説明

溶接用コンタクトチップ

【課題】溶接用ワイヤの溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易で、溶接用コンタクトチップの外径が小さく、消耗部品の交換費用を安価とする強制給電タイプの溶接用コンタクトチップを提供する。
【解決手段】溶接用ワイヤ21の出口孔2を有したチップ本体先端側部材1の内部に可動部材8を配置し、溶接用ワイヤ21を挿通する第2の挿通孔9を可動部材8の中心軸より偏心させ、可動部材8の先端側と根元側のテーパ19、20をチップ本体先端側部材1内面のテーパ17と加圧軸11の先端側のテーパ18を接触させ、加圧部材14により加圧軸11を介して可動部材8を出口孔2の方向に付勢させる構成とすることで、溶接用ワイヤ21を挿通させた際に溶接用ワイヤ21が出口孔2に強制的に接触し、溶接用ワイヤ21に対して強制給電を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接用トーチ先端部に設けられ、溶接作業に使用される溶接用ワイヤに給電を行う溶接用コンタクトチップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、溶接用コンタクトチップとして、溶接中のワイヤへの通電点の変動を起こしにくい構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、上記従来の溶接用コンタクトチップの断面図を示す。溶接用コンタクトチップは、溶接用ワイヤ101の挿通孔103を有したチップ本体102と、チップ本体102の先端近くに設けた室105内において挿通孔103と直交する方向に移動可能に装着された駒104と、室105内に設けられた駒104の一端を加圧するばね106を備えている。なお、駒104の他端は肩部107が形成されており、室105の開口端に設けられた鍔108により駒104の脱落を防止している。
【0004】
以上のように構成された溶接用コンタクトチップについて、その動作を説明する。溶接用コンタクトチップに溶接用ワイヤ101を挿通させる場合には、駒104に設けられた突起部109を押し込み、挿通孔103と駒104に設けられた挿通孔110とを一致させ、溶接用ワイヤ101をチップ本体102の入口から出口まで導く。その後突起部109を離すことにより、溶接用ワイヤ101は、ばね106の力により、挿通孔103の先端側と確実に接触することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59−110168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の溶接用コンタクトチップは、溶接用ワイヤ101をチップ本体102の出口まで挿通させる都度、突起部109を押し込まなければならない。そのため、溶接用ワイヤ101の交換後の作業や、溶接用コンタクトチップの交換後の作業が煩雑となっていた。
【0007】
また、ばね106と、突起部109が設けられた駒104は、溶接用ワイヤ101に対して径方向に構成されている。そのため、溶接用コンタクトチップの外径が大きくなり、それに伴い溶接用トーチ先端部の外径が大きくなる。従って、母材の開先形状によっては、また、パイプ内を溶接する場合には、溶接用トーチ先端が入らず、溶接ができない場合があるといった課題がある。
【0008】
また、チップ本体102の先端側の挿通孔103の通電による消耗や、駒104の挿通孔110の機械的磨耗が生じた場合、一体構造であり部分的な交換ができないため、溶接用コンタクトチップ全体を交換しなければならず、交換費用が高価となっていた。
【0009】
また、溶接用ワイヤ101が駒104の挿通孔110を通過するときに、ばね106により径方向に押圧されているため、挿通孔110のエッジにより溶接用ワイヤ101の表面が削られることになる。削られたカスは、室105内に蓄積し、最終的には挿通孔110を塞ぐことになる。従って、溶接用ワイヤ101が送給できなくなり、溶接用コンタクトチップ全体を交換しなければならないという課題も発生していた。
【0010】
また、溶接用コンタクトチップは、根元側でトーチボディ(図示せず)の先端に装着される。そして、トーチボディには、シールドガスを整流するための絶縁物からなる略筒状のオリフィス(図示せず)が配置されている。このオリフィスの内径は、溶接用コンタクトチップの外径よりやや大きくなるように設計されている。上記した従来の溶接用コンタクトチップは、駒104に設けられた突起部109が溶接用コンタクトチップの外径より突出している。従って、オリフィスを取り外す場合は、溶接用コンタクトチップをトーチボディから取り外さなければならない。故に、オリフィスの交換作業が煩雑となっていた。
【0011】
