温調マット
【課題】基板を展開して施工した際に、谷折り用折り線部において温調用配管が配管収容用溝内に確実に収容される温調マットを提供する。
【解決手段】床暖房マット1は、小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、及びG,H間の各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折り可能となっている。各突き合わせ部T1〜T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部は、該配管収容用溝2a〜2dの他の部位よりも幅が拡大した拡幅部4となっている。
【解決手段】床暖房マット1は、小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、及びG,H間の各突き合わせ部T1〜T3に沿って谷折り可能となっている。各突き合わせ部T1〜T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部は、該配管収容用溝2a〜2dの他の部位よりも幅が拡大した拡幅部4となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の部屋の床、壁、天井等の暖房や冷房を行うための温調マットに関する。
【0002】
なお、以下の説明において、温調マットの上面とは、該温調マットを床上に施工したときの上面をいい、温調マットの下面とは、該温調マットを床上に施工したときの下面をいう。
【0003】
また、本発明において、温調マットを谷折りするとは、温調マットの基板の上面同士を重ね合わせるように折ることをいい、温調マットを山折りするとは、温調マットの基板の下面同士を重ね合わせるように折ることをいう。
【背景技術】
【0004】
板状の基板の上面の溝に温水配管を引き回した温調マットを床面上に敷設した床暖房構造が周知である。
【0005】
この温調マットとして、特開2002−106865号のように基板を折り畳み可能とし、この基板を展開させて床面上に敷設施工するものがある。
【0006】
同号公報の温調マットは、基板がその横方向の中央付近で二分されており、且つこの二分された各基板は、各々をその縦方向において一端側、中央側及び他端側に略三等分する位置で折り畳み可能となっている。この二分された基板同士は、各々の縦方向の一端側において、ヒンジ部を介して屈曲可能に連結されている。
【0007】
同号公報の温調マットを折り畳む場合には、この二分された各基板を、各々の縦方向の前記他端側と中間側との間及び該中間側と前記一端側との間で谷折り又は山折りしてそれぞれ3枚重ね状に折り畳み、次いで、各基板の下面同士を対面させるようにヒンジ部を谷折りすることにより、同号公報の図7に示される折り畳み体とする。
【特許文献1】特開2002−106865号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
配管収容用溝が臨む基板の谷折り用折り線部では、基板の谷折りに伴い、配管収容用溝の底部が該折り線部に沿って開裂するようになっている。そのため、基板を谷折りすると、その折り線部に温水配管が露出する。基板展開時には、この谷折り用折り線部の両側からそれぞれ温水配管に配管収容用溝が接近し、温水配管は、これらの間に挟み込まれるようにして該配管収容用溝内に収容される。
【0009】
しかしながら、基板を谷折りした場合、温水配管は、該谷折り用折り線部の両側の配管収容用溝から若干引き出されてこの谷折り用折り線部に露出するため、基板展開時には、その分だけ谷折り用折り線部で温水配管が弛み、温水配管が配管収容用溝からはみ出すおそれがある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、基板を谷折りすることが可能な温調マットにおいて、基板を展開して施工した際に、谷折り用折り線部において温調用配管が配管収容用溝内に確実に収容される温調マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(請求項1)の温調マットは、上面に配管収容用溝が設けられた基板と、該配管収容用溝に収容された温調用配管と、該基板に設けられた、該基板を谷折りするための谷折り用折り線部とを有し、該配管収容用溝及び該温調用配管は、該谷折り用折り線部を経て隣接する基板にまで延在している温調マットにおいて、該配管収容用溝のうち前記谷折り用折り線部に臨む部分は、該谷折り用折り線部に沿って延在しており、該温調マットを床に施工した状態において、該谷折り用折り線部に沿う該配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が該温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の温調マットは、請求項1において、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における該拡幅部の幅は、前記温調用配管の外径の1〜5倍であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の温調マットは、請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の厚さ方向において幅が略同一であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の温調マットは、請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の下面側ほど幅が大きくなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の温調マットは、請求項1ないし4のいずれか1項において、該基板は、前記配管収容用溝が該基板の下面に露呈する厚さとなっており、前記谷折り用折り線部から離隔した部位においては、該基板の下面に、該配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明(請求項1)の温調マットにあっては、谷折り用折り線部に臨む配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっているので、基板を展開させて施工した際に、温調用配管が谷折り用折り線部の配管収容用溝内にスムーズに収容される。即ち、基板展開時に谷折り用折り線部において温調用配管が弛み、その軸心が配管収容用溝の幅方向の中央からずれていても、この温調用配管を確実に拡幅部を介して配管収容用溝内に入り込ませることができる。また、温調用配管をその弛みの分まで十分に配管収容用溝内に収容することができる。これにより、基板展開後に谷折り用折り線部において温調用配管が配管収容用溝からはみ出すことが防止される。
【0017】
本発明においては、請求項2のように、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における拡幅部の幅は、過度に広いと温調マットの圧縮耐力が低下するので、温調用配管の外径の1〜5倍であることが好ましい。
【0018】
請求項3のように、温調マットを床に施工した状態において、拡幅部の幅が基板の厚さ方向において略同一であるように構成してもよい。これにより、拡幅部の形状がシンプルなものとなる。
【0019】
請求項4のように、温調マットを床に施工した状態において、拡幅部の幅が基板の下面側ほど大きくなるように構成することにより、温調用配管は、拡幅部の奥側に入り込むほど配管収容用溝の幅方向の中央側へ移動するようになる。
【0020】
本発明においては、請求項5のように、配管収容用溝が下面に露出するほど基板厚さが小さくてもよい。この場合、基板の下面に、配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートを設けることにより、基板の強度が確保される。また、この裏張りシートにより、基板の下面側への放熱も抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。
【0022】
[第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1の平面図、第2図はこの床暖房マット1の折り線部付近(第1図のII付近)の拡大図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第3図と同様部分の分解断面図、第5図は第2図のV−V線に沿う断面図、第6図は床暖房マット1を谷折りした状態を示す第5図と同様部分の断面図、第7図は床暖房マット1の谷折りの展開途中時を示す第5図と同様部分の断面図、第8図は床暖房マット1の展開後を示す第5図と同様部分の断面図、第9図は床暖房マット1の展開後の配管収容用溝の拡幅部付近の平面図である。
【0023】
なお、第1,2,9図においては、配管収容用溝の拡幅部、均熱シート及び均熱板の図示が省略されている。また、第2図においては、さらに、温水配管の図示も省略されている。
【0024】
この実施の形態では、床暖房マット1は、それぞれ略長方形状の小マットA〜Hを配列してなる。
【0025】
第1図の通り、小マットA〜Dがこの順に一列に配列され、小マットE〜Hがこの順に、且つ該小マットA〜Dに隣接するように一列に配列されている。
【0026】
小マットA〜D及びE〜Hは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間では、小マットA,E同士、B,F同士、C,G同士及びD,H同士が、それぞれ、互いの短辺同士を突き合わせるように配置されている。
【0027】
符号T1は、小マットA,B間及びE,F間の突き合わせ部を示し、T2は小マットB,C間及びF,G間の突き合わせ部を示し、T3は小マットC,D間及びG,H間の突き合わせ部を示し、T4は小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間の突き合わせ部を示している。
【0028】
この実施の形態では、床暖房マット1は、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りすると共に、小マットB,C間及びF,G間を突き合わせ部T2に沿って山折りし、次いで小マットA,E間を突き合わせ部T4に沿って山折りすることにより、折り畳み可能となっている。即ち、この実施の形態では、これらの突き合わせ部T1〜T4がそれぞれ床暖房マット1の折り線部となっており、特に突き合わせ部T1及びT3が谷折り用折り線部となっている。なお、床暖房マット1の折り畳み方法はこれに限定されない。
【0029】
小マットA〜Hは、それぞれ、小根太30,30’を挟んで配列された複数枚の細長い略長方形状の基板10〜18と、各基板10〜18の上面に設けられた配管収容用溝2と、この配管収容用溝2に収容されて基板10〜18の上面に引き回された温水配管3と、該配管収容用溝のうち折り線部としての前記突き合わせ部T1〜T3に臨む部分の幅を他の部位よりも拡大した拡幅部4と、該配管収容用溝2に配設された均熱板6と、これらの温水配管3及び均熱板6を覆うように小マットA〜Hの上面に貼着された均熱シート7と、配管収容用溝2の底部を塞ぐように各基板10〜18の下面に貼り付けられた裏張りシート8等を備えている。この拡幅部4の詳細な構成については後述する。
【0030】
第4図に示すように、この床暖房マット1にあっては、各基板10〜18は、各々の底面に配管収容用溝2が露呈する厚さとなっている。
【0031】
第3図の通り、この実施の形態では、各基板10〜18の上面からの配管収容用溝2の深さは、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。即ち、各基板10〜18の厚さも、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。
【0032】
温水配管3は、この実施の形態では、略円形の断面形状となっている。
【0033】
第4図の通り、この実施の形態では、配管収容用溝2の長手方向と直交方向(即ち配管収容用溝2の幅方向)の断面形状は略方形となっており、この配管収容用溝2の幅は、各基板10〜18の上面から下面まで略等幅となっている。
【0034】
本発明においては、温水配管3の外径は、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。また、各基板10〜18の厚さは、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。とりわけ、各基板10〜18の厚さは、通常、温水配管3の外径+0.03〜1mm、特に温水配管3の外径+0.08〜0.1mmであることが好ましい。
【0035】
裏張りシート8は、各基板10〜18の下面に露呈した配管収容用溝2を覆うように各基板10〜18の下面に沿って配置され、接着剤等により各基板10〜18の下面に貼り付けられている。
【0036】
なお、この実施の形態では、各基板10〜18に、それぞれ4条の配管収容用溝2が設けられている。該裏張りシート8は、この実施の形態では、細長い帯状のものであり、これらの配管収容用溝2を1条ずつ覆っているが、隣り合う複数の配管収容用溝2を連続して覆うものであってもよく、あるいは各基板10〜18の下面の略全体を覆うものであってもよい。
