定の寸法は首の左又は右僧帽筋を最適に覆うことが望ましい。また、同じ特定の寸法は、90°回転させることによって腰の左又は右傍脊柱筋及び各仙腸関節の共通の圧痛点を覆ってもよい。特定の一実施形態では、温熱治療装置はほぼ台形又は切頭直角三角形の形状を有する。
【0020】
温熱治療装置がほぼ台形の形状を有するように設計されている場合、装置は、約12.7cm〜約20.3cm(約5インチ〜約8インチ)(好ましくは約15.2cm〜約17.8cm(約6インチ〜約7インチ)、より好ましくは約16.5cm(約6.5インチ))の高さ、約6.99cm〜約14.6cm(約2.75インチ〜約5.75インチ)(好ましくは約8.3cm〜約13.3cm(約3.25インチ〜約5.25インチ)、より好ましくは約10.8cm(約4.25インチ))の底辺、約14.0cm〜約21.6cm(約5.5インチ〜約8.5インチ)(好ましくは約15.2cm〜約20.3cm(約6インチ〜約8インチ)、より好ましくは約17.8cm(約7.0インチ))の斜辺、及び、約1.3cm〜約6.4cm(約0.5インチ〜約2.5インチ)(好ましくは約2.5cm〜約5.1cm(約1インチ〜約2インチ)、より好ましくは約3.8cm(約1.5インチ))の頂部(すなわち底辺の反対側の辺)の幅を有する。一実施形態では、装置の底辺に対する高さの比は、約1.25〜約2.3であり、例えば約1.5である。別の実施形態では、装置の頂部幅に対する高さの比は、約2.5〜約7であり、例えば約4.3である。
【0021】
本温熱治療装置は、使い捨て可能な通気性の不織布で形成することができる。必要に応じて温熱治療装置は接着性の裏打ち及び/又は通気性材料を有してもよい。一実施形態では、装置は粘着性の裏打ちに結合された通気性の前面材料を有するように構成される。別の一実施形態では、通気性の前面材料と接着性の裏打ちとが空気によって活性化される発熱反応混合物を包囲かつ収容する。
【0022】
一実施形態では、本発明の温熱治療装置は、熱活性要素及び熱伝導性要素を含む。熱活性要素は治療を目的とした熱又は低温を供給する。熱伝導性要素は熱又は低温の供給効率を高め、使用者の感覚を向上させる。
【0023】
別の実施形態では、温熱治療装置は熱組成物を含む熱リザーバを有する。熱組成物は、熱又は低温を加えることによって活性化することによって熱又は低温を維持する熱成分、物質又は物質の組み合わせ、及びこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、熱リザーバは熱組成物用の封入要素を含む。例として図1D及び図2Dを参照されたい。
【0024】
熱リザーバは、熱を発生若しくは貯えるか、又は低い(冷たい)温度を発生若しくは維持するのに適した任意の物質であってよい熱組成物を含む。一実施形態では、熱組成物は、ヒトの皮膚の表面温度よりも約1℃〜約10℃高い熱を放射する。代替的な一実施形態では、熱組成物は、ヒトの皮膚の表面温度よりも約1℃〜約100℃低い温度を維持する充填物質である。
【0025】
特定の一実施形態では、熱リザーバは発熱反応を行う物質の混合物である熱充填物質を含む。例えば、幾つかの市販のハンドウォーマー及び治療用発熱製品では、鉄が空気に触れて酸化される際に熱を放出する、鉄粉を主成分とした混合物を含んでいる。こうした方式のシステムは、例えば米国特許第5,918,590号に詳しく記載されている。少なくとも約40℃の温度を少なくとも4時間、最大で24時間維持するようにこうした混合物を配合することは当該技術分野では公知である。用途又は所望の製品の設計に応じて温度は少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、又は任意の所望の時間にわたって維持することができる。
【0026】
別の実施形態では、熱リザーバは、マイクロ波で加熱できる熱保持物質を含む熱組成物を含む。好適な熱保持物質としては、例えば、コメ、トウモロコシ、オオムギ、サクランボの種、デンプンを主成分とする合成ペレットなどが挙げられる。こうした材料は通常、好適なレベルの熱を約20〜約60分間維持する。
別の実施形態では、熱リザーバは、抵抗加熱器などの電気的に加熱若しくは電気的に冷却される物品、又はペルティエ素子などの熱電効果に基づいた冷却及び発熱素子を含む熱組成物を含む。
【0027】
特定の実施形態では、熱電対で測定したヒトの皮膚と温熱治療装置との間の温度変化/差は、38℃、40℃、41℃、45℃、又は50℃である。
【0028】
