説明

測定装置、測定データ回収器および測定システム

【課題】測定データの送信時における電力消費量を低減する。
【解決手段】測定部21と、記憶部25と、通信部23と、測定部21および通信部23を制御する制御部24とを備えて、その強弱を測定データDに対応させた第2の信号光Lc,Ldを測定データ回収器3(外部装置)に送信する測定装置2であって、通信部23は、第1の信号光Laを受光する受光素子23aと、通信用セグメントが設けられた液晶セルを有する液晶パネルが設けられた表示部23bとを備え、制御部24は、測定データDの送信を要求する信号光Laが受光素子23aによって受光されたときに、記憶部25に記憶されている測定データDのデータ内容に応じて上記の液晶パネルにおける液晶セルを駆動して測定データ回収器3から出力された連続光Lbを通信用セグメントの部位において遮光または通過させて信号光Lc,Ldとして出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶部に記憶されている測定データを外部装置に送信可能に構成された測定装置、測定装置からの測定データを受信して記憶部に記憶させる測定データ回収器、および測定装置と測定データ回収器とを備えた測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の測定装置、測定データ回収器および測定システムとして、出願人は、温度記録装置において生成された測定データをデータ中継器によって回収可能に構成した温度測定システム(以下、「記録装置」、「中継器」および「測定システム」ともいう)を特開2000−339578号公報に開示している。出願人が開示しているこの測定システムでは、記録装置と中継器とを相互に絶縁した状態において各種信号を送受信可能とするために、光通信によって各種信号を送受信する構成が採用されている。具体的には、この測定システムでは、記録装置および中継器の双方が発光素子と受光素子とをそれぞれ備えて構成されて、発光素子から信号光を出力することで各種信号(測定データ)を送信する構成が採用されている。
【0003】
この測定システムにおいて中継器によって記録装置から測定データを回収する際には、まず、中継器の載置部に記録装置を載置する。この際には、中継器の発光素子と記録装置の受光素子とが対向すると共に、中継器の受光素子と記録装置の発光素子とが対向する状態となる。次いで、中継器の操作部を操作してデータ回収処理の開始を指示すると、中継器の制御部が発光素子を点滅させて、測定データの送信開始を指示する制御信号としての所定の信号光を出力させる。一方、記録装置では、制御部が、受光素子によって受光された信号光(制御信号)に応じて、記憶部(RAM)に記憶されている測定データの中継器に対する送信を開始する。具体的には、記録装置の制御部は、送信すべき測定データのデータ内容に応じて発光素子を点滅させることによって、測定データに対応する信号光を出力させる。これに応じて、中継器の制御部は、上記の信号光が受光素子によって受光されたときに、その信号光に基づいて測定データを生成して記憶部(RAM)に順次記憶させる。これにより、記録装置から測定データが回収される。
【特許文献1】特開2000−339578号公報(第4−6頁、第1−4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、出願人が開示している測定システムには、以下の改善すべき課題がある。すなわち、出願人が開示している測定システムでは、発光素子を点滅させて信号光を出力することによって記録装置から中継器に測定データを送信する構成が採用されている。この場合、この種の記録装置は、例えば、食品等の温度管理状態を検査するために、食品等と共に輸送箱や冷蔵ショーケース内に設置された状態で測定処理を実行する。したがって、この種の記録装置では、外部電源(例えば商用交流)の利用が困難であるため、一般的には、内蔵バッテリを電源として使用する構成が採用されている。この場合、長時間に亘る測定処理を実行するするには、十分な容量のバッテリを搭載する必要があるが、この種の記録装置は、食品等の収容や陳列の妨げとならないように小型化を図る必要があるため、大容量バッテリの搭載が困難となっている。
【0005】
一方、測定データを送信するために発光素子を点滅させる(信号光を出力する)際には、発光素子によって多くの電力が消費される。したがって、測定データの回収作業を実行したときには、その後の測定可能時間(運用可能時間)の大幅な減少を招くこととなる。また、長時間に亘って測定処理を実行したときには、測定処理時に多くの電力が消費されていることに起因して、すべての測定データの送信が完了するまで発光素子を点滅させる(信号光を出力する)のが困難な状況となるおそれもある。このように、出願人が開示している測定システムでは、測定データの送信に際して発光素子を点滅させる(信号光を出力する)のに多くの電力を必要とすることに起因して、長時間に亘る測定処理の実行が困難となるおそれがあり、この点を改善するのが好ましい。なお、出願人が開示している測定システムにおける光通信に代えて、無線通信によって測定データ等を送受信する構成の測定装置を備えた測定システムも存在するが、無線通信時に消費される電力が光通信時に消費される電力よりもさらに多いため、このような測定システムでは、上記の課題が一層切実なものとなっている。