説明

滅菌または消毒インジケータとその容器

【課題】 超音波洗浄機能内蔵滅菌装置、洗浄滅菌装置、シャワー滅菌装置など、滅菌庫内に水を使用する滅菌装置においても利用可能なインジケータの提供。
【解決手段】 従来の化学的インジケータまたは生物学的インジケータからなるインジケータ本体2を、透湿性および非液体透過性を有する素材3内に密閉する。具体的には、耐熱性の透湿防水性素材の袋3内にインジケータ本体2を密閉する。あるいは、耐熱性の透湿防水性素材3にて、インジケータ本体2をラミネート状などに被覆する。前記透湿防水性素材3として、たとえばゴアテックス(登録商標)を利用できる。透湿防水性素材3は、インジケータ本体2の変化を視認可能に透明素材により形成するのがよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、滅菌または消毒確認用のインジケータとその容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
滅菌工程では、滅菌装置内に化学的インジケータや生物学的インジケータからなる滅菌インジケータを入れておき、その滅菌インジケータの変色などで、所期の滅菌環境に被滅菌物が置かれたか否かを確認することが行われている。
【特許文献1】特開2000−175995号公報([請求項2]、[0021])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の滅菌インジケータは、水に濡れると判定が不能となるため、被滅菌物を滅菌するに際し水を必要とする滅菌装置には、滅菌インジケータを使用できなかった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、液体を使用する滅菌装置においても利用可能な滅菌または消毒インジケータとその容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、非液体透過性を有するとともに一部または全部が透湿性を有する素材内に、インジケータ本体が密閉されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項1に記載の発明によれば、インジケータ本体は、非液体透過性を有する素材内に密閉されており、水などの液体に濡れることがないので、液体を使用する滅菌装置や消毒装置にも利用できる。しかも、一部または全部に透湿性を有する素材を用いることで、正確な判定が可能である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、インジケータ本体が透湿防水性素材にて被覆されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項2に記載の発明によれば、インジケータ本体は、防水性を有する素材内に密閉されており、水に濡れることがない。さらに、透湿性を有する素材を用いることで、滅菌または消毒用の蒸気は通すので正確な判定が可能である。また、インジケータ本体を被覆することで、空気を排除でき、インジケータ本体への伝熱性を向上できるだけでなく、省スペースが可能となる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、インジケータ本体が透湿防水性素材の袋に密閉されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項3に記載の発明によれば、インジケータ本体は、防水性を有する素材内に密閉されており、水に濡れることがない。さらに、透湿性を有する素材を用いることで、滅菌または消毒用の蒸気は通すので正確な判定が可能である。また、インジケータ本体を袋に入れて使用する構成のため、各種の形状や構成のインジケータ本体に容易に適用することができる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の構成要件に加えて、前記インジケータ本体を水密状態に被覆する被覆材、または前記インジケータ本体を水密状態に密閉する袋は、一部のみが透湿防水性素材とされたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項4に記載の発明によれば、比較的高価な透湿防水性素材は一部のみに使用することで、請求項2または請求項3に記載の滅菌または消毒インジケータを安価に提供することができる。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記インジケータ本体の変化を視認可能に前記素材が透明とされたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項5に記載の発明によれば、インジケータ本体を密閉する袋や被覆材などを破ることなく、インジケータ本体の変化を確認することができる。