別の実施形態では、熱リザーバは、室温で凍結可能な液体又はゲルである熱充填物質を含む。フリーザー内で保管するとこうした物質は、固化して約5℃よりも低い温度を約20〜約90分にわたって維持する。こうした実施形態の1つでは、ヒトの皮膚と本発明の熱インサートの熱伝導性部材との間に挿入された熱電対によって測定される温度は、5℃、10℃、20℃、25℃、又は30℃である。
【0029】
一実施形態では、熱リザーバは、約−20℃〜20℃、又は約0℃の温度で固体である物質又は物質の組み合わせである。別の実施形態では、熱リザーバは、可燃性、引火性、又は揮発性の物質を実質的に含まない。ここで用いる「実質的に含まない」とは、熱リザーバの1重量%未満として定義される。可燃性物質としてはこれらに限定されるものではないが、エタノール、メタノール及びブタノールなどのアルコールなどの燃料、又は、ライター液、ケロシン、灯油、及びこれらの混合物などの燃料が挙げられる。
【0030】
一実施形態では、熱リザーバは封入要素を含み得る。封入要素は、熱リザーバ又は熱リザーバ内の熱組成物を包囲する任意の材料であってよい。一実施形態では、包囲要素は、通気性の不織布で形成された袋状要素である。別の実施形態では、包囲要素は、凍結可能な液体が入れられる防水ポリマーフィルム製の袋状要素である。更なる別の実施形態では、包囲要素は織布で形成される。更なる別の実施形態では、包囲要素は、比較的に非伝導性の織物で形成された第1の表面と、熱伝導性要素を含む第2の表面とを有する袋状要素である。
【0031】
熱伝導性要素は少なくとも約10W/mKの熱伝導率を有し、好ましくは少なくとも約100W/mKの熱伝導率を有する。一実施形態では、熱伝導性要素の熱伝導率は約150W/mK〜約250W/mKの範囲である。比較のため、幾つかの代表的な物質の熱伝導率を下記に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
熱伝導性要素を構成するのに適した材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、スチールなどの金属、及び、アルミニウム、銅、銀、スチールの合金、及びこれらの組み合わせ;グラファイト、ガラス状カーボン、熱伝導性プラスチック、ポリマー、ゴムを含む炭素系材料、又は伝導性織物、複合材料、セラミック、及びこれらの混合物などの非金属性熱伝導性材料が挙げられる。必要に応じて、これらの熱伝導性要素はその熱伝導性をより高めるために上記の金属から構成される線材又は繊維を含んでもよい。好ましくは熱伝導性要素は熱充填組成物と反応せず、空気及び水分とも反応しないことが好ましい。
【0034】
熱リザーバがマイクロ波によって活性化される熱組成物を含むような実施形態では、熱伝導性要素はそれに対応した設計でなければならない。例えば、熱伝導性要素はセラミックなどの非金属性物質を含んでもよい。あるいは、熱伝導性要素は、マイクロ波に曝されない遮蔽された金属表面を有するプラスチック部分を有してもよい。更なる別の変形例では、熱伝導性要素は、マイクロ波による加熱後に熱伝導性要素を熱リザーバに取り付けるための手段(例、接着剤など)とともに熱活性要素と別にパッケージ化することもできる。
【0035】
熱伝導性要素はその表面の一部が熱活性要素の面から上方に隆起していてもよい。特定のこうした実施形態では、隆起部は丸みを帯びた形状であってよい。ここで用いる「丸みを帯びた形状」とは、楕円形、半楕円形、半円形、又は円形として定義される。特定のこうした実施形態では、伝導性表面の隆起部は活性要素の表面から約2mm〜約3cm隆起している。表面の隆起部は皮膚に押し当てられる際にマッサージ感覚を与えることができるため有利である。例えば、本発明の温熱治療装置が、熱伝導性要素の隆起部が皮膚と密接するようにバックベルトとして着用される場合、隆起部が指の感覚を与えることによって使用者が動くのに従って皮膚がマッサージされる。特定の一実施形態では、熱伝導性要素の全体又は一部を、支持要素の回りを、又はソケット内で回転するように構成することができる。この実施形態では、熱伝導性のマッサージ要素を、円筒形、球形、8面体、12面体、又は任意の適当な回転可能な形状とすることができる。
【0036】
熱伝導性要素は、丸形、半球形、長尺、楕円体、円筒形、星形、キノコ形、又は他の同様な形状などの様々な形状を有し得る点は理解されなければならない。本発明の一実施形態によれば、ヒトの身体との境界面における熱伝導性要素の形状は、これらに限定されるものではないが、半球形、角錐形、円錐形、凹面、凸面、こぶ状を含む、平坦又は非平坦なものであってよく、又は例えば半球形の突起などのより小さい形状の配列を含んでもよい。
【0037】