本発明は、溶接用ワイヤの溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易であり、溶接用コンタクトチップの外径が大きくならず、消耗部品の交換に掛かる費用を安価にし、内部に溶接用ワイヤ削れカスが溜まっても容易に削除でき、オリフィスの交換作業が容易となる溶接用コンタクトチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の溶接用コンタクトチップは、溶接用ワイヤに給電する溶接用コンタクトチップであって、前記溶接用ワイヤの出口孔を有するチップ本体先端側部材と、前記溶接用ワイヤを挿通するための第1の挿通孔を有しており前記チップ本体先端側部材と螺合するチップ本体後端側部材と、前記チップ本体先端側部材の内部に前記溶接用ワイヤの挿通方向に直交する方向に移動可能に設けられ前記溶接用ワイヤを挿通するための第2の挿通孔を有しており先端側が前記チップ本体先端側部材の内面に接する可動部材と、前記溶接用ワイヤを挿通するための第3の挿通孔を有しており前記可動部材と前記チップ本体後端側部材との間に設けられ前記可動部材に接する加圧軸と、前記加圧軸と前記チップ本体後端側部材との間に設けられ前記加圧軸を前記出口孔の方向に付勢することで前記可動部材を前記出口孔の方向へ付勢する加圧部材を備え、前記可動部材の前記第2の挿通孔は前記可動部材の中心軸より外方に偏心して設けられ、前記チップ本体先端側部材の前記可動部材と接する面にはテーパが設けられ、前記可動部材の前記チップ本体先端側部材と接する面にはテーパが設けられ、前記溶接用チップに前記溶接用ワイヤが挿通していない場合には、前記加圧部材による付勢により、前記可動部材の中心軸が前記出口孔の中心軸に近づく方向に前記可動部が移動しており、前記溶接用チップに前記溶接用ワイヤが挿通している場合には、前記溶接用ワイヤにより前記加圧部材による付勢に抗して前記可動部材の中心軸が前記出口孔の中心軸から離れる方向に前記可動部材が移動し、前記溶接用ワイヤが前記第2の挿通孔の内面と前記出口孔の内面に接し、前記出口孔を備えた前記チップ本体先端側部材から前記溶接用ワイヤに給電するものである。
【0013】
また、本発明の溶接用コンタクトチップは、上記に加えて、加圧軸の可動部材と接する面にはテーパが設けられ、前記可動部材の前記加圧軸と接する面にはテーパが設けられたものである。
【0014】
また、本発明の溶接用コンタクトチップは、上記に加えて、可動部材のチップ本体先端側部材と接する面のテーパ角度は、前記可動部材の加圧軸と接する面のテーパ角度と同一かまたは小さいものである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明は、溶接用コンタクトチップに溶接用ワイヤが挿通していない場合には、加圧部材による付勢と可動部材のテーパによって可動部材の中心軸が出口孔の中心軸とほぼ一致しているが、溶接用ワイヤが挿通されると、剛性である溶接用ワイヤの直進性により可動部材に設けられた第2の挿通孔は可動部材の中心軸より外方に偏心しているので、加圧部材による付勢に抗して可動部材の中心軸は出口孔の中心軸に対して第2の挿通孔の偏心している中心軸と反対方向に可動部材が移動する。よって、溶接用ワイヤは第2の挿通孔の片側の内面と出口孔の片側の内面に接することになり、出口孔を備えたチップ本体先端側部材から溶接用ワイヤに強制給電することができる。この場合、強制給電させるために人手による作業は発生しないので溶接用ワイヤの溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの断面図
【図2】本発明の実施の形態1における溶接用コンタクトチップの分解図
【図3】本発明の実施の形態1における溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの断面図
【図4】本発明の実施の形態1における溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの先端側の拡大断面図
【図5】本発明の実施の形態1における溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの先端側の拡大断面図
【図6】本発明の実施の形態1におけるチップ本体先端側部材を示す図
【図7】(a)本発明の実施の形態1における可動部材を示す上面図(b)本発明の実施の形態1における可動部材を示す正面図(c)本発明の実施の形態1における可動部材を示す下面図
【図8】(a)本発明の実施の形態1における加圧軸を示す上面図(b)本発明の実施の形態1における加圧軸を示す正面図(c)本発明の実施の形態1における加圧軸を示す下面図
【図9】本発明の実施の形態2における溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの断面図