【0010】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の構成要件に加えて、蒸気または熱水を使用する滅菌または消毒を行うことのできる装置に使用され、使用される蒸気または熱水に対する耐熱性を有することを特徴とする滅菌または消毒インジケータである。請求項6に記載の発明によれば、蒸気または熱水を使用する各種滅菌または消毒装置に好適に利用できる。
【0011】
請求項7に記載の発明は、インジケータ本体を水密状態に収容する容器であって、この容器は、容器本体とこの容器本体に対し着脱可能に装着される蓋体とを備え、一部または全部が透湿防水性素材により形成されていることを特徴とする滅菌または消毒インジケータの容器である。請求項7に記載の発明によれば、既存または市販の各種インジケータであっても、容易かつ安価に、蒸気または熱水を使用する滅菌装置または消毒装置に利用できる。しかも、容器自体は繰り返して使用することも可能となる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、液体を使用する滅菌または消毒装置においても利用可能なインジケータとその容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本発明のインジケータは、蒸気または熱水を使用する滅菌装置または消毒装置に好適に使用できる。本実施形態の滅菌または消毒インジケータは、インジケータ本体が、透湿性および非液体透過性を有する素材内に密閉されて構成される。インジケータ本体は、従来公知の各種の化学的インジケータ(ケミカルインジケータ)または生物学的インジケータ(バイオロジカルインジケータ)を使用することができる。ここで、滅菌とは、すべての微生物を死滅させる処理を意味し、消毒とは、目的とする微生物を死滅させるが、全ての微生物を死滅させない処理を意味するものとする。
【0014】
前記素材としては、通常は耐熱性を有する透湿防水性素材を用いる。何℃までの耐熱性を持たせるかは、インジケータが使用される殺菌または消毒に使用される熱水や蒸気の温度に応じて設定される。典型的な滅菌インジケータのためには、好ましくは、約140℃以上の耐熱性を有した素材を用いる。
【0015】
透湿防水性素材とは、気体(蒸気)は通すが液体(水)は通さない性質を有した素材をいう。このような透湿防水性素材には、非常に微小な小穴を多数有する素材、またはそのような微多孔質フィルムを生地に貼り合せた素材を用いることができる。あるいは、無孔質で水滴は通さないが水蒸気の移動を可能とした素材、または高密度織物に強力な撥水処理を施すなどしたコーティングタイプの素材を用いることもできる。このような透湿防水性素材として、好適にはゴアテックス(登録商標)が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0016】
インジケータ本体は、前記透湿防水性素材にて全体が覆われる。そのために、前記透湿防水性素材にて袋を作成し、インジケータ本体を入れた後、その袋の口を塞いで袋を密閉すればよい。この袋は、好適には、再使用可能とする。この袋を再使用可能とする場合は、インジケータ本体を出し入れ可能な開口を設け、この開口に開閉自在で防水可能なシール手段を設け、この開口からの液体の浸入を防止する。あるいは、インジケータ本体を透湿防水性素材にて空気を排除するように被覆してもよい。
【0017】
ところで、インジケータ本体は、上述したように、その全体を透湿防水性素材にて水密状態に密閉してもよいが、その一部のみに透湿防水性素材を用いつつ水密状態に密閉してもよい。具体的には、金属や樹脂などでインジケータ本体を水密状態に密閉しつつ、この密閉材の一部に透湿防水性素材を用いることで、インジケータ本体の機能を正常に発揮させるのである。
【0018】
また、インジケータ本体の密閉は、上述したように、インジケータ本体を被覆したり、袋に入れたりする以外に、蓋付き容器を用いてもよい。この蓋付き容器は、容器本体と、この容器本体に対し着脱可能に装着される蓋体とからなる。蓋体は、容器本体にはめ込みまたはねじ込みにより、着脱可能に設けられる。容器本体に蓋体を取り付けた状態では、蓋付き容器の内部に水密空間が形成されるように構成する。そのために、容器本体と蓋体との間には、Oリングなどのシール材を設けるのがよい。