【0037】
この実施の形態では、該裏張りシート8は、低熱伝導材よりなる。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
【0038】
この裏張りシート8の熱伝導率は、通常、0.02〜0.5W/m・k、特に0.02〜0.1W/m・kであることが好ましい。
【0039】
第3,4図に示すように、均熱板6は、この実施の形態では、配管収容用溝2の内面に沿うU字部6aと、該U字部6aの両端(上端)から各基板10〜18の上面に沿って側方に延出する1対のフランジ部6bとを有した略Ω字形断面形状のものである。
【0040】
この均熱板6のU字部6aが配管収容用溝2内に配置され、その上から、温水配管3がこのU字部6a内に嵌め込まれるようにして配管収容用溝2に収容されている。
【0041】
この均熱板6は、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱板6の厚さは、通常、40〜200μm、特に70〜150μm、とりわけ100μm程度であることが好ましい。
【0042】
均熱シート7は、温調マット1の上面全体を覆う大きさ及び形状となっている。この均熱シート7も、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱シート7の厚さは、通常、30〜200μm、特に40〜100μm、とりわけ40μm程度であることが好ましい。
【0043】
第2,3図に示すように、この実施の形態では、各小根太30,30’は、それぞれ帯板状の小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを接着剤等で貼り付けてなる。この実施の形態では、これらの小根太本体30aと上下の補強板30b,30bとの厚さの合計は、各基板10〜18の厚さと略同じとなっている。
【0044】
各小根太30は、隣接する基板10〜18の長手辺21に沿って延在し、且つ各々の上面及び下面が、それぞれ隣接する基板10〜18の上面及び下面と略面一状に連続するように配設されている。
【0045】
以下に、小マットA〜Hの構成についてさらに詳細に説明する。
【0046】
この実施の形態では、小マットB,C同士及びF,G同士は、それぞれ、同一構成の2枚の小マットを第1図における上下方向を逆向きにして配列したものとなっている。また、小マットF,Gは、小マットB,Cの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットB,Cと同様となっている。小マットHも、小マットDの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットDと同様となっている。
【0047】
この実施の形態では、小マットAは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30,30’とを、各々の長手方向を各小マットAの長辺方向として、該小マットAの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0048】
小マットB,C,F,Gは、それぞれ、4枚の長方形状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットB,C,F,Gの長辺方向として、各小マットB,C,F,Gの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0049】
小マットD,Hは、それぞれ、2枚の長方形状の基板17,18と、1本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットD,Hの長辺方向として、各小マットD,Hの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0050】
小マットEは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を小マットEの長辺方向として、該小マットEの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0051】
各基板10〜18は、各々の長手辺21を隣接する小根太30,30’に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜18の長さは、各小マットA〜Hの長辺方向の幅と略等しい。また、各小根太30,30’の長さは、隣接する基板10〜18の長さよりも短い。
【0052】
小マットAの基板10,11間の小根太30’は、長い長小根太31と、短い小小根太32とからなる。該長小根太31は、小小根太32と反対側の端部を基板10,11の一端に揃えて配置され、小小根太32は、長小根太31と反対側の端部を基板10,11の他端に揃えて配置されている。これらの長小根太31と小小根太32との向い合う端部同士の間には、配管引き通し用のスペースがあいている。この小マットAの基板11,12間の小根太30は、その一端と基板11,12の該一端との間に配管引き通し用のスペースをあけ、且つその他端を基板11,12の該他端に揃えて配置されている。
【0053】
この小マットAの基板10,11同士は、該長小根太31と小小根太32との間のスペースを横切るように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットAの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の該他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この基板11,12間の連結部33は、各基板11,12の短手辺20(第2図)に沿って延在している。
【0054】
小マットB,C,F,Gにおいては、それぞれ、基板13,14同士の間及び基板15,16同士の間の各小根太30は、一端を各基板13〜16の一端に揃えるようにして配置され、基板14,15同士の間の小根太30は、他端を各基板13〜16の他端に揃えるようにして配置されている。該基板13,14同士及び15,16同士は、それぞれ、各々の間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、基板14,15同士は、これらの間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、各基板13〜16の短手辺20に沿って延在している。
【0055】
小マットD,Hにおいては、それぞれ、基板17,18同士の間の小根太30は、一端を該基板17,18の一端に揃えるようにして配置されている。該基板17,18同士は、これらの間の小根太30の他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この連結部33も、各基板17,18の短手辺20に沿って延在している。
【0056】
小マットEにおいては、基板10,11同士の間の小根太30は、一端を該基板10,11の一端に揃えるようにして配置され、基板11,12同士の間の小根太30は、他端を該基板11,12の他端に揃えるようにして配置されている。この小マットEの基板10,11同士は、これらの間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットEの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、それぞれ、各基板10〜12の短手辺20に沿って延在している。
【0057】
第1図の通り、小マットA,Eは、それぞれ、基板12を小マットB,Fの基板13に突き合わせるように配置されている。また、小マットC,Gは、それぞれ、第1図における上下方向を小マットB,Fと逆にして、各々の基板16を該小マットB,Fの基板16に突き合わせるように配置されている。小マットD,Hは、それぞれ、各々の基板17を小マットC,Gの基板13に突き合わせるように配置されている。
【0058】
以下、小マットA〜Dの列及び小マットE〜Hの列の各小根太30,30’を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30,30’から順に1列目の小根太30,30’、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30、9列目の小根太30及び10列目の小根太30と称する。
【0059】
第1図の通り、この実施の形態では、小マットA〜Dの列においては、3列目以降の奇数列目の小根太30の前記突き合わせ部T4と反対側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4と反対側の端部を外側端部ということがある。)がそれぞれ各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4と反対側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4と反対側の辺を外側辺ということがある。)に揃っており、これらの小根太30の該突き合わせ部T4側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4側の端部を内側端部ということがある。)と各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4側の辺を内側辺ということがある。)との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0060】
また、この小マットA〜Dの列における偶数列目の小根太30の内側端部はそれぞれ各小マットA〜Dの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットA〜Dの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0061】
小マットE〜Hの列においては、奇数列目の小根太30の内側端部がそれぞれ各小マットE〜Hの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットE〜Hの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。また、この小マットE〜Hの列における偶数列目の小根太30の外側端部はそれぞれ各小マットE〜Hの外側辺に揃っており、これらの小根太30の内側端部と各小マットE〜Hの内側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0062】
この実施の形態では、小マットEの基板10に、温水配管3が接続されたヘッダー(図示略)が設置されている。この基板10には、その外側辺の基板11と反対側の角部に、方形の切欠状のヘッダー設置部10aが形成されており、このヘッダー設置部10a内にヘッダーが設置されている。
【0063】
各基板10〜18の上面には、それぞれ、4条の配管収容用溝2が設けられている。
【0064】
小マットB,C,F,Gの基板14,15、小マットD,Hの基板18及び小マットEの基板11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10,11,14,15,18の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し、両短手辺20の近傍では、それぞれ、該短手辺20に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している。この湾曲部から連結部33に向った各配管収容用溝2は、それぞれ、該連結部33を通り、隣接する基板10〜18の各配管収容用溝2に連続している。
【0065】
小マットAの基板10,11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在しているが、これらのうち小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2とは、基板10,11同士の間の連結部33付近において該連結部33よりも小マットAの外側辺側と内側辺側とに分離している。これらの配管収容用溝2の該外側辺側と内側辺側とは、それぞれ、該連結部33の近傍において該連結部33に向って略四分円弧状に湾曲しており、基板10,11の小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該内側辺側同士、並びに小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該内側辺側同士が連結部33を介して連続している。
【0066】
小マットAの基板10においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
【0067】
小マットAの基板11においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
【0068】
