説明

溶液、透析液、及び関連する方法

血中の溶質を測定する、及び/又は血液を処置するための溶液、透析液、及び方法。本発明の一態様において、透析を実施する方法は患者の血液と連通する溶液を位置させる工程を含み、同工程において、患者の血液と連通させて位置させる前において、溶液中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度は、患者の血中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度と略等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液、透析液、及びこれらに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析時に、患者の血液を血液の進入部位を通じて通常カテーテルにより体外に引き出し、血液に人工腎臓(通常「透析装置と呼ばれる」)を通過させることにより、不純物及び毒素が患者の血液から除去される。人工腎臓は第2の導管から第1の導管を隔離する半透膜を含む。通常透析液は透析装置の第1の導管を通過して流れ、患者の血液は透析装置の第2の導管を通過して流れる。これにより不純物及び毒素が半透膜を通じて血液から透析液に搬送される。不純物及び毒素は例えば拡散工程により血液から除去される。透析装置を通過した後に、浄化された血液は患者の体内に戻される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は患者の血中のナトリウム濃度を処置にわたって略一定のレベルに保持し、これにより患者が感じる不快感を低減又は防止することのできる溶液及び透析液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様において、透析を実施する方法は、患者の血液と連通する溶液を位置させる工程を含み、同工程において、患者の血液と連通させて位置させる前において、溶液中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度は、患者の血中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度と略等しい。
【0005】
本発明の別の態様において、透析を実施する方法は患者の血液と連通する溶液の導電性を測定する工程を含む。溶液中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度は、患者の血中の少なくとも1つの導電性を備えた溶質の濃度と略等しい。方法はナトリウムの計測される導電性の機能により患者の血液のナトリウム濃度を測定する工程、及び患者の血液と連通して透析液を位置させる工程を更に含む。透析液は、患者の血液と連通させて位置させる前において、患者の血液の測定されたナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を有する。
【0006】
本発明の付加的な態様において、方法は患者の血中のナトリウム濃度を計測するための溶液を準備する工程を含む。溶液は、患者の母集団の血中の1つ以上の導電性を備えた溶質の測定された平均レベルに略等しい、1つ以上の導電性を備えた溶質のレベルを有する。
【0007】
本発明の別の態様において、患者の血中のナトリウム濃度を計測するための溶液は、血中の複数の導電性溶質の所定の濃度と略等しい複数の導電性溶質の濃度を有する。
本発明の付加的な態様において、透析液を準備する方法は、透析液の濃縮液の導電性を測定する工程、及び所定量の透析液の濃縮液を所定量の液体と混合する工程を含む。透析液の濃縮液及び液体の量は、透析液の濃縮液の測定された導電性の機能として計測される。
【0008】
本発明の別の態様において、透析液を準備する方法は、半透膜を横断して透析患者の血液に連通する試験溶液を、患者の血液からナトリウムイオンを、膜を横断して試験溶液中に移動させるために十分な時間位置させる工程を含む。試験溶液は、患者の血液と連通させて位置させる前において、患者の血中の対応する導電性溶質の予想された濃度に略匹敵する導電性溶質の濃度を含み、患者の血液の予想されたナトリウム濃度より低いナトリウム濃度を有する。方法は試験溶液が患者の血液と連通して位置される前後の双方において試験溶液の導電性を測定する工程、並びに患者の血液と連通して位置される前の試験溶液の導電性及び患者の血液と連通して位置された後の試験溶液の導電性の差異の機能として患者の血中のナトリウムの現在の濃度を測定する工程を含む。方法は、患者の血中の現在の測定されたナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を有する透析液を提供する工程、及び透析処置の実施にわたって患者の血液のナトリウム濃度を略変更することなく患者の血液に対して透析処置を実施するために、透析液を半透膜を横断して患者の血液と連通させて位置させる工程を更に含む。
【0009】
本発明の実施例は、以下の特徴の一つ以上を含むことも可能である。
実施例において、患者の血液と連通して溶液を位置させる工程は、溶液に透析装置を通過させる工程を含む。
【0010】
実施例において、少なくとも1つの導電性を備えた溶質は、リン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウムを含む。