【0019】
容器本体および蓋体は、その一部または全部が透湿防水性素材により形成されており、インジケータ本体を水密状態に収容可能である。一部のみに透湿防水性素材を用いる場合、他の部分は少なくとも防水性を有する素材が使用される。具体的には、防水性を有するように金属またはプラスチックなどから蓋付き容器を形成し、その一部に設けた開口を透湿防水性素材で塞いで構成する。これにより、インジケータ本体は、水密状態に密閉されるとともに、透湿防水性素材の箇所から進入する蒸気により、所期の機能を発揮することができる。ところで、透湿防水性素材に撥水性を持たせておけば、濡れたときの湿度透過性阻害を防止できるので好ましい。すなわち、透湿防水性素材であっても、その表面に水が付くと通気性に悪影響を及ぼすおそれがあるが、撥水性を有することで、蒸気の流通性が確実に確保される。
【0020】
このようにして少なくとも一部に透湿防水性素材を使用しつつ、インジケータ本体を水密状態に密閉して構成されるインジケータは、滅菌装置または消毒装置の処理槽内に入れて使用される。この消毒装置は、消毒機能付き洗浄装置を含む。前記透湿防水性素材などの密閉材に上述した耐熱性を持たせることで、滅菌時または消毒時に熱水などの水が使用される装置であっても、滅菌または消毒インジケータとしての機能を発揮できる。しかも、少なくとも一部に透湿性は有しているので、透過する蒸気によってインジケータは所期の機能を果たすことができる。
【0021】
所期の滅菌または消毒がなされると、化学的インジケータの場合は変色等の変化により、所期の滅菌または消毒がなされたかどうかを視認することができ、生物学的インジケータの場合は、培養により、所期の滅菌または消毒がなされたかどうかの確認をすることができる。インジケータの変化を容易に確認できるように、インジケータ本体を覆う前記透湿防水性素材は、透明であることが好ましい。前記蓋付き容器や袋でインジケータ本体を密閉する場合には、インジケータの使用後には、インジケータ本体を取り替えて、蓋付き容器や袋は再使用するようにしてもよい。
【実施例】
【0022】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の滅菌インジケータ1の一実施例を示す図である。本実施例のインジケータ1は、インジケータ本体2が、耐熱性を有する透湿防水性素材3内に密閉されて構成される。インジケータ本体2は、化学的または生物学的などに滅菌確認が可能な各種の滅菌インジケータを使用することができる。
【0023】
前記透湿防水性素材3としては、蒸気は通すが水は通さない性質を有する各種素材が使用され、滅菌工程時に高温環境下に置かれることから耐熱性も必要である。本実施例では、耐熱温度が200℃である透湿防水性素材として、ゴアテックス(登録商標)が用いられる。
【0024】
図1の袋タイプの場合、袋内に入れるインジケータ本体2の大きさや形状および構成が変更されても、柔軟に対応することができる。一方、図2の被覆タイプの場合、前記透湿防水性素材3にてインジケータ本体2をラミネートするように被覆することで、滅菌または消毒の判定に不具合を発生させる空気を排除でき、インジケータ本体2への伝熱性がよいだけでなく、省スペース化に優れている。
【0025】
インジケータ本体2は、前記透湿防水性素材3にて全体を覆われる。そのために、図1に示すように、前記透湿防水性素材3にて袋を作成し、インジケータ本体2を入れた後、その袋の口を熱接着などして塞いで密封すればよい。
【0026】
また、図2に示すように、インジケータ本体2を透湿防水性素材3にて被覆してもよい。この被覆は、インジケータ本体2の外周面に被膜を形成するようになされる。
【0027】
本実施例の滅菌インジケータ1は、従来の滅菌インジケータと同様に、各種滅菌装置において滅菌工程の管理のために使用される。特に、本実施例の滅菌インジケータ1は、水を使用する滅菌装置においても、滅菌の確認のために利用できる。水を使用する滅菌装置としては、具体的には、超音波洗浄機能内蔵滅菌装置4(図3)、シャワー滅菌装置5(図4)、洗浄滅菌装置などがある。
【0028】
超音波洗浄機能内蔵滅菌装置とは、超音波洗浄機能を有した滅菌装置であり、超音波洗浄後に滅菌処理が可能とされ、滅菌前に洗浄が必要な医療器具などに適している。図3は、超音波洗浄機能内蔵の高温蒸気滅菌装置4の一例を示す概略構成図である。本装置では、超音波洗浄後に高温蒸気滅菌が可能とされている。超音波洗浄では、処理槽6内に貯留した洗浄液中に被滅菌物7を浸漬し、処理槽6内を減圧すると共に洗浄液を加熱し、洗浄液に超音波振動を与えて洗浄する。そして、この超音波洗浄後には、洗浄液を排出してから、処理槽6内へ高温蒸気を導入して高温蒸気滅菌がなされる。前記滅菌インジケータ1は、処理槽6内の適所に装着される。この装着位置は、洗浄液に浸漬される位置である。