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、測定データの送信時における測定装置の電力消費量を低減し得る測定装置、測定データ回収器および測定システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、測定データを生成する測定部と、前記測定データを記憶する測定装置側記憶部と、外部装置から出力された第1の信号光を受光すると共に当該外部装置に第2の信号光を出力する測定装置側通信部と、前記測定部および前記測定装置側通信部を制御する測定装置側制御部とを備えて、その強弱を前記測定データに対応させた前記第2の信号光を前記外部装置に送信する測定装置であって、前記測定装置側通信部が、前記第1の信号光を受光する測定装置側受光部と、通信用セグメントが設けられた液晶セルを有する液晶パネルとを備え、前記測定装置側制御部が、前記測定データの送信を要求する前記第1の信号光が前記測定装置側受光部によって受光されたときに、前記測定装置側記憶部に記憶されている前記測定データのデータ内容に応じて前記液晶セルを駆動して前記外部装置から出力された連続光を前記通信用セグメントの部位において遮光または通過させて前記第2の信号光として出力させる。
【0008】
また、請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記液晶パネルが、前記通信用セグメントとして、第1の通信用セグメントおよび第2の通信用セグメントを備え、前記測定装置側制御部が、前記第1の通信用セグメントの部位において予め規定された周期で前記連続光を遮光または通過させることによって前記第2の信号光としての通信用クロック信号光を出力させると共に、前記第2の通信用セグメントの部位において前記測定データのデータ内容に応じて前記予め規定された周期に同期させつつ前記連続光を遮光または通過させることによって前記第2の信号光としてのデータ送信用信号光を出力させる。
【0009】
さらに、請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の測定装置において、前記測定データに基づく測定値を表示する表示部内に前記通信用セグメントが設けられている。
【0010】
また、請求項4記載の測定データ回収器は、測定データを記憶する回収器側記憶部と、測定装置に第1の信号光を出力すると共にその強弱が前記測定データに対応させられて当該測定装置から出力された第2の信号光を受光する回収器側通信部と、前記回収器側通信部を制御する回収器側制御部とを備えて、前記測定装置から送信された前記第2の信号光から抽出した前記測定データを前記回収器側記憶部に記憶させる測定データ回収器であって、前記回収器側通信部が、前記第1の信号光を出力する第1の発光部と、前記測定装置に連続光を出力する第2の発光部と、前記第2の発光部から出力されて前記測定装置を介して当該測定データ回収器に入力される前記第2の信号光を受光する回収器側受光部とを備え、前記回収器側制御部が、前記回収器側通信部を制御して前記測定データの送信を要求する前記第1の信号光を前記第1の発光部から出力させると共に、前記第2の発光部から前記連続光を出力させ、かつ前記回収器側受光部によって受光された前記第2の信号光から前記測定データを抽出して前記回収器側記憶部に記憶させる。
【0011】
また、請求項5記載の測定システムは、請求項1から3のいずれかに記載の測定装置と、請求項4記載の測定データ回収器とを備えて、当該測定装置によって生成された前記測定データを当該測定データ回収器によって回収可能に構成されている。
【0012】
さらに、請求項6記載の測定システムは、請求項5記載の測定システムにおいて、前記測定装置および前記測定データ回収器の少なくとも一方には、前記第1の発光部から出力された前記第1の信号光の前記測定装置側受光部による受光、前記第2の発光部から出力された前記連続光の前記液晶パネルへの入射、および前記液晶パネルから出力された前記第2の信号光の前記回収器側受光部による受光が可能となる位置関係に当該測定装置および当該測定データ回収器を相互に位置決めする位置決め機構が設けられている。
【0013】
また、請求項7記載の測定システムは、請求項5または6記載の測定システムにおいて、前記測定装置および前記測定データ回収器の少なくとも一方には、前記測定装置側受光部および前記回収器側受光部に対する外光の入射を規制する遮光機構が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の測定装置では、測定装置側通信部が、第1の信号光を受光する測定装置側受光部と、通信用セグメントが設けられた液晶セルを有する液晶パネルとを備え、測定装置側制御部が、測定データの送信を要求する第1の信号光が測定装置側受光部によって受光されたときに、測定装置側記憶部に記憶されている測定データのデータ内容に応じて液晶セルを駆動して外部装置から出力された連続光を通信用セグメントの部位において遮光または通過させてその強弱を測定データに対応させた第2の信号光を外部装置に送信する。また、請求項4記載の測定データ回収器では、回収器側通信部が、測定装置に連続光を出力する第2の発光部を備えている。さらに、請求項5記載の測定システムでは、上記の測定装置および測定データ回収器を備えて、測定装置によって生成された測定データを測定データ回収器によって回収可能に構成されている。
【0015】
したがって、この測定装置、測定データ回収器および測定システムによれば、測定データ回収器から出力した連続光を測定装置の通信用セグメントによって遮光または通過させて測定装置から第2の信号光として出力することができるため、発光素子の点滅によって測定データを中継器に送信する構成の従来の記録装置を備えたシステムと比較して、測定データの送信時における測定装置の消費電力を大幅に低減することができる。したがって、この測定装置、測定データ回収器および測定システムによれば、測定装置の測定可能時間(運用可能時間)の大幅な減少を招くことなく、測定装置から測定データ回収器に測定データを確実に送信することができると共に、測定装置によって長時間に亘って測定処理を実行した後であっても(内蔵バッテリの残容量が少ない状態においても)、測定データ回収器に対して測定データを確実に送信させることができる。
