説明

溶加材の製造方法

【課題】 母管の内面又は外面に難加工材料からなる表面層が形成された二重管の溶接に適した溶加材を安価に製造するための方法を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る溶加材の製造方法の1番目は、筒状基材10の外面に、プラズマ粉末溶接法を用いて溶着層12を形成する溶接工程と、基材10を除去し、筒状の溶着層12を分離する分離工程と、溶着層12からリング状の溶加材14を切り出す加工工程とを備えている。また、本発明に係る溶加材の製造方法の2番目は、基材30の表面に凹溝30aを形成し、凹溝30aにプラズマ粉末溶接法を用いて溶着層32を形成する溶接工程と、基材30から棒状の溶着層32を分離する分離工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶加材の製造方法に関し、さらに詳しくは、母管の内面又は外面に難加工材料からなる表面層が形成された二重管の溶接に用いられる溶加材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接法は、局部的にエネルギを加えて別個の物体を原子間結合させる方法であり、アーク溶接法、プラズマ溶接法等、種々の方法が知られている。これらの溶接法は、被加工物の目的、用途等に応じて使い分けられている。
【0003】
例えば、エチレン分解炉管やゴミ焼却用ボイラー管用スーパーヒータチューブには、シームレスチューブや遠心鋳造管が使用されている。これらのチューブは、一般に、その先端に開先加工を施し、突き合わせ溶接された後、エチレン分解炉やゴミ焼却炉内に取り付けられる。この場合、チューブの溶接方法には、一般に、アーク溶接法の一種であるTIG溶接法やMIG溶接法が用いられ、溶加材には、チューブと同一成分の溶接棒が用いられる。
ここで、TIG溶接法とは、周知のように、不活性ガス雰囲気下でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、電極を消耗させることなく母材及び溶加材を溶融させる溶接法である。また、MIG溶接法とは、周知のように、不活性ガス雰囲気下において溶加材を兼ねた電極と母材との間にアークを発生させ、電極自身を溶融させる溶接法である。
【0004】
また、溶接法は、異なる物体間を接合する手段以外にも、薄肉部材の製造手段としても用いられている。例えば、特許文献1には、基材の表面の少なくとも一部にプラズマ粉末溶接法でCo基合金にVCを5重量%以上含む目的の材料からなる溶着層を形成した後、基材を除去する薄肉部材の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法を用いると耐熱・耐食性、耐摩耗性等に優れた薄肉部材の製造が容易になる点が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−138059
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エチレン分解炉管やスーパーヒータチューブは、使用中に高温に曝され、浸炭、酸化等により劣化する。そのため、これらの用途には、耐熱性に優れた母管の内面又は外面に、耐浸炭性・耐食性に優れた表面層が形成された二重管の使用が検討されている。このような二重管を従来の溶接法を用いて溶接する場合において、溶加材として母管と同一成分からなる溶加棒のみを用いると、溶接部の耐浸炭性、耐食性等が著しく低下する。従って、溶接部の特性を二重管の非溶接部と同等以上に維持するためには、溶加材として、母管と同一成分からなる溶加棒と、表面層と同一成分からなる溶加棒が必要となる。
【0007】
しかしながら、二重管の表面層を構成する材料は、一般に、耐浸炭性、耐食性等に優れる反面、難加工性である場合が多い。そのため、このような材料からなり、かつ、一定の寸法・形状を有する溶加棒を鍛造、圧延等の塑性加工により製造するのは、極めて困難である。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、難加工材料からなる溶加材を安価に製造することが可能な溶加材の製造方法を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、母管の内面又は外面(特に、内面)に難加工材料からなる表面層が形成された二重管の溶接に適した溶加材を安価に製造するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る溶加材の製造方法は、柱状基材の外面又は筒状基材の外面若しくは内面に、プラズマ粉末溶接法を用いて溶着層を形成する溶接工程と、前記基材を除去し、筒状の前記溶着層を分離する分離工程と、前記溶着層からリング状の溶加材を切り出す加工工程とを備えていることを要旨とする。
また、本発明に係る溶加材の製造方法の2番目は、基材の表面に凹溝を形成し、該凹溝にプラズマ粉末溶接法を用いて溶着層を形成する溶接工程と、前記基材から棒状の前記溶着層を分離する分離工程とを備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
難加工材料からなる粉末を用いてプラズマ粉末溶接法により筒状の溶着層を形成し、切削加工等を行うと、リング状の溶加材が低コストで得られる。また、難加工材料からなる粉末を用いてプラズマ粉末溶接法により基板表面に形成された凹溝に肉盛り溶接を行い、基板と溶着層を分離すると、棒状の溶加材が低コストで得られる。