実施例において方法は、患者の血液と連通させて溶液を位置させた後に溶液の導電性を測定する工程、及び溶液の測定された導電性の機能により患者の血中のナトリウム濃度を測定する工程を更に含む。
【0011】
実施例において、方法は患者の血液に連通させて透析液を位置させる工程を更に含む。透析液は血中の測定されたナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を有する。
実施例において、患者の血液と連通して透析液を位置させる工程は、透析液に透析装置を通過させる工程を含む。
【0012】
実施例において、方法は透析装置のダイアリザンス(溶質拡散性能)を測定する工程を更に含む。
実施例において、透析液のナトリウム濃度は、測定されたナトリウム濃度の所定量及び/又は所定のパーセンテージ以下(即ち、約5%且つ/又は約7.0mEq/L(約7.0mmol/L)以下、約1%且つ/又は約1.5mEq/L(約1.5mmol/L)以下)だけ血液の測定されたナトリウム濃度とは異なる。
【0013】
実施例において、方法は透析液の濃縮液を水と混合することにより透析液を準備する工程を更に含む。
実施例において、患者の血液と連通して透析液を位置させる工程は、透析液に透析装置を通過させる工程を含む。
【0014】
実施例において、方法は透析液に透析装置を通過させるに先だって溶液に透析装置を通過させる工程を含む。
実施例において溶液は、透析液が透析装置を通過することに要する時間より少ない時間にて透析装置を通過する。
【0015】
実施例において、溶液は約5分間以下にわたって透析装置を通過する。
実施例において、患者の血中のナトリウム濃度は、透析液に透析装置を所定の時間にわたって通過させた後に、患者の血液の計測されたナトリウム濃度の所定量及び/又は所定のパーセンテージ以下(即ち、約5%且つ/又は約7.0mEq/L(約7.0mmol/L)以下、約1%且つ/又は約1.5mEq/L(約1.5mmol/L)以下)だけ患者の血液の測定されたナトリウム濃度とは異なる。
【0016】
実施例において、方法は溶液の測定された導電性の機能として透析装置のダイアリザンス(溶質拡散性能)を測定する工程を更に含む。
実施例において、方法は透析装置の入口及び出口にて溶液の第1の導電性を計測する工程と、溶液の濃度を上昇させる工程と、透析装置の入口及び出口にて溶液の第2の導電性を測定する工程とを更に含む。
【0017】
実施例において、方法は、患者の母集団の血中の1つ以上の導電性溶質の平均レベルを測定すべく各患者に対して血液試験を実施する工程を更に含む。
実施例において、患者の母集団は血液透析患者の母集団を含む。
実施例において、複数の導電性を備えた溶質は、リン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウムを含む。
【0018】
実施例において、溶液はナトリウムを更に含む。
実施例において、所定の濃度は患者の母集団の血中の計測された平均濃度である。
実施例において、方法は、透析液の濃縮液の計測された導電性により透析液の濃縮液のナトリウム濃度を測定する工程を更に含む。
【0019】
実施例において、透析液中のナトリウム濃度は患者の血中のナトリウムの所定の濃度に略等しい。
実施例において、方法は透析液が患者の血液と連通して位置される前後に透析液の導電性を測定する工程、及び透析処置にわたって患者の血中において略同じナトリウムレベルを保持すべく透析液の導電性の前後の機能により透析処置にわたって透析液のナトリウム濃度を調整する工程を更に含む。
【0020】
実施例において、方法は試験溶液を準備する工程を更に含む。
実施例において、試験溶液を準備する工程は、患者の母集団の血中の導電性溶質の平均レベルを測定する工程、及び患者の母集団の血中の導電性溶質の平均レベルに略匹敵する導電性溶質のレベルを有する試験溶液を準備する工程を含む。
【0021】
実施例において、方法は透析液を準備する工程を更に含む。
実施例において、透析液を準備する工程は、透析液の濃縮液の実際の濃度を測定する工程、及び透析液の濃縮液と、透析液の濃縮液の実際の濃度の機能により決定される量の水とを混合させる工程を含む。
【0022】
実施例において、透析液の濃縮液の実際の濃度は、透析液の濃縮液の計測された導電性の機能により決定される。
本発明の実施例は、以下の効果の一つ以上を含むことも可能である。
実施例において、溶液(導電性試験溶液)中の1つ以上の導電性を備えた溶質の濃度は、患者の血中の1つ以上の導電性を備えた溶質の濃度と略等しくなるように選択される。これにより、血液のナトリウム濃度の測定の精度の向上が補助される。血液のナトリウム濃度は、溶液の導電性の機能により測定可能であり、溶液中の導電性溶質の濃度及び患者の血中における導電性溶質の濃度が異なると、この測定技術の精度が低下する。1つ以上の導電性を備えた溶質に対して血液及び溶液間にて略均衡を保持することにより、導電性の測定に対する導電性溶質の影響を無視でき、且つ、導電性の測定が血中の実際のナトリウム濃度と確実に、且つ緊密に相関関係を有することができる。
【0023】