【図10】本発明の実施の形態2における溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの断面図
【図11】(a)本発明の実施の形態2における可動部材を示す上面図(b)本発明の実施の形態2における可動部材を示す正面図(c)本発明の実施の形態2における可動部材を示す下面図
【図12】本発明の実施の形態2における加圧軸を示す図
【図13】従来の溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図12を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの断面図である。チップ本体先端側部材1は、その中心軸に溶接用ワイヤが挿通する出口孔2を有している。チップ本体後端側部材3はその中心軸に溶接用ワイヤが挿通するための第1の挿通孔4を有している。チップ本体先端側部材1とチップ本体後端側部材3とは、互いに着脱可能とするため、ねじ部5で結合されている。チップ本体後端側部材3の根元側には、トーチボディ(図示せず)の先端部と結合するためのねじ部6が設けられている。なお、市販されている溶接用コンタクトチップにおいて、直径Zは8mmから10mmであり、全長Lは45mmであり、ねじ部6のサイズはM6であり、標準化されている。そして、本実施の形態1の溶接用コンタクトチップも、この標準化された寸法を満たしている。
【0019】
チップ本体先端側部材1とチップ本体後端側部材3の材料は、溶接電流の通電性と溶接用ワイヤの通過に伴う機械的磨耗による耐磨耗性が必要となる。従って、銅合金が多用される。また、溶接用ワイヤへの溶接電流通電点となるチップ本体先端側部材1の出口孔2の孔径は、溶接用ワイヤの直径に対して0.03mmから0.3mm大きい孔に加工されている。チップ本体後端側部材3の第1の挿通孔4は、溶接用ワイヤへの給電は行わず、ガイドの役目が主であるので、溶接用ワイヤの直径に対して0.1mmから0.5mm大きい孔に加工されている。また、チップ本体後端側部材3の根元側には溶接用ワイヤがスムーズに挿通するようにガイド入口7が設けてある。
【0020】
可動部材8は、溶接用ワイヤの挿通方向に対して直交する方向に移動可能となるように、チップ本体先端側部材1の内部に設けられている。そして、可動部材8は、溶接用ワイヤを挿通するための第2の挿通孔9を有しており、先端側(出口孔2の側)がチップ本体先端側部材1の内面に接するようになっている。第2の挿通孔9の孔中心軸は、可動部材8の中心軸より外側に偏心して加工されている。また、第2の挿通孔9の入口側には、溶接用ワイヤがスムーズに挿通するようにガイド入口10が設けてある。可動部材8の外径は、チップ本体先端側部材1内を移動可能とするため、チップ本体先端側部材1の内径より小さい寸法となっている。
【0021】
加圧軸11は、その中心軸に、溶接用ワイヤが挿通するための第3の挿通孔12を有しており、可動部材8とチップ本体後端側部材3との間に配置され、チップ本体先端側部材1の内部に設けられている。また、加圧軸11は、可動部材8の根元側(チップ本体後端側部材3の側)に接しており、第3の挿通孔12の入口側には溶接用ワイヤがスムーズに挿通するようにガイド入口13が設けてある。第3の挿通孔12は、溶接用ワイヤへの給電は行わず、ガイドの役目が主であるので、溶接用ワイヤの直径に対して0.1mmから0.5mm大きい孔に加工されている。加圧軸11の材料については、加圧軸11は溶接電流の通電性は要求されないので、耐磨耗性が必要となる加工がし易い金属が多用される。加圧軸11は、チップ本体先端側部材1の内部を軸方向のみに移動可能とするため、加圧軸11の最大外径は、チップ本体先端側部材1の内径より約0.1mm小さくなっており、チップ本体先端側部材1内を軸方向にスムーズに移動することができるようになっている。
【0022】
加圧部材14は、加圧軸11とチップ本体後端側部材3との間に配置され、加圧部材14の加圧力により、加圧軸11の加圧接触面15とチップ本体後端側部材3先端側の加圧接触面16に接する圧縮ばねである。この加圧部材14は、加圧軸11を出口孔2の方向に付勢することで、可動部材8を出口孔2の方向へ付勢している。
【0023】
チップ本体先端側部材1の可動部材8と接する面には、溶接用ワイヤの送給方向ほど溶接用ワイヤに近付くように傾斜したテーパ17が設けられている。加圧軸11の可動部材8と接する面には、溶接用ワイヤの送給方向ほど溶接用ワイヤから離れるように傾斜したテーパ18が設けられている。可動部材8のチップ本体先端側部材1と接する面には、テーパ17に対応したテーパ19が設けられており、可動部材8の加圧軸11と接する面には、テーパ18に対応したテーパ20が設けられているので、可動部材8の軸方向断面は略8角形となる。
【0024】
