説明

溶接ワイヤ用のペールパック

【課題】積載及び保管が容易であり、運搬性が向上した溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。
【解決手段】胴体を形成し、四角形の断面を有する外筒10に外筒の上端を覆うカバー、そして、外筒10の内側の下端に提供されるが、外筒の下端の内側面に密着して結合されるように、フレームが下側に折り曲げられて形成された支持部22を有する下板20を含んでなる、溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接ワイヤ用のペールパックに関するものであって、より詳しくは積載及び保管が容易であり、運搬性が向上した溶接ワイヤ用のペールパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動及び半自動の溶接装置で使用されている溶接ワイヤの巻取方式は、溶接ワイヤが巻き取られる方式により、大きくスプール(spool)巻取方式とペールパック巻取方式に区分することができる。
【0003】
ペールパック巻取方式の場合に溶接ワイヤはペールパック容器の内部に巻き取られ、上記ペールパック容器の構造は大別して外筒のみからなる単筒状構造と、外筒と内筒からなる二重筒状の構造に分けられる。
【0004】
上記ペールパック巻取方式は溶接ワイヤが大量に保管されて長時間の溶接作業に主に使用されるため、作業時に溶接ワイヤが円滑に送給できるように適切な状態で巻き取られることが好ましい。
【0005】
上記ペールパック巻取方式は、長時間の溶接作業または連続的な溶接作業などの環境下でも、溶接作業の能率が向上できるようにするため、それによる溶接ワイヤ用のペールパックの使用量も増えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述した既存の溶接ワイヤ用のペールパックはスチール材質からなったり、ボルトなどが使用されリサイクルが難しく、積載及び運搬のためにフォークリフトのような運搬装備を利用する場合、別途のパレット(pallet)が要求された。
【0007】
また、巻き取られた溶接ワイヤが引出される過程で、ねじれたりもつれることを防止するための別途の装置が追加的に要求されるため、構造が複雑になり、製造単価も上昇するようになった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような問題点を解決するために、本発明は積載及び保管が容易であり、運搬性が向上した溶接ワイヤ用のペールパックを提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックは胴体を形成し、四角形の断面を有する外筒;上記外筒の上端を覆うカバー;そして、上記外筒の内側の下端に提供されるが、上記外筒の下端の内側面に密着して結合されるように、フレームが下側に折り曲げられて形成された支持部を有する下板を含んでなることが好ましい。
【0010】
ここで、上記支持部のうちお互い対向する一対の支持部には、少なくとも一つの運搬用の貫通部が貫通形成されることが好ましい。
【0011】
そして、上記外筒の下側面の一部は、上記貫通部に対応するように貫通されることが好ましい。
【0012】
また、上記貫通部の上端部は上記下板の底面と同一面から形成されることが好ましい。
【0013】
そして、上記下板の下側空間部の中央及び両側の少なくともいずれかには、上記貫通部方向に補強部材が提供されることが好ましい。
【0014】
また、上記外筒の内側に上記外筒に内接して提供されるが、多角形の断面を有し、内部に溶接ワイヤが収容される多角筒が提供されることが好ましい。
【0015】
そして、上記下板の上面と上記多角筒の下側との間には、上記外筒内部の断面形状に対応する底補強板がさらに提供されることが好ましい。
【0016】
また、上記外筒と上記多角筒との間の空間部には、上記外筒の内側と上記多角筒の外側にそれぞれ接して支持構造をなすように、上記多角筒の長手方向に支持部材が提供されることが好ましい。
【0017】
そして、上記外筒と上記多角筒との間には、上記多角筒を包むようにビニル材質からなる防湿バックが提供されることが好ましい。
【0018】
また、掛け部が提供された両端部は上記外筒の両側を貫通して露出され、中央部は上記下板の両側に形成された開口部を貫通して上記下板の下面を包むように、掛けバンドが提供されることが好ましい。
【0019】
そして、上記開口部は、上記支持部が折り曲げられる部分に、上記掛けバンドの幅と厚さに対応するように、上記下板の一方向にお互い対向するように形成されることが好ましい。
【0020】
また、上記掛けバンドの中央部は、上記下板の中心部を貫通するボルト部材とナット部材に結合されて上記下板に固定されることが好ましい。
【0021】
そして、上記掛けバンドはポリプロピレン材質からなることが好ましい。
【0022】
また、上記外筒の下端と上記支持部は、円周方向に沿って裁縫された紐及び多数個締結されたステープラーピンの少なくともいずれかにより結合されることが好ましい。
【0023】
そして、収容された上記溶接ワイヤの上側には、加圧板が提供されることが好ましい。