この基板11の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍においては、各配管収容用溝2は、いずれも、該基板11に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板12の各配管収容用溝2に連続している。
【0069】
第1図に示すように、小マットAの基板10においては、各配管収容用溝2の小マットE側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。また、小マットEの基板10においても、各配管収容用溝2の小マットA側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。この小マットA側の各配管収容用溝2と小マットE側の各配管収容用溝2の端部同士は、それぞれ突き合わせ部T4を挟んで対面しており、これにより、各配管収容用溝2は該突き合わせ部T4を横切って小マットAから小マットEに連続したものとなっている。
【0070】
小マットAの基板10及び小マットEの基板10の各配管収容用溝2は、それぞれ、該突き合わせ部T4の近傍において略円弧状に湾曲しており、これにより、各々の端部は該突き合わせ部T4に沿って延在したものとなっている。なお、突き合わせ部T4を挟んで小マットA側の各配管収容用溝2の湾曲部と小マットE側の各配管収容用溝2の湾曲部とは、互いに反対方向に湾曲しており、これにより、各配管収容用溝2は、小マットA側から小マットE側にかけて略S字形に延在したものとなっている。
【0071】
小マットEの基板10においては、4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在している。これらのうち基板10,11間の小根太30に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30に2番目に近い配管収容用溝2とは、該基板10の小マットE外側辺側の短手辺20の近傍において、該基板10に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板11の4条の配管収容用溝2のうちの2条に連続している。
【0072】
この基板10の残りの2条の配管収容用溝2は、それぞれ、小マットE外側辺側において、各々の末端が前記ヘッダー設置部10aに臨んでいる。また、隣接する基板11の配管収容用溝2のうち該基板10の配管収容用溝2と連なっていない残りの2条も、それぞれ、基板10,11間の連結部33を通って該基板10上に入り込んだ後、各々の末端が該ヘッダー設置部10aに臨んでいる。
【0073】
小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、及びG,H間の各突き合わせ部T1〜T3(即ち床暖房マット1の折り線部)に臨む各基板12,13,16,17においては、各々の4条の配管収容用溝2のうちの2条(第2図における配管収容用溝2a,2b)は、それぞれ、該基板12,13,16,17の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し、該基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20の近傍では、該連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している。以下、これらのうち、基板12,13,16,17に隣接する小根太30に近い方を第1の配管収容用溝2aといい、該小根太30から遠い方を第2の配管収容用溝2bという。
【0074】
第1,2図の通り、該第1の配管収容用溝2aは、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20の近傍においては、略半円弧状にUターンし、次いで略S字形に蛇行するように延在して、その末端が基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。また、該第2の配管収容用溝2bは、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20に向う途中で突き合わせ部T1〜T3側へ湾曲し、その末端が基板12,13,16,17の該突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。
【0075】
各基板12,13,16,17の残りの2条の配管収容用溝2(第2図における配管収容用溝2c,2d)は、該基板12,13,16,17に連なる連結部33から該基板12,13,16,17をその略短手辺方向に横切るように延在し、各々の末端は基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。以下、これらのうち、基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20から遠い方を第3の配管収容用溝2cといい、該短手辺20に近い方を第4の配管収容用溝2dという。
【0076】
これらの第3の配管収容用溝2c及び第4の配管収容用溝2dは、それぞれ、連結部33から離隔するほど該短手辺20から遠ざかるように略四分円弧状に湾曲して延在している。
【0077】
各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21において、該基板12,13,16,17の連結部33から遠い方の短手辺20から第1の配管収容用溝2aの該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第4の配管収容用溝2dの該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。また、連結部33から遠い方の短手辺20から第2の配管収容用溝2bの該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第3の配管収容用溝2cの該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。
【0078】
これにより、隣接する小マットA,B間及びE,F間の基板12,13同士の間、小マットB,C間及びF,G間の基板16,16同士の間、並びに小マットC,D間及びG,H間の基板13,17同士の間においては、突き合わせ部T1〜T3を挟んだ一方の基板の第1の配管収容用溝2aと他方の基板の第4の配管収容用溝2d、該一方の基板の第2の配管収容用溝2bと該他方の基板の第3の配管収容用溝2c、該一方の基板の第3の配管収容用溝2cと該他方の基板の第2の配管収容用溝2b、及び該一方の基板の第4の配管収容用溝2dと該他方の基板の第1の配管収容用溝2aの端部同士がそれぞれ対面し、これらの配管収容用溝2a,2d同士、2b,2c同士、2c,2b同士及び2d,2a同士が突き合わせ部T1〜T3を横切ってそれぞれ連続したものとなっている。
【0079】
これらの配管収容用溝2a〜2dの端部は、それぞれ、各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に沿って延在したものとなっており、この端部に向って各配管収容用溝2a〜2dが緩やかに湾曲している。また、第1,2図の通り、各突き合わせ部T1〜T3を挟んで対向する配管収容用溝2a〜2d同士は、互いに反対側に向って凸となるように湾曲しており、これにより、これらの配管収容用溝2a〜2dは、各突き合わせ部T1〜T3を挟んだ一方の基板から他方の基板にかけて略S字形に連続したものとなっている。
【0080】
なお、このように端部が突き合わせ部T1〜T3(即ち床暖房マット1の折り線部)に臨む各基板12,13,16,17の配管収容用溝2a〜2dの湾曲部は、それぞれ、第1,2図に示すように、できるだけ曲率半径の大きい曲線を描くように湾曲して延在していることが好ましい。特に、第2図の通り、各基板12,13,16,17の4条の配管収容用溝2a〜2dのうち前記第3の配管収容用溝2cの湾曲部の曲率半径が最も大きくなるように構成することが好ましい。
【0081】
この床暖房マット1においては、前記拡幅部4は、第2,9図に示すように、各基板12,13,16,17において、各突き合わせ部T1〜T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部の幅を該配管収容用溝2a〜2dのその他の部位よりも拡大したものである。この拡幅部4は、各突き合わせ部T1〜T3に臨む該配管収容用溝2a〜2dの端部の内壁面を該突き合わせ部T1〜T3から離反する方向へ所定幅にわたって切り欠くようにして形成されている。
【0082】
なお、この実施の形態では、第2,9図の通り、近接する第1の配管収容用溝2aと第2の配管収容用溝2bとの端部同士の間、並びに第3の配管収容用溝2cと第4の配管収容用溝2dとの端部同士の間の各基板12,13,16,17の長手辺21をもそれぞれ切り欠くようにして拡幅部4を形成しており、これにより、該第1の配管収容用溝2aと第2の配管収容用溝2bの端部同士、及び第3の配管収容用溝2cと第4の配管収容用溝2dの端部同士がそれぞれ拡幅部4を介して連通したものとなっている。
【0083】
この実施の形態では、第5図に示すように、拡幅部4は、床暖房マット1を展開した状態において、各基板12,13,16,17の下面から上面まで略等幅となっている。この拡幅部4も、配管収容用溝2の他の部位と同様、各基板12,13,16,17の下面に露呈している。
【0084】
本発明においては、この拡幅部4の幅W(第5図)は、温水配管3の外径よりも大きなものとなっており、特に温水配管3の外径の1.1〜5倍、とりわけ2〜3倍であることが好ましい。
【0085】
温水配管3は、これらの配管収容用溝2及び拡幅部4に収容されて基板10〜18に連続して引き回されていると共に、T1〜T4を横切って小マットA〜Hに連続して引き回されている。
【0086】
なお、この実施の形態では、前述の通り、配管収容用溝2のうち各突き合わせ部T1〜T4を横切る部分は、それぞれ、該突き合わせ部T1〜T4に沿って延在したものとなっている。従って、温水配管3のうち各突き合わせ部T1〜T4を横切る部分も、この配管収容用溝2に収容されることにより、該突き合わせ部T1〜T4に沿って延在したものとなる。
【0087】
そのため、これらの突き合わせ部T1〜T4に沿って基板A,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間を折り曲げた際には、温水配管3は、第6図のように、これらの突き合わせ部T1〜T4を横切る部分がそれぞれその軸心回りに捩れるようにして曲がる。これにより、基板A,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間の折り曲げに伴い、温水配管3が座屈して破損することが防止される。
【0088】
この実施の形態では、温水配管3は、一端がヘッダー設置部10a内のヘッダーに接続され、小マットEの基板10から突き合わせ部T4を横切って小マットAの基板10に引き回され、次いで、この小マットAの基板10から各連結部33及び該小マットAの基板11,12、小マットBの13〜16、小マットCの基板16〜13、小マットDの基板17を通って該小マットDの基板18まで引き回され、次いで、この小マットDの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットDの基板17、小マットCの基板13〜16、小マットDの基板16〜13、小マットAの基板12,11を通って該小マットAの基板10に戻り、その後、この小マットAの基板10から突き合わせ部T4を横切って小マットEの基板10に引き回され、次に、この小マットEの基板10から各連結部33及び該小マットEの基板11,12、小マットFの13〜16、小マットGの基板16〜13、小マットHの基板17を通って該小マットHの基板18まで引き回され、次いで、この小マットHの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットHの基板17、小マットGの基板13〜16、小マットFの基板16〜13、小マットEの基板12,11を通って該小マットEの基板10に戻り、他端が前記ヘッダーに接続されている。
【0089】
なお、温水配管3の配管ルートはこれに限定されない。
【0090】
第3〜8図のように、この実施の形態では、小マットA,Bの上面を覆う均熱シート7、小マットC,Dの上面を覆う均熱シート7、小マットE,Fの上面を覆う均熱シート7及び小マットG,Hの上面を覆う均熱シート7は、それぞれ、これらの間の突き合わせ部T1、T3を跨いで連続したものとなっている。また、小マットB,C間及び小マットF,G間においては、均熱シート7は、それぞれ、突き合わせ部T2に沿って分断されている。さらに、小マットA〜Dの列を覆う均熱シート7と、小マットE〜Hの列を覆う均熱シート7とは、突き合わせ部T4に沿って分断されている。
【0091】
これにより、この実施の形態では、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りしうると共に、小マットB,C間及びF,G間並びに小マットA,E間をそれぞれ突き合わせ部T2、T4に沿って山折りしうるものとなっている。
【0092】
