説明

溶融めっき装置および溶融めっき装置の操業方法

【課題】 ボトムドロスの巻き上げを効果的に抑制することができ、ドロスの付着が少ない被めっき材を製造可能な溶融めっき装置およびその操業方法を提供する。
【解決手段】 ポット深さを2400〜3000mmとし、連通孔を設けた底板からポット底面までの間隔をポット深さの1/2〜2/3とした堰を設置してなる溶融めっき装置およびそれを用いた操業方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にボトムドロスの巻き上げを効果的に抑制することが可能な溶融めっき装置およびその操業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に亜鉛めっきをはじめとする溶融めっきのポットにおいては、金属のインゴットを浴中に装入して溶融金属を補給しつつ、溶融めっきする操業を行なっている。
その際、金属のインゴットの溶解に起因するポット内の溶融金属(以下単に、浴ともいう)の一時的な温度低下により、ドロスが発生し、このドロスが被めっき材近傍まで浴面あるいは浴中を流動する。そこでこれが被めっき材に付着するのを防止する目的で、インゴットを装入する部分を囲う堰をポットに設置することが行なわれている(特許文献1)。
【0003】
このような溶融めっき装置によれば、浴面に浮上しやすいトップドロス(Fe−Al系ドロス)は堰によりその流動が阻止され、一方、溶融亜鉛より密度が大きいFe−Zn系のドロスは、堰の底板に設けた浴との連通孔から溶融金属の下降流れと共に流動し、浴底に溜まり、いわゆるボトムドロスとなる。なおこれ以外にも被めっき材が浴中に浸漬されることなどにより浴温の不均一化が生じるため、これによっても浴底にボトムドロスが生成される。
【0004】
ここで特許文献1には、浴面レベル、浴成分の制御精度を向上させることにより、ドロス発生の少ない浴を実現した溶融めっき装置が開示されている。
また特許文献2には、図4(a)、(b)に示すようなシンクロール9を具備した溶融めっき装置が開示されている。
具体的には特許文献2の溶融めっき装置では、長さ2.2m、外径700mmのシンクロール9に対して、整流部材10の内面からシンクロール9の外周面までの間隔を75mm、シンクロール9の長手方向両端部を覆う長さをロール両端より500mmとした整流部材10を設置することにより、ボトムドロスの巻き上げの防止を図っている。
【特許文献1】特開平5−186857号公報
【特許文献2】特開2002−69602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載の溶融金属めっき装置は、ポット深さが2200mmと浅く、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aも100mmと極めて狭い。
このため、特許文献1に記載の溶融金属めっき装置により、例えば幅1200mm、厚さ1.0mmの冷延鋼帯を浸漬し、引き上げて溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する際、図5(a)に示すように、堰6に設けた連通孔7からの溶融金属の流れ(イ)および鋼帯Sの浴内通過に伴う流れ(ロ)により、特に鋼帯Sの通板速度が速い操業条件ではボトムドロス100の巻き上げが起こり得るので、巻き上げられたボトムドロス101が鋼板表面に付着するという問題があった。
【0006】
また特許文献2に記載の溶融めっき装置も、前記特許文献1と同様、連通孔を設けた底板からポット底面までの間隔が不十分な堰がポットに設置されている。そこで、幅1100mm、厚み0.8mmの鋼帯に、浴温455〜475℃、鋼帯の浴内通板速度120mpmで溶融めっきすると、溶融亜鉛めっき鋼帯表面には、ボトムドロスの付着が5個/mも観察され、ボトムドロスの付着の少ない溶融亜鉛めっき鋼帯を製造することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、ボトムドロスの巻き上げを効果的に抑制することができ、ボトムドロスの付着が少ない被めっき材を製造可能な溶融めっき装置およびその操業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、溶融金属浴、シンクロールおよび加熱手段を有するポットと、該浴へインゴットを装入するインゴット装入手段と、該浴内にて前記インゴットを囲むとともに該浴との連通孔を設けた底板を有する堰を具備した溶融めっき装置において、前記ポット深さを2400〜3000mmとし、前記底板から前記ポット底面までの間隔を前記ポット深さの1/2〜2/3としたことを特徴とする溶融めっき装置である。
【0009】
前記シンクロールの幅方向中央軸に対して、前記ポット、前記堰、前記堰の底板に設けた連通孔、加熱手段およびインゴット装入手段を対称とすることが好ましい。
また前記シンクロールは、該シンクロール下側の側面及び外周面の一部を覆うと共に、該外周面に沿った曲率を有し、該シンクロールに巻き付く金属帯の全面を覆わない長さの整流部材が両端に取り付けられてなることが好ましい。
【0010】
また、前記堰は、底板に加え、サイド板にも連通孔を設けて設置してなることが好ましい。
