説明

漂白活性終端官能基含有アルコキシル化ポリオール

漂白作用、汚れの懸濁、自由硬度(free hardness)の存在下で界面活性剤の利用可能性の増加のような利益を洗剤組成物に与える漂白活性部分を含む、ポリオールのポリマー構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄組成物中に親水性及び/又は疎水性の汚れの漂白を与えるために、少なくとも1つの漂白活性化剤部分を有する漂白活性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、漂白活性化剤は、40℃未満の溶液温度において、それらの有効性を急速に失う。3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホキシ)デシル]イソキノリニウム(isoquinolimium)、分子内塩のような新しい有機触媒が開発されてきたが、それらは特定の酵素には不活性である可能性があり、及び疎水性である傾向があり、従ってそれらの水溶解度はわずかである。ほとんどの洗濯及び洗浄組成物は水中に配合されるか、又は水と共に使用することが意図されるため、このような触媒と共に洗浄製品を配合することは問題となる可能性がある。
【0003】
幾つかの現在の漂白活性化剤は、漂白可能な汚れの洗浄を提供するが、粒状及び液体洗濯洗剤、硬質表面洗浄剤、食器洗浄組成物中への配合性は、洗剤配合者にとって依然として課題である。特定の性能要件に対処するように広く調整されてもよい、環境を壊さず利用可能であり容易に入手可能な原材料から比較的容易に製造できる物質への要求がまた存在する。漂白作用を介して洗浄を提供する多機能物質が、汚れ懸濁能力を提供し、及び陰イオン性界面活性剤と自由硬度(free hardness)との使用中のより大量の凝集体の形成を回避することにより、界面活性剤の利用可能性を増加させることもまた所望される。特定の性能要件には、疎水性の染み(脂、油)から屋外の汚れに関連する親水性の染み(粘土)まで、並びに草、ワイン、茶、コーヒー、及び生地汚れとして発生する又は大気汚染により発生する黒ずんだ汚れの洗浄を提供することが挙げられる。したがって、親水性及び又は疎水性の両方の汚れの漂白を提供し、並びに消費者が使用する洗濯及びその他の洗浄製品に適切な濃度においてそうするために調整可能な漂白剤を見つけることへの要求が存在する。
【0004】
有機漂白触媒のポリマー構造への組み込みはこうした問題の多くを解決し、有効な及び効率のよい多機能のポリマー触媒を提供することが現在では発見されている。これは、糖系のポリオール及びその他のポリオールのポリマー構造を、本明細書で論じられる漂白活性化剤構造体の付着のための出発物質として使用することにより実現されてきた。本明細書に記載される漂白活性化剤は、重要な構造的特徴として環状構造を含有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクロース又はマルトースのような糖に基づくポリオール物質は、環境を壊さず利用可能であり及び容易に入手可能な原材料として既知である。マルチトールのエトキシレートは既知であり、例えばCAS503446−80−8にある。その他の既知のエトキシル化ポリオールには:エトキシル化マンニトール(manitol)(CAS53047−01−2)、エトキシル化イノシトール(inostol)(CAS503446−79−5)、エトキシル化ソルビトール(CAS53694−15−8)が挙げられる。エチレングリコール及びプロピレングリコールのエトキシレート及びプロポキシレートもまた既知である。米国特許第5,371,119号、及びPCT国際公開特許WO01/98388A1を参照のこと。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポリオール源を含むことを特徴とする漂白活性化合物であって、ポリオール源が少なくとも2つのヒドロキシ部分を含み、ヒドロキシ部分の少なくとも1つがアルコキシ部分を更に含み、アルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びそれらの混合物から成る群から選択され;更にヒドロキシ部分の少なくとも1つが式(II):
【0007】
【化1】

(式中、式(II)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル;C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR3は、ポリオール源、水素、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR4は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;
式(II)のZは、イミニウム結合、オキサジリジニウム(oxaziridinium)結合から選択されるか、又は式(II)の窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択され;その結果、式(II)のR1、R2、R3、及びR4は、イミニウム結合、オキサジリジニウム(oxaziridinium)結合、又は式(II)の窒素と炭素との間の単結合と組み合わせられて、少なくとも1つの環状構造を形成するように選択され;その際、環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含まない)を有する漂白活性単位を更に含む。
【0008】
本発明はまた、漂白活性化合物、漂白活性化合物を含む洗浄組成物を製造するプロセス、及び洗浄組成物を使用する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で使用する時、「置換」とは、1以上のC1〜C10アルキル部分、1以上のヒドロキシル部分、又はこれらのいずれかの組み合わせを意味する。
【0010】
本明細書において、「X〜Y」又は「約X〜約Y」の形式で記載する時、すべての数範囲は、本明細書に明確に記載されているかのように組み込まれ及び包含される。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる限界は、場合によっては更に低い又は更に高いあらゆる限界を、こうした更に低い又は更に高い限界が本明細書に明確に記載されているかのように包含するということを、理解すべきである。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲は、そのような広い範囲内に入るあらゆる更に狭い範囲を、こうした更に狭い範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0011】
特に指定しない限り、重量百分率は洗剤組成物の重量百分率に関する。特に指定しない限り、温度はすべて摂氏(℃)として表記する。
【0012】
糖系物質及びポリエチレン/ポリプロピレングリコール物質のようなポリオール化合物は、特定の配合性(formulabiliy)及び性能要件に対処するようにそれ自体を広く調整させる、環境を壊さず利用可能であり及び容易に入手可能な原材料である。本明細書で使用する時、「調整」とは、特徴的な化学的機能を実現するために、ポリオール化合物の化学構造を操作する能力を持つことを意味する。例えば、漂白活性化剤部分を含むことにより変性されたアルコキシル化ポリオール化合物は、特定の配合性及び性能要件についての所望の特性を与える調整された構造である。別の例では、漂白活性化剤部分及び陰イオン性キャッピング単位を含むことにより変性されたアルコキシル化ポリオール化合物は、所望の特性を与える調整された構造である。
【0013】
本発明に有用なポリオール化合物は、少なくとも2つのヒドロキシ部分、好ましくは2つを超えるヒドロキシ部分、より好ましくは3つのヒドロキシ部分を含む。最も好ましくは、6つ以上のヒドロキシ部分を含む。ヒドロキシ部分の少なくとも1つはアルコキシ部分を更に含み、アルコキシ部分は、エトキシ(EO)、プロポキシ(PO)、ブトキシ(BO)、及びそれらの混合物から成る群から選択され、好ましくはエトキシ及びプロポキシ部分から成る群から選択され、より好ましくはエトキシ及びプロポキシ部分から成る群から選択される。平均アルコキシル化度は、約0〜約200、約0.1〜約200、好ましくは約4〜約80、より好ましくは約10〜約50である。アルコキシル化は、好ましくはブロックアルコキシル化である。
【0014】
本発明に有用なポリオール化合物は、少なくとも1つの漂白活性化剤単位を含むヒドロキシ部分の少なくとも1つを更に有する。化合物の更なる変性又は調整が生じてもよいが、1つの漂白活性化剤部分が、本発明の化合物中に存在しなければならない。1つの実施形態は、漂白活性化剤単位となるアルコキシ部分を更に含む1つを超えるヒドロキシ部分を含む。例えば、式(I):
【0015】
【化2】