このように構成された床暖房マット1は、上記の通り、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りすると共に、小マットB,C間及びF,G間を突き合わせ部T2に沿って山折りし、次いで小マットA,E間を突き合わせ部T4に沿って山折りすることにより折り畳まれた状態で出荷される。
【0093】
この突き合わせ部T1、T3に沿う谷折りに伴い、第6図に示すように、各突き合わせ部T1、T3に臨む基板12,13同士(小マットA,B間及びE,F間)並びに基板16,17同士(小マットC,D間及びG,H間)の間がそれぞれ開裂し、各突き合わせ部T1、T3に温水配管3が露出する。この際、基板の開裂に伴い、温水配管3は、各突き合わせ部T1、T3の両側の配管収容用溝2a〜2dから若干引き出されて各突き合わせ部T1、T3に露出する。
【0094】
施工時には、この床暖房マット1の折り畳み体を施工現場に搬入し、小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間の折りをそれぞれ開いて床暖房マット1を床上に広げる。
【0095】
この床暖房マット1にあっては、各突き合わせ部T1、T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部は、それぞれ該配管収容用溝2a〜2dの他の部分よりも幅が広い拡幅部4となっているので、床暖房マット1を展開させて施工した際に、温水配管3が各突き合わせ部T1、T3を横切る配管収容用溝2a〜2d内にスムーズに収容される。即ち、第7〜9図の通り、床暖房マット1の展開時に各突き合わせ部T1、T3において温水配管3が弛み、その軸心が該配管収容用溝2a〜2dの幅方向の中央からずれていても、この温水配管3を確実に拡幅部4を介して配管収容用溝2a〜2d内に入り込ませることができる。また、温水配管3をその弛みの分まで十分に配管収容用溝2a〜2d内に収容することができる。これにより、床暖房マット1の展開後に各突き合わせ部T1、T3において温水配管3が配管収容用溝2a〜2dからはみ出すことが防止される。
【0096】
この実施の形態では、各基板10〜18は、各々の上面に設けられた配管収容用溝2が下面に露呈するほど厚さが小さいものとなっているが、各突き合わせ部T1、T3では拡幅部4内に温水配管3が収容されるため、このように基板10〜18の厚さを小さくしても十分に温水配管3の配管収容用溝2a〜2dからのはみ出しを防止することができる。
【0097】
なお、このように各基板10〜18の厚さを、各々の下面に配管収容用溝2が露呈するほど小さくしたことにより、床暖房マット1の全体の厚さもきわめて小さいものとなっている。
【0098】
この実施の形態では、各基板10〜18の下面に、各配管収容用溝2を塞ぐように裏張りシート8が貼り付けられているので、各基板10〜18の下面側の強度も確保される。また、この裏張りシート8により、各配管収容用溝2からの各基板10〜18の下面側への放熱も抑制される。
【0099】
図示は省略するが、この床暖房マット1を用いて暖房床を構築する場合には、床下地(例えば床のリフォームの場合には既存の床)上にこの床暖房マット1を敷き、その上に仕上げ床材を敷設する。上記の通り、この床暖房マット1にあっては、厚さが小さいので、この床暖房マット1を敷設した床のレベルと、この床暖房マット1を敷設していない部屋の床レベルとの差を小さく抑えることができる。
【0100】
また、このように床暖房マット1の厚さが小さいので、その分だけ、この床暖房マット1の上に敷設される仕上げ床材として厚さの大きいものを用いても、床のレベルが過度に高くなることが防止される。このように仕上げ床材として厚さの大きいものを用いることにより、構築された暖房床の強度及び剛性を高めることができる。また、仕上げ床材の選択の自由度も高まる。
【0101】
[拡幅部の別の構成例]
第10図は拡幅部の別の構成例を示す第5図と同様部分の断面図である。
【0102】
この実施の形態の拡幅部4Aは、第10図の通り、床暖房マットを展開した状態において、各基板12,13の下面側ほど幅が広くなる略台形の断面形状となっている。床暖房マットを展開した状態における該拡幅部4Aの基板下面側の幅W1は、前述の実施の形態における拡幅部4と同様、温水配管3の外径の2〜5倍であることが好ましい。この実施の形態では、床暖房マットを展開した状態における該拡幅部4Aの基板上面側の幅W2は、配管収容用溝2a〜2bの他の部分の幅と略同等かそれよりも若干広いものとなっている。
【0103】
この拡幅部4Aにあっても、基板下面側が幅広となっているので、床暖房マット展開時に突き合わせ部T1、T3において温水配管3が弛み、その軸心が配管収容用溝2a〜2dの中央からずれていても、この拡幅部4Aを介して確実に温水配管3を配管収容用溝2a〜2d内に入り込ませることができる。また、この拡幅部4Aは、基板上面側ほど幅が狭まっているので、温水配管3がこの拡幅部4Aの奥側に入り込むほど配管収容用溝2a〜2dの中央側へ移動するようになる。
【0104】
なお、この実施の形態では、拡幅部4Aは、基板下面から上面にかけて幅が狭くなる断面形状とされているが、基板厚さ方向の途中部から下面側にかけては徐々に幅が広くなり、該途中部から上面側にかけては幅が略同一である断面形状とされてもよい。ただし、拡幅部の形状は上記の各形状に限定されない。
【0105】
[別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1A]
第11図は別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1Aの断面図であり、第12図はこの床暖房マット1Aの分解断面図である。なお、第11図及び第12図は、前述の第3図と同様の部分における断面を示している。
【0106】
この床暖房マット1Aは、前述の第1〜10図の床暖房マット1において、各基板10〜18(第9,10図では基板10〜12,16〜18は図示略。以下、同様。)に、略方形断面形状の配管収容用溝2の代わりに、略U字形断面形状の配管収容用溝2Aが形成された構成となっている。
【0107】
第11,12図の通り、この配管収容用溝2Aの断面形状は、その底部が該温水配管3の外面に沿うように半円弧状に湾曲した略U字形となっている。この配管収容用溝2の底部の幅方向の中央付近が、各基板10〜18を貫通して各基板10〜18の下面に露呈している。
【0108】
この床暖房マット1Aのその他の構成は、第1〜10図の床暖房マット1と同様となっており、第11,12図において第1〜8図と同一符号は同一部分を示している。
【0109】
この床暖房マット1Aにあっては、各配管収容用溝2Aの断面形状を略U字形としたことにより、各基板10〜18の下面に露呈する各配管収容用溝2Aの幅が小さくなっている。このように構成したことにより、各配管収容用溝2Aからの各基板10〜18の下面への放熱が抑制される。
【0110】
なお、この床暖房マット1Aにあっても、第1〜10図の床暖房マット1と同様の作用効果が奏される。
【0111】
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
基板としては例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
【0113】
本発明においては、裏張りシートは、前述の通り、低熱伝導材よりなることが好ましい。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
【0114】
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂あるいは合成樹脂発泡体等が好ましい。
【0115】
上記の各実施の形態における小根太30,30’のように、小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを貼り付ける場合には、該小根太本体30aとしては、例えば合板等を用いることができ、補強板30bとしては、金属板又は金属箔や、樹脂板、あるいは金属と樹脂との複合材料よりなる板材等を用いることがきる。なお、この場合、該補強板30bの厚さは、該補強板30bに釘が入る程度のものとする。
【0116】
ただし、小根太の構成はこれに限定されない。例えば、本発明においては、補強板は小根太本体の上面又は下面の一方にのみ設けられてもよい。また、小根太本体が十分な強度を有していれば、補強板は省略されてもよい。
【0117】
均熱シート及び均熱板としては、アルミ又は銅等の金属箔が好ましい。
【0118】
均熱シートの表面にポリエチレンテレフタレート等のフィルムをラミネートすることにより、温調マットの梱包時や運搬時等に均熱シートの破損を防止することができる。なお、このフィルムの材質はポリエチレンテレフタレート以外であってもよい。
【0119】
温水配管としては、可撓性のポリエチレン等の合成樹脂チューブや銅パイプが例示される。
【0120】
[その他の構成]
上記の実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
【0121】
本発明の温調マットを構成する基板の枚数に特に制限はなく、上記以外の枚数の基板を用いて温調マットを構成してもよい。
【0122】
本発明においては、配管収容用溝の内側にも、この溝の底部を塞ぐように低熱伝導材が設けられてもよい。また、均熱板が設けられる場合には、この均熱板の外面に低熱伝導材が貼り付けられてもよい。このように構成することにより、基板の下面側への放熱が一層抑制される。
【0123】
本発明では、少なくとも裏貼りシートの下側に、耐貫通性を有する貫通防止層を設けてもよい。このように構成することにより、例えば床下地の表面がささくれて、鋭く尖った棘が突き出ていても、この棘が裏貼りシートを貫通して温調用配管に突き刺さることが防止される。
【0124】
この貫通防止層としては、合成樹脂製の単層又は複層シートが好適である。
【0125】
なお、ワックスが塗布された既存床上に温調マットを敷設して温調床を構築した場合には、この温調マットからの熱により既存床表面のワックスが溶け出すおそれがある。この場合、温調床上を人が歩いたときに、この溶け出したワックスにより温調マットが既存床上を滑って音鳴りすることがある。
【0126】
そのため、本発明では、貫通防止層の下側に紙又は不織布よりなるワックス吸収層を設けてもよい。このように構成することにより、既存床表面のワックスが溶け出しても、このワックスがワックス吸収層によって吸収されるため、温調マットが滑って音鳴りすることが防止ないし抑制される。
【0127】
本発明では、貫通防止層自体を紙又は不織布により構成し、この貫通防止層自体がワックスを吸収しうるように構成してもよい。
【0128】
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1の平面図である。
【図2】図1の床暖房マット1の折り線部付近の拡大図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2と同様部分の分解断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】床暖房マット1を谷折りした状態を示す図5と同様部分の断面図である。
【図7】床暖房マット1の展開途中時を示す図5と同様部分の断面図である。
【図8】床暖房マット1の展開後の図5と同様部分の断面図である。
【図9】床暖房マット1の展開後の配管収容用溝の拡幅部付近の平面図である。
【図10】拡幅部の別の構成例を示す断面図である。
【図11】別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1Aの断面図である。
【図12】図11の床暖房マット1Aの分解断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1,1A 床暖房マット
2,2a〜2d,2A 配管収容用溝
3 温水配管
4,4A 拡幅部
6 均熱板
6a U字部
6b フランジ部
7 均熱シート
8 裏張りシート
10〜18 基板
30 小根太
30a 小根太本体
30b 補強板
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の部屋の床、壁、天井等の暖房や冷房を行うための温調マットに関する。
【0002】
なお、以下の説明において、温調マットの上面とは、該温調マットを床上に施工したときの上面をいい、温調マットの下面とは、該温調マットを床上に施工したときの下面をいう。
【0003】
また、本発明において、温調マットを谷折りするとは、温調マットの基板の上面同士を重ね合わせるように折ることをいい、温調マットを山折りするとは、温調マットの基板の下面同士を重ね合わせるように折ることをいう。
【背景技術】
【0004】
板状の基板の上面の溝に温水配管を引き回した温調マットを床面上に敷設した床暖房構造が周知である。
【0005】
この温調マットとして、特開2002−106865号のように基板を折り畳み可能とし、この基板を展開させて床面上に敷設施工するものがある。
【0006】
同号公報の温調マットは、基板がその横方向の中央付近で二分されており、且つこの二分された各基板は、各々をその縦方向において一端側、中央側及び他端側に略三等分する位置で折り畳み可能となっている。この二分された基板同士は、各々の縦方向の一端側において、ヒンジ部を介して屈曲可能に連結されている。