実施例において、透析液のナトリウム濃度は患者の血液のナトリウム濃度と略等しくなるように選択される。これにより透析(即ち、血液透析)にわたって血液のナトリウム濃度が確実に略一定に保持されることが補助される。処置にわたって血液のナトリウムレベルを略一定の濃度に保持することにより、処置の結果、患者が感じる不快感を低減又は防止することが補助される。
【0024】
実施例において、透析液の濃縮液の実際の濃度(即ち、実際のナトリウム濃度)が測定され、ラベルに示された透析液の濃縮液の濃度と比較される。続いて透析液が、ラベルに示された透析液の濃縮液の濃度ではなくむしろ透析液の濃縮液の実際の濃度に基づいて(例えば透析液の濃縮液を水と混合することにより)準備される。透析液の濃縮液の実際の濃度を測定することにより、例えば透析液を準備する者は、濃縮液及び別の液体の所望の量をより正確に決定し、混合して透析液を形成することが補助される。上記方法により準備された透析液を使用することにより、患者の血中のナトリウム濃度を処置にわたって略一定のレベルに保持することが補助され、これにより上述したように処置の結果患者が感じる不快感を低減又は防止することが補助される。
【0025】
他の態様、特徴、利点については、明細書、図面及び請求項から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】血液透析装置を示す概略図。
【図2】図1の透析装置の透析液供給装置をより詳細に示す図。
【図3】計測モードにおいて図1の装置を使用して患者の血液の濃度を測定する方法を示す概略図。
【図4】処置モードにおいて図1の装置を使用して患者の血液を処置する方法を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は患者の血中の1つ以上の導電性溶質の濃度と略等しい1つ以上の導電性溶質(例、リン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウム)の濃度を有する溶液(例、導電性試験溶液)に関する。方法は溶液に透析装置の透析液導管又は溶液導管を通過させ、血液に透析装置の血液導管を通過させる工程と、溶液の導電性を測定する工程(例、透析装置を横断する溶液の導電性の差異を測定する)とを含む。患者の血中のナトリウムの濃度は測定された導電性により(例、透析装置を横断する測定された導電性の差異により)決定される。患者の血中のナトリウムの測定された濃度は、患者に対して血液透析を行うべくモデルとして利用されるか、透析液の準備のために考慮される。透析液は例えば患者の血液の測定されたナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を有すべく準備可能である。従って、患者の血中のナトリウムレベルは血液処理全体にわたって略一定のレベルに保持される。
【0028】
図1に血液を濾過、或いは浄化する透析装置105を備えた透析器具100を示す。透析装置105は血液導管115とは半透膜120によって分離される透析液又は溶液導管110を含む。半透膜120は尿毒性血液に通常見られるリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、尿素、クレアチニン、低分子量タンパク質、及びその他の代謝による副生成物等の所定の不純物及び毒素に対して透過性を有する。半透膜120は高分子量タンパク質等のその他の所定の血液要素に対して略透過性を有さない。半透膜は例えば多孔質ポリスルホン等の1つ以上の多孔質材料を含む(即ち、多孔質材料から形成される)。後述するように血液透析時に患者の血液は血液導管115を通じて流れ、透析液130は透析液又は溶液導管110を通じて流れる。これらにより溶質は血液から透析液に半透膜120を横断して通過し、その逆も生じる。
【0029】
透析液130を含む透析液供給装置125は透析装置105と連通する。透析液供給ライン135は第1の端部にて透析液供給装置125に連結され、第2の端部にて弁140に連結される。弁140は(図1に示す)第1の位置及び第2の位置に位置される。第1の位置を透析液130は通過し、第2の位置において透析液130は通過して流れることが防止される。弁140は電子制御式ソレノイド弁、油圧制御式ソレノイド弁、ピンチ弁等の様々なタイプの弁である。透析液又は溶液入口ライン145は一端にて弁105と連通し、他端にて透析装置105の透析装置入口開口部150と連通する。器具100の使用時において、透析液130は透析液供給装置125からライン135,145を通じて透析装置105に搬送される。
【0030】
図2に示すように透析液供給装置125は濃縮液供給ライン165を通じて濃縮液供給タンク160と連通する混合機155を含む。計測ポンプ175は濃縮液供給ライン165内に位置され、これにより濃縮液供給タンク160から操作可能な量の透析液の濃縮液180を混合機155にポンプにてくみ出す。混合機155は給水ライン170を通じて給水源(図示しない)とも連通する。給水ライン170には弁190(例、ソレノイド弁)が設けられ、これにより混合機155への水の流れが調整される。濃縮液180及び水は混合機155に搬送され、内部にて混合され透析液130を形成する。ポンプ175及び弁190は透析液を製造することに使用される濃縮液及び水の比率を調整することに使用可能である。
【0031】