【0016】
また、請求項2記載の測定装置によれば、液晶パネルが、通信用セグメントとして、第1の通信用セグメントおよび第2の通信用セグメントを備え、測定装置側制御部が、第1の通信用セグメントの部位において予め規定された周期で連続光を遮光または通過させることによって第2の信号光としての通信用クロック信号光を出力させると共に、第2の通信用セグメントの部位において測定データのデータ内容に応じて予め規定された周期に同期させつつ連続光を遮光または通過させることによって第2の信号光としてのデータ送信用信号光を出力させることにより、例えば、測定データ回収器から出力された連続光を1つの通信用セグメントによって遮光または通過させることで測定データおよび同期用のクロック信号に対応する2つの信号光を交互に出力する構成と比較して、同期用のクロック信号および測定データに対応する2つの信号光を第2の信号光として並行して出力することにより、大量の測定データを測定データ回収器に短時間で送信することができる。この結果、測定データの送信時における測定装置の消費電力を一層低減することができる。
【0017】
さらに、請求項3記載の測定装置によれば、測定データに基づく測定値を表示する表示部内に通信用セグメントを設けたことにより、測定データ回収器との通信専用の液晶パネルを設けることなく、測定データを送信することができるため、測定装置の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0018】
また、請求項6記載の測定システムによれば、測定装置および測定データ回収器の少なくとも一方に、第1の発光部から出力された第1の信号光の測定装置側受光部による受光、第2の発光部から出力された連続光の液晶パネルへの入射、および液晶パネルから出力された第2の信号光の回収器側受光部による受光が可能となる位置関係に測定装置および測定データ回収器を相互に位置決めする位置決め機構を設けたことにより、測定データ回収器における第1の発光部から出力した第1の信号光を測定装置における測定装置側受光部によって確実に受光することができ、かつ、測定データ回収器における第2の発光部から出力した連続光を測定装置における液晶パネルの通信用セグメントに対して確実に入射させることができると共に、測定装置における液晶パネルPから出力された第2の信号光を測定データ回収器における回収器側受光部によって確実に受光することができる。したがって、測定データ回収器を用いて測定装置からの測定データを確実に回収することができる。
【0019】
さらに、請求項7記載の測定システムによれば、測定装置および測定データ回収器の少なくとも一方に、測定装置側受光部および回収器側受光部に対する外光の入射を規制する遮光機構を設けたことにより、測定装置側通信部における測定装置側受光部や回収器側通信部における回収器側受光部に外光が入射して、通信エラーが発生する事態を確実に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る測定装置、測定データ回収器および測定システムの最良の形態について説明する。
【0021】
図1に示す測定システム1は、本発明に係る測定システムの一例であって、測定装置2、測定データ回収器3およびパーソナルコンピュータ4を備えて構成されている。この場合、測定装置2は、本発明に係る測定装置の一例であって、測定部21、操作部22、通信部23、制御部24、記憶部25および内蔵バッテリ(図示せず)を備えている。測定部21は、制御部24の制御に従って入力信号についての測定処理を実行して、本発明における測定データの一例である測定データDを生成する。この測定装置2では、一例として、測定部21が図示しない温度センサからの入力信号(測定装置2の周囲の温度に応じたセンサ信号)に基づいて、周囲温度を示す測定データDを生成する構成が採用されている。操作部22は、測定部21による上記の温度測定の測定条件を設定操作するための操作スイッチや電源スイッチ(図示せず)などを備えている。
【0022】
通信部23は、本発明における測定装置側通信部に相当し、受光素子23aおよび表示部23bを備えて構成されている。受光素子23aは、本発明における測定装置側受光部に相当し、後述するように測定データ回収器3から出力された信号光La(本発明における第1の信号光)を受光して電気的信号に変換して制御部24に出力する。表示部23bは、図4に示すように、一例として、ノーマリーホワイト型の液晶セル40aと、液晶セル40aの裏面に配設された反射板40bとを有する反射型の液晶パネルPを備えて構成されている。この表示部23bは、図2に示すように、測定データDに基づく測定値(この例では、温度)を表示するための複数のセグメントを有する測定値表示部41と、本発明における第1の通信用セグメントに相当する通信用セグメント42a、および本発明における第2の通信用セグメントに相当する通信用セグメント42bを有する通信用表示部42とを備えている。なお、上記の通信用セグメント42a,42aは、常態においては、非表示状態に制御されている。
【0023】
