説明

温風機

【課題】固形燃料の燃焼が均一化しやすいように、火格子上の固形燃料の層の厚さを平均化するための手段として、火格子自体の動きを利用することにより、固形燃料の均一でムラのない安定的な燃焼を行うことができる温風機を提供する。
【解決手段】温風機(W)は、燃焼炉(1)と、固形燃料供給機(2)と、燃焼炉(1)に沿うように且つ燃焼炉(1)内とは区画されて設けられた送風路(3)に空気を送る送風機(30)と、上下動するように駆動され下流側へ向け下り傾斜している火格子(4)と、火格子(4)の下方から空気を供給する燃焼用空気供給手段(5)と、固形燃料供給機(2)の供給口(21)下方に設けられ、火格子(4)の下流側へ向け空気を噴射して固形燃料の一部を散らす散布用空気供給器(6)と、火格子(4)上の固形燃料に着火するバーナー(7)と、送風機(30)から送られる送風空気と燃焼ガスとの熱交換を行う熱交換器(8)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温風機に関するものである。更に詳しくは、例えば栽培ハウスの内部で暖房用として使用されるものであって、木質の破砕チップ(以下、「木質チップ」という)等の固形燃料を燃料として使用し、火格子上で均一な燃焼を行うことができ、これにより温風を安定して発生させることができる温風機に関する。
【背景技術】
【0002】
環境負荷が大きい石油燃料を使用せず、木質チップ等の固形燃料を燃料として使用し、燃料を自燃させる燃焼装置やボイラ装置等はすでに広く使用されている。
この装置で例えば木質チップを燃料とする場合、原木の種類が様々であることや、チッパーにより裁断されたサイズの違い等によって、木質チップ中に含有される水分量のバラツキが大きく、火格子上での着火温度や燃焼完結温度が異なる。
【0003】
また、木質チップ中の水分が多いと、木質チップの乾燥のために多くの時間とエネルギーを要するため、着火が遅れ、火格子上に木質チップが局所的に多く堆積する。このように、木質チップが厚く堆積した部分では、木質チップに十分な空気が供給されず、一方、木質チップの堆積量が少なく層が薄い部分は多量の空気が流人するため、全体として燃焼にムラがあり不安定である。
このような理由から、火格子上に木質チップの供給を行いながら、火格子上の木質チップを均一に燃焼させることは困難であった。この結果、燃焼効率が低下すると共に、火格子面の温度分布が不均一となり、火格子の歪や焼損が発生することが多いため、頻繁な火格子の交換が必要となっていた。
【0004】
火格子上の木質チップ等の固形燃料の燃焼が均一化しやすいように、火格子上の木質チップの層の厚さを平均化するようにした燃焼装置としては、例えば特許文献1に記載の「固形燃料燃焼装置」がある。
この装置は、固形燃料を燃焼する燃焼室を有する燃焼炉と、固形燃料を一方向に移動可能に載置する火格子台と、火格子台の下流側に至った固形燃料に対して着火を行なう着火バーナと、火格子台の上流側に固形燃料を供給するスクリューと、火格子台の上流側に供給された固形燃料を下流側へ向けて移動させる移動機構と、燃焼室内に燃焼空気を供給する燃焼空気供給部と、火格子台の上方に設けられ燃焼ガスと流体との熱交換を行なうボイラとを備え、燃焼室内に、火格子台とボイラとの間を仕切るとともに上流側に燃焼ガスの通過口を形成する仕切壁を設けた構造を有し、固形燃料の水分含有率が高くても、燃焼が円滑に行なわれるようにし、性能の向上を図るというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−207865
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載の「固形燃料燃焼装置」には、次のような課題があった。
すなわち、この装置が有している、火格子台の上流側に供給された木質チップ等の固形燃料を下流側へ向けて移動させる移動機構は、具体的には、傾斜面を有する傾斜台下部のプッシャを火格子台上で前後に移動させる構造であり、プッシャの移動によって固形燃料を下流側へ順次押し出すことにより、火格子上の固形燃料の層の厚さを平均化するようにしている。
【0007】
しかし、前記構造では、火格子台の上流側から下流側方向において、それぞれの箇所で燃焼温度の違いが生じるので、前記「全体として燃焼にムラがあり不安定である」という旧来の問題点については、十分に解消されていない。
また、新しい固形燃料を供給するために、プッシャを火格子台上で下流側に向け移動させるときに、斜面を滑り落ちた固形燃料が火格子台上で燃焼している燃料の上に落ち、固形燃料がほとんど燃焼しないまま灰と共に灰収容部(ピット)に落ちてしまうことがあり、この場合は十分に燃焼せず燃え残るという課題があった。
【0008】
また、この装置では固形燃料の供給部としてスクリューを採用しており、回転軸を偏心させてガイド管の間に隙間を設けるという対策は施されてはいるが、特に搬送する固形燃料が木質チップである場合、木質チップのサイズが大きいと、この対策でも十分とはいえず、スクリューと本体との間の隙間に噛込みを生じて、スクリューが停止してしまうおそれがあった。
【0009】
(本発明の目的)