図1は更に導電性試験溶液200を含み、透析装置105と連通する溶液供給装置195を示す。溶液供給装置195は少なくとも部分的に導電性試験溶液200により満たされた容器(例、タンク)である。溶液供給ライン205は第1の端部にて溶液供給装置195に連結され、第2の端部にて弁140に連結される。弁140は(図1に示す)第1の位置に位置される場合に、導電性試験溶液200が通過して流れることを防止される。弁140が第2の位置に位置される場合に、導電性試験溶液200は流れることを許容される。器具100の使用時において、導電性試験溶液200は溶液供給装置195からライン205,145を通じて透析装置105に搬送される。
【0032】
透析液又は溶液出口ライン210は、透析液又は溶液導管110の他端に位置される透析装置出口開口部145にて透析装置105に連結される。透析液又は溶液出口ライン210は更にポンプ21に連結される。ポンプ215は透析液及び溶液のうち少なくともいずれか一方を透析装置105に移動させることのできる様々なタイプのポンプ装置であってもよい。ポンプ215は駆動されると、透析装置105の透析液又は溶液導管110を通じて(弁140の位置に応じて)透析液供給装置125から透析液130をくみ出すか、溶液供給装置195から導電性試験溶液200をくみ出す。
【0033】
第1の電導度検出器220は弁140及び透析装置105の間の透析液又は溶液入口ライン145に位置され、第2の電導度検出器225は透析装置105及びポンプ215の間の透析液又は溶液出口ライン210に位置される。電導度検出器220,225は透析液又は溶液入口ライン145及び出口ライン210をそれぞれ通過する透析液130及び導電性試験溶液200のうち少なくともいずれか一方の電導度を検出すべく位置される。電導度検出器220,225は透析液及び溶液のうち少なくともいずれか一方の電導度を計測可能な様々なタイプの装置である。
【0034】
電導度検出器220,225はライン235及び240(例、電線)によって制御ユニット(例、マイクロプロセッサ)230に信号を送る。制御ユニット230はライン(電線)245及び250を通じて(図2に示す)給水ライン170の弁190、及び(図2に示す)濃縮液供給ライン165のポンプ175に信号を送る。従って、制御ユニット230は電導度検出器220,225から受容される入力信号に基づいて、混合機155に搬送される濃縮液及び水の量を調整し、これにより透析液130を形成することに使用される濃縮液及び水の比率を調整する。公知の計測システム及び比率調整弁のうち少なくともいずれか一方を使用したその他の構造体も可能である。例えば水に対する濃縮液の好適な容積及び量のうち少なくともいずれか一方を示す1つの信号が制御部230から出力されてもよい。
【0035】
透析装置105の右手側にて、血液入口ライン255が透析装置105の血液入口開口部260と連通し、血液出口ライン265が透析装置105の血液出口開口部270と連通する。針付きカテーテル275及び280は血液入口ライン255及び血液出口ライン265の自由端にそれぞれ固定される。使用時に針付きカテーテル275及び280は患者の血液進入部(例、瘻孔)内に挿入され、これにより患者から血液を引き出し、患者に血液を戻す。血液入口ライン255は血液ポンプ(例、蠕動ローラポンプ)285と連通する。血液ライン255,265が患者に連結されると、ポンプ285は駆動され、血液が患者から引き出され、血液入口ライン255を通じて透析装置105の血液側に搬送される。透析装置105の血液導管115を通過した後に、血液は血液出口ライン265を通じて患者の血液進入部に戻される。
【0036】
血液ライン255,265及び透析液又は溶液ライン135,145,205,210は血液や透析液、或いは溶液を搬送可能な様々なタイプの管である。実施例において血液ライン及び/又は透析液又は溶液ラインは1つ以上の比較的柔軟性を備えた材料から形成される。血液ライン及び/又は透析液又溶液ラインが形成される材料の例は、ポリ塩化ビニル(PVC)、フタル酸ジエチルヘキシル、及びポリオレフィンを含む。
【0037】
特定の理論に縛られることを望むものではないが、血液透析の患者を含む患者は体内において通常「セットポイント(set point )」と呼ばれるナトリウムの自然のレベル或いは設定レベルを有するものと考えられる。更に患者のセットポイントは比較的一定に保持される傾向があり、セットポイントを大きく逸脱するナトリウムレベルは患者を不快に至らしめる原因となり得る。血液透析の患者のナトリウムレベルを血液透析中に患者のセットポイントに、或いはセットポイント近傍に保持することにより不快感を軽減、或いは取り除く傾向がある。血液透析の患者の血中のナトリウム濃度に略等しいナトリウム濃度の透析液を使用することにより患者の血液のナトリウムレベルを血液透析処置にわたって患者のセットポイントに、或いはセットポイントの近傍に保持することが補助される。血液透析の患者の血中のナトリウム濃度を計測する方法、及び血液透析の患者の血液のナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を有する透析液を準備し使用する方法を後述する。
【0038】