この場合、上記の液晶パネルPは、制御部24と相俟って本発明における測定装置側制御部を構成する液晶駆動用制御回路40cを備えて、この液晶駆動用制御回路40cが制御部24の制御に従って所定の駆動タイミングパルス信号(図5参照)に同期して、液晶セル40a内の上記の各セグメントをON/OFF制御(表示または非表示に制御)する。また、この測定装置2では、後述するようにして通信用セグメント42a,42bを表示または非表示に制御することによって、測定データ回収器3から出力された連続光Lbを遮光または通過させて信号光Lc(本発明における第2の信号光としての通信用クロック信号光)および信号光Ld(本発明における第2の信号光としてのデータ送信用信号光)として出力する構成が採用されている。この場合、通信用セグメント42a,42bが表示されて連続光Lbが遮光された状態では、信号光Lc,Ldの出力が規制される。また、通信用セグメント42a,42bによって連続光Lbが完全には遮光し切れなかったときであっても、出力される光量は極く微小に制限される。一方、通信用セグメント42a,42bが非表示に制御されて連続光Lbの通過が許容された状態(連続光Lbの反射板40bへの入射が許容された状態)では、連続光Lbと同程度の強い光が信号光Lc,Ldとして出力される。
【0024】
制御部24は、測定装置2を総括的に制御する。具体的には、制御部24は、測定部21を制御して測定処理を実行させると共に、測定部21から出力された測定データDを記憶部25に記憶させる。また、制御部24は、測定データDの送信開始を要求する信号光Laが受光素子23aによって受光されたとき(受光素子23aから送信開始信号S1が出力されたとき)に、記憶部25に記憶されている測定データDのデータ内容に応じて表示部23bの液晶駆動用制御回路40cを制御して通信用セグメント42a,42bを表示または非表示に制御させる。なお、制御部24による表示制御については、後に詳細に説明する。記憶部25は、本発明における測定装置側記憶部に相当し、測定データDや、制御部24の動作プログラムなどを記憶する。
【0025】
測定データ回収器3は、本発明に係る測定データ回収器および本発明における外部装置の一例であって、通信部31,32、操作部33、制御部34および記憶部35を備えている。また、図4に示すように、測定データ回収器3の筐体30には、測定装置2を嵌入するための嵌入用穴Hが形成されている。通信部31は、本発明における回収器側通信部に相当し、図3に示すように、発光素子31a,31bおよび受光素子31c,31dを備えている。発光素子31aは、本発明における第1の発光部に相当し、制御部34の制御に従って点滅させられることにより、送信開始信号S1等の各種制御信号を信号光Laとして出力する。発光素子31bは、本発明における第2の発光部に相当し、制御部34からの制御信号S2に従って点灯させられることにより、測定データ回収器3から信号光Lc,Ldを出力させるための連続光Lbを出力する。受光素子31c,31dは、本発明における回収器側受光部に相当し、測定装置2から出力された信号光Lc,Ld(連続光Lbの反射光)を受光して電気的信号(クロック信号Scおよびデータ信号Sd)に変換して制御部34に出力する。
【0026】
通信部32は、測定装置2から回収した測定データDをパーソナルコンピュータ4に転送(送信)するための通信部であって、パーソナルコンピュータ4に対して通信ケーブル5を介して接続可能とするためのケーブル接続コネクタ(図示せず)を備えている。操作部33は、測定装置2に対して測定データDの送信開始を指示するスイッチなどの各種操作スイッチ(図示せず)を備えている。制御部34は、本発明における回収器側制御部に相当し、測定データ回収器3を総括的に制御する。具体的には、制御部34は、操作部33のスイッチ操作によって測定データDの回収処理の開始を指示されたときに、通信部31の発光素子31aを制御して点滅させることにより、送信開始信号S1としての信号光Laを出力させる。また、制御部34は、発光素子31bに制御信号S2を出力して点灯させることにより、連続光Lbを出力させる。
【0027】
さらに、制御部34は、後述するようにして、測定装置2から信号光Lcとして出力されたクロック信号Sc(受光素子31cによって信号光Lcが電気的信号に変換されたもの)に同期して測定装置2から信号光Ldとして出力されたデータ信号Sd(受光素子31dによって信号光Ldが電気的信号に変換されたもの)を符号化処理して(抽出して)測定データDを生成する。また、制御部34は、抽出した測定データDを記憶部35に記憶させる。さらに、制御部34は、パーソナルコンピュータ4からの要求に応じて、記憶部35に記憶させた測定データDを通信部32からパーソナルコンピュータ4に送信させる。記憶部35は、本発明における回収器側記憶部に相当し、測定データDや制御部34の動作プログラムなどを記憶する。
【0028】
この場合、この測定データ回収器3では、上記の嵌入用穴Hが形成された筐体30(嵌入用穴Hの内側壁および底部)が本発明における位置決め機構および遮光機構を構成する。具体的には、嵌入用穴Hは、測定装置2における筐体20の外形に合わせて測定データ回収器3の筐体30に開口されている。したがって、この嵌入用穴Hに測定装置2(筐体20)を嵌入することによって、筐体20の正面パネル(液晶パネルPの配設面)が嵌入用穴Hの底面に密着すると共に、筐体20の周面が嵌入用穴Hの内側壁に密着する。これにより、嵌入用穴H内ので筐体20のがたつきが規制されて測定データ回収器3に対して測定装置2が位置決めされると共に、測定装置2の受光素子23aや測定データ回収器3の受光素子31c,31dに対する外光の入射が規制される。
【0029】
また、図3,4に示すように、この測定システム1では、測定データ回収器3の嵌入用穴Hに測定装置2を嵌入した状態(測定データ回収器3に対して測定装置2を位置決めした状態)において、測定データ回収器3の発光素子31aと測定データ回収器3の受光素子23aとが対向すると共に、測定装置2の通信用セグメント42a,42bと測定データ回収器3の発光素子31bおよび受光素子31c,31dとが対向する状態となるように構成されている。この場合、図4に示すように、通信用表示部42の通信用セグメント42a,42bは、制御部24によって表示状態に制御されたときに、測定データ回収器3の発光素子31bから出力された連続光Lbを遮光して液晶パネルPにおける反射板40bに到達する(入射する)のを規制すると共に、規制し切れずに反射板40bに到達して反射板40bによって反射された僅かな連続光Lbが測定データ回収器3の受光素子31c,31dに向かって出力されるのを規制するように、その位置や大きさが規定されている。