また本発明は、前記いずれかに記載の溶融めっき装置により、被めっき材を溶融金属浴中に浸漬し、引き上げて溶融めっきする操業を行なうに際し、浴面レベルが目標値より低下したときにインゴット装入手段によりインゴットを浴へ装入し、加熱手段を作動させる操業を行なうことを特徴とする溶融めっき装置の操業方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶融めっき操業時、ポット底面上に十分な流れのよどみ領域を形成することができるようにしたから、ボトムドロスの巻き上げを効果的に抑制することができる。したがって、被めっき材の浴内通板速度を従来と同じとした場合、ボトムドロスの付着のより少ないめっき材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をなすに至った経緯を含め、被めっき材を金属材である鋼帯、浴を溶融亜鉛として説明する。
まず本発明をなすに至ったモデル解析結果を図5(a)、(b)に示す。図5(a)には、堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流(イ)によりボトムドロス100が巻き上げられている状態を示し、図5(b)には、堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れ(イ)があってもボトムドロス100が巻き上げられていない状態を示す。図5(a)中、101は堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流(イ)により巻き上げられたボトムドロスを示す。
【0013】
このような浴温と浴中の流動をシュミレーションするモデル解析結果より、従来の溶融めっき装置では、連通孔7を設けた堰6の底板からポット底面2までの間隔aが狭く、巻き上げられたボトムドロス101(以下、単にドロスという)が鋼帯S表面にまで流動して付着することを知見したのである。
また図5(b)に示すように、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aを広げることにより、堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れ(イ)があっても、ドロスが巻き上げられ難くなるが、ポット深さが浅いと、ポット底面2上に十分な流れのよどみ領域を形成することができず、鋼帯の浴内通板に伴う流れ(ロ)によって生じるボトムドロスの巻き上げも起こり、ドロスが鋼帯S表面に付着することもわかった。
【0014】
したがって特許文献1に記載の溶融金属めっき装置は、ポット深さが2200mmと浅く、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aも100mmと極めて狭いから、鋼帯Sの浴内通板速度の早いめっき操業を行った場合、ポット底面2上に流れのよどみ領域を十分に形成することができなかった。
そこで本発明では、種々の条件でモデル解析を行ない、鋼帯Sの浴内通板速度120mpmでめっき操業を行った場合でも、ポット底面2上に流れのよどみ領域を十分に形成することができるポット深さとするとともに、堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れ(イ)により、ボトムドロス100が巻き上げられない状態を実現できるよう、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔を決定した。すなわち、図1に示すような本発明の実施の形態にかかる溶融めっき装置において、ポット深さbを2400〜3000mmとし、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aをポット深さbの1/2〜2/3とした堰6を設置した。堰6を設置する場所は、シンクロール10に対して被めっき材Sが浴12に進入してくる側のポット1の壁面とすることが望ましい。
【0015】
ポット深さbを2400〜3000mmとした理由は、次のとおりである。
ポット深さbを2400mm未満とした場合には、鋼帯Sの幅が900〜1200mm、鋼帯Sの浴内通板速度120mpmの条件で、ポット底面2上に十分な流れのよどみ領域を形成することができず、一方、ポット深さbを3000mm超えとした場合には、流れのよどみ領域が広くなり浴温の不均一化を招きやすくなる不都合が発生する。そこで、鋼帯Sの幅が900〜1200mm、鋼帯Sの浴内通板速度120mpmのめっき操業条件で、流れのよどみ領域を形成することができるポット深さとするとともに、前記不都合を解消するため、ポット深さbを2400〜3000mmとした。
【0016】
連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aをポット深さbの1/2〜2/3として堰6を設置する理由は、次のとおりである。
連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aがポット深さbの1/2未満とした場合、めっき操業条件によりインゴット5を浴へ装入した際の連通孔7からの下降流れによって、ドロスが巻き上げられてドロスが鋼帯S表面に付着してしまう。
【0017】
一方、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aをポット深さbの2/3超えとした場合、浴面3の壁上端から堰6の底板までの距離が短くなり過ぎ、めっき金属の不足分を十分補給することができなくなる。そこで、めっき操業時、連通孔7からの下降流れによってドロスが巻き上げられず、めっき金属の不足分を十分補給することができるように、連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔aがポット深さbの1/2〜2/3とした堰6を設置してなる溶融めっき装置とした。