【0007】
同号公報の温調マットを折り畳む場合には、この二分された各基板を、各々の縦方向の前記他端側と中間側との間及び該中間側と前記一端側との間で谷折り又は山折りしてそれぞれ3枚重ね状に折り畳み、次いで、各基板の下面同士を対面させるようにヒンジ部を谷折りすることにより、同号公報の図7に示される折り畳み体とする。
【特許文献1】特開2002−106865号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
配管収容用溝が臨む基板の谷折り用折り線部では、基板の谷折りに伴い、配管収容用溝の底部が該折り線部に沿って開裂するようになっている。そのため、基板を谷折りすると、その折り線部に温水配管が露出する。基板展開時には、この谷折り用折り線部の両側からそれぞれ温水配管に配管収容用溝が接近し、温水配管は、これらの間に挟み込まれるようにして該配管収容用溝内に収容される。
【0009】
しかしながら、基板を谷折りした場合、温水配管は、該谷折り用折り線部の両側の配管収容用溝から若干引き出されてこの谷折り用折り線部に露出するため、基板展開時には、その分だけ谷折り用折り線部で温水配管が弛み、温水配管が配管収容用溝からはみ出すおそれがある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、基板を谷折りすることが可能な温調マットにおいて、基板を展開して施工した際に、谷折り用折り線部において温調用配管が配管収容用溝内に確実に収容される温調マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(請求項1)の温調マットは、上面に配管収容用溝が設けられた基板と、該配管収容用溝に収容された温調用配管と、該基板に設けられた、該基板を谷折りするための谷折り用折り線部とを有し、該配管収容用溝及び該温調用配管は、該谷折り用折り線部を経て隣接する基板にまで延在している温調マットにおいて、該配管収容用溝のうち前記谷折り用折り線部に臨む部分は、該谷折り用折り線部に沿って延在しており、該温調マットを床に施工した状態において、該谷折り用折り線部に沿う該配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が該温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の温調マットは、請求項1において、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における該拡幅部の幅は、前記温調用配管の外径の1〜5倍であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の温調マットは、請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の厚さ方向において幅が略同一であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の温調マットは、請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の下面側ほど幅が大きくなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の温調マットは、請求項1ないし4のいずれか1項において、該基板は、前記配管収容用溝が該基板の下面に露呈する厚さとなっており、前記谷折り用折り線部から離隔した部位においては、該基板の下面に、該配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明(請求項1)の温調マットにあっては、谷折り用折り線部に臨む配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっているので、基板を展開させて施工した際に、温調用配管が谷折り用折り線部の配管収容用溝内にスムーズに収容される。即ち、基板展開時に谷折り用折り線部において温調用配管が弛み、その軸心が配管収容用溝の幅方向の中央からずれていても、この温調用配管を確実に拡幅部を介して配管収容用溝内に入り込ませることができる。また、温調用配管をその弛みの分まで十分に配管収容用溝内に収容することができる。これにより、基板展開後に谷折り用折り線部において温調用配管が配管収容用溝からはみ出すことが防止される。
【0017】
本発明においては、請求項2のように、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における拡幅部の幅は、過度に広いと温調マットの圧縮耐力が低下するので、温調用配管の外径の1〜5倍であることが好ましい。
【0018】
請求項3のように、温調マットを床に施工した状態において、拡幅部の幅が基板の厚さ方向において略同一であるように構成してもよい。これにより、拡幅部の形状がシンプルなものとなる。
【0019】
請求項4のように、温調マットを床に施工した状態において、拡幅部の幅が基板の下面側ほど大きくなるように構成することにより、温調用配管は、拡幅部の奥側に入り込むほど配管収容用溝の幅方向の中央側へ移動するようになる。
【0020】
本発明においては、請求項5のように、配管収容用溝が下面に露出するほど基板厚さが小さくてもよい。この場合、基板の下面に、配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートを設けることにより、基板の強度が確保される。また、この裏張りシートにより、基板の下面側への放熱も抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、床暖房マットへの本発明の適用例である。
【0022】
[第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1]
第1図は第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1の平面図、第2図はこの床暖房マット1の折り線部付近(第1図のII付近)の拡大図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第3図と同様部分の分解断面図、第5図は第2図のV−V線に沿う断面図、第6図は床暖房マット1を谷折りした状態を示す第5図と同様部分の断面図、第7図は床暖房マット1の谷折りの展開途中時を示す第5図と同様部分の断面図、第8図は床暖房マット1の展開後を示す第5図と同様部分の断面図、第9図は床暖房マット1の展開後の配管収容用溝の拡幅部付近の平面図である。
【0023】
なお、第1,2,9図においては、配管収容用溝の拡幅部、均熱シート及び均熱板の図示が省略されている。また、第2図においては、さらに、温水配管の図示も省略されている。
【0024】
この実施の形態では、床暖房マット1は、それぞれ略長方形状の小マットA〜Hを配列してなる。
【0025】
第1図の通り、小マットA〜Dがこの順に一列に配列され、小マットE〜Hがこの順に、且つ該小マットA〜Dに隣接するように一列に配列されている。
【0026】
小マットA〜D及びE〜Hは、それぞれ、互いの長辺同士を突き合わせるように配置されている。また、小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間では、小マットA,E同士、B,F同士、C,G同士及びD,H同士が、それぞれ、互いの短辺同士を突き合わせるように配置されている。
【0027】
符号T1は、小マットA,B間及びE,F間の突き合わせ部を示し、T2は小マットB,C間及びF,G間の突き合わせ部を示し、T3は小マットC,D間及びG,H間の突き合わせ部を示し、T4は小マットA〜Dの列と小マットE〜Hの列との間の突き合わせ部を示している。
【0028】
この実施の形態では、床暖房マット1は、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りすると共に、小マットB,C間及びF,G間を突き合わせ部T2に沿って山折りし、次いで小マットA,E間を突き合わせ部T4に沿って山折りすることにより、折り畳み可能となっている。即ち、この実施の形態では、これらの突き合わせ部T1〜T4がそれぞれ床暖房マット1の折り線部となっており、特に突き合わせ部T1及びT3が谷折り用折り線部となっている。なお、床暖房マット1の折り畳み方法はこれに限定されない。
【0029】
小マットA〜Hは、それぞれ、小根太30,30’を挟んで配列された複数枚の細長い略長方形状の基板10〜18と、各基板10〜18の上面に設けられた配管収容用溝2と、この配管収容用溝2に収容されて基板10〜18の上面に引き回された温水配管3と、該配管収容用溝のうち折り線部としての前記突き合わせ部T1〜T3に臨む部分の幅を他の部位よりも拡大した拡幅部4と、該配管収容用溝2に配設された均熱板6と、これらの温水配管3及び均熱板6を覆うように小マットA〜Hの上面に貼着された均熱シート7と、配管収容用溝2の底部を塞ぐように各基板10〜18の下面に貼り付けられた裏張りシート8等を備えている。この拡幅部4の詳細な構成については後述する。
【0030】
第4図に示すように、この床暖房マット1にあっては、各基板10〜18は、各々の底面に配管収容用溝2が露呈する厚さとなっている。
【0031】
第3図の通り、この実施の形態では、各基板10〜18の上面からの配管収容用溝2の深さは、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。即ち、各基板10〜18の厚さも、温水配管3の外径と略等しいものとなっている。
【0032】
温水配管3は、この実施の形態では、略円形の断面形状となっている。
【0033】
第4図の通り、この実施の形態では、配管収容用溝2の長手方向と直交方向(即ち配管収容用溝2の幅方向)の断面形状は略方形となっており、この配管収容用溝2の幅は、各基板10〜18の上面から下面まで略等幅となっている。
【0034】
本発明においては、温水配管3の外径は、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。また、各基板10〜18の厚さは、通常、5〜10mm、特に6〜7mmであることが好ましい。とりわけ、各基板10〜18の厚さは、通常、温水配管3の外径+0.03〜1mm、特に温水配管3の外径+0.08〜0.1mmであることが好ましい。
【0035】
裏張りシート8は、各基板10〜18の下面に露呈した配管収容用溝2を覆うように各基板10〜18の下面に沿って配置され、接着剤等により各基板10〜18の下面に貼り付けられている。
【0036】
なお、この実施の形態では、各基板10〜18に、それぞれ4条の配管収容用溝2が設けられている。該裏張りシート8は、この実施の形態では、細長い帯状のものであり、これらの配管収容用溝2を1条ずつ覆っているが、隣り合う複数の配管収容用溝2を連続して覆うものであってもよく、あるいは各基板10〜18の下面の略全体を覆うものであってもよい。
【0037】
この実施の形態では、該裏張りシート8は、低熱伝導材よりなる。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
【0038】
この裏張りシート8の熱伝導率は、通常、0.02〜0.5W/m・k、特に0.02〜0.1W/m・kであることが好ましい。
【0039】
第3,4図に示すように、均熱板6は、この実施の形態では、配管収容用溝2の内面に沿うU字部6aと、該U字部6aの両端(上端)から各基板10〜18の上面に沿って側方に延出する1対のフランジ部6bとを有した略Ω字形断面形状のものである。
【0040】
この均熱板6のU字部6aが配管収容用溝2内に配置され、その上から、温水配管3がこのU字部6a内に嵌め込まれるようにして配管収容用溝2に収容されている。
【0041】
この均熱板6は、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱板6の厚さは、通常、40〜200μm、特に70〜150μm、とりわけ100μm程度であることが好ましい。
【0042】
均熱シート7は、温調マット1の上面全体を覆う大きさ及び形状となっている。この均熱シート7も、アルミや銅等の金属箔よりなる。この均熱シート7の厚さは、通常、30〜200μm、特に40〜100μm、とりわけ40μm程度であることが好ましい。
【0043】
第2,3図に示すように、この実施の形態では、各小根太30,30’は、それぞれ帯板状の小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを接着剤等で貼り付けてなる。この実施の形態では、これらの小根太本体30aと上下の補強板30b,30bとの厚さの合計は、各基板10〜18の厚さと略同じとなっている。
【0044】
各小根太30は、隣接する基板10〜18の長手辺21に沿って延在し、且つ各々の上面及び下面が、それぞれ隣接する基板10〜18の上面及び下面と略面一状に連続するように配設されている。
【0045】
以下に、小マットA〜Hの構成についてさらに詳細に説明する。
【0046】