【0024】
また、上記カバー、外筒、下板、多角筒、そして支持部材は、積層された後にプレス加工により圧着して形成される紙材質からなることが好ましい。
【0025】
そして、上記カバーは、上記外筒の断面形状に対応するように形成された上面と、上記外筒の外側面及び内側面の少なくともいずれか一側面に密着するように、上記上面のフレームがベンドされて形成された密着部を含んでなることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
後述する本発明による溶接ワイヤ用のペールパックの効果を説明すると、次の通りである。
【0027】
第一、下板の支持部に少なくとも一つの運搬用貫通部が形成され、フォークリフトのフットの流入が可能になるため、上記溶接ワイヤ用のペールパックを運搬するためにパレット(pallet)のような別途の構成品がなくても運搬が可能になる。
【0028】
第二、外筒、下板、多角筒、カバー、そして支持部材及び各種の構成部材が、幾重を積層して金型を利用したプレス加工により圧着成形された紙材質からなるため、強度が補強でき、上記溶接ワイヤ用のペールパックのリサイクル性が向上できる。
【0029】
第三、外筒が四角形の断面を有するように形成されることにより、外筒を成形するための別途の金型が要求されず、製造費用が節減でき、数個の溶接ワイヤ用のペールパックが密着して保管できるため、保管室の空間浪費が防止され、積載も容易に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、上記の目的が具体的に実現できる本発明の好適な実施例が、添付する図面を参照して説明される。本実施例を説明するにあって、同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使用され、これによる付加的な説明については今後の記述時にには省略される。
【0031】
以下、添付の図面を参照し、本発明の好適な実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを説明すると、次の通りである。
【0032】
図1は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの分解斜視図であり、図2は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図である。
【0033】
図1及び図2で示されるように、上記溶接ワイヤ用のペールパックは外筒10、下板20、多角筒30、そして支持部材40を含んでなることが好ましい。ここで、上記外筒10の下端部内側には下板20が提供され、上記外筒10の内側には多角形の断面を有する多角筒30が内接するように提供され、その内部に溶接ワイヤ80が収容される。そして、上記下板20には貫通部25が形成されるために、フォークリフトのような運搬装備により運搬することが容易になる。
【0034】
ここで、上記運搬装備はフォークリフトに限定されるものではなく、運搬に使用される一般的な装備を意味する。
【0035】
詳しくは、上記外筒10は多角形状の断面を有する筒形状からなるが、特に四角形状の断面から形成されることが好ましい。
【0036】
これにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックを保管するとき、それぞれの溶接ワイヤ用のペールパックがお互い密着できるため、保管空間の浪費が防止することができ、積載も容易になり得る。
【0037】
一方、上記外筒10の内側の下端部には下板20が提供されるが、上記下板20のフレームは下側にベンドされて支持部22を形成する。上記支持部22は上記外筒10の下端の内側面に密着して結合される。このとき、上記支持部22は上記外筒10と下板20が結合される空間を形成すると共に上記下板20の下部を安定的に支持するようになる。
【0038】
ここで、上記支持部22の下端部は上記外筒10の下端部と同一位置になるように結合されることが好ましいが、これにより、上記下板20と上記外筒10は同時に地面に接触できる。
【0039】
上記支持部22は上記下板20の縁部の曲げ及び引張応力に対する剛性を増大させることにより、構造的に上記下板20の下部の支持構造の強度が補強できる。従って、上記下板20の上面に重い荷重の溶接ワイヤ80が収容されても、堅固な支持状態が維持できる。
【0040】
そして、上記下板20と外筒10は上記支持部22と上記外筒10の下端の接触部に、ステープラー装置により上記外筒10が円周方向に沿って所定の間隔で多数個のステープラーピン24が締結されることにより結合されることが好ましい。上記ステープラーピン24の代わりに円周方向に沿って紐が裁縫され結合されることも可能である。
【0041】
一方、上記支持部22のうちお互い対向する一対の支持部22にはフォークリフトのフットが流入できるように、少なくとも一つの貫通部25が貫通して形成されることが好ましい。
【0042】
ここで、上記貫通部25の幅と高さは一般的なフォークリフトのフットが流入されるに十分に形成されることが好ましい。
【0043】