【0030】
パーソナルコンピュータ4は、測定データ回収器3によって回収した測定データDを管理する管理装置であって、通信ケーブル5によって測定データ回収器3が接続された状態において、通信ケーブル5を介して制御信号を出力すると共に、通信ケーブル5を介して測定データ回収器3から送信された測定データDを受信する。なお、測定データ回収器3とパーソナルコンピュータ4との間の通信方法は、通信ケーブル5を利用した通信方法に限定されず、光通信や無線通信などの各種通信手段を採用することができる。
【0031】
この測定システム1の使用に際しては、まず、測定装置2における操作部22のスイッチ操作、または、測定データ回収器3からの測定条件データの送信によって測定装置2に対して測定条件を設定する。次いで、測定装置2を任意の測定場所(一例として、冷蔵ショーケース内)に設置する。この状態において、測定装置2の制御部24は、設定された測定条件に従って測定部21を制御して測定処理を実行させ、これに応じて、測定部21は、周囲の温度を測定して測定データDを生成する。また、制御部24は、測定部21によって生成された測定データDを記憶部25に順次記憶させる。これにより、設定した測定条件に従って、測定装置2の設置場所の温度を示す測定データDが記憶部25に蓄積される。
【0032】
一方、測定装置2から測定データDを回収する際には、測定装置2を冷蔵ショーケース内から取り出して、図4に示すように、測定データ回収器3の嵌入用穴Hに嵌入する。この際には、前述したように、測定データ回収器3の発光素子31aと測定装置2の受光素子23aとが対向すると共に、測定データ回収器3の発光素子31bおよび受光素子31c,31dと測定装置2の表示部23bにおける通信用表示部42(通信用セグメント42a,42b)とが対向した状態となる。また、測定装置2の筐体における周面と嵌入用穴Hの内側壁とが密着することで、嵌入用穴H内での測定装置2のがたつきが規制され(測定データ回収器3に対して測定装置2が位置決めされ)、かつ、測定装置2の受光素子23aや測定データ回収器3の受光素子31c,31dへの外光の入射が規制される。次いで、測定データ回収器3の操作部33を操作して、測定データDの回収処理の開始を指示する。この際に、制御部34は、通信部31の発光素子31aを制御して点滅させることにより、送信開始信号S1としての信号光La(本発明における第1の信号光)を出力させる。また、制御部34は、発光素子31bに制御信号S2を出力して点灯させることによって連続光Lbの出力を開始させる。
【0033】
この際に、測定装置2では、受光素子23aが測定データ回収器3から出力された信号光Laを受光して電気的信号(送信開始信号S1)に変換して制御部24に出力し、これに応じて、制御部24は、測定データ回収器3に対する測定データDの送信処理を開始する。具体的には、制御部24は、通信部23における表示部23b(液晶パネルP)の液晶駆動用制御回路40cを制御することにより、測定データ回収器3に送信すべきデータ信号Sd(測定データDを測定データ回収器3に送信するための信号)に応じて通信用セグメント42bを点滅させる。また、制御部24は、液晶駆動用制御回路40cを制御して、測定データ回収器3に対してデータ信号Sdを符号化させるため(データ信号Sdを測定データDに変換させるため)のクロック信号Scに応じて通信用セグメント42aを点滅させる。
【0034】
この場合、図5に示すように、測定装置2に搭載されている液晶パネルPでは、駆動タイミングパルス信号に同期して液晶駆動用制御回路40cが各セグメントをON/OFF制御する構成が採用されている。また、前述したように、この液晶パネルPの液晶セル40aは、ノーマリホワイト型であるため、液晶駆動用制御回路40cがON制御しているときには、対応するセグメントが表示状態となり、液晶駆動用制御回路40cがOFF制御しているときには、対応するセグメントが非表示状態となる。したがって、制御部24は、測定データ回収器3に対して信号光Lc,Ld(測定データ回収器3から出力されている連続光Lbの反射光)を出力させるときには、液晶駆動用制御回路40cを制御して、通信用セグメント42a,42bを非表示状態に制御させて連続光Lbを通過させ、測定データ回収器3に対する信号光Lc,Ldの出力を停止させるときには、液晶駆動用制御回路40cを制御して、通信用セグメント42a,42bを表示状態に制御させて連続光Lbを遮光(通過を規制)させる。
【0035】
この場合、この測定装置2では、上記のクロック信号Scの1周期(本発明における「予め規定された周期」:同図における時間T)における前半期間(同図における時間Ta)において測定データ回収器3に対する信号光Lcの出力を停止すると共に、クロック信号Scの1周期における後半期間(同図における時間Tb)において測定データ回収器3に対して信号光Lcを出力することによって、その強弱をクロック信号Scに対応させて出力する構成が採用されている。したがって、制御部24は、液晶駆動用制御回路40cを制御して、クロック信号Scの1周期における前半期間(時間Ta)において通信用セグメント42aをON制御する(表示状態に制御する)と共に、クロック信号Scの1周期における後半期間(時間Tb)において通信用セグメント42aをOFF制御する(非表示状態に制御する)。これにより、測定データ回収器3から出力された連続光Lbの反射光である信号光Lc(本発明における通信用クロック信号光)としてクロック信号Scが測定装置2から測定データ回収器3に出力される。