本発明の目的は、木質チップ等の固形燃料の燃焼が均一化しやすいように、火格子上の固形燃料の層の厚さを平均化するための手段として、火格子上で固形燃料や灰を押し出すプッシャのように前記各課題を生じる手段を使用せずに、火格子自体の動きを利用することにより、固形燃料の均一でムラのない安定的な燃焼を行うことができる温風機を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、前記目的に加えて、固形燃料、特に固形燃料が木質チップの場合で、チップの大きさにムラがあっても、大きなチップが固形燃料供給部に噛み込みんで固形燃料の供給が停止されるというような事態が起こりにくく、固形燃料の安定した供給が可能な温風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
燃焼炉と、
燃焼炉に固形燃料を供給する固形燃料供給機と、
燃焼炉に沿うように且つ燃焼炉内とは区画されて設けられた送風路に空気を送る送風機と、
一部または全部が動くように駆動することができ、下流側へ向け下り傾斜している火格子と、
火格子の下方から燃焼炉内へ空気を供給する燃焼用空気供給手段と、
燃焼炉内の固形燃料供給機の供給口下方に設けられ、燃焼炉内に外部空気を供給すると共に火格子の下流側へ向け空気を噴射して、供給される固形燃料の一部を散らす散布用空気供給手段と、
火格子上の固形燃料に着火するバーナーと、
送風機から送られる送風空気と燃焼ガスとの熱交換を行う熱交換器と、
を備えている、
温風機である。
【0012】
本発明は、
固形燃料供給機が、
固形燃料を入れる導入口につながる位置に配され、外周部に軸線方向に沿う所要数の羽根を有し、回転駆動される回転体と、
回転体の長さと同等幅で、火格子の幅と同等幅または近似幅を有する供給口と、
常態では回転体の羽根先端辺の回転軌跡に沿うように位置し、回転体から離れる方向に外力が加わると離隔して回転体との隙間を広くする可動カバーと、
を備えている、
前記温風機である。
【0013】
本発明は、
火格子が複数の火格子構成体で構成されており、各火格子構成体はタイミングを違えて動くように駆動される、
前記温風機である。
【0014】
熱交換器には、ジャケットを設けて水等の液体を加温するボイラー構造としてもよい。
火格子は一枚で構成してもよいし、二枚、四枚、六枚等、複数枚の構成体で構成してもよい。
火格子を動かす手段(機構部)の構造は特に限定せず、公知の各種機構を採用できる。また、火格子を動かす手段による火格子の動きは、特に限定するものではなく、上下動(縦動)、左右動(横動)、波動等の各種動きを適宜採用でき、その振動数も適宜設定することができる。
【0015】
(作用)
本発明に係る温風機の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
【0016】
温風機は、固形燃料供給機(2)から焼却炉(1)内に固形燃料が供給される。供給された固形燃料は、火格子(4)の上流側に堆積する。そして、バーナー(7)によって固形燃料に着火され、燃焼用空気供給手段(5)によって火格子(4)下方から空気が供給される。これにより固形燃料は自燃し、ある程度自燃が進み、燃焼炉(1)内の温度が十分に上昇したところで、固形燃料が順次追加供給される。
【0017】
この際には、固形燃料供給機(2)の供給口(21)下方に設けられている散布用空気供給手段(6)によって、落下中の固形燃料に空気が噴射され、固形燃料の一部を火格子(4)の下流側へ向けて散らすようにする。これにより、固形燃料中のより細かく軽い粒子が他と分離するように飛ばされて火格子(4)上の下流側に散布されて分散し、ある程度は堆積する。また、飛ばされた粒子のうち特に細かいものは、燃焼炉(1)内で浮遊しながら燃焼ガス中で着火し、効率よく完結燃焼する。
【0018】
火格子(4)の上流側に落下した固形燃料は堆積するが、火格子(4)が動き、さらに火格子(4)が下流側へ向け下り傾斜していることによる相乗作用によって、固形燃料は火格子(4)上で下流側へ向け全体に拡がり、堆積の厚さのムラが少なくなり平均化する。
固形燃料の堆積の厚さが平均化することにより、火格子(4)下方から供給される空気が固形燃料全体に満遍なく行き渡り、さらに固形燃料の堆積の厚さが平均化する際に燃焼している固形燃料が崩れることによって層が撹拌され、固形燃料は火格子(4)上で均一に且つ安定的に燃焼することができる。
【0019】
また、送風機(30)から送られた送風空気は、燃焼炉(1)に沿うように送風路(3)を移動しながら燃焼ガスとの熱交換が行われ、さらに熱交換器(8)で燃焼ガスとの熱交換が行われて、温風となって装置外部へ排出される。
【0020】
固形燃料供給機(2)が、固形燃料を入れる導入口(23)につながる位置に配され、外周部に軸線方向に沿う所要数の羽根(252)を有し、回転駆動される回転体(25)と、回転体(25)の長さと同等幅で、火格子の幅と同等幅または近似幅を有する供給口(21)と、常態では回転体(25)の羽根(252)先端辺の回転軌跡に沿うように位置し、回転体(25)から離れる方向に外力が加わると離隔して回転体(25)との隙間を広くする可動カバー(274)とを備えているものは、まず、供給口(21)から供給される固形燃料は火格子(4)の幅のほぼ全幅にわたり供給され、その堆積の層は火格子(4)の幅方向において平均化する。
【0021】