(式中、式(I)のxは、約0.1〜約200、好ましくは約40〜約80であり;R1、R2、R3、及びZは、式(II)に以下に定義され;式(I)のyは、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びそれらの混合物から選択される)
である。本明細書で使用される時、漂白活性化剤単位は、以下の式(II):
【0016】
【化3】

(式中、式(II)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択される。好ましくは、R1は、C6〜C20置換アリールであり、置換はポリオール源である。
【0017】
式(II)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択される。
【0018】
式(II)のR3は、ポリオール源、水素、又はC1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択される。
【0019】
式(II)のR4は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択される。
【0020】
式(II)では、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つがポリオール源であり、及びポリオール源として選択されない、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも2つが環状構造を形成する。
【0021】
式(II)のZは、イミニウム結合から選択され、それによって式(II)の窒素と炭素との間の二重結合を生成するか、又はオキサジリジニウム(oxaziridinium)結合から選択され、それによって窒素、炭素、及び酸素構造を有し、又はZは、窒素と炭素との間に単結合が存在するように選択される)
を有する。
【0022】
式(II)のZが、イミニウム結合であるように選択される時、窒素は四級化されるか、又は正電荷を有する。式(II)のR1、R2、R3、及びR4は、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分の選択が式(II)のイミニウム結合、オキサジリジニウム(oxaziridinium)結合、又は式(II)のN=C間の単結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造が得られるように選択される。環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含むように選択されないか、又は換言すると、ポリオール源は、イミニウム結合、オキサジリジニウム(oxaziridinium)結合又は単結合に直接結合しない。しかしながら、ポリオール源は、環状構造上の置換基としては使用され得る。
【0023】
好ましくは、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つは、置換又は非置換アリールであるように選択される。環状構造は、飽和又は不飽和(即ち、芳香族)であってもよい。好ましくは、環は少なくとも部分的には不飽和である。環状構造は、単環又は多環構造であってもよく;好ましくは環状構造は二重環状構造である。
【0024】
環状構造の置換は、当業者に周知の置換のいずれかの既知の種類により生じてもよい。置換は、炭素、硫黄、窒素、又は酸素を含有してもよい。存在する場合、好ましい置換には、ポリオール源、C1〜C20(又は提案された基に適切な炭素数、例えばC6〜C20フェニル若しくはアルキルフェニル基)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルジエニル、シクロアルキル、フェニル、アルキルフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスリル、フルオリル(fluoryl)、ステロイド基;酸素含有置換、例えばヒドロキシ、アシル若しくはケト、エーテル、エポキシ、カルボキシ、及びエステル含有置換、好ましくは−CH2OH、−CCH3CH3OH、−CH2COOH、−C(O)−(CH28CH3、−OCH2CH3、=O、−OH、−CH2−O−CH2CH3、−CH2−O−(CH22−OH、窒素含有置換、例えばアミノ基、ニトロ基、アゾ基、アンモニウム基、アミド基、アジド基、イソシアネート基、シアノ基、及びニトリル基、好ましくは−NHCH3、−NH2、−NH3+、−NO2、硫黄含有置換、例えば硫黄含有酸及び酸エステル基、チオエーテル基、メルカプト基、及びチオケト基、好ましくは−SCH2CH3、−CH2S(CH24CH3、−SO3CH2CH3、SO2CH2CH3、−CH2COSH、−SH、−CH2SCO、−CH2C(S)CH2CH3、−SO3Hが挙げられる。
【0025】
1つの実施形態では、漂白活性単位は、上記の式(II)を有し、式(II)のZは、式(III):
【0026】
【化4】

(式中、式(III)のR1、R2、R3、及びR4は、上記の式(II)に定義されるとおりである。式(III)のR、R1、R2、R3、及びR4は、式(III)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分の選択が式(III)のイミニウム結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造が得られるように選択される。環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含むように選択されないか、又は換言すると、ポリオール源は、式(III)のイミニウム結合に直接結合しない。しかしながら、ポリオール源は、環状構造上のC6〜C20置換基としては使用され得る。好ましくは、式(II)のR1、R3、及びR4の少なくとも1つは、置換又は非置換アリールであるように選択される。環状構造は、飽和又は不飽和(即ち、芳香族)であってもよい。好ましくは、環は少なくとも部分的には不飽和である。環状構造は、単環又は多環構造であってもよく、好ましくは環状構造は二重環状構造である)
をもたらすイミニウム結合である。
【0027】
環状構造の置換は、式(II)について上記のように当業者に周知の置換のいずれかの既知の種類により生じてもよい。 式(III):
【0028】
【化5】

(式中、2つの部分に結合した曲線は、環状構造を表し、及び「ポリマー」は、ポリオール源を表す)
のために可能性のある環状構造の非限定例には次のものが挙げられる。
【0029】
別の実施形態では、R1、R3、及びR4は、式(IV)
【0030】
【化6】

をもたらすように選択され、及びR2は、ポリオール源であるように選択される。
【0031】
式(IV)
1つの実施形態では、漂白活性単位は、上記の式(II)を有し、式(II)のZは、以下の式(IV):
【0032】
【化7】

(式中、式(IV)のR1、R2、R3、及びR4は、上記の式(II)に定義されるとおりである。式(IV)のR、R1、R2、R3、及びR4は、式(IV)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分の選択が式(IV)のオキサジリジニウム(oxaziridinium)結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造が得られるように選択される。環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含むように選択されないか、又は換言すると、ポリオール源は、オキサジリジニウム(oxaziridinium)結合に直接結合しない。しかしながら、ポリオール源は、環状構造上の置換基としては使用され得る。好ましくは、式(II)のR1、R3、及びR4の少なくとも1つは、C6〜C20の置換又は非置換アリールであるように選択される。環状構造は、飽和又は不飽和(即ち、芳香族)であってもよい。好ましくは、環は少なくとも部分的には不飽和である。環状構造は、単環又は多環構造であってもよく、好ましくは環状構造は二重環状構造である)をもたらすオキサジリジニウム(oxaziridinium)
結合である。
【0033】
環状構造の置換は、式(II)について上記のように当業者に周知の置換のいずれかの既知の種類により生じてもよい。式(IV):
【0034】
【化8】