【0036】
また、この測定装置2では、測定データ回収器3に対して送信すべき測定データDのデータ内容に応じて上記のデータ信号Sdを生成し、このデータ信号Sdをクロック信号Scに同期させて信号光Ldとして測定データ回収器3に出力する構成が採用されている。具体的には、この測定装置2では、上記のクロック信号Scの1周期(時間T)毎にデータ信号Sdに応じて信号光Ldを出力または出力停止することによって、その強弱をデータ信号Sdに対応させて出力する構成が採用されている。したがって、制御部24は、液晶駆動用制御回路40cを制御して、信号光Ldの出力を停止すべき周期においては、時間Tだけ通信用セグメント42bをON制御する(表示状態に制御する)と共に、信号光Ldを出力すべき周期においては、時間Tだけ通信用セグメント42bをOFF制御する(非表示状態に制御する)。これにより、測定データ回収器3から出力された連続光Lbの反射光である信号光Ld(本発明におけるデータ送信用信号光)としてデータ信号Sdが測定装置2から測定データ回収器3に出力される。
【0037】
なお、制御部24は、記憶部25内のすべての測定データDについて、対応するデータ信号Sd(信号光Ld)を出力したときに、測定データDの送信が完了した旨を報知するデータ信号Sd(信号光Ld)を出力させた後に、通信用セグメント42a,42の表示制御を終了する。この場合、この測定装置2では、測定データ回収器3から出力された連続光Lbの反射光を上記の信号光Lc,Ldとして出力する構成が採用されているため、大量の測定データDを測定データ回収器3に送信する場合であっても、通信用セグメント42a,42bをON制御(表示状態に制御)するのに要する極く少量の電力で信号光Lc,Ldを出力することが可能となっている。
【0038】
一方、測定データ回収器3では、受光素子31cが信号光Lcを受光して電気的信号(クロック信号Sc)に変換して制御部34に出力すると共に、受光素子31dが信号光Ldを受光して電気的信号(データ信号Sd)に変換して制御部34に出力する。これに応じて、制御部34は、クロック信号Scに同期してデータ信号Sdを符号化することによって測定データDを抽出し、抽出した測定データDを記憶部35に順次記憶させる。また、測定装置2から測定データDの送信が完了した旨を報知する信号光Ld(データ信号Sd)が出力されたときには、制御部34は、発光素子31bに制御信号S2を出力して、連続光Lbの出力を停止させる。これにより、測定装置2の記憶部25に記憶されている測定データDの回収処理が完了する。この後、測定データ回収器3をパーソナルコンピュータ4に接続して、回収した測定データDをパーソナルコンピュータ4に転送する。これにより、パーソナルコンピュータ4によって測定データDに基づく温度管理状態検査等が可能な状態となる。
【0039】
このように、この測定装置2では、通信部23が、測定データ回収器3から出力された信号光Laを受光する受光素子23aと、通信用セグメント42a,42bが設けられた液晶セル40aを有する液晶パネルPとを備え、制御部24が、測定データDの送信を要求する信号光Laが受光素子23aによって受光されたときに、記憶部25に記憶されている測定データDのデータ内容に応じて液晶駆動用制御回路40cを制御して液晶セル40aを駆動させて測定データ回収器3から出力された連続光Lbを通信用セグメント42a,42bの部位において遮光または通過させてその強弱をクロック信号Scおよびデータ信号Sdに対応させた信号光Lc,Ldを出力させることで測定データDを測定データ回収器3に送信する。また、この測定データ回収器3では、通信部31が、測定装置2に連続光Lbを出力する発光素子31bを備えている。さらに、この測定システム1では、上記の測定装置2および測定データ回収器3を備えて、測定装置2によって生成された測定データDを測定データ回収器3によって回収可能に構成されている。
【0040】
したがって、この測定装置2、測定データ回収器3および測定システム1によれば、測定データ回収器3から出力した連続光Lbを測定装置2の通信用セグメント42a,42bによって遮光または通過させて測定装置2から信号光Lc,Ldとして出力することができるため、発光素子の点滅によって測定データを中継器に送信する構成の従来の記録装置を備えたシステムと比較して、測定データDの送信時における測定装置2の消費電力を大幅に低減することができる。したがって、この測定装置2、測定データ回収器3および測定システム1によれば、測定装置2の測定可能時間(運用可能時間)の大幅な減少を招くことなく、測定装置2から測定データ回収器3に測定データDを確実に送信することができると共に、測定装置2によって長時間に亘って測定処理を実行した後であっても(内蔵バッテリの残容量が少ない状態においても)、測定データ回収器3に対して測定データDを確実に送信させることができる。
【0041】
また、この測定装置2によれば、液晶パネルPが、本発明における通信用セグメントとして、本発明における第1の通信用セグメントに相当する通信用セグメント42aおよび本発明における第2の通信用セグメントに相当する通信用セグメント42bを備え、制御部24が、通信用セグメント42aの部位において予め規定された周期で連続光Lbを遮光または通過させることによって、本発明における通信用クロック信号光としての信号光Lcを出力させると共に、第2の通信用セグメント42bの部位において測定データDのデータ内容に応じて予め規定された周期に同期させつつ連続光Lbを遮光または通過させることによって本発明におけるデータ送信用信号光としての信号光Ldを出力させることにより、例えば、測定データ回収器3から出力された連続光Lbを1つの通信用セグメントによって遮光または通過させることでクロック信号Scおよびデータ信号Sdの両信号に相当する信号光を交互に出力する構成と比較して、クロック信号Scおよびデータ信号Sdを信号光Lc,Ldとして並行して出力することにより、大量の測定データDを測定データ回収器3に短時間で送信することができる。この結果、測定データDの送信時における測定装置2の消費電力を一層低減することができる。