【0029】
より具体的には、図3の装置では、処理槽6は内槽8および外槽9の二重壁構造とされ、内槽8と外槽9との間の空間は、蒸気または水などの熱媒体の導入空間10とされる。この導入空間10に熱媒体が導入されることで、内槽8の加熱または冷却が可能とされる。導入空間10への熱媒体の導入は、熱媒体導入弁11を介して外槽9に接続された熱媒体導入ライン12からなされ、その排出は熱媒体排出弁13を介して外槽9に接続された熱媒体排出ライン14からなされる。また、内槽8には、洗浄液供給弁15を介して洗浄液供給ライン16が接続されると共に、給蒸弁17を介して蒸気導入ライン18が接続され、さらに主排出弁19を介して主排出ライン20が接続されている。また、内槽8には、超音波振動体21が設けられると共に、真空ポンプなどの減圧手段22も接続されている。
【0030】
このような構成の超音波洗浄機能内蔵滅菌装置4は、内槽8内に被滅菌物7を収容した状態で、まず超音波洗浄がなされる。つまり、洗浄液供給ライン16から内槽8内に洗浄液を供給した状態で、熱媒体導入ライン12から前記導入空間10に蒸気を導入して、内槽8内の洗浄液を加熱する。そして、その加熱の過程において、内槽8内を減圧手段22にて減圧し、さらに、超音波振動体21を作動させて洗浄液に超音波振動を与える。このようにして超音波洗浄を行った後、内槽8内の洗浄液を主排出ライン20から排出し、さらに内槽8内からの空気排除を行った後、高温蒸気滅菌がなされる。つまり、蒸気導入ライン18から内槽8内へ蒸気を供給して、内槽8内を所望温度まで蒸気加圧することで、被滅菌物7の高温蒸気滅菌がなされる。
【0031】
一方、シャワー滅菌装置5とは、被滅菌物7を温水シャワーで滅菌する装置であり、レトルトやボトルなど圧力変化に弱い被滅菌物に適している。図4は、シャワー滅菌装置5の一例を示す概略構成図である。本装置では、処理槽23内に設けた散水装置24から高温の熱水を噴射することで、処理槽23内に収容した被滅菌物7の滅菌が図られる。前記滅菌インジケータ1は、処理槽6内の適所に装着される。この装着位置は、シャワーによりインジケータが洗浄液に濡らされる位置である。そして、処理槽23下部に接続された循環ライン25は、ポンプ26および熱交換器27を介して散水装置24へ接続されており、処理槽23下部から散水装置24へ熱水を循環可能とされている。
【0032】
洗浄滅菌装置(不図示)とは、洗浄液を入れた槽に被滅菌物を入れ、洗浄液内に蒸気を吹き込んで温度を上げると共に、その気泡による撹拌で滅菌を図る装置であり、医療器具などの滅菌に使用される。
【0033】
このように、超音波洗浄機能内蔵滅菌装置4、シャワー滅菌装置5、洗浄滅菌装置などは、いずれも液体(水など)を使用して滅菌がなされる。液体が使用されるため、従来のインジケータは機能せず利用できない。ところが、本実施例の滅菌インジケータ1は、防水性を有した素材で密閉されているので利用可能であり、しかも耐熱性および透湿性は有しているので、高温蒸気に対しては適切に反応し、液体を使用する滅菌装置にも利用可能である。
【0034】
なお、本発明の滅菌インジケータ1は、上記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、インジケータ本体2を覆う素材3は、透湿性、非液体透過性(耐水防水性)、および所望の耐熱性を有すれば、前記実施例で用いたゴアテックス(登録商標)に限定されず、適宜変更可能である。さらに、水だけでなく、アルコールや薬液(消毒液)をも考慮した素材を使用するのがよい。しかも、前記実施例では、主として滅菌を前提に説明したが、消毒装置に対しても適用可能である。また、前記実施例では、インジケータ本体2の全体を透湿防水性素材3にて覆ったが、インジケータ本体2の機能に影響を与えない範囲で、どの部分をどのような素材にて覆うかは変更可能である。さらに、透湿防水性素材の袋内に、複数個のインジケータ本体2を密封してもよい。
【0035】