このとき、上記貫通部25の上端部は、上記支持部22の上端面から所定の間隔をなして形成されることが好ましい。これにより、上記支持部22の上側と上記外筒10が接する部分で、上記ステープラーピン24が締結されたり、紐が裁縫されるに十分な空間が確保でき、上記下板20と上記外筒10の結合力が向上できる。
【0044】
そして、上記貫通部25の下端部は上記支持部22の下端面を貫通して開放できるように形成できる。勿論、上記貫通部の下端部が、上記支持部の下端面まで延長されないように形成されることも可能である。
【0045】
また、上記貫通部25に接する上記外筒10の外側面は、上記貫通部25に対応するように貫通形成されることが好ましい。
【0046】
これにより、上記貫通部25に流入されたフォークリフトのフットにより上記溶接ワイヤ用のペールパックが持ち上げられるとき、上記フットの上面に上記貫通部25と上記外筒10の貫通面が同時に接するようになるため、上記溶接ワイヤ用のペールパックはより安定的に運搬することができる。
【0047】
一方、上記外筒10の内側には多角形の断面を有し、上記外筒10の長さに対応する長さに形成された筒形状の多角筒30が提供されることが好ましい。上記多角筒30の内側の中央部には、円筒形状の内筒(図示しない)が選択的に提供できる。
【0048】
ここで、上記多角筒30は移動や揺れが防止できるように、その外側面が上記外筒10の内周面にできるだけ接するように提供されることが好ましく、上記多角筒30の下端部は上記下板20の上側面に接するように提供されることが好ましい。
【0049】
上記多角筒30の内部には溶接ワイヤ80が巻き取られる。
【0050】
また、上記多角筒30の外側と上記外筒10の内側との間に形成される空間には、上記多角筒30を支持するための支持部材40が提供されることが好ましい。
【0051】
ここで、上記支持部材40の断面形状は特定の形状に限定されるものではないが、上記多角筒30の外側と上記外筒10の内側にそれぞれ接するように、円形に形成されることが好ましい。そして、上記支持部材40は上記多角筒30の長さに対応する長さに形成されることが好ましい。
【0052】
これにより、上記多角筒30の内部に溶接ワイヤ80が巻き取られる間、巻き取られた溶接ワイヤ80により上記多角筒30の各面の中央部に加えられる圧力が、上記支持部材40により上記多角筒30の各面の中央部に持続的に適用される支持力により相衝できる。そして、これにより上記多角筒30の一部面が外側に反られることも防止できる。
【0053】
上記支持部材40が円筒形状からなるため、上記多角筒30の一部面を支持するための支持強度は、更に強化できる。
【0054】
そして、上記支持部材40は接着剤で接着されなくても、上記外筒10と多角筒30との間に固定されるように提供でき、接着剤が使用されないためリサイクルが容易になり、焼却時に接着剤による有害ガスの発生も防止できる。
【0055】
一方、上記多角筒30の断面形状は特定の形状に制限されるものではないが、上記多角筒30の内部面積を広くすることにより、収容される溶接ワイヤ80の量を増大させ、上記支持部材40が支持構造としての機能が十分に発行できるように成り得る。上記多角筒30の断面形状は六角形または八角形からなり得るが、八角形からなることが好ましい。
【0056】
そして、上記外筒10の上側には上記外筒10を覆うためのカバー15が提供される。上記カバー15は上記外筒10の断面形状に対応するように形成された上面17と、上記上面17のフレームが一定の方向にベンドされて形成された密着部18を含んでなることが好ましい。
【0057】
上記カバー15は、上記密着部18が上記外筒10の外側面及び内側面の少なくともいずれか一側面に密着されることにより、上記外筒10の上側を覆うことになる。
【0058】
このとき、上記密着部が上記外筒10の内側面に接する場合、上記多角筒と上記支持部材の長さは上記密着部が上記外筒10の内側面に挿入される長さだけ短く形成されることが好ましい。
【0059】
上記外筒10、カバー15、下板20、多角筒30、そして支持部材40は金型を利用したプレス加工により幾重を積層した後、圧着して成形される紙材質からなることが好ましい。これにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックのリサイクル性は向上できる。
【0060】
勿論、上記外筒、カバー、下板、多角筒は幾重が積層された後、要求される形状により折り曲げられて形成されることも可能である。
【0061】
上記下板20の中央部には、上記下板20を貫通してボルト部材34が締結されることが好ましく、上記ボルト部材34の上端部には固定リング32が提供される。上記下板20の両側には、上記ボルト部材34に結合して上記ボルト部材34を固定するためのナット部材36がそれぞれ結合される。
【0062】
巻き取られた上記溶接ワイヤ80の上側には、上記溶接ワイヤ80を加圧するための加圧板35が提供され、上記加圧板35の上側には据置台71が提供される。
【0063】