図2は、実施の形態1における溶接用コンタクトチップの分解図を示す。チップ先端側より、チップ本体先端側部材1、可動部材8、加圧軸11、加圧部材14、チップ本体後端側部材3の順番に配置されており、全部で5個の部品によって溶接用コンタクトチップが構成される。チップ本体先端側部材1とチップ本体後端側部材3はねじ部5で結合されているので、ねじ部5を外すと簡単に分解することができる。
【0025】
以上のように構成された溶接用コンタクトチップについて、先ず、溶接用ワイヤが挿通していない場合について、図1を用いて説明する。
【0026】
加圧部材14の加圧力が、加圧軸11を介して、チップ本体先端側部材1の内面において移動可能である可動部材8に伝わり、チップ本体先端側部材1のテーパ17と加圧軸11のテーパ18によりそれぞれのテーパに対応した可動部材8のテーパ19とテーパ20に力が加わる。この力により、可動部材8の中心軸の先端側は、出口孔2の中心軸とほぼ一致するように移動し、可動部材8の中心軸の後端側は、第3の挿通孔12の中心軸とほぼ一致するように移動することになる。よって、可動部材8の中心軸は、溶接用コンタクトチップ全体の中心軸とほぼ一致するように移動し、その状態を保つことになる。
【0027】
可動部材8の第2の挿通孔9の孔中心軸は、可動部材8の中心軸より外側に偏心しているので、溶接用ワイヤの送給経路となる第1の挿通孔4と第3の挿通孔12に対しても、偏心していることになる。図1では、第2の挿通孔9の孔中心軸は、第1の挿通孔4と第3の挿通孔12の中心軸に対して右側に偏心している。この状態で溶接用ワイヤを第1の挿通孔4側から送給しても、第2の挿通孔9の入口側にはガイド入口10が設けられており、そのガイド入口10の入口側の直径は第3の挿通孔12の孔径よりもかなり大きく加工されているので、溶接用ワイヤが第3の挿通孔12を通過後直進してきても十分に出口孔2の入口まで案内し、スムーズに出口孔2の出口へと溶接用ワイヤが送給される。
【0028】
次に、溶接用コンタクトチップに溶接用ワイヤが挿通した場合について、図3を用いて説明する。
【0029】
図3は、実施の形態1における溶接用コンタクトチップに溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの断面図を示している。剛性である溶接用ワイヤ21の直進性により、トーチボディ(図示せず)の先端から送給された溶接用ワイヤ21は、チップ本体後端側部材3のガイド入口7を経て第1の挿通孔4を通過し、加圧軸11のガイド入口13を経て第3の挿通孔12を通過し、可動部材8のガイド入口10を経て第2の挿通孔9を通過し、チップ本体先端側部材1の出口孔2を経て母材側に供給される。
【0030】
このとき、剛性である溶接用ワイヤ21は、可動部材8の第2の挿通孔9を通過すると同時に、第2の挿通孔9の孔中心軸が第3の挿通孔12の中心軸と出口孔2の中心軸とほぼ一致するように、可動部材8を溶接用ワイヤ21の挿通方向に対して直交方向に移動させる。図3の場合では、左側に移動させる。移動させられる可動部材8のテーパ19とテーパ20には、チップ本体先端側部材1のテーパ17と加圧軸11のテーパ18間に加わる加圧部材14による加圧力が加わり、この加圧力により、第2の挿通孔9の全長にわたって溶接用ワイヤ21を右側に押す力が働くことになる。この力は、出口孔2において、溶接用ワイヤ21が停止時および供給時を問わず、溶接用ワイヤ21を、図3の場合、常時右側に押し当てる力となる。よって、溶接用ワイヤ21は、出口孔2の右側に強制的に接することとなり、溶接電流を自動的かつ連続的に強制給電されることとなる。
【0031】
可動部材8は、溶接用ワイヤ21を出口孔2の右側に加圧する部材として重視するのであれば、その材料は、耐磨耗性が重視された加工し易い金属または耐磨耗性に優れた絶縁物でもよい。このとき、第2の挿通孔9は、ガイド機能を重視して溶接用ワイヤ21の直径に対して0.1mmから0.5mm大きい孔に加工される。また、可動部材8に、出口孔2の右側における強制通電とは別に、予備通電の機能を持たせる場合には、その材料は溶接電流の通電性と耐磨耗性が必要となるので、銅合金が多用され、第2の挿通孔9の孔径は、溶接用ワイヤ21の直径に対して0.03mmから0.3mm大きい孔に加工されることになる。
【0032】
以上のように、本実施の形態1における溶接用コンタクトチップでは、出口孔2を備えたチップ本体先端側部材1から溶接用ワイヤ21に対して自動的に強制給電することが可能である。この場合、強制給電させるために、従来の溶接用コンタクトチップのように人手による作業は発生しないので、溶接用ワイヤ21の溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易となる。
【0033】
また、チップ本体先端側部材1の内部に設けられる可動部材8、加圧軸11、加圧部材14は、溶接用コンタクトチップの軸方向に配置されているので、溶接用コンタクトチップの外径を小さくすることができる。