そして、固形燃料の大きさにムラがあり、大きな固形燃料が供給された場合には、それが羽根(252)と可動カバー(274)の間の隙間を通過しようとする外力によって可動カバー(274))が回転体(25)から離隔し隙間が拡がることにより、許容範囲内のある程度の大きさの固形燃料は通過することが可能になる。これにより、固形燃料が噛み込みにくくなり、固形燃料供給機(2)が停止することを防止することができる。
【0022】
火格子(4)が複数の火格子構成体(41,42,43,44,45,46)で構成されており、各火格子構成体はタイミングを違えて動くように駆動されるものは、各火格子構成体上の燃焼中の固形燃料は、各火格子構成体と同様に動く。なお、本発明の開発過程において、火格子の上下動により固形燃料が動くときには、その理由は定かではないが、瞬間的に燃焼が弱まることが確認されている。このため、各火格子構成体をタイミングを違えて動かすことで、一部の固形燃料が動くときには、他部の固形燃料が動かないか或いはゆっくりと低速で動くようにして、各火格子構成体上の燃焼中の固形燃料全体が一度に燃焼が弱まることを防止し、より安定した燃焼の維持を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、木質チップ等の固形燃料の燃焼が均一化しやすいように、火格子上の固形燃料の層の厚さを平均化するための手段として、火格子自体を動かし、その動きを利用すると共に、焼却炉内に供給される固形燃料の一部を落下中に飛ばして火格子の下流側に散布することで、固形燃料の層の厚さを平均化することにより、固形燃料の均一でムラのない安定的な燃焼を行うことができる温風機を提供することができる。
【0024】
また、固形燃料供給機に可動カバーを備えることにより、固形燃料、特に固形燃料が木質チップの場合で、チップの大きさにムラがあっても、大きなチップが固形燃料供給部に噛み込みんで固形燃料の供給が停止されるというような事態が起こりにくく、固形燃料の安定した供給が可能な温風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る温風機の一実施の形態を示し、外壁板の天部と一方側の側部を透視した斜視説明図。
【図2】図1に示す温風機の縦断面説明図。
【図3】図1に示す温風機のバーナー側から見た側面図。
【図4】図2におけるA−A断面説明図。
【図5】図2におけるB−B断面説明図。
【図6】火格子の拡大平面図。
【図7】火格子と火格子駆動装置の構造を示し、(a)は図6におけるC−C断面説明図、(b)はD−D断面説明図。
【図8】固形燃料供給機の構造を示す断面説明図。
【図9】固形燃料供給機の構造を示す分解斜視説明図。
【図10】火格子と火格子駆動装置の他の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
図1ないし図9を参照する。
【0028】
温風機Wは、燃焼炉1と、固形燃料供給機2と、燃焼炉1に沿うように且つ燃焼炉1内とは区画されて設けられた送風路3と、送風路3に空気を送る送風機30と、上下動するように駆動され下流側へ向け下り傾斜している火格子4と、火格子4の下方から燃焼炉1内へ空気を供給する燃焼用空気供給ブロワ5と、燃焼炉1内の固形燃料供給機2の供給口21下方に設けられた散布用空気供給器6と、火格子4上の固形燃料に着火するバーナー7と、送風機30から送られる送風空気と燃焼ガスとの熱交換を行う熱交換器8と、サイクロン100を備えている。以下、各部について詳細に説明する。
【0029】
燃焼炉1は、前後(図2で右側が前)、左右、上下の六面を鋼板で囲まれた中空構造であり、後壁10(図2で左側)の上部は開口され、燃焼ガスを誘導する第1の排気路11が後方へ延長されている(図2参照)。第1の排気路11は、後述する熱交換器8の入口側(図2で右側)に通じており、熱交換器8の出口側(図2で左側)に通じるように第2の排気路11aが設けられている。第1の排気路11と第2の排気路11aは、区画板110で区画されている。また、第2の排気路11aは、第1の排気路11と同じ高さで平行に後方へ延出されており、燃焼ガス中の固形物を分離する(集塵を行う)サイクロン100に接続されている。
【0030】
続いて、燃焼炉1の外側に燃焼炉1を囲むように付帯する送風路3及び燃焼炉1の後方に付帯する熱交換器8について説明し、燃焼炉1の内部または外部に付帯する固形燃料供給機2、散布用空気供給器6、火格子4、燃焼用空気供給ブロワ5、バーナー7については後述する。
【0031】
送風路3は、燃焼炉1の天壁12、両側壁13、14及び熱交換器8と、鋼板製で全体を覆うケース39との間の空間(符号省略)に全体に連通するようにして設けられている(図1ないし図5参照)。天壁12上面の前後方向中間部には、全幅にわたり通気区画板31が設けられている。通気区画板31には、ほぼ全面に多数の通気孔32が形成されている。通気区画板31の両側には、下辺部に連続して水平部と垂直部からなる区画板31aが設けられている。区画板31aは、熱交換器8の両側に位置し、熱交換器8の前部側と後部側を区画している。
【0032】