上記据置台71は上記加圧板35の上面に接し、上記加圧板35を横切るように提供されることが好ましい。そして、上記据置台71の両側は上記多角筒30の角部に位置するように提供されることが好ましいが、これにより、上記据置台71の両端部が上記多角筒30の内側面に接し、上記据置台71が回転することが拘束できる。
【0064】
上記固定リング32にはスプリング72の下端が連結され、上記スプリング72の上端は上記据置台71に連結される。上記加圧板35には上記スプリング72の収縮力により下側方向に外力が適用される。従って、上記加圧板35は巻き取られた上記溶接ワイヤ80を下側方向に持続的に加圧し、上記溶接ワイヤ80は安定的に固定された状態を維持できる。
【0065】
ここで、上記スプリング72の上端が上記据置台71に連結される方法は、多様な形態からなり得る。
【0066】
また、上記据置台71の形状はある特定の形状に限定されなく、その断面が板型、棒型、そして角型のように、多様な形状からなり得る。また、上記スプリング72の代わりに、弾性力を提供することができるゴム紐を使用することも可能である。
【0067】
一方、上記外筒10と上記多角筒30との間には、上記多角筒30を包むように防湿バック50が提供されることが好ましい。上記防湿バック50は湿気が通過しないようにビニル材質からなり得る。
【0068】
上記防湿バック50は上記多角筒30の内部に収容された溶接ワイヤ80を湿気から保護するためのもので、上記多角筒30の下部を包むように提供されることが好ましい。上記防湿バック50は上記の各支持部材40を包むか包まないように提供できるが、例えば上記防湿バック50が上記支持部材40を包まないように、上記の各支持部材40と上記多角筒30との間に位置したり、上記支持部材40を包むように上記の各支持部材40と上記外筒10との間に位置することができる。
【0069】
上記外筒10の上側には、上記溶接ワイヤ用のペールパックを運搬するための掛けバンド60が提供されることが好ましい。
【0070】
図3及び図4は、本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図である。
【0071】
図3で示されるように、巻き取られた上記溶接ワイヤ80の上側には、上記溶接ワイヤ80を下側方向に加圧するための加圧板35が提供される。
【0072】
ここで、上記加圧板35の外側形状が特定の形状に制限されるものではないが、上記加圧板35はその外側が上記多角筒30の内部の断面形状に対応する形状に形成されることが好ましい。これにより、上記加圧板35は上記多角筒30の内部で回転できない。そして、上記加圧板35の回転が防止されることにより、上記加圧板35の回転を防止するための別途の構成部材が要求されなく、構造的にも単純化することができ、上記溶接ワイヤ用のペールパックは軽量化できる。
【0073】
また、巻き取られた上記溶接ワイヤ80のうち一部が上記加圧板35の外側に突出されても、突出された溶接ワイヤは所定の角度をなす上記多角筒30の各面に接して拘束されることにより、上記溶接ワイヤ80の突出が持続したり増加することが防止できる。
【0074】
一方、図4で示されるように、巻き取られた上記溶接ワイヤ80の上側には中空型の円板状の加圧部137と、上記加圧部137の外周縁に形成される弾性突出部138を含んでなる加圧板135が提供されることも可能である。
【0075】
ここで、それぞれの上記弾性突出部138は、その端部が上記多角筒30それぞれの角に接するように放射状に突出形成されることが好ましい。即ち、上記の弾性突出部138の各端部は、上記多角筒30の各面がなす角度に対応するように形成されることが好ましく、各端部が上記多角筒30の内側面に所定の長さに接するように提供できる。
【0076】
これにより、上記弾性突出部138は各端部が上記多角筒30の各角に密着して拘束できるため、上記加圧板135が上記多角筒30の内部で回転されることが防止できる。
【0077】
そして、上記の弾性突出部138はボルトまたは接着剤のような結合部材139により結合できる。
【0078】
一方、上記加圧板135の上面に提供される据置台171は、所定の角度をなすと共に中央から3方向にそれぞれ延長された延長部からなることもできる。このとき、上記各延長部の端部は、上記多角筒30の角部に位置するように形成されることが好ましく、これにより、上記据置台171の回転が防止できる。
【0079】
上記据置台171と上記固定リング32はスプリング172により連結され、上記スプリング172により上記据置台171は上記加圧板135を下側方向に加圧するようになる。
【0080】
上記据置台171は3方向以上に延長された延長部からなることもでき、上記スプリング172の代わりにゴム紐のような弾性体が使用されることもできる。
【0081】
図5は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図であり、図6は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの下板を下側から眺めた分解斜視図である。
【0082】
図5及び図6で示されるように、上記外筒10の上側面には上記外筒10を貫通してスルホール12がお互い対向するように形成されることが好ましい。上記スルホール12は上記掛けバンド60の幅と厚さに対応するように形成されることが好ましい。