【0018】
その他、設備条件として堰6の幅Wは、ポット1の幅の2/3〜3/4の範囲、堰6の奥行きDは、スナウト11の堰6寄りの浸漬位置から堰6を設置したポット1の一壁面までの距離の2/3以内とした。連通孔7は、直径が50〜150mmの大きさで、底板6Aに2箇所以上幅方向中央に対して左右対称に設けた。
ところで本発明の実施の形態にかかる溶融めっき装置は、図1に示したように、溶融金属浴12、シンクロール9および加熱手段8を有するポット1と、浴12へ、インゴット5を装入するインゴット装入手段4と、浴12内にてインゴット5を囲むとともに浴12との連通孔7を設けた底板を有する堰6を具備した溶融めっき装置である。図1中、10は整流部材を示し、11はスナウトを示す。
【0019】
インゴット装入手段4は、インゴット5を浴面3から、不足しためっき金属を補給する装置である。インゴット装入手段4としては、例えば直方体のインゴット5を把持して、任意量だけ浴中に浸漬できるものであればよく、送りねじにより連続的に装入する手段を挙げることができる。
加熱手段8としてインダクターなどを用いることができる。加熱手段8をポット1に3箇所設置する場合、その設置位置は図2に示すように、シンクロール9の幅方向中央軸Lに対して左右対称にするのが浴温を均一化するうえで好ましい。
【0020】
また堰6としては、例えば図3に示すように、連通孔7を設けた底板6Aの左右にサイド板6BL、6BRを有し、前面に前板6Cを有する構造とすることができる。堰6の構成部材としては、材質がSUS316Lで、厚さが30mmのものが好適に用いることができる。この堰6には、浴中に浸漬して長さが短くなったインゴットが投入される場合がある。
【0021】
ここで本発明の実施の形態にかかる溶融めっき装置としては、ポット1、堰6、堰6の底板6Aに設けた連通孔7、加熱手段8およびインゴット装入手段4を、シンクロール9の幅方向中央軸Lに対して、対称に設置してなることが浴温の均一化および溶融金属の流れの均一化を図ることができるので好ましいことがモデル解析結果からわかった。
またシンクロール9は、図4に示すように、シンクロール下側の側面及び外周面の一部を覆うと共に、該外周面に沿った曲率を有し、シンクロールに巻き付く金属帯の全面を覆わない長さの整流部材10が両端に取り付けられてなるのが、鋼帯Sの浴内通板速度が120mpmでのめっき操業条件において、流れのよどみ領域をさらに十分に形成することができるので好ましい。
【0022】
このような溶融めっき装置によれば、鋼帯Sを浴中に浸漬し、引き上げて溶融めっきする操業を行なうに際し、浴面3レベルが目標値より低下したときにインゴット装入手段4によりインゴット5を浴へ装入して、不足しためっき金属を補給することができるとともに、加熱手段8を作動させることにより、浴温を維持することができる。
【実施例】
【0023】
図1、図2に示した溶融金属めっき装置を図示しない連続焼鈍炉の下流に設置し、焼鈍後の鋼帯を浴中に浸漬し、引き上げて溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した。
但し、前記した浴温と浴中の流動のモデル解析結果から、ポット寸法は、深さbを、2800mm、ポット幅を3600mm、ポット奥行きを4250mmとし、堰6の底板からポット底面2までの間隔bを1500mmとして堰6をシンクロールに対して鋼帯が進入している側のポット1の一壁面に取り付け、またシンクロール9の回転中心からポット底面2までの距離を1500mmとした。
【0024】
堰6には、厚さが30mmで材質がSUS316Lの部材を用い、図3に示すような構造とした。このような発明例の溶融めっき装置により、幅が1100mm、厚みが0.8mmのめっき品質の厳しい自動車外板用の鋼帯Sを浴内通板速度120mpmの条件で溶融めっきし、その後、溶融亜鉛めっき鋼帯表面を観察することにより、ドロス付着個数を調べた。浴温を455〜475℃の範囲とした。
【0025】
その結果、シンクロール9に整流部材10を設け、堰が本発明の条件を満たしていない従来の溶融めっき装置の場合、ドロス付着個数は5個/m(特許文献2参照)であったのに対し、シンクロール9に整流部材10を設け、堰が本発明の条件を満たしている発明例の溶融めっき装置の場合には、溶融亜鉛めっき鋼帯表面を1000mにわたり、観察したが、ドロス付着は観察されなかった。
【0026】
また、図1、図2に示した発明例の溶融めっき装置において、整流部材10をシンクロール9から取り外した場合には、同様な溶融めっき条件で製造した自動車外板用の溶融亜鉛めっき鋼帯表面を1000mにわたり、観察したところ、ドロス付着個数は1.0個/mであった。
また、図1、図2に示した発明例の溶融めっき装置において、底板6Aに加えて左右のサイド板6BL、6BRに浴との連通孔を形成した堰を、堰6に代えて設置した場合には、同様な溶融めっき条件で製造した自動車外板用の溶融亜鉛めっき鋼帯表面を1000mにわたり、観察したところ、ドロス付着個数は0.5個/mであった。この理由は、底板6Aに加えて左右のサイド板6BL、6BRに浴との連通孔を形成した特殊な堰は、図6に示した堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れ(イ)をさらに弱くするためである。
【0027】
なお、図6には、図1、図2に示した発明例の溶融めっき装置により、めっき操業を行った後、ボトムドロスの堆積量を調べ、実施前と比較した結果を示す。