また、燃焼炉1の本体から各排気路11、11aにわたる天壁12の上面には、通気区画板31の中央部と直角に交差するように区画板33が設けられている。そして、燃焼炉1の天壁12(本体側)から両側壁13、14にかけて、図1、図2に示すように曲げられた複数の導風板34が所要の間隔をおいて並設されている。各導風板34の上部側の端部は、区画板33から離してあり、これにより空気の通りを良くしている。各導風板34の下部側の端部は、前後方向において前記通気区画板31の位置まで伸ばされている。
【0033】
燃焼炉1の上方側の天部外壁板39aは一部が開口されており、天部外壁板39aには送風路3に外部空気を送風できるようにして送風機30が取り付けられている(図1、図2参照)。送風機30から送風路3内に送られる外部空気は、後で詳述するように燃焼炉1内で発生した燃焼ガスと混じることなく加温されて装置外部へ温風として排出される。また、送風路3が設けられることにより、燃焼炉1と熱交換器8の周りは、鋼板で形成された二重構造となっており、燃焼炉1の壁面は送風路3を通る空気により、常時冷却されて外壁板39の壁面温度が鋼板の許容温度以上に上昇しないようにしてあり、安全を図っている。
【0034】
燃焼炉1の後方には、熱交換器8が設置されている。熱交換器8は、所要の間隔を設けて垂直に配した多数の通風管80を備えている。各通風管80は、外枠81内の空間82に納められている。外枠81の上部には、空間82とは区画され、相互に通気ができない前記各排気路11、11aが設けられており、各通風管80の上部口(符号省略)は、各排気路11、11a内に開口している。
【0035】
また、外枠81の下部には、空間82とは区画され、相互に通気ができない通気路83が設けられており、各通風管80の下部口(符号省略)は、通気路83内に開口している(図2参照)。熱交換器8は、空間82を通風区画板84で区画された前部側と後部側(何れも符号省略)からなり、通風区画板84には通風口85が設けられている(図5参照)。なお、熱交換器8の前部側の空間82両側は、熱交換器8の前部側と後部側を区画している区画板31aの前方側に通じ、後部側の空間82両側は区画板31aの後方側に通じている。
【0036】
熱交換器8の後部壁86と後部外壁板39bの間には、前記送風路3を構成する空間35が設けられており、空間35は前記後部側の空間82両側に通じている。また、後部外壁板39bには、円筒形状の温風排出口36が形成されている。さらに、前記したように第2の排気路11aは二本の排気管11bによって後部外壁板39bを貫通して外部へ導出されており、その先端はサイクロン100のダクト101に接続されている。また、サイクロン100の上部排気口には、排気装置102(図2に図示:図1、図4、図5では省略)が接続されており、例えば栽培ハウス内での使用において、燃焼ガスをハウス外に排気できるようにしている。
【0037】
そして、燃焼炉1の内底部の前後部には、所要の間隔をおいて前部側火格子台40、後部側火格子台40aが設けられている。各火格子台40、40aの上には、火格子4が後部側(下流側)が所定の角度で下り傾斜するようにして載置されている(図2参照)。火格子4は、本実施の形態では六枚の長方形状の火格子構成体41、42、43、44、45、46を備えている(図5、図6参照)。火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46はそれぞれ二枚で一組となっており、平面視で全体が方形状となるように敷設されている。なお、火格子構成体41ないし46には、ほぼ全面にわたり多数の円形の通風孔49が貫通して設けられている。各通風孔49は、図7に示すように内壁面が下方へ向け末広がりになったテーパ穴である。
【0038】
なお、小さいサイズの固形燃料が通風孔49に詰まると、その部分の燃焼空気の供給が不充分となり、不完全燃焼を生じたり、過熱して火格子4の焼損、歪みが生じる。
そこで、通風孔49を下側が大径のテーパ穴とすることにより、上面側に固形燃料が詰まっても、燃焼炉1内部からの輻射熱等で着火し、小さくなって上方に吹き上げられるか、又は下方に落下するので、火格子4の各通風孔49が継続的に詰まることを防止することができる。
【0039】
火格子4の下方は、灰を溜める内部ピット47を構成する空間となっている。また、後部側火格子台40aの後方の後壁10の表面には、下部側の約半分を覆うように板状の断熱部材15が張設されている。断熱部材15と後部側火格子台40aの間には、外部ピット48が設けられている。本実施の形態では、断熱部材15は耐火煉瓦で形成されているが、これに限定されるものではなく、同様の機能を有する他の材料を採用してもよい。また、同様の断熱部材18、18aは、燃焼炉1の側壁13、14の内面にほぼ全面にわたり張設されている。
【0040】
なお、火格子4上での着火を安定させ、燃焼を促進するためには火格子4直上の炉壁温度が低いことによる炉壁からの熱反射の減少は好ましくない。この対策のため、及び表面の火炎の熱放射による酸化防止のため、燃焼炉1の各壁13、14、10を断熱部材15、18、18aで被覆している。この結果、火格子4上の固形燃料の層の燃焼域は、各壁からの熱反射により着火が安定し、燃焼が促進されるため燃焼炉1を比較的小型化しても燃焼が完結できる。
【0041】
主に図6、図7を参照する。
火格子4の下方の内部ピット47には、各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46を繋ぎ目で上下動させる火格子駆動装置9が設けられている。