(式中、2つの部分に結合した曲線は、環状構造を表し、及び「ポリマー」は、ポリオール源を表す)
のために可能性のある環状構造の非限定例には次のものが挙げられる。
【0035】
1つの実施形態では、漂白活性単位は、上記の式(II)を有し、式(II)のZは、以下の式(V):
【0036】
【化9】

(式中、式(V)のR1、R2、R3、及びR4は、上記の式(II)に定義されるとおりである。式(V)のR1、R2、R3、及びR4は、式(V)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分の選択が式(V)の窒素と炭素との間の単結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造が得られるように選択される。環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含むように選択されないか、又は換言すると、ポリオール源は、式(V)の窒素と炭素との間の単結合に直接結合しない。しかしながら、ポリオール源は、環状構造上のC6〜C20置換基としては使用され得る。好ましくは、式(V)のR1、R3、及びR4の少なくとも1つは、置換又は非置換アリールであるように選択される。環状構造は、飽和又は不飽和(即ち、芳香族)であってもよい。好ましくは、環は少なくとも部分的には不飽和である。環状構造は、単環又は多環構造であってもよく;好ましくは環状構造は二重環状構造である)
をもたらす、窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択される。
【0037】
環状構造の置換は、式(II)について上記のように当業者に周知の置換のいずれかの既知の種類により生じてもよい。
【0038】
式(V):
【0039】
【化10】

(式中、2つの部分に結合した曲線は、環状構造を表し、及び「ポリマー」は、ポリオール源を表す)
のために可能性のある環状構造の非限定例が挙げられる。示されるように、式(V)がプロトン化してもよいし、又はプロトン化しなくてもよいことを当業者は認識する。
【0040】
本発明に使用するための出発物質として好適なポリオール化合物には:マルチトール、スクロース、キシリトール、グリセロール、ペンタエリスリトール(pentaerythitol)、グルコース、マルトース、マルトトリオース(matotriose)、マルトデキストリン、マルトペントース、マルトヘキソース、イソマルツロース、ソルビトール、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート、キシラン、還元マルトトリオース、還元マルトデキストリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセロール、ジグリセロールエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ポリオール化合物は、ソルビトール、マルチトール、スクロース、キシラン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びそれらの混合物である。好ましくは、ソルビトール、マルチトール、スクロース、キシラン、及びそれらの混合物である。
【0041】
好適な陰イオン性キャッピング単位には、サルフェート、スルホスクシネート、スクシネート、マレアート、ホスフェート、フタレート、スルホカルボキシレート、スルホジカルボキシレート、プロパンスルトン、1,2−ジスルホプロパノール、スルホプロピルアミン、スルホネート、モノカルボキシレート、メチレンカルボキシレート、エチレンカルボキシレート、カーボネート、メリト、ピロメリト、スルホフェノール、スルホカテコール、ジスルホカテコール、タータラート、シトレート、アクリレート、メタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリレート−マレアートコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは陰イオン性キャッピング単位は、サルフェート、スルホスクシネート、スクシネート、マレアート、スルホネート、メチレンカルボキシレート、及びエチレンカルボキシレートである。
【0042】
ポリオール化合物の調整は、所望の配合性及び性能要件によって、1以上の変性から得ることができる。調整には、陰イオン性、陽イオン性、又は双極性の電荷の変更をポリオール化合物に組み込むことを挙げることができる。
【0043】
製造プロセス
本発明はまた、本発明の化合物を製造するためのプロセスにも関する。1つの実施形態では、本発明の化合物を製造するためのプロセスは次の工程を含む:
(a)約0〜約200;好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の平均アルコキシル化度を有するアルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源を任意選択的にアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程。あるいは、アルコキシル化ポリオール、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を、本発明の出発物質として使用してもよい。平均アルコキシル化度が所望の程度ではない場合、0〜約200、好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の所望のアルコキシル化度を実現するために、アルコキシル化工程を使用してもよい。
【0044】
(b)化合物の少なくとも1つのヒドロキシ部分を陰イオン性キャッピング単位と反応させて陰イオン性ポリオールを形成する工程。好ましくは、化合物の1つを超えるヒドロキシ部分を陰イオン性キャッピング単位と反応させる。好ましくは、陰イオン性キャッピング単位には、サルフェート、ホスフェート、カーボネート、及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、陰イオン性キャッピング単位は、サルフェートである。
【0045】
(c)任意選択的な工程(a)が使用される場合に、アルコキシ部分の得られる少なくとも1つの終端ヒドロキシ基を陰イオン性キャッピング単位と反応させて陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成する工程。
【0046】
(d)陰イオン性ポリオール及び/又は陰イオン性アルコキシル化ポリオールの陰イオン性キャッピング単位を、過剰量の式(II)の漂白活性単位により置換する工程であって、式(II)のZが、窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択され、及び式(II)のR4が、水素として選択されて、アミン終端ポリオール及び/又はアミン終端アルコキシル化ポリオールを形成する工程。アミン終端ポリオール及び/又はアミン終端アルコキシル化ポリオールは、それ自体官能性ポリマーであり、及び以下の次工程(e)による漂白活性化剤単位を含む漂白活性化剤化合物への前駆体である。
【0047】
(e)アミン終端ポリオール及び/又はアミン終端アルコキシル化ポリオールを酸化して、式(II)の漂白活性単位を変換して、式(II)の窒素と炭素との間の単結合である漂白活性化剤化合物を形成する式(II)のイミニウム結合をもたらす工程。本発明のオキサジリジニウム環を含有する種類は、本発明のイミニウム環を含有する種類を、ペルオキシカルボン酸のような酸素移動剤と接触させることによって生成されてもよい。このような種は、その場で形成することができ、精製せずに使用することができる。
【0048】
非限定的な合成スキームは、以下の合成スキームIに例示される。
【0049】
合成スキームI
【0050】
【化11】