【0034】
また、溶接電流による通電磨耗と溶接用ワイヤ21の通過による機械的磨耗により消耗が著しいチップ本体先端側部材1と可動部材8は、チップ本体先端側部材1とチップ本体後端側部材3の間のねじ部5を外せば、個々の部品が着脱自由となるので、消耗した部品のみを交換することが可能となり、溶接用コンタクトチップ全体を交換する必要がなくなるので、消耗部品の交換費用を安価にすることができる。
【0035】
また、溶接用ワイヤ21は、第2の挿通孔9と出口孔2を通過するときに加圧部材14による加圧力により径方向に押圧されるため、各孔のエッジにより溶接用ワイヤ21の表面が削られ、チップ本体先端側部材1の内部に溶接用ワイヤ21の削れカスが蓄積することになる。しかし、チップ本体先端側部材1は、チップ本体後端側部材3に対して着脱自在なので、内部に溜まった溶接用ワイヤ21の削れカスを容易に除去することができ、溶接用コンタクトチップの長寿命化を図ることができる。
【0036】
更に、溶接用コンタクトチップの外径部には、従来の溶接用コンタクトチップのように突起部などが設けられていないので、溶接用コンタクトチップをトーチボディから取り外すことなくオリフィスを交換することができ、オリフィスの交換作業を容易にすることができる。
【0037】
次に、図4を用いて、溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップについて再度説明する。
【0038】
図4は、実施の形態1における溶接用コンタクトチップにおいて、溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの先端側の拡大断面図を示している。可動部材8は、加圧部材14の加圧力により加圧軸11を介して下側に加圧されているので、テーパ17とテーパ18とテーパ19とテーパ20の作用により移動自由な可動部材8は、可動部材8の中心軸22の先端側が出口孔2の中心軸とほぼ一致するように移動し、可動部材8の中心軸22の後端側が第3の挿通孔12の中心軸とほぼ一致するように移動し、固定された状態となる。このとき、テーパ19の全面はテーパ17に接しており、テーパ20の全面はテーパ18に接している。
【0039】
第2の挿通孔9の孔中心軸23は、可動部材8の中心軸22に対して、図4において右側に距離Aだけ偏心しており、この偏心が本発明の重要なポイントとなっている。
【0040】
ガイド入口24は、出口孔2の根元側に設けられており、溶接用ワイヤがスムーズに挿通するような働きを行う。
【0041】
次に、図5を用いて、溶接用ワイヤが挿通している場合の溶接用コンタクトチップについて再度説明する。
【0042】
図5は、実施の形態1における溶接用コンタクトチップにおいて、溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの先端側の拡大断面図を示している。溶接用ワイヤ21により、加圧部材14による付勢に抗して、可動部材8の中心軸が出口孔2の中心軸から離れる方向に可動部材8が移動する。図5では、可動部材8は、右側に移動することになり、同時にテーパ17に沿って上側にも移動し、テーパ18により加圧軸11は更に上に移動するので、可動部材8に加わる加圧力は更に増加することになる。溶接用ワイヤ21がない状態での加圧力と、更に増加した加圧力により、可動部材8を介して溶接用ワイヤ21は径方向である右側に加圧される。この右側への加圧力が出口孔2から溶接用ワイヤ21への給電を確実なものにしている。
【0043】
図5でみて、可動部材8の左側のテーパ19とテーパ20は、チップ本体先端側部材1のテーパ17と加圧軸11のテーパ18に接触しているが、可動部材8の右側のテーパ19とテーパ20は、チップ本体先端側部材1のテーパ17や加圧軸11のテーパ18接触しておらず、それぞれ隙間が発生している。溶接作業を継続していくと、強制給電をしている出口孔2の右側通電面が磨耗すると同時に溶接用ワイヤ21の径方向に力を加えている可動部材8も右側に移動する。そして終には、可動部材8の右側のテーパ19とテーパ20は、チップ本体先端側部材1のテーパ17と加圧軸11のテーパ18と接触し、このような状態になると出口孔2での強制給電するための径方向の加圧力はなくなるので、その後は、通常の溶接用コンタクトチップと同様の溶接用コンタクトチップとして使用されることになる。このとき、作業者が溶接の安定性が衰えたと判断すれば、チップ本体先端側部材1のみを交換すれば、再度強制給電溶接用コンタクトチップとしての機能が復活することになる。
【0044】
次に、図6を用いて、実施の形態1におけるチップ本体先端側部材1について説明する。
【0045】