図5および図6は、本発明の滅菌または消毒インジケータのさらに別の実施例を示す図であり、図5は分解斜視図、図6は組立状態の断面図である。これらの図に示すように、本実施例のインジケータ1は、インジケータ本体2が、金属などから形成された蓋付き容器28内に密閉される。蓋付き容器28は、容器本体29と蓋体30とからなる。図示例の容器本体29は、左端面が閉塞された円筒形状とされ、右側に開口している。容器本体29の右側の外周面には、ネジ山31が形成されている。一方、蓋体30は、左側に開口した円筒形状であり、その開口部の内周面にはネジ溝32が形成されている。従って、このネジ溝32を前記ネジ山31にねじ込むことで、容器本体29に対し蓋体30を着脱可能に取り付けることができる。
【0036】
ところで、蓋体30の右端面には、丸穴状の開口33が形成されている。そして、この開口33を塞ぐように、蓋体30の内側には、円板状の透湿防水性素材3が気密状態に取り付けられる。これにより、容器本体29を蓋体30で閉じた際には、蓋付き容器28の内側に水密空間が形成される。但し、一部に透湿防水性素材3を使用することで、蓋付き容器28内への蒸気の進入は可能とされる。従って、蓋付き容器28内にインジケータ本体2を収容して、前記各実施例と同様に、水および蒸気を使用する各種滅菌装置や消毒装置に利用できる。
【0037】
しかも、蓋付き容器28は、その内部に収容するインジケータ本体2を取り替えることで、繰り返して再使用することができる。ところで、本実施例では、蓋体30の端面に開口33を設けて、その開口33を透湿防水性素材3にて塞ぐ構成としたが、蓋付き容器28のどの部分に透湿防水性素材3を設けるかは適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の滅菌インジケータの一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の滅菌インジケータの他の実施例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の滅菌インジケータが好適に使用される超音波洗浄機能内蔵滅菌装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の滅菌インジケータが好適に使用されるシャワー滅菌装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の滅菌または消毒インジケータのさらに別の実施例を示す分解斜視図である。
【図6】図5の滅菌または消毒インジケータの組立状態の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 インジケータ
2 インジケータ本体
3 透湿防水性素材
4 超音波洗浄機能内蔵滅菌装置
5 シャワー滅菌装置
7 被滅菌物
28 蓋付き容器
29 容器本体
30 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非液体透過性を有するとともに一部または全部が透湿性を有する素材内に、インジケータ本体が密閉されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータ。
【請求項2】
インジケータ本体が透湿防水性素材にて被覆されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータ。
【請求項3】
インジケータ本体が透湿防水性素材の袋に密閉されたことを特徴とする滅菌または消毒インジケータ。
【請求項4】
前記インジケータ本体を水密状態に被覆する被覆材、または前記インジケータ本体を水密状態に密閉する袋は、一部のみが透湿防水性素材とされたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の滅菌または消毒インジケータ。
【請求項5】
前記インジケータ本体の変化を視認可能に前記素材が透明とされたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の滅菌または消毒インジケータ。
【請求項6】
蒸気または熱水を使用する滅菌または消毒を行うことのできる装置に使用され、使用される蒸気または熱水に対する耐熱性を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の滅菌または消毒インジケータ。
【請求項7】
インジケータ本体を水密状態に収容する容器であって、
この容器は、容器本体とこの容器本体に対し着脱可能に装着される蓋体とを備え、一部または全部が透湿防水性素材により形成されている
ことを特徴とする滅菌または消毒インジケータの容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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