特定の実施形態では、熱伝導性要素は熱活性要素の表面上に単一の連続した層を形成してもよい。例えば、熱伝導性要素はその表面に深絞り加工された突起を有する1枚の箔でよい。他の特定の実施形態では、熱伝導性要素は熱活性要素の表面上に不連続的に配置されてもよい。例えば、熱伝導性要素は温熱治療装置の美観又は通気性を高めるために切り欠きを有する1枚の箔であってもよく、あるいは熱伝導性要素は、熱組成物用の封入要素の表面に個別に接着する複数の個別の金属部品を含んでもよい。熱伝導性要素が1枚の箔であるような実施形態では、箔の厚さは、約0.006mm〜約0.3mm、好ましくは約0.01mm〜約0.2mmであってよい。箔は熱リザーバの1つの表面上にあってもよく、熱リザーバの2つ以上の表面上にあってもよく、あるいは熱リザーバ全体を囲んでいてもよい。
【0038】
熱伝導性要素はそれ自体で熱充填組成物用の封入要素の一部を形成することができる。例えば、熱充填組成物は、一表面が多孔質の不織布からなり、別の一表面が金属性の熱伝導性材料からなる袋状構造に封入された粉末であってよい。あるいは別の例では、熱充填組成物は一表面がポリマー性防水フィルムからなり、別の一表面が金属性フィルムからなる袋状構造に封入された凍結可能な液体又はゲルであってもよい。
【0039】
更に、熱伝導性要素は全部又は一部が熱リザーバ用の封入要素に収容されていてよい。例えば、熱伝導性要素は、熱充填組成物全体に分散された直径約1〜約20mmのペレットの形態であってよい。好ましくはペレットは約2〜約10mmの直径を有する。
【0040】
別のこうした実施形態では、熱伝導性要素の一部分が熱組成物及び封入要素の内側と接触する一方で、熱伝導性要素の別の部分が封入要素の開口部から突出して外表面を形成するように温熱治療装置を構成することができる。
【0041】
熱伝導性要素は剛性であってもよく、柔軟かつ圧縮可能であってもよい。マッサージ感覚が望ましい場合には、熱伝導性要素は皮膚に押し当てられた際に形状が保たれるだけの充分な剛性を有するのが好ましいマッサージ要素を含む。熱伝導性要素の隆起部は中実であっても、中空であってもよく、伝導性又は非伝導性物質で充填されていてもよい。一実施形態では、隆起部に開口部を設けて内部に保持された1以上の薬剤が放出されるようにしてもよい。薬剤は熱リザーバが熱を発生することで放出されるか、1以上の被覆層を除去することで放出されるようにすることができる。一実施形態では、熱伝導性要素の隆起部の内表面は熱充填物質と直接接触する。一実施形態では、熱伝導性要素は金属ペレットで充填される。
【0042】
本発明の別の態様は、ヒトにおける痛み、特に筋肉痛又は関節痛を治療又は管理するための方法に関するものである。前述したように、熱及びマッサージは痛みを管理するための効果的な物理療法として長く認識されてきた。本発明の温熱治療装置は、熱伝導性要素の表面の少なくとも一部が熱活性要素の面から上方に隆起し、これにより使用者に熱及びマッサージ感覚を与えるための手段が与えられるように構成することができる。熱及びマッサージを与える他の方法と比較して、本発明の方法は携帯可能、着用可能であり、持続時間が長く、必要とされる使用者の労力が最小である点で有利である。本発明の温熱治療装置のマッサージ作用の更なる効果としては、患部への血流が更に増大し、酸素化及び患部組織からの老廃物の除去が促進されることがある。例えば、装置を約1時間〜約16時間、又は必要に応じて約4時間〜約8時間、又は約8時間〜約12時間、又は約8時間〜約16時間の時間にわたって着用することができる。これにより仕事やレジャー活動を同時に行いつつ患部の筋肉又は関節に熱を与えることができる。
【0043】
本発明の温熱治療装置の治療における使用では、1つ又は複数の熱伝導性要素が、皮膚に直接接触するか、あるいは使用者によって着用される衣類又は衣服を介して身体に接触することにより使用者の身体に接触する。同時に1つ又は複数の熱伝導性要素は温熱治療装置に接触する。1つ又は複数の熱伝導性要素は温熱治療装置からの熱又は低温をヒトの身体に効果的に伝達又は再分配する機能を有する。更に、1つ又は複数の熱伝導性要素は皮膚に直接適用された場合には身体又は皮膚に不均一な熱感覚をもたらし、これにより熱伝導性要素に直接接触する身体又は皮膚の領域は隣接する領域に対してより強い熱又は低温の感覚を感じることになる。
【0044】
一実施形態では、熱伝導性要素は活性炭を実質的に含まず、例えば、熱伝導性要素の充填剤の0.1重量%未満である。
【0045】