図6は、実施の形態1におけるチップ本体先端側部材1を示している。チップ本体先端側部材1の内部に加工されたテーパ17のテーパ角度Bは、通常60度から160度の範囲が使用される。テーパ角度Bを60度より小さくすると、その分、チップ本体先端側部材1の全長が長くなるので、結果として溶接用コンタクトチップの全長が標準寸法の45mmを超える可能性がある。また、160度より大きくすると、溶接用ワイヤ21が挿通したときに発生する可動部材8による溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が小さくなるので、あまり実用的でない。なお、テーパ角度は、一つの軸断面における円すいの二つの母線のなす角度である。
【0046】
次に、図7を用いて、実施の形態1における可動部材8について説明する。なお、図7(a)は上面部であり、図7(b)は正面図であり、図7(c)は下面図である。
【0047】
図7は、実施の形態1における可動部材8を示している。可動部材8のチップ本体先端側部材1と接する面には、テーパ19が設けられ、そのテーパ角度Cは、チップ本体先端側部材1のテーパ角度Bとほぼ同一の角度に加工されている。また、加圧軸11と接する面には、テーパ20が設けられ、そのテーパ角度Dは、テーパ角度Cと同一かまたは大きい角度となっている。テーパ角度C及びテーパ角度Dのテーパ角度が小さいと、溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が増加し、テーパ角度が大きくなると溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が減少する。テーパ角度Dを大きくしてテーパ角度Cを小さくする理由は、可動部材8においてより出口孔2に近い側での溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力を増加させることにより、溶接用ワイヤ21への強制給電をより安定させるためである。
【0048】
テーパ角度Dは、通常、60度から170度の範囲が使用される。テーパ角度Dを60度より小さくすると、その分、可動部材8の全長が長くなるので、結果として溶接用コンタクトチップの全長が標準寸法の45mmを超える可能性がある。また、170度より大きくすると、溶接用ワイヤ21が挿通したときに発生する可動部材8による溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が小さくなる。
【0049】
可動部材8は略円筒状となっており、他の強制給電の溶接用コンタクトチップで多用されているコレットチップのように軸方向にはスリットが加工されていない。コレットチップの場合、そのスリットによって溶接用ワイヤの表面が削れ易いといった問題や、スリットの間から溶接用ワイヤが脱落するといいった問題があった。しかし、本実施の形態1の溶接用コンタクトチップでは、強制部である可動部材8にはスリットがないので、上記のコレットチップのような問題は発生しない。また、スリット加工も不要となるので、部品コストを安くすることができる。
【0050】
次に、図8を用いて、実施の形態1における加圧軸11について説明する。なお、図8(a)は上面部であり、図8(b)は正面図であり、図8(c)は下面図である。
【0051】
図8は、実施の形態1における加圧軸11を示している。加圧軸11の可動部材8と接する面にはテーパ18設けられ、そのテーパ角度Eは、可動部材8のテーパ角度Dとほぼ同一の角度に加工されている。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態2において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図9は、実施の形態2における溶接用ワイヤが挿通していない場合の溶接用コンタクトチップの断面図を示している。実施の形態1と異なる主な点は、可動部材25と加圧軸26の形状である。実施の形態1では、可動部材8の加圧軸11に接する面と、加圧軸11の可動部材8に接する面にテーパを設けていた。しかし、実施の形態2では、可動部材25の加圧軸11に接する面と、加圧軸26の可動部材25に接する面にテーパを設けず、平面としている。
【0053】
以上のように構成された溶接用コンタクトチップに関し、溶接用ワイヤが挿通していない場合について、図9を用いて説明する。
【0054】
加圧部材14による加圧力が、加圧軸26を介して、チップ本体先端側部材1の内側において移動可能である可動部材25に伝わり、チップ本体先端側部材1のテーパ17と可動部材25のテーパ19に加わることになる。この力により、可動部材25の中心軸の先端側は、出口孔2の中心軸とほぼ一致するように移動し、可動部材25の中心軸の後端側は、第3の挿通孔12の中心軸とほぼ一致するように、先端側のテーパに加わる力に伴って可動部材25が横に滑るように移動することになる。よって、可動部材25の中心軸は溶接用コンタクトチップ全体の中心軸とほぼ一致するように移動し、その状態を保つことになる。