このようにして得られたリング状の溶加材、あるいは、棒状の溶加材を用いると、難加工材料であっても低コストで溶接することができる。また、このようにして得られた溶加材を二重管の溶接に適用すると、二重管の内面又は外面に、表面層と同一組成を有する溶接部を形成することができる。その結果、溶接部の特性を非溶接部と同等以上に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。図1に、本発明の第1の実施の形態に係る溶加材の製造方法の工程図を示す。図1において、本実施の形態に係る溶加材の製造方法は、溶接工程と、分離工程と、加工工程とを備えている。
【0012】
溶接工程は、図1(a)に示すように、筒状基材10の外面に、プラズマ粉末溶接法を用いて溶着層12を形成する工程である。
基材10は、導電性を有する金属又は合金であれば良い。具体的には、基材10として、ステンレス鋼(例えば、SUS304等)、Cu、アルミニウム、Ni、真ちゅう等を用いることができる。なお、筒状基材10の外面に溶着層12を形成する方法に代えて、筒状基材10の内面に溶着層12を形成しても良く、あるいは、柱状基材の外面に溶着層を形成しても良い。また、基材10の外形、寸法等は、目的に応じて任意に選択することができる。
【0013】
溶着層12の厚さ及び長さは、特に限定されるものではなく、作製しようとするリング状の溶加材の寸法、個数等に応じて、任意に選択することができる。
また、溶着層12の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択する。例えば、エチレン分解炉管には、耐浸炭性を向上させるために、母管の内面に、36〜49wt%Cr及び35〜63wt%Niを含むCr−Ni合金からなる表面層が形成された内面二重管が用いられる。この内面二重管を溶接するための溶加材を製造する場合には、溶着層12の組成は、内面二重管の表面層と同一組成とするのが好ましい。
【0014】
「プラズマ粉末溶接法」とは、基材10の表面にプラズマトーチ(図示せず)を対向配置し、シールドガスを流しながら溶接箇所にプラズマアーク柱を発生させ、そのプラズマアーク柱の中に溶着層12を構成する合金粉末又は各成分粉末の混合物を溶加材として供給しながらアーク焦点位置で溶融させ、その溶滴を基材10表面に溶着させる方法である。
プラズマ粉末溶接法は、溶加材をワイヤー状に加工する必要がないので、溶着層12が難加工材料からなる場合であっても、容易に溶着層12を形成できるという利点がある。なお、溶接条件は、特に限定されるものではなく、基材12及び溶着層12の組成に応じて、最適な条件を選択すればよい。
【0015】
分離工程は、図1(b)に示すように、基材10を除去し、筒状の溶着層12を分離する工程である。この場合、基材10の除去方法は特に限定されるものではなく、切削加工、研削加工等、種々の方法を用いることができる。
【0016】
加工工程は、筒状の溶着層12からリング状の溶加材14を切り出す工程である。この場合、溶加材14の加工方法は特に限定されるものではなく、切削加工、研削加工等、種々の方法を用いることができる。
また、溶加材14の形状、寸法、個数等は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。例えば、図1(c)に示す例において、溶加材14は、リング部14aとつば部14bとを備えているが、溶加材14は、リング部14aのみからなるもの(つば部14bのないもの)であっても良い。
【0017】
次に、上述の方法で得られた溶加材を用いた内面二重管の溶接方法について説明する。まず、図2(a)に示すように、母管20aの内面に表面層20bが形成された内面二重管20の先端にアール状又はテーパ状の開先20cを形成する。次いで、リング状の溶加材14を間に挟んで、一対の内面二重管20、20の先端を突き合わせる。このとき、溶加材14につば部14bを形成しておくと、内面二重管20、20の位置決めが容易化する。
【0018】
この状態で、開先20cに溶接トーチ22を臨ませ、内面二重管20、20の先端及び溶加材14を加熱する。この場合、加熱方法は、特に限定されるものではなく、アーク、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。リング状の溶加材14を介挿した状態で溶加材14及びその近傍を加熱すると、溶加材14及び表面層20bが溶融し、一対の内面二重管20の内面側に、表面層20bとほぼ同一組成を有するビード14aを形成することができる。また、内面二重管20、20の間にリング状の溶加材14を介在させているので、開先20cにさらに棒状の溶加材を供給する必要がない。そのため、表面層20bが難加工材料からなる場合であっても、容易に溶接することができる。
【0019】
次に、図2(b)に示すように、開先20cに溶接トーチ22を臨ませ、母管20aの溶接を行う。この場合も、加熱方法は特に限定されるものではなく、アーク(MIG、TIG等)、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。また、開先20cには、母管20aと同一組成を有する棒状の溶加材24を供給する。開先20cを溶接トーチ22で加熱しながら溶加材24を供給すると、図2(c)に示すように、溶加材24が溶融して開先20cに溶着し、ビード14aの上に、母管20aとほぼ同一組成を有するビード24aを形成することができる。