【0083】
また、上記外筒10の下端部に結合される上記下板20の両側には、上記支持部22が折り曲げられる部分に上記掛けバンド60の幅と厚さに対応するように切開された開口部23が、一定の方向にお互い対抗するように形成されることが好ましい。
【0084】
ここで、上記開口部23は折り曲げられた上記支持部22の一定の部分が除去されることで形成できる。
【0085】
そして、上記の各開口部23は上記スルホール12から垂直方向に下側に位置するように形成されることが好ましい。
【0086】
上記掛けバンド60は、上記外筒10の外側から上記スルホール12のいずれかを通じて上記外筒10の内側に流入された後、垂直に下向き延長されて上記スルホール12の下側に形成された上記開口部23により、上記下板20の外側に導出できる。
【0087】
そして、導出された上記掛けバンド60は上記下板20を横切って上記下板20を包むようになり、上記開口部23に対向するように形成された他の開口部23により、上記外筒10の内側に再び流入される。
【0088】
そして、流入された上記掛けバンド60は、垂直方向に上向き延長されて上記外筒10の一側に形成された他のスルホール12により上記外筒10の外側に導出される。
【0089】
このように、上記掛けバンド60が上記下板20の中央を包みながら上記溶接ワイヤ用のペールパックの垂直方向に提供されることにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックはどちらか一方に偏ることなく、安定的に持ち上げられる。
【0090】
上記外筒10の内側に内在される上記掛けバンド60の一部は、上記防湿バック50が破損しないように、上記防湿バック50の外側に提供されることが好ましい。
【0091】
そして、上記下板20の外側に位置した上記掛けバンド60の中央部は、上記ボルト部材34と上記ナット部材36に結合して固定されることが好ましい。
【0092】
また、上記の各スルホール12により外側に導出された上記掛けバンド60の両端部は、それぞれ折れてリベットのような締結具62に結合されたり、裁縫されて取っ手形状の掛け部64から形成されることが好ましい。
【0093】
上記掛け部64には、上記溶接ワイヤ用のペールパックを運搬するための運搬装置が結合できる。
【0094】
従って、上記掛け部64に結合された運搬装置により上記掛けバンド60が上向きに引っ張られると、上記溶接ワイヤ用のペールパックが持ち上げられる。このとき、上記掛けバンド60の中央部は上記下板20の外側に突出され、上記下板20の中央部に接して固定されることにより、偏心荷重が発生することが防止され、上記溶接ワイヤ用のペールパックの移送はさらに効率的に行われる。
【0095】
そして、上記掛けバンド60は上記溶接ワイヤ用のペールパックを移送するに十分な強度を有するように、自動車用シートベルトと同様な材質からなり得る。上記掛けバンド60はナイロン、ポリエステルなどの材質からなり得るが、ポリプロピレン材質からなることが好ましい。
【0096】
そして、上記掛けバンド60は引張力が増加するように、ウィービングして形成できる。
【0097】
一方、上記下板20の下側空間部の中央と両側には上記貫通部25の方向に補強部材90が提供されることが好ましい。
【0098】
上記補強部材90は、上記下板20の下側の空間部の中央に提供される中央補強部材92と、両側に提供される側面の補強部材94を含んでなり得る。
【0099】
ここで、上記側面の補強部材94はその一側面が上記貫通部25を案内し、他側面は上記支持部22の内側面に密着するように提供されることが好ましい。
【0100】
また、上記側面の補強部材94の上端部は上記下板20の底面に密着され、下端部は上記支持部22の下端部と一致するように形成されることが好ましい。上記側面の補強部材94の下側は開放されたり密閉されるように形成できる。
【0101】
そして、上記側面の補強部材94は紙材質からなることが好ましく、上記側面の補強部材94は上記支持部22と上記ステープラーピン24により結合されたり、紐で裁縫して結合できる。
【0102】
一方、上記中央の補強部材92はその両側面が上記貫通部25を案内し、他側面は上記支持部22の内側面に密着するように提供されることが好ましい。
【0103】
また、上記中央の補強部材92の上端部は上記下板20の底面に密着され、下端部は上記支持部22の下端部と一致するように形成されることが好ましい。このとき、上記中央の補強部材92の下側は開放されたり密閉されるように形成できる。
【0104】
そして、上記中央の補強部材92は紙材質からなることが好ましく、上記中央の補強部材92は上記支持部22と上記ステープラーピン24により結合されたり、紐で裁縫して結合できる。
【0105】
これにより、上記中央の補強部材92と側面の補強部材94は、上端部がそれぞれ上記下板20の背面に密着され上記下板20を支持できるようになるため、重い荷重により上記下板20が反ることが防止できる。
【0106】
そして、上記貫通部25に流入されるフォークリフトのフットは、上記中央の補強部材92と側面の補強部材94の一側面により案内されるため、より容易に上記貫通部25に出入りできる。