【0042】
さらに、この測定装置2によれば、測定データDに基づく測定値を表示する表示部23b内に通信用セグメント42a,42bを設けたことにより、測定データ回収器3との通信専用の液晶パネルを設けることなく、測定データDを送信することができるため、測定装置2の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0043】
また、この測定システム1によれば、測定装置2および測定データ回収器3の少なくとも一方(この例では、測定データ回収器3)に、発光素子31aから出力された信号光Laの受光素子23aによる受光、発光素子31bから出力された連続光Lbの液晶パネルPへの入射、および液晶パネルPから出力された信号光Lc,Ldの受光素子31c,31dによる受光が可能となる位置関係に測定装置2および測定データ回収器3を相互に位置決めする位置決め機構(この例では、測定装置2の筐体20を嵌入可能に測定データ回収器3の筐体30に形成された嵌入用穴H)を設けたことにより、測定データ回収器3の通信部31における発光素子31aから出力した信号光Laを測定装置2の通信部23における受光素子23aによって確実に受光することができ、かつ、通信部31の発光素子31bから出力した連続光Lbを通信部23の表示部23b(通信用セグメント42a,42b)に対して確実に入射させることができると共に表示部23bから出力された信号光Lc,Ldを通信部31の受光素子31c,31dによって確実に受光することができる。したがって、測定データ回収器3を用いて測定装置2からの測定データDを確実に回収することができる。
【0044】
さらに、この測定システム1によれば、測定装置2および測定データ回収器3の少なくとも一方(この例では、双方)に、受光素子23aおよび受光素子31c,31dに対する外光の入射を規制する遮光機構(この例では、測定装置2の筐体20を嵌入可能に測定データ回収器3の筐体30に形成された嵌入用穴H)を設けたことにより、測定装置2の通信部23における受光素子23aや測定データ回収器3の通信部31における受光素子31c,31dに外光が入射して、通信エラーが発生する事態を確実に回避することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、測定データ回収器3の発光素子31bから出力した連続光Lbを測定装置2の液晶パネルPにおける反射板40bによって反射して信号光Lc,Ldとして出力する構成の測定装置2および測定データ回収器3を有する測定システム1を例に挙げて説明したが、図6に示すように、測定データ回収器3aにおける発光素子31b(本発明における第2の発光部)を受光素子31c,31d(本発明における回収器側受光部)に対向配置して、発光素子31bから出力された連続光Lbが測定装置2aの液晶パネルPaを通過して信号光Lc,Ldとして受光素子31c,31dに入射するように構成した測定装置2aおよび測定データ回収器3aを備えて測定システム1Aを構成することができる。なお、この測定システム1Aにおいて前述した測定システム1と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
この測定システム1Aでは、測定データ回収器3aの筐体30aに測定装置2aを嵌入可能な嵌入用穴Haが形成されて測定装置2aの筐体20aにおける正面、背面および左右両側面が嵌入用穴Haの内側壁に接することで、嵌入用穴Ha内で測定データ回収器3aに対して測定装置2aが位置決めされつつ、受光素子23a,31c,31dに対する外光の入射が規制される。なお、同図に示す測定装置2aでは、反射板40bを有する液晶パネルPaを備えて、反射板40bに発光素子31bから出力された連続光Lbを通過させるための孔を設けているが、上記のように発光素子31bと受光素子31c,31dとを対向配置した場合には、本発明における液晶パネルとして反射板40bを有していない透過型の液晶パネルを採用することもできる。
【0047】
また、測定データ回収器3の筐体30に形成した嵌入用穴H、および測定データ回収器3aの筐体30aに形成した嵌入用穴Haによって本発明における位置決め機構および遮光機構を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、一例として、測定装置および測定データ回収器のいずれか一方に形成した位置決め用凸部(図示せず)と、測定装置および測定データ回収器のいずれか他方に形成した位置決め用凹部(上記の位置決め用凸部を嵌入可能な凹部:図示せず)とによって本発明における位置決め機構を構成したり、測定装置および測定データ回収器の双方または測定装置だけに遮光用壁部(図示せず)を設けて本発明における遮光機構を構成したりすることができる。さらに、周囲の温度を測定する測定装置2を備えた測定システム1を例に挙げて説明したが、湿度、光度、風向および各種電気的パラメータ等を測定する測定装置を備えた測定システムに本発明を適用することもできる。また、発光素子31bから本発明における連続光に相当する連続光Lbを出力する例について説明したが、発光素子31bに代えて、電球等の各種光源から連続光Lbを出力する構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る測定システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】測定装置2における通信部23(受光素子23aおよび表示部23b)の正面図である。