【0055】
可動部材25の第2の挿通孔9の孔中心軸は、可動部材25の中心軸より外側に偏心しているので、溶接用ワイヤの送給経路となる第1の挿通孔4と第3の挿通孔12に対しても、偏心していることになる。図9では、第2の挿通孔9の孔中心軸は、第1の挿通孔4と第3の挿通孔12の中心軸に対して、右側に偏心している。この状態で溶接用ワイヤを第1の挿通孔4側から送給しても、第2の挿通孔9の入口側にはガイド入口27が設けられており、そのガイド入口27の入口側の直径は第3の挿通孔12の孔径よりもかなり大きく加工されているので、溶接用ワイヤが第3の挿通孔12を通過後直進してきても、十分に出口孔2の入口まで案内し、スムーズに出口孔2の出口へと溶接用ワイヤが送給される。
【0056】
次に、実施の形態2の溶接用コンタクトチップにおいて、溶接用ワイヤが挿通した場合について、図10を用いて説明する。
【0057】
図10は、実施の形態2における溶接用ワイヤが挿通した場合の溶接用コンタクトチップの断面図を示している。剛性である溶接用ワイヤ21の直進性により、トーチボディ(図示せず)の先端から送給された溶接用ワイヤ21は、チップ本体後端側部材3のガイド入口7を経て第1の挿通孔4を通過し、加圧軸26のガイド入口13を経て第3の挿通孔12を通過し、可動部材25のガイド入口27を経て第2の挿通孔9を通過し、チップ本体先端側部材1の出口孔2を経て母材側に供給される。
【0058】
このとき、剛性である溶接用ワイヤ21は、第2の挿通孔9を通過すると同時に第2の挿通孔9の孔中心軸が第3の挿通孔12の中心軸と出口孔2の中心軸とほぼ一致するように、可動部材25を図10では左側に移動させる。移動させられる可動部材25のテーパ19には、チップ本体先端側部材1のテーパ17に加わる加圧部材14による加圧力が加わり、この加圧力により、第2の挿通孔9全長にわたって溶接用ワイヤ21を右側に押す力が働くことになる。この力は、出口孔2において溶接用ワイヤ21が停止時および供給時を問わず、溶接用ワイヤ21を、図10でみて、常時右側に押し当てる力となる。よって、溶接用ワイヤ21は、出口孔2の右側に強制的に接することとなり、溶接電流を自動的かつ連続的に強制給電されることとなる。
【0059】
以上のように、本実施の形態2における溶接用コンタクトチップでは、出口孔2を備えたチップ本体先端側部材1から溶接用ワイヤ21に自動的に強制給電することが可能である。この場合、強制給電させるために、従来の溶接用コンタクトチップのように人手による作業は発生しないので、溶接用ワイヤ21の溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易となる。
【0060】
また、チップ本体先端側部材1の内部に設けられる可動部材25、加圧軸26、加圧部材14は、溶接用コンタクトチップの軸方向に配置されているので、溶接用コンタクトチップの外径を小さくすることができる。
【0061】
また、溶接電流による通電磨耗と溶接用ワイヤ21の通過による機械的磨耗により消耗が著しいチップ本体先端側部材1と可動部材25は、チップ本体先端側部材1とチップ本体後端側部材3の間のねじ部5を外せば、個々の部品が着脱自由となるので、消耗した部品のみを交換することが可能となり、溶接用コンタクトチップ全体を交換する必要がなくなるので、消耗部品の交換費用を安価にすることができる。
【0062】
また、溶接用ワイヤ21は、第2の挿通孔9と出口孔2を通過するときに加圧部材14による加圧力により径方向に押圧されるため、各孔のエッジにより溶接用ワイヤ21の表面が削られ、チップ本体先端側部材1の内部に溶接用ワイヤ21の削れカスが蓄積することになる。しかし、チップ本体先端側部材1はチップ本体後端側部材3に対して着脱自在なので、内部に溜まった溶接用ワイヤ21の削れカスを容易に除去することができ、溶接用コンタクトチップの長寿命化を図ることができる。
【0063】
更に、溶接用コンタクトチップの外径部には、従来の溶接用コンタクトチップのように突起部などが設けられていないので、溶接用コンタクトチップをトーチボディより取り外すことなくオリフィスを交換でき、オリフィスの交換作業を容易にすることができる。
【0064】
次に、図11を用いて、実施の形態2における可動部材25について説明する。なお、図11(a)は上面部であり、図11(b)は正面図であり、図11(c)は下面図である。
【0065】
図11は、実施の形態2における可動部材25を示している。可動部材25のチップ本体先端側部材1と接する面には、テーパ19が設けられ、そのテーパ角度Cは、チップ本体先端側部材1のテーパ角度Bとほぼ同一の角度に加工されている。テーパ角度Cのテーパ角度が小さいと溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が増加し、テーパ角度が大きくなると溶接用ワイヤ21への径方向への加圧力が減少する。