【0051】
合成スキームII:
別の実施形態では、本発明の化合物を製造するためのプロセスは次の工程を含む:
(a)約0〜約200;好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の平均アルコキシル化度を有するアルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源をアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程。あるいは、アルコキシル化ポリオール、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を、本発明の出発物質として使用してもよい。平均アルコキシル化度が所望の程度ではない場合、0〜約200、好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の所望のアルコキシル化度を実現するために、アルコキシル化工程を使用してもよい。
【0052】
(b)アルコキシル化ポリオールの少なくとも1つのヒドロキシ部分をオレフィン含有試薬と反応させてオレフィン終端アルコキシル化ポリオールを形成する工程。好ましくは、化合物の1つを超えるヒドロキシ部分をオレフィン含有試薬と反応させる。オレフィン含有試薬は、アリルクロライド、アリルブロマイド、及びそれらの混合物のように選択されてもよい。
【0053】
(c)触媒の存在下で、式(II)の漂白活性単位の置換又は非置換アリールを、オレフィン終端アルコキシル化ポリオールによりアルキル化してアルキル化ポリオールを形成する工程であって、式(II)の漂白活性単位は、窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択された式(II)のZを有し、並びにR1、R2、R3、及びR4のいずれとしてもポリオール源が選択されず、アルコキシル化ポリオールの少なくとも1つの終端ヒドロキシル基が式(II)の漂白活性単位であるアルキル化ポリオールを形成する工程。
【0054】
(d)式(II)のR4が水素である場合、工程(c)の化合物をアルキルハライドと反応させてスキームII工程(c)の化合物の第三級アミンを形成する工程。式(II)のR4は、ここでは、以上のように、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から選択されるとして定義される。
【0055】
(e)スキームII工程(d)の化合物を酸化して式(II)の漂白活性単位を形成し、式(II)のZが、漂白活性化剤単位を含む漂白活性化剤化合物を形成するイミニウム結合をもたらすように選択される工程。
【0056】
本発明のオキサジリジニウム環を含有する種類は、本発明のイミニウム環を含有する種類を、ペルオキシカルボン酸のような酸素移動剤と接触させることによって生成されてもよい。このような種は、その場で形成することができ、精製せずに使用することができる。
【0057】
非限定的な合成スキームは、以下の合成スキームIIに例示される。
【0058】
【化12】

【0059】
合成スキームIIの別の方法としては、合成スキームIIの工程2の反応物質としての、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの代わりのN−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、ひいてはメチルクロライドを伴う合成スキームIIの反応工程3を排除する。すべての他の工程は同じままである。更に、合成スキームIIについて、ひいてはまた置換又は非置換テトラヒドロイソキノリンの芳香環のアルコキシル化ポリオールへの別の経路において示された結合点は、反応合成スキームIIにおいて示された結合点に限定されることを意味しない。
【0060】
合成スキームIII:
別の実施形態では、本発明の化合物を製造するためのプロセスは次の工程を含む:
(a)0〜約200;好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の平均アルコキシル化度を有するアルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源をアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程。あるいは、アルコキシル化ポリオール、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を、本発明の出発物質として使用してもよい。平均アルコキシル化度が所望の程度ではない場合、0〜約200、好ましくは約0.1〜約200;好ましくは約4〜約80;より好ましくは約10〜約50の所望のアルコキシル化度を実現するために、アルコキシル化工程を使用してもよい。
【0061】
(b)アルコキシル化ポリオールをルイス酸触媒、好ましくはSnCl4の存在下でエピクロロヒドリンと反応させ、その後塩基と反応させてグリシドールエーテルでキャップされたアルコキシル化ポリオールを形成する工程。
【0062】
(c)グリシドールエーテルでキャップされたアルコキシル化ポリオールを三酸化硫黄と反応させて環状サルフェートでキャップされたアルコキシル化ポリオールを形成し、次に環状サルフェートでキャップされたアルコキシル化ポリオールを3,4−ジヒドロイソキノリンと反応させて本発明の漂白活性アルコキシル化ポリオールを形成する工程。漂白活性アルコキシル化ポリオールは、イミニウム結合(陽イオン性電荷)、及びスルホ部分(陰イオン性電荷)の両方を、漂白活性アルコキシル化ポリオールの同じアルコキシル化ポリオール単位上に含む。
【0063】
本発明のオキサジリジニウム環を含有する種類は、本発明のイミニウム環を含有する種類を、ペルオキシカルボン酸のような酸素移動剤と接触させることによって生成されてもよい。このような種は、その場で形成することができ、精製せずに使用することができる。
【0064】
非限定的な合成スキームは、以下の合成スキームIIIに例示される。
【0065】
【化13】