【0107】
上記中央の補強部材92及び側面の補強部材94の上端部には、上記掛けバンド60に対応する形状の溝部96がそれぞれ形成されることが好ましい。
【0108】
これにより、上記中央の補強部材92及び側面の補強部材94の上端部が、上記掛けバンド60に押され破損したり、上記掛けバンド60により上記下板20との密着が低下することが防止できる。
【0109】
図7は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分断面図である。
【0110】
図7で示されるように、上記下板20の上面には上記外筒10の内部の断面形状に対応する形状の底補強板70が提供できる。これにより、上記底補強板70は上記下板20の強度を補強して収容された上記溶接ワイヤ80の荷重から上記下板20を保護できる。
【0111】
上記底補強板70は、上記下板20の上側に位置した上記防湿バック50の上側に提供されたり、上記下板20と上記防湿バック50との間に選択的に提供できる。
【0112】
そして、上記底補強板70の両側には、上記外筒10の内側に内在される上記掛けバンド60が円滑に提供できるように、上記掛けバンド60の厚さと幅に対応するように溝(図示しない)が形成されることも可能である。
【0113】
また、上記底補強板70は幾重の紙材質を積層し、金型を利用したプレス加工により圧着することにより成形されることが好ましく、これにより、リサイクル性が向上できる。
【0114】
図8は本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図であり、図9は図8のA−A線の部分断面図である。本実施例による溶接ワイヤ用のペールパックでは、貫通部25の上端部が外筒10の下端部に一致するように下板20が結合されるという点を特徴とし、他の構成は前述した第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0115】
図8及び図9で示されるように、上記下板20は上記貫通部25の上端部と上記外筒10の下端部が同一位置になるように提供できる。
【0116】
これにより、上記外筒10の下側面の一部が上記貫通部25に対応するように貫通される工程が省略できるため、製造工程が減少して生産性が向上できる。
【0117】
そして、上記外筒10と上記下板20は、上記外筒10と上記支持部22が接する部分に沿って結合される多数個のステープラーピン24又は裁縫された紐により結合されることが好ましい。
【0118】
図10は本発明の第3実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図である。本実施例による溶接ワイヤ用のペールパックでは、貫通部25の上端部が上記下板20の底面と同一面からなることを特徴とし、他の構成は前述した第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0119】
図10で示されるように、上記貫通部25の上端面は上記下板20の底面と同一面をなすように形成されることが好ましい。
【0120】
これにより、上記貫通部25に流入されたフォークリフトのフットの上面が上記下板20の底面に全体的に接するようになるため、上記溶接ワイヤ用のペールパックはより安定的に運搬できる。
【0121】
以上説明したように、本発明は前述した特定の好適な実施例に限定されなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形の実施が可能であり、このような変形は本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図。
【図3】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図。
【図4】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図。
【図5】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図。
【図6】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの下板を下側から眺めた分解斜視図。
【図7】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分断面図。
【図8】本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図。
【図9】図8のA−A線の部分断面図。
【図10】本発明の第3実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切開斜視図。
【符号の説明】
【0123】
10 外筒
20 下板
22 支持部
25 貫通部
30 多角筒
35、135 加圧板
40 支持部材
50 防湿バック
60 掛けバンド
70 底補強板
80 溶接ワイヤ
90 補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体を形成し、四角形の断面を有する外筒;