【0066】
可動部材25のガイド入口27の入口部の直径dは、実施の形態1の可動部材8の直径より大きく加工されている。これは、溶接用ワイヤ21が挿通していない場合、可動部材25の根元側が平面であるので、可動部材25の中心軸の後端側が第3の挿通孔12の中心軸とほぼ一致するように先端側のテーパに加わる力に伴う横滑り移動が、加圧軸26の先端の平面との摩擦により不十分となったときでも、溶接用ワイヤ21をスムーズに出口孔2の出口へと送給するためである。
【0067】
また、実施の形態1における可動部材8に対してテーパ加工が減るので、本実施の形態2の可動部材25のコストは、実施の形態1の可動部材8よりも安価にすることができる。
【0068】
次に、図12を用いて、実施の形態2における加圧軸26について説明する。
【0069】
図12は、実施の形態2における加圧軸26を示している。実施の形態1の加圧軸11に対し、テーパ加工がないので、本実施の形態2の加圧軸26のコストは、実施の形態1の加圧軸11よりも安価にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の溶接用コンタクトチップは、溶接用ワイヤが挿通されると、剛性である溶接用ワイヤの直進性により、可動部材に設けられた第2の挿通孔は可動部材の中心軸より外方に偏心しているので、加圧部材による付勢に抗して可動部材の中心軸は出口孔中心軸に対して第2の挿通孔の偏心している中心軸と反対方向に可動部材が移動し、よって、溶接用ワイヤは第2の挿通孔の片側の内面と出口孔の片側の内面に接することになるので、出口孔を備えたチップ本体先端側部材から溶接用ワイヤに自動的に強制給電することができ、強制給電させるために人手による作業は発生しないので、溶接用ワイヤの溶接用コンタクトチップへの送給作業が容易となり、消耗電極用の溶接用コンタクトチップ等として産業上有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 チップ本体先端側部材
2 出口孔
3 チップ本体後端側部材
4 第1の挿通孔
5 ねじ部
6 ねじ部
7 ガイド入口
8、25 可動部材
9 第2の挿通孔
10 ガイド入口
11、26 加圧軸
12 第3の挿通孔
13 ガイド入口
14 加圧部材
15 加圧接触面
16 加圧接触面
17、18、19、20 テーパ
21 溶接用ワイヤ
22 中心軸
23 孔中心軸
24 ガイド入口
27 ガイド入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接用ワイヤに給電する溶接用コンタクトチップであって、
前記溶接用ワイヤの出口孔を有するチップ本体先端側部材と、
前記溶接用ワイヤを挿通するための第1の挿通孔を有しており前記チップ本体先端側部材と螺合するチップ本体後端側部材と、
前記チップ本体先端側部材の内部に前記溶接用ワイヤの挿通方向に直交する方向に移動可能に設けられ前記溶接用ワイヤを挿通するための第2の挿通孔を有しており先端側が前記チップ本体先端側部材の内面に接する可動部材と、
前記溶接用ワイヤを挿通するための第3の挿通孔を有しており前記可動部材と前記チップ本体後端側部材との間に設けられ前記可動部材に接する加圧軸と、
前記加圧軸と前記チップ本体後端側部材との間に設けられ前記加圧軸を前記出口孔の方向に付勢することで前記可動部材を前記出口孔の方向へ付勢する加圧部材を備え、
前記可動部材の前記第2の挿通孔は前記可動部材の中心軸より外方に偏心して設けられ、
前記チップ本体先端側部材の前記可動部材と接する面にはテーパが設けられ、
前記可動部材の前記チップ本体先端側部材と接する面にはテーパが設けられ、
前記溶接用チップに前記溶接用ワイヤが挿通していない場合には、前記加圧部材による付勢により、前記可動部材の中心軸が前記出口孔の中心軸に近づく方向に前記可動部が移動しており、
前記溶接用チップに前記溶接用ワイヤが挿通している場合には、前記溶接用ワイヤにより前記加圧部材による付勢に抗して前記可動部材の中心軸が前記出口孔の中心軸から離れる方向に前記可動部材が移動し、前記溶接用ワイヤが前記第2の挿通孔の内面と前記出口孔の内面に接し、前記出口孔を備えた前記チップ本体先端側部材から前記溶接用ワイヤに給電する溶接用コンタクトチップ。
【請求項2】
加圧軸の可動部材と接する面にはテーパが設けられ、前記可動部材の前記加圧軸と接する面にはテーパが設けられた請求項1記載の溶接用コンタクトチップ。
【請求項3】
可動部材のチップ本体先端側部材と接する面のテーパ角度は、前記可動部材の加圧軸と接する面のテーパ角度と同一かまたは小さい請求項2記載の溶接用コンタクトチップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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