図3は透析液器具100を使用して患者の血中のナトリウム濃度を計測する方法を示す。図3において血液ライン255,265は血液進入部290に針付きカテーテル275,280を挿入することにより患者の血液進入部(例、瘻孔)に連結される。血液ライン255,265を血液進入部290に連結した後に血液ポンプ285は駆動され、これにより血液は透析装置105の血液導管115を矢印295によって示される方向に通過して流れる。血液が透析装置105の血液導管115を通過して流れると、導電性試験溶液200は透析装置105の透析液又は溶液導管110を通過して反対方向に(即ち、矢印300の方向に)流れる。弁140は例えば第2の位置に設けられ、ここで略導電性試験溶液200のみ(透析液130ではない)が透析装置105内に流れることができる。導電性試験溶液200は通常約5分以下(例、約3分乃至約5分)の間透析装置105を通過して流れる。導電性試験溶液200が透析装置105を通過して流れる間に、検出器220,225は溶液が透析装置105を出入りすると、導電性試験溶液200の導電性を測定する。
【0039】
導電性試験溶液200は患者の血中のナトリウム以外の導電性を備えた溶質が導電性試験溶液200の導電性の測定(即ち、透析装置105を横断する導電性試験溶液200の導電性の差異)に対して殆ど、或いは全く影響を付与しないように形成される。導電性試験溶液200は例えば導電性試験溶液200中のリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの濃度が患者の血中の各溶質の濃度と厳密に匹敵するように形成される。従って導電性試験溶液200により高いレベルの正確さにより患者の血清のナトリウム濃度を(溶液の計測された濃度に基づいて)測定できる。
【0040】
導電性試験溶液200は約135mEq/L乃至約145mEq/L(約135mmol/L乃至約145mmol/L)のナトリウム、約100mEq/L乃至約110mEq/L(約100mmol/L乃至約110mmol/L)の塩化物、約20mEq/L乃至約45mEq/L(約20mmol/L乃至約45mmol/L)の重炭酸塩、約3.0mEq/L乃至約5.0mEq/L(約3.0mmol/L乃至約5.0mmol/L)のカリウム、約6.0mg/dl乃至約8.0mg/dlのリン酸塩、及び約6.0mg/dl乃至約8.0mg/dlの硫酸塩を含み得る。実施例において、溶液200は約140mEq/L(約140mmol/L)のナトリウム、約100mEq/L(約100mmol/L)の塩化物、約20mEq/L(約20mmol/L)の重炭酸塩、約4.0mEq/Lのカリウム、約7.0mg/dlのリン酸塩、及び約7.0mg/dlの硫酸塩を含む。
【0041】
導電性試験溶液200の好適な配合を測定及び準備するために様々な技術が使用可能である。例えば導電性試験溶液200を準備するために透析患者の多数の標本が、血中の上記導電性溶質の平均レベルを決定すべく試験される。導電性溶液200は類似の(即ち、同じ)レベルの上記溶質を含むべく形成される。患者の標本の母集団の血液ナトリウム濃度の平均レベルを使用することにより、処置中の各患者の血液を引き出し試験する等の侵襲的な、及び/又は時間のかかる処置を行うことなくその他の血液透析の患者の血液レベルの比較的正確な予測が可能である。付加的に、導電性試験溶液200は個別の患者のために特別に調整する必要がないため、溶液は大量に製造し、配布可能であり、比較的費用を抑えて製造可能である。
【0042】
導電性試験溶液200中、及び患者の血中のリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の導電性を備えた溶質の濃度が厳密に適合していることにより、膜120を横断する上記導電性溶質の拡散は殆ど生じない。従って、検出器220,225によって計測されるような導電性試験溶液200の導電性計測は患者の血中のナトリウムレベルとより厳密な相関関係がある。従って、公知の透析液溶液と比較して、導電性試験溶液200は導電性試験溶液の導電性(即ち、透析装置105を横断する導電性の変化)の機能として患者の血中のナトリウムレベルをより正確に測定することに使用可能である。
【0043】
検出器220,225にて導電性試験溶液200の導電性を測定した後に、導電性の値は検出器220,225から制御ユニット230に送信される。制御ユニット230は計測した導電性の値の機能として患者の血中のナトリウムレベルを測定する(即ち、計算する)。患者の血中のナトリウムレベルは例えば下記の等式を使用して決定される。
【0044】
(数1)
Cb=Cd[((D(1−Q/Q)−Qd(1−Cnd/Cnd)+Qf(Cnd/Cnd))/(D(1−Q/Q)+Q)]
上記数1において、Cdは導電性試験溶液のベースのナトリウム濃度であり、Qは限外濾過速度であり、Qは0.85Qbに匹敵する血流速度であり、Dは透析液導電性であり、Cnd,Cndはそれぞれ出口の流れ及び入口の流れの導電性試験溶液の導電性である。
【0045】
患者の血中のナトリウムレベルの計算に代えて、或いは計算に付加的に、制御ユニット230は、多数の導電性の値(即ち、多数の導電性の値の差異)及び対応する血液ナトリウム濃度を含む参照テーブルを使用してもよい。実施例において、参照テーブルは所定の理論上の血液ナトリウムレベルと、計算された血液ナトリウムレベルとを比較するための品質制御機構として使用される。実施例において、計算された血液ナトリウムレベルが理論上の血液ナトリウムレベルと比較して所定の許容可能な量を大きく超えて異なる場合には、インジケータ(例、音の、及び/又は目視によるインジケータ)が駆動され、使用者に差異を知らせる。