別の実施形態では、熱伝導性要素の隆起部によって形成される内部空洞は、熱ビーズ、カプセル化水、ワックス、相変化材料、セラミック、砂、穀類、コメ、小麦、トウモロコシなどの長時間にわたって熱を保持することが可能な物質で充填される。熱活性要素の内部の化学配合物による熱の供給又は発生が停止した後でも、熱伝導性要素の内部の長時間にわたって熱を保持することが可能な物質は長時間にわたって熱を放出又は吸収することが可能である。更に、熱活性要素内部の化学配合物が誤って過熱した場合、こうした物質が余分な熱を吸収することで、過熱に対する保護を与えることが可能である。
【0046】
熱伝導性要素の隆起部の周囲の空間が汗の除去及び蒸発に利用可能である点は有利かつ有効である。更に、身体に与えられる熱コントラスト(皮膚と装置との間の温度差)は、熱を伝達し、低温を伝達する熱伝導性要素が身体に直に接している場合により高くなる。こうしたコントラストは、熱伝達による熱エネルギーの大きな損失を伴わずに得ることができる。一実施形態では、熱リザーバは熱パックである。
【0047】
熱パック1個当たりの1つ又は複数の熱伝導性要素の数は、1個〜複数個で変化し得る。例えば6個〜30個以上の熱伝導性要素を1個の熱パック上に配置することができる。例えば、図3B及び図4Aに示されるような温熱治療装置はそれぞれ9個の熱伝導性要素を有している。これらの熱伝導性要素は、通常約5mm〜約50mm、又は好ましくは約7mm〜約20mmの幅を有する。熱伝導性要素は約5mm〜約50mm、又は好ましくは7mm〜約20mmの高さを有してよい。図3C及び図4Cに最も分かりやすく示されるように、高さは、装置の表面から熱伝導性要素の頂点までの距離として測定される。
【0048】
熱伝導性要素の形状が半球状である実施形態では、直径は要素の幅に等しく、約5mm〜約50mm、又は好ましくは約10mm〜約30mmである。この実施形態では半球状要素の半径は高さに等しく、約2.5mm〜約25mm、又は好ましくは約5mm〜約20mmである。図3B、3C、4A及び4Cには円形の熱伝導性要素が示されている。
【0049】
特定の実施形態では、熱伝導性要素は要素の内部空間の容積によって規定することができる。例えば、熱伝導性要素の内部容積は約0.01mm〜約50.00mm、又は好ましくは約0.03mm〜約33.00mm、又はより好ましくは約0.10mm〜約2.00mmである。
【0050】
温熱治療装置は2以上の熱伝導性要素を有してもよい。熱伝導性要素同士は同じ高さを有してもよく、あるいは熱伝導性要素のあるものがより高く、あるものがより低くともよい。例えば、熱伝導性要素の第1の部分の高さを約5mm〜約10mmとし、第2の部分の高さを約10mm〜約15mmとし、必要に応じて設けられる第3の部分の高さを約15mm〜約20mmとすることができる。
【0051】
一実施形態では、熱インサートの少なくとも1つの寸法は約2.5cm〜約76.2cm(約1インチ〜約30インチ)である。特定の一実施形態では、熱リザーバ12は、幅が約5.1cm〜約15.2cm(約2インチ〜約6インチ)、かつ全体の長さが約5.1cm〜約30.5cm(約2インチ〜約12インチ)の三角形である。
【0052】
特定の実施形態では、温熱治療装置は装置の厚さが約2mm〜約30mm、及び装置の他の寸法が約24mm〜約720mmであるほぼ平板な形状とすることができる。
【0053】
温熱治療装置はヒトの皮膚に近接させて着用するか、皮膚に直接適用することができる。直接適用する場合には接着剤を使用することができる。安全で温熱治療装置を皮膚に接着することができる任意の好適な接着剤を使用することができる。好適な接着剤としては、ヒドロゲル、シリコーン接着剤、ホットメルト接着剤などが挙げられる。接着剤は、理想的には、温熱治療装置が皮膚の接触面領域に適用されて形状が一致することができるようなものである必要がある。場合により、接着剤は、温熱治療装置によって覆われた皮膚領域にわたって熱又は低温の均一な分配を促進するものであってもよい。
【0054】
本温熱治療装置は、安価、軽量で全体が使い捨て可能、かつ容易に携帯可能に構成することが可能であり、したがって旅行に携行でき、移動性に優れている。
【0055】
以上、本発明をその具体的な実施形態を参照しながら説明したが、本明細書中に開示される新規な着想から逸脱することなく多くの変更、改変、及び変形を行うことが可能であることは明らかである。したがって、付属の特許請求の範囲の趣旨及び広義の範囲に包含されるこうした変更、改変、及び変形がすべて含まれるものとする。本明細書で引用するすべての特許出願、特許、及び他の刊行物は、それらの全容を援用するものである。
【0056】
〔実施態様〕
(1) ヒトの皮膚に近接して着用される温熱治療装置であって、熱組成物を含み、僧帽筋又は腰の傍脊柱筋、及び各仙腸関節の圧痛点の表面をほぼ覆うような形状を有する、温熱治療装置。