上記外筒の上端を覆うカバー;そして、
上記外筒の内側の下端に提供されるが、上記外筒の下端の内側面に密着して結合されるように、フレームが下側に折り曲げられて形成された支持部を有する下板を含んでなる溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項2】
上記支持部のうちお互い対向する一対の支持部には、少なくとも一つの運搬用の貫通部が貫通形成されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項3】
上記外筒の下側面の一部は、上記貫通部に対応するように貫通されることを特徴とする、請求項2記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項4】
上記貫通部の上端部は上記下板の底面と同一面から形成されることを特徴とする、請求項2記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項5】
上記下板の下側空間部の中央及び両側の少なくともいずれかには、上記貫通部方向に補強部材が提供されることを特徴とする、請求項2記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項6】
上記外筒の内側に上記外筒に内接して提供されるが、多角形の断面を有し、内部に溶接ワイヤが収容される多角筒が提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項7】
上記下板の上面と上記多角筒の下側との間には、上記外筒内部の断面形状に対応する底補強板がさらに提供されることを特徴とする、請求項6記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項8】
上記外筒と上記多角筒との間の空間部には、上記外筒の内側と上記多角筒の外側にそれぞれ接して支持構造をなすように、上記多角筒の長手方向に支持部材が提供されることを特徴とする、請求項6記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項9】
上記外筒と上記多角筒との間には、上記多角筒を包むようにビニル材質からなる防湿バックが提供されることを特徴とする、請求項6記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項10】
掛け部が提供された両端部は上記外筒の両側を貫通して露出され、中央部は上記下板の両側に形成された開口部を貫通して上記下板の下面を包むように、掛けバンドが提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項11】
上記開口部は、上記支持部が折り曲げられる部分に、上記掛けバンドの幅と厚さに対応するように、上記下板の一方向にお互い対向するように形成されることを特徴とする、請求項10記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項12】
上記掛けバンドの中央部は、上記下板の中心部を貫通するボルト部材とナット部材に結合されて上記下板に固定されることを特徴とする、請求項10記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項13】
上記掛けバンドはポリプロピレン材質からなることを特徴とする、請求項10記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項14】
上記外筒の下端と上記支持部は、円周方向に沿って裁縫された紐及び多数個締結されたステープラーピンの少なくともいずれかにより結合されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項15】
収容された上記溶接ワイヤの上側には、加圧板が提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項16】
上記カバー、外筒、下板、多角筒、そして支持部材は、積層された後にプレス加工により圧着して形成される紙材質からなることを特徴とする、請求項1、6、8のいずれか記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項17】
上記カバーは、上記外筒の断面形状に対応するように形成された上面と、上記外筒の外側面及び内側面の少なくともいずれか一側面に密着するように、上記上面のフレームがベンドされて形成された密着部を含んでなることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−149377(P2008−149377A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275546(P2007−275546)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(503375337)株式会社キスウェル (11)
【Fターム(参考)】