火格子駆動装置9は、内部ピット47を幅方向に貫通し水平に軸支された回転軸90を有している。回転軸90は内部ピット47の前後方向ほぼ中間に設けられ、燃焼炉1の右側の側壁13の外側に設置されているモーター91で駆動される。回転軸90には、各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46に対応して、それぞれ取付角度を120°ずつ違えて第1のカム92、第2のカム93、第3のカム94が固着されている。これら第1〜第3のカム92、93、94は、カム面が円形部と突出部を有するいわゆる卵形の偏心カムである。
【0042】
第1〜第3のカム92、93、94はそれぞれ所要の間隔で二箇所ずつ設けられ、第1のカム92、92は一端側の火格子構成体41、42の下方に位置し、第2のカム93、93は中央の火格子構成体43、44の下方に位置し、さらに第3のカム94、94は火格子構成体45、46の下方に位置している。回転軸90には、第1のカム92、92、第2のカム93、93及び第3のカム94、94にそれぞれ対応して昇降体95が嵌装されている。昇降体95は、第1〜第3のカム92、93、94を挟む軸支板951、952を有し、両側の軸支板951、952は上部側の連結板953で連結されている。
【0043】
軸支板951、952には、回転軸90を通すための上下に長い挿通口959が設けられている。また、両側の軸支板951、952間には、第1〜第3のカム92、93、94を上下に挟みカム面に接する位置に上部ローラ96、下部ローラ97が軸支されている。この構造により、回転軸90が回転すると、回転する各カムで上部ローラ96は上方向に、下部ローラ97は下方へ交互に押されることにより、各ローラ96、97と一体構造の昇降体95は上下動(昇降)し、後述する各火格子構成体41〜46を上下動させる。
【0044】
また、各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46は、それぞれの繋ぎ目部分が昇降体95に取り付けられ、上下両端部は各火格子台40、40aに掛けられている。
図7(a)に示す火格子構成体43、44で説明すると、傾斜上側の火格子構成体43の前端部を曲げて形成された掛止部431は、前壁16の下部に設けられている前部側火格子台40に載置され、後端部を曲げて形成された取付部432は、連結板953の両側にピン954によって回動自在及び取り外し自在に取り付けられている。また、傾斜下側の火格子構成体44の前端部を曲げて形成された取付部441は、連結板953の両側にピン954によって回動自在に取り付けられ、後端部を曲げて形成された掛止部442は、底板17に立設されている後部側火格子台40aに載置されている。
【0045】
この構造によれば、回転軸90が回転すると、各昇降体95が上下動し、各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46は、それぞれの繋ぎ目部分で上下動する。なお、前記したように、第1〜第3のカム92、93、94はそれぞれ取付角度を120°ずつ違えてあるため、各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46は、回転軸90が一回転する毎に一回ずつ順番に上下動する。なお、各組の火格子構成体が上下動する順番は特に限定するものではなく、適宜設定することができるし、同じタイミングで上下動させることもできる。
さらに、モーター91は可変速であるので、例えば、温風温度を上げるため固形燃料の燃焼量が増加した場合、摺動速度を速くすることにより、火格子4上の固形燃料層を急速に移動させて層の厚さを平均化して表層燃焼を促進することができる。また、この際、火格子4上の固形燃料が反転または撹拌されるので、燃焼がより促進される。
【0046】
内部ピット47内部の幅方向一端側には、前後方向にダクト50が配置されており、ダクト50は、燃焼炉1の前壁16及び前部外壁板39cを貫通し、前部外壁板39c外部に設置されている燃焼用空気供給ブロワ5に接続されている(図1、図2参照)。また、燃焼用空気供給ブロワ5からの空気は、後述する散布用空気供給器6に対しても供給されるようになっている。
ダクト50の側面側には、前部側の各火格子構成体41、43、45に対応する分岐ダクト51と、後部側の各火格子構成体42、44、46に対応する分岐ダクト52が形成されている。分岐ダクト51、52の上部には噴気口(符号省略)が形成されている。分岐ダクト51、52には、それぞれダンパー(図示省略)を設けて、吹き出し量の調節ができるようにしてある。
【0047】
燃焼用空気供給ブロワ5は、火格子4上の固形燃料の燃焼を促進し、風圧で固形燃料を撹拌するため火格子4下部から通風孔49を通して燃焼用空気を供給する。燃焼用空気供給ブロワ5は、固形燃料の燃焼量が多い場合は空気供給量を増やし、固形燃料の燃焼量が少ない場合は空気供給量を減じるように、後述する固形燃料供給機2の回転体25の回転数に合わせて比例制御できるようになっている。なお、固形燃料が乾燥している場合、或いは細かいサイズの場合等では、空気供給量を少なくしても燃焼速度が早いため、上流側の火格子4上で殆ど燃焼が完結する。
【0048】