この実施の形態では、小マットB,C同士及びF,G同士は、それぞれ、同一構成の2枚の小マットを第1図における上下方向を逆向きにして配列したものとなっている。また、小マットF,Gは、小マットB,Cの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットB,Cと同様となっている。小マットHも、小マットDの長辺を小マットEの長辺と略同長さまで延長した如き構成となっており、それ以外の構成は小マットDと同様となっている。
【0047】
この実施の形態では、小マットAは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30,30’とを、各々の長手方向を各小マットAの長辺方向として、該小マットAの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0048】
小マットB,C,F,Gは、それぞれ、4枚の長方形状の基板13〜16と、3本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットB,C,F,Gの長辺方向として、各小マットB,C,F,Gの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0049】
小マットD,Hは、それぞれ、2枚の長方形状の基板17,18と、1本の小根太30とを、各々の長手方向を各小マットD,Hの長辺方向として、各小マットD,Hの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0050】
小マットEは、3枚の長方形状の基板10〜12と、2本の小根太30とを、各々の長手方向を小マットEの長辺方向として、該小マットEの短辺方向に交互に配列した構成となっている。
【0051】
各基板10〜18は、各々の長手辺21を隣接する小根太30,30’に突き合わせるようにして配置されている。各基板10〜18の長さは、各小マットA〜Hの長辺方向の幅と略等しい。また、各小根太30,30’の長さは、隣接する基板10〜18の長さよりも短い。
【0052】
小マットAの基板10,11間の小根太30’は、長い長小根太31と、短い小小根太32とからなる。該長小根太31は、小小根太32と反対側の端部を基板10,11の一端に揃えて配置され、小小根太32は、長小根太31と反対側の端部を基板10,11の他端に揃えて配置されている。これらの長小根太31と小小根太32との向い合う端部同士の間には、配管引き通し用のスペースがあいている。この小マットAの基板11,12間の小根太30は、その一端と基板11,12の該一端との間に配管引き通し用のスペースをあけ、且つその他端を基板11,12の該他端に揃えて配置されている。
【0053】
この小マットAの基板10,11同士は、該長小根太31と小小根太32との間のスペースを横切るように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットAの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の該他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この基板11,12間の連結部33は、各基板11,12の短手辺20(第2図)に沿って延在している。
【0054】
小マットB,C,F,Gにおいては、それぞれ、基板13,14同士の間及び基板15,16同士の間の各小根太30は、一端を各基板13〜16の一端に揃えるようにして配置され、基板14,15同士の間の小根太30は、他端を各基板13〜16の他端に揃えるようにして配置されている。該基板13,14同士及び15,16同士は、それぞれ、各々の間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、基板14,15同士は、これらの間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、各基板13〜16の短手辺20に沿って延在している。
【0055】
小マットD,Hにおいては、それぞれ、基板17,18同士の間の小根太30は、一端を該基板17,18の一端に揃えるようにして配置されている。該基板17,18同士は、これらの間の小根太30の他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。この連結部33も、各基板17,18の短手辺20に沿って延在している。
【0056】
小マットEにおいては、基板10,11同士の間の小根太30は、一端を該基板10,11の一端に揃えるようにして配置され、基板11,12同士の間の小根太30は、他端を該基板11,12の他端に揃えるようにして配置されている。この小マットEの基板10,11同士は、これらの間の小根太30の前記他端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。また、この小マットEの基板11,12同士は、これらの間の小根太30の前記一端側を回り込むように形成された連結部33によって連結されている。これらの連結部33も、それぞれ、各基板10〜12の短手辺20に沿って延在している。
【0057】
第1図の通り、小マットA,Eは、それぞれ、基板12を小マットB,Fの基板13に突き合わせるように配置されている。また、小マットC,Gは、それぞれ、第1図における上下方向を小マットB,Fと逆にして、各々の基板16を該小マットB,Fの基板16に突き合わせるように配置されている。小マットD,Hは、それぞれ、各々の基板17を小マットC,Gの基板13に突き合わせるように配置されている。
【0058】
以下、小マットA〜Dの列及び小マットE〜Hの列の各小根太30,30’を、それぞれ、第1図において最も左側に配置された小根太30,30’から順に1列目の小根太30,30’、2列目の小根太30、3列目の小根太30、4列目の小根太30、5列目の小根太30、6列目の小根太30、7列目の小根太30、8列目の小根太30、9列目の小根太30及び10列目の小根太30と称する。
【0059】
第1図の通り、この実施の形態では、小マットA〜Dの列においては、3列目以降の奇数列目の小根太30の前記突き合わせ部T4と反対側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4と反対側の端部を外側端部ということがある。)がそれぞれ各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4と反対側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4と反対側の辺を外側辺ということがある。)に揃っており、これらの小根太30の該突き合わせ部T4側の端部(以下、各小根太30,30’の突き合わせ部T4側の端部を内側端部ということがある。)と各小マットA〜Dの該突き合わせ部T4側の辺(以下、各小マットA〜Hの突き合わせ部T4側の辺を内側辺ということがある。)との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0060】
また、この小マットA〜Dの列における偶数列目の小根太30の内側端部はそれぞれ各小マットA〜Dの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットA〜Dの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0061】
小マットE〜Hの列においては、奇数列目の小根太30の内側端部がそれぞれ各小マットE〜Hの内側辺に揃っており、これらの小根太30の外側端部と各小マットE〜Hの外側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。また、この小マットE〜Hの列における偶数列目の小根太30の外側端部はそれぞれ各小マットE〜Hの外側辺に揃っており、これらの小根太30の内側端部と各小マットE〜Hの内側辺との間のスペースにそれぞれ連結部33が配置されている。
【0062】
この実施の形態では、小マットEの基板10に、温水配管3が接続されたヘッダー(図示略)が設置されている。この基板10には、その外側辺の基板11と反対側の角部に、方形の切欠状のヘッダー設置部10aが形成されており、このヘッダー設置部10a内にヘッダーが設置されている。
【0063】
各基板10〜18の上面には、それぞれ、4条の配管収容用溝2が設けられている。
【0064】
小マットB,C,F,Gの基板14,15、小マットD,Hの基板18及び小マットEの基板11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10,11,14,15,18の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し、両短手辺20の近傍では、それぞれ、該短手辺20に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している。この湾曲部から連結部33に向った各配管収容用溝2は、それぞれ、該連結部33を通り、隣接する基板10〜18の各配管収容用溝2に連続している。
【0065】
小マットAの基板10,11においては、各々の4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在しているが、これらのうち小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2とは、基板10,11同士の間の連結部33付近において該連結部33よりも小マットAの外側辺側と内側辺側とに分離している。これらの配管収容用溝2の該外側辺側と内側辺側とは、それぞれ、該連結部33の近傍において該連結部33に向って略四分円弧状に湾曲しており、基板10,11の小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該外側辺側同士、小根太30’に最も近い配管収容用溝2の該内側辺側同士、並びに小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2の該内側辺側同士が連結部33を介して連続している。
【0066】
小マットAの基板10においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
【0067】
小マットAの基板11においては、小根太30’に最も近い配管収容用溝2と、小根太30’から最も遠い配管収容用溝2とが、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。また、この基板10の小根太30’に2番目に近い配管収容用溝2と、小根太30’から2番目に遠い配管収容用溝2とも、それぞれ、基板10の小マットA内側辺側の短手辺20の近傍において、該短手辺20の中間側へ向って略四分円弧状に湾曲して互いに連続したものとなっている。
【0068】
この基板11の小マットA外側辺側の短手辺20の近傍においては、各配管収容用溝2は、いずれも、該基板11に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板12の各配管収容用溝2に連続している。
【0069】
第1図に示すように、小マットAの基板10においては、各配管収容用溝2の小マットE側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。また、小マットEの基板10においても、各配管収容用溝2の小マットA側の端部は、それぞれ、該基板10の内側辺、即ち小マットA,E同士の突き合わせ部T4に臨んでいる。この小マットA側の各配管収容用溝2と小マットE側の各配管収容用溝2の端部同士は、それぞれ突き合わせ部T4を挟んで対面しており、これにより、各配管収容用溝2は該突き合わせ部T4を横切って小マットAから小マットEに連続したものとなっている。
【0070】
小マットAの基板10及び小マットEの基板10の各配管収容用溝2は、それぞれ、該突き合わせ部T4の近傍において略円弧状に湾曲しており、これにより、各々の端部は該突き合わせ部T4に沿って延在したものとなっている。なお、突き合わせ部T4を挟んで小マットA側の各配管収容用溝2の湾曲部と小マットE側の各配管収容用溝2の湾曲部とは、互いに反対方向に湾曲しており、これにより、各配管収容用溝2は、小マットA側から小マットE側にかけて略S字形に延在したものとなっている。
【0071】
小マットEの基板10においては、4条の配管収容用溝2は、いずれも、該基板10の短手辺20よりも長手辺21の中間側では、該長手辺21に沿って直線状に延在している。これらのうち基板10,11間の小根太30に最も近い配管収容用溝2と、該小根太30に2番目に近い配管収容用溝2とは、該基板10の小マットE外側辺側の短手辺20の近傍において、該基板10に連なる連結部33に向って略四分円弧状に湾曲し、該連結部33を通って、隣接する基板11の4条の配管収容用溝2のうちの2条に連続している。
【0072】
この基板10の残りの2条の配管収容用溝2は、それぞれ、小マットE外側辺側において、各々の末端が前記ヘッダー設置部10aに臨んでいる。また、隣接する基板11の配管収容用溝2のうち該基板10の配管収容用溝2と連なっていない残りの2条も、それぞれ、基板10,11間の連結部33を通って該基板10上に入り込んだ後、各々の末端が該ヘッダー設置部10aに臨んでいる。
【0073】