【0066】
本発明のプロセスの具体的な記述は、より詳細に以下に記載される。
【0067】
実施例1:合成スキームI
工程1:ポリオールのエトキシル化
ソルビトールのようなポリオールのエトキシル化は、いずれかの既知の技術、例えばEP174436A1に記載されているものによって完了されてもよい。プロポキシル化及びブトキシル化もまた既知の技術によって完了されてもよい。
【0068】
ソルビトール(17.5g、0.0962モル)をオートクレーブに添加し、オートクレーブを窒素でパージし、ソルビトールを110〜120℃に加熱し;オートクレーブは攪拌され及び約67.7kPa(20mmHg)まで真空を適用する。
【0069】
メタノール溶液中25%ナトリウムメトキシド6.2g(0.0288モル、ヒドロキシ部分に基づいて5%触媒の装填を実現するため)を導入する間、オートクレーブを約110〜120℃に冷却する一方で、真空を連続的に適用する。メトキシド溶液からのメタノールは、真空下でオートクレーブから除去される。オートクレーブからメタノールが除去されるにつれて、攪拌器の力及び温度値が徐々に上昇し、混合物の粘度は、増大して、約1.5時間以内に安定し、ほとんどのメタノールが除去されたことを示す。混合物を更に加熱し、及び真空下で更に30分間攪拌する。
【0070】
真空を中止し、及びオートクレーブに窒素を1725kPa(250psia)になるまで充填する間、オートクレーブを110℃に冷却する又は保ち、次いで周囲圧力となるようにガス抜きする。オートクレーブに、1380kPa(200psia)になるまで窒素を充填する。温度を110〜120℃の間で維持し、及び反応発熱に起因するいずれの温度上昇も制限した状態で、オートクレーブの圧力、温度、及びエチレンオキシド流量を厳密に監視しながら、オートクレーブにエチレンオキシドを徐々に添加する。エチレンオキシド483g(10.97モル、OH1モル当たりエチレンオキシドが合計19モルになる)の添加後、温度を120℃に上昇させ、混合物を更に2時間攪拌する。
【0071】
次いで反応混合物を22Lの三口丸底フラスコに収集し、窒素でパージする。加熱(110℃)及び機械攪拌をしながら、メタンスルホン酸2.8g(0.00288モル)をゆっくり添加することによって、強アルカリ触媒を中和する。次いで反応混合物は、混合物を攪拌し120℃まで1時間加熱しながら、不活性ガス(アルゴン又は窒素)をガス散布フリット(frit)を通して混合物中に噴霧することにより、残留エチレンオキシドを除去され及び脱臭される。およそ500gの最終反応性生物を少し冷却し、及び貯蔵のため窒素でパージされたガラス容器中に注ぐ。
【0072】
あるいは、ポリオールは、所望されるものより低いアルコキシル化度を有するもの、例えばCAS52625−13−5、プロポキシル化ソルビトール又はソルビトールポリオキシエチレンエーテル(リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals Inc.)から入手可能)を購入してもよく、所望のアルコキシル化度は、既知の及び/又は上記のプロセスにより実現される。
【0073】
工程2:ソルビトールEO114(ヒドロキシ一部分当たり平均19EO部分)の硫酸化
500mLの三角フラスコ中に、ソルビトールE114(299.7g、0.058モル)及びメチレンクロライド(300g)を秤量する。フラスコに、磁気攪拌棒を装備し、及び完全に溶解するまで物質を攪拌する。溶液が約10℃に達するまで、フラスコを氷浴中に設置する。クロロスルホン酸(48.3g、0.415モル)を約5分間にわたってゆっくりと注ぎながら激しく攪拌する。氷浴中で反応溶液を1.5時間攪拌する。
【0074】
ナトリウムメトキシドの溶液(メタノール中25%の197g)を、1L三角フラスコ中の50gメチレンクロライド(「塩基溶液」)中に設置し、及び溶液温度が約10℃に達するまで、氷浴中で冷却する。磁気攪拌棒を使用して塩基溶液を激しく攪拌する。反応溶液を塩基溶液に、約3分間にわたってゆっくりと注ぐ。少しの発熱が観測されるはずである。溶液は塩が形成するに従って、乳濁する。添加完了後、pHを約12に測定する。この溶液に、約100mLの蒸留水を添加し、及び得られるエマルションを1Lの丸底フラスコに移し、及び50℃でロータリー・エバポレータを使用して各部分に揮散させて透明溶液を得る。溶液をクーゲルロール(Kulgelrohr)装置に移す。60℃及び133Pa(1mmHg)で溶液を揮散させ、90%活性(10%塩)の366gのオフホワイトのろう様の固体を生成する。
【0075】
炭素NMRスペクトル(500MHz;パルスシーケンス:s2pu1、溶媒D2O;緩和.遅延(relax.delay)0.300秒、パルス45.0;デ−タ採取時間1.090秒)は、約60ppmでアルコール基がないことを示し、及び約67ppmでの新ピークの出現は終端基サルフェートの形成と一致する。プロトンNMRスペクトル(500MHz又は300MHz;パルスシーケンス:s2pu1、溶媒D2O;緩和.遅延(relax.delay)1.000秒、パルス45.0;デ−タ採取時間2.345秒)は、約4ppmで新ピークを示し、これは約3.5ppmでのエトキシ基のプロトンに対して積分されたが、6つの終端基サルフェートを有する分子と一致する。
【0076】
工程3:漂白活性化剤前駆体を含有する活性アミン終端アルコキシル化ポリオールの調製
磁気攪拌棒を装備した3つの7mL高圧小型反応装置のそれぞれに、工程2からのソルビトールEO114ヘキササルフェート(3.5g、0.00406モルサルフェート)及び1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(1.05g、0.00812モル)を秤量する。1つの小型反応装置に、デジタル温度計に接続した熱電対を装備し、及び3つの反応装置をリアキ−サーモIII(REACI-THERM III)(登録商標)加熱/攪拌モジュール中で約170℃で3時間加熱する。冷却後、反応物を混ぜ合わせ、及びメタノール約75mL中に溶解する。沈殿を遠心分離により除去する。ロータリー・エバポレータ上で50℃で上清を揮散する。クーゲルロール(Kugelrohr)装置上で、120℃、約133Pa(1mmHg)で2時間、過剰のアミンを除去して7.5gの茶色のろう様固体を提供する。プロトン及び炭素NMRは、ポリオール源に結合し、約2つのサルフェート基が残留する約2.75のテトラヒドロイソキノリン基を示す。
【0077】
工程4:アミン終端アルコキシル化ポリオールのイミニウム終端アルコキシル化双極性ポリオール(式(IV)の漂白活性化剤)への酸化
工程3の生成物の試料4.0g(約0.0020モルアミン基)をメタノール30g中に溶解し、及び磁気攪拌棒、加熱マントル、温度計及び凝縮装置を装備した三口100mL丸底フラスコ中に設置する。フラスコに酢酸カリウム0.48g(0.0049モル)を添加する。溶液を還流するまで加熱する。メタノール15g中ヨウ素結晶1.0g(0.0039モル)の溶液を、加熱した溶液に約5分間にわたって滴下する。混合溶液を加熱して一晩(約17時間)還流する。冷却時に形成された白色沈殿を濾過を介して除去する。分析用に、溶液の少量のアリコートを取る。プロトン及び炭素NMRは、少量のイソキノリン型官能基が明白である、漂白活性化合物の1分子当たり平均で約2のイミニウム(imminium)部位及び約2のサルフェートを有する分子を示す。
【0078】
任意工程5:工程4の生成物からのヨウ化物対イオンのイオン交換
漂白活性化合物の用途によって、イオン交換を介して反応生成物からヨウ化物を除去することが望ましい場合がある。これは、当業者により多くの方法を介して達成できる。有用である1つの具体的なイオン交換樹脂は、多くの様々な化学供給会社から販売されるIRA400(R)として既知である。
【0079】
実施例2:合成スキームII
工程1:アリルでキャップされたアルコキシル化ポリオールの調製
250mLの一口丸底フラスコに、スキームI工程1のアルコキシル化ポリオール46.4g(0.00898モル)、メタノール70mL、及び25重量%ナトリウムメトキシド溶液(メタノール中)6.96gを添加する。ロータリー・エバポレータ上で60℃で1時間、その後クーゲルロール(Kugelrohr)により、60℃で計測器により0.5mm未満の水銀圧力でメタノールを蒸発させることにより混合物を濃縮する。濃縮溶液を冷却し、及びTHF200mL中に溶解又は分散する。溶液又は懸濁液を500mLのフラスコに移し、及び機械攪拌をしながらアルゴンガスで覆った中で、アリルクロライド4.12g(0.0539モル)を添加する。混合物を40℃で4時間加熱する。溶媒の得られる試料をロータリー・エバポレータ上で揮散する。得られる試料のNMRによる分析は、アリルエーテル基により置換された、6つの内5つのアルコキシル化(akoxylated)ポリオール−OH基を示す。
【0080】
工程2:合成II、工程1の生成物のアルキル化
アリール化合物についてのアルキル化プロセスは、当該技術分野において既知である。これらのプロセスは、スキームII、工程1のアリルでキャップされたアルコキシル化ポリオールを使用して、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンに適用された。これはまた、N−置換1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンにも適用できる。DE19507522A1に従って、イソキノリンをアルキル化してイソキノリン終端アルコキシル化ポリオールを直接提供し、次に還元することは選択肢である。得られる3,4−ジヒドロイソキノリン終端アルコキシル化ポリオールは、PCT国際公開特許WO03/104199A2に従って、イミニウム分子内塩(internal salt)終端アルコキシル化ポリオールに変換することができる。
【0081】
工程3−合成II、工程2の生成物を変換する任意選択的な工程であって、式(II)のR4が水素であり、例えば1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン終端アルコキシル化ポリオールを、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン終端アルコキシル化ポリオールの第三級アミン(即ち、N−置換1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン終端アルコキシル化ポリオール)に、当該技術分野において既知のようなアルキルハライドとの反応を介して変換する任意選択的な工程。好ましくはCH3Cl、CH3Br、及びそれらの混合物。