【0020】
本実施の形態に係る溶加材の製造方法の作用について説明する。内面二重管のような異種材料からなる複合体を溶接する場合において、溶接部の特性を非溶接部と同等以上に維持するためには、異なる材料ごとに異なる溶加材を用いる必要がある。しかしながら、複数の材料の内のいずれかが難加工材料である場合には、圧延、鍛造等の塑性加工により棒状の溶加材を作製することが極めて困難である。一方、複数の材料の内のいずれか加工しやすい材料からなる1種類の溶加材を用いて溶接すると、溶接部の組成が非溶接部の組成と異なるものとなる。その結果、溶接部の特性が低下し、信頼性の高い接合体は得られない。
【0021】
これに対し、プラズマ粉末溶接法は、溶加材として粉末を用いるので、難加工材料であっても容易に肉盛り溶接することができる。そのため、内面二重管の表面層と同一組成を有する粉末を用いてプラズマ粉末溶接法により筒状の溶着層を形成し、切削加工等を行うと、表面層と同一組成を有するリング状の溶加材が低コストで得られる。
【0022】
このようにして得られたリング状の溶加材を内面二重管の突き合わせ面に介挿し、リング状の溶加材を溶融させると、内面二重管の内面側に、表面層とほぼ同一組成を有するビードを形成することができる。次いで、母管とほぼ同一組成を有する棒状の溶加材を用いて、その上から溶接すると、表面層とほぼ同一組成を有するビードの上に、母管とほぼ同一組成を有するビードを形成することができる。すなわち、このような方法を用いることにより、非溶接部と同様の二層構造を有する溶接部が低コストで得られる。そのため、溶接部の特性が非溶接部と同等以上に維持され、信頼性の高い接合体が得られる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る溶加材の製造方法について説明する。図3に、本発明の第2の実施の形態に係る溶加材の製造方法の工程図を示す。図3において、本実施の形態に係る溶加材の製造方法は、溶接工程と、分離工程と、加工工程とを備えている。
【0024】
溶接工程は、基材30の表面に凹溝30aを形成し(図3(a))、凹溝30aにプラズマ粉末溶接法を用いて溶着層32を形成する工程である(図3(b))。
基材30の材質は、特に限定されるものではないが、溶着層32との分離が容易な材料を用いるのが好ましい。例えば、溶着層32が上述したCr−Ni合金からなる場合、基材30には、Cuを用いるのが好ましい。
基材30の形状は、特に限定されるものではなく、その表面に凹溝30aが形成可能なものであればよい。凹溝30aは、直線状であることが望ましい。また、凹溝30aの断面形状は、半円状が望ましいが、半楕円状、逆三角状、多角形状等、他の断面形状を有していても良い。さらに、凹溝30aの幅寸法及び長さは、目的に応じて任意に選択することができる。
なお、溶着層32の組成及びプラズマ粉末溶接法については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0025】
分離工程は、基材30から溶着層32を分離する工程である。分離方法は、特に限定されるものではないが、基材30の材質と溶着層32の材質の組み合わせを最適化すると、機械加工を行うことなく、溶着層32を分離することができる。例えば、溶着層32が上述したCr−Ni合金である場合において、基材30としてCuを用いると、基材30と溶着層32との間にほとんど融着が起こらない。そのため、溶接後に溶着層32に軽く衝撃を与えるだけで、溶着層32を基材30から容易に分離することができる。
【0026】
加工工程は、分離された溶着層32の外形を加工し、形状を整える工程である(図3(c))。通常は、溶着層32を分離した後、切削加工、あるいは研削加工により、溶着層32を真円状に加工し、棒状の溶加材34とする。
なお、棒状の溶加材を自働供給しながら溶接する場合、溶加材にはある程度の寸法精度が必要であるが、棒状の溶加材を手動で溶接部に供給する場合には、加工工程を省略し、分離した溶着層32をそのまま溶加材として用いて溶接を行っても良い。
【0027】
次に、上述の方法で得られた溶加材を用いた内面二重管及び外面二重管の溶接方法について説明する。
内面二重管の溶接は、具体的には、以下のような手順により行う。すなわち、まず、図4(a)に示すように、母管20aの内面に表面層20bが形成された内面二重管20の先端にアール状又はテーパ状の開先20cを形成する。次いで、一対の内面二重管20、20の先端を直接、突き合わせる。
【0028】
この状態で、開先20cに溶接トーチ22及び表面層20bと同一組成を有する棒状の溶加材34を臨ませ、内面二重管20、20の先端及び溶加材34を加熱する。この場合、加熱方法は、特に限定されるものではなく、アーク(MIG、TIG等)、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。
溶加材34を開先20cに臨ませた状態で内面二重管20、20の先端を加熱すると、溶加材34及び表面層20bが溶融し、一対の内面二重管20の内面側に、表面層20bとほぼ同一組成を有するビード34aを形成することができる。
【0029】