小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、及びG,H間の各突き合わせ部T1〜T3(即ち床暖房マット1の折り線部)に臨む各基板12,13,16,17においては、各々の4条の配管収容用溝2のうちの2条(第2図における配管収容用溝2a,2b)は、それぞれ、該基板12,13,16,17の両短手辺20よりも長手辺21の中間側では該長手辺21に沿って直線状に延在し、該基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20の近傍では、該連結部33に向って略四分円弧状に湾曲している。以下、これらのうち、基板12,13,16,17に隣接する小根太30に近い方を第1の配管収容用溝2aといい、該小根太30から遠い方を第2の配管収容用溝2bという。
【0074】
第1,2図の通り、該第1の配管収容用溝2aは、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20の近傍においては、略半円弧状にUターンし、次いで略S字形に蛇行するように延在して、その末端が基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。また、該第2の配管収容用溝2bは、基板12,13,16,17の連結部33と反対側の短手辺20に向う途中で突き合わせ部T1〜T3側へ湾曲し、その末端が基板12,13,16,17の該突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。
【0075】
各基板12,13,16,17の残りの2条の配管収容用溝2(第2図における配管収容用溝2c,2d)は、該基板12,13,16,17に連なる連結部33から該基板12,13,16,17をその略短手辺方向に横切るように延在し、各々の末端は基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に臨んでいる。以下、これらのうち、基板12,13,16,17の連結部33に連なる短手辺20から遠い方を第3の配管収容用溝2cといい、該短手辺20に近い方を第4の配管収容用溝2dという。
【0076】
これらの第3の配管収容用溝2c及び第4の配管収容用溝2dは、それぞれ、連結部33から離隔するほど該短手辺20から遠ざかるように略四分円弧状に湾曲して延在している。
【0077】
各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21において、該基板12,13,16,17の連結部33から遠い方の短手辺20から第1の配管収容用溝2aの該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第4の配管収容用溝2dの該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。また、連結部33から遠い方の短手辺20から第2の配管収容用溝2bの該長手辺21に臨む端部までの距離は、連結部33に近い方の短手辺20から第3の配管収容用溝2cの該長手辺21に臨む端部までの距離と略等距離となっている。
【0078】
これにより、隣接する小マットA,B間及びE,F間の基板12,13同士の間、小マットB,C間及びF,G間の基板16,16同士の間、並びに小マットC,D間及びG,H間の基板13,17同士の間においては、突き合わせ部T1〜T3を挟んだ一方の基板の第1の配管収容用溝2aと他方の基板の第4の配管収容用溝2d、該一方の基板の第2の配管収容用溝2bと該他方の基板の第3の配管収容用溝2c、該一方の基板の第3の配管収容用溝2cと該他方の基板の第2の配管収容用溝2b、及び該一方の基板の第4の配管収容用溝2dと該他方の基板の第1の配管収容用溝2aの端部同士がそれぞれ対面し、これらの配管収容用溝2a,2d同士、2b,2c同士、2c,2b同士及び2d,2a同士が突き合わせ部T1〜T3を横切ってそれぞれ連続したものとなっている。
【0079】
これらの配管収容用溝2a〜2dの端部は、それぞれ、各基板12,13,16,17の突き合わせ部T1〜T3側の長手辺21に沿って延在したものとなっており、この端部に向って各配管収容用溝2a〜2dが緩やかに湾曲している。また、第1,2図の通り、各突き合わせ部T1〜T3を挟んで対向する配管収容用溝2a〜2d同士は、互いに反対側に向って凸となるように湾曲しており、これにより、これらの配管収容用溝2a〜2dは、各突き合わせ部T1〜T3を挟んだ一方の基板から他方の基板にかけて略S字形に連続したものとなっている。
【0080】
なお、このように端部が突き合わせ部T1〜T3(即ち床暖房マット1の折り線部)に臨む各基板12,13,16,17の配管収容用溝2a〜2dの湾曲部は、それぞれ、第1,2図に示すように、できるだけ曲率半径の大きい曲線を描くように湾曲して延在していることが好ましい。特に、第2図の通り、各基板12,13,16,17の4条の配管収容用溝2a〜2dのうち前記第3の配管収容用溝2cの湾曲部の曲率半径が最も大きくなるように構成することが好ましい。
【0081】
この床暖房マット1においては、前記拡幅部4は、第2,9図に示すように、各基板12,13,16,17において、各突き合わせ部T1〜T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部の幅を該配管収容用溝2a〜2dのその他の部位よりも拡大したものである。この拡幅部4は、各突き合わせ部T1〜T3に臨む該配管収容用溝2a〜2dの端部の内壁面を該突き合わせ部T1〜T3から離反する方向へ所定幅にわたって切り欠くようにして形成されている。
【0082】
なお、この実施の形態では、第2,9図の通り、近接する第1の配管収容用溝2aと第2の配管収容用溝2bとの端部同士の間、並びに第3の配管収容用溝2cと第4の配管収容用溝2dとの端部同士の間の各基板12,13,16,17の長手辺21をもそれぞれ切り欠くようにして拡幅部4を形成しており、これにより、該第1の配管収容用溝2aと第2の配管収容用溝2bの端部同士、及び第3の配管収容用溝2cと第4の配管収容用溝2dの端部同士がそれぞれ拡幅部4を介して連通したものとなっている。
【0083】
この実施の形態では、第5図に示すように、拡幅部4は、床暖房マット1を展開した状態において、各基板12,13,16,17の下面から上面まで略等幅となっている。この拡幅部4も、配管収容用溝2の他の部位と同様、各基板12,13,16,17の下面に露呈している。
【0084】
本発明においては、この拡幅部4の幅W(第5図)は、温水配管3の外径よりも大きなものとなっており、特に温水配管3の外径の1.1〜5倍、とりわけ2〜3倍であることが好ましい。
【0085】
温水配管3は、これらの配管収容用溝2及び拡幅部4に収容されて基板10〜18に連続して引き回されていると共に、T1〜T4を横切って小マットA〜Hに連続して引き回されている。
【0086】
なお、この実施の形態では、前述の通り、配管収容用溝2のうち各突き合わせ部T1〜T4を横切る部分は、それぞれ、該突き合わせ部T1〜T4に沿って延在したものとなっている。従って、温水配管3のうち各突き合わせ部T1〜T4を横切る部分も、この配管収容用溝2に収容されることにより、該突き合わせ部T1〜T4に沿って延在したものとなる。
【0087】
そのため、これらの突き合わせ部T1〜T4に沿って基板A,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間を折り曲げた際には、温水配管3は、第6図のように、これらの突き合わせ部T1〜T4を横切る部分がそれぞれその軸心回りに捩れるようにして曲がる。これにより、基板A,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間の折り曲げに伴い、温水配管3が座屈して破損することが防止される。
【0088】
この実施の形態では、温水配管3は、一端がヘッダー設置部10a内のヘッダーに接続され、小マットEの基板10から突き合わせ部T4を横切って小マットAの基板10に引き回され、次いで、この小マットAの基板10から各連結部33及び該小マットAの基板11,12、小マットBの13〜16、小マットCの基板16〜13、小マットDの基板17を通って該小マットDの基板18まで引き回され、次いで、この小マットDの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットDの基板17、小マットCの基板13〜16、小マットDの基板16〜13、小マットAの基板12,11を通って該小マットAの基板10に戻り、その後、この小マットAの基板10から突き合わせ部T4を横切って小マットEの基板10に引き回され、次に、この小マットEの基板10から各連結部33及び該小マットEの基板11,12、小マットFの13〜16、小マットGの基板16〜13、小マットHの基板17を通って該小マットHの基板18まで引き回され、次いで、この小マットHの基板18でUターンして、再び各連結部33及び該小マットHの基板17、小マットGの基板13〜16、小マットFの基板16〜13、小マットEの基板12,11を通って該小マットEの基板10に戻り、他端が前記ヘッダーに接続されている。
【0089】
なお、温水配管3の配管ルートはこれに限定されない。
【0090】
第3〜8図のように、この実施の形態では、小マットA,Bの上面を覆う均熱シート7、小マットC,Dの上面を覆う均熱シート7、小マットE,Fの上面を覆う均熱シート7及び小マットG,Hの上面を覆う均熱シート7は、それぞれ、これらの間の突き合わせ部T1、T3を跨いで連続したものとなっている。また、小マットB,C間及び小マットF,G間においては、均熱シート7は、それぞれ、突き合わせ部T2に沿って分断されている。さらに、小マットA〜Dの列を覆う均熱シート7と、小マットE〜Hの列を覆う均熱シート7とは、突き合わせ部T4に沿って分断されている。
【0091】
これにより、この実施の形態では、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りしうると共に、小マットB,C間及びF,G間並びに小マットA,E間をそれぞれ突き合わせ部T2、T4に沿って山折りしうるものとなっている。
【0092】
このように構成された床暖房マット1は、上記の通り、小マットA,B間及びE,F間、並びにC,D間及びG,H間をそれぞれ突き合わせ部T1、T3に沿って谷折りすると共に、小マットB,C間及びF,G間を突き合わせ部T2に沿って山折りし、次いで小マットA,E間を突き合わせ部T4に沿って山折りすることにより折り畳まれた状態で出荷される。
【0093】
この突き合わせ部T1、T3に沿う谷折りに伴い、第6図に示すように、各突き合わせ部T1、T3に臨む基板12,13同士(小マットA,B間及びE,F間)並びに基板16,17同士(小マットC,D間及びG,H間)の間がそれぞれ開裂し、各突き合わせ部T1、T3に温水配管3が露出する。この際、基板の開裂に伴い、温水配管3は、各突き合わせ部T1、T3の両側の配管収容用溝2a〜2dから若干引き出されて各突き合わせ部T1、T3に露出する。
【0094】
施工時には、この床暖房マット1の折り畳み体を施工現場に搬入し、小マットA,B間、B,C間、C,D間、E,F間、F,G間、G,H間及びA,E間の折りをそれぞれ開いて床暖房マット1を床上に広げる。
【0095】
この床暖房マット1にあっては、各突き合わせ部T1、T3に臨む各配管収容用溝2a〜2dの端部は、それぞれ該配管収容用溝2a〜2dの他の部分よりも幅が広い拡幅部4となっているので、床暖房マット1を展開させて施工した際に、温水配管3が各突き合わせ部T1、T3を横切る配管収容用溝2a〜2d内にスムーズに収容される。即ち、第7〜9図の通り、床暖房マット1の展開時に各突き合わせ部T1、T3において温水配管3が弛み、その軸心が該配管収容用溝2a〜2dの幅方向の中央からずれていても、この温水配管3を確実に拡幅部4を介して配管収容用溝2a〜2d内に入り込ませることができる。また、温水配管3をその弛みの分まで十分に配管収容用溝2a〜2d内に収容することができる。これにより、床暖房マット1の展開後に各突き合わせ部T1、T3において温水配管3が配管収容用溝2a〜2dからはみ出すことが防止される。
【0096】
この実施の形態では、各基板10〜18は、各々の上面に設けられた配管収容用溝2が下面に露呈するほど厚さが小さいものとなっているが、各突き合わせ部T1、T3では拡幅部4内に温水配管3が収容されるため、このように基板10〜18の厚さを小さくしても十分に温水配管3の配管収容用溝2a〜2dからのはみ出しを防止することができる。
【0097】
なお、このように各基板10〜18の厚さを、各々の下面に配管収容用溝2が露呈するほど小さくしたことにより、床暖房マット1の全体の厚さもきわめて小さいものとなっている。
【0098】
この実施の形態では、各基板10〜18の下面に、各配管収容用溝2を塞ぐように裏張りシート8が貼り付けられているので、各基板10〜18の下面側の強度も確保される。また、この裏張りシート8により、各配管収容用溝2からの各基板10〜18の下面側への放熱も抑制される。
【0099】