また、燃焼用空気供給ブロワ5に隣接してバーナー7が設置されている。バーナー7は、運転初期(温風機起動時)において燃焼炉1内の温度を上昇させると共に火格子4上に厚く堆積した固形燃料に早期に着火するための油バーナである。なお、バーナー7の取付部の前壁16、前部外壁板39cは開口され、この部分には厚い板状の断熱部材70が嵌め込まれて固定されている。
【0049】
そして、バーナー7の上方(後述する固形燃料供給機2の供給口21のやや下方)には、散布用空気供給器6が設けられている。散布用空気供給器6は、前壁16を貫通し等間隔で並設された三本のノズル60を有している。各ノズル60は、燃焼炉1内の火格子4の後部側(下流側)へ向け所要角度で下方へ傾斜させてあり、各ノズル60には、前記したように送気管61を介して燃焼用空気供給ブロワ5からの空気が供給されるようになっている。
【0050】
散布用空気供給器6によれば、供給口21から供給され落下する固形燃料の分散を助けることができる。特に、固形燃料中の比較的小さい粒子を火格子4の下流側に分散させると燃焼の完結が早く、また、細かい粒子を浮遊燃焼させることができるので、燃焼の完結を促進するために有効である。
さらに、散布用空気供給器6は、高水分の固形燃料を燃焼させる場合、火格子4上に散布され堆積した固形燃料はその乾燥に比較的長い時間を要するため、火格子4上の堆積量が増加し火格子4下部からの燃焼空気の供給が不充分となり、燃焼が不安定となるため、固形燃料の堆積層の上部に燃焼空気を供給するために使用することもできる。
【0051】
一方、固形燃料の燃焼量が少ない場合、あるいは固形燃料のサイズが小さく、表層面積率が大きい場合、または固形燃料の含有水分が少ない場合は、火格子駆動装置9による上下動の速度を減じることにより燃焼速度を下げることが可能である。これにより、固形燃料の火格子4上の層の厚さを表層燃焼が継続できる厚さに保持することにより、火が消えてしまうことを防止できる。
【0052】
図8、図9を主に参照する。
散布用空気供給器6の上方には、固形燃料を燃焼炉1内に供給する固形燃料供給機2が設けられている。固形燃料供給機2は、火格子4の前部側(上流側)へ向け前壁16を斜めに貫通して固定されているシュート部20を備えている。シュート部20下部の供給口21の幅は、燃焼炉1の両側壁13、14の間隔よりやや狭く形成されている。具体的には、供給口21の両端部は、それぞれ火格子4を構成する幅方向両側の火格子構成体41、45の幅方向中間に対応し位置している。これにより、供給口21から供給される固形燃料は、火格子4のほぼ全幅に拡がって堆積する。
シュート部20の上部には、ホッパー部22が同幅で接続されている。ホッパー部22の上部は導入口23となっており、導入口23の上部には木質チップ等の固形燃料を溜めておくサイロ230(図8参照)が接続されている。
【0053】
ホッパー部22の傾斜した下板220の一部には、外側へ膨出した断面円弧形状の収容部24が全幅にわたり形成されている。そして、ホッパー部22には、収容部24に収まるように回転体25が取り付けられている。回転体25は、側板221、222間に軸支されモーター29で駆動される回転軸250を有し、回転軸250には円筒形形状の芯体251が固着されている。芯体251の外周部には、周方向へ等間隔で六箇所に羽根252が設けられている。
各羽根252は、芯体251の軸線方向に対しやや角度をもって形成され、回転時の摩擦の低減を図っている(図4参照)。本実施の形態では、各羽根252は、軸線方向の中間で軸線方向に対する角度を反対に傾斜させている。また、各羽根252の先端は、回転体25が回転するときに収容部24の内面と若干の隙間を設けて曲面に沿うように回転移動する。
【0054】
ホッパー部22の下板220との対向側には、垂直板260と水平板261からなる作業部26が設けられている。作業部26には、垂直板260から水平板261にかけて作業口262が開口されている。作業部26内部には、カバーユニット27が着脱自在に取り付けられている。カバーユニット27は、蓋体270を有し、蓋体270には回転軸271が両端部を突出させて軸支されている。回転軸271の突出した一方側には、カウンターウェイト272が取り付けられている。回転軸271には下方へ向け繋ぎ板273が固着されており、繋ぎ板273の下辺部には、断面円弧形状の可動カバー274が固着されている。
【0055】
側板221、222の上辺部には受溝223が縦方向に設けられている(図9参照)。前記カバーユニット27は、回転軸271の両端側を各受溝223に入れることにより、蓋体270で作業口262を塞ぐようにして着脱自在に取り付けることができる。カバーユニット27をこのようにして取り付けることにより、カウンターウェイト272の作用で可動カバー274の位置が決まり、各羽根252の先端は、回転体25が図8に示す矢印方向(反時計回り)に回転するときに可動カバー274の内面と若干の隙間を設けて曲面に沿うように回転移動する。
なお、図8に示した符号28は、カバーユニット27を装着したときに可動カバー274の位置決めを確実に行うためのストッパーであり、ボルトを進退調節することにより、羽根252の先端と可動カバー274の内面との間隔をある程度調節できる。
【0056】