【0082】
工程4−合成II、工程4の生成物の酸化は、合成I、工程4で論じたプロセスを使用して、N−置換1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンに直接実行され得る。
【0083】
実施例3:合成スキームIII:
工程1:グリシドール(glycidal)終端アルコキシル化ポリオールの調製
合成1、工程1の生成物、アルコキシル化ポリオール(77.5g、15ミリモル)及び塩化第二スズ(0.6g、3ミリモル)を、エピクロロヒドリン(46.86g、51ミリモル)を充填された添加漏斗を装備した、火炎乾燥された500mLの丸底フラスコに添加する。反応をアルゴンガス雰囲気下に保ち、及び油浴を使用して90℃に暖める。エピクロロヒドリンを攪拌される溶液中に1時間にわたって滴下し、その後90℃で18時間攪拌する。冷却された反応混合物にテトラヒドロフラン(70mL)を添加し、及びアルゴン雰囲気下で、約20℃〜約25℃の温度を維持しながら全混合物を攪拌する。カリウムt−ブトキシド(5.84g、51ミリモル)を攪拌された溶液に添加し、及び懸濁液を約20℃〜約25℃の温度で18時間攪拌して、アルコキシル化ポリオールのグリシドール(glycidal)エーテルを生成する。
【0084】
工程2:環状サルフェート終端アルコキシル化ポリオールの調製
三酸化硫黄ジメチルホルムアミド錯体(2.3g、0.0151モル)及びトルエン(100mL)を、アルゴン注入口、凝縮装置、及び磁気攪拌棒を装備した、火炎乾燥された三口丸底フラスコに添加する。反応を還流の状態にして、還流になったら、合成III、工程1の10gの融解したアルコキシル化ポリオール(約0.00425モル)を添加し、及び反応混合物を45分間還流する。反応混合物を室温(20℃)に冷却し、ジエチルエーテル(100mL)で希釈し、及び得られる有機溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で抽出する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、及び有機濾過液を蒸発させて乾燥させる。得られる3−環状サルフェート終端アルコキシル化ポリオールは、更なる精製をせずに使用することができる。
【0085】
工程3:合成III、工程2の生成物の3,4−ジヒドロイソキノリンとの反応を介する、イソキノリニウム双極性終端ジアルコキシル化ポリオール(Diakoxylated Poloyl)への変換。
【0086】
合成III、工程2の粗製環状サルフェート生成物に、ジエチルエーテル、及び3,4−ジヒドロイソキノリン(3,4-dhydroisoquinoline)(ポリマー1分子当たりおよそ3−環状サルフェート終端基を含有する出発グリシドール(glycidal)エポキシドに基づいて3当量)を250mLの丸底フラスコに添加する。反応を約20℃〜約25℃の温度に維持し、及び48時間攪拌する。エーテルの得られる生成物を取る。分析は、合成IIIに示されるように分子内塩を含有する所望の生成物への少なくとも幾つかの変換を有する生成物を示す。
【0087】
実施例4:プロピレンオキシドブロックの幾つかの付加を有する合成スキームI。
【0088】
工程1〜4:ポリマーの疎水化のための分子中への幾つかのプロピレンオキシドの付加
反応手順は、合成Iの工程1の間に、プロピレンオキシドの60モル当量を初めに添加して疎水性をポリオールに与え、その後合成Iの工程1と同量のエチレンオキシドを添加することを除いて合成Iと同一である。
【0089】
洗浄組成物
本発明は、本発明の変性されたアルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物に更に関する。洗浄組成物は、従来のあらゆる形態にすることができ、即ち、液体、粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、パウチ、棒状固形物(bar)、ゲル、2区画容器で供給されるタイプ、スプレー若しくはフォーム洗剤、ウェットタオル(premoistened wipes)(即ち、米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)ら)で論じられているような不織布材と組み合わせた洗浄組成物)、消費者が水で活性化させるドライタオル(即ち、米国特許第5,980,931号(フォウラー(Fowler)ら)で論じられているような不織布材と組み合わせた洗浄組成物)、並びに他の均質な又は多相の消費者洗浄製品形態にすることができる。
【0090】
洗浄組成物に加えて、本発明の化合物はまた、工業用洗浄剤(即ち、床洗浄剤)に使用する又は組み込むのに好適な場合がある。これらの洗浄組成物は、しばしば追加的に界面活性剤及び他の洗浄補助成分を含んでおり、それについては以下でより詳細に説明する。1つの実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。
【0091】
別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であり、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。
【0092】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い組成物のような液体食器洗浄組成物、固体自動食器洗い機用洗浄組成物、液体自動食器洗い機用洗浄組成物、及び自動食器洗い機用洗浄組成物のタブ(tab)/単位用量形態である。
【0093】
洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスなど、様々な表面を洗浄するカーケア組成物で使用されてもよい。この洗浄組成物は、また、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体若しくは固体石鹸、及び界面活性剤が自由硬度(free hardness)と接触する他の洗浄組成物など、パーソナルケア組成物で使用されるように設計することもでき、また、石油採掘組成物(oil drilling compositions)のような耐硬度性の界面活性剤システムを必要とするすべての組成物で使用されるように設計することもできる。
【0094】
変性アルコキシル化ポリオール化合物
本発明の洗浄組成物は、本明細書に記載されるように、洗浄組成物の約0.005重量%〜約30重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%の化合物を含んでもよい。
【0095】
界面活性剤 − 本発明の洗浄組成物は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤を含む、界面活性剤若しくは界面活性剤システム、並びにアルキルアルコールのような他の補助剤、又はそれらの混合物を含んでもよい。本発明の洗浄組成物は、洗浄組成物の約0.01重量%〜約90重量%、好ましくは約0.01重量%〜約80重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約50重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約40重量%の、1以上の界面活性剤を有する界面活性剤システムを更に含む。
【0096】
陰イオン性界面活性剤
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤の非限定例としては、C8〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS);C10〜C20一級、分岐鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)であって、好ましくはxが1〜30であるもの;好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含む、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,060,443号で論じられているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び米国特許第6,020,303号で論じられているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;PCT国際公開特許WO99/05243、同WO99/05242、同WO99/05244、同WO99/05082、同WO99/05084、同WO99/05241、同WO99/07656、同WO00/23549、及び同WO00/23548で論じられているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0097】
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤の非限定例としては、C12〜C18アルキルエトキシレート、例えば、シェル(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤、C6〜C12アルキルフェノールアルコキシラートであって、アルコキシラート単位が、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合物であるもの、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとの、C12〜C18アルコール及びC6〜C12アルキルフェノール縮合体、例えば、バスフ(BASF)製のプルロニック(PLURONIC)(登録商標);米国特許第6,150,322号で論じられているようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられているようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート、BAEx、xが1〜30であるもの;米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)、1986年1月26日発行)で論じられているようなアルキル多糖類;具体的には米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられているようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許WO92/06162、同WO93/19146、同WO93/19038及び同WO94/09099で論じられているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド(GS−塩基);並びに米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許WO01/42408で論じられているような、エーテルでキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0098】