【0046】
患者の血中のナトリウム濃度を計測した後に、透析液130は患者の血中に存在するものと想定されるナトリウムの濃度と略等しい濃度のナトリウムを含むように準備される。透析液130は例えばナトリウム濃度が患者の血中のナトリウム濃度との差異が約5%以内に、且つ/又は約7.0mEq/L(約7.0mmol/L)(即ち、約1.5mEq/L)以内になるように準備される。図2及び3に透析液130が患者の血液のナトリウム濃度と略同じナトリウム濃度を有するように形成するために、水に対する透析液の濃度の比率は制御ユニット230によって変更可能であることを示す。
【0047】
濃縮液供給ライン165のポンプ175及び給水ライン170の弁190と電気的に接続する制御ユニット230は、所望の比率の透析液の濃縮液及び水を透析液供給装置125の混合機155に搬送すべくポンプ175及び弁190を駆動する。透析液のナトリウムレベルは例えば透析液の濃縮液及び水の比率を変更することにより増減可能である。透析液中のその他の溶質のレベルは、透析液の濃縮液及び水の比率が変更された場合にナトリウムと共に増減される。しかしながら透析液中のその他の溶質の量は比較的少ないため、その他の溶質のレベルの増減による患者の血液の処置に対する影響は無視できる程度のものであるといえる。
【0048】
透析液130を準備した後に、透析液130を使用して血液透析が行われ、患者の血液から不純物及び毒素の他過剰な水分及びナトリウムが除去される。図4に、血液透析を行うために血液ライン255,265が患者の血液進入部290に連結され(即ち、連結された状態を保持し)、患者の血液が矢印295によって示される方向に透析装置105の血液導管115を通過して流れるようにポンプ285が駆動され(駆動された状態を保持し)ることを示す。患者の血液は透析装置105の血液導管115を通過して流れるが、透析液130は透析装置105の透析液又は溶液導管110を通じて血液の流れの方向とは反対方向(即ち、矢印305によって示される方向)にポンプによりくみ出される。
【0049】
透析液130と患者の血液の組成の相違により、リン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム等の不純物及び毒素は、血液から透析装置105の膜120を通じて透析液に拡散されるか、その逆に拡散される。同様に尿素やクレアチニン等のその他の不純物は膜120を横断して拡散される。透析液130は、例えば通常血液220にそれぞれ見られるリン酸塩、硫酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの濃度より低いリン酸塩、硫酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの濃度を有する。透析液130は通常血液220の重炭酸塩の濃度より高い濃度の重炭酸塩を有する。
【0050】
従って、治療中にリン酸塩、硫酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムは通常血液220から透析液130に拡散するが、治療中に重炭酸塩は透析液130から血液220に拡散する。透析液130の通常の濃度は、約140mEq/L(約140mmol/L)のナトリウム、約100mEq/L(約100mmol/L)の塩化物、約35mEq/L乃至約40mEq/L(約35mmol/L乃至約40mmol/L)の重炭酸塩、約2.0mEq/L(約2.0mmol/L)のカリウム、約2.5mEq/L(約1.25mmol/L)のカルシウム、2.0mEq/L(約1.0mmol/L)のマグネシウムを含み、リン酸塩や硫酸塩を含まない。しかしながら、上述したように透析液130のナトリウム濃度は治療を受ける所定の患者の血液のナトリウムレベルに応じて変化する。透析液130のその他の組成も特に行われる処置のタイプに応じて変化する。
【0051】
上述した拡散技術に付加的に限外濾過工程が伝送によって血液から水等の所定の成分を取り除くことに使用される。限外濾過を使用して血液から成分を取り除くために、圧力勾配が透析液又は溶液導管110及び血液導管115の間に設けられる。膜120を横断する圧力勾配により、水及びナトリウム等の含まれる所定の溶質は処置中に膜120を横断して血液から透析液130に移動する。
【0052】
血液中及び透析液中のナトリウムレベルが略等しいことにより、所望の時間(例、約150分乃至約210分)にわたって透析液及び血液が透析装置105を通過した後に、血中のナトリウム濃度は血液の予想されたナトリウム濃度との差異が約5%以内(例、約1%以内)の血液の予想されたナトリウム濃度であり、且つ/又は約7.0mEq/L(約7.0mmol/L)(例、約1.5mEq/L(約1.5mmol/L)以内)である。
【0053】
血液を浄化して、余分な水分及びナトリウムを血液から取り除いた後に、処置された血液は血液出口ライン265を通じて患者に戻され、使用済みの透析液は配水管に搬送される。
【0054】
特定の実施例について述べてきたが、他の実施例も可能である。