なお、固形燃料供給機2は、外部空気の漏込みを最小限にするため、回転体25の各羽根252は、下側の収容部24と上側の可動カバー274のそれぞれに少なくとも一枚が必ず位置するようにしてある。さらに、可動カバー274は、大きい固形燃料が通過しても噛み込まないように上方へ逃げることができる構造となっている。また、可動カバー274を含むカバーユニット27は、作業部26から取り外すことができるので、内部の清掃等のメンテナンスを行う際の作業性に優れている。
【0057】
(作用)
温風機Wの作用を固形燃料として木質チップを使用する場合で説明する。
固形燃料供給機2の供給口21から焼却炉1内に木質チップTが供給される。供給された木質チップTは、火格子4の上流側に、火格子4の幅のほぼ全幅にわたり厚く堆積し、その堆積の層は火格子4の幅方向において平均化する。
そして、バーナー7によって木質チップTに着火され、燃焼用空気供給ブロワ5によって火格子4下方から各通風孔49を通り空気が供給される。これにより木質チップTは自燃する。ある程度自燃が進み、燃焼炉1内の温度が十分に上昇したところで、木質チップTが順次追加供給される。
【0058】
この際には、固形燃料供給機2の供給口21下方に設けられている散布用空気供給器6によって、落下中の木質チップTに空気が噴射され、木質チップTの一部を火格子4の下流側へ向けて散らすようにする。これにより、木質チップT中のより細かく軽い粒子が他と分離するように飛ばされて火格子4上の下流側に散布されて分散し、ある程度は堆積する。また、飛ばされた粒子のうち特に細かいものは、燃焼炉内で浮遊しながら燃焼ガス中で着火し、効率よく完結燃焼する。
【0059】
火格子4の上流側に落下した木質チップTは堆積し、すぐに表層から乾燥を開始し揮発分に着火して燃焼する。また、火格子4が火格子駆動装置9によって上下動しており、さらに火格子4が下流側へ向け下り傾斜していることによる相乗作用によって、木質チップTは火格子4上で下流側へ向け全体に拡がり、堆積の厚さのムラが少なくなり平均化する。
木質チップTの堆積の厚さが平均化することにより、火格子4下方から供給される空気が木質チップT全体に満遍なく行き渡り、さらに木質チップTの堆積の厚さが平均化する際に燃焼している木質チップTが崩れることによって層が撹拌され、燃えている部分と追加された木質チップTが混じり合う。これにより、木質チップTは火格子4上で均一に且つ継続して安定的に燃焼することができる。
【0060】
なお、火格子4を構成する各組の火格子構成体41、42、火格子構成体43、44及び火格子構成体45、46は、前記したようにタイミングを違えて上下動するので、各組の火格子構成体上の燃焼中の木質チップTは、各組の火格子構成体と同様に動く。このように各組の火格子構成体をタイミングを違えて上下動させることで、一部の木質チップTが動くときには、他部の木質チップTが動かないか或いはゆっくりと低速で動くようにして、各組の火格子構成体上の燃焼中の木質チップT全体が一度に燃焼が弱まることを防止し、より安定した燃焼の維持を図ることができる。
【0061】
また、木質チップTの固定炭素が燃焼し燃焼が完結すると、火格子4上に灰が残留する。灰は火格子4の上下動によって徐々に外部ピット48側へ移動し、外部ピット48に落ちる。なお、灰の一部は内部ピット47にも落ちる。外部ピット48に可燃分が落下しないように、火格子4の上下動の速度や燃焼空気の供給量を調節する。各ピット47、48に溜まった灰は、図示していない取出口から外部へ取り出すようにする。
【0062】
燃焼炉1内で発生した高温の燃焼ガスは、第1の排気路11を通り、熱交換器8の前部側の各通風管80に入り、下側の通気路83を通り後部側の各通風管80に入り、各通風管80を加熱する。そして、燃焼ガスは第2の排気路11aを通り、サイクロン100へ送られて、火の粉や燃えかす等の固形分がガス分と分離され、ガス分は排気装置102によって栽培ハウス等の設置部外部へ排出される。
【0063】
また、燃焼炉1内で木質チップTが燃焼するのと並行して、送風機30から送風路3へ外部空気が送られている。この送風空気は、燃焼炉1外側の送風路3を通り、左右に分かれるようにして送られながら加熱され、さらに熱交換器8の左右両側から空間82に入り、燃焼ガスによって加熱された各通風管80と接触し、熱交換が行われて加熱される。このようにしてつくられた温風は、外枠81から出て後部外壁板39bの温風排出口36から外部へ温風として排出される。
【0064】
図10を参照する。なお、図10においては、火格子に設けられている通風孔の図示を省略しており、図において、上記と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
【0065】
図10(a)に示す火格子4aは、下流側へ所要角度で下り傾斜した全体が一枚の直板で形成されている。火格子4aの高い側の一端部は、ピン954を介し回動できるように昇降体95と繋がれており、前記火格子4を駆動する火格子駆動装置9と同様の火格子駆動装置9で上下動させる構造である。
【0066】
図10(b)に示す火格子4bは、下流側へ所要角度で下り傾斜した全体が一枚の上方へ膨らむように湾曲した曲板で形成されている。火格子4bの高い側の一端部は、ピン954を介し回動できるように昇降体95と繋がれており、前記火格子4を駆動する火格子駆動装置9と同様の火格子駆動装置9で上下動させる構造である。