陽イオン性界面活性剤
陽イオン性界面活性剤の非限定例としては:最高で26個までの炭素原子を有することのできる四級アンモニウム界面活性剤であって、これらに限定されないが、米国特許第6,136,769号で論じられているようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム(K1)が挙げられ;PCT国際公開特許WO98/35002、同WO98/35003、同WO98/35004、同WO98/35005、及び同WO98/35006で論じられているようなポリアミン陽イオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び米国特許第6,022,844号で論じられているような陽イオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及びPCT国際公開特許WO00/47708で論じられているようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0099】
洗浄補助物質
一般に、洗浄補助剤は、最低限の必須成分だけを含有する洗浄組成物を、洗濯、硬質表面、パーソナルケア、消費者、商業、及び/又は工業洗浄目的に有用な洗浄組成物へと転換するのに必要な、あらゆる物質である。特定の実施形態では、洗浄補助剤は、洗浄製品、特に家庭環境で消費者による直接使用が意図された洗浄製品の特徴を絶対的に示すものとして、当業者には容易に認識可能である。好適な洗濯又は洗浄補助物質の包括的なリストは、PCT国際公開特許WO99/05242に見出すことができる。
【0100】
これら追加構成成分の精確な性質、及びそれらを組み込む濃度は、洗浄組成物の物理形態、及びそれが使用されることになる洗浄操作の性質に左右される。
【0101】
洗浄補助成分は、漂白剤と併せて使用される場合、漂白剤との良好な安定性をもつべきである。本明細書の洗浄組成物の特定の実施形態は、法律で定められるように、無ホウ素及び/又は無リンであるべきである。洗浄補助剤濃度は、洗浄組成物の約0.00001重量%〜約99.9重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約50重量%、更には約0.0001〜約20重量%である。全体的な洗浄組成物の使用濃度は、目的とする用途に応じて大きく異なる場合があり、例えば、溶液中で数ppmの濃度から、洗浄する表面への非希釈洗浄組成物のいわゆる「直接適用」までにわたる場合がある。
【0102】
一般的な洗浄補助剤としては、ビルダー、酵素、以上に論じられていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質などが挙げられるが、本発明の洗浄組成物の必須構成成分の一部として以上に既に定義されたいかなる物質も除く。本明細書の他の洗浄補助剤としては、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)など、各種の活性成分若しくは特殊な物質、例えば、前述した以外の分散性ポリマー(例えばBASF社(BASF Corp.)若しくはローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から得られるもの)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに、液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、抑泡剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0103】
使用方法
本発明には、表面又は布地を洗浄するための方法が包含される。こうした方法は、本発明の変性アルコキシル化ポリオール化合物、又は本発明の変性アルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物の実施形態を、非希釈形態で、又は洗浄液で希釈して、表面又は布地の少なくとも一部分と接触させ、次いで任意にこうした表面又は布地をすすぐ工程を包含する。好ましくは、表面又は布地には、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程が実施される。本発明の目的では、洗浄には、これらに限定されないが、擦り洗い及び機械的攪拌が包含される。
【0104】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)、パーソナルケア、及び/又は洗濯用途で使用するのに適している。それ故に、本発明は、表面を洗浄する及び/又は布地を洗濯するための方法を包含する。この方法は、洗浄/洗濯する表面及び/又は布地を、変性アルコキシル化ポリオール化合物、又は変性アルコキシル化ポリオール化合物を含む洗浄組成物と接触させる工程を含む。表面は、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスなど、典型的な家庭で見られるほとんどいずれの硬質表面を含んでもよく、又は毛髪及び皮膚のようなパーソナルケア製品における洗浄表面から成ってもよい。表面はまた、食器、ガラス製品、及び他の調理表面を包含してもよい。布地は、通常の消費者使用条件で洗濯可能なほとんどの布地を含んでもよい。
【0105】
洗浄組成物溶液のpHは、洗浄する表面に対して最も補足的になるように選択され、pH約5〜約11の広い範囲にわたる。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、そのような組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃にわたる。
【0106】
洗濯洗浄組成物で使用される場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約60℃にわたる。水:布地の比率は、好ましくは約1:1〜約20:1である。
【0107】
本発明には、表面又は布地を洗浄するための方法が包含された。そのような方法には、本発明の洗浄組成物の実施形態で含浸させた不織布基材を接触させ、不織布基材と表面及び/又は布地の少なくとも一部分とを接触させる工程が包含される。方法は、洗浄工程を更に含んでもよい。本発明の目的では、洗浄には、これらに限定されないが、擦り洗い及び機械的攪拌が包含される。本方法は、すすぎ工程を更に含んでもよい。
【0108】
本明細書で使用する時、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性、及び強度特性を有する、従来式に製作されたあらゆる不織布シート又はウェブを含むことができる。好適な市販の不織布基材の例としては、デュポン(DuPont)より商標名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)として販売されるもの、及びジェームス・リバー社(James River Corp.)より商標名ポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0109】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、硬質表面用途で使用するのに適している。それ故に、本発明は、洗浄される硬質表面を洗浄組成物若しくはその溶液、又は本発明の洗浄組成物の実施形態を含浸させた不織布基材と接触させる工程を含む、硬質表面を洗浄するための方法を包含する。使用方法は、洗浄組成物と不織布基材の少なくとも一部分とを接触させ、次いで、ユーザーの手によって、又は不織布基材がそれに取り付けられている道具を用いて、硬質表面と接触させる工程を含む。
【0110】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗浄組成物で使用するのに適している。本発明の液体食器組成物を使用するための方法は、汚れた食器を、有効量、典型的には約0.5mL〜約20mL(処理される食器25枚当たり)、好ましくは約3mL〜約10mLの本発明の液体食器洗浄組成物であって、約2000mL〜約20000mLの水に希釈されたものと接触させる工程を含む。
【0111】
汚れた食器は、こうして得られる希釈組成物の入ったシンク内に漬けられ、シンク内で、食器の汚れた表面と、布、スポンジ、若しくは類似の物品とを接触させて、食器を洗浄する。布、スポンジ、若しくは類似の物品は、食器表面に接触される前に、洗浄組成物と水との混合物中に漬けられてもよく、又は洗浄組成物は水で希釈されずに、布、スポンジ、若しくは類似の物品に直接適用されてもよく、実際の時間は各用途及びユーザーによって異なるが、典型的には、約1〜約10秒の範囲の時間食器表面に接触される。布、スポンジ、若しくは類似の物品と食器表面との接触は、好ましくは食器表面を擦るのと同時に起こる。
【0112】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0113】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール源を含むことを特徴とする漂白活性化合物であって、ポリオール源が少なくとも2つのヒドロキシ部分を含み、ヒドロキシ部分の少なくとも1つがアルコキシ部分を更に含み、アルコキシ部分が、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びそれらの混合物から成る群から選択され;更に、ヒドロキシ部分の少なくとも1つが式(II):
【化1】