上述した実施例は血液透析患者の前に試験された一群に見られるナトリウムの平均レベルに基づく患者の血液のナトリウム濃度の予想を開示するが、患者の血中の導電性溶質のレベルはこれに代えて、或いは付加的に例えば血中の導電性溶質のレベルの処置及び試験に先立って患者から抜かれる血液による個別基準に基づき決定されてもよい。患者の血中に見られるものと略等しい溶質の導電性レベルを有する導電性試験溶液が形成され、患者の血中のナトリウムレベルを計測すべく上述したものと同様の工程にて使用される。例えば導電性試験溶液中のリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの濃度は透析の初期にて患者の血漿の溶質濃度に略匹敵する。
【0055】
予めパッケージ化された透析液の濃縮液180を使用する実施例において、ラベルに濃縮液が所定の濃度を有する旨表示されている場合においても透析液の濃縮液180のナトリウム濃度が透析液130の形成に先立って検査される。上記実施例において透析液130を形成すべく使用される水及び濃縮液180の比率は、透析液の濃縮液の実際のナトリウム濃度(即ち、濃縮液の製造業者によって形成される濃度)がラベルに示される濃度と異なると計測された場合に血液透析に先立って調整される。透析液の濃縮液180のナトリウム濃度を検査すべく、透析液の濃縮液は透析装置105の透析液又は溶液導管110を通じて流れ、透析液の濃縮液の導電性は検出器220,225の一方又は両者によって測定される。
【0056】
透析装置105への透析液130の搬送に関して上述したものと同様の技術が透析装置105へ透析液の濃縮液108を搬送することに使用されてもよい。しかしながら、図2に示す混合機155に水及び濃縮液の両者を供給するものではなくむしろ濃縮液のみが混合機155に搬送される。透析液の濃縮液180は透析装置105の透析液又は溶液導管110を通じて流れるが、患者の血液は透析装置105の血液導管115を通じて流れることを防止される。血液ライン255,265は例えば透析液の濃縮液180を透析装置105を通じて流すに先だって患者から取り外されてもよい。血液ライン255,265はこれに代えて、或いは付加的に血液が透析装置を通じて流れることを防止すべく遮断弁やバイパス弁を含んでもよい。血液が透析装置105を通じて流れることを防止することにより、透析装置105の膜120を通じた血液の、透析液の濃縮液180への拡散及び伝達のうち少なくともいずれか一方が防止可能である。従って、透析液の実際の組成が検査可能である。
【0057】
濃縮液の電導度を計測した後に、電導値は制御ユニット230に(例、電気的に伝送され)通信される。制御ユニット230は透析液の濃縮液180のナトリウム濃度を測定可能である。透析液の濃縮液180はナトリウムに付加的に所定の導電性を備えた溶質(即ち、重炭酸塩、カリウム、カルシウム及び/又はマグネシウム)を含むが、ナトリウムに対する上記導電性を備えた溶質の量は試験工程にわたって非常に小さい状態を保持する。このことは少なくとも部分的に、導電性を備えた溶質が試験工程にわたって血液から透析液の濃縮液に搬送されないという事実による。透析液の濃縮液180中の導電性を備えた溶質が比較的少量であるため、透析液の濃縮液のナトリウム濃度の測定された導電性及び測定に対する上記溶質の影響は無視できるものといえる。
【0058】
透析液の濃縮液180中のナトリウムの実際の濃度を計測した後に、制御ユニット230は(存在するならば)計測されたナトリウムの濃度及びラベルに示されたナトリウム濃度の間の差異が透析液130を準備することに使用される水及び濃縮液の比率の調整の正当な理由となるかを判断する。例えば制御ユニット230によって測定されたナトリウム濃度がラベルに示された濃度と、約1%以上(即ち、約0.5%以上)、且つ/又は約1.5mEq/L(約1.5mmol/L)以上(即ち、約1.0mEq/L(約1.0mmol/L)以上)異なる場合に、透析液130を形成することに使用される濃縮液及び水の比率は、ラベルに示された誤った濃度を補正すべく変更される。透析液130を形成することに使用される濃縮液及び水の比率を調整することにより、透析液130は処置される血液のナトリウム濃度と略等しいナトリウム濃度を確実に有することができる。
【0059】
上記実施例は透析液130を形成するための透析液の濃縮液の使用(即ち、様々な量の水と混合される透析液の濃縮液の使用)を開示するが、これに代えて、或いは付加的にその他の技術も使用可能である。実施例において、例えば透析液の濃縮液中に見られる1つ以上の個別の要素が水と個別に混合され、透析液を形成する。従って、ナトリウム等の一要素の濃度は重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム等の透析液のその他の要素の濃度を変更することなく変更可能である。上記実施例において図2に示す濃縮液供給タンク160に代えて、或いは付加的に、多数の異なる濃縮液や濃縮液要素の供給タンクが透析液供給装置125の混合機155に連結され、透析液を形成する場合に濃縮液や濃縮液要素が混合機155に付加されてもよい。
【0060】
上記実施例は透析液の濃縮液や濃縮液要素を水と混合することにより透析液を準備することを開示するが、使用者はこれに代えて、或いは付加的に、異なる濃度の予め混合された様々な透析液から透析液を選択してもよい。患者を処置するために、処置者は患者の血液のナトリウム濃度に緊密に適合するナトリウム濃度を有する予め混合された透析液を選択及び使用してもよい。上記実施例において透析液供給装置は単に予め混合された透析液を含む容器(即ち、タンク)であってもよい。