【0067】
図10(c)に示す火格子4cは、前後方向に三枚の火格子構成体401、402、403で構成されている。火格子構成体401の前後端は、火格子台40と火格子台40bに掛けられ、火格子構成体402の前後端は、火格子台40bと火格子台40cに掛けられ、火格子構成体403の前後端は、火格子台40cと火格子台40aに掛けられ、火格子4cは全体として下流側へ所要角度で下り傾斜している。各火格子構成体401、402、403の高い側の一端部は、それぞれピン954を介し回動できるように昇降体95と繋がれており、前記火格子4を駆動する火格子駆動装置9と同様の火格子駆動装置9で各火格子構成体401、402、403を上下動させる構造である。
前記何れの火格子4a、4b、4cも前記火格子4とほぼ同様に、上下動することによって火格子上に堆積した固形燃料の層の厚さを平均化することができる。
【0068】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0069】
W 温風機
1 燃焼炉
10 後壁
11 第1の排気路
11a 第2の排気路
11b 排気管
110 区画板
12 天壁
13、14 側壁
15 断熱部材
16 前壁
17 底板
18、18a 断熱部材
2 固形燃料供給機
20 シュート部
21 供給口
22 ホッパー部
220 下板
221、222 側板
223 受溝
23 導入口
24 収容部
25 回転体
250 回転軸
251 芯体
252 羽根
29 モーター
26 作業部
260 垂直板
261 水平板
262 作業口
27 カバーユニット
270 蓋体
271 回転軸
272 カウンターウェイト
273 繋ぎ板
274 可動カバー
28 ストッパー
230 サイロ
3 送風路
30 送風機
31 通気区画板
31a 区画板
32 通気孔
33 区画板
34 導風板
35 空間
36 温風排出口
39 ケース
39a 天部外壁板
39b 後部外壁板
39c 前部外壁板
4 火格子
40 前部側火格子台
40a 後部側火格子台
41、42 火格子構成体
43、44 火格子構成体
431 掛止部
432 取付部
441 取付部
442 掛止部
45、46 火格子構成体
47 内部ピット
48 外部ピット
49 通風孔
5 燃焼用空気供給ブロワ
50 ダクト
51、52 分岐ダクト
6 散布用空気供給器
60 ノズル
61 送気管
7 バーナー
70 断熱部材
8 熱交換器
80 通風管
81 外枠
82 空間
83 通気路
84 通風区画板
85 通風口
86 後部壁
9 火格子駆動装置
90 回転軸
91 モーター
92 第1のカム
93 第2のカム
94 第3のカム
95 昇降体
951、952 軸支板
953 連結板
954 ピン
959 挿通口
96 ローラ
100 サイクロン
101 ダクト
102 排気装置
40b、40c 火格子台
T 木質チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉(1)と、
燃焼炉(1)に固形燃料を供給する固形燃料供給機(2)と、
燃焼炉(1)に沿うように且つ燃焼炉(1)内とは区画されて設けられた送風路(3)に空気を送る送風機(30)と、
一部または全部が動くように駆動することができ、下流側へ向け下り傾斜している火格子(4)と、
火格子(4)の下方から燃焼炉(1)内へ空気を供給する燃焼用空気供給手段(5)と、
燃焼炉(1)内の固形燃料供給機(2)の供給口(21)下方に設けられ、燃焼炉(1)内に外部空気を供給すると共に火格子(4)の下流側へ向け空気を噴射して、供給される固形燃料の一部を散らす散布用空気供給手段(6)と、
火格子(4)上の固形燃料に着火するバーナー(7)と、
送風機(30)から送られる送風空気と燃焼ガスとの熱交換を行う熱交換器(8)と、
を備えている、
温風機。
【請求項2】
固形燃料供給機(2)が、
固形燃料を入れる導入口(23)につながる位置に配され、外周部に軸線方向に沿う所要数の羽根(252)を有し、回転駆動される回転体(25)と、
回転体(25)の長さと同等幅で、火格子(4)の幅と同等幅または近似幅を有する供給口(21)と、
常態では回転体(25)の羽根(252)先端辺の回転軌跡に沿うように位置し、回転体(25)から離れる方向に外力が加わると離隔して回転体(25)との隙間を広くする可動カバー(274)と、
を備えている、
請求項1記載の温風機。
【請求項3】
火格子(4)が複数の火格子構成体(41,42,43,44,45,46)で構成されており、各火格子構成体(41,42,43,44,45,46)はタイミングを違えて動くように駆動される、
請求項1または2のいずれか1項に記載の温風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−80614(P2011−80614A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230916(P2009−230916)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(591065561)株式会社大橋 (5)
【Fターム(参考)】