(式中、式(II)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル;C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR3は、ポリオール源、水素、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(II)のR4は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;
式(II)のZは、イミニウム結合、オキサジリジニウム結合から選択されるか、又は式(II)の窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択され;その結果、式(II)のR1、R2、R3、及びR4は、イミニウム結合、オキサジリジニウム結合、又は式(II)の窒素と炭素との間の単結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造を形成するように選択され;その際、環状構造を形成するように選択された、式(II)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含まない)
を有する漂白活性単位を更に含むことを特徴とする漂白活性化合物。
【請求項2】
式(II)のZとしてイミニウム結合が選択され、式(III):

【化2】

(式中、式(III)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(III)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル;C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(III)のR3は、ポリオール源、水素、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(III)のR4は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;
式(III)のR1、R2、R3、及びR4は、式(III)のイミニウム結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造を形成するように選択され;その際、環状構造を形成するように選択された、式(III)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含まない)
をもたらすことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(II)のZとしてオキサジリジニウムが選択され、式(IV):
【化3】

(式中、式(IV)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(IV)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル;C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(IV)のR3は、ポリオール源、水素、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(IV)のR4は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;
式(IV)のR1、R2、R3、及びR4は、式(IV)のオキサジリジニウム結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造を形成するように選択され;その際、環状構造を形成するように選択された、式(IV)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含まない)
をもたらすことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(II)のZが窒素と炭素との間に単結合をもたらすように選択され、以下の式(V):
【化4】

(式中、式(V)のR1は、ポリオール源、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(V)のR2は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル;C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(V)のR3は、ポリオール源、水素、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C2〜C20の置換又は非置換アルケニル、C6〜C20の置換又は非置換アリール;C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール部分、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;式(V)のR4は、ポリオール源、C1〜C20の置換又は非置換アルキル、C6〜C20の置換又は非置換アリール、C2〜C20の置換又は非置換ヘテロアリール基、及びそれらの混合物から成る群から独立して選択され;
式(V)のR1、R2、R3、及びR4は、式(V)の窒素と炭素との間の単結合と組み合わせられて少なくとも1つの環状構造を形成するように選択され;その際、環状構造を形成するように選択された、式(V)のR1、R2、R3、及びR4の群からの2つの部分は、ポリオール源を含まない)
をもたらすことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(II)のR1、R3、及びR4の少なくとも1つとして、C6〜C20の置換又は非置換アリールが選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
化合物が、一般式(IV):
【化5】

(式中、式(IV)のR2は、ポリオール源であるように選択される)
を有するように式(II)のR1、R3、及びR4が選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
ポリオール源が:グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトペントース、マルトヘキソース ソルビトール、マルチトール、スクロース、キシリトール、グリセロール、グリセロール誘導体、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、キシラン、還元マルトトリオース、還元マルトデキストリン、及びそれらの混合物の群から選択される糖モノマー又は還元された糖モノマーに由来することを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
化合物を製造するための方法であって:
(a)約0〜約200の平均アルコキシル化度を有するアルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源を任意選択的にアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(b)化合物の少なくとも1つのヒドロキシ部分を陰イオン性キャッピング単位と反応させて、陰イオン性ポリオールを形成する工程;
(c)任意選択的な工程(a)が使用される場合に、アルコキシ部分の、得られる少なくとも1つの終端ヒドロキシ基を陰イオン性キャッピング単位と反応させて、陰イオン性アルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(d)陰イオン性ポリオール及び/又は陰イオン性アルコキシル化ポリオールの陰イオン性キャッピング単位を、過剰量の式(II)の漂白活性単位により置換する工程であって、式(II)のZが、窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択され、及び式(II)のR4として、水素が選択されて、アミン終端ポリオール及び/又はアミン終端アルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(e)アミン終端ポリオール及び/又はアミン終端アルコキシル化ポリオールを酸化して、式(II)のZが式(II)の窒素と炭素との間の単結合である式(II)の漂白活性前駆体単位を変換して、漂白活性化剤単位を含む漂白活性化剤化合物を形成する式(II)のイミニウム結合をもたらす工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
(a)約0〜約200の平均アルコキシル化度を有するアルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源をアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(b)アルコキシル化ポリオールの少なくとも1つのヒドロキシ部分をオレフィン含有試薬と反応させてオレフィン終端アルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(c)触媒の存在下で、式(II)の漂白活性単位の置換又は非置換アリールを、オレフィン終端アルコキシル化ポリオールによりアルキル化してアルキル化ポリオールを形成する工程であって、式(II)の漂白活性単位は、窒素と炭素との間の単結合をもたらすように選択される式(II)のZを有し、並びにR1、R2、R3、及びR4のいずれとしてもポリオール源が選択されず、アルコキシル化ポリオールの少なくとも1つの終端ヒドロキシル基が式(II)の漂白活性単位であるアルキル化ポリオールを形成する工程;
(d)式(II)のR4が水素である場合、工程(c)の化合物をアルキルハライドと反応させてスキームII工程(c)の化合物の第三級アミンを形成する工程;
(e)スキームII工程(d)の化合物を酸化して式(II)の漂白活性単位を形成し、式(II)のZが、漂白活性化剤単位を含む漂白活性化剤化合物を形成するイミニウム結合をもたらすように選択される工程
を含むことを特徴とする化合物を製造するための方法。
【請求項10】
(a)約0〜約200の平均アルコキシル化度を有する、アルコキシル化ポリオールを形成するために、少なくとも2つのヒドロキシ部分を含むポリオール源をアルコキシル化して、少なくとも1つのアルコキシ部分を含むアルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(b)アルコキシル化ポリオールをルイス酸触媒の存在下でエピクロロヒドリンと反応させ、その後塩基と反応させてグリシドールエーテルでキャップされたアルコキシル化ポリオールを形成する工程;
(c)グリシドールエーテルでキャップされたアルコキシル化ポリオールを三酸化硫黄と反応させて環状サルフェートでキャップされたアルコキシル化ポリオールを形成し、次に環状サルフェートでキャップされたアルコキシル化ポリオールを3,4−ジヒドロイソキノリンと反応させて漂白活性アルコキシル化ポリオールを形成する工程
を含むことを特徴とする化合物を製造するための方法。


【公表番号】特表2007−527455(P2007−527455A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552192(P2006−552192)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/002992
【国際公開番号】WO2005/078060
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】