図示は省略するが、この床暖房マット1を用いて暖房床を構築する場合には、床下地(例えば床のリフォームの場合には既存の床)上にこの床暖房マット1を敷き、その上に仕上げ床材を敷設する。上記の通り、この床暖房マット1にあっては、厚さが小さいので、この床暖房マット1を敷設した床のレベルと、この床暖房マット1を敷設していない部屋の床レベルとの差を小さく抑えることができる。
【0100】
また、このように床暖房マット1の厚さが小さいので、その分だけ、この床暖房マット1の上に敷設される仕上げ床材として厚さの大きいものを用いても、床のレベルが過度に高くなることが防止される。このように仕上げ床材として厚さの大きいものを用いることにより、構築された暖房床の強度及び剛性を高めることができる。また、仕上げ床材の選択の自由度も高まる。
【0101】
[拡幅部の別の構成例]
第10図は拡幅部の別の構成例を示す第5図と同様部分の断面図である。
【0102】
この実施の形態の拡幅部4Aは、第10図の通り、床暖房マットを展開した状態において、各基板12,13の下面側ほど幅が広くなる略台形の断面形状となっている。床暖房マットを展開した状態における該拡幅部4Aの基板下面側の幅W1は、前述の実施の形態における拡幅部4と同様、温水配管3の外径の2〜5倍であることが好ましい。この実施の形態では、床暖房マットを展開した状態における該拡幅部4Aの基板上面側の幅W2は、配管収容用溝2a〜2bの他の部分の幅と略同等かそれよりも若干広いものとなっている。
【0103】
この拡幅部4Aにあっても、基板下面側が幅広となっているので、床暖房マット展開時に突き合わせ部T1、T3において温水配管3が弛み、その軸心が配管収容用溝2a〜2dの中央からずれていても、この拡幅部4Aを介して確実に温水配管3を配管収容用溝2a〜2d内に入り込ませることができる。また、この拡幅部4Aは、基板上面側ほど幅が狭まっているので、温水配管3がこの拡幅部4Aの奥側に入り込むほど配管収容用溝2a〜2dの中央側へ移動するようになる。
【0104】
なお、この実施の形態では、拡幅部4Aは、基板下面から上面にかけて幅が狭くなる断面形状とされているが、基板厚さ方向の途中部から下面側にかけては徐々に幅が広くなり、該途中部から上面側にかけては幅が略同一である断面形状とされてもよい。ただし、拡幅部の形状は上記の各形状に限定されない。
【0105】
[別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1A]
第11図は別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1Aの断面図であり、第12図はこの床暖房マット1Aの分解断面図である。なお、第11図及び第12図は、前述の第3図と同様の部分における断面を示している。
【0106】
この床暖房マット1Aは、前述の第1〜10図の床暖房マット1において、各基板10〜18(第9,10図では基板10〜12,16〜18は図示略。以下、同様。)に、略方形断面形状の配管収容用溝2の代わりに、略U字形断面形状の配管収容用溝2Aが形成された構成となっている。
【0107】
第11,12図の通り、この配管収容用溝2Aの断面形状は、その底部が該温水配管3の外面に沿うように半円弧状に湾曲した略U字形となっている。この配管収容用溝2の底部の幅方向の中央付近が、各基板10〜18を貫通して各基板10〜18の下面に露呈している。
【0108】
この床暖房マット1Aのその他の構成は、第1〜10図の床暖房マット1と同様となっており、第11,12図において第1〜8図と同一符号は同一部分を示している。
【0109】
この床暖房マット1Aにあっては、各配管収容用溝2Aの断面形状を略U字形としたことにより、各基板10〜18の下面に露呈する各配管収容用溝2Aの幅が小さくなっている。このように構成したことにより、各配管収容用溝2Aからの各基板10〜18の下面への放熱が抑制される。
【0110】
なお、この床暖房マット1Aにあっても、第1〜10図の床暖房マット1と同様の作用効果が奏される。
【0111】
[材質等]
上記各部材の材質の一例として次のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
基板としては例えば発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂のほか木材等を用いることができる。発泡合成樹脂としては、断熱性の点から、内部の気泡が独立気泡となっているものが好ましい。
【0113】
本発明においては、裏張りシートは、前述の通り、低熱伝導材よりなることが好ましい。この低熱伝導材としては、不織布や合成樹脂シートあるいは紙等を用いることができる。
【0114】
小根太としては、木材や、釘打ち可能な合成木材又は合成樹脂あるいは合成樹脂発泡体等が好ましい。
【0115】
上記の各実施の形態における小根太30,30’のように、小根太本体30aの上下両面に補強板30b,30bを貼り付ける場合には、該小根太本体30aとしては、例えば合板等を用いることができ、補強板30bとしては、金属板又は金属箔や、樹脂板、あるいは金属と樹脂との複合材料よりなる板材等を用いることがきる。なお、この場合、該補強板30bの厚さは、該補強板30bに釘が入る程度のものとする。
【0116】
ただし、小根太の構成はこれに限定されない。例えば、本発明においては、補強板は小根太本体の上面又は下面の一方にのみ設けられてもよい。また、小根太本体が十分な強度を有していれば、補強板は省略されてもよい。
【0117】
均熱シート及び均熱板としては、アルミ又は銅等の金属箔が好ましい。
【0118】
均熱シートの表面にポリエチレンテレフタレート等のフィルムをラミネートすることにより、温調マットの梱包時や運搬時等に均熱シートの破損を防止することができる。なお、このフィルムの材質はポリエチレンテレフタレート以外であってもよい。
【0119】
温水配管としては、可撓性のポリエチレン等の合成樹脂チューブや銅パイプが例示される。
【0120】
[その他の構成]
上記の実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
【0121】
本発明の温調マットを構成する基板の枚数に特に制限はなく、上記以外の枚数の基板を用いて温調マットを構成してもよい。
【0122】
本発明においては、配管収容用溝の内側にも、この溝の底部を塞ぐように低熱伝導材が設けられてもよい。また、均熱板が設けられる場合には、この均熱板の外面に低熱伝導材が貼り付けられてもよい。このように構成することにより、基板の下面側への放熱が一層抑制される。
【0123】
本発明では、少なくとも裏貼りシートの下側に、耐貫通性を有する貫通防止層を設けてもよい。このように構成することにより、例えば床下地の表面がささくれて、鋭く尖った棘が突き出ていても、この棘が裏貼りシートを貫通して温調用配管に突き刺さることが防止される。
【0124】
この貫通防止層としては、合成樹脂製の単層又は複層シートが好適である。
【0125】
なお、ワックスが塗布された既存床上に温調マットを敷設して温調床を構築した場合には、この温調マットからの熱により既存床表面のワックスが溶け出すおそれがある。この場合、温調床上を人が歩いたときに、この溶け出したワックスにより温調マットが既存床上を滑って音鳴りすることがある。
【0126】
そのため、本発明では、貫通防止層の下側に紙又は不織布よりなるワックス吸収層を設けてもよい。このように構成することにより、既存床表面のワックスが溶け出しても、このワックスがワックス吸収層によって吸収されるため、温調マットが滑って音鳴りすることが防止ないし抑制される。
【0127】
本発明では、貫通防止層自体を紙又は不織布により構成し、この貫通防止層自体がワックスを吸収しうるように構成してもよい。
【0128】
上記の実施の形態は、床暖房マットに関するものであるが、本発明の温調マットは、壁や天井等に配置されてもよい。また、温水ではなく、冷水を配管に通水して冷房するようにしてもよい。水以外のオイル、不凍液等の熱媒体を流通させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1の平面図である。
【図2】図1の床暖房マット1の折り線部付近の拡大図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2と同様部分の分解断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】床暖房マット1を谷折りした状態を示す図5と同様部分の断面図である。
【図7】床暖房マット1の展開途中時を示す図5と同様部分の断面図である。
【図8】床暖房マット1の展開後の図5と同様部分の断面図である。
【図9】床暖房マット1の展開後の配管収容用溝の拡幅部付近の平面図である。
【図10】拡幅部の別の構成例を示す断面図である。
【図11】別の実施の形態に係る温調マットとしての床暖房マット1Aの断面図である。
【図12】図11の床暖房マット1Aの分解断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1,1A 床暖房マット
2,2a〜2d,2A 配管収容用溝
3 温水配管
4,4A 拡幅部
6 均熱板
6a U字部
6b フランジ部
7 均熱シート
8 裏張りシート
10〜18 基板
30 小根太
30a 小根太本体
30b 補強板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に配管収容用溝が設けられた基板と、
該配管収容用溝に収容された温調用配管と、
該基板に設けられた、該基板を谷折りするための谷折り用折り線部と
を有し、
該配管収容用溝及び該温調用配管は、該谷折り用折り線部を経て隣接する基板にまで延在している温調マットにおいて、
該配管収容用溝のうち前記谷折り用折り線部に臨む部分は、該谷折り用折り線部に沿って延在しており、
該温調マットを床に施工した状態において、該谷折り用折り線部に沿う該配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が該温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっていることを特徴とする温調マット。
【請求項2】
請求項1において、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における該拡幅部の幅は、前記温調用配管の外径の1〜5倍であることを特徴とする温調マット。
【請求項3】
請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の厚さ方向において幅が略同一であることを特徴とする温調マット。
【請求項4】
請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の下面側ほど幅が大きくなることを特徴とする温調マット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
該基板は、前記配管収容用溝が該基板の下面に露呈する厚さとなっており、
前記谷折り用折り線部から離隔した部位においては、該基板の下面に、該配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートが設けられていることを特徴とする温調マット。
【請求項1】
上面に配管収容用溝が設けられた基板と、
該配管収容用溝に収容された温調用配管と、
該基板に設けられた、該基板を谷折りするための谷折り用折り線部と
を有し、
該配管収容用溝及び該温調用配管は、該谷折り用折り線部を経て隣接する基板にまで延在している温調マットにおいて、
該配管収容用溝のうち前記谷折り用折り線部に臨む部分は、該谷折り用折り線部に沿って延在しており、
該温調マットを床に施工した状態において、該谷折り用折り線部に沿う該配管収容用溝の少なくとも基板下面側は、その幅が該温調用配管の外径よりも拡大した拡幅部となっていることを特徴とする温調マット。
【請求項2】
請求項1において、温調マットを床に施工した状態において、基板の下面における該拡幅部の幅は、前記温調用配管の外径の1〜5倍であることを特徴とする温調マット。
【請求項3】
請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の厚さ方向において幅が略同一であることを特徴とする温調マット。
【請求項4】
請求項1又は2において、温調マットを床に施工した状態において、該拡幅部は、基板の下面側ほど幅が大きくなることを特徴とする温調マット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
該基板は、前記配管収容用溝が該基板の下面に露呈する厚さとなっており、
前記谷折り用折り線部から離隔した部位においては、該基板の下面に、該配管収容用溝を塞ぐ裏張りシートが設けられていることを特徴とする温調マット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−19442(P2010−19442A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178127(P2008−178127)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
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