(2) 約52〜約226cm(約8〜約35平方インチ)の表面積を有する、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(3) ほぼ台形、又はほぼ切頭直角三角形の形状を有する、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(4) 前記ほぼ台形の形状が、約12.7cm〜約20.3cm(約5インチ〜約8インチ)の高さ、約7.0cm〜約14.6cm(約2.75インチ〜約5.75インチ)の底辺、約14.0cm〜約21.6cm(約5.5インチ〜約8.5インチ)の斜辺、及び、約1.3cm〜約6.4cm(約0.5インチ〜約2.5インチ)の頂部幅を有する、実施態様3に記載の温熱治療装置。
(5) 前記ほぼ台形の形状において、底辺に対する高さの比が、約1.25〜約2.3であり、頂部幅に対する高さの比が、約2.5〜約7である、実施態様3に記載の温熱治療装置。
(6) 熱伝導性要素を更に備える、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(7) 前記熱伝導性要素が、少なくとも約100W/mKの熱伝導率を有する、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(8) 前記熱伝導性要素が、約150W/mK〜約250W/mKの熱伝導率を有する、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(9) 前記熱リザーバが外表面を有する、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(10) 前記熱伝導性要素の表面の一部が、熱リザーバの外表面の上方に隆起している、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(11) 前記熱伝導性要素が、連続層を形成する、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(12) 前記熱伝導性要素が、不連続的である、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(13) 前記熱リザーバが封入要素を有し、前記熱伝導性要素が該封入要素の表面に取り付けられている、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(14) 前記熱伝導性要素が、主に金属から構成される、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(15) 前記熱伝導性要素が、伝導性織物、複合材料、プラスチック、ポリマー、ゴム、セラミック、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(16) 前記伝導性要素が、丸形の隆起突出部を有する、実施態様6に記載の温熱治療装置。
(17) 前記熱リザーバ又は該熱リザーバの前記封入要素の表面から測定した前記隆起部の最大の高さが、約5mm〜約50mmである、実施態様16に記載の温熱治療装置。
(18) 前記隆起部が、丸みを帯びた縁部を有し、支持要素の回りを回転する又はソケット内で回転する、実施態様16に記載の温熱治療装置。
(19) 前記熱組成物が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合にヒトの皮膚の表面温度よりも約1〜約10℃高い熱を放射する、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(20) 前記熱組成物が、鉄粉を含む熱充填物質を含む、実施態様19に記載の温熱治療装置。
(21) 前記熱組成物が、マイクロ波で加熱することができる熱保持物質を含む、実施態様19に記載の温熱治療装置。
(22) 前記熱組成物が、ヒトの皮膚の表面温度よりも約1〜約100℃低い温度を有する、実施態様19に記載の温熱治療装置。
(23) 前記熱充填物質が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合に約1時間〜約16時間にわたって少なくとも約40℃の温度を維持する、実施態様20に記載の温熱治療装置。
(24) 前記熱充填物質が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合に少なくとも約10時間にわたって少なくとも約40℃の温度を維持する、実施態様20に記載の温熱治療装置。