【0061】
実施例において、透析器具100は検出器220,225に近接して位置された温度探知機(図示しない)を更に備える。温度検出器は透析液又は溶液ライン145,210を通じて流れる透析液130及び導電性試験溶液200のうち少なくともいずれか一方の温度を測定する。温度検出器は、検知された温度のデータが制御ユニット230に送信されるように制御ユニット230と通信可能である。制御ユニット230は、例えば温度の示度を使用して、透析装置105を横断する透析液又は溶液中の温度の差異に影響される導電性の示度及びナトリウム濃度の測定のうち少なくともいずれか一方を調整する。
【0062】
検出器220,225は電導度検出器として説明されたが、これに代えて、或いは付加的にその他のタイプの検出器及び技術のうち少なくともいずれか一方が血液のナトリウム濃度の測定に使用されてもよい。その他のタイプの検出器の例はイオン選択電極及び炎光光度計を含む。
【0063】
血液進入部290は瘻孔として説明されたが、これに代えて、或いは付加的に移植片、バイパス、カテーテル等のその他のタイプの血液入口が使用されてもよい。
溶液供給装置195は予め混合した溶液を含む容器として説明されたが、これに代えて、或いは付加的にその他のタイプの溶液供給装置が使用されてもよい。実施例において、溶液供給装置195は、例えば濃縮液供給体及び水供給体を含む。上記実施例において濃縮液及び水は(例えば混合タンクにて)混合されて導電性試験溶液200を形成する。
【0064】
上記実施例において説明された方法、溶液、及び透析液は血液透析に関するが、これに代えて、或いは付加的に方法、溶液、及び/又は透析液は腹膜透析等のその他のタイプの透析に使用されてもよい。
【0065】
他の実施例もまた、添付の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の母集団の血中の1つ以上の導電性溶質の測定された平均レベルと略等しく、ナトリウム以外の1つ以上の導電性溶質のレベルを有する、患者の血中のナトリウム濃度を測定する溶液を準備する工程を含む方法。
【請求項2】
患者の母集団の血中の1つ以上の導電性溶質の平均レベルを測定すべく各患者に対して血液試験を実施する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者の母集団は血液透析患者の母集団からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の導電性溶質はリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる一群から選択される1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記溶液はナトリウムを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
患者の血中のナトリウム濃度を測定するための溶液であって、同溶液は血中の複数の導電性溶質の所定の濃度と略等しい複数の導電性溶質の濃度を有することを特徴とする患者の血中のナトリウム濃度を測定するための溶液。
【請求項7】
前記所定の濃度は患者の母集団の血中の平均の測定濃度であることを特徴とする請求項6に記載の溶液。
【請求項8】
前記複数の導電性溶質はリン酸塩、硫酸塩、重炭酸塩、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる一群から選択される1つ以上の材料からなることを特徴とする請求項6に記載の溶液。
【請求項9】
前記溶液はナトリウムを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
透析液の濃縮液の導電性を測定する工程と、
所定量の透析液の濃縮液を、所定量の液体と混合する工程であって、同透析液の濃縮液及び液体の量は透析液の濃縮液の計測された導電性により決定される濃縮液及び液体の混合工程とを含むことを特徴とする透析液の準備方法。
【請求項11】
前記透析液の濃縮液の測定された導電性により透析液の濃縮液のナトリウム濃度を測定する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記透析液中のナトリウム濃度は患者の血中のナトリウムの所定の濃度に略等しいことを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−528715(P2010−528715A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510457(P2010−510457)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/064932
【国際公開番号】WO2008/150776
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(505324858)フレゼニウス メディカル ケア ホールディングス インコーポレーテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Holdings,Inc.
【Fターム(参考)】