次に、図4(b)に示すように、開先20cに溶接トーチ22を臨ませ、母管20aの溶接を行う。この場合も、加熱方法は特に限定されるものではなく、アーク(MIG、TIG等)、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。また、開先20cには、母管20aと同一組成を有する棒状の溶加材24を供給する。開先20cを溶接トーチ22で加熱しながら溶加材24を供給すると、図3(c)に示すように、溶加材24が溶融してその溶滴が開先20cに溶着し、ビード34aの上に、母管20aとほぼ同一組成を有するビード24aを形成することができる。
【0030】
また、外面二重管の溶接は、具体的には、以下のような手順により行う。すなわち、まず、図5(a)に示すように、母管40aの外面に表面層40bが形成された外面二重管40の先端にアール状又はテーパ状の開先40cを形成する。次いで、一対の外面二重管40、40の先端を直接、突き合わせる。
【0031】
この状態で、開先40cに溶接トーチ22及び母管40aと同一組成を有する棒状の溶加材24を臨ませ、外面二重管40、40の先端及び溶加材24を加熱する。この場合、加熱方法は、特に限定されるものではなく、アーク(MIG、TIG等)、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。
溶加材24を開先40cに臨ませた状態で外面二重管40、40の先端を加熱すると、溶加材24及び母管40aが溶融し、一対の外面二重管40の内面側に、母管40aとほぼ同一組成を有するビード24aを形成することができる。
【0032】
次に、図5(b)に示すように、開先40cに溶接トーチ22を臨ませ、表面層40bの溶接を行う。この場合も、加熱方法は特に限定されるものではなく、アーク(MIG、TIG等)、プラズマ、電子ビーム等、種々の方法を用いることができる。また、開先40cには、表面層40bと同一組成を有する棒状の溶加材34を供給する。開先40cを溶接トーチ22で加熱しながら溶加材34を供給すると、図5(c)に示すように、溶加材34が溶融してその溶滴が開先40cに溶着し、ビード24aの上に、表面層40bとほぼ同一組成を有するビード34aを形成することができる。
【0033】
次に、本実施の形態に係る溶加材の製造方法の作用について説明する。プラズマ粉末溶接法は、溶加材として粉末を用いるので、難加工材料であっても容易に肉盛り溶接することができる。そのため、内面二重管又は外面二重管の表面層と同一組成を有する粉末を用いてプラズマ粉末溶接法により基板30の表面に形成された凹溝30aに肉盛り溶接を行い、基板30と溶着層32を分離すると、二重管の表面層と同一組成を有する棒状の溶加材が低コストで得られる。
【0034】
このようにして得られた棒状の溶加材を用いて二重管の表面層の溶接を行い、かつ、母管と同一組成を有する棒状の溶加材を用いて母管の溶接を行うと、溶接部を非溶接部と同様の二層構造にすることができる。そのため、溶接部の特性が非溶接部と同等以上に維持され、信頼性の高い接合体が得られる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る溶加材の製造方法は、二重管の表面層を溶接する際に用いられる溶加材の製造方法として用いることができる。
また、本発明に係る製造方法は、一般に塑性加工が困難であって、かつ、プラズマ粉末焼結法により肉盛り溶接が可能な材料(例えば、VCを5重量%含むCo基合金など)からなる溶加材の製造方法としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る溶加材の製造方法の工程図である。
【図2】図1に示す方法により得られた溶加材を用いた内面二重管の溶接方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る溶加材の製造方法の工程図である。
【図4】図3に示す方法により得られた溶加材を用いた内面二重管の溶接方法を示す工程図である。
【図5】図3に示す方法により得られた溶加材を用いた外面二重管の溶接方法を示す工程図である。
【符号の説明】
【0038】
10、30 基材
30a 凹溝
12、32 溶着層
14、34 溶加材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状基材の外面又は筒状基材の外面若しくは内面に、プラズマ粉末溶接法を用いて溶着層を形成する溶接工程と、
前記基材を除去し、筒状の前記溶着層を分離する分離工程と、
前記溶着層からリング状の溶加材を切り出す加工工程とを備えた溶加材の製造方法。
【請求項2】
基材の表面に凹溝を形成し、該凹溝にプラズマ粉末溶接法を用いて溶着層を形成する溶接工程と、
前記基材から棒状の前記溶着層を分離する分離工程とを備えた溶加材の製造方法。
【請求項3】
前記溶着層は、Cr−Ni合金からなる請求項1又は2に記載の溶加材の製造方法。
【請求項4】
前記基材は、Cuからなる請求項2又は3に記載の溶加材の製造方法。
【請求項5】
前記溶加材は、母管の内面又は外面に表面層が形成された二重管の溶接に用いるためのものである請求項1から4までのいずれかに記載の溶加材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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