(25) 一点の衣類の一部としての袋状要素、ベルト、又は特別に設計された小袋の中に前記装置を入れることによって皮膚に近接させて着用される、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(26) ヒドロゲル、シリコーンゲル、ホットメルト接着剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される接着剤を使用して皮膚に近接させて着用される、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(27) 再使用可能である、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(28) 使い捨て式である、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(29) 通気性材料を含む側面、及び接着剤を含む第2の側面を有する、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(30) 前記接着剤が、ヒドロゲル、シリコーンゲル、ホットメルト接着剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様29に記載の温熱治療装置。
(31) 実施態様1に記載の温熱治療装置を約1時間〜約16時間にわたって着用する工程を含む、ヒトの筋肉痛及び痛みを治療するための方法。
(32) ほぼ台形の線対称形状を有する、実施態様1に記載の温熱治療装置。
(33) 前記ほぼ台形の非対称形状が、約11.4cm〜約15.2cm(約4.5インチ〜約6インチ)の高さ、及び約8.573cm〜約11.56cm(約3.375インチ〜約4.55インチ)の底辺を有する、実施態様32に記載の温熱治療装置。
(34) 前記熱組成物が約0℃以上の温度で固体である、実施態様1に記載の温熱装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの皮膚に近接して着用される温熱治療装置であって、熱組成物を含み、僧帽筋又は腰の傍脊柱筋、及び各仙腸関節の圧痛点の表面をほぼ覆うような形状を有する、温熱治療装置。
【請求項2】
約52〜約226cm(約8〜約35平方インチ)の表面積を有する、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項3】
ほぼ台形、又はほぼ切頭直角三角形の形状を有する、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項4】
前記ほぼ台形の形状が、約12.7cm〜約20.3cm(約5インチ〜約8インチ)の高さ、約7.0cm〜約14.6cm(約2.75インチ〜約5.75インチ)の底辺、約14.0cm〜約21.6cm(約5.5インチ〜約8.5インチ)の斜辺、及び、約1.3cm〜約6.4cm(約0.5インチ〜約2.5インチ)の頂部幅を有する、請求項3に記載の温熱治療装置。
【請求項5】
前記ほぼ台形の形状において、底辺に対する高さの比が、約1.25〜約2.3であり、頂部幅に対する高さの比が、約2.5〜約7である、請求項3に記載の温熱治療装置。
【請求項6】
熱伝導性要素を更に備える、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項7】
前記熱伝導性要素が、少なくとも約100W/mKの熱伝導率を有する、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項8】
前記熱伝導性要素が、約150W/mK〜約250W/mKの熱伝導率を有する、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項9】
前記熱リザーバが外表面を有する、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項10】
前記熱伝導性要素の表面の一部が、熱リザーバの外表面の上方に隆起している、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項11】
前記熱伝導性要素が、連続層を形成する、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項12】
前記熱伝導性要素が、不連続的である、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項13】