【図3】測定データ回収器3における通信部31の正面図である。
【図4】測定データ回収器3の嵌入用穴Hに測定装置2を嵌入した状態の断面図である。
【図5】通信用セグメント42a,42bの表示タイミングについて説明するためのタイミングチャートである。
【図6】測定システム1Aの測定データ回収器3aにおける嵌入用穴Haに測定装置2aを嵌入した状態の断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A 測定システム
2,2a 測定装置
3,3a 測定データ回収器
20,20a,30,30a 筐体
21 測定部
23,31 通信部
23a,31c,31d 受光素子
23b 表示部
24,34 制御部
25,35 記憶部
31a,31b 発光素子
40a 液晶セル
40b 反射板
40c 液晶駆動用制御回路
41 測定値表示部
42 通信用表示部
42a,42b 通信用セグメント
D 測定データ
H,Ha 嵌入用穴
La,Lc,Ld 信号光
Lb 連続光
P,Pa 液晶パネル
S1 送信開始信号
S2 制御信号
Sc クロック信号
Sd データ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定データを生成する測定部と、前記測定データを記憶する測定装置側記憶部と、外部装置から出力された第1の信号光を受光すると共に当該外部装置に第2の信号光を出力する測定装置側通信部と、前記測定部および前記測定装置側通信部を制御する測定装置側制御部とを備えて、その強弱を前記測定データに対応させた前記第2の信号光を前記外部装置に送信する測定装置であって、
前記測定装置側通信部は、前記第1の信号光を受光する測定装置側受光部と、通信用セグメントが設けられた液晶セルを有する液晶パネルとを備え、
前記測定装置側制御部は、前記測定データの送信を要求する前記第1の信号光が前記測定装置側受光部によって受光されたときに、前記測定装置側記憶部に記憶されている前記測定データのデータ内容に応じて前記液晶セルを駆動して前記外部装置から出力された連続光を前記通信用セグメントの部位において遮光または通過させて前記第2の信号光として出力させる測定装置。
【請求項2】
前記液晶パネルは、前記通信用セグメントとして、第1の通信用セグメントおよび第2の通信用セグメントを備え、
前記測定装置側制御部は、前記第1の通信用セグメントの部位において予め規定された周期で前記連続光を遮光または通過させることによって前記第2の信号光としての通信用クロック信号光を出力させると共に、前記第2の通信用セグメントの部位において前記測定データのデータ内容に応じて前記予め規定された周期に同期させつつ前記連続光を遮光または通過させることによって前記第2の信号光としてのデータ送信用信号光を出力させる請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記測定データに基づく測定値を表示する表示部内に前記通信用セグメントが設けられている請求項1または2記載の測定装置。
【請求項4】
測定データを記憶する回収器側記憶部と、測定装置に第1の信号光を出力すると共にその強弱が前記測定データに対応させられて当該測定装置から出力された第2の信号光を受光する回収器側通信部と、前記回収器側通信部を制御する回収器側制御部とを備えて、前記測定装置から送信された前記第2の信号光から抽出した前記測定データを前記回収器側記憶部に記憶させる測定データ回収器であって、
前記回収器側通信部は、前記第1の信号光を出力する第1の発光部と、前記測定装置に連続光を出力する第2の発光部と、前記第2の発光部から出力されて前記測定装置を介して当該測定データ回収器に入力される前記第2の信号光を受光する回収器側受光部とを備え、
前記回収器側制御部は、前記回収器側通信部を制御して前記測定データの送信を要求する前記第1の信号光を前記第1の発光部から出力させると共に、前記第2の発光部から前記連続光を出力させ、かつ前記回収器側受光部によって受光された前記第2の信号光から前記測定データを抽出して前記回収器側記憶部に記憶させる測定データ回収器。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の測定装置と、請求項4記載の測定データ回収器とを備えて、当該測定装置によって生成された前記測定データを当該測定データ回収器によって回収可能に構成されている測定システム。
【請求項6】
前記測定装置および前記測定データ回収器の少なくとも一方には、前記第1の発光部から出力された前記第1の信号光の前記測定装置側受光部による受光、前記第2の発光部から出力された前記連続光の前記液晶パネルへの入射、および前記液晶パネルから出力された前記第2の信号光の前記回収器側受光部による受光が可能となる位置関係に当該測定装置および当該測定データ回収器を相互に位置決めする位置決め機構が設けられている請求項5記載の測定システム。
【請求項7】
前記測定装置および前記測定データ回収器の少なくとも一方には、前記測定装置側受光部および前記回収器側受光部に対する外光の入射を規制する遮光機構が設けられている請求項5または6記載の記載の測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−33482(P2010−33482A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197271(P2008−197271)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】