実施前のボトムドロスの堆積量とは、シンクロール9に整流部材10を設け、しかも堰が本発明の条件を満たしていない特許文献2の溶融めっき装置の場合である。このことから、発明例の溶融めっき装置により、ボトムドロスの堆積量を実施前の20%にまで減少することができていることがわかる。これは本発明においては浴温の均一化が達成された結果である。
【0028】
また図7には、底板6Aに加えて左右のサイド板6BL、6BRに浴との連通孔を設けた堰をポット1に設置した発明例の溶融めっき装置により、前記自動車外板用の溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した際の浴中における浴温の最大偏差を示した。この場合、浴温の目標値を460℃としてめっき操業を行なった。
但し、浴中における浴温の最大偏差は、図1に示した幅方向中央における側温箇所P1〜P6と、このP1〜P6の各側温箇所から左右に所定距離隔てて幅方向中央に対して左右対称に12箇所、合計18箇所で側温し、各箇所での側温値と目標値との偏差の絶対値のうち、最大の値とした。
【0029】
図7から発明例の溶融めっき装置により、図1に示したP1〜P6を含む、幅方向中央に対して左右対称な合計18箇所での浴温の最大偏差を2.5℃以内にでき、しかも底板6Aに加えて左右のサイド板6BL、6BRに浴との連通孔を設けた発明例の溶融めっき装置とすれば、更に浴温度を均一化することができる。底板6Aに加えて左右のサイド板6BL、6BRに浴との連通孔を設けた発明例では、左右のサイド板6BL、6BRに連通孔を設けない場合に比べて、更に浴温度を均一化することができるから、ボトムドロスの生成量をより少なくすることができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態にかかる溶融めっき装置の概略縦断面図である。
【図2】図1のX−X部分断面図である。
【図3】図1のポット1に設置した堰6の形状を示す斜視図である。
【図4】図1のポット1に設置したシンクロール9の説明図であって、(a)は概略側面図、(b)はY−Y断面図である。
【図5】本発明を知見するに至ったモデル解析結果を説明するための模式図であり、(a)は、堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れによりボトムドロス100が巻き上げられている状態を示し、(b)は堰6の底板に設けた連通孔7からの下降流れによりボトムドロス100が巻き上げられていない状態を示す。
【図6】本発明例の効果をボトムドロスの堆積量について実施前と比較して示すグラフである。
【図7】本発明例において、堰の両サイド板に連通孔を設けた場合の効果を堰の両サイド板に連通孔を設けない場合と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
【0031】
S 被めっき材(鋼帯)
1 ポット
2 ポット底面
3 浴面
4 インゴット装入手段
5 インゴット
6 堰
a 連通孔7を設けた底板からポット底面2までの間隔
b ポット深さ
W 幅
D 奥行き
6A 底板
6BL、6BR サイド板
6C 前板
7 連通孔
8 加熱手段(インダクター)
9 シンクロール
10 整流部材
11 スナウト
12 溶融金属浴
100 ボトムドロス
101 巻き上げられたボトムドロス
イ、ロ、ハ 溶の流れ
L シンクロールの幅方向中央軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属浴、シンクロールおよび加熱手段を有するポットと、該浴へインゴットを装入するインゴット装入手段と、該浴内にて前記インゴットを囲むとともに該浴との連通孔を設けた底板を有する堰を具備した溶融めっき装置において、前記ポット深さを2400〜3000mmとし、前記底板から前記ポット底面までの間隔を前記ポット深さの1/2〜2/3としたことを特徴とする溶融めっき装置。
【請求項2】
前記シンクロールの幅方向中央軸に対して、前記ポット、前記堰、前記堰の底板に設けた連通孔、加熱手段およびインゴット装入手段を対称とすることを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき装置。
【請求項3】
前記シンクロールは、該シンクロール下側の側面及び外周面の一部を覆うと共に、該外周面に沿った曲率を有し、該シンクロールに巻き付く金属帯の全面を覆わない長さの整流部材が両端に取り付けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融めっき装置。
【請求項4】
前記堰は、底板に加え、サイド板にも連通孔を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融めっき装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶融めっき装置により、被めっき材を溶融金属浴中に浸漬し、引き上げて溶融めっきする操業を行なうに際し、浴面レベルが目標値より低下したときにインゴット装入手段によりインゴットを浴へ装入し、加熱手段を作動させる操業を行なうことを特徴とする溶融めっき装置の操業方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−39763(P2007−39763A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226903(P2005−226903)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】