前記熱リザーバが封入要素を有し、前記熱伝導性要素が該封入要素の表面に取り付けられている、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項14】
前記熱伝導性要素が、主に金属から構成される、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項15】
前記熱伝導性要素が、伝導性織物、複合材料、プラスチック、ポリマー、ゴム、セラミック、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項16】
前記伝導性要素が、丸形の隆起突出部を有する、請求項6に記載の温熱治療装置。
【請求項17】
前記熱リザーバ又は該熱リザーバの前記封入要素の表面から測定した前記隆起部の最大の高さが、約5mm〜約50mmである、請求項16に記載の温熱治療装置。
【請求項18】
前記隆起部が、丸みを帯びた縁部を有し、支持要素の回りを回転する又はソケット内で回転する、請求項16に記載の温熱治療装置。
【請求項19】
前記熱組成物が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合にヒトの皮膚の表面温度よりも約1〜約10℃高い熱を放射する、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項20】
前記熱組成物が、鉄粉を含む熱充填物質を含む、請求項19に記載の温熱治療装置。
【請求項21】
前記熱組成物が、マイクロ波で加熱することができる熱保持物質を含む、請求項19に記載の温熱治療装置。
【請求項22】
前記熱組成物が、ヒトの皮膚の表面温度よりも約1〜約100℃低い温度を有する、請求項19に記載の温熱治療装置。
【請求項23】
前記熱充填物質が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合に約1時間〜約16時間にわたって少なくとも約40℃の温度を維持する、請求項20に記載の温熱治療装置。
【請求項24】
前記熱充填物質が、ヒトの皮膚に近接して着用された場合に少なくとも約10時間にわたって少なくとも約40℃の温度を維持する、請求項20に記載の温熱治療装置。
【請求項25】
一点の衣類の一部としての袋状要素、ベルト、又は特別に設計された小袋の中に前記装置を入れることによって皮膚に近接させて着用される、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項26】
ヒドロゲル、シリコーンゲル、ホットメルト接着剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される接着剤を使用して皮膚に近接させて着用される、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項27】
再使用可能である、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項28】
使い捨て式である、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項29】
通気性材料を含む側面、及び接着剤を含む第2の側面を有する、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項30】
前記接着剤が、ヒドロゲル、シリコーンゲル、ホットメルト接着剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項29に記載の温熱治療装置。
【請求項31】
請求項1に記載の温熱治療装置を約1時間〜約16時間にわたって着用する工程を含む、ヒトの筋肉痛及び痛みを治療するための方法。
【請求項32】
ほぼ台形の線対称形状を有する、請求項1に記載の温熱治療装置。
【請求項33】
前記ほぼ台形の非対称形状が、約11.4cm〜約15.2cm(約4.5インチ〜約6インチ)の高さ、及び約8.573cm〜約11.56cm(約3.375インチ〜約4.55インチ)の底辺を有する、請求項32に記載の温熱治療装置。
【請求項34】
前記熱組成物が約0℃以上の温度で固体である、請求項1に記載の温熱装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2010−148877(P2010−148877A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−290194(P2009−290194)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】